JP4673502B2 - 主鎖型液晶性ポリエステル、液晶性組成物、液晶フィルムの製造方法、光学フィルムおよび表示装置 - Google Patents
主鎖型液晶性ポリエステル、液晶性組成物、液晶フィルムの製造方法、光学フィルムおよび表示装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な重合可能な主鎖型液晶性ポリエステル、該主鎖型液晶性ポリエステルを含有する液晶性組成物、該液晶性組成物を重合してなる液晶フィルムの製造方法、該方法により製造した光学フィルムおよび該光学フィルムを搭載した表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶化合物を光学材料へ適用するための研究開発が活発に行われており、既に実用化されているものも数多くある。液晶化合物を光学材料として用いる場合、配向後固定化された液晶の配向構造が、実使用条件下で保持されることが必須となる。液晶の配向構造を保持する方法として、重合性の液晶化合物を用いる方法、高分子液晶物質を用いる方法、更には、重合性の反応基を有する高分子液晶物質を用いる方法が提案されている。
【0003】
重合性の液晶化合物を用いる方法として、特表平11−513019号、特表平11−513360号などには、メソゲンとしてベンゼン環2個あるいは3個をエステル基で結合したものが挙げられている。これらの低分子液晶化合物を光学フィルムの材料として用いる場合には、低分子液晶化合物を加熱溶融し液晶状態で基板フィルム上に塗布する方法が考えられるが、この方法では、光学フィルムに要求される膜の均一性や膜厚精度を達成するのは困難である。また、溶液としてフィルム基板上に塗布する場合には、溶液粘度が低く、塗布自体が困難である場合が多い。従って、前記公報明細書においては、自立型の光学フィルムを作製する場合には、ガラスセルの中に液晶材料を充填し、加熱下で紫外線照射を行う等により硬化させた後、ガラス基板を取り除き自立型の光学フィルムとする方法が提案されているが、フィルム基板上に塗布する方法と比較すると煩雑である。
【0004】
高分子液晶物質を用いる方法として、特開平11−158258号に開示されているように、配向保持能に優れた液晶性ポリエステルが提案されている。しかしながら、モバイル機器の普及に伴い、これら液晶性ポリエステルからなる光学フィルムに対して、より厳しい使用環境での配向保持能、より優れた機械的強度が求められれている。
一方、重合性の反応基を有する高分子液晶物質を用いる方法としては、特開平9−3454号等では、高分子主鎖に重合性反応基を導入する方法、側鎖に重合性反応基を有するモノマー単位を導入する方法が提案されているが、これらいずれの方法においても液晶性を低下させるため、機械的強度を十分に高めるまでに多量の重合性反応基の導入には限度があり、他の手法が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、液晶配向固定化後の配向保持能および機械的強度に優れた重合可能な主鎖型液晶性ポリエステルと該液晶性ポリエステルを用いた光学フィルムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、構造単位として配向処理後重合可能な構造単位を導入した主鎖型液晶性ポリエステルを開発し、該主鎖型液晶性ポリエステルをフィルム化することにより、液晶配向固定化後の配向保持能、機械的強度に優れる新たな光学フィルムを開発したものである。
【0007】
すなわち本発明の第1は、芳香族ジオール単位、芳香族ジカルボン酸単位および芳香族ヒドロキシカルボン酸単位のうち少なくとも2種を必須単位として含む主鎖型液晶性ポリエステルであって、主鎖末端の少なくとも一方にビニルオキシ基、エポキシ基およびオキセタニル基からなる群から選ばれるカチオン重合性基を有する構造単位を含むことを特徴とする主鎖型液晶性ポリエステルである。
【0008】
本発明の第2は、前記芳香族ジオール単位が、下記一般式で表されるカテコール誘導体であることを特徴とする本発明の第1に記載の主鎖型液晶性ポリエステルである。
【0009】
【化4】
【0010】
ただし式中の−Xは以下に示すいずれかの基を示す。
-H, -CH3, -C2H5, -CH2CH2CH3, -CH(CH3)2, -CH2CH2CH2CH3,
-CH2CH(CH3)CH3, -CH(CH3)CH2CH3, -C(CH3)3, -OCH3, -OC2H5,
-OC6H5, -OCH2C6H5, -F, -Cl, -Br, -NO2 または -CN
【0011】
本発明の第3は、前記主鎖型液晶性ポリエステルが、溶融状態において液晶状態を示し、かつフェノール/テトラクロロエタン混合溶媒(重量比60/40)中、30℃で測定した対数粘度ηが0.03〜0.50dl/gであることを特徴とする本発明の第1または第2に記載の主鎖型液晶性ポリエステルである。
【0013】
本発明の第5は、下記の一般式Aで表される芳香族ジオール、一般式Bで表される芳香族ジカルボン酸、及び一般式Cで表される芳香族ヒドロキシカルボン酸のうち少なくとも2種、並びに一般式Dで表されるカチオン重合性基を含む1官能性芳香族化合物を重合して得られることを特徴とする本発明の第1乃至第3の記載の主鎖型液晶性ポリエステルである。
【0014】
【化5】
【0015】
式中の−X、−Y、−Zは、各構造単位毎にそれぞれ独立に以下に示すいずれかの基を表す。
−X: -H, -CH3, -C2H5, -CH2CH2CH3, -CH(CH3)2, -CH2CH2CH2CH3,
-CH2CH(CH3)CH3, -CH(CH3)CH2CH3, -C(CH3)3, -OCH3, -OC2H5,
-OC6H5, -OCH2C6H5, -F, -Cl, -Br, -NO2 または -CN
−Y: 単結合, -(CH2)n-, -O-, -O-(CH2)n-, -(CH2)n-O-, -O-(CH2)n-O-,
-O-CO-, -CO-O-, -O-CO-(CH2)n-, -CO-O-(CH2)n-, -(CH2)n-O-CO-,
-(CH2)n-CO-O-, -O-(CH2)n-O-CO-, -O-(CH2)n-CO-O-,
-O-CO-(CH2)n-O-, -CO-O-(CH2)n-O-, -O-CO-(CH2)n-O-CO-,
-O-CO-(CH2)n-CO-O-, -CO-O-(CH2)n-O-CO-
または -CO-O-(CH2)n-CO-O-
(ただしnは1〜12の整数を示す。)
−Z:
【0016】
【化6】
【0017】
本発明の第6は、本発明の第1から第3に記載の主鎖型液晶性ポリエステルと光カチオン発生剤および/または熱カチオン発生剤からなることを特徴とする液晶性組成物である。
【0018】
本発明の第7は、本発明の第6に記載の液晶性組成物の層を配向能を有するフィルム上に形成し、熱処理により液晶配向せしめた後、光照射および/または加熱処理によりカチオン重合性基を重合させることにより液晶配向を固定化することを特徴とする液晶フィルムの製造方法である。
【0019】
本発明の第8は、本発明の第7に記載の方法により製造した光学フィルムである。
【0020】
本発明の第9は、本発明の第8に記載の光学フィルムが、一軸あるいはねじれ位相差フィルム、コレステリック配向型円偏光反射フィルム、ネマチックハイブリッド配向型補償フィルムのうちのいずれかの機能を有することを特徴とする光学フィルムである。
【0021】
本発明の第10は、本発明の第9に記載の光学フィルムを少なくとも1枚搭載したことを特徴とする表示装置である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の主鎖型液晶性ポリエステルは、芳香族ジオール単位(以下、構造単位(A)という)、芳香族ジカルボン酸単位(以下、構造単位(B)という)および芳香族ヒドロキシカルボン酸単位(以下、構造単位(C)という)のうち少なくとも2種を必須単位として含む主鎖型液晶性ポリエステルであって、主鎖末端の少なくとも一方にカチオン重合性基を有する構造単位を含むことを特徴とする主鎖型液晶性ポリエステル、である。
