JP4666427B2 - 石英ウインドウ及び熱処理装置 - Google Patents

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    • Y02P40/57Improving the yield, e-g- reduction of reject rates

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  • Glass Melting And Manufacturing (AREA)

Description

【0001】
【0002】
【発明の属する技術分野】
本発明は、単結晶基板、ガラス基板などの被処理体を加熱処理する熱処理装置と、当該熱処理装置に使用される石英ウインドウに関する。本発明は、例えば、メモリやICなどの半導体装置の製造に適した急速熱処理(RTP:RapidThermal Processing)装置に好適である。ここで、RTPは、急速熱アニーリング(RTA)、急速クリーニング(RTC)、急速熱化学気相成長(RTCVD)、急速熱酸化(RTO)、及び急速熱窒化(RTN)などを含む技術である。
【0003】
【従来の技術】
一般に、半導体集積回路を製造するためには、半導体ウェハ等のシリコン基板に対して成膜処理、アニール処理、酸化拡散処理、スパッタ処理、エッチング処理、窒化処理等の各種の熱処理が複数回に亘って繰り返される。
【0004】
半導体製造処理の歩留まりと品質を向上させるため等の目的から急速に被処理体の温度を上昇及び下降させるRTP技術が注目されている。従来のRTP装置は、典型的に、被処理体(例えば、半導体ウェハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、光ディスク用基板)を収納する枚葉式チャンバ(処理室)と、処理室に配置された石英ウインドウと、石英ウインドウの外部上部又は上下部に配置された加熱用ランプ(例えば、ハロゲンランプ)と、ランプの被処理体とは反対側に配置されたリフレクタ(反射板)とを有している。
【0005】
リフレクタは、例えば、アルミニウム製で、その反射部には、典型的に、金メッキが施されている。リフレクタには、リフレクタのランプによる温度破損(例えば、高温による金メッキ剥離)と冷却時にリフレクタが冷却を妨げないようにするための冷却機構(冷却管など)が設けられている。RTP技術で要求される急速昇温は、ランプのパワー密度とランプから被処理体への光照射の指向性に依存する。指向性及びランプのエネルギー効率は、例えば、バルブのように電極部3を一つのみ有するシングルエンドランプ2の場合、図41に示すように、リフレクタ4の傾斜角度αを45°にした場合に、下方に配置された被処理体に対して最大になる。ここで、図41は、シングルエンドランプ2によって下方の被処理体を放射光で加熱する場合に指向性とエネルギー効率が最もよくなる場合のリフレクタ4の傾斜角度を説明するための断面図である。
【0006】
石英ウインドウは、板状に構成されたり、被処理体を内部に収納可能な管状に構成されたりする。処理室が真空ポンプにより排気されて内部が減圧環境に維持される場合には、石英ウインドウは数10mm(例えば、30乃至40mm)の肉厚を有して減圧と大気との差圧を維持する。石英ウインドウは、温度が上昇することで発生する各温度差による熱応力を防ぐために、肉薄で耐圧可能な湾曲状に加工される場合もある。
【0007】
ハロゲンランプは、被処理体を均一に加熱するために複数個配列され、リフレクタによって、ハロゲンランプからの赤外線を一様に被処理体に向かって放射する。処理室は、典型的に、その側壁において被処理体を導出入するゲートバルブに接続され、また、その側壁において熱処理に使用される処理ガスを導入するガス供給ノズルと接続される。
【0008】
被処理体の温度は処理の品質(例えば、成膜処理における膜厚など)に影響を与えるために正確に把握される必要があり、高速昇温及び高速冷却を達成するために被処理体の温度を測定する温度測定装置が処理室に設けられる。温度測定装置は熱電対によって構成されてもよいが、被処理体と接触させねばいけないことから被処理体が熱電対を構成する金属によって汚染されるおそれがある。そこで、被処理体の裏面から放射される赤外線強度を検出し、その放射強度を以下の数式1に示す式に則って被処理体の放射率εを求めて温度換算することによって被処理体の温度を算出するパイロメータが温度測定装置として従来から提案されている。
【0009】
【数1】
Figure 0004666427
【0010】
ここで、EBB(T)は温度Tの黒体からの放射強度、Em(T)は温度Tの被処理体から測定された放射強度、εは被処理体の放射率である。
【0011】
動作においては、被処理体はゲートバルブから処理室に導入されて、ホルダーにその周辺が支持される。熱処理時には、ガス供給ノズルより、窒素ガスや酸素ガス等の処理ガスが導入される。一方、ハロゲンランプから照射される赤外線は被処理体に吸収されて被処理体の温度は上昇する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の石英ウインドウは厚さが数10mmと厚いことから以下のような問題を有する。即ち、第1に、ランプ光が石英に吸収されて被処理体への照射効率を低下させる。第2に、ランプ面とその反対側の面で温度差が生じて、RTPのような急速昇温時には表裏面での熱応力差から石英ウインドウが破壊し易い。第3に、石英ウインドウと同様にランプを湾曲させれば被処理体とランプとの距離が離れてランプの指向性を悪化させる。第4に、石英ウインドウの温度が上昇し、特に、成膜処理の場合には、その表面に堆積膜や反応副生成物が付着してしまい温度再現性を確保できないと共に処理室110のクリーニングの頻度が増加する。一方、厚さを薄くすると石英ウインドウはランプ光の吸収を減少することができるが、処理室内の減圧環境と大気圧との差圧に耐えられずに容易に破壊してしまい、減圧環境の処理室には適用できないという問題を生じる。更に、熱源からの放射光は拡散しながら被処理体に導入されるため指向性が良くなく、指向性を改善する需要が従来から存在していた。
【0013】
そこで、このような課題を解決する新規かつ有用な石英ウインドウ及び熱処理装置を提供することを本発明の概括的目的とする。
【0014】
より特定的には、被処理体に減圧環境下で熱処理を施す熱処理装置の減圧環境と大気圧との差圧を維持することができ、かつ、熱源からの熱の吸収が比較的少なく、更に、熱源からの放射光の指向性を改善する石英ウインドウ及び熱処理装置を提供することを本発明の例示的目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての石英ウインドウは、被処理体にランプからの放射光により熱処理を行う熱処理装置の前記被処理体と前記ランプの間に配置可能な石英ウインドウであって、石英製プレートと、当該プレートに固定されて当該プレートの強度を高めると共に前記ランプからの放射光を前記被処理体に向かって集光するレンズ部材とを有する。かかる石英ウインドウはレンズ部材がプレートの強度を高めているのでプレートを薄くすることができ、この結果、プレートによるランプからの熱の吸収を低減することができる。かかる石英ウインドウを有する熱処理装置も同様の作用を奏することができ、特に、プレートに負荷がかかる減圧環境に好適である。また、レンズ部材はランプからの放射光を被処理体に向かって集光するので指向性を改善している。
【0016】
前記熱処理装置が、記ランプ(例えば、シングルエンドランプ)を複数有する場合、前記レンズ部材は前記ランプに対応した数のレンズ素子を有してもよい。これにより、レンズ部材は各ランプについて放射光の指向性を改善している。前記レンズ部材は、前記プレートは前記ランプに対する面と前記処理体に対する面の両方に設けられてもよい。これによりプレートの強度を更に高めることができ、プレートの薄型化に寄与する。
【0017】
また、前記プレートに前記プレートの強度を補強する(例えば、アルミニウム製の)補強材を更に設けてもよい。これにより、プレートの強度を更に高めることができ、プレートの薄型化(例えば、プレートの厚さを10mm以下、好ましくは7mm以下、さらに好ましくは5mm以下にするなど)に寄与する。補強材は、プレートにおいてレンズ部材と同一面に設けられても良いし、対向面に設けられてもよい。また、補強材を冷却する冷却機構を更に有してもよい。これにより、補強材の熱変形並びにプレートの熱変形を防止することができる。補強材の断面形状は限定されない。補強材を複数設けた場合、隣接する補強材の間に、前記レンズ部材から前記プレートを介して導入される前記放射光を前記被処理体に導入するための石英製導波部を更に有することが好ましい。石英の屈折率と真空大気の屈折率の関係から導波部内では全反射が期待でき、補強材の側面での反射を利用して被処理体に放射光を導入する場合に比べてエネルギー損失が少ないからである。
【0018】
本発明の他の目的及び更なる特徴は以下添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明らかにされるであろう。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の例示的な熱処理装置100について説明する。なお、各図において同一の参照符号は同一部材を表している。また、同一の参照番号に大文字のアルファベットを付したものはアルファベットのない参照番号の変形例であり、特に断らない限り、アルファベットのない参照番号は大文字のアルファベットを付した参照番号を総括するものとする。ここで、図1は、本発明の例示的一態様としての熱処理装置100の概略断面図である。図1に示すように、熱処理装置100は、処理室(プロセスチャンバー)110と、石英ウインドウ120と、加熱部140と、サポートリング150と、ベアリング160と、永久磁石170と、ガス導入部180と、排気部190と、放射温度計200と、制御部300とを有する。
