JP4672605B2 - スパーブイによる海象計測方法 - Google Patents

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本発明は、スパーブイ上部に搭載したGPS式の運動計測センサでスパーブイ上部の動揺による運動変位を3次元位置データとして時系列に計測し、時系列で得られたこの3次元位置データに基づいて波によるスパーブイの縦揺れ振幅角と運動周期を求め、また、これらの値から波高を推定し、合わせて、前記3次元位置データから波向軸の平均方位と有義波、1/10最大波、最高波、平均波の波高と周期、そして波数を求め、さらに、前記3次元位置データに基づいて潮流によるスパーブイの傾斜角、潮流の流向を算出し、この数値から最終的に潮流流速、流向を推定する方法に関するものである。
波浪中におけるブイの揺れは、通常、図1に示すように、縦揺れ、横揺れ、船首揺れ、前後揺れ、左右揺れ、上下揺れの6種類である。これらの揺れを計測するための波浪計測用海上プラットホームとして利用できるブイには、図2に示すように、円筒ブイなどの弛緩係留式表面ブイと、引き込み係留式スパーブイなど緊張係留型スパーブイの2つの形式がある。
前者(弛緩係留式表面ブイ)による揺れの計測は、ブイが波面に追従するとみなしてその上下運動を計測し、そのデータを波高値に換算する方式が採られている。これに対して、後者(緊張係留型スパーブイ)による揺れの計測は、ブイの揺れが小さいことを利用してブイ本体の吃水付近の水面変化を計測し、そのデータを波高に換算する方式を採っている。
緊張係留型スパーブイは通常下端をピンで支持した柱状のシンプルな構造であり、波浪中は波と同じ周期で波向きと同じ方向に縦揺れ運動する。また、風と潮流中ではそれぞれ外力方向に定常傾斜する。そして、風、潮流、波浪が作用する海洋上(実海域)では、これらが合成された動揺運動をする。前記傾斜を含む運動は、基本的には縦揺れ及び横揺れモードの二自由度運動であり、その運動方程式の解法より運動特性(入射波高・周期と縦揺れ振幅角との関係、および、風、潮流と傾斜角との関係)を精度良く計算することが可能となる。そして、ブイの運動を計測する方法として、加速度計、GPS式の運動計測センサ、ジャイロ、傾斜計などのセンサを利用する方式が既に確立されている。
スパーブイについてのこれらの波浪計測方式は、図3において「従来方式」と示すように、波による水面変化zをブイに固定した水位計測装置(水位計)で計測し、計測によって得られたデータの傾き(揺れ)に対する補正を行って波高値を求める方式である。水位計測装置(水位計)としては容量式波高計、空中発射式超音波波高計などを用いることができる。一方、運動計測方法は、加速度計データを積分する方式とGPS式の運動計測センサにより緯度・経度・高度などの3次元位置情報を取得する方式がある。
スパーブイに容量式波高センサと傾斜センサを搭載し、ブイの傾き(揺れ)に対する補正を行って波浪を観測する方式については、下記の非特許文献1に、また、スパーブイに空中発射式超音波水位計と傾斜センサを搭載し、ブイの傾き(揺れ)に対する補正を行って波浪を観測する方式については、下記の非特許文献2にそれぞれ発表されている。
「海洋開発論文集」、酒田港における新構造形式による波浪観測について、土木学会、1986年、Vol.2、P.97〜102、
「海上保安試験研究センター 平成16年度成果報告書」、多機能ブイに関する研究(空中型波高計)、海上保安庁海上保安試験研究センター技術第三課、2006年、P.1〜3
なお、前記表面ブイにGPS式の位置センサを搭載した方式については、下記の非特許文献3に、また、前記表面ブイにGPS式の位置センサと傾斜センサを搭載した方式については、下記の非特許文献4にそれぞれ発表されている。
「計測自動制御学会論文集」、GPS単独測位方式による波浪計測システムについて、計測自動制御学会、2005年、Vol.1、No.1、P.1〜8、
「海洋調査技術学会 第17回研究成果発表会 講演要旨集」、灯浮標搭載型GPS波浪観測システムの開発(東京湾第二海堡南東方における実証観測結果)、海洋調査技術学会企画委員会発行、2005年、P.38〜39、
非特許文献1、2に記載された方式は、いずれも、縦揺れ運動するスパーブイに固定したセンサで波面の上下揺れを計測し、そのデータに含まれている縦揺れ傾斜成分を除去して補正する方式である。現状では、スパーブイ用波高計としては、水面の上下動を計測する方式のみであり、GPS式の位置センサを利用したブイ用の波浪計としては、上述の弛緩係留式表面ブイ搭載方式のみである。