まず、構造単位(A),(B)および(C)に付いて説明する。
【0023】
本発明では、構造単位(A)を導入するための化合物としては、特にカテコール、レゾルシン、ヒドロキノン等若しくはそれらの置換体、4,4'―ビフェノール、2,2',6,6'−テトラメチル-4,4'-ビフェノールおよび2,6−ナフタレンジーオール等が挙げられる。より具体的には、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン等若しくはそれらの置換体としては、下記一般式で表される化合物が好ましく、
【0024】
【化7】
【0025】
ただし、式中の−Xは以下に示すいずれかの基を表す。
-H, -CH3, -C2H5, -CH2CH2CH3, -CH(CH3)2, -CH2CH2CH2CH3,
-CH2CH(CH3)CH3, -CH(CH3)CH2CH3, -C(CH3)3, -OCH3, -OC2H5,
-OC6H5, -OCH2C6H5, -F, -Cl, -Br, -NO2, または -CN
特に下記式で表される化合物が好ましい。
【0026】
【化8】
【0027】
ただし、式中の−Xは以下に示すいずれかの基を示す。
-H, -CH3, -C2H5, -CH2CH2CH3, -CH(CH3)2, -CH2CH2CH2CH3,
-CH2CH(CH3)CH3, -CH(CH3)CH2CH3, -C(CH3)3, -OCH3, -OC2H5,
-OC6H5, -OCH2C6H5, -F, -Cl, -Br, -NO2, または -CN
【0028】
構造単位(B)を導入するための化合物としてはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸等若しくはそれらの置換体、4,4'−スチルベンジカルボン酸若しくはその置換体、2,6−ナフタレンジカルボン酸および4,4'−ビフェニルジカルボン酸、が挙げられる。好ましくは、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸等若しくはそれらの置換体であり、より具体的は、下記一般式で表される化合物が好ましい。
【0029】
【化9】
【0030】
ただし、式中の−Xは、以下に示すいずれかの基を表す。
-H, -CH3, -C2H5, -CH2CH2CH3, -CH(CH3)2, -CH2CH2CH2CH3,
-CH2CH(CH3)CH3, -CH(CH3)CH2CH3, -C(CH3)3, -OCH3, -OC2H5,
-OC6H5, -OCH2C6H5, -F, -Cl, -Br, -NO2, または -CN
【0031】
さらに構造単位(C)を導入するための化合物としては、ヒドロキシ安息香酸若しくはその置換体、4'−ヒドロキシ−4−ビフェニルカルボン酸若しくはその置換体、4'−ヒドロキシ−4−スチルベンカルボン酸若しくはその置換体、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸および4−ヒドロキシ桂皮酸等が挙げられる。より具体的には、ヒドロキシ安息香酸およびその置換体、4'−ヒドロキシ−4−ビフェニルカルボン酸若しくはその置換体、4'−ヒドロキシ−4−スチルベンカルボン酸若しくはその置換体が好ましく、特に下記一般式で表される化合物が好ましい。
【0032】
【化10】
【0033】
ただし、式中の−X、−X1、−X2は、それぞれ以下に示すいずれかの基を表す。
-H, -CH3, -C2H5, -CH2CH2CH3, -CH(CH3)2, -CH2CH2CH2CH3,
-CH2CH(CH3)CH3, -CH(CH3)CH2CH3, -C(CH3)3, -OCH3, -OC2H5,
-OC6H5, -OCH2C6H5, -F, -Cl, -Br, -NO2, または -CN
【0034】
本発明の主鎖型液晶性ポリエステルは、構造単位として、(A)芳香族ジオール単位、(B)芳香族ジカルボン酸単位、および(C)芳香族ヒドロキシカルボン酸単位のうちから少なくとも2種と、さらに主鎖末端の少なくとも一方にカチオン重合性基を有する構造単位(以下、構造単位(D)という。)を必須の構造単位として含み、かつサーモトロピック液晶性を示すものであればよく、他の構造単位はこれら条件を満足する限り特に限定されるものではない。
【0035】
本発明の主鎖型液晶性ポリエステルを構成する構造単位(A),(B)および(C)の全構造単位に占める割合は、構造単位(A),(B)および(C)がジオールあるいはジカルボン酸あるいはヒドロキシカルボン酸として全モノマーの仕込み量に対して占める重量和の比率で表した場合、通常20〜99%、好ましくは30〜95%、特に好ましくは40〜90%の範囲である。20%より少ない場合には、液晶性を発現する温度領域が極端に狭くなるおそれがあり、また99%を越える場合には、本発明の主鎖型液晶性ポリエステルに必須なカチオン重合性基を有する単位が相対的に少なくなり、配向保持能、機械的強度の向上が得られない恐れがあり、どちらの場合も好ましくない。
【0036】
次にカチオン重合性基を有する構造単位(D)について説明する。
カチオン重合性基としては、エポキシ基、オキセタニル基、およびビニルオキシ基からなる群から選ばれる官能基が好ましい。
構造単位(D)を導入するための化合物としては、下記の一般式に示すごとく、フェノール性水酸基あるいはカルボキシル基を有する芳香族化合物に、エポキシ基、オキセタニル基、およびビニルオキシ基から選ばれるカチオン重合性を有する官能基が結合した化合物である。また、芳香環と上記カチオン重合性基との間には、適当なスペーサー部分を有していても良い。
【0037】
【化11】
【0038】
ただし、式中の−X、−X1、−X2、−Y、−Zは、各構造単位毎にそれぞれ独立に以下に示すいずれかの基を表す。
−X,−X1,−X2: -H, -CH3, -C2H5, -CH2CH2CH3, -CH(CH3)2,
-CH2CH2CH2CH3, -CH2CH(CH3)CH3, -CH(CH3)CH2CH3, -C(CH3)3, -OCH3,
-OC2H5,-OC6H5, -OCH2C6H5, -F, -Cl, -Br, -NO2, または -CN
−Y: 単結合, -(CH2)n-, -O-, -O-(CH2)n-, -(CH2)n-O-, -O-(CH2)n-O-,
-O-CO-, -CO-O-, -O-CO-(CH2)n-, -CO-O-(CH2)n-, -(CH2)n-O-CO-,
-(CH2)n-CO-O-, -O-(CH2)n-O-CO-, -O-(CH2)n-CO-O-,
-O-CO-(CH2)n-O-, -CO-O-(CH2)n-O-, -O-CO-(CH2)n-O-CO-,
-O-CO-(CH2)n-CO-O-, -CO-O-(CH2)n-O-CO-,
または -CO-O-(CH2)n-CO-O-
(ただし、nは1〜12の整数を示す。)
Z:
【0039】
【化12】
【0040】
