JP4665619B2 - ジグザグミシン - Google Patents

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Description

本発明は、ジグザグミシンに関し、特に針棒を揺動させる針振り機構と、送り歯を上下方向と前後方向とに移動させる布送り機構に加えて、送り歯を左右方向に移動させる送り歯左右移動機構を備えたものに関する。
従来、ジグザグミシンにおいては、アーム部に、針棒を駆動する針棒駆動機構と、天秤を駆動する天秤駆動機構、針棒を左右に針振り揺動させる針振り機構等が設けられるとともに、ミシンベッド部に、針板と、送り歯をその針板より出没させて布送りさせる布送り機構と、回転釜を駆動する釜駆動機構等が設けられている。
ところで、送り歯は、通常、布送り機構による4送り運動により布送りさせるものである。そこで、針板には、左右に細長い針穴が形成されるとともに、送り歯に有する複数の歯部が出没可能な複数の角穴が形成されている。
例えば、特許文献1の多方向布送りのための針板は、ミシンにおける針板において、左右方向に長い針穴が形成されるとともに、4列の歯部を有する布送り用送り歯が前後左右斜め方向に運動し得るための十分な広幅Wの抜き穴が夫々穿設されている。即ち、この送り歯には、針穴より布送り方向前進側に対応させて、中央側の2列の歯部が前後方向向きに形成されている。しかも、これら2列の歯部の左右幅寸法が小さく、しかもこれら相互に隣接する2列の歯部の歯部間距離が大きくなっている。
実開昭54−135263号公報
前記特許文献1に記載の多方向布送りのための針板においては、送り歯が前後左右斜め方向に運動し得るように、針板に形成された抜き穴の夫々の左右幅が広幅Wに形成され、しかも送り歯の各歯部の幅寸法が従来よりも小さくなっているため、加工布に直線縫いを施した場合に、縫針の針落ち点の位置如何で、縫針からの上糸と回転釜からの下糸とが交絡した縫目は布押えと中央側の2列の歯部とで挟持されず、縫目が形成されていない部分の加工布だけが布押えと2列の歯部とで挟持されて布送りされる場合が多くなる。
その為、縫目形成後の布送りに伴う上糸の引き締めにより、縫目形成された布部分に縫い皺が発生し、所謂縫目が吊れた縫目不良となる。特に、加工布が薄物である場合や、縫糸が太い場合で、しかも縫製速度が高速になる程、このような縫目不良が顕著になる。
そこで、この場合、例えば、糸調子器の糸張力を弱めることが考えられるが、これら布地や縫糸の種類、更には縫製速度に応じた適切な糸張力が得られるように、試し縫いを繰返すことになり、準備作業が煩雑化すること、これに伴う多大の準備時間が必要になること、等の問題がある。
請求項1に係るジグザグミシンは、縫針が装着される針棒と、この針棒を左右方向に針振り揺動させる針振り機構と、ミシンベッド上面に配設される針板と、この針板より出没して加工布を送る複数の歯部を有する送り歯と、この送り歯を前後方向に移動させる送り歯前後動機構と、送り歯を左右方向に移動させる送り歯左右移動機構とを備えたジグザグミシンにおいて、縫針の針振り方向の針落ち点の位置に基づいて、複数の歯部のうちの縫針より布送り方向前進側の何れかの歯部を、針落ち点の位置の縫針の軸線を含む前後方向向きの鉛直面と交差する位置に位置させるように送り歯左右移動機構を制御する制御手段を備えたものである。
縫製に際して、縫針が装着された針棒は針振り機構により適宜針振り揺動される。縫針の針落ち点の位置が変更された場合、その変更された針落ち点の位置に基づいて、送り歯左右移動機構が制御されるので、送り歯に有する複数の歯部のうちの縫針より布送り方向前進側の何れかの歯部が、針落ち点の位置の縫針の軸線を含む前後方向向きの鉛直面と交差する位置に位置する。
このように、何れかの歯部が針落ち点の位置の縫針の軸線を含む前後方向向きの鉛直面と交差する位置に移動した状態で縫製が実行されると、歯部の幅寸法が小さい場合であっても、縫針からの上糸と回転釜からの下糸とが交絡した縫目が布押えと協働して何れかの歯部で必ず挟持される。それ故、縫目形成後の布送りに伴う上糸が引き締められても、縫い皺が発生しなくなり、綺麗な縫目が形成される。
請求項2に係るジグザグミシンは、請求項1において、前記縫針の針落ち点の位置を設定する為の設定入力手段を備え、制御手段は、設定入力手段により設定された前記針落ち点の位置に基づいて送り歯左右移動機構を制御するものである。
請求項3に係るジグザグミシンは、請求項2において、前記制御手段は、設定入力手段により設定された針落ち点の位置に縫針が位置するように針振り機構を制御するものである。
請求項4に係るジグザグミシンは、請求項1〜3の何れかにおいて、前記制御手段は、送り歯が前記針板よりも沈下した状態のときに、送り歯を移動させるように送り歯左右移動機構を制御するものである。
請求項5に係るジグザグミシンは、請求項4において、前記制御手段は、縫製開始後の縫針の第1針目の針落ち時に送り歯左右移動機構を制御するものである。
