JP4663535B2 - センサ素子劣化判定装置およびセンサ素子劣化判定方法 - Google Patents

センサ素子劣化判定装置およびセンサ素子劣化判定方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガスセンサ素子の劣化状態を判定するセンサ素子劣化判定装置およびセンサ素子劣化判定方法に関する。
従来より、第1測定室、第1酸素イオンポンプセル、第2測定室、第2酸素イオンポンプセル、基準酸素室、酸素分圧検知セルを備えるガスセンサ素子が知られている。
そして、このようなガスセンサ素子の状態を判定する装置としては、ガスセンサ素子を構成する各種セルに流れる電流値や、セルから出力される電圧値、セルのインピーダンスなどを測定し、これらの測定結果が許容範囲内にあるか否かに基づいて、ガスセンサ素子の故障状態を判定するものが提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
特開平11−014589号公報 国際公開第03/083465号パンフレット
しかし、上記従来の装置においては、ガスセンサ素子の各種状態のうち、断線やショート等の致命的な故障状態を判定することはできるが、セルの感度が悪くなる等のガスセンサ素子の劣化状態までは判定できないという問題点があった。
つまり、致命的な故障状態に到ったガスセンサ素子においては、各種セルの電流値、電圧値、インピーダンス等の値が、正常状態のガスセンサ素子とは明らかに異なる範囲の数値を示す。このことから、上記従来の装置を用いることで、ガスセンサ素子の故障状態を判定することは可能である。
これに対して、劣化状態のガスセンサ素子においては、各種セルの電流値、電圧値、インピーダンス等の値が、正常状態のガスセンサ素子と略同様の範囲に含まれる数値を示すことから、上記の各値に基づいて正常状態と劣化状態とを区別することは難しく、上記従来の装置では、ガスセンサ素子の劣化状態を判定することは困難であった。
なお、劣化状態のガスセンサ素子は、正常状態のガスセンサ素子と比べてガス検知特性が変化するため、正常状態のガスセンサ素子と同様のガス検知結果を得ることができず、ガス検知精度が低下する虞がある。
そこで、本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、各種セルを備えるガスセンサ素子における劣化状態を判定できるセンサ素子劣化判定装置およびセンサ素子劣化判定方法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、第1拡散抵抗部を介して測定対象ガスが導入される第1測定室と、第1測定室において酸素の汲み出しまたは汲み入れが行われた測定対象ガスが第2拡散抵抗部を介して導入される第2測定室と、基準酸素分圧雰囲気に設定された基準酸素室と、酸素イオン導電体および該酸素イオン導電体上に形成された一対の電極を有し、一対の電極の一方が第1測定室に配置されるとともに一対の電極の他方が第1測定室の外かつ第2測定室の外かつ基準酸素室の外に配置されて、第1測定室に導入された測定対象ガスに対する酸素の汲み出しまたは汲み入れを行う第1酸素イオンポンプセルと、酸素イオン導電体および該酸素イオン導電体上に形成された一対の電極を有し、一対の電極のうち一方が第2測定室に配置されるとともに一対の電極の他方が基準酸素室に配置されて、第2測定室における特定ガス濃度に応じた電流が流れる第2酸素イオンポンプセルと、酸素イオン導電体および該酸素イオン導電体上に形成された一対の電極を有し、一対の電極の一方が第1測定室に配置され、他方の電極が基準酸素室に配置された酸素分圧検知セルと、を備えるガスセンサ素子の劣化状態を判定するセンサ素子劣化判定装置であって、第2酸素イオンポンプセルへの印加電圧を、特定ガスよりも解離しがたい成分を解離可能な高解離電圧値に設定する第2セル高解離電圧設定手段と、第2酸素イオンポンプセルに流れる第2ポンプ電流のうち、第2セル高解離電圧値の印加時に流れる高解離時電流値を検出する第2セル高解離時電流検出手段と、ガスセンサ素子の劣化状態を判定するために定められた劣化判定用閾値と高解離時電流値とを比較し、高解離時電流値が劣化判定用閾値以上であるときにはガスセンサ素子を正常状態と判定し、高解離時電流値が劣化判定用閾値よりも小さいときにはガスセンサ素子を劣化状態と判定する劣化判定手段と、を備えることを特徴とするセンサ素子劣化判定装置である。
