JP4666075B2 - 多価カルボン酸縮合体、並びにこれを用いたエポキシ樹脂用硬化剤、エポキシ樹脂組成物、ポリアミド樹脂及びポリエステル樹脂 - Google Patents

多価カルボン酸縮合体、並びにこれを用いたエポキシ樹脂用硬化剤、エポキシ樹脂組成物、ポリアミド樹脂及びポリエステル樹脂 Download PDF

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Description

本発明は、多価カルボン酸縮合体、並びにこれを用いたエポキシ樹脂用硬化剤、エポキシ樹脂組成物、ポリアミド樹脂及びポリエステル樹脂に関する。
一般に、酸無水物はエポキシ樹脂の硬化剤として用いられる。また、ジアミンとの反応によりポリイミド化合物を得るための原料としても用いられる。酸無水物は安価で、透明性、電気絶縁性、耐薬品性、耐湿性及び接着性などの点で優れている。そのため、電気絶縁材料、半導体装置材料、光半導体封止材料、接着材料及び塗料材料等の様々な用途で酸無水物が用いられている。
酸無水物の一種として、多価カルボン酸の重縮合によって形成されるポリカルボン酸無水物がある。例えば、ポリアゼライン酸、ポリセバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸の分子間脱水縮合反応によって得られるポリカルボン酸無水物が、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アクリル粉体塗料等の熱硬化性樹脂の硬化剤又は硬化促進剤として用いられる場合がある。脂肪族ジカルボン酸の分子間脱水縮合反応によって得られるポリカルボン酸無水物は、優れた可撓性と耐熱衝撃性を示す硬化物が得られ易いことから、粉体塗料や注形用樹脂の硬化剤として有用である。
ところで、脂肪族及び芳香族ジカルボン酸を分子間で縮合して得られる、平均分子量が20000を超える高分子量のポリカルボン酸無水物(多価カルボン酸縮合体)の使用が生体医学用途において提案されている(特許文献1)。
特開昭63−258924号公報
しかし、従来のポリカルボン酸無水物は、エポキシ樹脂等の硬化剤として用いられたときに、硬化物の可撓性及び耐熱衝撃性の点では通常の酸無水物系硬化剤と比較して有利であるものの、透明で着色の少ない硬化物を形成することは困難であった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その主な目的とするところは、エポキシ樹脂の硬化剤として用いられたときに、透明で着色の少ない硬化物を与えることが可能な多価カルボン酸縮合体を提供することにある。
本発明は、下記一般式(1)で表される成分を含む多価カルボン酸縮合体に関する。式(1)中、Rは脂肪族炭化水素環を有し該脂肪族炭化水素環がハロゲン原子又は直鎖状若しくは分岐状の炭化水素基で置換されていてもよい2価の基を示し、同一分子中の複数のRは同一でも異なっていてもよい。Rは酸無水物基又はカルボン酸エステル基で置換されていてもよい1価の炭化水素基を示し、同一分子中の2個のRは同一でも異なっていてもよい。nは1以上の整数を示す。
Figure 0004666075
上記本発明に係る多価カルボン酸無水物は、エポキシ樹脂の硬化剤として用いられたときに、透明で着色の少ない硬化物を与えることが可能である。
はシクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロへプタン、シクロオクタン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、アダマンタン、水素化ナフタレン及び水素化ビフェニルから選ばれる環式脂肪族炭化水素から水素原子を除くことにより誘導される2価の基であることが好ましい。前記環式脂肪族炭化水素は、ハロゲン原子又は直鎖状若しくは分岐状の炭化水素基で置換されていてもよい。
は下記一般式(10)で表される2価の基であることが好ましい。式(10)中、mは0〜4の整数を示し、Rはハロゲン原子又は直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜4の炭化水素基を示し、mが2〜4であるとき複数のRは同一でも異なっていてもよく、互いに連結して環を形成していてもよい。
Figure 0004666075
は、下記化学式(20)で表される1価の基、又は、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロへプタン、シクロオクタン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、アダマンタン、水素化ナフタレン及び水素化ビフェニルから選ばれる環式脂肪族炭化水素から水素原子を除くことにより誘導される1価の基であることが好ましい。
Figure 0004666075
本発明に係る多価カルボン酸縮合体は、下記一般式(1a)で表される成分を含んでいてもよい。
Figure 0004666075
多価カルボン酸縮合体は、下記一般式(2)で表される成分を更に含んでいてもよい。式(2)中、Rはその好適な態様も含めて式(1)中のRと同義である。nは2以上の整数を示す。
Figure 0004666075
本発明に係る多価カルボン酸縮合体は、下記一般式(5)で表される多価カルボン酸及び下記一般式(6)で表されるモノカルボン酸を含む反応液中で、それぞれが有するカルボキシル基を分子間で脱水縮合させる工程を備える方法によって得ることのできるものであってもよい。式(5)及び(6)中、R及びRはその好適な態様も含めて式(1)中のR及びRと同義である。
Figure 0004666075
式(1)及び(1a)において、nは好ましくは1〜200の整数である。
本発明に係る多価カルボン酸縮合体の数平均分子量Mnは好ましくは300〜20000である。
ICIコーンプレート型粘度計によって測定される多価カルボン酸縮合体の粘度は、150℃で10〜30000mPa・sであることが好ましい。