請求項6に係るジグザグミシンは、請求項1〜5の何れかにおいて、少なくとも複数種類の通常縫目のうちから縫製対象の模様を選択する為の模様選択手段を有し、模様選択手段により直線縫目が選択された場合にのみ、制御手段による送り歯左右移動機構の制御が有効化されるものである。
請求項7に係るジグザグミシンは、請求項1において、前記縫針の針落ち点の位置を検出する針落ち点検出手段を設け、制御手段は、針落ち点検出手段で検出された針落ち点の位置に基づいて前記送り歯左右移動機構を制御するものである。
請求項1の発明によれば、縫針が装着される針棒と、この針棒を左右方向に針振り揺動させる針振り機構と、ミシンベッド上面に配設される針板と、この針板より出没して加工布を送る複数の歯部を有する送り歯と、この送り歯を前後方向に移動させる送り歯前後動機構と、送り歯を左右方向に移動させる送り歯左右移動機構とを備えたジグザグミシンにおいて、縫針の針振り方向の針落ち点の位置に基づいて、複数の歯部のうちの縫針より布送り方向前進側の何れかの歯部を、針落ち点の位置の縫針の軸線を含む前後方向向きの鉛直面と交差する位置に位置させるように送り歯左右移動機構を制御する制御手段を設けたので、各縫目形成後に、上糸と下糸とが交絡した縫目が布押えと何れかの歯部とで必ず挟持される為、縫目形成後の布送りに伴って上糸が引き締められた場合でも、縫い皺が発生しなくなり、綺麗な縫目形成が可能になる。
請求項2の発明によれば、前記縫針の針落ち点の位置を設定する為の設定入力手段を備え、制御手段は、設定入力手段により設定された針落ち点の位置に基づいて送り歯左右移動機構を制御するので、針落ち点の位置の変更に伴って縫針の針落ち点の位置を設定するだけで、縫針の針落ち点の変更に応じて送り歯が左右方向に移動され、縫目を何れかの歯部で確実に挟持させることができる。その他請求項1と同様の効果を奏する。
請求項3の発明によれば、前記制御手段は、設定入力手段により設定された針落ち点の位置に縫針が位置するように針振り機構を制御するので、針振り機構のための制御手段を別途設けることなく、送り歯左右移動機構を制御する制御手段による針棒の針振り揺動が可能になる。その他請求項2と同様の効果を奏する。
請求項4の発明によれば、前記制御手段は、送り歯が針板よりも沈下した状態のときに、送り歯を移動させるように送り歯左右移動機構を制御するので、縫製実行中に、送り歯左右移動機構が制御されるような場合でも、送り歯の左右方向への移動による加工布の左右方向への移動を確実に防止することができる。その他請求項1〜3の何れかと同様の効果を奏する。
請求項5の発明によれば、前記制御手段は、縫製開始後の縫針の第1針目の針落ち時に送り歯左右移動機構を制御するので、縫製が開始された第1針目から、縫い皺の無い、綺麗な縫目を形成することができる。その他請求項4と同様の効果を奏する。
請求項6の発明によれば、少なくとも複数種類の通常縫目のうちから縫製対象の模様を選択する為の模様選択手段を有し、模様選択手段により直線縫目が選択された場合にのみ、制御手段による送り歯左右移動機構の制御が有効化されるので、直線縫目を綺麗に縫製できるとともに、飾り縫目等の直線縫目以外の縫目形成時であって、送り歯を左右方向へ移動させなくても綺麗な縫目が形成できる縫目形成時においては、制御手段による送り歯左右移動機構の不必要な駆動制御を確実に中止させることができる。その他請求項1〜5の何れかと同様の効果を奏する。
請求項7の発明によれば、前記縫針の針落ち点の位置を検出する針落ち点検出手段を設け、制御手段は、針落ち点検出手段で検出された針落ち点の位置に基づいて送り歯左右移動機構を制御するので、縫針の針落ち点の位置が何れであっても、送り歯が縫針の針落ち点の位置に対応する位置に即座に移動され、請求項1と同様の効果を奏する。
本実施例におけるジグザグミシンは、直線縫目による縫製を開始する開始時に、設定された縫針の針落ち点の位置に基づいて、送り歯に有する何れかの歯部がその針落ち点の位置に対応するように、送り歯が左右方向に移動されるようにしてある。
電子制御式ジグザグミシン(以下、単にミシンと言う)Mについて簡単に説明する。
図1に示すように、このミシンMは、一般的な家庭用の電子制御ミシンと同様のもで、ベッド部1と、ベッド部1の右端部から立設された脚柱部2と、脚柱部2の上端からミシンベッド部1に対向するように左方へ延びるアーム部3と、そのアーム部3の左部に設けられた頭部4とを有する。
頭部4の下側に対応するベッド部1の上面に針板5が設けられ、その針板5の下側に、送り歯6を上下動及び前後動させる布送り機構26に加えて、下糸ボビンを収容し縫針7と協働する水平回転釜(図示略)、糸切り機構(図示略)等が設けられている。針板5は矩形状に形成され、固定ビス5fでベッド部1に固定されている。