また、上記目的を達成するためになされた請求項3に記載の発明方法は、第1拡散抵抗部を介して測定対象ガスが導入される第1測定室と、第1測定室において酸素の汲み出しまたは汲み入れが行われた測定対象ガスが第2拡散抵抗部を介して導入される第2測定室と、基準酸素分圧雰囲気に設定された基準酸素室と、酸素イオン導電体および該酸素イオン導電体上に形成された一対の電極を有し、一対の電極の一方が第1測定室に配置されるとともに一対の電極の他方が第1測定室の外かつ第2測定室の外かつ基準酸素室の外に配置されて、第1測定室に導入された測定対象ガスに対する酸素の汲み出しまたは汲み入れを行う第1酸素イオンポンプセルと、酸素イオン導電体および該酸素イオン導電体上に形成された一対の電極を有し、一対の電極のうち一方が第2測定室に配置されるとともに一対の電極の他方が基準酸素室に配置されて、第2測定室における特定ガス濃度に応じた電流が流れる第2酸素イオンポンプセルと、酸素イオン導電体および該酸素イオン導電体上に形成された一対の電極を有し、一対の電極の一方が第1測定室に配置され、他方の電極が基準酸素室に配置された酸素分圧検知セルと、を備えるガスセンサ素子の劣化状態を判定するセンサ素子劣化判定方法であって、第2酸素イオンポンプセルへの印加電圧を、特定ガスよりも解離しがたい成分を解離可能な高解離電圧値に設定する第2セル高解離電圧設定工程と、第2酸素イオンポンプセルに流れる第2ポンプ電流のうち、第2セル高解離電圧値の印加時に流れる高解離時電流値を検出する第2セル高解離時電流検出工程と、ガスセンサ素子の劣化状態を判定するために定められた劣化判定用閾値と高解離時電流値とを比較し、高解離時電流値が劣化判定用閾値以上であるときにはガスセンサ素子を正常状態と判定し、高解離時電流値が劣化判定用閾値よりも小さいときにはガスセンサ素子を劣化状態と判定する劣化判定工程と、を有すること特徴とするセンサ素子劣化判定方法である。
つまり、第2酸素イオンポンプセルへの印加電圧が高解離電圧値に設定されると、第2酸素イオンポンプセルが劣化状態ではなく正常状態であれば、第2酸素イオンポンプセルは、特定ガス(例えば、NOxなど)のみならず、特定ガスよりも解離しがたい成分も解離することができる。つまり、このときの第2酸素イオンポンプセルに流れる第2ポンプ電流の電流値(高解離時電流値)は、特定ガスの解離量に加えて、特定ガスよりも解離しがたい成分の解離量が加えられた値を示す。
しかし、第2酸素イオンポンプセルの劣化が進行すると、第2酸素イオンポンプセルにおけるガスの解離能力が低下してしまい、第2測定室に解離対象となるガス(特定ガスなど)が存在している場合であっても、第2酸素イオンポンプセルに流れる電流値が低減する。つまり、第2酸素イオンポンプセルの劣化が進行した場合には、高解離電圧値を印加したとしても、そのときの第2酸素イオンポンプセルに流れる高解離時電流値は、第2測定室における解離対象ガス(特定ガスおよび特定ガスよりも解離しがたい成分など)の量に応じた電流値よりも小さい電流値を示すことになる。
このため、第2セル高解離時電流検出手段にて検出される高解離時電流値と、劣化状態を判定するために定められた劣化判定用閾値とを比較することで、第2酸素イオンポンプセルの状態が「許容できない程度の劣化状態(特定ガスの検出が不可能な状態)」であるか否かを判定することができる。
そして、本発明では、劣化判定手段または劣化判定工程において、劣化判定用閾値と前記高解離時電流値とを比較し、高解離時電流値が劣化判定用閾値以上であるときにはガスセンサ素子を正常状態と判定し、高解離時電流値が劣化判定用閾値よりも小さいときにはガスセンサ素子を劣化状態と判定する。
よって、本発明のセンサ素子劣化判定装置およびセンサ素子劣化判定方法によれば、第2酸素イオンポンプセルが劣化状態であることを判定できることから、各種セルを備えるガスセンサ素子の劣化状態を判定することが出来る。
なお、高解離時電流値の検出タイミングは、第2測定室の酸素濃度が低濃度(特定ガス濃度よりも低い濃度)である時に設定することが望ましい。
つまり、第2測定室の酸素濃度が高い場合には、酸素の解離による影響を受けて第2酸素イオンポンプセルに流れる電流値が大きくなることから、特定ガスを解離できない程度にまで劣化した第2酸素イオンポンプセルにおいても、電流値が大きくなり、劣化判定に悪影響を及ぼす虞がある。
これに対して、第2測定室の酸素濃度が低い場合には、酸素の解離による影響を受けがたくなり、正常状態の第2酸素イオンポンプセルに流れる電流値は、特定ガスおよび特定ガスよりも解離しがたい成分の解離量に応じた電流値を示し、劣化状態の第2酸素イオンポンプセルに流れる電流値は、劣化状態に応じた小さい値を示す。
このことから、第2測定室の酸素濃度が低濃度(特定ガス濃度よりも低い濃度)である条件下で、第2酸素イオンポンプセルへ高解離電圧値を印加して高解離時電流値を検出し、高解離時電流値に基づいてガスセンサ素子の劣化判定を行うことで、劣化判定精度を向上させることができる。
ところで、高解離時電流値に基づいてガスセンサ素子の劣化状態を精度良く判定するには、第2酸素イオンポンプセルに対して解離対象ガスが解離可能な電圧を印加する必要がある。
そこで、上述のセンサ素子劣化判定装置においては、特定ガスをNOxとすると共に、高解離電圧値を、第2酸素イオンポンプセルにおいて 2 が解離できる電圧値とすることができる。
つまり、 2 は大気中にも含まれており、第2測定室における 2 の濃度は、NOx濃度に比べて高い。このため、 2 の解離が可能な高解離電圧値を印加した場合には、第2酸素イオンポンプセルが正常状態であれば、高解離時電流値として少なくとも 2 の濃度に応じた電流が流れる。
また、第2酸素イオンポンプセルが劣化状態であれば、解離対象となる成分( 2 )が十分に存在するにも関わらず、劣化の影響により第2酸素イオンポンプセルに流れる電流値(高解離時電流値)が小さくなる。