【0020】
処理室110は、例えば、ステンレススチールやアルミニウム等により成形され、石英ウインドウ120と接続している。処理室110は、その円筒形の側壁112と石英ウインドウ120とにより被処理体Wに熱処理を施すための処理空間を画定している。処理空間には、半導体ウェハなどの被処理体Wを載置するサポートリング150と、サポートリング150に接続された支持部152が配置されている。これらの部材は被処理体Wの回転機構において説明する。また、側壁112には、ガス導入部180及び排気部190が接続されている。処理空間は排気部190によって所定の減圧環境に維持される。被処理体Wを導入及び導出するためのゲートバルブは図1においては省略されている。
【0021】
処理室110の底部114は冷却管116a及び116b(以下、単に「116」という。)に接続されており冷却プレートとして機能する。必要があれば、冷却プレート114は温度制御機能を有してもよい。温度制御機構は、例えば、制御部300と、温度センサと、ヒータとを有し、水道などの水源から冷却水を供給される。冷却水の代わりに他の種類の冷媒(アルコール、ガルデン、フロン等)を使用してもよい。温度センサは、PTCサーミスタ、赤外線センサ、熱電対など周知のセンサを使用することができる。ヒータは、例えば、冷却管116の周りに巻かれたヒータ線などとしてから構成される。ヒータ線に流れる電流の大きさを制御することによって冷却管116を流れる水温を調節することができる。
【0022】
石英ウインドウ120は処理室110に気密的に取り付けられて、処理室110内の減圧環境と大気との差圧を維持すると共に後述するランプ130からの熱放射光を透過する。図2乃至図5に示すように、石英ウインドウ120は、半径約400mm、厚さ約33mmの円筒形石英プレート121と、複数のレンズ素子123からなる複数の石英レンズアッセンブリ122とを有する。ここで、図2は石英ウインドウ120の上面図である。図3は、図2に示す石英ウインドウ120のA−A断面図である。図4は、図2に示す石英ウインドウ120のB−B断面図である。図5は、図4に示す石英ウインドウ120の点線領域Cの拡大図である。図6は、図2に示す石英ウインドウ120に使用されるレンズアッセンブリ122の一部拡大斜視図である。
【0023】
レンズアッセンブリ122は、石英ウインドウ120の強度を高めると共に後述するランプ130からの放射光の指向性を高める働きを有する。図2に示すように、各レンズアッセンブリ122は、集光作用を有する複数のレンズ素子123を有しており、X方向に平行に整列しているがこれは後述するランプ130がX方向に平行に整列しているからであり、ランプ130の整列方向にレンズアッセンブリ122の整列方向は依存する。図示されているレンズ素子123の配向は例示的であり、例えば、本実施例では、レンズ素子123は図2に示すX方向にのみ湾曲しているがY方向又はX及びY方向に湾曲してもよい。本実施例では、レンズアッセンブリ122(のレンズ素子133及び後述するランプ130)は、ほぼ円形の被処理体Wを均一に加熱するように配置されている。
【0024】
レンズアッセンブリ122はレンズアッセンブリ122、石英ウインドウ120及び後述するランプ130を冷却するための空気の流路AF(図20及び図22参照)として機能する。また、2つのレンズアッセンブリ122の間は、石英プレート121を熱伝導により水冷する後述する隔壁144との接触部128として機能する。
【0025】
本実施例では、上述したように、石英プレート121の厚さは、約30乃至40mm以下、例えば、約30mmに設定されている。本発明は、石英プレート121の厚さを従来のように30乃至40mmにしてレンズアッセンブリ122の集光作用のみを使用することを妨げるものではないが、本実施例のように薄い石英プレート121を使用すると後述するような効果を有する。また、本実施例のレンズアッセンブリ122の高さは、約3mm、図3においては幅21mm以下を有し、レンズ素子123は図4においては長さ約18mm、曲率半径は10mmを有するが、これに限定されるものではない。
【0026】
本実施例では、ウインドウレンズアッセンブリ122は、石英プレート121の後述するランプ130に対向する片側にのみ設けられているが、石英プレート121の両側に設けられてもよいし、石英プレート121の後述するランプ130に対向しない片側にのみ設けられてもよい。
【0027】
石英プレート121はレンズアッセンブリ122によって熱変形に対する強度が向上しているために、従来のように処理室110から離れる方向に湾曲するドーム型に形成される必要がなく、平面形状を有する。ドーム型に形成される石英ウインドウは被処理体をランプから離間する距離を大きくするのでランプの指向性を悪化させるという問題があったが、本実施例はかかる問題を解決している。本実施例は石英プレート121とレンズアッセンブリ122は溶接によって接合しているが、一体的に形成する方法を排除するものではない。
【0028】
本実施例の石英プレート121の厚さは30乃至40mm以下、例えば、約30mmであり、従来の石英ウインドウの厚さである30乃至40mmよりも小さい。この結果、本実施例の石英ウインドウ120は、従来の石英ウインドウよりも後述するランプ130からの光の吸収量が小さい。この結果、石英ウインドウ120は以下の長所を有する。即ち、第1に、ランプ130からの被処理体Wへの照射効率を従来よりも向上することができるので高速昇温を低消費電力で達成することができる。即ち、従来はランプ光が石英ウインドウに吸収されて被処理体Wへの照射効率を低下させる問題があったが本実施例はそれを解決している。第2に、プレート121の表裏面での温度差(即ち、熱応力差)を従来よりも低く維持することができるために破壊しにくい。即ち、従来は石英ウインドウのランプに対向する面とその反対側の面で温度差が生じて、RTPのような急速昇温時には表裏面での熱応力差から石英ウインドウが破壊し易いという問題があったが本実施例はそれを解決している。第3に、石英ウインドウ120の温度上昇は従来の石英ウインドウよりも低いために成膜処理の場合にその表面に堆積膜や反応副生成物が付着することを防止することができ、温度再現性を確保することができると共に処理室110のクリーニングの頻度を減少することができる。即ち、従来は石英ウインドウの温度が上昇し、特に、成膜処理の場合には、その表面に堆積膜や反応副生成物が付着してしまい温度再現性を確保できないと共に処理室のクリーニングの頻度が増加するという問題があったが、本実施例はそれを解決している。
【0029】
また、レンズアッセンブリ122を用いない石英プレート121のみからなる石英ウインドウ120は、石英プレート121の厚さが本実施例のように小さいとランプ光の吸収を減少することができるが、強度的に処理室内の減圧環境と大気圧との差圧に耐えられずに容易に破壊してしまう可能性があり、減圧環境の処理室には適用できないという問題を生じるが、レンズアッセンブリ122はかかる問題を解消している。
【0030】
次に、図5、図6及び図42を参照して、石英ウインドウ120のレンズアッセンブリ122の集光作用について説明する。図42を参照するに、レンズアッセンブリを有しない断面長方形の石英ウインドウ6を通過する図示しない石英ウインドウ6の上方に位置するシングルエンドランプからの光は拡散して石英ウインドウ6の下方にある被処理体への指向性が悪い。ここで、図42は、図5に対比される円筒石英ウインドウを通過した光の指向性を説明するための断面図である。これに対して、図5及び図6に示すように、本実施例の石英ウインドウ120は、凸型レンズ素子123を有するレンズアッセンブリ122により、ランプ130からの光をコリメートして指向性良く被処理体Wに照射する。なお、本発明のレンズ素子123の形状や曲率は必ずしもランプ130からの光をコリメートするものに限定されず、少なくとも従来の指向性と同等又はそれを改善すれば足りる。図42に示す指向性と同等であってもレンズアッセンブリ122は上述の補強機能を有するからである。
【0031】
以下、図7を参照して、本実施例の石英ウインドウ120の変形例としての石英ウインドウ120Aを説明する。ここで、図7は、図3に対応する石英ウインドウ120Aの一部拡大断面図である。本実施例の石英ウインドウ120Aは、図2に示す流路124の直下に流路124と平行に形成された断面矩形のアルミニウム又はステンレス(SUS)製の補強材(又は柱)124を有する。かかる補強材124は、内部に冷却管(水冷管)125を有し、石英ウインドウ120Aの強度を高めている。
【0032】
補強材124は熱伝導率がよく、また、処理室と同様の材質であるので被処理体Wに対する汚染源にはならない。補強材124により石英ウインドウ120Aの石英プレート121の厚さは10mm以下、好ましくは7mm以下、より好ましくは、例えば、約5mmとなり、上述の長所を更に顕著に有する。本実施例で、補強材124の断面寸法は、図7において高さ約18mm、幅約12mmであり、水冷管125の径は6mm程度であるがこれに限定されるものではない。また、補強材124の断面形状も矩形に限定されず波形等任意の形状を有することができる。本発明は、図11に示すように、石英プレート121と補強材124との組み合わせである石英ウインドウ121cも包含するものである。図7に矢印で示すように、ランプ130からの放射光は補強材124の側面で反射されて下方に配置された図示しない被処理体Wに導入される。本実施例の冷却管125は、補強材124と石英プレート121の両方を冷却する機能を有する。補強材124がアルミニウム製であれば200℃乃至700℃で溶けたり変形したりするので適当な温度制御が必要だからである。冷却管125による温度制御は冷却管116と同様でもよいし、当業界で既知のいかなる方法をも適用することができる。