構造単位(D)の中では、カチオン重合性基もしくはカチオン重合性基を含む置換基とフェノール性水酸基あるいはカルボン酸基の結合位置は、これらの基が結合する骨格がベンゼン環の場合は1,4−の位置関係を、ナフタレン環の場合は2,6−の位置関係を、ビフェニル骨格、スチルベン骨格の場合は4,4'−の位置関係にあるものが液晶性の点から好ましい。より具体的には、4−ビニルオキシ安息香酸、4−ビニルオキシフェノール、4−ビニルオキシエトキシ安息香酸、4−ビニルオキシエトキシフェノール、4−グリシジルオキシ安息香酸、4−グリシジルオキシフェノール、4−(オキセタニルメトキシ)安息香酸、4−(オキセタニルメトキシ)フェノール、4'−ビニルオキシ−4−ビフェニルカルボン酸、4'−ビニルオキシ−4−ヒドロキシビフェニル、4'−ビニルオキシエトキシ−4−ビフェニルカルボン酸、4'−ビニルオキシエトキシ−4−ヒドロキシビフェニル、4'−グリシジルオキシ−4−ビフェニルカルボン酸、4'−グリシジルオキシ−4−ヒドロキシビフェニル、4'−オキセタニルメトキシ−4−ビフェニルカルボン酸、4'−オキセタニルメトキシ−4−ヒドロキシビフェニル、6−ビニルオキシ−2−ナフタレンカルボン酸、6−ビニルオキシ−2−ヒドロキシナフタレン、6−ビニルオキシエトキシ−2−ナフタレンカルボン酸、6−ビニルオキシエトキシ−2−ヒドロキシナフタレン、6−グリシジルオキシ−2−ナフタレンカルボン酸、6−グリシジルオキシ−2−ヒドロキシナフタレン、6−オキセタニルメトキシ−2−ナフタレンカルボン酸、6−オキセタニルメトキシ−2−ヒドロキシナフタレン、4−ビニルオキシ桂皮酸、4−ビニルオキシエトキシ桂皮酸、4−グリシジルオキシ桂皮酸、4−オキセタニルメトキシ桂皮酸、4'−ビニルオキシ−4−スチルベンカルボン酸、4'−ビニルオキシ−3'−メトキシ−4−スチルベンカルボン酸、4'−ビニルオキシ−4−ヒドロキシスチルベン、4'−ビニルオキシエトキシ−4−スチルベンカルボン酸、4'−ビニルオキシエトキシ−3'−メトキシ−4−スチルベンカルボン酸、4'−ビニルオキシエトキシ−4−ヒドロキシスチルベン、4'−グリシジルオキシ−4−スチルベンカルボン酸、4'−グリシジルオキシ−3'−メトキシ−4−スチルベンカルボン酸、4'−グリシジルオキシ−4−ヒドロキシスチルベン、4'−オキセタニルメトキシ−4−スチルベンカルボン酸、4'−オキセタニルメトキシ−3'−メトキシ−4−スチルベンカルボン酸、4'−オキセタニルメトキシ−4−ヒドロキシスチルベンなどが好ましい。
【0041】
カチオン重合性基を有する構造単位(D)の主鎖型液晶性ポリエステルを構成する全構造単位に占める割合は、同様に構造単位(D)をカルボン酸あるいはフェノールとして仕込み組成中の重量割合で表した場合、通常1〜60%、好ましくは5〜50%の範囲である。1%よりも少ない場合には、配向保持能、機械的強度の向上が得られない恐れがあり、また60%を越える場合には、結晶性が上がることにより液晶温度範囲が狭まり、どちらの場合も好ましくない。
【0042】
(A)〜(D)の各構造単位は、それぞれ1つまたは2つのカルボキシル基あるいはフェノール性水酸基を有しているが、(A)〜(D)の有するカルボキシル基、フェノール性水酸基は、仕込みの段階においてそれぞれの官能基の当量数の総和を概ねそろえることが望ましい。すなわち、構造単位(D)が遊離のカルボキシル基を有する単位である場合には、
((A)のモル数×2)=((B)のモル数×2)+((D)のモル数)、
構造単位(D)が遊離のフェノール性水酸基を有する単位である場合には、
((A)のモル数×2)+((D)のモル数)=((B)のモル数×2)
なる関係を概ね満たすことが望ましい。この関係式から大きく外れる仕込み組成の場合には、カチオン重合に関わる単位以外のカルボン酸あるいはフェノール、もしくはそれらの誘導体が分子末端となることになり、十分なカチオン重合性が得られないばかりか、これら酸性の残基が存在することにより、プロセス上の望む段階以外で重合反応や分解反応が起きてしまうおそれがあり好ましくない。
【0043】
本発明の主鎖型液晶性ポリエステルは、(A)、(B)、(C)および(D)以外の構造単位を含有することができる。含有することができる他の構造単位としては、特に限定はなく当該分野で公知の化合物(モノマー)を使用することができる。例えば、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸およびこれら化合物にハロゲン基やアルキル基を導入した化合物やビフェノール、ナフタレンジオール、脂肪族ジオールおよびこれら化合物にハロゲン基やアルキル基を導入した化合物等を挙げることができる。また、本発明の主鎖型液晶性ポリエステルを構成する単位の原料として光学活性な化合物を用いた場合、該主鎖型液晶性ポリエステルにカイラルな相を付与せしめることが可能となる。かかる光学活性な化合物としては特に制限はないが、例えば、光学活性な脂肪族アルコール(CnH2n+1OH、たただしnは4から14の整数を表す。)、光学活性な脂肪族基を結合したアルコキシ安息香酸(CnH2n+1O−Ph−COOH、ただしnは4から14の整数、Phはフェニル基を表す。)、メントール、カンファー酸、ナプロキセン誘導体、ビナフトール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチルブタンジオール、2−クロロブタンジオール、酒石酸、メチルコハク酸、3−メチルアジピン酸などを挙げることができる。
【0044】
本発明の主鎖型液晶性ポリエステルの分子量は、フェノール/テトラクロロエタン混合溶媒(重量比60/40)中、30℃で測定した対数粘度ηが0.03〜0.50dl/gが好ましく、より好ましくは0.05〜0.15dl/gである。ηが0.03dl/gより小さい場合には、主鎖型液晶性ポリエステルの溶液粘度が低く、フィルム化する際に均一な塗膜が得られない恐れがある。また、0.50dl/gより大きい場合には、液晶配向時に要する配向処理温度が高くなり、配向と架橋が同時に起こり配向性を低下させる危険性がある。
本発明において、主鎖型液晶性ポリエステルの分子量制御は専ら仕込み組成により決定される。具体的には分子両末端を封印する形で反応する1官能性モノマー、すなわち前記した構造単位(D)を導入するための化合物の、全仕込み組成における相対的な含有量により、得られる主鎖型液晶性ポリエステルの平均的な重合度(構造単位(A)〜(D)の平均結合数)が決定される。したがって、所望の対数粘度を有する主鎖型液晶性ポリエステルを得るためには、仕込みモノマーの種類に応じて仕込み組成を調整する必要がある。
【0045】
本発明の主鎖型液晶性ポリエステルの合成方法としては、通常のポリエステルを合成する際に用いられる方法を採ることができ、特に限定されるものではない。例えば、カルボン酸単位を酸クロリドやスルホン酸無水物などに活性化し、それを塩基の存在下でフェノール単位と反応させる方法(酸クロリド法)や、カルボン酸単位とフェノール単位をDCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)などの縮合剤を用いて直接縮合させる方法、フェノール単位をアセチル化して、これとカルボン酸単位とを溶融条件下で脱酢酸重合する方法などを用いることが出来る。ただし、溶融条件下での脱酢酸重合を用いる場合には、カチオン重合性基を有するモノマー単位が反応条件下で重合や分解反応を起こすおそれがあるため、反応条件を厳密に制御する必要がある場合が多く、場合によっては適当な保護基を用いたり、あるいは一度別な官能基を有する化合物を反応させておいてから、後でカチオン重合性基を導入するなどの方法を採ることが望ましい場合もある。また、重合反応により得られた粗主鎖型液晶性ポリエステルを、再結晶、再沈などの方法により精製してもよい。
【0046】
このようにして得られた主鎖型液晶性ポリエステルは、NMR(核磁気共鳴法)などの分析手段により、それぞれのモノマーがどのような比率で主鎖型液晶性ポリエステル中に存在するかを同定することができる。特に、カチオン重合性基の量比から、主鎖型液晶性ポリエステルの平均結合数を算出する事ができる。
【0047】
本発明においては、前記カチオン重合性基を含む主鎖型液晶性ポリエステルに他の化合物を配合することも、本発明の範囲を超えないかぎり可能である。例えば、本発明の主鎖型液晶性ポリエステルと混和しうる本発明の主鎖型液晶性ポリエステル以外の高分子物質や各種低分子化合物等を添加しても良い。かかる低分子化合物は、液晶性を有していても有していなくとも良く、架橋性の主鎖型液晶性ポリエステルと反応できる重合性基を有していてもいなくとも良い。重合性基を有する液晶性化合物を用いることが好ましく、例えば以下のものを例示できる。