よって、本発明によれば、第2酸素イオンポンプセルが正常状態である場合と劣化状態である場合とで、高解離時電流値が確実に異なる値となることから、第2酸素イオンポンプセルの劣化状態を精度良く判定することができ、ガスセンサ素子の劣化判定精度を向上出来る。
以下に、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1は、本発明が適用されたガスセンサ制御装置190を備えるガス検出装置1の概略構成を示す構成図である。
ガス検出装置1は、ガスセンサ制御装置190と、NOxガスセンサ素子10と、を備えており、自動車の内燃機関やボイラ等の各種燃焼機器の排気ガス中の特定ガス(本実施形態では、NOx)を検出する用途などに用いられる。
ガスセンサ制御装置190は、中央演算処理装置(CPU)、RAM、ROM、信号入出力部等を備えるマイクロコンピュータを主要部として構成されている。そして、ガスセンサ制御装置190は、NOxガスセンサ素子10を駆動制御する処理やNOxガスセンサ素子10による検出信号に基づき排気ガス中の特定ガスを検出する処理や、NOxガスセンサ素子10の劣化状態を判定するセンサ診断処理(On Board Diagnosis処理(OBD処理))などを実行する。
なお、図1では、NOxガスセンサ素子10については、内部構造を示す断面図として記載している。以下の説明では、図1に示すNOxガスセンサ素子10のうち左側を先端側として、右側を後端側として説明する。また、図1では、NOxガスセンサ素子10のうち先端側部分における内部構成を示しており、後端部分は図示を省略している。
まず、NOxガスセンサ素子10について説明する。
NOxガスセンサ素子10は、第1ポンプセル111,酸素分圧検知セル112,第2ポンプセル113を、アルミナを主体とする絶縁層114,115を介して積層した構造を有する。また、NOxガスセンサ素子10においては、第2ポンプセル113側に、ヒータ部180が積層されている。
このうち、第1ポンプセル111は、酸素イオン伝導性を有するジルコニアからなる第1固体電解質層131と、第1固体電解質層131を挟み込むように配置された第1ポンプ用第1電極135と第1ポンプ用第2電極137とからなる第1多孔質電極121とを備えて形成されている。なお、第1ポンプ用第1電極135および第1ポンプ用第2電極137は、白金、白金合金、白金とセラミックス(例えば、固体電解質体)を含むサーメットなどで形成されており、それぞれの表面には、多孔質体からなる保護層122が形成されている。
酸素分圧検知セル112は、酸素イオン伝導性を有するジルコニアからなる検知用固体電解質層151と、検知用固体電解質層151を挟み込むように配置された検知用電極155と基準用電極157とからなる検知用多孔質電極123とを備えて形成されている。なお、検知用電極155および基準用電極157は、白金、白金合金、白金とセラミックス(例えば、固体電解質体)を含むサーメットなどで形成されている。
第2ポンプセル113は、酸素イオン伝導性を有するジルコニアからなる第2固体電解質層141と、第2固体電解質層141の表面のうち絶縁層115に面する表面に配置された第2ポンプ用第1電極145および第2ポンプ用第2電極147からなる第2多孔質電極125とを備えて形成されている。
なお、第2ポンプ用第1電極145、第2ポンプ用第2電極147は、白金、白金合金、白金とセラミックス(例えば、固体電解質体)を含むサーメットなどで形成されている。
そして、NOxガスセンサ素子10の内部には、測定対象ガスが導入される第1測定室159が形成されている。第1測定室159には、第1ポンプセル111と酸素分圧検知セル112との間に配置された第1拡散抵抗体116を介して、外部から測定対象ガスが導入される。
第1拡散抵抗体116は、多孔質体で構成されており、NOxガスセンサ素子10のうち先端側開口部から第1測定室159に至る測定対象ガスの導入経路14に配置されて、第1測定室159への単位時間あたりの測定対象ガスの導入量(通過量)を制限している。
なお、導入経路14は、第1ポンプセル111および酸素分圧検知セル112に包囲される空間のうち、第1測定室159よりも先端側(図における左側)の領域である。また、第1ポンプセル111の第1ポンプ用第1電極135(詳細には、保護層122で覆われた第1ポンプ用第1電極135)、および酸素分圧検知セル112の検知用電極155は、第1測定室159に面するように配置されている。
また、第1測定室159の後端側(図における右側)には、多孔質体からなる第2拡散抵抗体117が備えられており、第2ポンプ用第1電極145と第2拡散抵抗体117との間には、第2測定室161が形成されている。なお、第2測定室161は、酸素分圧検知セル112を積層方向に貫通する状態で形成される。
さらに、NOxガスセンサ素子10の内部のうち、酸素分圧検知セル112の検知用固体電解質層151と第2ポンプセル113の第2固体電解質層141との間には、第2測定室161の他に基準酸素室118が形成されている。なお、第2測定室161、基準酸素室118は、この順に後端側から先端側にかけて第2ポンプセル113に沿って形成されている。また、基準酸素室118は、所定の酸素分圧雰囲気(濃度検知の基準となる酸素分圧雰囲気)に設定される。