【0033】
以下、図8を参照して、本実施例の石英ウインドウ120の別の変形例としての石英ウインドウ120Bを説明する。ここで、図8は、図3に対応する石英ウインドウ120Bの一部拡大断面図である。本実施例の石英ウインドウ120Aは、石英ウインドウ120Aにレンズアッセンブリ122の直下にレンズアッセンブリ122と平行に形成された断面矩形の導波部126を有する。本実施例の石英ウインドウ120Bは石英ウインドウ120Aよりも照明効率を向上している。図7を参照するに、矢印で示すランプ130からの放射光は補強材124で反射される際に10%程度のエネルギー損失が発生する。なお、エネルギー損失の割合は補強部124の高さその他のパラメータに依存する。一方、補強材124の側面に金メッキなど高反射率を有する金属により表面処理することは被処理体Wに対する汚染源となるので好ましくない。また、補強材124に適用可能な材料で反射損失のない材料は存在しない。
【0034】
そこで、本実施例は、レンズアッセンブリ122の直下にレンズアッセンブリ122と平行に断面矩形の導波部126を形成している。石英プレート121と導波部126は溶接によって接合してもよいし、一体的に形成されてもよい。石英導波部126は屈折率約1.4、真空及び大気の屈折率は約1.0であり、かかる関係から石英導波部126の内部では放射光は全反射される。このため、本実施例の石英ウインドウ120Bはエネルギー損失を理論上ゼロにしている。
【0035】
石英ウインドウ120Bは、補強材124を取り除いてプレート121の厚さを石英ウインドウ120Bのプレート121と導波部126の合計にした石英ウインドウよりも好ましい。なぜなら、この場合、石英ウインドウは厚くなるため、従来の肉厚な石英ウインドウと同様の問題を生じるからである。
【0036】
図9及び図10に、図8に示す石英ウインドウ120Bを使用した場合に、石英ウインドウ120Bを使用した場合の指向性を示す。なお、図9及び図10は、理解の便宜のためにカラー図面として本出願に添付する。ここで、図9は、被処理体Wの中心を(0,0)として図2に示すX及びY方向に関する距離(distance)と被処理体Wに照射される放射光の照度(irradiance)との関係を3次元的に示している。図10は、図9を上から見た図である。
【0037】
同図の実験条件は以下のとおりである。即ち、金メッキ膜からなるメッキ部149を有してランプ出力750Wのランプ130を使用し、ランプ130の下端とレンズアッセンブリ122の上端との距離を2mm、被処理体Wからアルミニウム製補強材124の下端までの距離を20mmに設定している。また、図8において、石英プレート121の厚さを5mm、レンズ素子123の石英プレート121表面からの高さを5mm、曲率半径10mm、幅19mm、導波部126の幅を19mm、高さを18mm、2つの補強材124の間隔を21mmに設定している。
【0038】
図12及び図13に、図8に示す石英ウインドウ120Bに対比される図11に示す石英ウインドウ120Cを使用した場合の指向性を示す。なお、図12及び図13は、理解の便宜のためにカラー図面として本出願に添付する。ここで、図12は、図11に示す石英ウインドウを使用した場合に、被処理体Wの中心を(0,0)として図2に示すX及びY方向に関する距離(distance)と被処理体Wに照射される放射光の照度(irradiance)との関係を3次元的に示している。図13は、図12を上から見た図である。
【0039】
同図の実験条件は以下のとおりである。即ち、金メッキ膜からなるメッキ部149を有してランプ出力750Wのランプ130を使用し、ランプ130の下端と石英プレート121の上端との距離を2mm、被処理体Wからアルミニウム製補強材124の下端までの距離を20mmに設定している。また、図11において、石英プレート121の厚さを5mm、2つの補強材124の間隔を21mmに設定している。
【0040】
図9及び図10を参照するに、被処理体Wの中心付近で照度が鋭く極大となり、石英ウインドウ120Bが指向性を向上していることが理解される。また、最大高さ(即ち、最大照度)の半分の広がり(「半値幅」と呼ばれる場合もある。)は略円状で、約40mmである。半値幅は、円に近づけば近づくほど、そして、その値が小さければ小さいほど制御性に優れる。一方、図12及び図13を参照するに、被処理体Wの中心付近で照度が極大となっているがその値はさほど大きくない。また、半値幅は略楕円状で、最大約100mmである。指向性は照度の極大値が大きければ大きいほど良好となる。また、半値幅は、円に近づけば近づくほど、そして、その値が小さければ小さいほど制御性に優れる。ここで、制御性とは、被処理体Wの所望の位置を加熱し(即ち、放射光を照射し)、被処理体Wの望ましくない位置は加熱しない場合の加工容易性を表す。図9及び図10を図12及び図13と対比すると、図11に示す石英ウインドウ120Cよりも図8に示す石英ウインドウ120Bの方が指向性及び制御性の両方で優れていることが理解されるだろう。
【0041】
上述した実施例の各種の石英ウインドウ120は、リフレクタを必要としない後述するランプ130に使用されることを必須の条件とはしない。換言すれば、石英ウインドウ120は、その強度性と指向性からリフレクタを有する熱処理装置にも適用することができることが理解されるであろう。その場合、断面形状が波形の補強材124は断面波形のリフレクタに好適であろう。
【0042】
以下、図14乃至図17を参照して、本発明の加熱部140を説明する。ここで、図14は、加熱部140の底面図であり、図15は、図14に示す加熱部140の部分断面側面図である。図16は、図15に示すランプ130の正面図で、図17は、図16に示すランプ130の側面図である。図14に示すようにランプ130は、図2に示すレンズ素子123に対応している。加熱部140は、ランプ130とランプ保持部142とを有している。
【0043】
図15に示すように、ランプ130は、本実施例ではシングルエンド型であるが後述するようにダブルエンド型でもよく、また、電熱線ヒータ等その他の熱源を使用してもよい。ここで、シングルエンド型とは、図15に示すように、一の電極部132を有する種類のランプをいう。ダブルエンド型とは、蛍光灯のように二つの端部を有するランプをいう。ランプ130は被処理体Wを加熱する熱源として機能し、本実施例ではハロゲンランプであるがこれに限定されるものではない。ランプ130の出力はランプドライバ310によって決定されるが、ランプドライバ310は後述するように制御部300により制御され、それに応じた電力をランプ130に供給する。
【0044】
図16に示すように、ランプ130は一の電極部132と発光部134とを含み、発光部134は電極部132と接続するフィラメント135を有する。図14に点線で示すように、本実施例では、複数のランプ130は、ほぼ円形の被処理体Wを均一に加熱するように、レンズアッセンブリ122の各レンズ素子123に対応して、直線的に配置されている。また、上述したように図14で示すY方向に沿って同一列のX方向に隣接するランプ130間にはリフレクタが存在しないのでX方向のランプ130間の距離は約3mmに維持することができ、後述するように、ランプ密度の増加とこれによるパワー密度の増加に寄与する。また、後述するように、このようなランプ130の直線配置は好適な熱排気(例えば、4m3/min以下)の実現に寄与する。
【0045】
図17に示すように、電極部132の下には発光部134の一部として首部133が形成され、首部133の周りにも後述するようにメッキ部149が形成される。図1を参照するに、電極部132へ供給される電力はランプドライバ310によって決定され、ランプドライバ310は制御部300によって制御される。図16を参照するに、本実施例では、例示的に、電極部132の高さは約25mm、発光部124の高さは約65mm、厚さは約1mmであり、フィラメント135の長さは約25mmである。また、図17を参照するに、本実施例では、例示的に、電極部132の幅は約5mmで、発光部134の(首部133でない)幅は約15mmである。発光部134内には窒素又はアルゴン及びハロゲン気体が封入される。フィラメント135は、例えば、タングステンから構成される。フィラメント135の下部と図16に示す発光部134の底面134aとの距離は所定範囲に設定され、この結果、所定の指向性とランプ寿命を確保することができる。即ち、かかる距離が小さすぎるとランプ130の指向性が悪くなり、大きすぎるとハロゲンサイクルが不十分になりランプ寿命の短命につながるからである。
【0046】
図14及び図15を参照するに、ランプ保持部142は略直方体形状を有し、各ランプ130を収納する複数の円筒状の溝143と、隔壁144とを有している。
【0047】
溝143は、ランプ130の電極部132を収納する部分143aと発光部134を収納する部分143bからなる。部分143a、電極部132と図1には図示されて図15には図示されないランプドライバ310とを接続すると共に、両者の間を封止する封止部として機能する。部分143bは発光部134より径が大きい。
【0048】