図12−3に示すように、針板5には、送り歯6に形成された複数の第1〜第4歯部6a〜6dが出没可能な角穴5a〜5dと、縫針7が貫通可能な幅広で湾曲状の針穴5eとが形成されている。各角穴5a〜5dの幅寸は、約3.0mmであり、各角穴5a〜5dの前後方向長さは、送り歯6による最大の前後送り量が可能な寸法になっている。また、針穴5eの左右幅は、縫針7が後述する針振り機構15により揺動する最大針振り寸法である「約7mm」以上になっている。
ここで、後述する送り台33に固着された送り歯6について簡単に説明する。図12−2,図12−3に示すように、送り歯6には、送り方向Dに長い左右1対の第1,第4歯部6a,6dと、これら第1,第4歯部6a,6dの内側に設けられ、針穴5eの布送り方向D前進側に対応する第2,第3歯部6b,6cを有する。
脚柱部2の前面には、縦型の液晶ディスプレイ10が設けられている。この液晶ディスプレイ10には、模様選択に際して複数種類の実用縫目や飾り縫目等の通常縫目が表示されるとともに、縫製作業に必要な各種の機能を実行させる機能名、更には各種のガイドメッセージ等が表示される。それ故、このミシンMにより、布送りと後述する針振りとを組み合わせて、直線縫いやジグザグ縫いの実用縫目だけでなく、各種の飾り縫目が縫製可能になっている。
液晶ディスプレイ10の前面には、多数のタッチキーを有する透明なタッチパネル11が設けられている。それ故、作業者は液晶ディスプレイ10に表示された複数種類の通常縫目のうちから、縫製に供する所望の縫目に対応するタッチキーを指で押圧操作するだけで簡単に模様選択でき、また機能名に対応するタッチキーを指で押圧操作するだけでその機能の実行を指示できるようになっている。
アーム部3には、ミシンモータ78(図14参照)で回転駆動される左右方向向きのミシン主軸(図示略)と、このミシン主軸を作業者により手動で回転操作可能なハンドプーリ(図示略)と、下端に縫針7を装着した針棒8を上下動させる針棒駆動機構と、針棒8を布送り方向と直交する左右方向に針振り揺動させる針振り機構15と、天秤を針棒8の上下動に調時して上下動させる天秤駆動機構(図示略)等が設けられている。
アーム部3の前面側には、縫製作業の起動と停止を指令する起動停止スイッチ12等、各種のスイッチが設けられている。尚、送り歯上下移動機構27と針棒駆動機構とは、ミシンモータ78で回転されるミシン主軸に連動して駆動されるが、後述する針振り機構15は針振りモータ23(図14参照)で駆動される。また、送り歯前後移動機構28は、ミシン主軸に連動して駆動されると共に前後移動モータ45(図12参照)により送り歯6の前後送り量が調整可能に構成される。
次に、針振り機構15について説明する。
図2に示すように、針振り機構15は、針棒台16、揺動レバー18、針振りモータ23、揺動カム22等を有する。
図2に示すように、上下方向に長い針棒台16は、針棒8と平行に針棒8に接近配設され、その上端部において枢支軸17によりミシン機Fに揺動可能に支持されている。また、針棒台16は、上下2つの上側枢支部16aと下側枢支部16bで針棒8を上下方向に移動可能に支持している。それ故、針棒8は、上下動可能で且つ針棒台16の揺動に応じて左右方向に針振りされる。
一方、縦方向に延びる揺動レバー18は、針棒台16の針棒8と反対側に配設され、上下方向の略中段部において、ミシン機Fに固着された枢支ピン19で揺動可能に枢支されている。揺動レバー18はその下端部において、針棒台16の下端部に固定されたカム体20に当接している。更に、揺動レバー18の上端部に水平向きの当接ピン21が固着されている。
針棒台16の後側に揺動カム22が配設され、揺動レバー18の当接ピン21が揺動カム22のカム面に当接している。針棒台16は、図示しないコイルバネによりその下端部において左向きに付勢され、当接ピン21が常に揺動カム22に当接するようになっている。揺動カム22は外周部にギヤが形成され、このギヤに、針振りモータ23の駆動軸に固着された駆動ギヤ24が噛合している。
それ故、揺動カム22は、針振りモータ23により時計回り又は反時計回りに回転駆動される。ところで、当接ピン21が当接する揺動カム22には、回動軸心からの距離が大きい半径拡大カム部22aと、回動軸心からの距離が小さい半径縮小カム部22bとを滑らかに連続させた曲面状のカム面が形成されている。
そこで、図3に示すように、針振りモータ23により揺動カム22が時計回りに回転し、当接ピン21が曲面状のカム面の半径縮小カム部22bに当接した場合、揺動レバー18の上端部が右方向に移動するため、揺動レバー18の下端部が左方に移動し、同時に針棒台16及び針棒8が左方の揺動位置に移動する。このときの縫針7の針落ち点の位置を左基線位置LPとする。
一方、図4に示すように、針振りモータ23の回転により揺動カム22が反時計回りに回転し、当接ピン21が曲面状のカム面の半径拡大カム部22aに当接した場合、揺動レバー18の上端部が左方に移動するため、揺動レバー18の下端部が右方に移動し、同時に針棒台16及び針棒8が右方に移動する。このときの縫針7の針落ち点の位置を右基線位置RPとする。ここで、縫針7の左基線位置LPが基本的な針落ち点の位置に設定されている。
