JP4667372B2 - 血管障害の程度の判定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、血管障害の程度の判定方法および血管障害治療薬のスクリーニング方法に関する。
PTX3は、Pentraxin、Pentaxin、TSG−14、MPTX3とも呼ばれ、インターロイキン1(IL−1)刺激を受けたヒト臍帯内皮細胞に発現しているものとして発見されたペントラキシンファミリーに属する分泌タンパク質である(非特許文献1)。
ペントラキシンファミリーには炎症性タンパクとして知られているC−reactive protein(CRP)やserum amyloid P component(SAP)などが存在する。Pentraxinは、別名Long Pentraxinとも呼ばれ、CRPはShort Pentraxinともよばれる。Pentraxinは構造中にCRP配列部分を有することからの呼称であり、炎症性タンパクとして機能していることが推定される。しかし、PTX3はCRPやSAPと異なりIL−6による誘導を受けない。またPTX3タンパク質を発現する細胞種もCRPやSAPとは異なることから、PTX3はCRPやSAPとは異なる機能も有することが示唆されている(非特許文献2)。
一方で、炎症反応の一種と考えられる急性心筋梗塞の患者でPTX3の血中濃度が高く上がること、小血管炎のインディケータとなりうる、進行性動脈硬化巣プラークにおける免疫染色による検出等が発見され、炎症への関与が推定された(非特許文献3)。
炎症と言う呼称は広範囲に渡り、皮膚炎、各種臓器の炎症等がある。それらの中で血管の炎症は心疾患、脳疾患等の重篤な疾患に繋がる。心疾患においては、急性心筋梗塞の危険因子として血中高総コレステロール値、高血圧、糖尿病、肥満、喫煙が挙げられる。血中高総コレステロール値については、この危険因子除去のため食事療法のみならず高脂血症低下剤として各種スタチン類による治療がなされている。脳疾患においては、血管障害による痴呆症等があげられ、アスピリンによる治療が行われている。
従来のPTX3の測定法として、非特許文献3に記載のELISA法による方法が知られている。この測定法においては、PTX3濃度は、心筋梗塞発作の7.5時間に最大値が22ng/mLとなり、その後急激に減少し、心疾患を有していないと思われる正常者の0.5から2.5ng/mLになるとの記載がある。このように、従来のPTX3測定結果によれば、心筋梗塞発作時のみに血中PTX3濃度が高くなることは知られているが、心筋梗塞や脳血管障害性痴呆症になる以前の段階でPTX3濃度がどのように変化しているのかは全くわかっていない。
血管障害の治療薬として、高脂血症治療薬スタチンおよび解熱・鎮痛薬アスピリンが知られているが、それらは疫学的調査により血管障害を改善することが明らかにされたものであり、血管障害治療を目的に開発された薬物は無い。
Breviorio et al.:J.Biol.Chem., 267(31),22190−7(1992) J.Biol.Chem.,267(31),22190−7(1992);Domyaku Koka(Arteriosclerosis),24(7−8),375−80(1996) Arthritis and Rheumatism,44/12 (2841−50),2001、Circulation,102,636−41(2000)、Arterioscler Thromb Vasc Biol.2002;22:e10−e14
心筋梗塞や脳血管障害性痴呆症になる以前の血管障害の程度が判定できれば、心疾患や脳血管疾患の程度が診断でき、かつ心疾患治療薬や脳血管疾患治療薬の治療効果が判定できる。また、血管障害の程度が判定できる系が開発できれば、血管障害治療薬のスクリーニングも可能となる。
従って本発明の目的は、心筋梗塞や脳血管障害性痴呆症の危険因子としての血管障害の程度を判定する方法および血管障害治療薬のスクリーニング方法を提供することにある。
そこで本発明者は、心筋梗塞の発作時急性期にしか血中濃度が上昇しないと考えられていたPTX3濃度に着目し、血管障害を治療することが知られているスタチン類およびアスピリンを用い、それらの投与前後で血中のPTX3タンパク濃度を測定したところ、これらの薬物投与後に明確にPTX3濃度が低下した。さらに、心筋梗塞ならびにその前兆疾患と考えられる安定狭心症および不安定狭心症患者について血漿中PTX3濃度を測定した結果、血管障害の重篤化に比例しPTX3の濃度が明らかに高値を示した。
一方、PTX3と同じくペントラキシンファミリーに属する炎症性タンパクであるCRPが感冒の診断として使用されていることから、感冒患者における血液中PTX3濃度を検討した。その結果、CRPとは異なり血中濃度の上昇は認められなかった。これらのことから、PTX3が全身性の炎症反応の診断マーカーではなく、血管に特異性の高い、障害の程度を知るに有用な診断マーカーであることを見出した。またこの方法が血管障害治療薬のスクリーニング方法として使用できることを見出し、本発明を完成した。
本発明において、新たに抗PTX3抗体を作製し高感度測定系を確立し、スタチン投与前後およびアスピリン投与前後の血清中PTX3を測定し、投与後のPTX3低下が確認されたことから、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、被検試料中のPTX3濃度を測定することを特徴とする血管障害の程度の判定方法を提供するものである。
また、本発明は、抗PTX3抗体を含有する血管障害の程度の診断薬を提供するものである。
さらに本発明は、動物または細胞に被験物質を投与または接触させ、PTX3タンパク質又はPTX3遺伝子量の変化を測定することを特徴とする血管障害治療薬のスクリーニング方法を提供するものである。
本発明によれば、急性心筋梗塞や血管障害性痴呆症等が発症する以前における血管障害の程度が診断できることで、心疾患や脳血管疾患の程度が診断でき、より重篤な心および脳疾患への移行を予防することができる。また、薬物治療による血管障害の治療指針を得ることができる。さらに、心および脳血管障害の新規な治療薬をスクリーニングすることができる。
ウエスタンブロティングによるリコンビナントPTX3と天然PTX3の比較結果を示す図である。 新規構築した複数のELISA標準曲線を示す図である。 臨床試料測定に供した新規構築のPTX3測定系と従来法のPTX3測定系との比較を示す図である。 心疾患患者血液中PTX3の測定結果を示す図である。
測定とは、定量的または非定量的な測定を含み、例えば、非定量的な測定としては、単にPTX3タンパク質が存在するか否かの測定、PTX3タンパク質が一定の量以上存在するか否かの測定、PTX3タンパク質の量を他の試料(例えば、コントロール試料など)と比較する測定などを挙げることができ、定量的な測定としては、PTX3タンパク質の濃度の測定、PTX3タンパク質の量の測定などを挙げることが出来る。なおPTX3遺伝子の塩基配列を配列番号1に、PTX3タンパク質のアミノ酸配列を配列番号2に示す。
被検試料とは、PTX3のタンパク質が含まれる可能性のある試料であれば特に制限されないが、哺乳類などの生物の体から採取された試料が好ましく、さらに好ましくはヒトから採取された試料である。被検試料の具体的な例としては、例えば、血液、間質液、血漿、血管外液、脳脊髄液、滑液、胸膜液、血清、リンパ液、唾液、尿などを挙げることができるが、好ましいのは血液、血清、血漿である。又、生物の体から採取された細胞の培養液などの、被検試料から得られる試料も本発明の被検試料に含まれる。
血管の障害は血管内皮細胞の障害、血管中膜平滑筋細胞の遊走、マクロファージの集積・泡沫化、血栓の付着、プラークの形成、血管の線維化、プラークの破裂といった経過を辿り、重篤な疾患を呈す。
すなわち、本発明における血管障害には、高脂血症および脳疾患の他に高血圧症、糖尿病、肥満および喫煙が原因として生ずる血管障害が含まれる。