そして、酸素分圧検知セル112の基準用電極157と、第2ポンプセル113の第2ポンプ用第2電極147とが、基準酸素室118に面するように配置されている。
ヒータ部180は、例えばアルミナ等の絶縁性セラミックスからなるシート状の絶縁層171,173を積層することにより構成されている。そして、このヒータ部180は、各絶縁層171,173の間に、Ptを主体とするヒータ175を備えている。
このように構成されたNOxガスセンサ素子10は、第1ポンプセル111により第1測定室159の内部に存在する酸素のポンピング(汲み出し、汲み入れ)が可能であり、酸素分圧検知セル112により、酸素濃度(酸素分圧)を一定に制御された基準酸素室118と第1測定室159との酸素濃度差(酸素分圧差)、つまり第1測定室159の内部の酸素濃度(酸素分圧)を測定可能である。
なお、このNOxガスセンサ素子10は、別途備えられるガスセンサ制御装置190により駆動されるものであり、ガスセンサ制御装置190がヒータ175への印加電圧(ヒータ印加電圧Vh)を制御(換言すれば、ヒータ175を駆動制御)することにより、各セル(第1ポンプセル111、第2ポンプセル113、酸素分圧検知セル112)を活性化温度まで加熱する。
そして、ガスセンサ制御装置190は、ヒータ175を駆動制御してNOxガスセンサ素子10を活性化温度(例えば750℃)まで加熱し、この状態で、酸素分圧検知セル112の両端電圧Vsが予め設定された一定電圧(例えば425mV)となるように、第1ポンプセル111に流れる第1ポンプ電流Ip1を制御する。
また、ガスセンサ制御装置190は、第1ポンプ電流Ip1を制御すると共に、第2ポンプセル113に対して、予め定められた第2ポンプ電圧Vp2(例えば450mV)を印加する。これにより、第2測定室161では、第2ポンプセル113を構成する第2多孔質電極125の触媒作用によって、NOxが解離(還元)され、その解離により得られた酸素イオンが第2ポンプ用第1電極145と第2ポンプ用第2電極147との間の第2固体電解質層141を移動することにより第2ポンプ電流Ip2が流れる。つまり、第2ポンプセル113は、第2測定室161に存在する特定ガス成分(NOx(窒素酸化物))を解離させて、第2測定室161から基準酸素室118に酸素を汲み出す。
なお、第2測定室161の第2ポンプ用第1電極145で解離された酸素イオン(O2-)は、第2固体電解質層141を介して第2ポンプ用第2電極147に移動し、第2ポンプ用第2電極147において酸素(O2 )として基準酸素室118に放出される。
つまり、ガスセンサ制御装置190は、NOxガスセンサ素子10に接続された状態で、第1ポンプセル111のポンピング動作により第1測定室159の酸素濃度(酸素分圧)を調整し、第2測定室161の酸素濃度(酸素分圧)をNOx検知が可能なNOx検知用濃度に設定して、第2ポンプ電流Ip2の大きさや積分値などに基づいてNOxを検出する処理を行う。
次に、ガスセンサ制御装置190で実行されるセンサ診断処理(On Board Diagnosis処理(OBD処理))の処理内容について説明する。図2に、センサ診断処理の処理内容を表すフローチャートを示す。
センサ診断処理が開始されると、まず、S110(Sはステップを表す)では、酸素分圧検知セル112の両端電圧Vsが予め定められた一定電圧(例えば、425mV)となるように、第1ポンプセル111に流れる第1ポンプ電流Ip1を制御し、このときの酸素分圧検知セル112の両端電圧Vsを検出する処理を実行する。
次のS120では、S110で検出した酸素分圧検知セル112の両端電圧Vsが濃度判定基準値(本実施形態では、425mV)以上であるか否かを判断しており、肯定判定する場合にはS130に移行し、否定判定する場合にはS110に移行して、同ステップ(S110,S120)を繰り返し実行することで待機する。
なお、濃度判定基準値は、第1測定室159の酸素濃度が低濃度(NOx濃度よりも低い濃度)であるか否かの判定が可能な数値範囲に設定されている。本実施形態では、濃度判定基準値は「酸素濃度が30ppmとなる時の電圧値」に設定されている。
つまり、S120では、第1測定室159に導入された測定対象ガスの酸素濃度(酸素分圧)が低濃度に設定されたか否かを判断しており、酸素分圧検知セル112の両端電圧Vsが濃度判定基準値以上となる場合には肯定判定し、酸素分圧検知セル112の両端電圧Vsが濃度判定基準値よりも小さい場合には否定判定する。
このようにして、測定対象ガスは、第1測定室159において酸素濃度が低濃度に設定された後、第2測定室161に導入される。
S120で肯定判定されてS130に移行すると、S130では、第2ポンプセル113に印加する第2ポンプ電圧Vp2の電圧値を、NOxの解離が可能なNOx解離用電圧値(例えば、450[mV])から、NOxよりも解離しがたい成分を解離可能な高解離電圧値に設定する処理を実行する。
なお、本実施形態では、高解離電圧値として、NOxよりも解離しがたいH2 を解離可能な電圧値(例えば、750[mV])を設定している。