本発明に係る多価カルボン酸の製造方法は、上記一般式(5)で表される多価カルボン酸及び上記一般式(6)で表されるモノカルボン酸を含む反応液中で、それぞれが有するカルボキシル基を分子間で脱水縮合させる工程を備える。
上記反応液は、無水酢酸、無水プロピオン酸、塩化アセチル、脂肪族酸塩化物及び有機塩基から選ばれる化合物を更に含むことが好ましい。
本発明に係るエポキシ樹脂用硬化剤は、上記本発明に係る多価カルボン酸縮合体を含有する。本発明に係るエポキシ樹脂用硬化剤は、透明で着色が少ない硬化物を与えることが可能である。
本発明に係るエポキシ樹脂用硬化剤は、多価カルボン酸縮合体に加えて、カルボキシル基を分子内で脱水縮合させて得られる酸無水物化合物を更に含有していてもよい。
本発明に係るエポキシ樹脂用硬化剤の製造方法は、上記本発明に係る多価カルボン酸縮合体と多価カルボン酸のカルボキシル基を分子内で脱水縮合させて得られる酸無水物化合物とを溶融混合する工程を備える。
本発明に係るエポキシ樹脂組成物は、2以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と、上記本発明に係るエポキシ樹脂用硬化剤とを含む。本発明に係るエポキシ樹脂組成物は、着色が少ない透明な硬化物を与えることが可能である。
上記エポキシ樹脂は、好ましくは、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロへプタン、シクロオクタン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、アダマンタン、水素化ナフタレン及び水素化ビフェニルから選ばれる環式脂肪族炭化水素から水素原子を除くことにより誘導される飽和炭化水素基を有し、上記環式飽和炭化水素が、ハロゲン原子又は直鎖状若しくは分岐状の炭化水素基で置換されていてもよい脂環式エポキシ樹脂である。
本発明に係る硬化物は、上記エポキシ樹脂組成物を熱硬化させて得られる。係る硬化物は、透明性を有することが好ましい。
本発明はまた、上記本発明に係る多価カルボン酸縮合体と2以上のアミノ基を有するポリアミンとの重縮合により得ることのできるポリアミド樹脂に関する。本発明に係るポリアミド樹脂は、従来のポリアミド樹脂と比較して透明性に優れている。また、従来のジカルボン酸とポリアミンとの反応に比較して、酸無水物を使用することにより反応性に富んでおり、低温での反応や短時間での反応が可能となることから、本発明に係るポリアミド樹脂は生産性の点でも優れる。
本発明はまた、上記本発明に係る多価カルボン酸縮合体と2以上のヒドロキシル基を有するポリアルコールとの重縮合により得ることのできるポリエステル樹脂に関する。本発明に係るポリエステル樹脂は、従来のポリエステル樹脂と比較して、透明性に優れている。また、従来のジカルボン酸とポリアルコールとの反応に比較して、酸無水物を使用することにより反応性に富んでおり、低温での反応や短時間での反応が可能となることから、本発明に係るポリエステル樹脂は生産性の点でも優れる。
本発明に係る多価カルボン酸縮合体は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂の硬化剤として用いられたときに、硬化物を透明で着色の少ないものとすることが可能である。本発明に係る多価カルボン酸縮合体は、ポリアミン、フェノールノボラック及びイミダゾール系硬化剤ほど種類が豊富でなかった酸無水物系硬化剤の新たな選択肢を提供する。
従来の脂環式酸無水物は光半導体封止材料、接着材料、塗料材料等に用いられる液状のエポキシ樹脂組成物の硬化剤として用いられる場合があったものの、一般的に溶融温度が40℃未満と低く、用途に制限があった。これに対して、本発明に係るエポキシ樹脂用硬化剤は、例えばトランスファー成形用材料として用いられたときに、流動性、成形性、作業性、保存安定性及び配合設計の自由度の観点から求められる適度な融点や粘度を容易に達成することが可能である。
また、本発明によれば、低い融点を有する多価カルボン酸縮合体を得ることも可能である。ジアミンと組み合わせてポリイミド樹脂を形成するために従来用いられている芳香族又は直鎖状若しくは環状脂肪族のテトラカルボン酸無水物の多くは、その融点が150℃以上であり、ポリイミド樹脂の原料以外への適用は困難であった。本発明に係る多価カルボン酸はより広範囲の用途に適用可能であることから、コストの面からも有利である。
実施例A1の多価カルボン酸縮合体のFT−IRスペクトルである。 実施例A1の多価カルボン酸縮合体の紫外−可視吸収スペクトルである。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本明細書において「多価カルボン酸縮合体」とは、2以上のカルボキシル基を有する多価カルボン酸の1種又は2種以上が分子間で縮合して形成される重合体を意味する。より詳細には、多価カルボン酸縮合体は、2以上のカルボキル基を有する2分子以上のモノマーの分子間で、それぞれが有するカルボキシ基が脱水縮合することにより酸無水物基(酸無水物結合)を生成し、生成した酸無水物基によって各モノマー単位が鎖状又は環状に連結されている重合体である。一方、「多価カルボン酸のカルボキシル基を分子内で脱水縮合させて得ることのできる酸無水物化合物」とは、2以上のカルボキシル基を有する多価カルボン酸のカルボキシル基が分子内で脱水縮合して酸無水物基を生成し、生成した酸無水物基を含む環状構造が形成されている酸無水物化合物を意味する。
[多価カルボン酸縮合体]
本実施形態に係る多価カルボン酸縮合体は、通常、重合度の異なる複数の成分から構成され、繰り返し単位及び末端基の構成が異なる複数の成分を含み得る。本実施形態に係る多価カルボン酸縮合体は、下記一般式(1)で表される成分を主成分として含む。好ましくは、式(1)の成分の割合は多価カルボン酸縮合体全量を基準として10質量%以上である。
Figure 0004666075