また、本発明における血管障害の程度とは上記血管障害の進行過程に伴う障害の程度を言う。すなわち、上記進行過程をたどる血管障害は最終的なプラークの破裂に至る程度の尺度として病理組織的に次のように示される。(a)lipid coreの大きさ、(b)fibrous cap の厚さ、(c)shear stressの強さ、(d)炎症細胞の浸潤の程度の具合であり、(a)は大きければ大きいほど、(b)は薄ければ薄いほど、(c)は強ければ強いほど、(d)は強ければ強いほどプラーク破裂のしやすさは増す。したがって本発明における血管障害の程度は上記の(a)〜(d)の程度を言う。
本発明方法においては、PTX3の測定は、抗PTX3抗体を用いる免疫学的測定法が好ましい。以下、抗PTX3抗体を用いた測定法について詳細に説明する。
1.抗PTX3抗体の作製
本発明で用いられる抗PTX3抗体はPTX3タンパク質に特異的に結合すればよく、その由来、種類(モノクローナル、ポリクローナル)および形状を問わない。具体的には、マウス抗体、ラット抗体、ヒト抗体、キメラ抗体、ヒト型化抗体などの公知の抗体を用いることができる。抗体はポリクローナル抗体でもよいが、モノクローナル抗体であることが好ましい。
又、支持体に固定される抗PTX3抗体と標識物質で標識される抗PTX3抗体はPTX3分子の同じエピトープを認識してもよいが、異なるエピトープを認識することが好ましい。
本発明で使用される抗PTX3抗体は、公知の手段を用いてポリクローナルまたはモノクローナル抗体として得ることができる。本発明で使用される抗PTX3抗体として、特に哺乳動物由来のモノクローナル抗体が好ましい。哺乳動物由来のモノクローナル抗体は、ハイブリドーマにより産生されるもの、および遺伝子工学的手法により抗体遺伝子を含む発現ベクターで形質転換した宿主に産生されるものを含む。
モノクローナル抗体産生ハイブリドーマは、基本的には公知技術を使用し、以下のようにして作製できる。すなわち、PTX3を感作抗原として使用して、これを通常の免疫方法にしたがって免疫し、得られる免疫細胞を通常の細胞融合法によって公知の親細胞と融合させ、通常のスクリーニング法により、モノクローナルな抗体産生細胞をスクリーニングすることによって作製できる。
具体的には、モノクローナル抗体を作製するには次のようにすればよい。
まず、抗体取得の感作抗原として使用されるPTX3を、入手可能な細胞の培養上清から精製して得る。あるいは、特表2002−503642に開示された方法に従い得ることも出来る。
次に、この精製PTX3タンパク質を感作抗原として用いる。あるいは、PTX3の部分ペプチドを感作抗原として使用することもできる。この際、部分ペプチドはヒトPTX3のアミノ酸配列より化学合成により得ることもできるし、PTX3遺伝子の一部を発現ベクターに組込んで得ることもでき、さらに天然のPTX3をタンパク質分解酵素により分解することによっても得ることができる。部分ペプチドとして用いるPTX3の部分および大きさは限られない。
感作抗原で免疫される哺乳動物としては、特に限定されるものではないが、細胞融合に使用する親細胞との適合性を考慮して選択するのが好ましく、一般的にはげっ歯類の動物、例えば、マウス、ラット、ハムスター、あるいはウサギ、サル等が使用される。
感作抗原を動物に免疫するには、公知の方法に従って行われる。例えば、一般的方法として、感作抗原を哺乳動物の腹腔内または皮下に注射することにより行われる。具体的には、感作抗原をPBS(Phosphate−Buffered Saline)や生理食塩水等で適当量に希釈、懸濁したものに所望により通常のアジュバント、例えばフロイント完全アジュバントを適量混合し、乳化後、哺乳動物に4〜21日毎に数回投与する。また、感作抗原免疫時に適当な担体を使用することもできる。特に分子量の小さい部分ペプチドを感作抗原として用いる場合には、アルブミン、キーホールリンペットヘモシアニン等の担体タンパク質と結合させて免疫することが望ましい。
このように哺乳動物を免疫し、血清中に所望の抗体レベルが上昇するのを確認した後に、哺乳動物から免疫細胞を採取し、細胞融合に付されるが、好ましい免疫細胞としては、特に脾細胞が挙げられる。
前記免疫細胞と融合される他方の親細胞として、哺乳動物のミエローマ細胞を用いる。このミエローマ細胞は、公知の種々の細胞株、例えば、P3(P3x63Ag8.653)(J.Immnol.(1979)123,1548−1550)、P3x63Ag8U.1(Current Topics in Microbiology and Immunology(1978)81,1−7)、NS−1(Kohler.G.and Milstein,C.Eur.J.Immunol.(1976)6,511−519)、MPC−11(Margulies.D.H.et al.,Cell(1976)8,405−415)、SP2/0(Shulman,M.et al.,Nature(1978)276,269−270)、FO(de St. Groth,S.F. et al.,J.Immunol.Methods(1980)35,1−21)、S194(Trowbridge,I.S.J.Exp.Med.(1978)148,313−323)、R210(Galfre,G.et al.,Nature(1979)277,131−133)等が好適に使用される。
前記免疫細胞とミエローマ細胞との細胞融合は、基本的には公知の方法、たとえば、ケーラーとミルステインらの方法(Kohler.G.and Milstein,C.、Methods Enzymol.(1981)73,3−46)等に準じて行うことができる。
より具体的には、前記細胞融合は、例えば細胞融合促進剤の存在下に通常の栄養培養液中で実施される。融合促進剤としては、例えばポリエチレングリコール(PEG)、センダイウイルス(HVJ)等が使用され、さらに所望により融合効率を高めるためにジメチルスルホキシド等の補助剤を添加使用することもできる。
免疫細胞とミエローマ細胞との使用割合は任意に設定することができる。例えば、ミエローマ細胞に対して免疫細胞を1〜10倍とするのが好ましい。前記細胞融合に用いる培養液としては、例えば、前記ミエローマ細胞株の増殖に好適なRPMI1640培養液、MEM培養液、その他、この種の細胞培養に用いられる通常の培養液が使用可能であり、さらに、牛胎児血清(FCS)等の血清補液を併用することもできる。
細胞融合は、前記免疫細胞とミエローマ細胞との所定量を前記培養液中でよく混合し、予め37℃程度に加温したポリエチレングリコール(PEG)(例えば平均分子量1000〜6000程度)溶液を通常30〜60%(w/v)の濃度で添加し、混合することによって目的とする融合細胞(ハイブリドーマ)を形成する。続いて、適当な培養液を逐次添加し、遠心して上清を除去する操作を繰り返すことによりハイブリドーマの生育に好ましくない細胞融合剤等を除去する。
このようにして得られたハイブリドーマは、通常の選択培養液、例えばHAT培養液(ヒポキサンチン、アミノプテリンおよびチミジンを含む培養液)で培養することにより選択される。上記HAT培養液での培養は、目的とするハイブリドーマ以外の細胞(非融合細胞)が死滅するのに十分な時間(通常、数日〜数週間)継続する。ついで、通常の限界希釈法を実施し、目的とする抗体を産生するハイブリドーマのスクリーニングおよび単一クローニングを行う。
目的とする抗体のスクリーニングおよび単一クローニングは、公知の抗原抗体反応に基づくスクリーニング方法で行えばよい。例えば、ポリスチレン等でできたビーズや市販の96ウェルのマイクロタイタープレート等の担体に抗原を結合させ、ハイブリドーマの培養上清と反応させ、担体を洗浄した後に酵素標識第2次抗体等を反応させることにより、培養上清中に感作抗原と反応する目的とする抗体が含まれるかどうか決定できる。目的とする抗体を産生するハイブリドーマを限界希釈法等によりクローニングすることができる。この際、抗原としては免疫に用いたものを用いればよい。
