JP4665435B2 - 樹脂粒子及びその製造方法、静電荷現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤並びに画像形成方法。 - Google Patents
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Description
この混練粉砕法は、熱可塑性樹脂等を顔料、帯電制御剤、ワックスなどの離型剤等と共に溶融混練し、冷却後にこの溶融混練物を微粉砕し、これを分級して所望のトナー粒子を製造する方法である。なお、前記混練粉砕法により製造されたトナー粒子には、流動性やクリーニング性等を改善する目的で、必要に応じてその表面にさらに無機及び/又は有機の微粒子が添加されたりする。
具体例としては、熱溶融混練させ、冷却後、微粉砕させ、分級による方法、ビニル単量体を組み合わせ、これに顔料、離型剤、帯電制御剤などを添加混合分散させ、懸濁して、加熱ラジカル重合させて、トナーを作成する方法などが提案されている。
その結果、前記二成分系現像剤においては、微粉化されたトナー粒子がキャリア表面へ固着して前記現像剤の帯電劣化が加速されたり、前記1成分系現像剤においては、粒度分布が拡大し、微粉化されたトナー粒子が飛散したり、トナー形状の変化に伴い現像性が低下し、画質の劣化が生じたりするという問題が生ずる。
また、このようなトナーをクリーニング処理により回収して再び現像機に戻して再利用すると、画質の劣化が生じ易いという問題がある。これらの問題を防ぐため、さらに流動性助剤の量を増加することも考えられるが、この場合、感光体上への黒点の発生や流動性助剤の粒子飛散を招くという問題が生ずる。
また、かかる粒度分布の広いトナーは、クリーニング機能やトナーリサイクル機能等を有するシステムにおいても信頼性に劣るという問題がある。高画質と高信頼性とを同時に実現するためには、トナーの粒度分布をシャープ化し、小径化かつ粒径均一化することが必要になる。
しかし、特にカラー画像においては、分子量が異なる複数の樹脂やゲル成分によって、定着画像の混色性、画像表面の平滑性、更には画像の透明性等が損なわれ、著しく劣った画質になり、特にフィルム上へ画像を定着した場合、この影響は極めて大きいものとなる。逆に、樹脂を1種にし分子量を一定にし、あるいはゲル成分を含有しない樹脂を用いると、前記定着画像の混色性、画像表面の平滑性、画像の透明性等は問題ないものの、特に離型剤を大量に添加した場合には、トナーの粘性が低下してしまい、高温側のオフセットはより発生し易くなる。
しかしながら、この場合、定着時にオイルが紙面乃至フィルムへ移行し、画像のベタつき感が生じてしまう等の問題があった。また、紙面の場合、前記オイルにより該紙面の表面エネルギーが低下するため、定着画像が形成された紙面へのペン等による書き込みが困難になる等の問題があった。更に、フィルムの場合、該フィルムに残留する前記オイルにより、定着画像の透明性が悪化してしまう等の問題があった。
また、結晶性ポリエステルを加熱溶融させ、水中に微粒子化させ、この分散樹脂粒子と、着色剤、ワックスの分散粒子を凝集、合一させて、トナーを作成する方法も提案されている。しかし、この手法では、ポリエステル樹脂を高い温度で加熱する必要があり、環境負荷の点では、満足の行くものではなかった。
また、特定の環状ケテンアセタールを使用したゴム組成物が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。しかし、、該構成では、本提案であるトナー製造プロセスでトナーを製造することが出来ない。
さらに本発明は、ソリッド溶融ムラ、背景部汚れが起こらず、定着強度及び塩ビ付着性に優れ、定着時の異臭の発生を抑えることのできる静電荷現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤並びに画像形成方法を提供することを目的とする。
<1> スチレンを含むビニル系単量体と、下記一般式(1)で表される環状ケテンアセタール化合物と、ラジカル重合開始剤と、を含有する樹脂前駆体組成物を乳化して前記樹脂前駆体組成物の液滴を形成する乳化工程と、前記液滴中の前記スチレンを含むビニル系単量体と前記環状ケテンアセタール化合物とを重合してビニル系共重合体を合成する重合工程と、を少なくとも有する樹脂粒子の製造方法である。
さらに本発明によれば、ソリッド溶融ムラ、背景部汚れが起こらず、定着強度及び塩ビ付着性に優れ、定着時の異臭の発生を抑えることのできる静電荷現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤並びに画像形成方法を提供するとができる。
<樹脂粒子及びその製造方法>
本発明の樹脂粒子の製造方法は、ビニル系単量体と、下記一般式(1)で表される環状ケテンアセタール化合物と、ラジカル重合開始剤と、を含有する樹脂前駆体組成物を乳化して前記樹脂前駆体組成物の液滴を形成する乳化工程と、前記液滴中の前記ビニル系単量体と前記環状ケテンアセタール化合物とを重合してビニル系共重合体を合成する重合工程と、を少なくとも有する。