式(1)中のRは飽和炭化水素環を有する2価の飽和炭化水素基である。Rが飽和炭化水素環を有する飽和炭化水素基であることにより、当該多価カルボン酸縮合体はエポキシ樹脂の透明な硬化物を形成させることが可能である。同一分子中の複数のRは同一でも異なっていてもよい。Rの飽和炭化水素環はハロゲン原子又は直鎖状若しくは分岐状の炭化水素基で置換されていてもよい。飽和炭化水素環を置換する炭化水素基は好ましくは飽和炭化水素基である。飽和炭化水素環は単環でもよいし、2以上の環から構成される縮合環、ポリシクロ環、スピロ環又は環集合であってもよい。Rの炭素数は好ましくは3〜15である。
は式(1)の重合体を得るために用いられるモノマーとしての多価カルボン酸からカルボキシル基を除いて誘導される基である。モノマーとしての多価カルボン酸は、重縮合の反応温度よりも高い沸点を有することが好ましい。
より具体的には、Rはシクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロへプタン、シクロオクタン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、アダマンタン、水素化ナフタレン及び水素化ビフェニルから選ばれる環式脂肪族炭化水素から水素原子を除くことにより誘導される2価の基であることが好ましい。Rがこれらの基であることにより、透明で熱による着色の少ない硬化物が得られるという効果がより一層顕著に奏される。これら環式飽和炭化水素は、ハロゲン原子又は直鎖状若しくは分岐状の炭化水素基(好ましくは飽和炭化水素基)で置換されていてもよい。
特に、Rは1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸又はこれらの誘導体からカルボキシル基を除いて誘導される基であることが好ましい。すなわち、Rは下記一般式(10)で表される2価の基であることが好ましい。式(10)中、mは0〜4の整数を示す。Rはハロゲン原子又は直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜4の炭化水素基を示す。mが2〜4であるとき、複数のRは同一でも異なっていてもよく、互いに連結して環を形成していてもよい。
Figure 0004666075
式(1)中の末端基であるRは酸無水物基又はカルボン酸エステル基で置換されていてもよい1価の炭化水素基を示す。2個のRは同一でも異なっていてもよい。Rは、直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数2〜15の脂肪族若しくは芳香族モノカルボン酸(安息香酸等)からカルボキシル基を除くことにより誘導される1価の基であってもよい。
は、好ましくは、下記化学式(20)で表される1価の基、又は、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロへプタン、シクロオクタン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、アダマンタン、水素化ナフタレン及び水素化ビフェニルから選ばれる環式脂肪族炭化水素から水素原子を除くことにより誘導される1価の基である。Rがこれらの基であることにより、透明で熱による着色の少ない硬化物が得られるという効果がより一層顕著に奏される。
Figure 0004666075
が上記一般式(10)で表される2価の基であり、同時に、Rが上記化学式(20)で表される1価の基であってもよい。すなわち、本実施形態に係る多価カルボン酸縮合体は、式(1)の成分として、下記一般式(1a)で表される成分を含んでいてもよい。
Figure 0004666075
式(1)及び(1a)のnは1以上の整数を示し、好ましくは1〜200の整数である。
多価カルボン酸縮合体は、下記一般式(2)で表される成分を更に含んでいてもよい。式(2)の成分は、多価カルボン酸を重縮合する際の副生成物として生成することがある。式(2)は、繰り返し単位中のカルボニル炭素と酸素原子とが直接結合して環状構造を形成していることを表す。
Figure 0004666075
多価カルボン酸縮合体の数平均分子量Mnは好ましくは300〜20000であり、より好ましくは300〜10000である。数平均分子量Mnが300よりも小さいと粘度が低くなりすぎる傾向があり、2000よりも大きいとエポキシ樹脂等との相溶性が低下する傾向がある。
ICIコーンプレート型粘度計によって測定される多価カルボン酸縮合体の粘度は、100〜150℃の範囲で10〜30000mPa・sであることが好ましい。多価カルボン酸縮合体の粘度が係る特定範囲内にあることにより、例えば多価カルボン酸縮合体を配合したエポキシ樹脂組成物をトランスファー成形に用いたときに、バリ発生が抑制されるなど、良好な成形性が得られる。多価カルボン酸縮合体の粘度は、例えばReseach Equipment(London)LTD.製のICIコーンプレート型粘度計を用いて測定することができる。
多価カルボン酸縮合体の軟化点は20〜200℃であることが好ましく、30〜130℃であることがより好ましく、30〜90℃であることが更に好ましい。これにより、多価カルボン酸縮合体を含む樹脂組成物中に2本ロールミル等を用いて無機フィラーを分散させる際に、良好な分散性及び作業性が得られる。無機フィラーの分散性に優れることは、トランスファー成形用のエポキシ樹脂組成物等において特に重要である。
本実施形態に係る多価カルボン酸縮合体は、例えば、下記一般式(5)で表される多価カルボン酸及び下記一般式(6)で表されるモノカルボン酸を含む反応液中で、それぞれが有するカルボキシル基を分子間で脱水縮合させる工程を備える方法によって得ることができる。
Figure 0004666075