そこで、左基線位置LPから右基線位置RPに至る縫針7の針振り寸法は約7mmである。ここで、縫針7が左基線位置LPと右基線位置RPの中間位置に移動した位置を中基線位置CPとする。即ち、縫針7が左基線位置LPから中基線位置CPに移動した振り幅は「約3.5mm」であり、縫針7が中基線位置CPから右基線位置RPに移動した振り幅は「約3.5mm」である。ここで、これら左基線位置LP、中基線位置CP、右基線位置RPは針落ち点の位置である。
次に、ベッド部1に設けられた布送り機構26について説明する。布送り機構26は、送り歯6を上下動させる送り歯上下移動機構27と、送り歯6を前後方向に移動させる送り歯前後移動機構28を有している。先ず、送り歯上下移動機構27について説明する。
図5,図6に示すように、送り歯上下移動機構27は、上下送りカム31と、上下動ピン37と、上下送り接触子39等を有している。ベッド部1内には、ミシン主軸に連動連結された下軸30が左右方向に配設され、その下軸30に、偏心カム部31aと同心カム部31bとを一体形成した上下送りカム31が固着されている。ここで、同心カム部31bのカム面の半径は、偏心カム部31aのカム面の最小半径と同一になっている。
送り歯6は、送り台32の上面の後端部に固着され、針板5に形成された複数の角穴5a〜5dから針板5の上側に突出した布送り位置(図5参照)と、針板5より下側の沈下位置(図6参照)とに亙って上下動可能になっている。
送り台32の前端側は左右に大きく開いた二股状の開脚部32a,32bを有する開脚状に形成され、各開脚部部32a,32bの前端部が対応する左右1対の前後揺動レバー33の上端部に枢支ピン34で夫々回動可能に枢支されている。前後揺動レバー33は、その下端部において枢支ピン35により図示外のフレームに揺動可能に枢支され、下軸30に固着された偏心カムからなる後述する前後送りカム43を介して送り歯前後動機構28により前後に揺動可能になっている。送り台32の後端部には、高さ調節用ボルト36が設けられ、この高さ調節用ボルト36の下端部が上下向きの上下動ピン37の上端部に当接している。
下軸30の後側に下軸30と平行に配設されたカム軸38に、上下送り接触子39が正面視にて左右方向にスライド可能に支持され、その先端部に形成されたカム接触子39aが偏心カム部31aと同心カム部31bとに択一的に接触する。上下送り接触子39は、図示外の圧縮コイルバネにより正面視にて左方向きに付勢されており、カム接触子39aが偏心カム部31aと接触する状態になっている。
前記送り台32の後端部は、図示外の引っ張りバネで常に下方に付勢されているため、高さ調節用ボルト36の下端部と上下動ピン37の上端部の当接状態と、上下動ピン37の下端部と上下送り接触子39の後端部に上向きに形成された当接部39bの当接状態と、カム接触子39aと偏心カム部31aの接触状態とが夫々保持されている。
それ故、カム接触子39aが偏心カム部31aに接触した状態で下軸30が所定回転方向に回転駆動されると、偏心カム部31aの回転により、カム接触子39aが上下揺動するため、上下送り接触子39を介して上下動ピン37が上下動し、送り台32の後端部が連動して上下動するので、送り歯6は図5に示す布送り位置と、図6に示す沈下位置とに亙って上下動する。
次に、送り歯前後移動機構28について説明する。この送り歯前後移動機構28は、前後揺動レバー33と、前後送りカム43と、送り調節器46と、セクタギヤ48と、前後移動モータ49等で構成されている。
図7、図8に示すように、前後揺動レバー33の正面視にて右端の略中段部には、後方に延びる揺動リンク41が正面視にて左右向きの支軸42により枢着されている。揺動リンク41の基端部には、揺動リンク41との間に、下軸30に固着した前後送りカム43を下側から挟むように位置するバネ板部材44が設けられ、揺動リンク41と前後送りカム43との間に隙間が生じないようになっている。
揺動リンク41の先端部には角駒45が回動自在に枢着され、後述する送り調節器46の角溝46aに摺動自在に装着されている。下軸30が回転駆動され、前後送りカム43が回転駆動されると、前後送りカム43によって揺動リンク41が上下に揺動駆動される。角溝46aは鉛直方向に対して傾斜しており、角駒45が角溝46a内を上下に往復移動するため、揺動リンク41の支軸42が前後揺動レバー33の枢支ピン35を中心として前後に揺動し、送り台32と送り歯6を前後に揺動駆動し、縫製対象の布が順々に後方へ送られることになる。
一方、図7,図8に示すように、金属製の送り調節器46の正面視にて左側面には角溝46aが形成されている。送り調節器46は、送り調節器46の角溝46aの角駒案内方向と直交する方向に正面視にて右方へ延びる金属製の軸部材47により図示外のフレームに回動可能に枢支されている。セクタギヤ48は金属板製のもので、送り調節器46の正面視にて右端面に固着され、その先端部にはギヤ部48aが円弧状に形成されている。