隔壁144は、例えば、12mmの幅を有し、図2、図7、図14及び図15に示すように、図2に示す流路128及び図7に示す補強材124の上であって図14に示すX方向に整列する複数の隣接する溝143の間に配置されている。隔壁144には、流路128と平行に(即ち、図14に示すX方向に)整列する一対の冷却管(水冷管)145が内接されている。また発光部134を除いた溝143には、発光部134表面を空冷できるようにブロアによって約0.3〜0.8m3の空気を流すことができるため、本実施例のランプ130は空冷機構と冷却管145によって冷却される。但し、後述する図18及び図19に示す加熱部140Aのように、隔壁144及び冷却管145を取り除いて空冷機構のみによって冷却することも可能である。後述するようにメッキ部149が金メッキ膜から構成される場合は、空冷機構及び冷却管145は金メッキの剥離などの温度破壊を防止するためにメッキ部149の温度を500℃以下に維持する。冷却管145による温度制御は冷却管116と同様でもよいし、当業界で既知のいかなる方法をも適用することができる。メッキ部149が500℃以上の耐熱性を有する場合であっても、ランプ130は、一般に、900℃を超えると失透(発光部134が白くなる現象)が発生するのでランプ130が900℃以下になるように冷却管145その他の冷却機構により温度制御されることが好ましい。
【0049】
本実施例では、特徴的に、隔壁144及び冷却管145は図14に示すX方向に沿ってのみ設けられており、従来のリフレクタのように、X及びY方向の2次元的な冷却管の配列を採用していない。従って、本実施例のランプ保持部142の構造はランプ130のランプ密度及びそれによるパワー密度の増加に寄与している。例えば、図36に示す従来の、(例えば、50mm径の)リフレクタを有するランプ配列の場合、ランプ密度は0.04本/cm2であったのに対して本実施例のランプ密度は0.16本/cm2となる。隔壁144及び冷却管145を設ける代わりに、空冷のみによってランプ130及びランプ保持部142を冷却する場合、ランプ密度は最大で約0.40本/cm2となる。一般に、RTPに要求されるパワー密度は、1本当たりのランプパワーとランプ密度とによって決定される。ランプパワーが大きければ大きいほどランプ密度は小さくてすむ。本実施例のランプ配列は、将来更なる急速昇温が必要なRTPにも十分に対応できるものである。
【0050】
以下、図18及び図19を参照して、図14に示す加熱部140の変形例としての加熱部140Aについて説明する。本実施例の加熱部140Aは、加熱部140から隔壁144及び冷却管145を取り除いてランプ密度を向上している。冷却管145がランプ保持部142に設けられていないので、ランプ130は空冷によってのみ冷却される。加熱部140Aのランプ密度は加熱部140のそれのほぼ2倍である。メッキ部149が従来必要であったリフレクタを排除しているので、このような高密度ランプ実装が可能になることが理解されるであろう。
【0051】
以下、図20乃至図22を参照して、ランプ130の空冷機構について説明する。ここで、図20は、図14に示す加熱部140のX方向に整列するランプ130の冷却機構を説明するための断面図である。図21は、図20に示すランプ130の側面図である。図22は、図20に示すランプ130の平面図である。同図に示すように、同一列の(即ち、図14に示すX方向に沿って直線的に配置された)複数のランプ130は、これら(の発光部134)と直列に接続されたブロアによって熱排気(空冷)される。ブロアによる排気効率は直線的配置に対して、例えば、4m3/min以下と良好である。この程度の熱排気の場合熱処理装置100外部に排気してもよいし、循環させてもよい。循環させる場合には、典型的にラジエータを流路に更に設けて熱気を冷却することになるが、良好な排気効率のために排気システムの負荷は少ない。
【0052】
メッキ部149は、ランプ130の熱放射光を発光部134内において高反射率で反射する機能を有する。高反射率を有する反射部を発光部134に設けることにより、発光部134の(フィラメント135が発する放射光の)被処理体Wへの指向性が高まる。この結果、メッキ部149は、従来発光部の外部に設けられる必要があったリフレクタ(反射板)を不要にする。リフレクタを使用しないので複数のランプを(例えば、図14に示すX方向に隣接するランプ130間距離を約3mmにするなど)高密度で(例えば、45°の傾斜角度のリフレクタを有するランプ密度(例えば、0.04本/cm2)の約4倍のランプ密度(例えば、0.16本/cm2)で実装することができ、リフレクタを有する場合よりもパワー密度を増加させることができ、本発明の熱処理装置100は高速昇温のRTPに好適である。
【0053】
メッキ部149は、図16に示す発光部134の底面134aを除き、首部133を含む発光部134に各種メッキ法その他の方法で形成される。このように、メッキ部149を発光部134の被処理体Wに対向する底部134a以外の部分(即ち、対向しない部分)に設けることによりフィラメントWから被処理体への直接の光照射及びメッキ部149により反射された結果としての光照射を遮断せずに指向性を高めることができる。
【0054】
メッキ部149は、放射光を高反射率で反射する金属膜から形成され、例えば、金や銀などである。例えば、メッキ部149が金メッキ膜からなる場合、それは電気メッキ(硬質金メッキや純金金メッキ)により形成されるであろう。メッキ部149は、その厚さは、文献より約10μmもあれば発光部134からの漏れ光を防止するのに十分である。なお、本発明はメッキ部149はランプ130の指向性を高めれば足り、高反射率の範囲については限定されない。
【0055】
図23及び図24に、金メッキ膜からなるメッキ部149を有するランプ130を使用した場合の指向性を示す。なお、図23及び図24は、理解の便宜のためにカラー図面として本出願に添付する。ここで、図23は、メッキ部149としての金メッキ膜を有するランプ130を使用した場合に、被処理体Wの中心を(0,0)として図14に示すX及びY方向に関する距離(distance)と照度(irradiance)との関係を3次元的に示している。図24は、図23を上から見た図である。
【0056】
同図の実験条件は以下のとおりである。即ち、金メッキ膜からなるメッキ部149を有してランプ出力750Wのランプ130を使用し、処理室110を常圧環境に維持して、ランプ130の下端と厚さ3mmの石英プレート121のみからなる円筒石英ウインドウの上端との距離を2mm、被処理体Wから石英ウインドウの下端までの距離を20mmに設定している。
【0057】
図43及び図44に、金メッキ膜のない従来のシングルエンドランプを使用した場合の指向性を示す。なお、図43及び図44は、理解の便宜のためにカラー図面として本出願に添付する。ここで、図43は、金メッキ膜のない従来のシングルエンドランプを使用した場合に、被処理体Wの中心を(0,0)として図14に示すX及びY方向に関する距離(distance)と照度(irradiance)との関係を3次元的に示している。
【0058】
同図の実験条件は以下のとおりである。即ち、金メッキ膜からなるメッキ部149を有してランプ出力750Wのランプ130を使用し、処理室110を常圧環境に維持して、ランプ130の下端と厚さ3mmの石英プレート121のみからなる円筒石英ウインドウの上端との距離を2mm、被処理体Wから石英ウインドウの下端までの距離を20mmに設定している。
【0059】
図23及び図24を参照するに、被処理体Wの中心付近で照度が鋭く極大となり、メッキ部149が指向性を向上していることが理解される。また、半値幅は略円状で、約40mmである。一方、図43及び図44を参照するに、被処理体Wの中心付近で照度が極大となっているが、その値はさほど大きくない。また、半値幅は略楕円状で、最大約80mmである。図23及び図24を図43及び図44と対比すると、従来のメッキ部なしランプよりも本実施例のメッキ部149付きランプ130の方が指向性及び制御性の両方で優れていることが理解されるだろう。
【0060】
発光部134は、図17の丸印の拡大図に示すように、メッキ部149によって被覆される部分に凹凸を有することが好ましい。これにより、メッキ部149により反射された光を発光部134の円筒側面間で反射を繰り返すことなく被処理体Wに配向させる割合を高めることができる。凹凸はサンドブラストによる研磨、化学溶液に侵食して腐食させるなどの表面処理によって形成することができる。
【0061】
上述したように、ランプ130は、ダブルエンド型であってもよい。以下、図25乃至図29を参照して、ランプ130をダブルエンド型のランプに置換した場合の実施例を説明する。ここで、図25は、メッキ部149Aを取り除いたダブルエンドランプ130Aの斜視図である。図26は、メッキ部149Bを取り除いた別のダブルエンドランプ130Bの斜視図である。図27は、図25に示すランプ130A及び図26に示すランプ130Bのメッキ部149A及び149Bによる被覆を説明するための断面図である。図28は、図25に示すランプ130Aを有する加熱部140Bの図14に示すX方向に沿った縦断面図である。図29は、図28に示す加熱部140Bの図14に示すY方向に沿った横断面図である。
【0062】
図25は、図14に示すX方向に配向される直線筒状のダブルエンドランプ130Aの一つを示しており、図26は、図11に示す点線と同一円的に配向する円弧筒状のダブルエンドランプ130Bの一つを示している。なお、ランプ130をランプ130A又は130Bに置換すればランプ保持部142の形状がランプ130A又は130Bを保持する部分において変更されることはいうまでもない。例えば、ランプ保持部142には、後述する電極部132A又は132Bと垂直部136a又は137aを収納する複数の垂直貫通孔と、後述する水平部136b又は137bを収納する直線状又は同心円状の複数の水平溝とを有するなどである。図28及び図29に、一対のランプ130Aを図14に示すY方向に並べた加熱部140BのX方向及びY方向に沿った断面図をそれぞれ示す。ランプ130Aの直下に配置されたレンズは、図28に示す後述する発光部136の長さと、図29に示す後述する一対のランプ130Aをカバーする幅とを有する。本出願の開示から当業者はその他の変更を理解することができるため図示は省略する。
【0063】