また、前記樹脂前駆体組成物は、それを水中に投入して高速攪拌することにより乳化される。水中で前記ビニル系単量体及び前記環状ケテンアセタール化合物が重合を起こしてポリマーとなるため、水中の前記ビニル系単量体及び前記環状ケテンアセタール化合物の含有量を最小限にとどめることができる。その結果として、樹脂粒子の製造で生ずる排水の処理が容易になる。
前記ビニル系単量体の分子量は、50〜500が好ましく、70〜300がさらに好ましい。前記ビニル系単量体の分子量が特に70〜250であると、環状ケテンアセタールとの反応により得られる樹脂のガラス転移温度を、40℃〜150℃とすることができる。
これらのビニル系単量体は、単独で用いても良いし、複数の単量体を組み合わせてもよい。また、水中での分散安定性のために、メタクリル酸、アクリル酸、その他、水中で解離する置換基、スルフォン基、アミノ基、水酸基、を有するビニル系単量体を含有しても良い。
これらの架橋剤は、単独、又は、複数組み合わせてもちいることが出来る。架橋材は、ビニル系単量体100質量部に対して、通常、0〜10質量部の割合で用いられる。
前記脂肪族基は、置換基を有していてもよい。前記脂肪族基中の炭素数は特に制約されないが、通常、1〜22、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜8である。
前記脂肪族基がエーテル結合を含む場合、前記脂肪族基に含まれるエーテル結合の数は特に制約されず、1つ又は複数であってもよい。エーテル結合を含む脂肪族基の具体例としては、例えば、ポリオキシメチレン、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン等が挙げられる。
前記脂肪族基は、置換基を有していてもよいが、前記置換基の具体例としては、アルキル基、アリール基、アルアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルアルキルオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、ヒドロキシル基、チオール基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ケト基、アミノ基、ハロゲン等の各種のものが挙げられる。
前記ラジカル重合開始剤は、前記ビニル系単量体と前記環状ケテンアセタール化合物との合計量100質量部に対して、通常、0.1〜20質量部、好ましくは1〜10質量部の割合で用いられる
また、環状ケテンアセタール化合物がラジカル開環重合することにより、主鎖骨格にエステル結合が導入されるため、分子−分子間での水素結合力が増すことにより、後述する静電荷現像用トナーの定着像強度が高まる。また、エステル基が多く存在することにより、塩ビ付着が防止される。
本発明の静電荷現像用トナーの製造方法は、本発明の樹脂粒子を分散させてなる樹脂粒子分散液と、着色剤を分散させてなる着色剤分散液と、離型剤を分散させてなる離型剤分散液とを混合して、樹脂粒子と着色剤と離型剤とを含む凝集粒子を形成して凝集粒子分散液を得る凝集工程と、前記凝集粒子を加熱して融合させる融合工程と、を少なくとも有する。
本発明の静電荷現像用トナーの製造方法は、更に、必要に応じて適宜その他の工程を含むことができる。例えば、前記凝集工程の後であって前記融合工程の前に、前記凝集粒子分散液中に、微粒子を分散させてなる微粒子分散液を添加混合して前記凝集粒子に前記微粒子を付着させて付着粒子を形成する工程(以下「付着工程」と称することがある)を好適に含むことができる。
以下、本発明において静電荷現像用トナーを単にトナー又はトナー粒子と称することがある。
前記凝集粒子は、ヘテロ凝集等により形成され、例えば、添加される分散液と添加する分散液とに含まれるイオン性界面活性剤の極性・量のバランスを予めズラしておき、前記バランスのズレを補填するような極性・量のイオン性界面活性剤を添加することにより形成される。
前記着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料;アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系などの各種染料;などが挙げられる。これらの着色剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
更に、前記平均粒径が0.5μm以下であると、得られるトナー粒子が、発色性、色再現性、OHP透過性等に優れる点で有利である。なお、前記平均粒径は、例えばマイクロトラックなどを用いて測定することができる。
本発明の静電荷現像用トナーの製造方法の場合、通常の混練工程とは異なり、凝集工程乃至融合工程によりトナー粒子を得るため、通常の混練工程において離型剤に与える機械的ストレスよりも、該凝集工程乃至融合工程において離型剤に与える機械的ストレスの方が遙に小さくなる。このため、本発明の静電荷現像用トナーの製造方法においては、該離型剤と前記樹脂との相溶性に関係なく、トナー粒子内に含まれる離型剤の分散単位を制御することができる。その結果、本発明の静電荷現像用トナーの製造方法により得られるトナーにおいて、その中に含まれる離型剤は、前記樹脂粒子の樹脂との相溶性に富むものであっても、十分な離型効果を示す。