【0048】
【化13】
【0049】
ここで、nは2〜12の整数を、また−V−および−Wはそれぞれ以下のいずれかの基を表す。
−V−: 単結合、−O−、−O−CmH2m−O−
(ただし、mは2〜12の整数)
−W:
【0050】
【化14】
【0051】
なお、添加する高分子物質や低分子化合物が光学活性である場合、組成物としてカイラルな液晶相を誘起させることができる。かかる組成物は、ねじれネマチック配向構造やコレステリック配向構造を有するフィルムの製造に利用することができる。
【0052】
次に、合成された主鎖型液晶性ポリエステルを用いて液晶フィルムの製造方法について説明する。液晶フィルム製造の方法としてはこれらに限定されるものではないが、下記方法に示される各工程を踏むことが望ましい。
本発明の主鎖型液晶性ポリエステルからなる光学フィルムは、配向基板上に形成されたままの形態(配向基板/(配向膜)/液晶フィルム)、配向基板とは異なる透明基板フィルム等に液晶フィルムを転写した形態(透明基板フィルム/液晶フィルム)、または液晶フィルムに自己支持性がある場合には液晶フィルム単層形態(液晶フィルム)のいずれの形態であってもよい。
【0053】
本発明に用いることのできる配向基板の例としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、トリアセチルセルロース、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等のフィルムおよびこれらフィルムの一軸延伸フィルム等が例示できる。これらフィルムは製造方法によっては改めて配向能を発現させるための処理を行わなくとも本発明の主鎖型液晶性ポリエステルに対して十分な配向能を示すものもあるが、配向能が不十分、または配向能を示さない等の場合には、必要によりこれらのフィルムを適度な加熱下に延伸する、フィルム面をレーヨン布等で一方向に擦るいわゆるラビング処理を行う、フィルム上にポリイミド、ポリビニルアルコール、シランカップリング剤等の公知の配向膜を設けてラビング処理を行う、あるいはこれらを適宜組み合わせるなどして配向能を発現させたフィルムを用いても良い。また表面に規則的な微細溝を設けたアルミニウム、鉄、銅などの金属板や各種ガラス板等も配向基板として使用することができる。
【0054】
配向基板として光学的に等方でない、あるいは得られる光学フィルムが最終的に目的とする使用波長領域において不透明な配向基板を使用した場合は、配向基板上で形成された形態から光学的に等方なフィルムや最終的に使用される波長領域において透明な基板上に転写した形態も使用しうる。該転写方法としては、例えば特開平4−57017号公報や特開平5−333313号公報に記載されているように液晶フィルム層を粘・接着剤を介して、配向基板とは異なる他の透明な基板を積層した後に、必要により粘・接着剤に硬化処理を施し、該積層体から配向基板を剥離することで液晶フィルムのみを転写する方法等を挙げることができる。
【0055】
前記透明な基板としては、例えばフジタック(富士写真フィルム(株)製品)、コニカタック(コニカ(株)製品)などのトリアセチルセルロースフィルム、TPXフィルム(三井化学(株)製品)、アートンフィルム(JSR(株)製品)、ゼオネックスフィルム(日本ゼオン(株)製品)、アクリプレンフィルム(三菱レーヨン(株)製品)等が挙げられ、また必要によっては透明な基板として偏光板を使用することもできる。さらに、石英板やガラス板を使用することもある。なお、前記偏光板は保護層の有無を問わず使用することができる。
【0056】
転写に使用される粘・接着剤は光学グレードのものであれば特に制限はなく、例えば、アクリル系、エポキシ樹脂系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、ゴム系、ウレタン系およびこれらの混合物系や、熱硬化型および/または光硬化型、電子線硬化型等の各種反応性のものを挙げることができる。
前記反応性のものの反応(硬化)条件は、粘・接着剤を構成する成分、粘度等や反応温度等の条件により変化するため、それぞれに適した条件を選択して行えばよい。例えば、光硬化型の場合は後述の光カチオン発生剤の場合と同様な光源を使用し同様な照射量でよく、電子線硬化型の場合の加速電圧は、通常25kV〜200kV、好ましくは50kV〜100kVである。
【0057】
本発明の主鎖型液晶性ポリエステルや液晶性組成物から形成される光学フィルムは、主鎖型液晶性ポリエステルまたは液晶性組成物を溶融状態で配向基板上に塗布する方法や、主鎖型液晶性ポリエステルまたは液晶性組成物の溶液を配向基板上に塗布する方法等により製造することができるが、膜厚の均一性などから溶液で塗布する方法が好ましい。配向基板上に塗布された塗膜は乾燥、熱処理(液晶の配向)および光照射および/または加熱処理(重合)を経て製造される。
【0058】
溶液の調製に用いる溶媒に関しては、本発明の主鎖型液晶性ポリエステルや液晶性組成物を溶解でき、適当な条件で留去できる溶媒であれば特に制限は無く、一般的にアセトン、メチルエチルケトン、イソホロンなどのケトン類、ブトキシエチルアルコール、ヘキシルオキシエチルアルコール、メトキシ−2−プロパノールなどのエーテルアルコール類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸メトキシプロピル、乳酸エチルなどのエステル系、フェノール、クロロフェノールなどのフェノール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系、クロロホルム、テトラクロロエタン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン系などやこれらの混合系が好ましく用いられる。また、配向基板上に均一な塗膜を形成するために、界面活性剤、消泡剤、レベリング剤等を溶液に添加しても良い。
【0059】
塗布方法については、塗膜の均一性が確保される方法であれば、特に限定されることはなく公知の方法を採用することができる。例えば、ロールコート法、ダイコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スピンコート法などを挙げることができる。塗布の後に、ヒーターや温風吹きつけなどの方法による溶媒除去(乾燥)工程を入れても良い。
【0060】
次に、液晶配向を形成するための熱処理を行う。この熱処理では、使用した主鎖型液晶性ポリエステルの液晶転移温度(もしくは該ポリエステルが室温においても液晶相がガラス固定化されている場合などにおいては、流動開始温度)以上に加熱することにより、該ポリエステルが本来有する自己配向能により液晶を配向させる。熱処理の条件としては、用いる主鎖型液晶性ポリエステルや液晶性組成物の液晶相挙動(転移温度)や重合性官能基の種類により最適条件や限界値が異なるため一概には言えないが、通常20〜250℃、好ましくは50〜200℃、さらに好ましくは80〜160℃の範囲である。20℃よりも低い場合には、液晶の流動性が十分に得られず配向が不十分になるおそれがあり、また250℃を越える場合には、重合性官能基がこの段階で重合や分解を起こすおそれがあるため、どちらの場合も好ましくない。また、熱処理時間については、通常10秒〜2時間、好ましくは30秒〜1時間、さらに好ましくは1分〜30分の範囲である。10秒よりも短い熱処理時間では、液晶配向が十分に完成しないおそれがあり、また2時間を超える熱処理時間では、生産性が極端に悪くなるため、どちらの場合も好ましくない。
【0061】
次に、得られた液晶の配向が完成した配向基板上の主鎖型液晶性ポリエステル層を重合反応により架橋させる。本発明における架橋工程とは、上記工程により得られる液晶配向が完成した主鎖型液晶性ポリエステル層を、架橋(硬化)反応により液晶配向状態を保ったままより強固な膜に変成することを目的としている。
