JP4671092B2 - ウイルス感染予防および対策 - Google Patents

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Description

本発明は、様々なウイルスの感染を予防する方法、および該方法に使用することができる製剤に関する。
ウイルスは、動物の生きた細胞内でしか増殖できない原始的な生命体であり、遺伝情報としてDNAまたはRNAのどちらか一方の核酸しか有さない点で細菌と区別される。そして、ウイルスに感染することにより発症するウイルス感染症には例えば、DNAウイルスにより引き起こされる天然痘、ヘルペス、B型肝炎等、並びにRNAウイルスにより引き起こされる麻疹、インフルエンザ、日本脳炎等がある。最近、中国などで猛威を振るっている重症急性呼吸器症候群(SARS)は、RNAウイルスの一種であるコロナウイルスにより引き起こされるウイルス感染症である。
ウイルス感染症に対しては現在使用されている抗生物質は効果がないため、主な対策はワクチンによる予防となる。ワクチンは、流行が予想されるウイルスを孵化鶏卵培養により増殖させ、大量のウイルスを含む尿膜腔液を集め、ホルマリン処理等でウイルスを不活化・弱毒化して得られる。ワクチンはもはや感染力を持たない、即ち宿主中で増殖できないが、抗原としては働くことができ、各ウイルスに特異的な抗体を産生させる。そして該抗体が活性なウイルスを捕捉して中和する。この機構により、ワクチンはウイルス感染を予防することができる。ワクチンの予防接種により生じた免疫は約1年間持続し、予防接種の有効度は70〜80%であると見積もられている。
しかしながら、ワクチンによるウイルス感染の予防は必ずしも万能ではない。というのは、ウイルスは絶えずその構造を変化させ、常に新しい株のウイルスが出現し、そして、あるウイルスに対して有効なワクチンであっても、そのウイルスの構造変化により生じた新しい株のウイルスについては効果がないからである。特に、RNAウイルスは構造の変化が激しく、例えば、SARSを引き起こすコロナウイルスは、香港と台湾とで既にその塩基配列が異なっていたとの報告がある。してみれば、たとえSARSの予防に有効なワクチンが開発されたとしても、素早いウイルスの構造変化により、たちまちのうちにワクチンが無効となる可能性が大いにあり、期待の持てないものである。
また、ワクチンの予防接種には副作用の惧れがあり、鶏卵過敏症の人は予防接種を避けなければならない等の制限がある。例えば、1976年に米国においてブタ・インフルエンザのパンデミー(全国的、さらには数カ国に渡っての国際的な大流行)が起きそうになったとき、米国連邦政府は1億6500万ドルの補助金を計上してワクチンを準備し、何百万人もの国民に接種した。しかし懸念したような流行は起こらず、代わりにワクチン接種を受けた人に酷い副作用が出て、予防接種は途中で打ち切られた。係る副作用の中で最も重いものは、筋肉の衰弱と激しい感覚麻痺と引き起こすギラン−バレー症候群であった。
ワクチンを使用せずにウイルス感染を阻害する方法としては例えば、予防対象に、感染を予防するに十分な量のセリン白血球プロテアーゼインヒビター、またはそれらのアナログもしくは誘導体を投与する方法が知られている。この方法は、レトロウイルスにより引き起こされる感染症、例えば癌、自己免疫疾患等に有効であり、特に後天性免疫不全症候群を含むヒト免疫不全ウイルス感染への対策として好ましく用いられ得るとされている。
特表平8−505042号公報
本発明は上記の問題を解決するものであり、ワクチンを用いずともウイルス感染を効果的に予防し得る新規な方法の提供を課題とする。
本発明者等は上記課題に鑑みて鋭意研究を行った結果、予防対象に対して大量のビタミンCと共にアルギニンを投与することにより、ウイルスの感染を効果的に予防し得ることを見出した。従って本発明は、大量のビタミンCとアルギニンとを投与することを特徴とするウイルス感染の予防方法に関する。