図示外のフレームに固定された前後移動モータ49のモータ軸にピニオンギヤ49aが固着され、このピニオンギヤ49aがギヤ部48aに噛合している。それ故、前後移動モータ49でピニオンギヤ49aを回動し、セクタギヤ48を軸部材47の回りに揺動させて送り調節器46の軸部材47の回りの回動角を調節して、送り量を調節する。即ち、送り調節器46の角溝46aの傾斜角が変化すると、揺動リンク41の基端側の支軸42の前後移動量が変化し、送り歯6の前後送り量が変化する。
次に、複数の第1〜第4歯部6a〜6dを有する送り歯6を左右方向に移動させる送り歯左右移動機構50について説明する。
図9〜図11に示すように、送り台32の右側において、鉛直向き且つ左右向きのフレーム51がミシン機Fに固着されている。そのフレーム51の前側に、ステッピングモータからなる左右移動モータ52が固着されている。その左右移動モータ52の駆動軸52aはフレーム51を挿通して後側に突出し、駆動軸52aの先端部に駆動ギヤ53が固定されている。
フレーム51の後面に、ほぼクランク状の揺動レバー54が配設され、揺動レバー54はその下側の角部においてピン55で回動自在に枢着されている。揺動レバー54の左端部にセクタギヤ56aを形成したギヤ部材56が連結され、そのセクタギヤ56aが駆動ギヤ53に噛合されている。揺動レバー54の上側の角部において、作動レバー57の右端部が第1連結機構58により連結されている。一方、作動レバー57の左端部は、第2連結機構60を介して布送り機構26の送り台32の右側開脚端部32bの前端部に、連結板61を介して連結されている。
第1連結機構58は、揺動レバー54に形成したテーパ状の凹部54aと、作動レバー57右端部に固着した球面部材57aとからなる自由継ぎ手として構成され、球面部材57aが凹部54aから外れないように、板バネ部材59で押圧付勢されている。
また、第2連結機構60は、連結板61に形成したテーパ状の凹部61aと、作動レバー57の左端部に固着した球面部材57bとからなる自由継ぎ手として構成され、球面部材57bが凹部61aから外れないように、板バネ部材62で押圧付勢されている。
それ故、送り歯6を有する送り台32は、作動レバー57の両端部に設けたこれら第1,第2連結機構58,60を介して、送り歯左右移動機構50により前後方向及び上下方向に移動可能になっている。
それ故、図12−1に示すように、左右移動モータ52が背面視にて反時計回りに回転した場合には、揺動レバー54が時計回りに回動して作動レバー57を左方に移動させ、作動レバー57を介して送り台32が左方に移動し(図12−2参照)、送り歯6の第1〜第4歯部6a〜6dは夫々対応する角穴5a〜5dの左側に移動する(図12−3参照)。
一方、図13−1に示すように、左右移動モータ52が背面視にて時計回りに回転した場合には、揺動レバー54が反時計回りに回動して作動レバー57を右方に移動させ、作動レバー57を介して送り台32が右方に移動し(図13−2参照)、送り歯6の第1〜第4歯部6a〜6dは夫々対応する角穴5a〜5dの右側に移動する(図13−3参照)。
ここで、送り歯6の各第1〜第4歯部6a〜6dの幅寸法は約1.4mmであり、各角穴5a〜5dの左右寸法は約3.0mmである。そこで、送り歯左右移動機構50により送り歯6が左右方向に移動する最大寸法が約1.6mmであるため、送り歯6が左方限界位置(図12−3参照)に移動したときの各第1〜第4歯部6a〜6dの左端位置から、送り歯6が右方限界位置(図13−3参照)に移動したときの各第1〜第4歯部6a〜6dの右端位置までは、約3.0mmになる。
即ち、針穴5eの後側の第2歯部6bは、縫針7が左基線位置LPから中基線位置CPまでの約3.5mmに対応し、針穴5eの後側の第3歯部6cは、縫針7が中基線位置CPから右基線位置RPまでの約3.5mmに対応する。
次に、電子制御式ジグザグミシンMの制御系について説明する。
図14に示すように、制御装置65(これが制御手段に相当する)は、入力インターフェース66と、CPU67とROM68及びRAM69と電気的に書換え可能な不揮発性のフラッシュメモリ70とを含むコンピュータと、出力インターフェース71と、これらを電気的に接続するデータバス等のバス72と、複数の駆動回路73〜76等から構成されている。
入力インターフェース66には、起動停止スイッチ12と、タッチパネル11と、ミシン主軸の回転位置を微小所定角度毎に検出する回転位置検出センサ77等が接続されている。出力インターフェース71には、ミシンモータ78,針振りモータ23,前後移動モータ45,左右移動モータ52の為の駆動回路73〜76と、液晶ディスプレイ(LCD)10の為のディスプレイコントローラ(LCDC)79等が接続されている。
ROM68には、各種の駆動機構26〜28を駆動制御するとともに、複数種類の実用縫目や飾り縫目のうちから所望の縫目を選択する模様選択制御や各種の表示制御を含む縫製制御プログラムに加えて、後述する本願特有の送り歯左右方向移動制御の制御プログラム等が予め格納されている。ROM68には、更に、図15に示すように、針落ち点位置/送り歯位置対応テーブルが格納されている。