本発明の主鎖型液晶性ポリエステルはカチオン重合性であるため、重合・架橋にはしかるべき重合開始剤を用いる必要がある。これらの重合開始剤としては光や熱によりカチオンを発生しうる化合物であれば特に制限はなく、例えばトリクロロメチル基やキノンジアジド基を有する化合物、有機スルフォニウム塩系、ヨードニウム塩系、フォスフォニウム塩等が挙げられる。
【0062】
これらの重合開始剤(以下、カチオン発生剤という。)の本発明の主鎖型液晶性ポリエステルに対する添加量は、用いる主鎖型液晶性ポリエステルのカチオン重合性基の種類や、カチオン重合性基当量、液晶の配向条件などにより異なるため一概には言えないが、主鎖型液晶性ポリエステルに対する重量比にして通常100ppm〜20%、好ましくは1000ppm〜10%、より好ましくは0.02〜5%、最も好ましくは0.05〜3%の範囲である。100ppmよりも少ない場合には、発生するカチオンの量が十分でなく架橋が進行しないおそれがあり、また20%よりも多い場合には、液晶性組成物の液晶性が低下して液晶の配向が不完全になったり、得られるフィルム中に残存するカチオン発生剤の分解残存物等が多くなり耐光性などが悪化するおそれがあるため、どちらの場合も好ましくない。
【0063】
また、ルイス酸などのカチオンを発生する化合物を主鎖型液晶性ポリエステルに予め混合しておき、液晶配向形成後、あるいは液晶配向形成と同時にカチオン重合性基を反応させる方法を採ることも出来るが、液晶配向と重合過程を工程上分離できた方が、十分な液晶配向と架橋度を両立できることが多く、実際には以下に示すように熱あるいは光などにより顕在化するカチオン発生剤を用いることがより好ましい。
【0064】
本発明において、熱によりカチオンを発生するカチオン発生剤(以下、熱カチオン発生剤という。)を用いる場合には、熱カチオン発生剤の活性化温度(通常用いられる指標としては、50%解離温度)よりも低い温度で前記液晶性ポリエステルの配向のため熱処理を行い、ついで本工程において活性化温度以上に加熱することにより、用いた熱カチオン発生剤を解離させ、発生したカチオンによりカチオン重合性基を反応させることが出来る。この方法のメリットとしては、熱処理設備のみにより液晶配向と架橋反応を行うことが出来る点が挙げられる。しかしながら、反面熱(温度の違い)のみにより配向と架橋の工程を分離しているため、配向時に若干架橋反応が進行してしまったり、あるいは架橋工程においても十分架橋が進行しない場合があるなどのデメリットも挙げられる。熱カチオン発生剤の例としては、ベンジルスルホニウム塩類、ベンジルアンモニウム塩類、ベンジルピリジニウム塩類、ベンジルホスホニウム塩類、ヒドラジニウム塩類、カルボン酸エステル類、スルホン酸エステル類、アミンイミド類、五塩化アンチモン−塩化アセチル錯体、ジアリールヨードニウム塩−ジベンジルオキシ銅、ハロゲン化ホウ素−三級アミン付加物、などを挙げることができる。
【0065】
次に、本発明において光によりカチオンを発生するカチオン発生剤(以下、光カチオン発生剤という。)を用いる場合について説明する。
本発明で言う光カチオン発生剤とは、適当な波長の光を照射することによりカチオンを発生できる化合物を意味し、有機スルフォニウム塩系、ヨードニウム塩系、フォスフォニウム塩系などを例示することが出来る。これら化合物の対イオンとしては、アンチモネート、フォスフェート、ボレートなどが好ましく用いられる。具体的な化合物としては、Ar3S+SbF6 -、Ar3P+BF4 -、Ar2I+PF6 -(ただし、Arはフェニル基または置換フェニル基を示す。)などが挙げられる。また、スルホン酸エステル類、トリアジン類、ジアゾメタン類、β−ケトスルホン、イミノスルホナート、ベンゾインスルホナートなども用いることができる。
【0066】
上記に示したごとくの光カチオン発生剤を用いた場合、液晶配向のための熱処理を暗条件(光カチオン発生剤が解離しない程度の光遮断条件)で行えば、主鎖型液晶性ポリエステルは配向段階で架橋や分解をすることなく、十分な流動性をもって配向することが出来る。この後、適当な波長光を発する光源からの光を照射することによりカチオンを発生させ、主鎖型液晶性ポリエステルを重合・架橋する。光照射の方法としては、用いる光カチオン発生剤の種類や量により照射波長、照射強度、照射時間等の最適値が異なるが、光カチオン発生剤の吸収波長領域付近にスペクトルを有するようなメタルハライドランプ、高圧水銀灯、低圧水銀灯、キセノンランプ、アークランプ、レーザーなどの光源からの光を照射し、光カチオン発生剤を解裂させる。1平方センチ当たりの照射量としては、積算照射量として通常1〜2000mJ、好ましくは10〜1000mJの範囲である。ただし、光カチオン発生剤の吸収領域と光源のスペクトルが著しく異なる場合や、あるいは主鎖型液晶ポリエステル自身に光源波長の吸収能がある場合などにはこの限りではない。これらの場合には、適当な光増感剤や、あるいは吸収波長の異なる2種以上の光カチオン発生剤を混合して用いるなどの方法を採ることも出来る。
【0067】
このように光照射され解裂したカチオンにより主鎖型液晶性ポリエステル中のカチオン重合性基が反応(架橋)するが、該カチオン重合性基の種類や液晶の相挙動によっては、室温で光照射を行っても十分なカチオンの発生が行えない場合や、あるいはカチオンが発生しても主鎖型液晶性ポリエステルの流動性が低く架橋反応が十分に起きない場合がある。このような場合には、主鎖型液晶性ポリエステルが液晶相を保持しかつ十分流動する加熱条件下で光照射をするか、あるいは一度室温で光照射した後に主鎖型液晶性ポリエステルが流動できる温度まで加熱する、いわゆるポストキュアー法を用いても良い。
【0068】
以上のような工程により架橋した主鎖型液晶ポリエステル層は、架橋前と異なり十分強固な膜になっている。具体的には、架橋反応によりメソゲンが3次元的に結合され、架橋前に比べて耐熱性(液晶配向保持の上限温度)が向上するのみでなく、耐スクラッチ性、耐摩耗性、耐クラック性などの機械的強度に関しても大幅に向上する。本発明は、液晶配向という緻密な配向制御と、熱的・機械的強度の向上という相反する目的を同時に達成できる方法を提供する意味で工業的な意義が大きい。
【0069】
なお、本発明のカチオン重合性基を含む主鎖型液晶性ポリエステルからなる液晶性組成物は、必要によりカチオン重合性基を含む主鎖型液晶性ポリエステルに配合する化合物を適宜選定することにより、その配向構造を制御することができ、ネマチック配向、ねじれネマチック配向、コレステリック配向、ネマチックハイブリッド配向等を固定化した光学フィルムを製造することが可能であり、その配向構造によって種々の用途がある。
【0070】
これらの光学フィルムのなかで、例えばネマチック配向、ねじれネマチック配向を固定化した光学フィルムは位相差フィルムとして機能し、STN型、TN型、OCB型、HAN型等の透過または反射型液晶表示装置の補償板として使用できる。コレステリック配向を固定化した光学フィルムは、輝度向上用の偏光反射フィルム、反射型のカラーフィルター、選択反射能に基因する視角による反射光の色変化を生かした各種の装飾フィルムなどに利用できる。またネマチックハイブリッド配向を固定化したフィルムは、正面から見たときのリターデーションを利用して、位相差フィルムや波長板として利用でき、またリターデーション値の向き(フィルムの傾き)による非対称性を生かしてTN型液晶表示装置の視野角改善フィルムなどに利用できる。また、1/4波長板機能を有する光学フィルムは、偏光板と組み合わせ、反射型の液晶表示装置やEL表示装置の反射防止フィルターとして用いることができる。
【0071】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例で用いた各分析法は以下の通りである。
【0072】