本発明においては、これらの離型剤の中でも後述の実施例において用いたものは特に好ましい。これらの離型剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記滑剤としては、例えば、エチレンビスステアリル酸アミド、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩が挙げられる。
前記研磨材としては、例えば、前述のシリカ、アルミナ、酸化セリウムなどが挙げられる。
なお、前記攪拌手段としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の攪拌装置等の中から適宜選択することができる。前記混合は、混合液に含まれる樹脂のガラス転移点以下の温度で行うのが好ましい。この温度条件下で前記混合を行うと、凝集が安定した状態で行うことができる。
一般に、前記樹脂粒子の樹脂、着色剤、離型剤等の種類乃至その極性等によっては、凝集し難い場合があり、凝集時に特定の材料粒子が遊離してしまい、所望のトナー組成が得られないこともある。具体的には、通常トナーに使用されるポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系の離型剤は、極性が小さく、しかも樹脂粒子の樹脂との相溶性に極めて乏しいため、凝集時において遊離する傾向が顕著である。遊離した離型剤の量が多くなると、トナー本来の諸特性が損なわれる上、該遊離した離型剤が現像時に現像機から溢れて該現像機内を汚染したり、該遊離した離型剤が現像機内での機械的ストレスにより破壊乃至合着して現像スリーブにフィルミングしてしまう等の問題が生じ得る。
しかし、上述のようにして凝集粒子を形成させると、かかる問題を招くことがなく、例えば、前記樹脂粒子における樹脂と前記着色剤との極性が同じであっても、反対極性の界面活性剤を加えることにより、容易に該樹脂粒子と該着色剤とによる均一な凝集粒子を形成することができる点で有利である。
前記樹脂粒子等の微粒子を、前記凝集粒子の表面に均一に付着させて付着粒子を形成し、該付着粒子を後述の融合工程において加熱融合すると、前記凝集粒子が着色剤や離型剤等を含有する場合には、これらの表面が前記微粒子による素材で被覆され(シェルが形成され)るので、これらの離型剤等のトナー粒子からの露出等を効果的に防止することができる。
また、この付着工程において、前記微粒子としてワックス等の離型剤を分散させてなる離型剤微粒子分散液を添加混合し、その後、前記微粒子として硬度の高い樹脂や無機粒体を分散させてなる微粒子分散液を添加混合すると、トナー粒子の最表面に硬度の高い樹脂や無機粒体によるシェルを形成することができる。この場合、ワックスの露出を抑制しながら、ワックスが定着時には有効に離型剤として働くようにすることができる。以上により、例えば、トナー粒子の表面を、樹脂で被覆したり、帯電制御剤で被覆したりすること等ができ、着色剤や離型剤をトナー粒子の表面近傍に存在させることができる。
例えば、J. Am. Oil Chem. Soc.,27,276(1950)におけるE.S.Luttonによると、数種の多形があり、それらはそれぞれに融点が異なることが報告されている。
通常、これら複数の多形の融点を制御するために最も一般的に行われれるのは、熱処理である。この熱処理の条件を検討した結果、融合後のトナー粒子を、1〜50℃/分で冷却することによって、同一の離型剤であっても、高融点を示すこと可能になることが見い出された。この冷却によると、同じ離型剤を用いても離型剤の融点が上昇するため、トナーの保存性が良好となるからである。本発明において、前記冷却の割合としては、1〜50℃/分が好ましく、5〜50℃/分がより好ましく、10〜50℃/分が特に好ましい。なお、50℃/分を越えても同様の効果は見られるが、冷却のための設備が大型化する必要がある点で不利であり、一方、1℃/分未満であると離型剤の融点を上げることが困難となる点で不利である。
本発明の静電荷現像用トナーは、本発明の静電荷現像用トナーの製造方法により製造されるので、混練粉砕法等により製造される場合と異なり、その平均粒径が小さく、しかもその粒度分布がシャープである。
前記静電荷現像用トナーの平均粒径としては、2〜9μmが好ましく、3〜8μmがより好ましい。前記平均粒径が、2μm未満であると、帯電性が不十分になり易く、現像性が低下する場合があり、9μmを越えると、画像の解像性が低下する場合がある。
本発明の静電荷現像用トナーは、本発明の樹脂粒子を用いて製造されるため、該トナー中に残留溶媒が含まれない。その結果として、本発明の静電荷現像用トナーは、トナー保存性及び定着画像安定性を向上させることができ、さらにトナー定着時の残留溶媒由来の異臭の発生を抑えることができる。