また、ヒト以外の動物に抗原を免疫して上記ハイブリドーマを得る他に、ヒトリンパ球をin vitroでPTX3に感作し、感作リンパ球をヒト由来の永久***能を有するミエローマ細胞と融合させ、PTX3への結合活性を有する所望のヒト抗体を得ることもできる(特公平1−59878号公報参照)。さらに、ヒト抗体遺伝子の全てのレパートリーを有するトランスジェニック動物に抗原となるPTX3を投与して抗PTX3抗体産生細胞を取得し、これを不死化させた細胞からPTX3に対するヒト抗体を取得してもよい(国際特許出願公開番号WO94/25585号公報、WO93/12227号公報、WO92/03918号公報、WO94/02602号公報参照)。
このようにして作製されるモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、通常の培養液中で継代培養することが可能であり、また、液体窒素中で長期保存することが可能である。
当該ハイブリドーマからモノクローナル抗体を取得するには、当該ハイブリドーマを通常の方法に従い培養し、その培養上清として得る方法、あるいはハイブリドーマをこれと適合性がある哺乳動物に投与して増殖させ、その腹水として得る方法などが採用される。前者の方法は、高純度の抗体を得るのに適しており、一方、後者の方法は、抗体の大量生産に適している。
本発明では、モノクローナル抗体として、抗体遺伝子をハイブリドーマからクローニングし、適当なベクターに組み込んで、これを宿主に導入し、遺伝子組換え技術を用いて産生させた組換え型のものを用いることができる(例えば、Vandamme,A.M.et al.,Eur.J.Biochem.(1990)192,767−775,1990参照)。
具体的には、抗PTX3抗体を産生するハイブリドーマから、抗PTX3抗体の可変(V)領域をコードするmRNAを単離する。mRNAの単離は、公知の方法、例えば、グアニジン超遠心法(Chirgwin,J.M. et al.,Biochemistry(1979)18,5294−5299)、AGPC法(Chomczynski,P.et al.,Anal.Biochem.(1987)162,156−159)等により行って全RNAを調製し、mRNA Purification Kit (Pharmacia製)等を使用して目的のmRNAを調製する。また、QuickPrep mRNA Purification Kit (Pharmacia製)を用いることによりmRNAを直接調製することもできる。
得られたmRNAから逆転写酵素を用いて抗体V領域のcDNAを合成する。cDNAの合成は、AMV Reverse Transcriptase First−strand cDNA Synthesis Kit(生化学工業社製)等を用いて行う。また、cDNAの合成および増幅を行うには、5’−Ampli FINDER RACE Kit(Clontech製)およびPCRを用いた5’−RACE法(Frohman,M.A.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1988)85,8998−9002、Belyavsky,A.et al.,Nucleic Acids Res.(1989)17,2919−2932)等を使用することができる。
得られたPCR産物から目的とするDNA断片を精製し、ベクターDNAと連結する。さらに、これより組換えベクターを作製し、大腸菌等に導入してコロニーを選択して所望の組換えベクターを調製する。そして、目的とするDNAの塩基配列を公知の方法、例えば、ジデオキシヌクレオチドチェインターミネーション法等により確認する。
目的とする抗PTX3抗体のV領域をコードするDNAを得たのち、これを、所望の抗体定常領域(C領域)をコードするDNAを含有する発現ベクターへ組み込む。
本発明で使用される抗PTX3抗体を製造するには、抗体遺伝子を発現制御領域、例えば、エンハンサー、プロモーターの制御のもとで発現するよう発現ベクターに組み込む。次に、この発現ベクターにより、宿主細胞を形質転換し、抗体を発現させる。
抗体遺伝子の発現は、抗体重鎖(H鎖)または軽鎖(L鎖)をコードするDNAを別々に発現ベクターに組み込んで宿主細胞を同時形質転換させてもよいし、あるいはH鎖およびL鎖をコードするDNAを単一の発現ベクターに組み込んで宿主細胞を形質転換させてもよい(WO94/11523号公報参照)。
また、組換え型抗体の産生には上記宿主細胞だけではなく、トランスジェニック動物を使用することができる。例えば、抗体遺伝子を、乳汁中に固有に産生されるタンパク質(ヤギβカゼインなど)をコードする遺伝子の途中に挿入して融合遺伝子として調製する。抗体遺伝子が挿入された融合遺伝子を含むDNA断片をヤギの胚へ注入し、この胚を雌のヤギへ導入する。胚を受容したヤギから生まれるトランスジェニックヤギまたはその子孫が産生する乳汁から所望の抗体を得る。また、トランスジェニックヤギから産生される所望の抗体を含む乳汁量を増加させるために、適宜ホルモンをトランスジェニックヤギに使用してもよい(Ebert,K.M.et al.,Bio/Technology(1994)12,699−702)。
本発明では、上記抗体のほかに、人為的に改変した遺伝子組換え型抗体、例えば、キメラ抗体、ヒト型化(Humanized)抗体を使用できる。これらの改変抗体は、既知の方法を用いて製造することができる。
キメラ抗体は、前記のようにして得た抗体V領域をコードするDNAをヒト抗体C領域をコードするDNAと連結し、これを発現ベクターに組み込んで宿主に導入し産生させることにより得られる。この既知の方法を用いて、本発明に有用なキメラ抗体を得ることができる。
ヒト型化抗体は、再構成(reshaped)ヒト抗体とも称され、これは、ヒト以外の哺乳動物、例えばマウス抗体の相補性決定領域(CDR; complementarity determining region)をヒト抗体の相補性決定領域へ移植したものであり、その一般的な遺伝子組換え手法も知られている(欧州特許出願公開番号EP 125023号公報、WO96/02576号公報参照)。
具体的には、マウス抗体のCDRとヒト抗体のフレームワーク領域(framework region;FR)とを連結するように設計したDNA配列を、CDRおよびFR両方の末端領域にオーバーラップする部分を有するように作製した数個のオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いてPCR法により合成する(WO98/13388号公報に記載の方法を参照)。
CDRを介して連結されるヒト抗体のフレームワーク領域は、相補性決定領域が良好な抗原結合部位を形成するものが選択される。必要に応じ、再構成ヒト抗体の相補性決定領域が適切な抗原結合部位を形成するように、抗体の可変領域におけるフレームワーク領域のアミノ酸を置換してもよい(Sato,K.et al.,Cancer Res.(1993)53,851−856)。
キメラ抗体およびヒト型化抗体のC領域には、ヒト抗体のものが使用され、例えばH鎖では、Cγ1、Cγ2、Cγ3、Cγ4を、L鎖ではCκ、Cλを使用することができる。また、抗体またはその産生の安定性を改善するために、ヒト抗体C領域を修飾してもよい。
キメラ抗体は、ヒト以外の哺乳動物由来抗体の可変領域とヒト抗体由来の定常領域とからなる。一方、ヒト型化抗体は、ヒト以外の哺乳動物由来抗体の相補性決定領域と、ヒト抗体由来のフレームワーク領域およびC領域とからなる。ヒト型化抗体はヒト体内における抗原性が低下されているため、本発明の治療剤の有効成分として有用である。