脱水縮合の反応液は、例えば、多価カルボン酸及びモノカルボン酸と、これらを溶解する無水酢酸又は無水プロピオン酸、塩化アセチル、脂肪族酸塩化物及び有機塩基(トリメチルアミン等)から選ばれる脱水剤とを含有する。例えば、反応液を5〜30分にわたって窒素雰囲気下で還流した後、反応液の温度を180℃まで上昇させて窒素気流下の開放系で、生成する酢酸及び水を留去することにより重縮合を進行させる。揮発成分の発生が認められなくなった時点で、反応容器内を減圧しながら180℃の温度で3時間にわたって、より好ましくは1時間にわたって溶融状態で重縮合を進行させる。生成した多価カルボン酸縮合体を、無水酢酸等の非プロトン性溶媒を用いた再結晶や再沈殿法によって精製してもよい。
係る方法によって得られる多価カルボン酸縮合体は、式(6)のモノカルボン酸2分子の縮合物、式(5)の多価カルボン酸と式(6)のモノカルボン酸との縮合物、多価カルボン酸及びモノカルボン酸の未反応物、並びに、無水酢酸及び無水プロピオン酸等の反応試薬と多価カルボン酸又はモノカルボン酸とが縮合反応して生成する酸無水物のような副生成物を含んでいる場合がある。
[エポキシ樹脂用硬化剤]
本実施形態に係るエポキシ樹脂用硬化剤は、多価カルボン酸縮合体と、多価カルボン酸のカルボキシル基を分子内で脱水縮合させて得ることのできる酸無水物化合物とを含有する酸無水物系の硬化剤である。多価カルボン酸縮合体と組み合わせる酸無水物化合物としては、電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料、光半導体封止用エポキシ樹脂成形材料等において一般に使用されているものを用いることができる。酸無水物化合物はエポキシ樹脂と反応するものであれば、特に制限なく用いることができるが、無色又は淡黄色であることが好ましい。
酸無水物化合物の分子量は100〜400であることが好ましい。無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の芳香環を有する酸無水物よりも、芳香環の不飽和結合のすべてを水素化した無水物が好ましい。ポリイミド樹脂の原料として一般的に使用される酸無水物化合物を用いてもよい。
酸無水物化合物は、例えば、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、無水グルタル酸、無水ジメチルグルタル酸、無水ジエチルグルタル酸、無水コハク酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸及びメチルテトラヒドロ無水フタル酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である。これらの中でも、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水グルタル酸、無水ジメチルグルタル酸及び無水ジエチルグルタル酸が好ましい。
本実施形態に係るエポキシ樹脂用硬化剤は、酸無水物化合物としてイソシアヌル酸誘導体を含有してもよい。係るイソシアヌル酸誘導体としては、1,3,5−トリス(1−カルボキシメチル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3−カルボキシプロピル)イソシアヌレート又は1,3−ビス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレートから誘導される酸無水物が挙げられる。これらは、単独で用いても2種類以上併用してもよい。これらの中でも1,3,5−トリス(3−カルボキシプロピル)イソシアヌレートから誘導される酸無水物を用いることが好ましい。
本実施形態に係るエポキシ樹脂用硬化剤は、フェノール系化合物を更に含有していてもよい。
多価カルボン酸縮合体と酸無水物化合物とが相溶性を有することが好ましい。「多価カルボン酸縮合体と酸無水物化合物とが相溶性を有する」とは、多価カルボン酸縮合物が、酸無水物化合物と親和性を示し、両者の混合物が均一な状態で存在し得ることを意味する。より具体的には、例えば、多価カルボン酸縮合体と酸無水物化合物とを1/1の質量比で混合した混合物を120℃に加熱して完全に溶解し、その状態で攪拌してから、混合物を30分にわたり静置した後にその一部を取り出して目視したときに、混合物が相分離のない透明な液体であることが確認できる場合に、両者が相溶性を有すると判断することができる。相分離によって不透明な液体である場合は「不溶」と称される。相溶性を有する組み合わせであっても、溶解するまでに長い時間が必要であると、長時間に渡る加熱により多くの熱エネルギーを必要とし、生産性やコストの面で不利となる。
本実施形態に係るエポキシ樹脂用硬化剤は、硬化剤全量を基準として、10〜70質量%の多価カルボン酸縮合体と、30〜90質量%の酸無水物化合物とを含有することが好ましい。
本実施形態に係るエポキシ樹脂用硬化剤は、例えば、多価カルボン酸縮合体と多価カルボン酸と酸無水物化合物とを溶融混合する混合工程とを備える方法によって得ることができる。具体的には、例えば、多価カルボン酸縮合体と酸無水物化合物とを公知のミキサーを用いて混合させた後、さらに必要であれば3本ロールミル、押出機などにより溶融混練する方法を採用できる。透明性を有する硬化物を得るという観点から、多価カルボン酸縮合物と酸無水物化合物の混合物が透光性を有することが好ましい。
上記混合工程において、析出物による白濁を生じないことが好ましい。析出物が発生することにより粘度の増加が妨げられる。「析出物による白濁を生じない」とは、電磁波の可視光領域における散乱がないことを意味する。より具体的には光のレイリー散乱、ミー散乱、回折散乱現象を生じるような、散乱中心を有する微粒子が混合物中に存在しないとき、「析出物による白濁を生じない」とみなすことができる。混合物の白濁の確認は、例えば、多価カルボン酸縮合物100重量部及び酸無水物化合物120重量部を耐熱ガラス製の容器に秤量し、容器をシリコーンオイルや水などの流体を媒体としたヒーターを用いて35℃〜180℃の温度範囲で加熱する方法によって行うことができる。加熱方法はこれに限定されるものではなく、熱電対、電磁波照射など公知の方法を用いることができ、さらに溶解を促進するために超音波などを照射してもよい。