また本発明は、コーティングで被覆したビタミンCとアルギニンとを含んでなるウイルス感染予防剤にも関する。
本発明によれば、ウイルスによる感染を予防したいヒトを含む動物に大量のビタミンCとアルギニンとを投与することにより、ウイルス感染から対象を効果的に予防することができる。またビタミンCは大量生産可能で安価であり、アルギニンも魚類の***の核タンパク質であるプロタミン中に多量に含まれているので、本発明の予防方法に要する費用は、ワクチンを使用する予防方法と比較して格段に低い。またビタミンCおよびアルギニンの許容投与量は容易に決定することができるため、これらの投与により副作用が生じる惧れは小さく、深刻な副作用を起こすこともない。
特に本発明はRNAウイルスに対して有効である。ウイルスには、DNAウイルスとRNAウイルスがあり、前者は塩基配列が容易に変化しないために有効なワクチンを製造することができるが、後者は塩基配列の変化が容易であり、ワクチンの製造は困難である。しかしながら本発明は、ウイルスの塩基配列自体に直接作用して死滅させるものであるから、塩基配列の変化の容易さとは無関係であって、RNAウイルスによる感染も良好に予防することができる。
ビタミンC(アスコルビン酸)は水溶性のビタミンであって、生体内の酸化還元反応に関与している。また、ヒト、サル等の動物は、その中間体の反応に関わる酵素を有しないため、ビタミンCを生合成できない。そして、血中のビタミンC濃度が減少し、低アスコルビン酸血症、誘導性アスコルビン酸過小症等と呼ばれる状態になると一般に、免疫系の障害、血液凝固系の障害、副腎機能の低下によるストレス対応の失調、コラーゲン生成の障害、神経系の機能不全、免疫機能の低下や発ガン物質の解毒能の低下に起因するガンの発生等が引き起こされる。本発明者は、大量のビタミンCをアルギニンと組み合わせて投与すると、ウイルス感染(特にSARSを引き起こすコロナウイルス感染)を予防できることを見出し、この知見に基いて、本発明を完成させたのである。
ビタミンCは常に自動酸化してラジカルを放出し、生体に不可欠な微量栄養素の一つである銅が大量のビタミンCによりキレート化して金属錯体となり、強力な活性酸素を発生させる。そして、このビタミンCと微量の銅により発生する強力な活性酸素ラジカルが、本発明のウイルス感染の予防方法における作用物質となる。
本発明のウイルス感染の予防方法におけるビタミンCの作用は、ウイルスの塩基配列に作用してそれを切断し不活性化することである。ウイルスは細胞内に自己の塩基配列を注入して寄生し増殖するものであるが、細胞内への侵入の際、塩基配列はその外殻(エンベロープ)や内殻(蛋白層)から脱離してDNAやRNAが露出した状態となる。この露出
した塩基配列をビタミンCに由来する前記の活性酸素ラジカルが攻撃し、それらの一部を切断する。また、寄生が終了すると、ウイルスは他の細胞に侵入するべく寄生していた細胞から脱出するが、この脱出時にもDNAやRNAが露出した状態が生じ、露出した塩基配列が活性酸素ラジカルによる攻撃を受ける。結果、これらの攻撃によりウイルスは死滅することとなり、感染が予防される。ラジカル攻撃による切断では、二本鎖より一本鎖の方がより容易に切断されやすいため、本発明の予防方法は、RNAウイルスに対してより有効であることが理解される。
本発明のウイルス感染の予防方法におけるビタミンCの今一つの作用は、過酸化状態となった生体を正常な還元状態に戻すことである。ウイルスが生体内に進入したとき、ウイルスは生体の各器官で炎症を起こして過酸化状態とする。そしてこの過酸化状態を放置すると、ウイルスの感染が進行し、遂にはウイルス感染症を発症することとなる。しかしながら、ウイルスが生体内に進入した極初期の段階において、炎症により引き起こされた過酸化状態を還元状態に戻せば、ウイルス感染はそれ以上進行せず、結果としてウイルス感染を予防することが可能となる。
加えてビタミンCは人体に元来備わっている防御機構である免疫機能を増強する作用もある。この作用において、ビタミンCは免疫機能の中心となる役割を果たす白血球の働きを助け、免疫機能を亢進し得る。