本発明で使用される抗体は、抗体の全体分子に限られず、PTX3に結合する限り、抗体の断片またはその修飾物であってもよく、二価抗体も一価抗体も含まれる。例えば、抗体の断片としては、Fab、F(ab’)2、Fv、1個のFabと完全なFcを有するFab/c、またはH鎖若しくはL鎖のFvを適当なリンカーで連結させたシングルチェインFv(scFv)が挙げられる。具体的には、抗体を酵素、例えばパパイン、ペプシンで処理し抗体断片を生成させるか、または、これら抗体断片をコードする遺伝子を構築し、これを発現ベクターに導入した後、適当な宿主細胞で発現させる(例えば、Co,M.S.et al.,J.Immunol.(1994)152,2968−2976、Better,M.& Horwitz,A.H.Methods in Enzymology(1989)178,476−496,Academic Press,Inc.、Plueckthun,A.&Skerra,A.Methods in Enzymology(1989)178,476−496, Academic Press,Inc.、Lamoyi,E., Methods in Enzymology(1989)121,652−663、Rousseaux,J.et al.,Methods in Enzymology(1989)121,663−669、Bird,R.E.et al.,TIBTECH(1991)9,132−137参照)。
scFvは、抗体のH鎖V領域とL鎖V領域とを連結することにより得られる。このscFvにおいて、H鎖V領域とL鎖V領域は、リンカー、好ましくはペプチドリンカーを介して連結される(Huston,J.S.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.(1988)85,5879−5883)。scFvにおけるH鎖V領域およびL鎖V領域は、本明細書に抗体として記載されたもののいずれの由来であってもよい。V領域を連結するペプチドリンカーとしては、例えばアミノ酸12〜19残基からなる任意の一本鎖ペプチドが用いられる。
scFvをコードするDNAは、前記抗体のH鎖またはH鎖V領域をコードするDNA、およびL鎖またはL鎖V領域をコードするDNAのうち、それらの配列のうちの全部または所望のアミノ酸配列をコードするDNA部分を鋳型とし、その両端を規定するプライマー対を用いてPCR法により増幅し、次いで、さらにペプチドリンカー部分をコードするDNA、およびその両端が各々H鎖、L鎖と連結されるように規定するプライマー対を組み合せて増幅することにより得られる。
また、一旦scFvをコードするDNAが作製されると、それらを含有する発現ベクター、および該発現ベクターにより形質転換された宿主を常法に従って得ることができ、また、その宿主を用いることにより、常法に従ってscFvを得ることができる。
これら抗体の断片は、前記と同様にしてその遺伝子を取得し発現させ、宿主により産生させることができる。本発明における「抗体」にはこれらの抗体の断片も包含される。
抗体の修飾物として、標識物質等の各種分子と結合した抗PTX3抗体を使用することもできる。本発明における「抗体」にはこれらの抗体修飾物も包含される。このような抗体修飾物は、得られた抗体に化学的な修飾を施すことによって得ることができる。なお、抗体の修飾方法はこの分野においてすでに確立されている。
さらに、本発明で使用される抗体は、二重特異性抗体(bispecific antibody)であってもよい。二重特異性抗体はPTX3分子上の異なるエピトープを認識する抗原結合部位を有する二重特異性抗体であってもよいし、一方の抗原結合部位がPTX3を認識し、他方の抗原結合部位が標識物質等を認識してもよい。二重特異性抗体は2種類の抗体のHL対を結合させて作製することもできるし、異なるモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを融合させて二重特異性抗体産生融合細胞を作製し、得ることもできる。さらに、遺伝子工学的手法により二重特異性抗体を作製することも可能である。
前記のように構築した抗体遺伝子は、公知の方法により発現させ、取得することができる。哺乳類細胞の場合、常用される有用なプロモーター、発現させる抗体遺伝子、その3’側下流にポリAシグナルを機能的に結合させて発現させることができる。例えばプロモーター/エンハンサーとしては、ヒトサイトメガロウイルス前期プロモーター/エンハンサー(human cytomegalovirus immediate early promoter/enhancer)を挙げることができる。
また、その他に本発明で使用される抗体発現に使用できるプロモーター/エンハンサーとして、レトロウイルス、ポリオーマウイルス、アデノウイルス、シミアンウイルス40(SV40)等のウイルスプロモーター/エンハンサー、あるいはヒトエロンゲーションファクター1a(HEF1a)などの哺乳類細胞由来のプロモーター/エンハンサー等が挙げられる。
SV40プロモーター/エンハンサーを使用する場合はMulliganらの方法(Nature(1979)277,108)により、また、HEF1aプロモーター/エンハンサーを使用する場合はMizushimaらの方法(Nucleic Acids Res.(1990)18,5322)により、容易に遺伝子発現を行うことができる。
大腸菌の場合、常用される有用なプロモーター、抗体分泌のためのシグナル配列および発現させる抗体遺伝子を機能的に結合させて当該遺伝子を発現させることができる。プロモーターとしては、例えばlaczプロモーター、araBプロモーターを挙げることができる。laczプロモーターを使用する場合はWardらの方法(Nature(1098)341,544−546;FASEB J.(1992)6,2422−2427)により、あるいはaraBプロモーターを使用する場合はBetterらの方法(Science(1988)240, 1041−1043)により発現することができる。
抗体分泌のためのシグナル配列としては、大腸菌のペリプラズムに産生させる場合、pelBシグナル配列(Lei,S.P.et al J.Bacteriol.(1987)169,4379)を使用すればよい。そして、ペリプラズムに産生された抗体を分離した後、抗体の構造を適切に組み直して(refold)使用する。
複製起源としては、SV40、ポリオーマウイルス、アデノウイルス、ウシパピローマウイルス(BPV)等の由来のものを用いることができ、さらに、宿主細胞系で遺伝子コピー数増幅のため、発現ベクターは、選択マーカーとしてアミノグリコシドトランスフェラーゼ(APH)遺伝子、チミジンキナーゼ(TK)遺伝子、大腸菌キサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Ecogpt)遺伝子、ジヒドロ葉酸還元酵素(dhfr)遺伝子等を含むことができる。
本発明で使用される抗体の製造のために、任意の発現系、例えば真核細胞または原核細胞系を使用することができる。真核細胞としては、例えば樹立された哺乳類細胞系、昆虫細胞系、真糸状菌細胞および酵母細胞などの動物細胞等が挙げられ、原核細胞としては、例えば大腸菌細胞等の細菌細胞が挙げられる。
好ましくは、本発明で使用される抗体は、哺乳類細胞、例えばCHO、COS、ミエローマ、BHK、Vero、HeLa細胞中で発現される。
次に、形質転換された宿主細胞をin vitroまたはin vivoで培養して目的とする抗体を産生させる。宿主細胞の培養は公知の方法に従い行う。例えば、培養液として、DMEM、MEM、RPMI1640、IMDMを使用することができ、牛胎児血清(FCS)等の血清補液を併用することもできる。
前記のように発現、産生された抗体は、細胞、宿主動物から分離し均一にまで精製することができる。本発明で使用される抗体の分離、精製はアフィニティーカラムを用いて行うことができる。例えば、プロテインAカラムを用いたカラムとして、Hyper D、POROS、Sepharose F.F.(Pharmacia製)等が挙げられる。その他、通常のタンパク質で使用されている分離、精製方法を使用すればよく、何ら限定されるものではない。例えば、上記アフィニティーカラム以外のクロマトグラフィーカラム、フィルター、限外濾過、塩析、透析等を適宜選択、組み合わせることにより、抗体を分離、精製することができる(Antibodies A Laboratory Manual.Ed Harlow,David Lane,Cold Spring Harbor Laboratory,1988)。