[エポキシ樹脂組成物とその硬化物]
本実施形態に係るエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、上記エポキシ樹脂用硬化剤とを含有する。エポキシ樹脂としては、電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料等において一般に使用されているものを用いることができる。エポキシ樹脂は、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂及びオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のフェノール類とアルデヒド類のノボラック樹脂をエポキシ化したもの、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS及びアルキル置換ビスフェノール等のジグリシジルエーテル、ジアミノジフェニルメタン及びイソシアヌル酸等のポリアミンとエピクロルヒドリンとの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂、並びに脂環族エポキシ樹脂がある。これらを1種で又は複数組み合わせて用いることができる。
これらのうち、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジグリシジルイソシアヌレート、トリグリシジルイソシアヌレート、及び、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸又は1,4−シクロヘキサンジカルボン酸から誘導されるジカルボン酸ジグリシジルエステルが、比較的着色が少ないことから好ましい。同様の理由から、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ナジック酸及びメチルナジック酸等のジカルボン酸のジグリシジルエステルも好適である。芳香環が水素化された脂環式構造を有する核水素化トリメリット酸、核水素化ピロメリット酸等のグリシジルエステルも挙げられる。シラン化合物を有機溶媒、有機塩基および水の存在下に加熱して、加水分解・縮合させることにより製造される、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンも挙げられる。グリシジルメタクリレート単量体と、これと重合可能な単量体との共重合体である、下記式(7)で示されるエポキシ樹脂を用いることもできる。
Figure 0004666075
式(7)中、Rはグリシジル基を示し、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜6の飽和又は不飽和の1価の炭化水素基を示し、Rは1価の飽和炭化水素基を示す。a及びbは正の整数を示す。
硬化物の着色を抑制するために、エポキシ樹脂は、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロへプタン、シクロオクタン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、アダマンタン、水素化ナフタレン及び水素化ビフェニルから選ばれる環式脂肪族炭化水素から水素原子を除くことにより誘導される脂肪族炭化水素基を有する脂環式エポキシ樹脂であることも好ましい。上記環式脂肪族炭化水素は、ハロゲン原子又は直鎖状若しくは分岐状の炭化水素基で置換されていてもよい。
エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量に対して、当該エポキシ基と反応可能な硬化剤中の活性基(酸無水物基または水酸基)が好ましくは0.5〜0.9当量、より好ましくは0.5〜0.8当量となるような範囲の硬化剤を含有する。上記活性基が0.5当量未満の場合には、エポキシ樹脂組成物の硬化速度が遅くなるとともに、得られる硬化体のガラス転移温度及び弾性率が低くなる場合がある。一方、上記活性基が0.9当量を超える場合には硬化後の強度が減少する場合がある。
エポキシ樹脂組成物は、硬化性を向上させる観点から硬化触媒を更に含有してもよい。硬化触媒は、特に限定されるものではなく、例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン及びトリ−2,4,6−ジメチルアミノメチルフェノールなどの3級アミン類、2−エチル−4メチルイミダゾール及び2−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロジチオエート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−テトラフルオロボレート及びテトラ−n−ブチルホスホニウム−テトラフェニルボレートなどのリン化合物、4級アンモニウム塩、有機金属塩類、並びにこれらの誘導体が用いられる。これらは単独で使用してもよく、あるいは、併用してもよい。これらの硬化促進剤の中では、3級アミン類、イミダゾール類及びリン化合物が好ましい。
上記硬化触媒の割合は、エポキシ樹脂に対して、0.01〜8質量%であることが好ましく、0.1〜3質量%であることがより好ましい。硬化促進剤の割合が、0.01質量%未満では、硬化促進効果が小さくなる場合があり、8質量%を超えると、硬化物の変色抑制の効果が小さくなる傾向がある。
エポキシ樹脂組成物の熱硬化によって形成される硬化物は、可視光から近紫外光の波長領域において透過率が高いことが好ましい。好ましくは透過率が70%以上であり、より好ましくは80%以上であり、特に好ましくは90%以上である。
本実施形態に係るエポキシ樹脂組成物及びの硬化物は高い透明性および耐熱性を必要とする電気絶縁材料、光半導体封止材料、接着材料、塗料材料およびトランスファー成形用エポキシ樹脂成形材料など様々な用途において有用である。