図25に示すように、ランプ130Aは、2つの電極部132Aと発光部136とを含み、発光部136は2つの電極部132Aを接続するフィラメント135Aを有する。同様に、図26に示すように、ランプ130Bは、2つの電極部132Bと発光部137とを含み、発光部137は2つの電極部132Bを接続するフィラメント135Bを有する。電極部132A及び132Bへ供給される電力は図1に示すランプドライバ310によって決定され、ランプドライバ310は制御部300によって制御される。電極部132とランプドライバ310と電極部部132A及び132Bとの間は封止されている。
【0064】
図25に示すように、発光部136は垂直部136aと垂直部136aから90度曲げられた直線状の水平部136bとを有する。また、図26に示すように、発光部137は垂直部137aと垂直部137aからほぼ90°曲げられた円弧状の水平部137bとを有する。なお、本発明に適用可能なダブルエンドランプはランプ130Aや130Bに限定されず、水平部136b及び137bが任意の形状(例えば、渦巻き、三角など)を有するランプを含むものである。また、垂直部と水平部の角度も90°に限定されない。
【0065】
水平部136bは、図14に示すランプ130が配列されている部分にX方向に沿って取り付けられる。水平部136bの長さは、図14において、最外周の円Pと、Y方向に関して任意のランプ位置(例えば、Dで示す列)によって画定される両端のランプ130間の距離(例えば、間隔E)と同一であってもよいし、それ以下であってもよい。前者の場合には、当該ランプ位置に一本のランプ130Aが取り付けられることになる。後者の場合には、当該ランプ位置に複数本のランプ130Aが取り付けられることになる。Y方向に関して異なるランプ位置におけるランプ130Aの水平部136bは同一であってもよいし、異なってもよい。
【0066】
水平部137bは図14に点線で示す円と同心円的に配置される。図26に示す点線は図14に示す点線と同心円の関係にある。水平部137bの長さは、図14に示す点線の円と同心円(例えば、円Q)の円周とランプ130Bの設置本数によって画定される。異なる同心円に配置されるランプ130Bの水平部137bの曲率半径は異なる。
【0067】
図25及び図26においては、ランプ130A及び130Bからメッキ部149A及び149Bが便宜上取り除かれている。しかし、実際には、図27に示すように、発光部136及び137には被処理体Wに対向しない部分にメッキ部149A及び149Bが被覆されている。メッキ部149Aは、ランプ130Aにおいて、垂直部136aの側面の全面と水平部136bの上半分に被覆される。メッキ部149B、ランプ130Bにおいて、垂直部137aの側面の全面と水平部137bの上半分に被覆される。メッキ部149A及び149Bもメッキ部149と同様にランプ130A及び130Bの熱放射光を発光部136及び137内において高反射率で反射する機能を有する。高反射率を有する反射部を発光部136及び137に設けることにより、発光部136及び137の(フィラメント135A及び135Bが発する放射光の)被処理体Wへの指向性が高まる。この結果、メッキ部149A及び149Bは、従来発光部の外部に設けられる必要があったリフレクタ(反射板)を不要にする。リフレクタを使用しないので複数のランプを高密度で(例えば、45°の傾斜角度のリフレクタを有するランプ密度の約4倍のランプ密度で)実装することができ、リフレクタを有する場合よりもパワー密度を増加させることができ、高速昇温のRTPに好適である。
【0068】
次に、図30乃至図34を参照して、本発明の別の側面である実効放射率算出方法について説明する。ここで、図30は、2種類の放射温度計200A及び200Bとそれらの近傍の概略拡大断面図である。図31は、2つの同種の放射温度計200C及びその近傍の概略拡大断面図である。図32乃至図34は、本実施例の実効放射率算出方法を説明するためのグラフである。
【0069】
放射温度計200A乃至200Cは被処理体Wに関してランプ130と反対側に設けられている。本発明は放射温度計200A乃至200Cがランプ130と同一の側に設けられる構造を排除するものではないが、ランプ130の放射光が放射温度計200A乃至200Cに入射することを防止することが好ましい。
【0070】
図30及び図31に示す放射温度計200A乃至200Cは、石英又はサファイア製(本実施例では石英製)のロッド210と、光ファイバ220A乃至220Cと、フォトディテクタ(PD)230とを有している。本実施例の放射温度計200A乃至200Cは、チョッパ、チョッパを回転するためのモータ、LED、LEDを安定的に発光させるための温度調節機構などを必要とせず、必要最低限の比較的安価な構成を採用している。
【0071】
まず、図30を参照するに、放射温度計200A及び200Bは処理室110の底部114に取り付けられ、より詳細には底部114の円筒形状の貫通孔115a及び115bにそれぞれ挿入されている。底部114の処理室110内部を向く面114aには充分な研磨が施されて反射板(高反射率面)として機能する。これは、面114aを黒色などの低反射率面とすると被処理体Wの熱を吸収してランプ130の照射出力を不経済にも上げなければならなくなるためである。
【0072】
放射温度計200A及び200Bは、同一のロッド210と、開口数(NA)が異なる光ファイバ220A及び220Bと、それぞれの各PD230とを有する。
【0073】
本実施例のロッド210は、径4mmの石英製ロッドから構成される。石英やサファイアは良好な耐熱性と後述するように良好な光学的特性を有するために使用されているが、ロッド210の材料がこれらに限定されないことはいうまでもない。
【0074】
必要があれば、ロッド210は処理室110内部に所定距離突出してもよい。ロッド210は、処理室110の底部114に設けられた貫通孔115A及び115Bにそれぞれ挿通されて図示しないオーリングによりシールされている。これにより、処理室110は貫通孔115A及び115Bに拘らずその内部の減圧環境を維持することができる。ロッド210は、その内部に一旦入射した熱放射光を殆ど外に出さずに、かつ、殆ど減衰することなく光ファイバ220A及び220Bに案内することができるので集光効率に優れている。ロッド210A及び210Bを被処理体Wに近づけることによりロッド210は被処理体Wから放射光を受け取り、これを、光ファイバ220A及び220Bを介してPD230に案内する。
【0075】
光ファイバ220A及び220Bは、光を伝搬するコアと、コアの周辺を覆う同心円状のクラッドから構成され、両者はNAにおいて異なる。コア及びプラスチックはガラスやプラスチックなどの透明な誘電体であり、クラッドの屈折率はコアのそれよりも少し小さくすることにより光の全反射を達成して外部に光を漏らすことなく伝搬する。異なるNAを実現するために、放射温度計200A及び200Bは異なる材質のコア及び/又はクラッドの組み合わせを使用する。
【0076】
PD230は、図示しない結像レンズ、Siホトセル、増幅回路を備え、結像レンズに入射した放射光を電圧、即ち、後述の放射強度E1(T)、E2(T)を表す電気信号に変換して制御部300に送る。制御部300はCPU、MPUその他のプロセッサと、RAM及びROMなどのメモリを備えており、後述する放射強度E1(T)、E2(T)を基に被処理体Wの放射率ε及び基板温度Tを算出する。なお、この演算は放射温度計200内の図示しない演算部が行ってもよい。
【0077】
ロッド210が受光した放射光は光ファイバ220A及び220Bを経てPD230に導入される。
【0078】
以下、異なるNAを利用した本発明の実行放射率算出方法について説明する。被処理体Wとロッド210との間の多重反射とランプ130からの直接光とを考慮すると被処理体Wの実行放射率εeffは以下の数式2で与えられる。
【0079】
【数2】
Figure 0004666427
【0080】
ここで、εeffは被処理体Wの実効放射率、εは被処理体Wの放射率、rは処理室110の底部114の面114aの反射率、Fは以下の数式3で与えられるビューファクター(view factor)、αは多重反射係数である。
【0081】
【数3】
Figure 0004666427
【0082】
ここで、多重反射係数αは、ロッド210直径D1、被処理体Wと面114aとの距離D2、放射温度計200A及び200B(便宜上、参照番号200で総括する。)の持つそれぞれの開口数NA(0≦NA≦1)の3つの値に依存して以下のような数値をとるものと予想される。またγは図35に示すようにロッド210、面114a及び被処理体Wから決定されるのぞみ角を示す。
【0083】
【数4】
Figure 0004666427
【0084】
【数5】
Figure 0004666427
【0085】
【数6】
Figure 0004666427
【0086】
【数7】
Figure 0004666427
【0087】
このとき同定式として上記4つの条件が成立する予測式を以下の数式8のように定義する。
【0088】
【数8】
Figure 0004666427
【0089】
ここで、N1、N2は数式8でのパラメータとする。従って、多重反射係数αは、以下の数式9のように表される。
【0090】
【数9】
Figure 0004666427
【0091】
数式9で表されるαは数式4乃至数式7を十分満足する可能性があることが理解されるであろう。そこで、数式9を前提としてN1及びN2の二つのパラメータを決定し、その妥当性を検討する。
【0092】
まず、ロッド210の径4mmを固定してNAを振った計算を行う(時間の短縮から被処理体Wはε=0.2のもののみから計算した)。このときNAは0乃至1の範囲である。これより得たデータと数式9の前提とを比較して、N1とN2/(D1/D2)の値を暫定的に決定する。同様にして直径2mmのものと20mmのものについて計算し、N1とN2/(D1/D2)の値を決定する。N1、N2の決め方としてN1とN2/(D1/D2)−D1/D2曲線を用いた(上記で求めたN2/(D1/D2)においてN2が3者共通の値になるようにN1を選択する)。