2.PTX3の測定
本発明において測定するPTX3は、特に限定されず、全長PTX3でも、その断片でもよい。
被検試料に含まれるPTX3タンパク質の検出方法は特に限定されないが、抗PTX3抗体を用いた免疫学的方法により検出することが好ましい。免疫学的方法としては、例えば、ラジオイムノアッセイ、エンザイムイムノアッセイ、蛍光イムノアッセイ、発光イムノアッセイ、免疫沈降法、免疫比濁法、ウエスタンブロット、免疫染色、免疫拡散法などを挙げることができるが、好ましくはエンザイムイムノアッセイであり、特に好ましいのは酵素結合免疫吸着定量法(enzyme−linked immunosorbent assay:ELISA)(例えば、sandwich ELISA)である。ELISAなどの上述した免疫学的方法は当業者に公知の方法により行うことが可能である。
抗PTX3抗体を用いた一般的な検出方法としては、例えば、抗PTX3抗体を支持体に固定し、ここに被検試料を加え、インキュベートを行い抗PTX3抗体とPTX3タンパク質を結合させた後に洗浄して、抗PTX3抗体を介して支持体に結合したPTX3タンパク質を検出することにより、被検試料中のPTX3タンパク質の検出を行う方法を挙げることができる。
本発明において用いられる支持体としては、例えば、アガロース、セルロースなどの不溶性の多糖類、シリコン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ナイロン樹脂、ポリカーボネイト樹脂などの合成樹脂や、ガラスなどの不溶性の支持体を挙げることができる。これらの支持体は、ビーズやプレートなどの形状で用いることが可能である。ビーズの場合、これらが充填されたカラムなどを用いることができる。プレートの場合、マルチウェルプレート(96穴マルチウェルプレート等)、やバイオセンサーチップなどを用いることができる。抗PTX3抗体と支持体との結合は、化学結合や物理的な吸着などの通常用いられる方法により結合することができる。これらの支持体はすべて市販のものを用いることができる。
抗PTX3抗体とPTX3タンパク質との結合は、通常、緩衝液中で行われる。緩衝液としては、例えば、リン酸緩衝液、Tris緩衝液、クエン酸緩衝液、ホウ酸塩緩衝液、炭酸塩緩衝液、などが使用される。また、インキュベーションの条件としては、すでによく用いられている条件、例えば、4℃〜室温にて1時間〜24時間のインキュベーションが行われる。インキュベート後の洗浄は、PTX3タンパク質と抗PTX3抗体の結合を妨げないものであれば何でもよく、例えば、Tween20等の界面活性剤を含む緩衝液などが使用される。
本発明のPTX3タンパク質測定方法においては、PTX3タンパク質を検出したい被検試料の他に、コントロール試料を設置してもよい。コントロール試料としては、PTX3タンパク質を含まない陰性コントロール試料やPTX3タンパク質を含む陽性コントロール試料などがある。この場合、PTX3タンパク質を含まない陰性コントロール試料で得られた結果、PTX3タンパク質を含む陽性コントロール試料で得られた結果と比較することにより、被検試料中のPTX3タンパク質を検出することが可能である。また、濃度を段階的に変化させた一連のコントロール試料を調製し、各コントロール試料に対する検出結果を数値として得て、標準曲線を作成し、被検試料の数値から標準曲線に基づいて、被検試料に含まれるPTX3タンパク質を定量的に検出することも可能である。
抗PTX3抗体を介して支持体に結合したPTX3タンパク質の測定の好ましい態様として、標識物質で標識された抗PTX3抗体を用いる方法を挙げることができる。
例えば、支持体に固定された抗PTX3抗体に被検試料を接触させ、洗浄後に、PTX3タンパク質を特異的に認識する標識抗体を用いて検出する。
抗PTX3抗体の標識は通常知られている方法により行うことが可能である。標識物質としては、蛍光色素、酵素、補酵素、化学発光物質、放射性物質などの当業者に公知の標識物質を用いることが可能であり、具体的な例としては、ラジオアイソトープ(32P、14C、125I、H、131Iなど)、フルオレセイン、ローダミン、ダンシルクロリド、ウンベリフェロン、ルシフェラーゼ、ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、β−グルコシダーゼ、ホースラディッシュパーオキシダーゼ、グルコアミラーゼ、リゾチーム、サッカリドオキシダーゼ、マイクロペルオキシダーゼ、ビオチンなどを挙げることができる。標識物質としてビオチンを用いる場合には、ビオチン標識抗体を添加後に、アルカリホスファターゼなどの酵素を結合させたアビジンをさらに添加することが好ましい。標識物質と抗PTX3抗体との結合には、グルタルアルデヒド法、マレイミド法、ピリジルジスルフィド法、過ヨウ素酸法、などの公知の方法を用いることができる。
具体的には、抗PTX3抗体を含む溶液をプレートなどの支持体に加え、抗PTX3抗体を支持体に固定する。プレートを洗浄後、タンパク質の非特異的な結合を防ぐため、例えばBSA、ゼラチン、アルブミンなどでブロッキングする。再び洗浄し、被検試料をプレートに加える。インキュベートの後、洗浄し、標識抗PTX3抗体を加える。適度なインキュベーションの後、プレートを洗浄し、プレートに残った標識抗PPTX3抗体を検出する。検出は当業者に公知の方法により行うことができ、例えば、放射性物質による標識の場合には液体シンチレーションやRIA法により検出することができる。酵素による標識の場合には基質を加え、基質の酵素的変化、例えば発色を吸光度計により検出することができる。基質の具体的な例としては、2,2−アジノビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)ジアンモニウム塩(ABTS)、1,2−フェニレンジアミン(オルソ−フェニレンジアミン)、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TME)などを挙げることができる。蛍光物質の場合には蛍光光度計により検出することができる。
本発明のPTX3タンパク質測定方法の特に好ましい態様として、ビオチンで標識された抗PTX3抗体およびアビジンを用いる方法を挙げることができる。
具体的には、抗PTX3抗体を含む溶液をプレートなどの支持体に加え、抗PTX3抗体を固定する。プレートを洗浄後、タンパク質の非特異的な結合を防ぐため、例えばBSAなどでブロッキングする。再び洗浄し、被検試料をプレートに加える。インキュベートの後、洗浄し、ビオチン標識抗PTX3抗体を加える。適度なインキュベーションの後、プレートを洗浄し、アルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼなどの酵素と結合したアビジンを加える。インキュベーション後、プレートを洗浄し、アビジンに結合している酵素に対応した基質を加え、基質の酵素的変化などを指標にPTX3タンパク質を検出する。
本発明のPTX3タンパク質測定方法の他の態様として、PTX3タンパク質を特異的に認識する一次抗体を一種類以上、および該一次抗体を特異的に認識する二次抗体を一種類以上用いる方法を挙げることができる。
例えば、支持体に固定された一種類以上の抗PTX3抗体に被検試料を接触させ、インキュベーションした後、洗浄し、洗浄後に結合しているPTX3タンパク質を、一次抗PTX3抗体および該一次抗体を特異的に認識する一種類以上の二次抗体により検出する。この場合、二次抗体は好ましくは標識物質により標識されている。