本発明の静電荷像現像剤は、少なくとも、本発明の静電荷現像用トナーを含む。本発明の静電荷像現像剤は、本発明の静電荷現像用トナーを含有することの外は特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成をとることができる。本発明の静電荷像現像剤は、本発明の静電荷現像用トナーを、単独で用いると一成分系の静電荷像現像剤として調製され、また、キャリアと組み合わせて用いると二成分系の静電荷像現像剤として調製される。
これらの樹脂は、1種単独で使用してもよいし、あるいは2種以上併用してもよい。該被覆樹脂の量としては、キャリアに対して0.1〜10質量部程度であり、0.5〜3.0質量部が好ましい。前記キャリアの製造には、加熱型ニーダー、加熱型ヘンシェルミキサー、UMミキサーなどを使用することができ、前記被覆樹脂の量によっては、加熱型流動転動床、加熱型キルンなどを使用することができる。
本発明の画像形成方法は、潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、現像剤担持体に担持された現像剤を用い、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー画像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー画像を熱定着する定着工程と、を含み、前記現像剤として本発明の静電荷像現像剤が用いられる。
前記各工程は、それ自体一般的な工程であり、例えば、特開昭56−40868号公報、特開昭49−91231号公報等に記載されている。なお、本発明の画像形成方法は、それ自体公知のコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することができる。
このリサイクル工程を含む態様の画像形成方法は、トナーリサイクルシステムタイプのコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することができる。また、クリーニング工程を省略し、現像と同時にトナーを回収する態様のリサイクルシステムにも適用することができる。
静電荷現像用トナーの平均粒径は、コールターカウンター(コールター社製、TA2型)を用いて測定した。樹脂粒子、着色剤、及び離型剤の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(堀場制作所製、LA−700)を用いて測定した。
○:定着画像のソリッド部を目視で観察した時、光沢部分と非光沢部(グロスの低い部分)との判別がつかないか、もしくは、均一で、光沢部と非光沢部に違和感がない。
×:明らかに、光沢部と非光沢部のエリアが目立ち、違和感がある。
○:目視において、トナー付着が判別つかない。
×:目視において、トナー汚れが目立ち、用紙の色に対し、違和感がある。
定着方法は、上記改造機の定着部分を外し、別途、温度制御が可能な定着ベンチを試作し、これを用いた。定着条件は、定着後の画像グロス(光沢度)が30%(75−75度測定/3GM−260TYPE:村上色彩研究所製)になるように定着条件を調整し、定着画像を得た。
得られた定着サンプルを半分に曲げた後、500g程度の過重を有するロール(外形600mm 真鍮製)にて、一定のスピードで、この折り曲げた所の上を転がし、定着画像の折り目をウエスで、軽くこすり、像の欠落状態を観察した。
評価は以下の基準により、官能評価で実施した。
△:白いかすかな折り目がみられ、部分的に像が欠落している。
×:白い帯状の折り目が目立ち、像の欠落が半分以上見られる。
次に、この塩ビフィルムを剥ぎ取り、画像の欠落状態を以下の基準により評価した。
×:画像欠陥がある。
<樹脂粒子分散液(1)の調製>
2−メチレン−1,3−ジオキセパン 200部
アクリル酸ブチル 200部
アクリル酸 20部
AIBN(アゾビスイソブチロニトリル) 10部
以上(いずれも和光純薬(株)製)を混合し、溶解したものを、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製:ノニポール85)8部及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)10部をイオン交換水582部に溶解したものに、フラスコ中で分散し、平均粒子径が1μm以下になるように、乳化調製し、窒素置換を行った後、反応温度70℃で重合を7時間おこない、樹脂粒子分散液(1)を調製した。
<樹脂粒子分散液(2)の調製>
2−メチレン−1,3ジオキソラン 200部
スチレン 200部
アクリル酸ブチル 50部
アクリル酸 10部
AIBN 10部
以上(いずれも和光純薬(株)製)を混合し、溶解したものを、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製:ノニポール85)8部及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)10部をイオン交換水582部に溶解したものに、フラスコ中で分散し、平均粒子径が1μm以下になるように、乳化調製し、10分間ゆっくりと混合しながら、窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、7時間そのまま乳化重合を継続して樹脂粒子分散液(2)を調製した。