ビタミンCの投与量は、対象の体重、性別、年齢、健康状態等の様々な条件により異なるが、対ウイルスの予防対策には、少なくとも300〜500mg/kg/日(1日20g以上)である。またウイルスへの感染により生体器官に障害を起こしているような場合には、少なくとも1000mg/kg/日のビタミンCを投与することは、該障害を正常な状態に戻すことができる。通常、ビタミンCの所要量であると考えられているのは1mg/kg/日程度、また最も多い場合でも200mg/日以下であり、これらの量と比較すると、本発明の予防方法で用いるビタミンCの投与量がいかに多量であるか容易に理解することができる。なお、この投与量は経口投与の場合である。
一方、ビタミンCの投与量の上限は、投与する対象の腸のビタミンC最大耐容量によって決定される。腸のビタミンC最大耐容量とは、不快な下痢を起こさずにビタミンCを経口摂取できる最大量であり、正常のヒトの場合1日4ないし15g程度である。しかしながら、この量は各対象毎に異なり、また同じ対象でも時により異なる。そして最大耐容量は、一般に重度の障害を被っている対象で極めて大きく、回復するにつれて小さくなるという報告がある。重度の障害を被っている対象の場合、最大耐容量が200g/日を越える場合もある。
ビタミンCを投与する際の留意点として、以下のものを挙げることができる:
1)経口投与の方法としては、所要量のビタミンCをジュース等の飲料約2Lに溶解させ、それを10回程度に分割して飲むのが都合が良い。但し、ビタミンCはジュースに溶解させると約90分間で50%が酸化体となって効果が減少するので、投与する直前にその都度溶解させることが好ましい、
2)ビタミンCには利尿作用が有るが、頻尿となっても問題はない、
3)ビタミンCの大量投与により尿管結石が生じると言う説が有ったが、現在は否定されている。ビタミンCの投与で酸性尿を呈するが、結石の原因となるカルシウムの沈殿は生じない、
4)ビタミンCを点滴により投与する場合には、点滴液のpHを6.5前後に調整する必要がある。pHが7.0以上となるとビタミンCの活性が低下する、
5)ビタミンCは常に自動酸化するので、従来はアミノ酸(シスチン、システイン)、グルタチオンで自動酸化を防いでいる。しかしながら、シスチンおよびシステインの大量投与はアミノ酸のインバランスをきたすので、大量投与におけるビタミンCの自動酸化の抑制には用いない方が良い、
6)大量のビタミンCの投与は、生体内のミネラル成分をキレート化し、低カリウム、低マグネシウム、低カルシウム等を引き起こすので、注意する必要がある。しかしながら、50g/日程度の投与量ではこの現象は生じることはない、
7)14C(アイソトープ)で標識したビタミンCを投与する動物実験では、14Cの70%は14CO2として呼気中に、また残る20%は尿中に排出される。大量のビタミンCを投与した場合、直ちに悉く尿中に***されるという通説は再考を要すると思われる。
本発明の予防方法では、大量のビタミンCに加えて、アルギニンを同時に投与する。アルギニンは、生体内に存在する20数種のα−アミノ酸の一種であり、塩基性アミノ酸である。ヒトには、体内で合成し得ず食物として摂取しなければならないアミノ酸として8種の必須アミノ酸があり、アルギニンはこれらの中には含まれないけれども、幼児期の成長には必須であるが、成人では体内で合成され得るものとして、半必須アミノ酸に分類されている。しかしながら近年、アルギニンの栄養効果について再評価がなされ、成熟動物においても、アルギニンの欠乏により代謝障害が発生することが確認されている。