この針落ち点位置/送り歯位置対応テーブルには、縫針7の左基線位置LPからの各針落ち点の位置までの針振り距離と、送り歯6の左限位置からの移動距離とが対応させて格納されている。この場合、針落ち点の位置が「左基線位置LP」から「3mm」の範囲のときに、送り歯6が左限位置から最大「1.6mm」まで移動する場合、縫製された下糸は第2歯部6bで挟まれ、針落ち点の位置が「4mm」から「右基線位置RP」の範囲のときに、送り歯6が左限位置から最大「1.6mm」まで移動する場合、縫製された下糸は第3歯部6cで挟まれる。
即ち、4つの第1〜第4歯部6a〜6dのうちの縫針7より布送り方向Dの前進側の何れかの第2,第3歯部6b,6cが、針落ち点の位置の縫針7の軸線H(図2参照)を含む前後方向向きのほぼ鉛直面I(図3,図4参照)と交差する位置に位置させるように移動される。
RAM69には、選択された縫目模様の模様番号を記憶する模様番号メモリ、CPU67で演算処理した演算結果を収容する各種メモリ、ポインタ、カウンタ等が必要に応じて設けられている。フラッシュメモリ70には、予め設定された各種のパラメータや縫製条件等が格納される。
次に、制御装置65で実行される送り歯左右方向移動制御のルーチンについて、図16のフローチャートに基づいて説明する。但し、図中の符号Si(i=11、12、13・・・)は各ステップである。
液晶ディスプレイ10に表示された機能名「送り歯左右方向移動」に対応するタッチキーが操作されると、この制御が開始され、先ず模様選択処理が実行される(S11)。この模様選択処理に際しては、図18に示すように、液晶ディスプレイ10には、例えば、複数種類の実用縫目が表示される。そこで、作業者は、所望の「実用縫目模様」のタッチキー11a,11b、・・・を操作することにより、模様選択が行われる。
次に、模様選択処理において、直線縫目が選択されなかった場合には(S12:No)、直ぐにこの制御を終了する。しかし、直線縫目が選択された場合には(S12:Yes )、針落ち点の位置を設定する針落ち点位置設定処理の為の設定制御(図17参照)が実行される(S13)。
この制御が開始されると、作業者は、先ず、液晶ディスプレイ10上の「振り幅」に関する「+」キー11f又は「−」キー11gを操作して、縫針7の針落ち点の位置を所望の位置に設定する。即ち、「+」キー11f又は「−」キー11gが操作される毎にこの制御が開始され、「+」キー11fが操作された場合に(S21:Yes )、振り幅設定値が最大値「7.0mm」の場合には(S22:Yes )、この制御を終了する。
しかし、振り幅設定値が最大値よりも小さい場合には(S22:No)、振り幅設定値が「0.5mm」だけインクリメントされる(S23)。次に、その更新された設定値が現在の振り幅設定値として上書き表示され(S24)、縫針7の針落ち点の位置が、「0.5mm」だけ右側に揺動され(S25)、この制御を終了する。
一方、「−」キー11gが操作された場合に(S21:No、S26:Yes )、振り幅設定値が最小値「0.0mm」の場合には(S27:Yes )、この制御を終了する。しかし、振り幅設定値が最小値よりも大きい場合には(S27:No)、振り幅設定値が「0.5mm」だけデクリメントされる(S28)。次に、その更新された設定値が現在の振り幅設定値として上書き表示され(S29)、縫針7の針落ち点の位置が、「0.5mm」だけ左側に揺動される(S30)。
次に、送り歯左右方向移動制御において、起動停止スイッチ12の操作により縫製が開始された場合に(S14:Yes )、回転位置検出センサ77から出力されるセンサ信号に基づいて、縫針7が最上位置から下降して、第1針目の針落ち時に達したとき、つまり送り歯6が針板5よりも沈下した状態のとき(S15:Yes )、針落ち点の位置に基づいて、送り歯6が左右方向に移動され(S16)、この制御を終了する。
即ち、S24又はS29により設定された振り幅設定値と、図15の針落ち点位置/送り歯6位置対応テーブルとに基づいて左右移動モータ52が駆動され、送り歯6の第2,第3歯部6b,6cのうちの何れかが、針落ち点の位置の縫針7の軸線Hを含む前後方向向きのほぼ鉛直面Iと交差する位置に位置する。
次に、このように構成された、電子制御式ジグザグミシンMの作用及び効果について説明する。
針落ち点の位置として、作業者により振り幅設定値が「0.0mm」であって、「左基線位置」に設定された場合には、図19に示すように、針落ち点位置/送り歯6位置対応テーブルに基づいて、針落ち点の位置は「0.0mm」であるため、送り歯6は左限位置、つまり「0.0mm」の位置に移動される。