これにより、第2測定室161では、第2ポンプセル113を構成する第2多孔質電極125の触媒作用によって、NOxが解離(還元)されるとともに、H2 が解離(還元)される。そして、NOxおよびH2 の解離により得られた酸素イオンが、第2ポンプ用第1電極145と第2ポンプ用第2電極147との間の第2固体電解質層141を移動することにより第2ポンプ電流Ip2が流れる。
ここで、第2ポンプセル113への印加電圧(第2ポンプ電圧Vp2)と第2ポンプセル113に流れる電流値(第2ポンプ電流Ip2)との相関関係を表す説明図を、図3に示す。
なお、図3では、第2ポンプセル113が正常状態(劣化していない状態)であり、第2測定室161に酸素(O2 )、NOx、H2 が存在するときの相関関係を実線で示し、第2ポンプセル113が劣化状態であり、第2測定室161に酸素(O2 )、NOx、H2 が存在するときの相関関係を点線で示している。また、図3では、縦軸を第2ポンプ電流Ip2とし、横軸を第2ポンプ電圧Vp2とする座標平面において、相関関係を表す波形を示している。
図3に示すように、第2ポンプ電圧Vp2が200[mV]である場合には、解離される成分が酸素(O2 )のみであるため、第2ポンプ電流Ip2が小さい値となるのに対して、第2ポンプ電圧Vp2が450[mV]である場合には、解離される成分が酸素(O2 )およびNOxとなることから、第2ポンプ電圧Vp2が200[mV]である場合に比べて、第2ポンプ電流Ip2が増大している。さらに、第2ポンプ電圧Vp2が750[mV]である場合には、解離される成分として、酸素(O2 )およびNOxに加えて、H2 が含まれるため、第2ポンプ電圧Vp2が450[mV]である場合に比べて、第2ポンプ電流Ip2がさらに増大することが判る。
このことから、第2ポンプ電圧Vp2が大きくなるほど、第2ポンプセル113で解離可能な成分が増えて、第2ポンプ電流Ip2が大きくなることが判る。
また、第2ポンプセル113が正常状態であるときの第2ポンプ電流Ip2は、劣化状態であるときの第2ポンプ電流Ip2に比べて大きい値を示しており、第2ポンプセル113が正常状態であるか劣化状態であるかによって、第2ポンプ電流Ip2の大きさが変化することが判る。
ここで、第2ポンプセル113の劣化が進行すると、第2ポンプセル113におけるガスの解離能力が低下してしまい、第2測定室161に解離対象となるガス(NOxなど)が存在している場合であっても、第2ポンプセル113に流れる電流値が低減する。
つまり、第2ポンプセル113の劣化が進行した場合には、第2ポンプ電圧Vp2が高解離電圧値に設定されたとしても、そのときの第2ポンプセル113に流れる第2ポンプ電流Ip2の電流値(高解離時電流値)は、第2測定室161における解離対象のガス(酸素(O2 )、NOx、H2 など)の量に応じた電流値よりも小さい電流値となる。
このため、第2ポンプ電圧Vp2が高解離電圧値に設定されたときの第2ポンプセル113に流れる第2ポンプ電流Ip2の電流値(高解離時電流値)を検出し、その高解離時電流値の大きさが、正常状態の第2ポンプセル113に対応する電流値であるのか、劣化状態の第2ポンプセル113に対応する電流値であるのかを判断することで、第2ポンプセル113の劣化状態を判定することができる。
図2のフローチャートに戻り、次のS140では、経過時間を計測するためのタイマ処理を開始する。
続くS150では、タイマ処理による時間計測の開始時点から安定化待機時間が経過したか否かを判断しており、肯定判定する場合にはS160に移行し、否定判定する場合には同ステップを繰り返し実行することで待機する。
なお、本実施形態では、安定化待機時間として、0.5[sec]が設定されている。
S150で肯定判定されてS160に移行すると、S160では、経過時間を計測するタイマ処理を停止する。
次のS170では、第2ポンプセル113に流れる第2ポンプ電流Ip2を検出する処理を実行する。このときの第2ポンプセル113には、S130での処理によって高解離電圧値に設定された第2ポンプ電圧Vp2が印加されており、S170では、このときの第2ポンプ電流Ip2の電流値を高解離時電流値として検出する。
なお、このときの第2ポンプ電流Ip2の電流値(高解離時電流値)は、第2測定室161に存在する解離対象ガス(酸素(O2 )、NOx、H2 など)の解離量に応じた電流値、あるいは、第2ポンプセル113の劣化状態に応じた電流値を示す。
次のS180では、S170で検出した第2ポンプ電流Ip2の電流値(高解離時電流値)が予め定められた劣化判定用閾値以上であるか否かを判断しており、肯定判定する場合にはS190に移行し、否定判定する場合にはS200に移行する。
つまり、S180では、第2ポンプ電流Ip2の電流値(高解離時電流値)が劣化判定用閾値以上である場合には、第2ポンプセル113が正常状態であると判定し、第2ポンプ電流Ip2が劣化判定用閾値以上ではない場合には、第2ポンプセル113が劣化状態であると判定している。