さらに、海面に浮遊するブイにGPSを搭載し、GPSで受信したGPS信号に基づいて海洋波の波高、流向流速、波向、周期、さらには、波長、波速を求める方式も、すでに提案されている(例えば、特許文献1、2、3参照)。
特許第3658595号明細書
特許第3726112号明細書
特許第3760243号明細書
非特許文献1、2に記載された現状のスパーブイ用波浪計は、主として海洋波の波面の上下運動計測用センサとブイ傾斜センサによる補正を組み合わせた方式である。容量式センサ型では、ワイヤ状感知部が波面を貫通するため、ダイバー作業による後付け工事が必要となり、その作業が非常に厄介であり、しかも、高波圧が作用する箇所に計測機器が来るため、破損のおそれが極めて大きいという欠点がある。一方、空中発射式センサ型は超音波タイプのため高価で、消費電力も大きいという欠点がある。従って、これらの波浪計を既設のスパーブイに容易に後付けできないのみならず、波浪(波高・波向き)計測では2つのセンサが必要となり、トータルコスト(製作時の初期コスト及び運用中のコスト)が高く付くので、現実に普及していない。しかも、波浪以外の潮流力(潮流流速および流向)は計測できない。
また、上記特許文献1〜3においてGPSが搭載されているブイは、いずれも海面に浮遊する漂流式のブイ(係留されていない)であって、その計測システムは、図1に示す6種類の揺れによる漂流式ブイの変動の大きい運動データのうちの上下方向変位を抽出して波高、周期を求め、また、平面データから波向または流向流速を求める方式である。
このような実情に鑑み、本発明者等は、既存の緊張係留型スパーブイの上部に従来から用いられているGPS式の運動計測センサを搭載し、スパーブイ上部の動揺による運動変位(スパーブイの回転を3次元位置データとして時系列に計測し、時系列で得られたこの3次元位置データに基づいて波によるスパーブイの縦揺れ振幅角とその運動周期を求め、また、これらの値から波高を推定し、合わせて、前記3次元位置データから波向軸の平均方位と有義波、1/10最大波、最高波、平均波の波高と周期、そして波数を求め、さらに、前記3次元位置データに基づいて潮流によるスパーブイの傾斜角、潮流の流向を算出し、この数値から最終的に潮流流速、流向を推定することを見出した
すなわち、本発明のスパーブイの海象計測方法では、スパーブイ上部に搭載したGPS式の運動計測センサでスパーブイ上部の動揺による運動変位を3次元位置データとして時系列に計測し、時系列で得られたこの3次元位置データに基づいて波によるスパーブイの縦揺れ振幅角φと運動周期Twを求める。なお、スパーブイの運動周期と波の周期とは一致するとして扱うものとする。
この方法によれば、従来の海洋波の波面の上下運動(上下揺れ)を計測する方式ではなく、時系列で得られたスパーブイ上部の動揺による運動変位の3次元位置データに基づいてスパーブイの縦揺れ振幅角φとその運動周期Twを求めるアルゴリズムを採用しているので、GPS測位データに基づいたリアルタイムな海象情報を極めて簡単に、かつ、精度良く安定して得ることができる。
GPS式の運動計測センサとして、単独測位方式、ディファレンシャル方式、キネマティック方式のものを用いることができる。単独測位方式は1つのGPS受信機を用いるだけで済むのに対して、ディファレンシャル方式は位置補正用のディファレンシャルビーコンを用いなければならず、さらに、キネマティック方式は陸側に固定された基準局を必要とする。従って、価格的に安い単独測位方式の運動計測センサを用いるのが低コストで済むという点で有利である。
上記方法により得られたスパーブイの縦揺れ振幅角φとその運動周期Twの数値から海洋波の波高Hwの近似値を求め、その数値をもって海洋波の波高を推定することができる。この方法によれば、GPS測位データに基づいて海洋波の波高を極めて簡単に、かつ、精度良く安定して得ることができる。
波高の近似値の求め方として、あらかじめ作成しておいた運動特性テーブルのテーブルルックアップによる補間計算法を用いることができる。この場合には、事前計算により波高−周期−縦揺れ振幅角の関係を運動特性テーブル化して準備しておくことができるので、GPS式の運動計測センサで得られた任意の動揺実測データに対応する波高値を補間計算により極めて簡単に得ることができる。運動特性テーブルのテーブルルックアップによる補間計算法以外にも、カーブフィットによるパラメータ近似式を用いることにより代数計算する方法を採用することもできるが、テーブルルックアップによる補間計算法を用いる方が波高値を素早く得ることができるのみならず、より正確な数値を得ることができるので、特に有利である。