<樹脂粒子分散液(3)の調製>
2−メチレン−1,3−ジオキセパン 100部
スチレン 250部
nブチルアクリレート 30部
アクリル酸 8部
ドデカンチオール 24部
四臭化炭素 4部
以上を混合し、溶解したものを、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製:ノニポール400)6g及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)10gをイオン交換水550gに溶解したものに、フラスコ中で分散し、乳化し、10分ゆっくりと混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4gを溶解したイオン交換水50gを投入し、窒素置換を行った後、前記オイルバスで加熱し、7時間そのまま乳化重合を継続し、樹脂粒子分散液(3)を調製した。
<比較樹脂粒子分散液(1)の調製>
スチレン 100部
アクリル酸ブチル 100部
アクリル酸 4部
AIBN 10部
以上(いずれも和光純薬(株)製)を混合し、溶解したものを、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製:ノニポール85)8部及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)10部をイオン交換水582部に加え、ローター・ステ−ター・タイプ・ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)により、平均粒子径が1μm以下になるように、乳化調製した。その後、10分間ゆっくりと混合しながら、窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、7時間そのまま乳化重合を継続して比較樹脂粒子分散液(1)を調製した。
<静電荷現像用トナー(1)の調製>
−着色剤分散液(1)の調製−
フタロシアニン顔料 60部
(大日精化(株)製:PV FAST BLUE)
アニオン性界面活性剤 2部
(三洋化成(株)製:イオネットD−2)
イオン交換水 300部
以上を混合し、溶解し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散し、平均粒径が160nmである着色剤(フタロシアニン顔料)を分散させてなる着色剤分散液(1)を調製した。
ペンタエリスリトールのベヘン酸エステル 100部
(理研ビタミン社製、リケスターEW−861、HLB=3.2)
アニオン性界面活性剤 6部
(第一工業製薬社製:ネオゲンSC)
イオン交換水 1000部
以上を90℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒径が330nmである離型剤(ペンタエリスリトールのベヘン酸エステル)を分散させてなる離型剤分散液(1)を調製した。
樹脂粒子分散液(1) 240部
着色剤分散液(1) 40部
離型剤分散液(1) 100部
カチオン性界面活性剤 2部
(花王(株)製:サニゾールB50)
イオン交換水 300部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中に収容させ、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、加熱用オイルバス中で47℃まで加熱した。47℃で30分間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると平均粒径が約5.1μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
この凝集粒子分散液中に、樹脂微粒子分散液としての樹脂粒子分散液(1)を緩やかに50部追加し、さらに加熱用オイルバスの温度を上げて48℃で1時間保持した。光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約5.5μmである付着粒子が形成されていることが確認された。
ここにアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)6部を追加した後、攪拌を継続しながら94℃まで加熱し、5時間保持した。その後、10℃/分の割合で冷却した後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥させることにより静電荷現像用トナー(1)を得た。