本発明のPTX3タンパク質の測定方法の他の態様としては、凝集反応を利用した検出方法を挙げることができる。該方法においては、抗PTX3抗体を感作した担体を用いてPTX3を検出することができる。抗体を感作する担体としては、不溶性で、非特異的な反応を起こさず、かつ安定である限り、いかなる担体を使用してもよい。例えば、ラテックス粒子、ベントナイト、コロジオン、カオリン、固定羊赤血球等を使用することができるが、ラテックス粒子を使用するのが好ましい。ラテックス粒子としては、例えば、ポリスチレンラテックス粒子、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス粒子、ポリビニルトルエンラテックス粒子等を使用することができるが、ポリスチレンラテックス粒子を使用するのが好ましい。感作した粒子を試料と混合し、一定時間攪拌する。試料中に抗PTX3抗体が高濃度で含まれるほど粒子の凝集度が大きくなるので、凝集を肉眼でみることによりPTX3を検出することができる。また、凝集による濁度を分光光度計等により測定することによっても検出することが可能である。
本発明のPTX3タンパク質の測定方法の他の態様としては、例えば、表面プラズモン共鳴現象を利用したバイオセンサーを用いた方法を挙げることができる。表面プラズモン共鳴現象を利用したバイオセンサーはタンパク質−タンパク質間の相互作用を微量のタンパク質を用いてかつ標識することなく、表面プラズモン共鳴シグナルとしてリアルタイムに観察することが可能である。例えば、BIAcore(Pharmacia製)等のバイオセンサーを用いることによりPTX3タンパク質と抗PTX3抗体の結合を検出することが可能である。具体的には、抗PTX3抗体を固定化したセンサーチップに、被検試料を接触させ、抗PTX3抗体に結合するPTX3タンパク質を共鳴シグナルの変化として検出することができる。
本発明の測定方法は、種々の自動検査装置を用いて自動化することもでき、一度に大量の試料について検査を行うことも可能である。
本発明は、血管障害の程度の診断薬の提供をも目的とするが、該診断薬は少なくとも抗PTX3抗体を含む。ここで診断薬には、キットも含まれる。該診断薬がELISA法に基づく場合は、抗体を固相化する担体を含んでいてもよく、抗体があらかじめ担体に結合していてもよい。該診断薬がラテックス等の担体を用いた凝集法に基づく場合は抗体が吸着した担体を含んでいてもよい。また、該診断薬は、適宜、ブロッキング溶液、反応溶液、反応停止液、試料を処理するための試薬等を含んでいてもよい。
血管障害治療薬のスクリーニング方法は、被験物質を動物または細胞に投与または接触させ、PTX3タンパク質量又はPTX3遺伝子量を測定することにより行なわれる。動物を使用する場合には、被験物質を経口、静注等の手段で投与し、その投与前後の血中PTX3蛋白又は血中PTX3遺伝子濃度を測定し、被験物質非投与群と比較することによりスクリーニングできる。このとき、動物としては、高脂血症、脳疾患、糖尿病、肥満症、高血圧症のモデル動物が使用できる。特に、動脈硬化モデルとしての高脂肪食負荷動物、WHHLウサギ、アポE欠損マウス、LDL受容体欠損マウス、ヒト型アポB導入マウス、ドミナント変異アポE導入マウス、高LDL血症ブタおよびミニブタ等ならびに脳疾患モデルとしてはSHRSPラット、肥満・糖尿病モデルとしては、レプチン欠損マウス、NODマウス、KK/Ta Jclマウス、KK−Ay/Ta Jclマウス、C57BL/KsJ−db/db Jclマウス、C57BL/KsJ−db/+m Jclマウス、GK/Jclラット、さらに、高血圧発症モデルとしてはSHRラット、心臓疾患として冠動脈バルーン傷害モデル(ラット、ウサギ)等の血管障害を有するモデル動物を用いるのが好ましい。
また、細胞を用いる場合には、PTX3産生細胞株およびPTX3強制発現細胞を用い、被験物質を加えて培養し、産生されたPTX3タンパク質又はPTX3遺伝子量を公知の方法にて測定した後、無添加時の量と比較することによりスクリーニングすることができる。
PTX3タンパク質を測定する方法としてはELISA等の知られた方法が利用できる。また、遺伝子量測定方法として、定量的RT−PCRによる方法等が挙げられる。また、PTX3遺伝子の発現を抑制する物質のスクリーニングのためには、一般的に用いられているレポータージーンアッセイを用いることもできる。一般的な方法とは、PTX3遺伝子のプロモーター領域をルシフェラーゼやガラクトシダーゼ、GFP等のマーカータンパク質のcDNAの上流に接続したベクターを作製し、このベクターを一般的な方法により、動物細胞にトランスフェクションする。トランスフェクションされた細胞に、被験物質を加えて培養し、マーカータンパク質をそれぞれに適した方法によって検出することによって目的の化合物をスクリーニングすることができる。
以下、実施例により、本発明を具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるものでない。
実施例1 PTX3のクローニング
PTX3の全長ORF領域を含む配列のクローニングを実施した。ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)の1本鎖cDNAを上記(0034)記載の方法により調製し、それを鋳型としてGenBank番号(NM_002852)よりデザインしたプライマーPTX3−F(KpnI)(配列番号:3)とPTX3−R(BamHI)(配列番号:4)を用いて、PCR法にて、全長ORF遺伝子の単離を行った。PCR法により得られたフラグメントをZero Blunt TOPO PCR Cloning Kitを用いベクター挿入し、塩基配列解析を定法にて実施した後、KpnIサイトおよびBamHIサイトにて切断したフラグメントをphCMVベクター(Stratagene社)へ挿入し、トランスファーベクターphCMV−PTX3を作製した。
実施例2 リコンビナントPTX3発現細胞の構築
FuGENE 6(Roche Molecular Biochemicals社)のプロトコールに準じて、トランスフェクション前日に6ウェルデイッシュに1x10cellのCHO細胞を播種し一晩培養を行い、翌日に8μgの発現ベクターphCMV−PTX3と16μLのFuGENE 6 reagentを無血清DMEM培地100μLに混合し、20分間の室温におけるインキュベーション後、細胞に添加した。トランスフェクション翌日に限外希釈法および選択試薬であるG418を用いてクローニングを実施した。各クローンの培養上清を回収し、PTX3タンパク質発現細胞のスクリーニングを行った。その結果、約2〜3μg/mLのPTX3タンパク質を恒常的に発現するクローン(以後、CHO−PTX3)を選択することが出来た。
実施例3 リコンビナントPTX3タンパク質の取得
蛋白質の精製はBottazziらの方法(Bottazzi B,Vouret−Craviari,et al.,J Biol Chem.1997;272(52):32817−23.)に準じて実施した。具体的にはCHO−PTX3を150cmのフラスコにて培養の後、ローラーボトル(BD Bioscience社)を用い1ボトル当たり300mLの無血清培地(S−SFM−II,GIBCO/Invitrogen社)用い、1分間当たり1回転になるようにローリングのスピードの調節を行い4日間培養し、培養上清を回収した。1Lの培養上清を、限外濾過膜濃縮装置、pellicon XLデバイス バイオマックス100(MILLIPORE社)を用いて50mLまで濃縮を行った。濃縮液を50mM Imidaole,pH6.6の緩衝液5Lに対し透析した。透析操作は同緩衝液に対し、2度実施した。次いで、HiPrep 16/10 Q XL(Pharmacia Biotech,Uppsala,Sweden)を用いたイオン交換クロマトグラフィーにアプライした。バックグランドレベルが低くなるまで洗浄した後、NaClの濃度を0から0.58Mに35分間かけて増加させ、その後1MのNaClにてPTX3の溶出を行った。尚、溶出のモニターは280nmの吸光度にて行った。PTX3蛋白質を含むフラクションを集め、Sephacryl S−300によるゲル濾過クロマトグラフィーをPBSにて展開した。さらにPTX3のうち多量体PTX3のみを得るためにSuperose 6 column(Pharmacia Biotech)を使用して精製した。すなわち、分子量スタンダードを用いキャリブレーションを行った後にPTX3をカラムへアプライし、流速0.4mL/minにてPBSにより溶出を行った。各溶出フラクションをSDS−PAGEにより解析を行い、精製リコンビナント多量体PTX3タンパク質を得た。