スパーブイ上部に搭載したGPS式の運動計測センサでスパーブイ上部の動揺による運動変位を3次元位置データとして時系列に計測し、時系列で得られたこの3次元位置データから得られる波のデータからゼロアップクロス法により各波に対するスパーブイの縦揺れ振幅角φと周期Twを求め、求められた縦揺れ振幅角φと周期Twの数値から、波高Hw−波の周期Tw−縦揺れ振幅角φの運動特性テーブルのテーブルルックアップによる補間法より波高Hwの近似値を求め、これらのデータを統計処理することにより、有義波、1/10最大波、最高波、平均波の波高と周期、そして波数を求める。
この海象計測方法によれば、GPS測位データに基づいたリアルタイムな海象情報から、有義波、1/10最大波、最高波、平均波の波高と周期、そして波数を極めて簡単に、かつ、精度良く得ることができる。
スパーブイ上部に搭載したGPS式の運動計測センサでスパーブイ上部の動揺による運動変位を3次元位置データとして時系列に計測し、時系列で得られたこの3次元位置データに基づいてスパーブイの運動中心の平均傾斜角θaveと平均方位角ψaveを求め、これを風と潮流によるスパーブイの傾斜角θa+θsと方位角ψa+ψsとする一方、スパーブイ上部に搭載した風向風速計のデータから風によるスパーブイの傾斜角θaと風向ψaを求め、前記平均傾斜角θaveから風による前記スパーブイの傾斜角θaの成分を差し引くことにより、また、前記平均方位角ψaveから前記風向ψaの成分を差し引くことにより、潮流によるスパーブイの傾斜角θsと潮流の流向ψsを算出し、この数値から最終的に潮流流速Vsと潮流流向ψsの近似値を求め、その数値をもって潮流流速、流向を推定する。
この海象計測方法によれば、算出された潮流によるスパーブイの傾斜角θsと潮流の流向ψsの数値から、潮流流速Vsと潮流流向ψsの近似値を極めて簡単に、かつ、精度良く安定して得ることができるので、潮流流速、流向を推定するのに極めて都合が良い。
風によるスパーブイの傾斜角θa及び潮流流速Vsの求め方として、あらかじめ作成しておいた運動特性テーブルのテーブルルックアップによる補間計算法を用いることができる。この場合には、事前計算により、風速Va−風によるスパーブイの傾斜角θaの関係及び潮流によるスパーブイの傾斜角θs−潮流流速Vsの関係を運動特性テーブル化して準備しておくことができるので、GPS式の運動計測センサで得られた任意の動揺実測データから、風によるスパーブイの傾斜角θa及び潮流流速Vsを、補間計算により極めて簡単に得ることができる。運動特性テーブルのテーブルルックアップによる補間計算法以外にも、カーブフィットによるパラメータ近似式を用いることにより代数計算する方法を採用することもできるが、テーブルルックアップによる補間計算法を用いる方が波高値を素早く得ることができるのみならず、より正確な数値を得ることができるので、特に有利である。
請求項1記載の海象計測方法は、時系列で得られたスパーブイ上部の動揺による運動変位の3次元位置データに基づいてスパーブイの縦揺れ振幅角φとその運動周期Twを求めるアルゴリズムを採用しているので、GPS測位データに基づいたリアルタイムな海象情報を極めて簡単に、かつ、精度良く安定して得ることができる。この方法をシステムとして実装することによって、スパーブイ上部の動揺による運動変位を時系列で得ることができ、その3次元位置データに基づいて例えば波高値を求めることができるので、極めて便利である。また、既存のスパーブイに従来から用いられているGPS式の運動計測センサをスパーブイの上部に容易に後付けするだけで良く、コスト面でも大きなメリットがある。
スパーブイは波浪中において、波と同じ周期で波向きと同じ方向に動揺運動する。実海域では、この運動に風、潮流による定常傾斜が加わるが、スパーブイ上部におけるこれらの運動変位を時系列に計測することにより、時系列で得られたこの3次元位置データに基づいてスパーブイの縦揺れ振幅角φとその運動周期Tw、波高値Hwなど、リアルタイムな海象情報を得ることができる。
スパーブイの波浪中の縦揺れ角θwは微小であることが多いが、従来の弛緩係留式表面ブイに比べてブイ全長は長く、しかも、水深が深くなると回転アームもさらに長くなるので、変位増幅率もアップされる。逆に、水深が浅くなると、ブイの固有周期が波周期に近くなり、同調現象により縦揺れ振幅が大きくなる。
従って、水深にかかわらずスパーブイ上部の変位が確保され、少なくとも計測精度は確保できる。
スパーブイにより海象を計測するに当って請求項2記載の方式を用いれば、得られたスパーブイの縦揺れ振幅角φとその運動周期Twから、海洋波の波高Hwの近似値を容易に得ることができるので、GPS測位データに基づいて海洋波の波高Hwを極めて簡単に、かつ、精度良く安定して得ることができる。