また、振り幅設定値が「0.5mm」に設定された針落ち点の位置「0.5mm」の場合には、送り歯6は「0.5mm」の位置に移動される。以下同様にして、針落ち点の位置(振り幅設定値)が「0.5mm」ずつ増加されて、中基線位置CPの近傍の「3.0mm」までは、送り歯6は微小量(0.5mm)ずつ右方に移動され、最終的に「1.6mm」の右限位置に移動(図20参照)される。この場合には、縫製された各縫目が送り歯6の第2歯部6bにより布押えと協働して確実に挟まれることになる。
一方、振り幅設定値が「4.0mm」に設定され、縫針7の針落ち点の位置が中基線位置CPを越えた「4.0mm」の場合には、送り歯6は「0.0mm」の左限位置に復帰移動(図21照)される。その後前述したのと同様にして、針落ち点の位置(振り幅設定値)が「0.5mm」づつ増加されて、右基線位置RP「7.0mm」までは、送り歯6は微小量(0.5mm)ずつ右方に移動され、最終的に「1.6mm」の右限位置に移動(図22参照)される。この場合には、縫製された各縫目が送り歯6の第3歯部6cにより布押えと協働して確実に挟まれることになる。
このように、縫針7が装着される針棒8と、この針棒8を左右方向に針振り揺動させる針振り機構15と、ベッド部1上面に配設される針板5と、この針板5より出没して加工布を送る複数の第1〜第4歯部6a〜6dを有する送り歯6と、この送り歯6を前後方向に移動させる送り歯前後動機構28と、送り歯6を左右方向に移動させる送り歯左右移動機構50とを備えたジグザグミシンMにおいて、縫針7の針振り方向の針落ち点の位置に基づいて、複数の第1〜第4歯部6a〜6dのうちの縫針7より布送り方向D前進側の何れかの第2,第3歯部6b,6cを、針落ち点の位置の縫針7の軸線Hを含む前後方向向きのほぼ鉛直面Iと交差する位置に位置させるように送り歯左右移動機構50が制御されるので、各縫目形成後に、上糸と下糸とが交絡した縫目が布押えと何れかの第2,第3歯部6b,6cで確実に挟持される為、縫目形成後の布送りに伴って上糸が引き締められた場合でも、縫い皺が発生しなくなり、綺麗な縫目形成が可能になる。
また、縫針7の針落ち点の位置を設定可能に構成し、その設定された針落ち点の位置に基づいて送り歯左右移動機構50が制御されるので、針落ち点の位置の変更に伴って縫針7の針落ち点の位置を設定するだけで、縫針7の針落ち点の変更に応じて送り歯6が左右方向に移動され、縫目を何れかの第2,第3歯部6b,6cで確実に挟持させることができる。
また、設定された針落ち点の位置に縫針7が位置するように針振り機構15が制御されるので、針振り機構15のための制御手段を別途設けることなく、送り歯左右移動機構50を制御する制御装置65による針棒8の針振り揺動が可能になる。
また、送り歯6が針板5よりも沈下した状態のときに、送り歯6を移動させるように送り歯左右移動機構50が制御されるので、縫製実行中に、送り歯左右移動機構50が制御されるような場合でも、送り歯6の左右方向への移動による加工布の左右方向への移動を確実に防止することができる。
また、縫製開始後の縫針7の第1針目の針落ち時に送り歯左右移動機構50が制御されるので、縫製が開始された第1針目から、縫い皺の無い、綺麗な縫目を形成することができる。
更に、模様選択処理により直線縫目が選択された場合にのみ、送り歯左右移動機構50の制御が有効化されるので、直線縫目が綺麗に縫製できるとともに、飾り縫目等の直線縫目以外の縫目形成時においては、送り歯左右移動機構50の不必要な駆動制御を確実に中止させることができる。
次に、前記実施例の変更形態について説明する。
1〕図23に示すように、針板5Aの下面の針穴5eの近傍位置に、太さ約50μの2本のグラスファイバー82a,82bを束ねたグラスファイバー対82が、各針落ち点の位置に対応させるように、左基線位置LPから右基線位置RPに亙って0.5mm間隔で15組貼着されている。グラスファイバー対82のうちの一方のグラスファイバー82aは発光用であり、他方のグラスファイバー82bは受光用である。
それ故、各グラスファイバー対82は、縫針7がそのグラスファイバー対82に対応する針落ち点の位置に左右方向に移動した場合に限って、発光用グラスファイバー82aから発光された発射光が縫針7で反射されるので、その反射光を受光用グラスファイバー82bが受光する。
このように、複数のグラスファイバー対82のうちの受光用グラスファイバー82bで反射光を受光したグラスファイバー対82に基づいて、縫針7の左右方向における針落ち点の位置が検出可能になり、その検出された針落ち点の位置に基づいて送り歯左右移動機構50が制御されるので、縫針7の針落ち点の位置が何れであっても、送り歯6が縫針7の針落ち点の位置に対応する位置に即座に移動され、前記実施例と同様の効果を奏する。ここで、複数のグラスファイバー対82等で針落ち点検出手段が構成されている。
2〕送り歯6は複数の第1〜第5歯部からなり、これら複数の第1〜第5歯部のうちの縫針より布送り方向D前進側の何れかの第2〜第4歯部の左右位置を、針落ち点の位置の縫針の軸線Hを含む前後方向向きのほぼ鉛直面Iと交差するように位置させるように、送り歯左右移動機構50を制御するようにしてもよい。