得られた静電荷現像用トナー(1)の平均粒径は、5.7μmであった。得られた静電荷現像用トナー(1)100部に対して、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製、R972)1部を外添し、ヘンシェルミキサーを用いて混合することにより、外添静電荷現像用トナー(1)を得た。
フェライト粒子(パウダーテック社製、平均粒径50μm)100部とメタクリレート樹脂(三菱レイヨン社製、分子量95000)1部とを、トルエン500部と共に加圧式ニーダーに入れ、常温で15分間混合した後、減圧混合しながら70℃まで昇温し、トルエンを留去した後、冷却し、105μmの篩を用いて分粒することにより、フェライトキャリア(樹脂被覆キャリア)を作製した。このフェライトキャリアと、外添静電荷現像用トナー(1)とを混合し、トナー濃度が7質量%である二成分系の静電荷像現像剤(1)を作製した。静電荷像現像剤(1)を用いて上述の通り画像形成を行い、評価を行った。
<静電荷現像用トナー(2)の製造>
−凝集粒子の調製(凝集工程)−
樹脂粒子分散液(2) 250部
着色剤分散液(1) 40部
離型剤分散液(1) 130部
カチオン性界面活性剤 5部
(花王(株)製:コターミン24P)
イオン交換水 300部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中に収容させ、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、加熱用オイルバス中で48℃まで加熱した。48℃で30分間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると平均粒径が約5.0μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
この凝集粒子分散液中に、樹脂微粒子分散液としての樹脂粒子分散液(2)を緩やかに50部追加し、さらに加熱用オイルバスの温度を上げて51℃で1時間保持した。光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約5.3μmである付着粒子が形成されていることが確認された。
ここにアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)7部を追加した後、攪拌を継続しながら90℃まで加熱し、5時間保持した。その後、40℃/分の割合で室温まで冷却した後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥させることにより静電荷現像用トナー(2)を得た。
得られた静電荷現像用トナー(2)の平均粒径は、5.6μmであった。得られた静電荷現像用トナー(2)100部に対して、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製、R972)1部を外添し、ヘンシェルミキサーを用いて混合することにより、外添静電荷現像用トナー(2)を得た。
外添静電荷現像用トナー(2)を用い、実施例4と同様にして静電荷像現像剤(2)を作製した。静電荷像現像剤(2)を用いて上述の通り画像形成を行い、評価を行った。
<静電荷現像用トナー(3)の製造>
−凝集粒子の調製(凝集工程)−
樹脂粒子分散液(3) 250部
着色剤分散液(1) 40部
離型剤分散液(1) 130部
カチオン性界面活性剤 5部
(花王(株)製:コターミン24P)
イオン交換水 300部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中に収容させ、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、加熱用オイルバス中で48℃まで加熱した。48℃で30分間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると平均粒径が約5.0μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
この凝集粒子分散液中に、樹脂微粒子分散液としての樹脂粒子分散液(3)を緩やかに50部追加し、さらに加熱用オイルバスの温度を上げて51℃で1時間保持した。光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約5.3μmである付着粒子が形成されていることが確認された。
ここにアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)7部を追加した後、攪拌を継続しながら90℃まで加熱し、5時間保持した。その後、40℃/分の割合で室温まで冷却した後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥させることにより静電荷現像用トナー(3)を得た。
得られた静電荷現像用トナー(3)の平均粒径は、5.3μmであった。得られた静電荷現像用トナー(3)100部に対して、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製、R972)1部を外添し、ヘンシェルミキサーを用いて混合することにより、外添静電荷現像用トナー(3)を得た。