請求項3記載の方式を用いれば、GPS受信機で得られた任意の動揺実測データに対応する波高値Hwを補間計算により極めて簡単に得ることができる。そして、波高−周期−縦揺れ振幅角の関係は事前に計算してあらかじめテーブル化して準備しておくことができるので、波浪の計測など海象計測を実施する上で極めて有利である。また、カーブフィットによるパラメータ近似式を用いることにより代数計算する方法を採用した場合よりも、波高値を素早く得ることができるのみならず、より正確な数値を得ることができるので、特に有利である。
請求項記載の方式を用いれば、GPS測位データに基づいたリアルタイムな海象情報から、有義波、1/10最大波、最高波、平均波の波高と周期、そして波数を極めて簡単に、かつ、精度良く得ることができる。
請求項記載の方式を用いれば、算出された潮流によるスパーブイの傾斜角θsと潮流の流向ψsの数値から、潮流流速Vsと潮流流向ψsの近似値を極めて簡単に、かつ、精度良く安定して得ることができるので、潮流流速、流向を推定するのに極めて都合が良い。
請求項記載の方式を用いれば、GPS式の運動計測センサで得られた任意の動揺実測データから、風によるスパーブイの傾斜角θa及び潮流流速Vsと潮流流向ψsを、補間計算により極めて簡単に得ることができる。カーブフィットによるパラメータ近似式を用いることにより代数計算する方法を採用した場合よりも、風によるスパーブイの傾斜角θa及び潮流流速Vsと潮流流向ψsを素早く得ることができるのみならず、より正確な数値を得ることができるので、特に有利である。
本発明によるスパーブイによる海象計測方法とその装置の最も好ましい実施の形態を、図3〜図12に基づいて詳細に説明する。
本発明によるスパーブイによる海象計測方法を、図3において「本方式」と示す。この方式とは、図11、図12に示すように、スパーブイSの上部にGPS式の信号を受信するアンテナ1と、前記アンテナ1で受信した前記信号を処理してスパーブイSの動揺による3次元位置を計測するGPS式の運動計測センサ2を搭載し、このGPS式の運動計測センサ2が受信したスパーブイSの上部の動揺による運動変位(x,y,z)を時系列に計測し、時系列で得られたこの3次元位置データ(図5の上側3つのグラフに、x、y、z成分としてプロットされている)に基づいて波によるスパーブイSの縦揺れ振幅角φと運動周期Twを求める方式である。そして、この方法により得られたスパーブイSの縦揺れ振幅角φと運動周期Twの数値から波高Hwの近似値を求め、その数値をもって海洋波の波高値を推定することができる。
また、時系列で得られた前記3次元位置データのうちx、y方向である平面データから直線回帰計算で2つの変数x、yの近似直線式を求め、この近似直線式の傾きから波向軸の平均方位を、さらに、時系列で得られた前記3次元位置データから得られる波のデータにより、有義波、1/10最大波、最高波、平均波の波高と周期、そして波数を求めることができる。さらに、時系列で得られた前記3次元位置データに基づいてスパーブイの運動中心の平均傾斜角θaveと平均方位角ψaveを求め、これを風と潮流によるスパーブイの傾斜角θa+θsと方位角ψa+ψsとする一方、スパーブイ上部に搭載した風向風速計のデータから風によるスパーブイの傾斜角θaと風向ψaを求め、前記平均傾斜角θaveから風による前記スパーブイの傾斜角θaの成分を差し引くことにより、また、前記平均方位角ψaveから前記風向ψaの成分を差し引くことにより、潮流によるスパーブイの傾斜角θsと潮流の流向ψsを算出し、この数値から最終的に潮流流速Vsと潮流流向ψsの近似値を求め、その数値をもって潮流流速、流向を推定することができる。
GPS式の運動計測センサ2として、ここでは単独測位方式のものを用いた場合を例示する。単独測位方式は1つのGPS受信機を用いるだけで済み、価格的にも安いので、ディファレンシャル方式やキネマティック方式のものに比べて低コストで済むという点で有利である。
次に、スパーブイによるこのような海象計測の基本原理を説明する。
洋上に設置されたスパーブイSは、風と潮流の荷重により傾斜し、また、波浪(波)により動揺する。スパーブイSの動揺角をθ、風によるスパーブイの傾斜角をθa、潮流によるスパーブイの傾斜角をθs、波浪(波)によるスパーブイの傾斜角をθwとすると、各ベクトルの関係は例えば図4(a)のようになる。θ、θa、θs、θwはいずれも大きさと方向を持つベクトル量であり、各ベクトルの全動揺角θは次式(1)で表わされるように各ベクトルの合成値となる。