そして、S180での判定に用いる劣化判定用閾値は、本実施形態では、0.4[μA]に設定されている。このため、S180で肯定判定される場合には、NOxガスセンサ素子10が、第2ポンプセル113の解離能力として、少なくとも0.4[μA]以上の第2ポンプ電流Ip2を発生可能な解離能力を有していると判断できる。
なお、本実施形態のNOxガスセンサ素子10は、第2ポンプセル113が正常状態であり、第2測定室161に濃度30ppmのO2 を含むガスが導入され。第2ポンプ電圧Vp2がNOx解離用電圧値に設定されている場合において、濃度50ppmのNOxを検出する際に、第2ポンプ電流Ip2の電流値が0.4[μA](NOxの解離電流:0.25μA、O2 の解離電流:0.15μA)となるような特性を有している。
このことから、S180で肯定判定されるNOxガスセンサ素子10については、濃度50ppmのNOxを検出するための解離能力を有していると判断でき、NOx検出が不可能な状態(劣化状態)ではなく、NOx検出が可能な状態(正常状態)と判定することができる。
S180で肯定判定されてS190に移行すると、S190では、NOxガスセンサ素子10が正常状態であると判定すると共に、第2ポンプセル113に印加する第2ポンプ電圧Vp2の電圧値を、NOxよりも解離しがたい成分を解離可能な高解離電圧値から、NOxの解離が可能なNOx解離用電圧値(例えば、450[mV])に設定する処理を実行する。
これにより、第2ポンプセル113でのガス解離能力は、NOxが解離(還元)できるが、H2 が解離(還元)できないレベルに設定されることになり、NOxガスセンサ素子10がNOx検出可能な状態に設定される。
なお、ガスセンサ制御装置190は、センサ診断処理とは別の内部処理としてNOx検出処理を実行することで、NOxガスセンサ素子10の第2ポンプ電流Ip2を検出し、検出した第2ポンプ電流Ip2に基づきNOx検出を行う。
S180で否定判定されてS200に移行すると、S200では、NOxガスセンサ素子10が劣化状態であると判定すると共に、第2ポンプセル113が劣化状態であることを表す異常発生信号を、ガスセンサ制御装置190の出力端子(図示省略)から外部機器に対して出力する処理を行う。
そして、異常発生信号を受け取った外部機器は、NOxガスセンサ素子10が劣化状態であることを使用者に通知するための処理を行う。具体的な処理としては、例えば、NOxガスセンサ素子10が劣化状態であることを示す警告ランプを点灯する処理や、NOxガスセンサ素子10が劣化状態であることを示す音声メッセージを出力する処理などを挙げることができる。
S190またはS200が終了すると、本制御処理(センサ診断処理)は終了する。
以上説明したように、本実施形態のガス検出装置1に備えられるガスセンサ制御装置190は、S130での処理により、第2ポンプセル113へ印加する第2ポンプ電圧Vp2を高解離電圧値(NOxよりも解離しがたい成分を解離可能な電圧値)に設定した状態で、S170での処理により、第2ポンプセル113に流れる第2ポンプ電流Ip2の電流値(高解離時電流値)を検出する処理を実行する。
そして、ガスセンサ制御装置190は、S180において、劣化判定用閾値と高解離時電流値とを比較し、高解離時電流値が劣化判定用閾値以上であるときにはNOxガスセンサ素子10を正常状態と判定し、高解離時電流値が劣化判定用閾値よりも小さいときにはNOxガスセンサ素子10を劣化状態と判定する処理を実行する。
つまり、第2ポンプセル113への印加電圧が高解離電圧値に設定されると、第2ポンプセル113が劣化状態ではなく正常状態であれば、第2ポンプセル113は、NOxのみならず、H2 も解離する。そして、このときの第2ポンプセル113に流れる第2ポンプ電流Ip2の電流値(高解離時電流値)は、NOxの解離量に加えて、H2 の解離量が加えられた値を示す。
しかし、第2ポンプセル113の劣化が進行すると、第2ポンプセル113におけるガスの解離能力が低下してしまい、解離対象となるガス(NOx、H2 など)が第2測定室161に存在している場合であっても、第2ポンプセル113に流れる電流値が低減する。つまり、第2ポンプセル113の劣化が進行した場合には、高解離電圧値を印加したとしても、そのときの第2ポンプセル113に流れる高解離時電流値は、第2測定室161における解離対象ガス(NOx、H2 など)の量に応じた電流値よりも小さい電流値を示すことになる。
このため、S170で検出される高解離時電流値(第2ポンプ電流Ip2の電流値)と、劣化状態を判定するために定められた劣化判定用閾値とを比較することで、第2ポンプセル113の状態が「許容できない程度の劣化状態(NOx検出が不可能な状態)」であるか否かを判定できる。
そして、本実施形態では、S180での処理において、劣化判定用閾値と高解離時電流値とを比較し、高解離時電流値が劣化判定用閾値以上であるときにはガスセンサ素子を正常状態と判定し(S190)、高解離時電流値が劣化判定用閾値よりも小さいときにはガスセンサ素子を劣化状態と判定する(S200)。
よって、本実施形態のガスセンサ制御装置190によれば、第2ポンプセル113が劣化状態であることを判定できることから、各種セルを備えるNOxガスセンサ素子10の劣化状態を判定することが出来る。