本発明のウイルス感染の予防方法におけるアルギニンの作用は、ビタミンCによる作用を補強および補助することである。特に、アルギニンの投与は、免疫機能を増強することができる。免疫機能の役割を担う免疫系細胞には、非抗体依存型の好中球およびマクロファージ並びに抗体依存型のリンパ球があるが、アルギニンの投与はこれらの機能を亢進する。これは例えば、ラットにアルギニンを投与することにより胸腺重量が増大し、T細胞のブラスト化能が増大すること、骨折により胸腺重量、T細胞のブラスト化能共に低下したラットが、アルギニンの投与により回復すること、人為的に腹膜炎を起こさせたラットでは、アルギニンの投与により生存率が著しく高まること等により確証されている。
アルギニンによる免疫機能の増強は、アルギニンを発生源とするNOx(窒素酸化物)の効果による。即ち、アルギニンを対象に投与すると、アルギニンを起源とするNOxが発生し、該NOxには血管を拡張させる作用があり、臓器循環を良好にする。
アルギニンの投与量は、対象の体重、性別、年齢、健康状態等の様々な条件により異なるが、一般に、3g/日以上である。3g/日で所望の効果が得られない場合には、6g/日、9g/日と投与量を増加させることができる。
一方、アルギニンの投与量が多過ぎると、過剰のNOxが生じて悪影響を及ぼす惧れがある。例えば、過剰のNOxは赤血球のヘモグロビンと結合してメトヘモグロビンとなり、酸素とヘモグロビンとの結合を阻害し、その結果、血中の酸素分圧の低下を引き起こす。また生体内で第二アミンと結合して、強力な発ガン性物質であるニトロソアミンとなることも知られている。しかしながら、過剰のNOxが生じた場合、それは尿中に排出されるので、尿中のNOx量を観察することにより、アルギニンの投与量が過剰となることを容易に防ぐことができる。この尿中のNOx量の観察は、NO2とNO3とを定量するか、またはテステープで簡単に行うことができる。即ち、アルギニンの投与は、最初に3g/日から開始し、所望の効果が得られない場合には、尿中のNOx量を観察しつつ投与量を増加させ、該NOx量が増大した場合には投与量を減少させることにより行うことができる。なお、この投与量は経口投与の場合である。
また、本発明のウイルス感染の予防方法では、ビタミンCとアルギニンとを同時に投与するため、過剰のアルギニンの投与により発生したNOラジカルは、ビタミンCで消去(スカベンジ)される。この点においても、ビタミンCとアルギニンの併用は好ましいものである。
本発明のビタミンCとアルギニンとを同時に投与によるウイルス感染の予防によりビタミンCと共にアルギニンを投与すると、繊維化したコラーゲンが可吸収性(可溶性)のコラーゲンに変性し、これにより、結合織繊維形成を解消する効果も期待できる。ウイルス感染症の一種であるウイルス性肺炎では、常にい肺間質に炎症を発生し、間質の増殖(コラーゲンの増殖)を招くので、ビタミンCとアルギニンとの同時投与によりコラーゲンがソフトとなり、ウイルス性肺炎の慢性化による肺不全を予防することもできる。
本発明のウイルス感染の予防にはビタミンCとアルギニンとを投与する必要があるが、投与する前に双方を混合すると混合物がメイラード反応が生じて褐変してしまう。該メイラード反応が生じると各成分の効果を阻害するだけでなく味覚の点でも劣化する。そこで、本発明のウイルス感染の予防方法に好ましく用いられ得るウイルス感染予防剤は、コーティングで被覆したビタミンCとアルギニンとを含んでなる。この製剤では、ビタミンCがコーティングにより被覆されているため、アルギニンと直接接触せず、メイラード反応が起こらない。該コーティングにより被覆されたビタミンCとしては、油脂で完全にコーティングしたビタミンCを用いることができる。また該ウイルス感染予防剤の配合例は、10gのビタミンCと、3gのアルギニンと、1.5gのRNAを含むものである。