そして、図4(b)に示すように、各ベクトルのうちθa+θsのベクトル量は定常な荷重による静的傾斜成分(定常成分)、θwのベクトル量は非定常な荷重による動的変動成分であり、全動揺角θが既知であれば、以下の式(1)より風と潮流による定常傾斜成分(θaとθsのベクトル量)を算出することにより、波による縦揺れ角θwが算定できる。さらに、風によるスパーブイの傾斜角θa、潮流によるスパーブイの傾斜角θsのいずれかが分かれば、ベクトル的引き算により、風または潮流による傾斜が算出できることになる。
Figure 0004672605
従って、外力荷重(大きさと方向)とスパーブイの傾斜/動揺(これをブイの運動特性という)の関係があらかじめ分かっておれば、傾斜/動揺の計測データから風・潮流・波浪(波)による各外力を算出できる。この考えに基づけば、スパーブイSの運動量データと風力計測データから、波浪および潮流の大きさ/方向(方位)を知ることができることになる。これが、本海象計測の基本原理である。なお、スパーブイSに作用する前記外力とブイ運動の各ベクトル成分を、表1に整理して示す。
Figure 0004672605
時系列で得られた前記3次元位置データから、上記基本原理に基づいてソフトウエア処理だけで波浪データおよび潮流データを取得する手法の一例を、図10に示すフローチャートに従いながら詳細に説明する。
スパーブイSの上部にはGPS式の運動計測センサ2が搭載されているので、スパーブイSの上部の動揺による運動変位(x,y,z)の時系列データはリアルタイムで取得できる。図5の上側3つのグラフにそれぞれプロットされている値がそのデータである。一方、スパーブイSの上部には風向風速計3が搭載されているので、風向風速データも容易に取得できる。
そこで、これらの実測データを取得する前に、あらかじめ風および潮流によるスパーブイの傾斜特性と、波浪によるスパーブイの縦揺れ特性を計算しておき、それらのデータを運動特性テーブルとしてテーブル化しておく(ステップS0)。図6(a)が、波高Hw−波の周期Tw−縦揺れ振幅角φの関係を事前に計算して作成された運動特性テーブル、図6(c)が、風の風速Va−風によるブイの傾斜角θaの関係を事前に計算して作成された運動特性テーブル、図6(d)が、潮流の流速Vs−潮流によるブイの傾斜角θsの関係を事前に計算して作成された運動特性テーブルである。
そして、スパーブイSの上部の動揺による運動変位(x,y,z)の時系列データを上述した手法により取得する(ステップS1)。同じく、風向風速計3により風向風速データを取得する(ステップS2)。これらのデータにはGPS固有のノイズが重畳しているが、取得したい海洋波の波周期とGPSノイズ周期とは帯域が異なるので、適当なフィルタでフィルタ処理すれば、GPS固有のノイズを除去することができる(ステップS3)。
GPS固有のノイズが除去されたこの3次元変位成分x,y,zは、図7に示すように、スパーブイSの下端の回転基点を原点とする直交座標のx,y,zに相当するので、それらの値を原点が同じとなる極座標(r,θ,ψ)に変換する(ステップS4)。変換された後のイメージを図8に模式的に示す。
なお、直交座標→極座標への変換式は、以下の式(2)、(3)で表わすことができる。
Figure 0004672605
Figure 0004672605
このようにして得られたスパーブイSの動揺角θと方位角ψの時系列データを平均化し、スパーブイSの運動中心における平均傾斜角θaveと平均方位角ψaveを求める(ステップS5)。この平均傾斜角θaveと平均方位角ψaveが風と潮流による定常傾斜成分の合成値と方位角の合成値となる。すなわち、平均傾斜角θaveと平均方位角ψaveは以下の式(4)、(5)で表わすことができる。
Figure 0004672605
Figure 0004672605
このようにして、風と潮流による定常傾斜成分θa+θsの値が求められると、波による変動成分θwはベクトル的引き算により算出することができ、その揺れ波形からゼロアップクロス法で各波に対するスパーブイSの縦揺れ振幅角φと周期Twとを求める(ステップS6)。合わせて、前記時系列データからゼロアップクロス法で定義された波群の波数Nも容易に求めることができる。
ここに、ゼロアップクロス法とは、各波の波高の平均値をゼロとして、波形が負から正に横切るときから次に同じ状態になるまでを1つの波として扱う方法をいい、この波の高さを波高、横方向の幅(1つの波の時間)を周期という。