また、本実施形態のガスセンサ制御装置190では、高解離時電流値の検出タイミングが、第2測定室161の酸素濃度が低濃度(NOx濃度よりも低い濃度)である時に設定されている。これにより、第2測定室161の酸素濃度が大気中の酸素濃度と同濃度である時に劣化判定する場合に比べて、ガスセンサ制御装置190は、NOxガスセンサ素子10の劣化判定精度を向上できる。
つまり、第2測定室161の酸素濃度が高い場合には、酸素(O2 )の解離による影響を受けて第2ポンプセル113に流れる電流値が大きくなることから、NOxを解離できない程度にまで劣化した第2ポンプセル113においても、電流値が大きくなり、劣化判定に悪影響を及ぼす虞がある。
これに対して、第2測定室161の酸素濃度が低い場合には、酸素(O2 )の解離による影響を受けがたくなり、正常状態の第2ポンプセル113に流れる電流値は、NOxおよびH2 の解離量に応じた電流値を示し、劣化状態の第2ポンプセル113に流れる電流値は、劣化状態に応じた小さい値を示す。
このことから、本実施形態のガスセンサ制御装置190は、第2測定室161の酸素濃度が低濃度(NOx濃度よりも低い濃度)である条件下で(S120で肯定判定)、第2ポンプセル113へ高解離電圧値を印加した状態で(S130)、高解離時電流値を検出し(S170)、高解離時電流値に基づいてガスセンサ素子の劣化判定を行う(S180)ことから、劣化判定精度を向上させることができる。
また、本実施形態では、S130において第2ポンプセル113に印加する高解離電圧値が、第2ポンプセル113において 2 が解離できる電圧値に設定されている。これにより、本実施形態のガスセンサ制御装置190は、第2ポンプセル113の劣化状態を精度良く判定することができ、NOxガスセンサ素子10の劣化判定精度を向上出来る。
つまり、 2 は大気中にも含まれており、第2測定室161における 2 の濃度は、NOx濃度に比べて高い。このため、 2 の解離が可能な高解離電圧値を印加した場合には、第2ポンプセル113が正常状態であれば、高解離時電流値として少なくとも 2 の濃度に応じた電流が流れる。
また、第2ポンプセル113が劣化状態であれば、解離対象となる成分( 2 )が十分に存在するにも関わらず、劣化の影響により第2ポンプセル113に流れる電流値(高解離時電流値)が小さくなる。
よって、本実施形態によれば、第2ポンプセル113が正常状態である場合と劣化状態である場合とで、高解離時電流値が確実に異なる値となることから、第2ポンプセル113の劣化状態を精度良く判定することができ、NOxガスセンサ素子10の劣化判定精度を向上出来る。
なお、本実施形態においては、ガスセンサ制御装置190が特許請求の範囲に記載のセンサ素子劣化判定装置に相当し、第1拡散抵抗体116が第1拡散抵抗部に相当し、第2拡散抵抗体117が第2拡散抵抗部に相当し、第1ポンプセル111が第1酸素イオンポンプセルに相当し、第2ポンプセル113が第2酸素イオンポンプセルに相当している。
また、S130の処理を行うガスセンサ制御装置190が第2セル高解離電圧設定手段に相当し、S170の処理を行うガスセンサ制御装置190が第2セル高解離時電流検出手段に相当し、S180の処理を行うガスセンサ制御装置190が劣化判定手段に相当している。
さらに、ガスセンサ制御装置190によるNOxガスセンサ素子10の劣化判定方法が、特許請求の範囲に記載のセンサ素子劣化判定方法に相当しており、S130の処理を行う工程が第2セル高解離電圧設定工程に相当し、S170の処理を行う工程が第2セル高解離時電流検出工程に相当し、S180の処理を行う工程が劣化判定工程に相当する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施形態に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
例えば、S120での濃度判定基準値は、上記の電圧値に限られることはなく、他の電圧値(酸素濃度が500ppmとなるときの電圧値、酸素濃度が1000ppmとなるときの電圧値、酸素濃度が10000ppmとなるときの電圧値など)に設定しても良い。
また、S150での安定化待機時間は、上記実施形態では0.5[sec]に設定されているが、この数値に限定されることはなく、S130での処理によって第2ポンプ電圧Vp2が高解離電圧値に設定された後、第2ポンプセル113に流れる第2ポンプ電流Ip2が安定するのに要する時間が経過した後に、S170にて高解離時電流値を検出できるように、安定化待機時間を設定すればよい。
あるいは、S130での処理によって第2ポンプ電圧Vp2が高解離電圧値に設定された後、即座に、第2ポンプセル113に流れる第2ポンプ電流Ip2が安定する用途においては、待機時間を計測する処理(S140,S150、S160)を省略しても良い。
また、S180での劣化判定用閾値については、上述した値(0.40[μA])に限られることはなく、検出許容誤差範囲を考慮して、上述の値(0.40[μA])に許容係数(例えば、2/3)を乗じた値(0.40×2/3)を劣化判定用閾値として設定しても良い。