(1)主鎖型液晶性ポリエステルの組成の決定
ポリエステルを重水素化クロロホルムに溶解し、400MHzの1H−NMR(日本電子製JNM−GX400)で測定し組成を決定した。
(2)対数粘度の測定
ウベローデ型粘度計を用い、フェノール/テトラクロロエタン(60/40重量比)混合溶媒中、30℃で測定した。
(3)相挙動の観察
相挙動はメトラー社製ホットステージ上で、試料を加熱しつつ、オリンパス光学(株)製BH2偏光顕微鏡で観察した。
また、相転移温度はPerkin−Elmer社製示差走査熱量計DSC7により測定した。
【0073】
(4)液晶フィルムのパラメータ測定
ネマチック配向のリターデーション測定は、オリンパス光学(株)製BH2偏光顕微鏡に付属のベレックコンペンセーターを用いた。
ねじれネマチック構造のねじれ角及びリターデーションは、定法に従い、2個の偏向子の間に試料を挟み、種々の配置における透過光のスペクトルを測定・解析して求めた。
【0074】
(5)純度(HPLC)分析法
(株)島津製作所製高速液体クロマトグラフィーLC−9Aを用いて測定した。なお、分析条件は以下の通りである。
カラム: (株)資生堂製CAPCELL PAK C18、 タイプMG
移動相: 水/アセトニトリル/リン酸=60/40/0.1(体積比)
流量: 1ml/分
検出器: UV検出器(測定波長254nm)
【0075】
実施例1(カチオン重合性主鎖型液晶性ポリエステルの合成1)
クロロエチルビニルエーテル(東京化成(株)製、試薬)76.97g(722mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド(東京化成(株)製、試薬)9.70g(30.1mmol)、4−ヒドロキシ安息香酸エチル(東京化成(株)製、試薬)100.00g(602mmol)をN−メチルピロリドン溶媒中120℃で3時間攪拌混合して反応させ、得られた反応液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、溶剤を留去する事により粗4−(ビニルオキシエトキシ)安息香酸エチルを得た。ついで該エステルに純度85%の水酸化カリウム43.69g(662mmol)の水溶液を加え100℃で6時間反応させ加水分解し、さらに91.40g(662mmol)の硫酸水素ナトリウム1水和物の水溶液で希釈・析出させることにより4−(ビニルオキシエトキシ)安息香酸の粗結晶を得た。該粗結晶をアセトニトリルに溶解させ再結晶することにより、HPLC純度99.5%以上の4−(ビニルオキシエトキシ)安息香酸の針状結晶を得た。
収量は104.0g(収率83%)であった。
【0076】
この結晶20.00g(96.0mmol)とN,N−ジイソブチルエチルアミン12.41g(96.0mmol)の混合物を蒸留精製したテトラヒドロフランに溶解させ、この溶液を、蒸留したメタンスルホニルクロリドのテトラヒドロフラン溶液中に0℃で滴下し、4−(ビニルオキシエトキシ)安息香酸のメタンスルホン酸無水物を得た。ここに、テレフタル酸クロリド17.72g(87.3mmol)、メチルヒドロキノン8.12g(65.4mmol)、カテコール7.21g(65.5mmol)を溶解させ、ついでトリエチルアミン28.71g(284mmol)、N,N−ジメチルアミノピリジン2.67g(21.8mmol)のテトラヒドロフラン溶液を滴下し、0℃で2時間、次いで60℃に昇温してさらに4時間反応させた。その後反応液を−20℃に冷却した過剰量のメタノール中に注ぎ込み、反応生成物を再沈により析出させ、洗浄、乾燥させた。得られた主鎖型液晶性ポリエステル1(下記式(1))は常温では白色の粉体で、加熱すると流動性を有するサーモトロピック液晶状態になり、230℃付近で等方相となった。また、主鎖型液晶性ポリエステル1の対数粘度を測定したところ0.085であった。表1にポリマーの対数粘度及びDSCで測定した相挙動を示した。得られた主鎖型液晶性ポリエステル1のNMRスペクトルを図1に示す。
【0077】
【化15】
【0078】
主鎖型液晶性ポリエステル1の10質量%の重水素化クロロホルム溶液に、75℃の加熱下で主鎖型液晶性ポリエステル1に対し1.0重量%の3フッ化ホウ素エーテル錯体を添加すると、カチオン重合により主鎖型液晶性ポリエステル1が反応してゲル化したようで、重水素化クロロホルムに不溶な成分が析出した。この不溶分を濾過し、溶けている成分のみをプロトンNMRにより分析すると、主鎖型液晶性ポリエステル1のビニルエーテル部分が重合し、ポリメチレン鎖が形成されたことを示すピークが観測された。
【0079】
実施例2(カチオン重合性主鎖型液晶性ポリエステルの合成2)
3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亞合成(株)製、商品名:OXT−101)を四塩化炭素に溶解し、過剰量のトリフェニルフォスフィンと反応させ、蒸留精製することにより3−クロロメチル−3−エチルオキセタンを得た。これを実施例1のクロロエチルビニルエーテルの代わりに用い、実施例1と同様の操作により4−(3−(3−エチルオキセタニル)メトキシ)安息香酸を得た。該カルボン酸12.00g(50.8mmol)、N,N−ジイソブチルエチルアミン6.56g(50.8mmol)の混合物を蒸留精製したテトラヒドロフランに溶解し、この溶液を、蒸留したメタンスルホニルクロリドのテトラヒドロフラン溶液中に0℃で滴下し、カルボン酸のメタンスルホン酸無水物を得た。ここに、テレフタル酸クロリド9.37g(46.2mmol)、メチルヒドロキノン4.30g(34.6mmol)、カテコール3.81g(34.6mmol)を溶解させ、ついでトリエチルアミン15.18g(150.0mmol)、N,N−ジメチルアミノピリジン1.41g(11.5mmol)のテトラヒドロフラン溶液を滴下し、0℃で2時間、次いで60℃に昇温してさらに4時間反応させた。その後、反応液を室温で過剰量のメタノール中に注ぎ込み、反応生成物を再沈により析出させ、洗浄、乾燥させ主鎖型液晶性ポリエステル2(下記式(2))を得た。得られた主鎖型液晶性ポリエステル2のNMRスペクトルを図2に示す。
【0080】
【化16】
【0081】
実施例1と同様に、主鎖型液晶性ポリエステル2の10質量%の重水素化クロロホルム溶液に、75℃の加熱下で主鎖型液晶性ポリエステル2に対し1.0重量%の三塩化アルミニウムの粉末を添加すると、カチオン重合により主鎖型液晶性ポリエステル2が反応してゲル化したようで、重水素化クロロホルムに不溶な成分が多量に析出した。この不溶分を濾過し、わずかに溶けている成分をNMRにより分析すると、主鎖型液晶性ポリエステル2のオキセタン部分が開環重合しポリエーテル鎖が形成されたことを示すピークが観測された。また、析出したゲルの赤外線吸収スペクトルを観測すると、オキセタン環に由来する995cm-1の吸収ピークは完全に消失し、開環重合反応が起きたことが確認された。
【0082】
実施例3
4−アリルオキシ安息香酸13.6g(96.0mmol)とN,N−ジイソブチルエチルアミン12.4g(96.0mmol)の混合物を蒸留精製したテトラヒドロフランに溶解させ、この溶液を、蒸留したメタンスルホニルクロリドのテトラヒドロフラン溶液中に0℃で滴下し、4−アリルオキシ安息香酸のメタンスルホン酸無水物を得た。ここに、テレフタル酸クロリド17.7g(87.3mmol)、メチルヒドロキノン8.1g(65.4mmol)、カテコール7.2g(65.5mmol)を溶解させ、ついでトリエチルアミン28.7g(284mmol)、N,N−ジメチルアミノピリジン2.67g(21.8mmol)のテトラヒドロフラン溶液を滴下し、0℃で2時間、次いで60℃に昇温してさらに4時間反応させた。その後、反応液を−20℃に冷却した過剰量のメタノール中に注ぎ込み、反応生成物を再沈により析出させ、洗浄、乾燥させて主鎖型液晶性ポリエステル3(下記式(3))を得た。得られた主鎖型液晶性ポリエステル3のNMRスペクトルを図3に示した。