次に、求められた縦揺れ振幅角φと周期Twの数値から、波高Hwの近似値を求める(ステップS)。ここでは、あらかじめ作成しておいた図6(a)に示す運動特性テーブル(波高Hw−波の周期Tw−縦揺れ振幅角φ)のテーブルルックアップによる補間法を用いて波高Hwの近似値を求める。
例えば、図9に示すように、周期Twと縦揺れ振幅角φの実測データがTw=11.68、φ=16.16(実測データの表参照)のとき、図6(b)のグラフにおいて楕円で囲んだ範囲内にある実測値(黒点)は波高Hwが2mと3mとの間に位置するから、この実測値を囲む波高2mの2つの点A、Bと波高3mの2つの点C、Dにおける周期Twと縦揺れ振幅角φを図6(a)の運動特性テーブルから求める。
これらの値は図6(a)の運動特性テーブルから直ちに読み取ることができ、図9において計算データを示す表にも示されている。これらの数値から、まず、前記実測値である点Rを通るTw方向の内分比を計算し(0.68)、波高2mの近似直線上における点Pの縦揺れ振幅角φpの値を比例計算で求める(13.17deg)。同じく、波高3mの近似直線上における点Qの縦揺れ振幅角φqの値を比例計算で求める(17.10deg)。次に、点P、Q間の大きさに対する点P、R間の内分比を求める(0.76)。そして、その比率から波高値Hwを比例計算で求める(2.76m)。かくして、実測値から補間計算で波高Hwの近似値を求めることができる。なお、ここでは、求められた数値のみを表わすこととする。
このような手法により波高Hwの近似値を求めた場合には、前記運動特性テーブルを用いるだけで補間法により波高値Hwを容易に得ることができるので、波浪の計測を極めて便利かつ迅速に実施することができ、しかも、その精度も上がる。
ついで、時系列で得られた前記3次元位置データのうち、x、y方向である平面データから直線回帰計算で2つの変数x、yの近似直線式を求め、この近似直線式の傾きから波向軸の平均方位ψ'wを求めることができる(ステップS8)。
3次元位置計測データ(x、y、z)のうち、x、y方向は平面データであるから、これを地図上にプロットして直線回帰計算で2つの変数x、yの近似直線式を求める。直線回帰計算とは、変数x、yのデータが多数存在し、変数x、yの間に
y=a+bx
のような1次式が成り立つと仮定し、実際の値であるyと1次式で表わされるa+bxとの間の差、y残差の2乗の和が最小となるa、bの組み合わせを求める計算であり、この計算に基づいて傾き(回帰係数)bを求めると、この傾きが波向軸の平均方位ψ'wに一致する。従って、時系列で得られた前記3次元位置データのうち、x、y方向である平面データから波向軸の平均方位ψ'wを極めて便利かつ迅速に求めることができ、しかも、その精度も上がる。
なお、波向軸の平均方位ψ'wと波向き(波が向かってくる方向)ψwとは必ずしも一致するものではないが、実用上は波向軸の平均方位ψ'wを求めることで波向きを推定することが可能である。
このような様々な波のデータを得ることができると、それらのデータを統計処理することにより、有義波、1/10最大波、最高波、平均波の波高と周期、そして波数を求めることができる(ステップS9)。なお、有義波とは、所定期間内に得られた波形を個々の波高に分解し、大きい順に並びかえて上位1/3について平均した波のことであり、1/10最大波は、大きい順に並びかえて上位1/10について平均した波のことである。
一方、ステップS2において、風向風速計3によって取得された風向風速データから、あらかじめ作成しておいた図6(b)に示す運動特性テーブル(風速Va−風によるスパーブイの傾斜角θa)のテーブルルックアップによる補間法を用いて、風によるスパーブイの傾斜角θaを求める(ステップS10)。
この場合においても、縦揺れ振幅角φと周期Twの数値から波高Hwの近似値を求める場合と全く同じ原理により、風速Vaの実測値から補間計算で風によるスパーブイの傾斜角θaを極めて便利かつ迅速に求めることができ、しかも、その精度も上がる。なお、風向風速計3によって、風向ψaも計測されている。
風によるスパーブイの傾斜角θaの成分が求められると、潮流によるスパーブイSの定常傾斜角θsとその流向ψsは、次式(6)、(7)によるベクトル的引き算により求めることができる(ステップS11)。
そして、このθsの数値から、あらかじめ作成しておいた図6(c)に示す運動特性テーブル(潮流の流速Vs−潮流によるスパーブイの傾斜角θs)のテーブルルックアップによる補間法を用いて、潮流流速Vsを求める(ステップS12)。
この場合においても、縦揺れ振幅角φと周期Twの数値から波高Hwの近似値を求める場合と全く同じ原理により、潮流によるスパーブイSの傾斜角θsの値から補間計算で潮流の流速Vsを極めて便利かつ迅速に求めることができ、しかも、その精度も上がる。