[ポリアミド樹脂及びポリエステル樹脂]
多価カルボン酸縮合体は、ポリアミド樹脂又はポリエステル樹脂の原料として用いることが可能である。多価カルボン酸を2以上のアミノ基を有するポリアミン、又は2以上のヒドロキシル基を有するポリアルコールと重縮合させることにより、ポリアミド樹脂又はポリエステル樹脂を製造することができる。多価カルボン酸縮合物とポリアミン又はポリエステルとの重合の方法としては公知の重合方法を適用することができる。
多価カルボン酸縮合体と組み合わせるポリアミンとしては、ポリアミド樹脂の原料として一般に使用されているものを用いることができ、着色の少ないものが好ましい。通常、炭素数2〜24のジアミンが使用される。ポリアミンの好適な例としては、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ベンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、トリデカメチレンジアミン、ヘキサデカメチレンジアミン及びオクタデカメチレンジアミン、2,2,4(または2,4,4)−トリメチルヘキサメチレンジアミンのような脂肪族ジアミン、シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン及びビス−(4,4′−アミノシクロヘキシル)メタンのような脂環式ジアミン、キシリレンジアミンのような芳香族ジアミン等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
多価カルボン酸縮合体と組み合わせるポリアルコールとしては、ポリエステル樹脂の原料として一般に使用されているものを用いることができ、着色の少ないものが好ましい。通常、炭素数2〜24のジアルコールが使用される。ポリアルコールの好適な具体例としては、1,2−、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−、1,3−シクロペンタンジメタノール及びビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.0]デカンのような5員環ジオール、1,2−、1,3−、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−、1,3−、1,4−シクロヘキサンジメタノール及び2,2−ビス−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのような6員環ジオールが挙げられる。これら以外に、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリトリメチレンエーテルグリコール及びポリテトラメチレンエーテルグリコール等の脂肪族ジオール、キシリレングリコール、4,4’−ヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン及びビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸のような芳香族ジオールが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
多価カルボン酸縮合体の作製
下記の実施例A1、A2及び比較例A1にそれぞれ示した繰り返し単位用のモノマーと両末端モノマーを、無水酢酸中で5〜30分にわたって窒素雰囲気下で還流した。その後、液温を180℃まで上昇させ、窒素気流下、開放系で反応によって生成した酢酸及び水を留去した。揮発成分の生成が認められなくなったところで、反応容器内を減圧しながら150℃で3時間にわたって溶融縮合し、多価カルボン酸縮合体を得た。
(実施例A1)
繰り返し単位:水素化テレフタル酸(東京化成社製);125g
両末端:水素化無水トリメリット酸(三菱ガス化学社製);126g
(実施例A2)
繰り返し単位:水素化テレフタル酸(東京化成社製);218g
両末端:水素化無水トリメリット酸(三菱ガス化学社製);86g
(比較例A1)
繰り返し単位:テレフタル酸(和光純薬社製);166g
両末端:トリメリット酸無水物(和光純薬社製);168g
多価カルボン酸縮合体の特性評価
実施例A1、A2及び比較例A1の多価カルボン酸縮合体の数平均分子量、粘度、軟化点、赤外吸収スペクトル、紫外−可視吸収スペクトル及び外観を評価した。評価結果を表1に示した。
数平均分子量Mnは、下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により標準ポリスチレンによる検量線を用いて測定した。ただし、比較例A1の多価カルボン酸縮合体は溶媒に不溶であったため、そのMnを測定することができなかった。
・装置:ポンプ(株式会社日立製作所製L−6200型)、カラム(TSKgel―G5000HXLおよびTSKgel−G2000HXL、いずれも東ソー株式会社製商品名)、検出器(株式会社日立製作所製L−3300RI型)
・溶離液:テトラヒドロフラン
・温度30℃、流量1.0mL/min
粘度測定はReseach Equipment(London)LTD.製のICIコーンプレート型粘度計を用いて行った。軟化点及び外観は、得られた化合物をホットプレート上で加熱し、性状の変化を目視で確認する方法により評価した。
Figure 0004666075
赤外吸収(FT−IR)スペクトル
実施例A1の多価カルボン酸縮合体のテトラヒドロフラン溶液をKRs結晶基板上でキャストして試料セルを作製し、波数4000〜400cm−1における赤外吸収スペクトルをBIORAD製FTS300MX型分光光度計を用いて測定した。得られた赤外吸収スペクトルを図1に示した。
紫外−可視吸収スペクトル
実施例A1の多価カルボン酸縮合体を加工して厚み1.0mmの板状のテストピースを作製した。このテストピースの波長300〜800nmにおける紫外−可視吸収スペクトルを分光光度計V−750型(日本分光株式会社製)を用いて測定した。得られた紫外−可視吸収スペクトルを図2に示した。