【0093】
上記の方法で決定したN1とN2/(D1/D2)の暫定的な値により、1−αとNAとの関係を図32乃至図34に示す。またその検証を図34に示す。この結果N1=0.01、N2=500とすることができ、数式9は以下の数式10のように表すことができる。
【0094】
【数10】
Figure 0004666427
【0095】
これによりRTPにおいてロッド210の径が変更しても、被処理体Wと面114aとの距離を変更しても、NAの大小に拘らず、被処理体Wの実効放射率を容易に算出することができる。
【0096】
今、光ファイバ220AがNA=0.2、220BがNA=0.34を有する場合、このときのαをα0.2とα0.34とすると、それらは数式10より以下の数式11及び数式12で表されることが分かる。
【0097】
【数11】
Figure 0004666427
【0098】
【数12】
Figure 0004666427
【0099】
これより被処理体Wの実効放射率は以下の数式13及び数式14で与えられる。
【0100】
【数13】
Figure 0004666427
【0101】
【数14】
Figure 0004666427
【0102】
放射温度計200は、温度の換算を放射光束(W)で計算している。このためNA=0.2のときの角度をθ1、NA=0.34のときの角度をθ2とすると2つの放射温度計での入射光束の違いは以下の数式15及び数式16で与えられる。但し、θは図35に示すように光ファイバの最大受光角を示し、θ=sin-1(NA)と表すことが出来る。
【0103】
【数15】
Figure 0004666427
【0104】
【数16】
Figure 0004666427
【0105】
よって2つの放射温度計200A及び200Bの入射光束比は以下の数式17のように表すことができる。
【0106】
【数17】
Figure 0004666427
【0107】
【数18】
Figure 0004666427
【0108】
ここで、数式19のようにβを置くと、数式13は以下の数式20乃至数式24のように変形することができる。
【0109】
【数19】
Figure 0004666427
【0110】
【数20】
Figure 0004666427
【0111】
【数21】
Figure 0004666427
【0112】
【数22】
Figure 0004666427
【0113】
【数23】
Figure 0004666427
【0114】
【数24】
Figure 0004666427
【0115】
よって被処理体Wの放射率εは以下の数式25のように算出することができる。
【0116】
【数25】
Figure 0004666427
【0117】
ここで再び数式11若しくは数式12より実効放射率を算出する。ここではNAの小さいNA=0.2の実効放射率で計算を続ける。数式23で算出した放射率εを数式11に代入すると以下の数式26のようになる。
【0118】
【数26】
Figure 0004666427
【0119】
このときNA=0.2の放射温度計200Aには、E0.2の放射エネルギーが入射しているため、以下のような数式27が成立する。
【0120】
【数27】
Figure 0004666427
【0121】
ここでEbは黒体放射による放射エネルギーである。次に、数式25を以下のように変形する。
【0122】
【数28】
Figure 0004666427
【0123】
この入射エネルギーはJIS 1612より、以下のような関係式がある。
【0124】
【数29】
Figure 0004666427
【0125】
ここでTは被処理体Wの温度、c2は0.014388m/k(放射の第二定数)、A、B、Cは放射温度計200固有の定数(校正によって決まる)、Ebは黒体放射による放射エネルギー(通常は放射温度計の出力V)である。
【0126】
上記の算出方法は2本の異なるNAを持つ放射温度計200A及び200Bより被処理体Wの放射率を求めるものであるが、数式9よりD1/D2の比を変化させても同様に求めることができる。かかる実施例を図31に示す。
【0127】
図31においては、処理室110の底部114には、底面114aに対応する底面114bと、底面114bから突出する凸部114cの上面114dとが設けられている。このため、同一の放射温度計200Cを使用しているが、被処理体Wと放射温度計200Cの石英ロッド210間の距離D2は異なる。このため、図31に示す実施例においても、図30に示す実施例と同様に被処理体Wの放射率を求めることが可能となる。
【0128】
例えば、図31において、NA=0.2の放射温度計200Cを用意して、ロッド210と被処理体Wまでの距離が3.5mm(図31の左側)と5mm(図31の右側)に設置する。またロッド210の径を4mmとする。ここでは数式9より各多重反射係数を以下の数式30及び数式31のように表すことができる。
【0129】
【数30】
Figure 0004666427
【0130】
【数31】
Figure 0004666427
【0131】
これより、数式13及び数式14と同様に実効放射率α3.5、α5.0を求める。後の被処理体Wの放射率被処理体の温度を求めるまでの流れは、数式15乃至数式28まで各添字において0.2を3.5に、0.34を5.0に置きかえるだけで全く同様に被処理体Wの温度Tを算出することができる。
【0132】
検出器270又は制御部300は、数式25乃至数式29によって被処理体Wの温度Tを算出することができる。いずれにしろ制御部300は被処理体Wの温度Tを得ることができる。また、これらの数式を含む温度測定演算プログラムは、フロッピーディスクその他のコンピュータ可読媒体に格納され、及び/又は、インターネットその他の通信ネットワークを利用してオンライン配信されて独立の取引対象となり得る。
【0133】
制御部300は内部にCPU及びメモリを備え、被処理体Wの温度Tを認識してランプドライバ310を制御することによってランプ130の出力をフィードバック制御する。また、制御部300は、後述するように、モータドライバ320に所定のタイミングで駆動信号を送って被処理体Wの回転速度を制御する。
【0134】
ガス導入部180は、例えば、図示しないガス源、流量調節バルブ、マスフローコントローラ、ガス供給ノズル及びこれらを接続するガス供給路を含み、熱処理に使用されるガスを処理室110に導入する。なお、本実施例ではガス導入部180は処理室110の側壁112に設けられて処理室110の側部から導入されているが、その位置は限定されず、例えば、シャワーヘッドとして構成されて処理室110の上部から処理ガスを導入してもよい。
【0135】
アニールであればガス源はN2、Arなど、酸化処理であればO2、H2、H2O、NO2、窒化処理であればN2、NH3など、成膜処理であればNH3、SiH2Cl2やSiH4などを使用するが、処理ガスはこれらに限定されないことはいうまでもない。マスフローコントローラはガスの流量を制御し、例えば、ブリッジ回路、増幅回路、コンパレータ制御回路、流量調節バルブ等を有し、ガスの流れに伴う上流から下流への熱移動を検出することによって流量測定して流量調節バルブを制御する。ガス供給路は、例えば、シームレスパイプを使用したり、接続部に食い込み継ぎ手やメタルガスケット継ぎ手を使用したりして供給ガスへの配管からの不純物の混入が防止している。また、配管内部の汚れや腐食に起因するダストパーティクルを防止するために配管は耐食性材料から構成されるか、配管内部がPTFE(テフロン)、PFA、ポリイミド、PBIその他の絶縁材料により絶縁加工されたり、電解研磨処理がなされたり、更には、ダストパーティクル捕捉フィルタを備えたりしている。
【0136】
排気部190は、本実施例ではガス導入部180と略水平に設けられているが、その位置及び数は限定されない。排気部190には所望の排気ポンプ(ターボ分子ポンプ、スパッターイオンポンプ、ゲッターポンプ、ソープションポンプ、クライオポンプなど)が圧力調整バルブと共に接続される。なお、本実施例では処理室110は減圧環境に維持されるが、本発明は減圧環境を必ずしも必須の構成要素とするものではなく、例えば、133Pa乃至大気圧の範囲で適用可能である。排気部190はヘリウムガスを次の熱処理前までに排気する機能も有する。
【0137】
図36は、被処理体Wの冷却速度に関するシミュレーションの結果を示すグラフである。図36において、ギャップは被処理体Wと底部114との間隔を意味する。図36に示すグラフから(1)ギャップが小さくなる程冷却速度が上がる、(2)被処理体Wと底部114との間に熱伝導率の高いヘリウムガスを流すことで飛躍的に冷却速度が上がる、ことが理解されるであろう。
【0138】
図1に示すRTP装置100の構成は、被処理体Wの上面をランプ130により加熱して被処理体Wの裏面に冷却プレートとしての底部114を設けている。このため、図1に示す構造は冷却速度は比較的速いが、放熱量が多くなるために急速昇温には比較的大きな電力が必要となる。これに対して冷却管116の冷却水の導入を加熱時に停止する方法も考えられるが歩留まりが下がるために好ましくはない。
【0139】
そこで、図37乃至図39に示すように、冷却プレートしての底部114は被処理体Wに対して可動に構成された底部114Aに置換されてもよい。より好ましくは、放熱効率を高めるために、冷却時に熱伝導率の高いヘリウムガスを被処理体Wと底部114Aとの間に流される。ここで、図37は、被処理体Wに対して可動に構成された冷却プレートしての底部114Aを説明するための概略断面図である。図38は、図37の構造において被処理体Wを加熱する際の被処理体Wと底部114Aとの位置関係を説明するための概略断面図である。図39は、図37の構造において被処理体Wを冷却する際の被処理体Wと底部114Aとの位置関係を説明するための概略断面図である。なお、図37乃至図39においては放射温度計200と接続する制御部300や冷却管116は省略されている。