Figure 0004672605
Figure 0004672605
このように、GPS式の運動計測センサ2が受信したスパーブイSの上部の動揺による運動変位(x,y,z)を時系列に計測し、時系列で得られたこの3次元位置データに基づいて波によるスパーブイSの縦揺れ振幅角φと運動周期Twを求めることができる。そして、この方法により得られたスパーブイSの縦揺れ振幅角φと運動周期Twの数値から波高Hwの近似値を求め、その数値をもって海洋波の波高値を推定することができる。
また、時系列で得られた前記3次元位置データのうちx、y方向である平面データから波向軸の平均方位ψ'wを、さらに、時系列で得られた前記3次元位置データから得られる波のデータにより、有義波、1/10最大波、最高波、平均波の波高と周期、そして波数を求めることができる。さらに、時系列で得られた前記3次元位置データに基づいて風によるスパーブイの傾斜角θaおよび潮流によるスパーブイの傾斜角θsと潮流の流向ψsを、そして、このθs、ψsの数値から最終的に潮流流速Vsと潮流流向ψsの近似値を求めることができる。
このような海象計測方法を実行するために、システムとして実装したのが海象計測装置である。基本的なシステム構成を図11に示す。
ここに例示する装置には、GPS式の信号を受信するアンテナ1と、前記アンテナ1で受信した前記信号を処理してスパーブイSの動揺による3次元位置を計測するGPS単独測位式の運動計測センサ2とが備えられている。アンテナ1及び運動計測センサ2はスパーブイSの上部に搭載されている。アンテナ1及び運動計測センサ2はスパーブイSの頂部に搭載されていることが好ましい。また、風向風速計3がスパーブイSの上部にさらに搭載されている。風向風速計3もスパーブイSの頂部に搭載されていることが好ましい。
少なくとも、これらの機器をスパーブイSの上部(好ましくは、頂部)に備えることによって、スパーブイSの上部の動揺による運動変位の時系列データと風向風速データを、価格の安いGPS単独測位式の運動計測センサ2で取得することができる。
この装置をスパーブイSに搭載した場合には、スパーブイ頂部の動揺による運動変位のデータを幅広く取得することができ、それらのデータから種々のデータを得ることができる。そして、そのデータが通信アンテナ4を利用してデータ伝送装置により陸上の制御室に伝送されるので、衛星通信やインターネットと組み合わせれば、リアルタイムで波浪データおよび風向風速データを幅広く取得して提供できる。また、既存のスパーブイにこの装置を容易に後付けすることができ、コスト面でも大きなメリットがある。
取得された波浪データや潮流データは海象計筺体5内にあるデータ処理装置、制御装置、データロガーなどの主要機器により解析され、また、上記手順に従って種々の計算が実行され、さらに、取得されたデータや計算結果を記憶しておくことができる。そして、得られた波浪・風・潮流による全ての海象計測データを一旦制御装置の記憶させておき、必要に応じて出力することができるようにしておくと便利である。
なお、図11において、6は太陽電池パネル、7は電源としての蓄電池である。
図12に、図11に示す海象計測システムを備えたスパーブイSの一例を示す。図11と図12において、同じ機器は同じ図面符号で示してある。なお、8は灯ろう、9は櫓、10は上部標柱、11は梯子、12は浮力体、13は下部標柱、14は主係留索、15は沈錘である。
この形式のスパーブイSの波浪中の縦揺れ角θwは微小であることが多いが、従来の弛緩係留式表面ブイに比べてブイ全長は長く、しかも、水深が深くなると回転アームr(図7、図8参照)もさらに長くなるので、変位増幅率もアップされ,逆に、水深が浅くなると、ブイの固有周期が波周期に近くなり、同調現象により縦揺れ振幅が大きくなる。従って、この形式のスパーブイSによれば、水深にかかわらずスパーブイ上部の変位が確保され、少なくとも計測精度は確保できる。
航路標識用のスパーブイのほか、原子力発電所全面海域や放水口付近に設置される海象観測用のスパーブイなど、様々なスパーブイに広く適用することができる。