外添静電荷現像用トナー(3)を用い、実施例4と同様にして静電荷像現像剤(3)を作製した。静電荷像現像剤(3)を用いて上述の通り画像形成を行い、評価を行った。
<比較静電荷現像用トナー(1)の製造>
−凝集粒子の調製(凝集工程)−
比較樹脂粒子分散液(1) 250部
着色剤分散液(1) 40部
離型剤分散液(1) 40部
カチオン性界面活性剤 5部
(花王社製:サニゾールB50)
イオン交換水 300部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中に収容させ、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、加熱用オイルバス中で49℃まで加熱した。49℃で20分間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると平均粒径が約5.0μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
この凝集粒子分散液中に、樹脂微粒子分散液としての比較樹脂粒子分散液(1)を緩やかに70部追加し、さらに加熱用オイルバスの温度を上げて50℃で1時間保持した。光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約5.4μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
ここにアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)7部を追加した後、攪拌を継続しながら97℃まで加熱し、5時間保持した。その後、20℃/分の割合で室温まで冷却した後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて40℃で10時間乾燥させることにより比較静電荷現像用トナー(1)を得た。
得られた比較静電荷現像用トナー(1)の平均粒径は、5.7μmであった。得られた比較静電荷現像用トナー(1)100部に対して、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製、R972)1部を外添し、ヘンシェルミキサーを用いて混合することにより、比較外添静電荷現像用トナー(1)を得た。
比較外添静電荷現像用トナー(1)を用い、実施例4と同様にして比較静電荷像現像剤(1)を作製した。比較静電荷像現像剤(1)を用いて上述の通り画像形成を行い、評価を行った。
Claims (9)
- スチレンを含むビニル系単量体と、下記一般式(1)で表される環状ケテンアセタール化合物と、ラジカル重合開始剤と、を含有する樹脂前駆体組成物を乳化して前記樹脂前駆体組成物の液滴を形成する乳化工程と、
前記液滴中の前記スチレンを含むビニル系単量体と前記環状ケテンアセタール化合物とを重合してビニル系共重合体を合成する重合工程と、
を少なくとも有する樹脂粒子の製造方法。
(一般式(1)中、Rは、鎖状又は環状の、エーテル結合を含んでいてもよい2価の脂肪族基を表す。前記脂肪族基は、置換基を有していてもよい。) - 前記液滴の平均粒径は、1μm以下である請求項1に記載の樹脂粒子の製造方法。
- 請求項1又は2に記載の樹脂粒子の製造方法により製造された樹脂粒子。
- 平均粒径が、1μm以下である請求項3に記載の樹脂粒子。
- 請求項3又は4に記載の樹脂粒子を分散させてなる樹脂粒子分散液と、着色剤を分散させてなる着色剤分散液と、離型剤を分散させてなる離型剤分散液とを混合して、樹脂粒子と着色剤と離型剤とを含む凝集粒子を形成して凝集粒子分散液を得る凝集工程と、
前記凝集粒子を加熱して融合させる融合工程と、
を少なくとも有する静電荷現像用トナーの製造方法。 - 請求項5に記載の静電荷現像用トナーの製造方法により製造された静電荷現像用トナー。
- 少なくとも、請求項6に記載の静電荷現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
- 潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、現像剤担持体に担持された現像剤を用い、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー画像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー画像を熱定着する定着工程と、を含む画像形成方法であって、
前記現像剤は、請求項7に記載の静電荷像現像剤である画像形成方法。 - 前記転写工程の後に前記潜像保持体表面の残留トナーを回収するクリーニング工程と、前記クリーニング工程において回収された残留トナーを前記現像剤担持体に搬送するリサイクル工程と、をさらに含む請求項8に記載の画像形成方法。
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