【0140】
図37に示すように、処理室110内の減圧環境を維持するベローズなどを有して制御部300により動作制御される昇降機構117により底部114Aは被処理体Wに対して昇降することができる。昇降機構117には当業界で周知のいかなる構造をも適用することができるので、ここでは詳しい説明は省略する。なお、本実施例と異なり、被処理体W又はサポートリング150を可動に構成してもよい。被処理体Wを加熱する際には、図38に示すように、底部114Aを被処理体Wから離間するように下降させると共にヘリウムガスの供給を停止する。このとき、被処理体Wと底部114との距離は、例えば、10mmである。底部114Aと被処理体Wとの間隔が大きいので被処理体Wは底部114Aの影響をあまり受けずに高速昇温が可能となる。図38に示す底部114Aの位置が、例えば、ホームポジションに設定される。
【0141】
被処理体Wを冷却する際には、図39に示すように、底部114Aを被処理体Wに近接するように上昇させると共にヘリウムガスの供給を開始する。底部114Aと被処理体Wとの間隔が狭いので被処理体Wは底部114Aの影響を高速冷却が可能となる。このとき、被処理体Wと底部114との距離は、例えば、1mmである。図39のヘリウムガスの導入例を図40に示す。ここで、図40は、図39の実線領域Vの概略拡大断面図である。同図に示すように、底部114には無数の小さな孔115aが設けられてヘリウムガスを案内する。ヘリウムガス供給管に接続されたバルブ400を有するケース410が底部114に接続されている。
【0142】
本実施例は冷却プレート114Aと被処理体Wとの相対的移動について説明したが、本発明は被処理体Wとランプ130との相対的移動にも適用することができる。
【0143】
以下、被処理体Wの回転機構について図1を参照して説明する。集積回路の各素子の電気的特性や製品の歩留まり等を高く維持するためには被処理体Wの表面全体に亘ってより均一に熱処理が行われることが要求される。被処理体W上の温度分布が不均一であれば、例えば、成膜処理における膜厚が不均一になったり、熱応力によりシリコン結晶中に滑りを発生したりするなど、RTP装置100は高品質の熱処理を提供することができない。被処理体W上の不均一な温度分布はランプ130の不均一な照度分布に起因する場合もあるし、ガス導入部180付近において導入される処理ガスが被処理体Wの表面から熱を奪うことに起因する場合もある。回転機構はウェハを回転させて被処理体Wがランプ130により均一に加熱されることを可能にする。
【0144】
被処理体Wの回転機構は、サポートリング150と、リング状の永久磁石170と、リング状のSUSなどの磁性体172と、モータドライバ320と、モータ330とを有する。
【0145】
サポートリング150は、耐熱性に優れたセラミックス、例えば、SiCなどから構成された円形リング形状を有する。サポートリング150は被処理体Wの載置台として機能し、中空円部において断面L字状に周方向に沿ってリング状の切り欠きを有する。かかる切り欠き半径は被処理体Wの半径よりも小さく設計されているのでサポートリング150は切り欠きにおいて被処理体W(の裏面周縁部)を保持することができる。必要があれば、サポートリング150は被処理体Wを固定する静電チャックやクランプ機構などを有してもよい。サポートリング150は、被処理体Wの端部からの放熱による均熱の悪化を防止する。
【0146】
サポートリング150は、その端部において支持部152に接続されている。必要があれば、サポートリング150と支持部152との間には石英ガラスなどの断熱部材が挿入されて、後述する磁性体172などを熱的に保護する。本実施例の支持部152は中空円筒形状の不透明な石英リング部材として構成されている。ベアリング160は支持部152及び処理室110の内壁112に固定されており、処理室110内の減圧環境を維持したまま支持部152の回転を可能にする。支持部152の先端には磁性体172が設けられている。
【0147】
同心円的に配置されたリング状の永久磁石170と磁性体172は磁気結合されており、永久磁石170はモータ330により回転駆動される。モータ330はモータドライバ320により駆動され、モータドライバ320は制御部300によって制御される。
【0148】
この結果、永久磁石170が回転すると磁気結合された磁性体172が支持部152と共に回転し、サポートリング150と被処理体Wが回転する。回転速度は、本実施例では例示的に90RPMであるが、実際には、被処理体Wに均一な温度分布をもたらすように、かつ、処理室110内でのガスの乱流や被処理体W周辺の風切り効果をもたらさないように、被処理体Wの材質や大きさ、処理ガスの種類や温度などに応じて決定されることになるであろう。磁石170と磁性体172は磁気結合されていれば逆でもよいし両方とも磁石でもよい。
【0149】
次に、RTP装置100の動作について説明する。図示しないクラスターツールなどの搬送アームが被処理体Wを図示しないゲートバルブを介して処理室110に搬入する。被処理体Wを支持した搬送アームがサポートリング150の上部に到着すると、図示しないリフタピン昇降系がサポートリング150から(例えば、3本の)図示しないリフタピンを突出させて被処理体Wを支持する。この結果、被処理体Wの支持は、搬送アームからリフタピンに移行するので、搬送アームはゲートバルブより帰還させる。その後、ゲートバルブは閉口される。搬送アームはその後図示しないホームポジションに移動してもよい。
【0150】
一方、リフタピン昇降系は、その後、図示しないリフタピンをサポートリング150の中に戻し、これによって被処理体Wをサポートリング150の所定の位置に配置する。リフタピン昇降系は図示しないベローズを使用することができ、これにより昇降動作中に処理室110の減圧環境を維持すると共に処理室102内の雰囲気が外部に流出するのを防止する。
【0151】
その後、制御部300はランプドライバ310を制御し、ランプ130を駆動するように命令する。これに応答して、ランプドライバ310はランプ300を駆動し、ランプ130は被処理体Wを、例えば、約800℃まで加熱する。本実施例の熱処理装置100は、レンズアッセンブリ122とメッキ部149によってランプ130の指向性を高めつつ、リフレクタを取り除いてランプ密度とそれによってパワー密度を高めているので所望の高速昇温を得ることができる。ランプ130から放射された熱線は石英ウインドウ120を介して処理空間にある被処理体Wの上面に照射されて被処理体Wを、例えば、800℃へ200ーC/sの加熱速度で高速昇温する。一般に被処理体Wの周辺部はその中心側と比較して放熱量が多くなる傾向があるが、本実施例のランプ130は同心円状に配置して領域毎の電力制御も可能であるので高い指向性と温度制御能力を提供する。装置100が図31に示す構造を使用すれば底部114Aは、この時、図38に示すようにホームポジションに配置される。特に、図38に示す構造は被処理体Wが冷却プレートである底部114Aから離間してその影響を受けにくいので効率的な高速昇温が可能である。加熱と同時又はその前後に、排気部190が処理室110の圧力を減圧環境に維持する。
【0152】
同時に、制御部300はモータドライバ320を制御し、モータ330を駆動するように命令する。これに応答して、モータドライバ320はモータ330を駆動し、モータ330はリング状磁石170を回転させる。この結果、支持部152(又は152A)が回転し、被処理体Wがサポートリング150と共に回転する。被処理体Wが回転するのでその面内の温度は熱処理期間中に均一に維持される。
【0153】
加熱中は、レンズアッセンブリ122、補強材124及び/又は導波部126により石英ウインドウ120は石英プレート121の厚さが比較的薄いので幾つかの長所を有する。これらの長所は、(1)ランプ130からの光をあまり吸収しないので被処理体Wへの照射効率を低下しない、(2)プレート121の表裏面で温度差が小さいので熱応力破壊が発生しにくい、(3)成膜処理の場合でもプレート121の温度上昇が少ないためにその表面に堆積膜や反応副生成物が付着しにくい、(4)レンズアッセンブリ122が石英ウインドウ120の強度を高めているのでプレート120が薄くても処理室110内の減圧環境と大気圧との差圧を維持することができる、を含む。
【0154】
被処理体Wの温度は放射温度計200により測定されて、制御部300はその測定結果に基づいてランプドライバ310をフィードバック制御する。被処理体Wは回転しているためにその表面の温度分布は均一であることが期待されるが、必要があれば、放射温度計200は、被処理体Wの温度を複数箇所(例えば、その中央と端部)測定することができ、放射温度計200が被処理体W上の温度分布が不均一であると測定すれば、制御部300は被処理体W上の特定の領域のランプ130の出力を変更するようにランプドライバ310に命令することもできる。その際、メッキ部149及びレンズアッセンブリ122によって制御性が高められているので被処理体Wの所望の部位を必要なだけ制御性良く加熱することができる。
【0155】
放射温度計200は、チョッパやLED等を使用しない単純な構造であるため安価であると共に装置100の小型化と経済性向上に資する。また、本発明の実効放射率算出方法により温度測定精度が高い。被処理体Wは、熱処理においては高温環境下に長時間置かれると不純物が拡散して集積回路の電気的特性が悪化するため、高速昇温と高速冷却が必要でありそのために被処理体Wの温度管理が不可欠であるが、本実施例の実効放射率算出方法はかかる要請に応えるものである。この結果、RTP装置100は高品質の熱処理を提供することができる。
【0156】