波浪中におけるブイの揺れの種類を例示する概略図である。 円筒ブイなどの弛緩係留式表面ブイと、引き込み係留式スパーブイなど緊張係留型スパーブイの2つの形式のブイの波浪中での揺れの状態を示す概要図である。 波による水面変化をブイに固定した水位計測装置(水位計)で計測し、そのデータの傾き(揺れ)に対する補正を行って波高値を求める従来方式のスパーブイと、スパーブイ上部に運動計測センサを取り付け、この運動計測センサでスパーブイ上部の動揺による運動変位を時系列に計測し、時系列で得られたこの3次元位置データに基づいて波浪データや潮流データを取得する新方式(本発明)のスパーブイを示す概要図である。 スパーブイの動揺角、風による傾斜角、潮流による傾斜角、波浪(波)による傾斜角の関係を示すもので、(a)は各ベクトルの関係を示す図、(b)は全動揺角を定常成分と変動成分に分けて時系列データとして示す図である。 スパーブイの上部の動揺による運動変位の時系列データを示すグラフで、上側3つは極座標に変換する前のものを、下側は極座標に変換した後の状態を示す。 スパーブイの運動特性を示すもので、(a)は、波高−波の周期−縦揺れ振幅角の関係を事前に計算して作成された運動特性テーブル、(b)は、それを表わしたグラフ、(c)は、風の風速―風によるブイの傾斜角の関係を事前に計算して作成された運動特性テーブル、(d)は、潮流の流速―潮流によるブイの傾斜角の関係を事前に計算して作成された運動特性テーブルである。 スパーブイの動揺に関する座標系の概要図である。 スパーブイの上部の動揺による運動変位を極座標に変換した場合のイメージを示す概要図である。 図6(a)に示す運動特性テーブルのテーブルルックアップによる補間法を用いて、波高の近似値を求める場合の補間計算の一例を示す概要図である。 本海象計測方法によるデータ処理の手順の一例を示すフローチャートである。 象計測装置の基本的なシステム構成を示す概要図である。 図11に示す装置を備えたスパーブイの一例を示す概要図である。
1…アンテナ、2…運動計測センサ、θ…動揺角、θa…風によるブイの傾斜角、θs…潮流によるブイの傾斜角、θw…波によるブイの傾斜角、φ…波によるブイの縦揺れ振幅角、Va…風の風速、Vs…潮流の流速、ψs…潮流の流向、Hw…波高、Tw…周期、ψ'w…波向軸の平均方位。

Claims (6)

  1. スパーブイ上部に搭載したGPS式の運動計測センサでスパーブイ上部の動揺による運動変位を3次元位置データとして時系列に計測し、時系列で得られたこの3次元位置データに基づいて波によるスパーブイの縦揺れ振幅角φと運動周期Twを求めることを特徴とするスパーブイによる海象計測方法。
  2. 請求項1記載の方法により得られたスパーブイの縦揺れ振幅角φと運動周期Twの数値から波高Hwの近似値を求め、その数値をもって海洋波の波高を推定することを特徴とするスパーブイによる海象計測方法。
  3. 近似値の求め方として、あらかじめ作成しておいた運動特性テーブルのテーブルルックアップによる補間計算法を用いることを特徴とする請求項2記載のスパーブイによる海象計測方法。
  4. スパーブイ上部に搭載したGPS式の運動計測センサでスパーブイ上部の動揺による運動変位を3次元位置データとして時系列に計測し、時系列で得られたこの3次元位置データから得られる波のデータから、ゼロアップクロス法により各波に対するスパーブイの縦揺れ振幅角φと周期Twを求め、求められた縦揺れ振幅角φと周期Twの数値から、波高Hw−波の周期Tw−縦揺れ振幅角φの運動特性テーブルのテーブルルックアップによる補間法より波高Hwの近似値を求め、これらのデータを統計処理することにより、有義波、1/10最大波、最高波、平均波の波高と周期、そして波数を求めることを特徴とするスパーブイによる海象計測方法。
  5. スパーブイ上部に搭載したGPS式の運動計測センサでスパーブイ上部の動揺による運動変位を3次元位置データとして時系列に計測し、時系列で得られたこの3次元位置データに基づいてスパーブイの運動中心の平均傾斜角θaveと平均方位角ψaveを求め、これを風と潮流によるスパーブイの傾斜角θa+θsと方位角ψa+ψsとする一方、スパーブイ上部に搭載した風向風速計のデータから風によるスパーブイの傾斜角θaと風向ψaを求め、前記平均傾斜角θaveから風による前記スパーブイの傾斜角θaの成分を差し引くことにより、また、前記平均方位角ψaveから前記風向ψaの成分を差し引くことにより、潮流によるスパーブイの傾斜角θsと潮流の流向ψsを算出し、この数値から最終的に潮流流速Vsと潮流流向ψsの近似値を求め、その数値をもって潮流流速、流向を推定することを特徴とするスパーブイによる海象計測方法。
  6. 風によるスパーブイの傾斜角θa及び潮流流速Vsの求め方として、あらかじめ作成しておいた運動特性テーブルのテーブルルックアップによる補間計算法を用いることを特徴とする請求項記載のスパーブイによる海象計測方法。
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