(実施例B1〜B6、比較例B1〜B2)
エポキシ樹脂組成物の硬化性
実施例A1及び比較例A1の多価カルボン酸縮合体、ヘキサヒドロ無水フタル酸及びメチルヘキサヒドロ無水フタル酸を表2に示した配合比に従って配合し、それぞれの配合物を120℃で溶融させ、各材料が完全に相溶するまで攪拌して、酸無水物系の硬化剤を得た。この硬化剤とエポキシ樹脂(トリグリシジルイソシアヌレート)を配合し、120℃に加熱して、各材料が完全に相溶するまで溶融状態で攪拌した。エポキシ樹脂は、硬化剤の各成分に対して表2に示す比率となるような量で硬化剤と配合した。その後加熱を止め、配合物の温度が80℃以下まで下がったところで硬化触媒(テトラ−n−ブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロジチエート)を加え、さらによく攪拌して、透光性を有するエポキシ樹脂組成物を得た。表2中の各成分の配合量の単位は重量部であり、「−」は材料が配合されなかったことを表す。このようにして準備した実施例B1〜B6及び比較例B1、B2の樹脂組成物を下記の各種特性試験によりそれぞれ評価した。評価結果を表2に示す。
相溶性、透明性及び色
各樹脂組成物およびその硬化物を目視で確認することにより、それぞれの相溶性、透明性および色を評価した。硬化物の色は、硬化後(初期)と、150℃で4時間硬化物を放置した後において評価した。
光透過性試験
各樹脂組成物を、100℃で4時間の加熱と、その後の150℃で2時間のポストキュアにより、厚み1.0mmの硬化物をテストピースとして作製した。このテストピースの波長460nmにおける光透過率を、分光光度計V−750型(日本分光株式会社製)を用いて測定した。
Figure 0004666075
表2中、*1〜6は以下の通りである。
*1:トリスグリシジルイソシアヌレート(エポキシ当量100、日産化学社製、商品名:TEPIC−S)
*2:3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(ダイセル化学社製、商品名:セロキサイド2021P)
*3:ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル(阪本薬品社製、商品名:SR−HHPA)
*4:ヘキサヒドロ無水フタル酸(和光純薬工業社製)
*5:メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(日立化成工業社製)
*6:テトラ−n−ブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロジチエート(日本化学工業社製、商品名:PX−4ET)
(実施例C1〜C6)
多価カルボン酸縮合体を配合したエポキシ樹脂組成物の応用例として、トランスファー成形用樹脂組成物の製造とその評価を行った。
トランスファー成形用樹脂組成物の製造
実施例A1及びA2の多価カルボン酸縮合体とその他の成分を表3に示した配合比に従って配合した。配合物を、ミキサーによって十分混合してからミキシングロールにより所定条件で溶融混練し、冷却してから粉砕して、実施例C1〜C6のトランスファー成形用樹脂組成物を得た。表3中の各成分の配合量の単位は重量部である。空欄は成分を配合しなかったことを表す。
トランスファー成形性
得られたトランスファー成形用樹脂組成物を成形型温度180℃、成型圧力6.9MPa、キュア時間90秒の条件でトランスファー成形し、下記の評価を行った。評価結果を表3に示す。
1)スパイラルフロー
EMMI−1−66の規格に準じたスパイラルフロー測定用金型を用いて、樹脂組成物を上記条件でトランスファー成形し、そのときの流動距離(cm)を求めた。
2)熱時硬度
樹脂組成物を上記の成形条件で直径50mm×厚さ3mmの円板状にトランスファー成形し、成形後直ちにショアD型硬度計を用いて成形体の硬度を測定した。
3)ゲルタイム
樹脂組成物3gを測定サンプルとして用い、JSR製キュラストメータによって180℃におけるトルク曲線を測定し、その立ち上がりまでの時間をゲルタイム(秒)とした。
Figure 0004666075
表3中、*1、2、4〜8は以下の通りである。
*1:トリグリシジルイソシアヌレート(日産化学社製、商品名TEPIC−S)
*2:ヘキサヒドロ無水フタル酸(和光純薬社製)
*4:テトラ−n−ブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロジチエート(日本化
学工業社製、商品名PX−4ET)
*5:トリメトキシエポキシシラン(東レダウコーニング社製、商品名A−187)
*6:溶融シリカ(電気化学工業社製、商品名FB−301)
*7:中空粒子(住友3M社製、商品名S60−HS)
*8:アルミナ(アドマテックス社製、商品名AO−802)
表1に示したように、1,4位にカルボン酸を有するシクロヘキサンである水素化テレフタル酸と水素化無水トリメリット酸を加熱して脱酢酸しながら反応させることにより、無色透明固体の多価カルボン酸縮合体(酸無水物)を得ることができた。一方、全芳香族の多価カルボン酸縮合体を製造した比較例A1では、無色透明の多価カルボン酸縮合体を得ることができなかった。
図1に示したように、実施例で合成した多価カルボン酸縮合体の赤外吸収スペクトル(FT−IR)において、分子間で縮合した酸無水物に由来する吸収シグナルがピークとして検出された。さらに図2に示したように、実施例で合成した多価カルボン酸縮合体は芳香環を含まない脂環式骨格から構成されるために、可視光域の吸収が少ないことがわかる。