実施例4 天然PTX3タンパク質の取得
HUVECの培養上清からPTX3タンパク質の取得を試みた。すなわち、175cmフラスコを用い、5% FBSを含むEGM−2培地にて37℃、3日培養後、培養液を回収した。蛋白質の精製はBottazziらの方法(Bottazzi B,Vouret−Craviari,et al.,J Biol Chem.1997;272(52):32817−23.)に準じて、具体的には上記実施例3と同様な操作にて天然PTX3を取得した。
実施例5 ウエスタンブロティングによるリコンビナントPTX3と天然PTX3の比較
天然より得たPTX3とリコンビナントPTX3の比較をウエスタンブロティングにより行った。すなわち、天然PTX3とリコンビナントPTX3の0.5μg/mL溶液10μLを還元状態でSDS−PAGEし、泳動後のゲルをPVDF膜に転写した。転写した膜上のPTX3を抗PTX3ポリクローナル抗体(ALEXIS社)と反応させた。その後、抗PTX3ポリクローナル抗体はHRP標識抗ウサギIgG抗体と反応させ、PTX3のバンドを検出した。その結果を図1に示した。図1に示すように両者は分子量の上でほぼ一致した。若干の差は糖鎖の違いに基づくものと推察した。
実施例6 抗PTX3モノクローナル抗体の作製
モノクローナル抗体は下記の操作により作製した。すなわち、Balb/Cマウス (CRL)あるいはPTX3ノックアウトマウスにPTX3を免疫した。初回免疫には免疫タンパク質を10あるいは100μg/匹となるように調製し、FCA(フロイント完全アジュバント(H37 Ra)、Difco(3113−60)、ベクトンディッキンソン(cat#231131))を用いてエマルジョン化したものを皮下に投与した。2週間後に5あるいは50μg/匹となるように調製したものをFIA(フロイント不完全アジュバント、Difco(0639−60)、ベクトンディッキンソン(cat#263910))でエマルジョン化したものを皮下に投与した。以降1週間間隔で追加免疫を合計2回行った。最終免疫については5あるいは50μg/匹となるようにPBSに希釈し尾静脈内に投与した。PTX3タンパク質をコートしたイムノプレートを用いたELISAによりPTX3に対する血清中の抗体価が飽和しているのを確認後、マウスミエローマ細胞P3U1とマウス脾臓細胞を混合し、PEG1500(ロシュ・ダイアグノスティック、cat#783 641)により細胞融合を行った。96穴培養プレートに播種し、翌日よりHAT培地で選択後培養上清をELISAでスクリーニングした。陽性クローンについては限界希釈法によりモノクローン化した後、拡大培養を行い培養上清を回収した。ELISAによるスクリーニングは、PTX3タンパク質との結合活性を指標に行い、強い結合能を有する抗PTX3抗体を多数得た。
モノクローナル抗体の精製はHi Trap ProteinG HP(Amersham CAT#17−0404−01)を用いて行った。ハイブリドーマ培養上清を直接カラムにチャージし、結合バッファー(20mM リン酸ナトリウム(pH7.0))にて洗浄後、溶出バッファー(0.1M グリシン−HCl(pH2.7))で溶出した。溶出液は中和バッファー(1M Tris−HCl(pH9.0))を加えたチューブに採取し、直ちに中和した。抗体溶出画分をプールした後、0.05%Tween20/PBSで一昼夜透析を行いバッファー置換した。精製された抗体は0.02%となるようにNaNを添加した後、4℃で保管した。
抗PTX3モノクローナル抗体のアイソタイピングは次のように行った。
抗体濃度はヤギ抗マウスIgG(gamma)(ZYMED CAT# 62−6600)とアルカリホスファターゼ−ヤギ抗マウスIgG(gamma)(ZYMED CAT#62−6622)を用いたマウスIgGサンドイッチELISAを行い、市販の精製マウスIgG1抗体(ZYMED CAT# 02−6100)をスタンダードとして定量した。抗PTX3抗体のアイソタイピングは、ImmunoPure Monoclonal Antibody Isotyping Kit II(PIERCE CAT# 37502)を用い、方法は添付のマニュアルに従った。アイソタイピングの結果、IgG1、IgG2a、IgMクラスの抗体が得られた。
実施例7 抗PTX3ポリクローナル抗体の作製
10週令、体重2kgのニュージーランドホワイトウサギに免疫を行った。初回免疫にはPTX3蛋白質を100μg/匹となるように調製し、FCA(フロイント完全アジュバント(H37 Ra)、Difco(3113−60)、ベクトンディッキンソン(cat#231131))を用いてエマルジョン化したものを皮下に投与した。2週間後に100μg/匹となるように調製したものをFIA(フロイント不完全アジュバント、Difco(0639−60)、ベクトンディッキンソン(cat#263910))でエマルジョン化したものを皮下に投与した。その後も2週間間隔で100μg/匹のFIAエマルジョンを皮下投与し、合計5回免疫を行った。5回免疫後に部分採血を行い、ウサギ血清中の抗体価を、96ウェルプレートに抗原をコートしたELISA法にて評価した。その後全採血を行い、血清分離した後、ProteinGカラム精製により抗体を分画した。0.02%となるようにNaNを添加し4℃で保管した。
実施例8 ELISA系の構築と測定
血中のPTX3を検出するため、PTX3のサンドイッチELISA系を以下のように構築した。すなわち、96ウェルプレートにコートする抗体にはPPMX0101(FERM P−19697)、PPMX0102、PPMX0112、PPMX0148等のモノクローナル抗体を、これらに結合したPTX3を検出する抗体としてビオチンで標識したポリクローナル抗体(ALEXIS社または実施例7で作製した抗体)を用いた。尚、抗体のビオチン化にはPierce社のSulfo−NHS−LC−Biotin (CAT# 21335)を用いておこなった。
96ウェルイムノプレートに10μg/mLとなるように抗PTX3抗体をPBS(−)で希釈したものをコートし、4℃で一晩インキュベートした。翌日300μL/wellの洗浄バッファー(0.05%(v/v)Tween20,PBS)で3回洗浄後、ABI社のイムノアッセイスタビライザー(ABI #10−601−001)を150μL加え、ブロッキングを行った。室温で数時間後、あるいは4℃で一晩保管後、精製蛋白質、ヒト血清などを、動物血清などを含む希釈バッファー(50mM Tris−Cl pH8.0,0.15M NaCl)で適当に希釈したものを加え2時間室温でインキュベートした。次いで、動物血清などを含むPBS(−)で20μg/mLとなるように希釈したビオチン標識した抗PTX3抗体を加え2時間室温でインキュベートした。反応液を捨てた後、動物血清を適当量含んだCygnus社のStab−ELISA−r(Cygnus #I−030)を用いて、Vector社のストレプトアビジン−HRPO(Vector #SA−5004)を3μg/mLに希釈したものを加え、0.5時間室温でインキュベートした。300μL/wellの洗浄バッファーで5回洗浄した後、添付のプロトコールに従いScytek社のTMB(Cat#TM4999)を用いて発色させ、マイクロプレートリーダーで吸光度を測定した。
サンプル中のPTX3タンパク質濃度の換算には、表計算ソフトGlaphPad PRISM(GlaphPad software Inc.ver.3.0)を用いて解析した。精製PTX3を用いてスタンダードカーブを作製した結果、より低い濃度のPTX3タンパク質の測定を可能にした複数の測定系を構築することができた(図2)。