本発明でその感染を予防できるウイルスは多岐にわたり、例えばアデノ随伴、バタイ、ブニヤンベラ、カリフォルニア脳炎、コロナ、牛痘、コクサッキー(A、B全型)、クロイツフェルト・ヤコブ因子、デング(全型)、エコー(全型)、東部ウマ脳炎、エンテロ(68〜71)、EB、肝炎(A、B、C、D、E)、単純ヘルペス(1、2)、ヒトサイトメガロ、HHV6、ヒトパピローマ、ヒトパルボ、ヒトライノ、ヒトロタ、HTLV−I、HTLV−II、インフルエンザ(A、B、C)、日本脳炎、JC、ラクロス、LCM、麻疹、ムンプス、マレーバレー脳炎、サル痘、ニューカッスル病、パラインフルエンザ、ポリオ、狂犬病(固定毒)、RS、風疹、セムリキー森林熱、サル免疫不全(SIV)、シンドビス、セントルイス脳炎、タナポックス、ワクチニア、水痘・帯状ヘルペス、水疱性口内炎、西部ウマ脳脊髄炎、ウエストナイル熱、ヤバサル脳瘍ポックス等のウイルスに有効である。また、本発明のウイルス感染の予防方法は、DNAウイルスおよびRNAウイルスのいずれにより引き起こされるウイルス感染についても有効である。特に、重症急性呼吸器症候群(SARS)を引き起こすコロナウイルスに対して好ましく用いられ得る。
以下の実施例で本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの態様に限定されるものではない。
実施例1 70歳代男性
インフルエンザ肺炎を被っている70歳の男性を対象とした。該対象の胸部X線写真には両側肺門部にbutter-fly様の陰影が観察され、肺炎を引き起こしていることが解った。また抗生物質の投与は無効であった。
該対象に、1000mg/kg/日のビタミンCと、3g/日のアルギニンとを投与した。
投与の結果、対象は4週間後には歩行可能となるまでに回復し、血中の酸素分圧も正常な値に戻った。
実施例2 70歳代男性
肺機能の低下した70歳代の男性を対象とした。該対象は常に酸素の吸入が必要で、上半身の視診により、胸骨上窩の吸気時の陥没が観察され、また聴診では呼吸音が弱く、呼
気相および呼出時間の延長が観察された。さらに胸部への打診では打鼓音を呈し、肺の過膨張が観察された。該対象の胸部CT所見では、肺気腫の症状である肺間質繊維の断裂による肺胞の拡大が随所に見られた。血液ガス分析でも、血中の酸素分圧が低下しており、肺における静脈血混合、即ち肺の酸素ガス交換に関与しない血液の動脈系への混合が推定された。
該対象に、1000mg/kg/日のビタミンCと、3g/日のアルギニンとを投与した。係るアルギニンの投与量では僅かな効果しか認められなかったため、尿中のNOx濃度を観察して、過剰のNOxが排出されないよう留意しつつアルギニンの投与量を徐々に増加させた。すると投与量を6g/日としたときに、十分な効果を達成した。このとき、十分な効果が達成されないならば、尿中に過剰のNOxが排出されない限り、アルギニンの投与量を例えば9g/日へとさらに増加させることもできる。
投与の結果、約1ヶ月後には酸素の吸入が不要となり、血中の酸素分圧が85以上、また二酸化炭素分圧が約40となって正常な値に近づいた。アルギニンの常用においても、尿中のNOx濃度は全く正常な値を示していた。

Claims (6)

  1. ビタミンC及びアルギニンを有効成分とするウイルス感染の予防剤であって、該ビタミンCについて少なくとも300〜500mg/kg/日の投与量であり、前記ウイルス感染のウイルスが、インフルエンザウイルス、ムンプスウイルス、麻疹ウイルス及びコロナウイルスからなる群より選択されることを特徴とするウイルス感染症の治療剤。
  2. アルギニンについて少なくとも3g/日の投与量である請求項1記載のウイルス感染症の治療剤。
  3. 経口投与剤である請求項1又は請求項2記載のウイルス感染症の治療剤。
  4. 前記ウイルスがインフルエンザ肺炎を引き起こすインフルエンザウイルスである請求項1ないし3のいずれか1項に記載のウイルス感染症の治療剤。
  5. 前記ウィルスがSARSを引き起こすコロナウイルスである請求項1ないし3のいずれか1項に記載のウイルス感染症の治療剤。
  6. コーティングで被覆したビタミンCとアルギニンとを含んでなる、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のウイルス感染症の治療剤。
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