表2に示したように、実施例の多価カルボン酸縮合物はヘキサヒドロフタル酸無水物やメチルヘキサヒドロフタル酸無水物などの他の酸無水物と良好な相溶性を示し、他の酸無水物と組み合わせて酸無水物系のエポキシ樹脂硬化剤を調製することが可能であった。さらに得られた酸無水物系のエポキシ樹脂硬化剤はトリグリシジルイソシアヌレートのような多官能エポキシ樹脂と良好に相溶するため、透光性のエポキシ樹脂組成物を調製することが可能であった。さらに、エポキシ樹脂組成物を熱硬化反応させることにより得られる透光性硬化物は150℃の高温環境下に放置しても着色せず、透光性および耐熱性に優れた硬化物であった。一方、比較例の全芳香族の多価カルボン酸縮合体は、他の酸無水物との相溶性が低く、これを他の酸無水物と組み合わせた混合物を溶融混合すると白濁した。これをエポキシ樹脂と組み合わせたエポキシ樹脂組成物を熱硬化反応させると、均一な硬化物を得ることができなかった。
実施例の多価カルボン酸縮合体を硬化剤成分として含む樹脂組成物は、一般的な半導体用封止樹脂組成物と同等のトランスファー成形性を有していた。

Claims (12)

  1. 下記一般式(1)で表される成分を含む多価カルボン酸縮合体。
    Figure 0004666075
    [式(1)中、Rは脂肪族炭化水素環を有する2価の飽和炭化水素基を示し、該脂肪族炭化水素環が直鎖状若しくは分岐状の炭化水素基で置換されていてもよく、同一分子中の複数のRは同一でも異なっていてもよく、Rは酸無水物基又はカルボン酸エステル基で置換されていてもよい1価の炭化水素基を示し、同一分子中の2個のRは同一でも異なっていてもよく、nは1以上の整数を示す。]
  2. がシクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロへプタン、シクロオクタン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、アダマンタン、水素化ナフタレン及び水素化ビフェニルから選ばれる環式脂肪族炭化水素から水素原子を除くことにより誘導される2価の基であり、前記環式脂肪族炭化水素が直鎖状若しくは分岐状の炭化水素基で置換されていてもよい、請求項1記載の多価カルボン酸縮合体。
  3. が下記一般式(10)で表される2価の基である、請求項1記載の多価カルボン酸縮合体。
    Figure 0004666075
    [式(10)中、mは0〜4の整数を示し、Rは直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜4の炭化水素基を示し、mが2〜4であるとき複数のRは同一でも異なっていてもよく、互いに連結して環を形成していてもよい。]
  4. が、下記化学式(20)で表される1価の基、又は、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロへプタン、シクロオクタン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、アダマンタン、水素化ナフタレン及び水素化ビフェニルから選ばれる環式脂肪族炭化水素から水素原子を除くことにより誘導される1価の基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の多価カルボン酸縮合体。
    Figure 0004666075
  5. 下記一般式(1a)で表される成分を含む多価カルボン酸縮合体。
    Figure 0004666075
    [式(1a)中、mは0〜4の整数を示し、Rは直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜4の炭化水素基を示し、mが2〜4であるとき複数のRは同一でも異なっていてもよく、互いに連結して環を形成していてもよく、nは1以上の整数を示す。]
  6. 下記一般式(5)で表されるジカルボン酸及び下記一般式(6)で表されるモノカルボン酸を含む反応液中で、それぞれが有するカルボキシル基を分子間で脱水縮合させる工程を備える方法によって得ることのできる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の多価カルボン酸縮合体。
    Figure 0004666075
    [式(5)及び(6)中、Rは脂肪族炭化水素環を有する2価の飽和炭化水素基を示し、該脂肪族炭化水素環が直鎖状若しくは分岐状の炭化水素基で置換されていてもよく、同一分子中の複数のRは同一でも異なっていてもよく、Rは酸無水物基又はカルボン酸エステル基で置換されていてもよい1価の炭化水素基を示す。]
  7. が1〜200の整数である、請求項1〜6いずれか一項に記載の多価カルボン酸縮合体。
  8. 数平均分子量Mnが300〜20000である、請求項1〜7いずれか一項に記載の多価カルボン酸縮合体。
  9. ICIコーンプレート型粘度計によって測定される粘度が、150℃で10〜30000mPa・sである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の多価カルボン酸縮合体。
  10. 軟化点が20〜200℃である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の多価カルボン酸縮合体。
  11. 下記一般式(5)で表される多価カルボン酸及び下記一般式(6)で表されるモノカルボン酸を含む反応液中で、それぞれが有するカルボキシル基を分子間で脱水縮合させる工程を備える、多価カルボン酸縮合体の製造方法。
    Figure 0004666075
    [式(5)及び(6)中、Rは脂肪族炭化水素環を有する2価の飽和炭化水素基を示し、該脂肪族炭化水素環が直鎖状若しくは分岐状の炭化水素基で置換されていてもよく、同一分子中の複数のRは同一でも異なっていてもよく、Rは酸無水物基又はカルボン酸エステル基で置換されていてもよい1価の炭化水素基を示す。]
  12. 前記反応液が、無水酢酸、無水プロピオン酸、塩化アセチル、脂肪族酸塩化物及び有機塩基から選ばれる化合物を更に含む、請求項11記載の製造方法。
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