【0083】
【化17】
【0084】
実施例4
実施例3で得られた主鎖型液晶性ポリエステル3の10gを500mlのジクロロメタンに溶解させ、3−クロロ過安息香酸8.0gを加え、室温下で7日間攪拌した。反応液から析出物をろ別して除き、ろ液に亜硫酸水素ナトリウムの飽和水溶液を加えて激しく攪拌した。分離した有機層を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗い、硫酸マグネシウムを加えて乾燥した後、溶媒をエバポレーターで留去し、メタノールで洗浄した後、真空乾燥機で乾燥して主鎖型液晶性ポリエステル4(下記式(4))を得た。主鎖型液晶性ポリエステル4を重水素化クロロホルムに溶解してNMR測定をしたところ、アリル基のピークは完全に消失し、かわってエポキシ基が生成していることが確認できた。NMRスペクトルを図4に示す。
【0085】
【化18】
【0086】
実施例5(カチオン重合性液晶ポリエステルを用いた液晶フィルムの作成)
実施例1で合成した主鎖型液晶性ポリエステル1を5.00g量り取り、15.00gのシクロヘキサノンを加えて溶解させた。この溶液に、光酸発生剤TAZ−106(ミドリ化学(株)製)0.05gを添加し、孔径0.45μmのポリテトラフロロエチレン製フィルターにより不溶分を濾過して液晶性組成物の溶液を調製した。
この溶液を、表面をレーヨン布によりラビング処理した厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムT−60(東レ(株)製品)上にスピンコート法を用いて塗布し、塗布後約60℃の温風を緩やかに吹き付けることにより溶剤を除去した。得られた液晶性組成物の層は触針式膜厚計により膜厚7.3μmであることがわかった。このポリエチレンテレフタレートフィルム上の液晶性組成物層を、オーブン中で160℃で3分加熱することによりまず均一な液晶配向を形成させた(フィルム1a)。フィルム1a表面の鉛筆硬度は6B以下と弱いものであった。なお、フィルム1aの液晶性組成物層の一部を粘着剤付きトリアセチルセルロース(TAC)フィルム上に転写してリターデーションを測定したところ、リターデーションは基板のポリエチレンテレフタレートフィルムのラビング軸方向と平行な方向を遅相軸として1015nmであった。配向状態はディスクリネーション等のない完全に配向が完了した状態であった。
【0087】
硬化した液晶性組成物層を得るため、フィルム1aに高圧水銀ランプにより積算照射量450mJの紫外線光を照射し、ついで160℃のオーブン中で1分熱処理を行い、硬化した液晶性組成物層を得た(フィルム1b)。なお基板として用いたポリエチレンテレフタレートフィルムが複屈折を有し好ましくないため、フィルム1bを紫外線硬化型接着剤UV−3400(東亞合成(株)製)を介してTACフィルム上に転写し光学フィルム1を得た。転写は、ポリエチレンテレフタレートフィルム上の硬化した液晶性組成物層の上にUV−3400を5μm厚となるように塗布しTACフィルムでラミネートし、TACフィルム側から400mJ/cm2の紫外光を照射して接着剤を硬化した後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した。
【0088】
光学フィルム1を偏光顕微鏡下で観察すると、フィルム1aと同様に均一な液晶配向を有していた。また、光学フィルム1のリターデーションは885nmであった。さらには光学フィルム1の液晶性組成物層部分のみを掻き取り、DSCによりガラス転移点(Tg)を測定したところ、Tgは107℃であった。これは原料に用いた主鎖型液晶性ポリエステル1のTg53℃よりも54℃高い値になっており、架橋(硬化)反応によりTgが向上したことを示している。光学フィルム1の液晶性組成物層表面の鉛筆硬度を測定したところ2H程度であり、強固な膜が得られていた。このように、主鎖型液晶性ポリエステル1を用いることにより、均一な配向性と同時に熱安定性、強度に優れたフィルムが作製できることが分かった。
【0089】
実施例6
下記式(5)に示される光学活性な主鎖型液晶性ポリエステル5を合成した。なお光学活性単位の原料として、(R)−(+)1,1'−ビ−2−ナフトール(環境科学センター(株)製)を用いた。
【0090】
【化19】
【0091】
実施例2で合成した主鎖型液晶性ポリエステル2及び式(5)の光学活性な主鎖型液晶性ポリエステル5をそれぞれ4.52g及び0.48gずつ量り取り、15.00gのトリエチレングリコールジメチルエーテルを加えて溶解させた。この溶液に、光酸発生剤SP−172(旭電化(株)製)0.05gを添加し、孔径0.45μmのポリテトラフロロエチレン製フィルターにより不溶分を濾過して液晶性組成物の溶液を調製した。
【0092】
この溶液を、表面をレーヨン布によりラビング処理した厚み50μmのポリエチレンナフタレートフィルム(帝人(株)製)上にスピンコート法を用いて塗布し、塗布後約60℃の温風を緩やかに吹き付けることにより溶剤を除去した。得られた液晶性組成物層は触針式膜厚計により膜厚6.8μmであることがわかった。この液晶性組成物層が形成されたポリエチレンナフタレートフィルムを、オーブン中で160℃で3分加熱することによりまず均一な液晶配向を形成した。次いで、試料を120℃に加熱しつつ高圧水銀ランプにより積算照射量200mJ/cm2の紫外線光を照射し硬化させた。得られたフィルム状の積層体の液晶性組成物層部分を、表面に粘着剤を有するTACフィルムに該粘着剤を介して転写させた(光学フィルム2)。偏光顕微鏡観察により均一なねじれネマチック配向が得られていることがわかり、またリターデーションは820nm、ねじれ角は−230度(右ねじれ)であった。さらには光学フィルム2の硬化した液晶性組成物層部分のみを掻き取り、DSCによりTgを測定したところ、硬化した液晶性組成物層部分のTgは115℃であった。これは光学フィルム2の作製に用いた主鎖型液晶性ポリエステル2及び5いずれの原料単独のTgよりも高い値になっており、架橋(硬化)反応によりTgが向上したことを示している。光学フィルム2の液晶性組成物層表面の鉛筆硬度を測定したところ2H程度であり、強固な膜が得られていた。
【0093】
光学フィルム2を用い、図5のような液晶表示装置を作製した。STN型液晶セルとして、230度左ねじれ、リターデーション850nmのものを用いた。その結果、光学フィルム2を用いることにより見やすい白黒表示が得られ、光学フィルム2が色補償フィルムとして機能することが分かった。光学フィルム2を用いず、偏光板とSTN型液晶セルのみで表示を行った場合、いかように配置しても着色した見づらい表示しか得られなかった。
【0094】
実施例7
4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジクロリドと(S)−メチルブタンジオールから常法に従って、下記式(6)に示される光学活性な主鎖型液晶性ポリエステル6を合成した。
【0095】
【化20】
【0096】
実施例4で合成した主鎖型液晶性ポリエステル4及び光学活性な主鎖型液晶性ポリエステル6をそれぞれ8.2g及び1.8g量り取り、90gの1,1,2,2−テトラクロロエタンを加えて溶解させた。この溶液に、光酸発生剤SP−172(旭電化(株)製)0.1gを添加し、孔径0.45μmのポリテトラフロロエチレン製フィルターにより不溶分を濾過して液晶性組成物の溶液を調製した。
この溶液を、ラビング処理したポリイミド膜を有するガラス基板にスピンコート法を用いて塗布し、50℃のホットプレート上で溶剤を除去し170℃のオーブン中で10分間熱処理した。次いで、150℃に加熱しつつ高圧水銀ランプにより積算照射量200mJ/cm2の紫外線光を照射した。ガラス基板上の液晶性組成物層はコレステリック配向を有し、鮮やかな赤色の選択反射光を示した。分光器で測定したところ、選択反射光の中心波長は640nmであった。