3〕電子制御式ジグザグミシンMが、加工布を左右方向に布送りする加工布横送り機構を有する場合には、送り歯6の左右方向移動が達成できるように、その加工布横送り機構を制御するようにしてもよい。
4〕本発明は以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、当業者でれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施形態に種々の変更を付加して実施することができ、本発明はそれらの変更形態をも包含するものである。
本発明の実施例に係る電子制御式ジグザグミシンの斜視図である。 針振り機構の正面図である。 左基線位置に揺動した図2相当図である。 右基線位置に揺動した図2相当図である。 送り歯上下移動機構の左側面図である。 送り歯上下移動機構の左側面図である。 送り歯前後移動機構の左側面図である。 送り歯前後移動機構の右側面図である。 送り台及び送り歯左右移動機構の平面図である。 布送り機構及び送り歯左右移動機構の正面図である。 送り歯左右移動機構の背面図である。 送り歯を左限位置に移動させた送り歯左右移動機構の背面図である。 左限位置に移動させた送り台の平面図である。 左限位置に移動させた送り歯の平面図である。 送り歯を右限位置に移動させた送り歯左右移動機構の背面図である。 右限位置に移動させた送り台の平面図である。 右限位置に移動させた送り歯の平面図である。 電子制御式ジグザグミシンの制御系のブロック図である。 針落ち点位置/送り歯位置対応テーブルの設定値を示す図表である。 送り歯左右方向移動制御のフローチャートである。 針落ち点位置設定制御のフローチャートである。 液晶ディスプレイに表示された模様選択画面の表示例を示す図である。 縫針が左基線位置に位置するときの送り歯及び針板の平面図である。 縫針が中基線位置付近に位置するときの送り歯及び針板の平面図である。 縫針が中基線位置付近に位置するときの送り歯及び針板の平面図である。 縫針が右基線位置に位置するときの送り歯及び針板の平面図図である。 複数のグラスファイバー対を設けた針板の背面図である。
M 電子制御式ジグザグミシン
1 ベッド部
5 針板
6 送り歯
6b 第2歯部
6c 第3歯部
7 縫針
8 針棒
11 タッチパネル
15 針振り機構
28 送り歯前後移動機構
50 送り歯左右移動機構
65 制御装置
82 グラスファイバー対
H 軸線
I 鉛直面

Claims (7)

  1. 縫針が装着される針棒と、この針棒を左右方向に針振り揺動させる針振り機構と、ミシンベッド上面に配設される針板と、この針板より出没して加工布を送る複数の歯部を有する送り歯と、この送り歯を前後方向に移動させる送り歯前後動機構と、前記送り歯を左右方向に移動させる送り歯左右移動機構とを備えたジグザグミシンにおいて、
    前記縫針の針振り方向の針落ち点の位置に基づいて、前記複数の歯部のうちの前記縫針より布送り方向前進側の何れかの歯部を、前記針落ち点の位置の前記縫針の軸線を含む前後方向向きの鉛直面と交差する位置に位置させるように前記送り歯左右移動機構を制御する制御手段を備えたことを特徴とするジグザグミシン。
  2. 前記縫針の針落ち点の位置を設定する為の設定入力手段を備え、
    前記制御手段は、前記設定入力手段により設定された前記針落ち点の位置に基づいて前記送り歯左右移動機構を制御することを特徴とする請求項1に記載のジグザグミシン。
  3. 前記制御手段は、前記設定入力手段により設定された前記針落ち点の位置に前記縫針が位置するように前記針振り機構を制御することを特徴とする請求項2に記載のジグザグミシン。
  4. 前記制御手段は、前記送り歯が前記針板よりも沈下した状態のときに、前記送り歯を移動させるように前記送り歯左右移動機構を制御することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のジグザグミシン。
  5. 前記制御手段は、縫製開始後の前記縫針の第1針目の針落ち時に前記送り歯左右移動機構を制御することを特徴とする請求項4に記載のジグザグミシン。
  6. 少なくとも複数種類の通常縫目のうちから縫製対象の模様を選択する為の模様選択手段を有し、前記模様選択手段により直線縫目が選択された場合にのみ、前記制御手段による前記送り歯左右移動機構の制御が有効化されることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のジグザグミシン。
  7. 前記縫針の針落ち点の位置を検出する針落ち点検出手段を設け、
    前記制御手段は、前記針落ち点検出手段で検出された針落ち点の位置に基づいて前記送り歯左右移動機構を制御することを特徴とする請求項1に記載のジグザグミシン。
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