次いで、図示しないガス導入部から流量制御された処理ガスが処理室110に導入される。所定の熱処理(例えば、10秒間)が終了すると制御部300はランプドライバ310を制御してランプ130の加熱を停止するように命令する。これに応答して、ランプドライバ310はランプ130の駆動を停止する。装置100が図31に示す構造を使用すれば制御部300は昇降機構117を制御して、底部114Aを図33に示す冷却位置に移動する。また、好ましくは、熱伝導性の高いヘリウムガスが図34に示すように被処理体Wと底部114Aとの間に導入される。これにより、被処理体Wの冷却効率は高くなり比較的低消費電力で高速冷却を行うことができる。冷却速度は、例えば、200ーC/sである。
【0157】
熱処理後に被処理体Wは上述したのと逆の手順によりゲートバルブから処理室110の外へクラスターツールの搬送アームにより導出される。次いで、必要があれば、搬送アームは被処理体Wを次段の装置(成膜装置など)に搬送する。
【0158】
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はその要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【0159】
【発明の効果】
本発明の例示的一態様である石英ウインドウ及び熱処理装置によれば、石英ウインドウのレンズ部材がプレートの強度を高めて薄型化を促進するのでプレートが熱源からの放射光を吸収する量が少なくなる。この結果、被処理体への照射効率の向上やプレートの熱破壊の防止などを達成することができる。また、レンズ部材は熱源からの放射光の指向性を改善するので本発明の熱処理装置は高速昇温のRTPを実現することができ、高品質で歩留まりのよい処理を被処理体に施すことができる。また、リフレクタを使用しないので本発明の熱処理装置は経済的にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の例示的一態様としての熱処理装置の概略断面図である。
【図2】 図1に示す熱処理装置に適用可能な石英ウインドウの概略上面図である。
【図3】 図2に示す石英ウインドウのA−A断面図である。
【図4】 図2に示す石英ウインドウのB−B断面図である。
【図5】 図4に示す石英ウインドウの点線領域Cの拡大図である。
【図6】 図2に示す石英ウインドウに使用されるレンズアッセンブリの一部拡大斜視図である。
【図7】 図2に示す石英ウインドウの変形例であり、図3に対応する石英ウインドウの一部拡大断面図である。
【図8】 図2に示す石英ウインドウの更に別の変形例であり、図3に対応する石英ウインドウの一部拡大断面図である。
【図9】 図8に示す石英ウインドウを使用した場合に、被処理体の中心を(0,0)として図2に示すX及びY方向に関する距離と、被処理体に照射される放射光の照度との関係を3次元的に示す図である。
【図10】 図9を上から見た図である。
【図11】 図2に示す石英ウインドウの更に別の変形例であり、図3に対応する石英ウインドウの一部拡大断面図である。
【図12】 図11に示す石英ウインドウを使用した場合に、被処理体の中心を(0,0)として図2に示すX及びY方向に関する距離と、被処理体に照射される放射光の照度との関係を3次元的に示す図である。
【図13】 図12を上から見た図である。
【図14】 図1に示す熱処理装置の加熱部のより詳細な構造を示す拡大底面図である。
【図15】 図14に示す加熱部の部分断面側面図である。
【図16】 図15に示す加熱部のランプからメッキ部を取り除いた正面図である。
【図17】 図16に示すランプの側面図である。
【図18】 図14の変形例としての加熱部の拡大底面図である。
【図19】 図18に示す加熱部の部分断面族面図である。
【図20】 図14に示す加熱部のX方向に整列するランプの冷却機構を説明するための断面図である。
【図21】 図20に示すランプの側面図である。
【図22】 図20に示すランプの平面図である。
【図23】 メッキ部としての金メッキ膜を有するランプを使用した場合に、被処理体の中心を(0,0)として図17に示すX及びY方向に関する距離と、被処理体に照射される放射光の照度との関係を3次元的に示す図である。
【図24】 図23を上から見た図である。
【図25】 図1に示す熱処理装置の加熱部の変形例を説明するための図であり、加熱部に適用されるランプからメッキ部を取り除いた斜視図である。
【図26】 図1に示す熱処理装置の加熱部の更に別の変形例を説明するための図であり、加熱部に適用されるランプからメッキ部を取り除いた斜視図である。
【図27】 図25及び図26に示すそれぞれのランプのメッキ部による被覆を説明するための断面図である。
【図28】 図25に示すランプを有する加熱部の図14に示すX方向に沿った縦断面図である。
【図29】 図28に示す加熱部の図14に示すY方向に沿った横断面図である。
【図30】 図1に示す熱処理装置に適用可能な2種類の放射温度計及びその近傍の概略拡大断面図である。
【図31】 図1に示す熱処理装置に適用可能な2つの同種の放射温度計及びその近傍の概略拡大断面図である。
【図32】 本発明の実効放射率算出方法を説明するために使用されるグラフである。
【図33】 本発明の実効放射率算出方法を説明するために使用されるグラフである。
【図34】 本発明の実効放射率算出方法を説明するために使用されるグラフである。
【図35】 本発明の実効放射率算出方法に使用されるパラメータを定義する断面図である。
【図36】 被処理体の冷却速度に関するシミュレーションの結果を示すグラフである。
【図37】 図1に示す熱処理装置の冷却プレートしての底部の変形例を説明するための概略断面図である。
【図38】 図37に示す構造において被処理体を加熱する際の被処理体と底部との位置関係を説明するための概略断面図である。
【図39】 図37に示す構造において被処理体を冷却する際の被処理体と底部との位置関係を説明するための概略断面図である。
【図40】 図39に示す実線領域Vの概略拡大断面図である。
【図41】 シングルエンドランプによって下方の被処理体を放射光で加熱する場合に指向性が最もよくなる場合のリフレクタの傾斜角度を説明するための断面図である。
【図42】 図5に対比される円筒石英ウインドウを通過した光の指向性を説明するための断面図である。
【図43】 従来のシングルエンドランプを使用した場合に、被処理体の中心を(0,0)として図17に示すX及びY方向に関する距離と、被処理体に照射される放射光の照度との関係を3次元的に示す、図23に対比される図である。
【図44】 図43を上から見た図である。
【符号の説明】
100 熱処理装置
110 処理室
120 石英ウインドウ
122 レンズアッセンブリ
123 レンズ素子
124 補強材
125 冷却管
126 導波管
128 流路
130 ランプ
132 電極部
134 発光部
140 加熱源
142 ランプ保持部
149 メッキ部
190 排気部
200 放射温度計
210 ロッド
220 光ファイバ
230 フォトディテクタ
300 制御部
310 ランプドライバ

Claims (16)

  1. 被処理体に熱処理を行う処理室と、
    前記被処理体に放射光を照射して加熱するランプと、
    前記被処理体と前記ランプとの間に配置される石英ウインドウとを有する熱処理装置であって、
    当該石英ウインドウは、
    石英製プレートと、
    当該プレートに固定されて当該プレートの強度を高めると共に前記ランプからの放射光の指向性を改善するレンズ部材とを有する熱処理装置。
  2. 前記ランプを複数有し、前記レンズ部材は前記ランプに対応した数のレンズ素子を有する請求項1記載の熱処理装置。
  3. 前記レンズ部材を前記プレートの前記ランプに対向する面と前記処理体に対向する面の両方に有する請求項1記載の熱処理装置。
  4. 前記プレートに前記プレートの強度を補強する補強材を更に有する請求項1記載の熱処理装置。
  5. 前記プレートの厚さは7mm以下である請求項4記載の熱処理装置。
  6. 前記プレートの厚さは5mm以下である請求項4記載の熱処理装置。
  7. 前記レンズ部材を前記プレートの第1の面に有し、
    前記プレートの前記第1の面に対向する第2の面に前記プレートの強度を補強する補強材を更に有する請求項1記載の熱処理装置。
  8. 前記補強材はアルミニウム製である請求項4記載の熱処理装置。
  9. 前記補強材を冷却する冷却機構を更に有する請求項4記載の熱処理装置。
  10. 前記補強材は複数設けられ、前記石英ウインドウは隣接する補強材の間に、前記レンズ部材から前記プレートを介して導入される前記放射光を前記被処理体に導入するための石英製導波部を更に有する請求項7記載の熱処理装置。
  11. 前記処理室に接続されて当該処理室内を減圧状態に維持することができる排気装置を更に有する請求項1記載の熱処理装置。
  12. 被処理体にランプからの放射光により熱処理を行う熱処理装置の前記被処理体と前記ランプの間に配置可能な石英ウインドウであって、
    石英製プレートと、
    当該プレートに固定されて当該プレートの強度を高めると共に前記ランプからの放射光を前記被処理体に向かって集光するレンズ部材とを有する石英ウインドウ。
  13. 前記石英ウインドウは、複数の前記ランプに使用され、
    前記レンズ部材は前記ランプに対応した数のレンズ素子を有する請求項12記載の石英ウインドウ。
  14. 前記レンズ部材を前記プレートの前記ランプに対向する面と前記処理体に対向する面の両方に有する請求項12記載の石英ウインドウ。
  15. 前記プレートの厚さは7mm以下である請求項12記載の石英ウインドウ。
  16. 前記プレートの厚さは5mm以下である請求項12記載の石英ウインドウ。
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