液晶性組成物層の鉛筆硬度を測定したところHB程度であり、良好な膜が得られていた。
【0097】
実施例8
下記式(7)の主鎖型液晶性ポリエステル及び式(8)の液晶性化合物を常法にしたがって合成した。
【0098】
【化21】
【0099】
それぞれ8.0g及び2.0g量り取り、90gのN−メチルピロリドンを加えて溶解させた。この溶液に、光酸発生剤SP−172(旭電化(株)製)0.05gを添加し、孔径0.45μmのポリテトラフロロエチレン製フィルターにより不溶分を濾過して液晶性組成物の溶液を調製した。
この溶液を、表面をレーヨン布によりラビング処理した厚み50μmのポリフェニレンサルファイドフィルム(東レ(株)製)上にスピンコート法を用いて塗布し、塗布後約80℃のホットプレート上で溶剤を除去した。次いで160℃のオーブン中に2分間保持し、オーブンの温度を30分かけて110℃まで低下させたのち室温中に取り出した。次いで、120℃に加熱しつつ高圧水銀ランプにより積算照射量400mJ/cm2の紫外線光を照射した。得られたフィルム状の積層体の液晶性組成物層部分を、粘着剤を有するTACフィルムに粘着剤を介して転写した(光学フィルム3)。
【0100】
得られた光学フィルム3は、正面から見たとき一軸性のネマチック配向と同様なリターデーションを有していたが、ラビング方向に沿って斜めから観察したとき、見かけのリターデーションは図6のように傾ける方向により異なる値を示し、液晶性組成物層が厚み方向で配向の傾きを変えたハイブリッド配向していることがわかった。
光学フィルム3を2枚用い、TFT 電極を有する90度ねじれの液晶セル(TN型液晶セル)に対し、図7のような配置で補償を行った。その結果、光学フィルム3が無い場合に比べ、著しく視野角の広い表示が得られることが分かった。
【0101】
比較例1
実施例1の4−(ビニルオキシエトキシ)安息香酸の代わりに、重合性を持たない4−オクチルオキシ安息香酸を用いた以外は、実施例1と同様の組成、方法を用いて液晶性ポリエステル9(下記式(9))を合成した。
【0102】
【化22】
【0103】
液晶性ポリエステル9は室温でも若干タック感のある白色固体で、80℃付近から流動性のある液晶状態になり、265℃で等方相になった。また実施例1および2と同様に液晶性ポリエステル9の重水素化クロロホルム溶液に三塩化アルミニウムなどのルイス酸を添加したが、溶液が若干黄色く着色した以外には目立った変化が無く、NMR測定においても全く変化が見られなかった。
また、液晶性ポリエステル9を用い、実施例5と同様にして光学フィルム4の作製を試みた。その結果、得られた光学フィルム4のリターデーションはフィルム1bの半分以下の440nmであった。これは紫外線硬化型接着剤が液晶性組成物層を部分的に溶解したためと分かった。また、光学フィルム4の液晶性組成物層のみを掻き取ってDSC測定を行うと、光学フィルム4の液晶性組成物層部分のTgは55℃と原料である液晶性ポリエステル9のTgとほとんど変わらない値を示し、光学フィルム4が熱的に弱いものであることが分かった。光学フィルム4の液晶性組成物層の鉛筆硬度は6B以下であった。
【0104】
なお、実施例1〜8および比較例1で使用した液晶性ポリエステル1〜7および9、液晶性化合物8の相挙動等を表1に示した。
【0105】
【表1】
【0106】
【発明の効果】
本発明の主鎖型液晶性ポリエステルは配向性が良好であり、該液晶性ポリエステルから製造された液晶フィルムおよび光学フィルムは、耐熱性(高ガラス転移点)および硬度が高く、機械的強度に優れ、各種の液晶表示装置用の位相差フィルムとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた液晶性ポリエステル1のNMRスペクトル図を示す。
【図2】実施例2で得られた液晶性ポリエステル2のNMRスペクトル図を示す。
【図3】実施例3で得られた液晶性ポリエステル3のNMRスペクトル図を示す。
【図4】実施例4で得られた液晶性ポリエステル4のNMRスペクトル図を示す。
【図5】実施例6で用いた液晶表示装置の斜視図(a)及び軸配置(b)を示す模式図である。
【図6】実施例8で得られたフィルム3の見かけのリターデーションの傾け角度依存性の測定法の概略と測定結果を示す図である。
【図7】実施例8で用いた液晶表示装置の斜視図を示す模式図である。
【符号の説明】
1 :上側偏光板
2 :光学フィルム2
2’:光学フィルム3
3 :粘着剤を有するトリアセチルセルロースフィルム
4 :STN型液晶セル
4’:TN型液晶セル
5 :下側偏光板
6,10:偏光板の透過軸
7 :ポリエチレンナフタレートフィルムのラビング方向に対応する方向
7’:ポリフェニレンサルファイドフィルムのラビング方向に対応する方向
8,9:電極基板のラビング方向
Claims (9)
- 芳香族ジオール単位、芳香族ジカルボン酸単位および芳香族ヒドロキシカルボン酸単位のうち少なくとも2種を必須単位として含む主鎖型液晶性ポリエステルであって、主鎖末端の少なくとも一方にビニルオキシ基、エポキシ基およびオキセタニル基からなる群から選ばれるカチオン重合性基を有する構造単位を含むことを特徴とする主鎖型液晶性ポリエステル。
- 前記主鎖型液晶性ポリエステルが、溶融状態において液晶状態を示し、かつフェノール/テトラクロロエタン混合溶媒(重量比60/40)中、30℃で測定した対数粘度ηが0.03〜0.50dl/gであることを特徴とする請求項1または2に記載の主鎖型液晶性ポリエステル。
- 下記の一般式Aで表される芳香族ジオール、一般式Bで表される芳香族ジカルボン酸、及び一般式Cで表される芳香族ヒドロキシカルボン酸のうち少なくとも2種、並びに一般式Dで表されるカチオン重合性基を含む1官能性芳香族化合物を重合して得られることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項に記載の主鎖型液晶性ポリエステル。
−X:−H,−CH3,−C2H5,−CH2CH2CH3,−CH(CH3)2,−CH2CH2CH2CH3,−CH2CH(CH3)CH3,−CH(CH3)CH2CH3,−C(CH3)3,−OCH3,−OC2H5,−OC6H5,−OCH2C6H5,−F,−Cl,−Br,−NO2または−CN
−Y:単結合,−(CH2)n−,−O−,−O−(CH2)n−,−(CH2)n−O−,−O−(CH2)n−O−,−O−CO−,−CO−O−,−O−CO−(CH2)n−,−CO−O−(CH2)n−,−(CH2)n−O−CO−,−(CH2)n−CO−O−,−O−(CH2)n−O−CO−,−O−(CH2)n−CO−O−,−O−CO−(CH2)n−O−,−CO−O−(CH2)n−O−,−O−CO−(CH2)n−O−CO−,−O−CO−(CH2)n−CO−O−,−CO−O−(CH2)n−O−CO−または−CO−O−(CH2)n−CO−O−
(ただしnは1〜12の整数を示す。)
−Z:
- 請求項1乃至3のいずれかの項に記載の主鎖型液晶性ポリエステルと、光カチオン発生剤および/または熱カチオン発生剤とからなる液晶性組成物。
- 請求項5記載の液晶性組成物の層を配向能を有するフィルム上に形成し、熱処理により液晶配向せしめた後、光照射および/または加熱処理によりカチオン重合性基を重合させることにより液晶配向を固定化することを特徴とする液晶フィルムの製造方法。
- 請求項6記載の方法により製造したことを特徴とする光学フィルム。
- 請求項7記載の光学フィルムが、一軸あるいはねじれ位相差フィルム、コレステリック配向型円偏光反射フィルム、およびネマチックハイブリッド配向型補償フィルムのうちのいずれかの機能を有することを特徴とする光学フィルム。
- 請求項8記載の光学フィルムを少なくとも1枚搭載したことを特徴とする表示装置。
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