実施例9 従来の測定系との標準曲線の比較
ELISAの標準曲線は濃度検定されたPTX3タンパク質標準品(ALEXIS社)を用いて、30、10、3、1、0.3、0.1、0.03、0.01ng/mLの標準品希釈液をもちいて作製した。さらに、ELISAの感度比較のために非特許文献3の抗体すなわちALEXIS社より購入のMNB4抗体を用いて上記と同様に標準曲線を求めた。今回作製した測定系と非特許文献3の抗体による測定(図3)との比較において、明らかに新規測定系の感度がすぐれていることが確認できた。
実施例10 スタチン投与試験
スタチン投与開始前に採血を行い、次にアトロバスタチンを1日1回夕食後に1週間投与した後に採血を行った。採血した血液サンプルは、37℃、2時間のインキュベーションの後、1000rpm、10分間の血清分離を行った。血清上清成分を回収し−80℃にて保存した。これらの血清を用いて新規に構築したELISA系にて血清中PTX3タンパク質濃度の測定を行った。その結果6例中6例にて血清中PTX3蛋白濃度の減少が認められた(表1)。さらにt検定の結果、アトロバスタチン1週間投与後のPTX3濃度が有意に(p<0.01)下がる結果となった。
Figure 0004667372
実施例11 血液サンプルの選択
従来、血液成分の測定における血液サンプルとして、血清および血漿(クエン酸、EDTA、ヘパリン)が使用されている。本特許においては、最も一般的な採血方法である血清を用いて検討した。今回、採血方法による血中PTX3濃度の差異をPPMX0112モノクローナル抗体を用いたELISA系にて標準品のPTX3の添加試験にて検討したところ、表2に示すようにEDTAによる採血方法が最適であることが明らかとなった。
Figure 0004667372
実施例12 血液サンプルの安定性試験
多くの血液成分は凍結保存において安定である。しかしながら、物質によっては安定性が確保できない場合もあることから、−80℃における血漿中PTX3の安定性をPPMX0112モノクローナル抗体使用ELISA系にて標準品のPTX3の添加試験にて検討した。その結果、表3に示すように保存により測定値の低下が確認された。
Figure 0004667372
実施例13 測定条件の改良
実施例12にて、−80℃におけるPTX3の保存性が確保できないことが判明したが、その原因としてPTX3の劣化のみならず他の血漿成分の変化に基づくことが推察された。後者の解決のため、PPMX0112モノクローナル抗体を用いたELISA系にて測定時使用緩衝液へのEDTAあるいはプロテアーゼ阻害剤の添加を検討した。その結果、EDTAの添加により測定値の改善が認められた(表4)。さらに、EDTA存在下Tween20およびBridje等の各種界面活性剤を血漿サンプルに添加した。表5に示すように、EDTAのみでは不十分であった改善効果がTween20により充分な改善効果を得ることができた。
この結果から、保存期間中のPTX3含量の低下は、PTX3以外の血漿成分の変化によるものと推察された。
Figure 0004667372
Figure 0004667372
実施例14 ELISA測定用モノクローナル抗体の選択
実施例6で作製したモノクローナル抗体およびビオチン標識ポリクローナル抗体を用いて、実施例13の改良測定条件下における最適の抗体の選択を行った。すなわち、EDTAおよび界面活性剤を添加した緩衝液でEDTA採血血漿を希釈する。次いで、各種モノクローナル抗体をプレコートしたプレートに希釈検体を添加する。洗浄後、ビオチン標識ポリクローナル抗体を添加する方法によりモノクローナル抗体を選択した。その結果、最適な抗体としてPPMX0102が選択されたことから、そのモノクローナル抗体をFERM AP−20395として独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(〒305−8566 茨城県つくば市東1−1−1 中央第6)へ寄託した。
実施例15 従来測定系および新規構築測定系による健常者血漿へのPTX3の添加回収試験ならびに凍結保存後の安定性試験
従来測定系であるALEXIS社より購入のMNB4を用いた測定系、PPMX0112を用いた測定系および新規作製PPMX0102(FERM AP−20395)を用いた測定系を用いて、健常者血漿によるPTX3の添加回収試験を実施した。すなわち、5ng/mLのPTX3を健常者ボランテアEDTA採血血漿に添加、混和後の濃度を測定した。その結果は表6に示すように、PPMX0112において86%の回収率であるのに対し、他の測定系においてはほぼ添加量にあった測定結果であった。一方、PTX3添加血漿を−80℃、1日保存後解凍後の測定値は、新規作製PPMX0102(FERM AP−20395)を用いた測定系では、ほぼ100%の回収が得られたのに対し、MNB4を用いた測定系では添加したPTX3の回収が87%に過ぎなかった(表7)。
Figure 0004667372
Figure 0004667372
実施例16 心疾患患者血液中PTX3の測定
各種心疾患患者から採血をし、PPMX0102(FERM AP−20395) を用いたELISAにてPTX3濃度を測定することにより、病態によるPTX3の変動を検討した。すなわち、冠動脈(CA)での正常冠動脈群(ANCA)25名、安定狭心症群(AP)9名、不安定狭心症群(UAP)3名、心筋梗塞群(AMI)3名の4群に分け、血漿中PTX3濃度を測定し、群間比較を行った。その結果、UAP CA群ではANCA CA群に比べ、PTX3値は有意に増加し、またAMI CA群ではANCA CA群、AP CA群に比べ、PTX3値は有意に増加した。図4に示すように、安定狭心症、不安定狭心症、心筋梗塞と病態の悪化につれPTX3の濃度が増加することが明らかとなった。このことから、心疾患の悪化の程度は血管障害の悪化の程度に比例しているものと思われる。従って、血漿中PTX3濃度を測定することにより血管障害の結果として生ずると考えられる心疾患のモニター、病態の管理、治療方針策定に役立つことが期待出来る。
実施例17 感冒患者における血液中濃度
PTX3と同じくペントラキシンファミリーに属する炎症性タンパクであるCRPが感冒の診断として使用されている。PTX3の産生細胞がCRPの肝細胞と異なり、内皮および平滑筋細胞等の血管構成細胞に限局されており、PTX3の血管特異性を証明するため、感冒患者3名における血液中濃度を測定した。その結果、表8に示すように発症前値0.67〜1.15、平均で0.92ng/mLであるのに対し、発症後は0.79〜1.06、平均で0.90ng/mLであり、ほぼ同様の測定値であった。この結果より、PTX3が全身性の炎症反応の診断マーカーではなく、血管に特異性の高いマーカーであり、血管の障害の程度を知るに有用であることを確認した。
Figure 0004667372

Claims (9)

  1. 被検試料中のPTX3濃度を測定することを特徴とする血管障害の程度の検出方法
  2. 血管障害の程度が、心疾患の程度または脳血管疾患の程度である請求項1記載の検出方法
  3. 被検試料が、血液、血清または血漿である請求項1または2記載の検出方法
  4. 抗PTX3抗体を用いて被検試料中のPTX3タンパク質濃度を測定するものである請求項1〜3のいずれか1項記載の検出方法
  5. 支持体に固定した抗PTX3抗体と標識物質で標識された抗PTX3抗体を用いる請求項4記載の検出方法
  6. 標識物質がビオチンである請求項5記載の検出方法
  7. 抗PTX3抗体が全長PTX3およびそのペプチド断片を認識する抗体である請求項4〜6のいずれかの1項記載の検出方法
  8. 抗PTX3抗体を含有する血管障害の程度の診断薬。
  9. 支持体に固定した抗PTX3抗体と、標識物質で標識された抗PTX3抗体を含むものである請求項8記載の診断薬。
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