ガスセンサ制御装置を備えるガス検出装置の概略構成を示す構成図である。 センサ診断処理の処理内容を表すフローチャートである。 第2ポンプセルへの印加電圧(第2ポンプ電圧Vp2)と第2ポンプセルに流れる電流値(第2ポンプ電流Ip2)との相関関係を表す説明図である。
符号の説明
1…ガス検出装置、10…NOxガスセンサ素子、111…第1ポンプセル、112…酸素分圧検知セル、113…第2ポンプセル、116…第1拡散抵抗体、117…第2拡散抵抗体、118…基準酸素室、159…第1測定室、161…第2測定室、190…ガスセンサ制御装置。

Claims (3)

  1. 第1拡散抵抗部を介して測定対象ガスが導入される第1測定室と、
    前記第1測定室において酸素の汲み出しまたは汲み入れが行われた前記測定対象ガスが第2拡散抵抗部を介して導入される第2測定室と、
    基準酸素分圧雰囲気に設定された基準酸素室と、
    酸素イオン導電体および該酸素イオン導電体上に形成された一対の電極を有し、前記一対の電極の一方が前記第1測定室に配置されるとともに前記一対の電極の他方が前記第1測定室の外かつ前記第2測定室の外かつ前記基準酸素室の外に配置されて、前記第1測定室に導入された前記測定対象ガスに対する酸素の汲み出しまたは汲み入れを行う第1酸素イオンポンプセルと、
    酸素イオン導電体および該酸素イオン導電体上に形成された一対の電極を有し、前記一対の電極のうち一方が前記第2測定室に配置されるとともに前記一対の電極の他方が前記基準酸素室に配置されて、前記第2測定室における特定ガス濃度に応じた電流が流れる第2酸素イオンポンプセルと、
    酸素イオン導電体および該酸素イオン導電体上に形成された一対の電極を有し、前記一対の電極の一方が前記第1測定室に配置され、他方の電極が前記基準酸素室に配置された酸素分圧検知セルと、
    を備えるガスセンサ素子の劣化状態を判定するセンサ素子劣化判定装置であって、
    前記第2酸素イオンポンプセルへの印加電圧を、前記特定ガスよりも解離しがたい成分を解離可能な高解離電圧値に設定する第2セル高解離電圧設定手段と、
    前記第2酸素イオンポンプセルに流れる第2ポンプ電流のうち、前記第2セル高解離電圧値の印加時に流れる高解離時電流値を検出する第2セル高解離時電流検出手段と、
    前記ガスセンサ素子の劣化状態を判定するために定められた劣化判定用閾値と前記高解離時電流値とを比較し、前記高解離時電流値が前記劣化判定用閾値以上であるときには前記ガスセンサ素子を正常状態と判定し、前記高解離時電流値が前記劣化判定用閾値よりも小さいときには前記ガスセンサ素子を劣化状態と判定する劣化判定手段と、
    を備えることを特徴とするセンサ素子劣化判定装置。
  2. 前記特定ガスは、NOxであり、
    前記高解離電圧値は、前記第2酸素イオンポンプセルにおいて 2 が解離できる電圧値であること、
    を特徴とする請求項1に記載のセンサ素子劣化判定装置。
  3. 第1拡散抵抗部を介して測定対象ガスが導入される第1測定室と、
    前記第1測定室において酸素の汲み出しまたは汲み入れが行われた前記測定対象ガスが第2拡散抵抗部を介して導入される第2測定室と、
    基準酸素分圧雰囲気に設定された基準酸素室と、
    酸素イオン導電体および該酸素イオン導電体上に形成された一対の電極を有し、前記一対の電極の一方が前記第1測定室に配置されるとともに前記一対の電極の他方が前記第1測定室の外かつ前記第2測定室の外かつ前記基準酸素室の外に配置されて、前記第1測定室に導入された前記測定対象ガスに対する酸素の汲み出しまたは汲み入れを行う第1酸素イオンポンプセルと、
    酸素イオン導電体および該酸素イオン導電体上に形成された一対の電極を有し、前記一対の電極のうち一方が前記第2測定室に配置されるとともに前記一対の電極の他方が前記基準酸素室に配置されて、前記第2測定室における特定ガス濃度に応じた電流が流れる第2酸素イオンポンプセルと、
    酸素イオン導電体および該酸素イオン導電体上に形成された一対の電極を有し、前記一対の電極の一方が前記第1測定室に配置され、他方の電極が前記基準酸素室に配置された酸素分圧検知セルと、
    を備えるガスセンサ素子の劣化状態を判定するセンサ素子劣化判定方法であって、
    前記第2酸素イオンポンプセルへの印加電圧を、前記特定ガスよりも解離しがたい成分を解離可能な高解離電圧値に設定する第2セル高解離電圧設定工程と、
    前記第2酸素イオンポンプセルに流れる第2ポンプ電流のうち、前記第2セル高解離電圧値の印加時に流れる高解離時電流値を検出する第2セル高解離時電流検出工程と、
    前記ガスセンサ素子の劣化状態を判定するために定められた劣化判定用閾値と前記高解離時電流値とを比較し、前記高解離時電流値が前記劣化判定用閾値以上であるときには前記ガスセンサ素子を正常状態と判定し、前記高解離時電流値が前記劣化判定用閾値よりも小さいときには前記ガスセンサ素子を劣化状態と判定する劣化判定工程と、
    を有すること特徴とするセンサ素子劣化判定方法。
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