JP4661803B2 - 演奏補助装置及び楽器 - Google Patents
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Description
本発明は上述した背景に鑑みてなされたものであり、あたかも実際の管楽器を演奏しているかのような吹奏感を吹奏者に与える技術を提供することを目的とする。
また、上述の態様において、前記吹奏者による操作の内容を検出する操作検出手段を備え、前記背圧用アクチュエータは、前記背圧算出手段により算出された背圧を、前記操作検出手段により操作された操作内容に応じた時間だけ遅延させて、前記第2のマウスピースに加えてもよい。
また、上述の態様において、前記背圧算出手段は、閉閉管に音圧を発生させたときに該閉閉管内に表れる音圧を算出してもよい。
また、本発明の好適な態様である楽器は、管楽器と、前記管楽器に装着されたマウスピースと、前記マウスピースとは別途設けられた第2のマウスピースと、前記第2のマウスピースのスロート部とシャンク部との間の位置に設けられ、該第2のマウスピースの吹き込み口に吹奏者の呼気が吹入されることによって発生する音圧を検出する音圧検出手段と、前記音圧検出手段によって検出された音圧に基づいて、前記管楽器の管内に音波を発生させる発音用アクチュエータと、前記音圧検出手段により検出された音圧に基づいて、該音圧が前記管楽器に装着されたマウスピース内に発生したときに該マウスピースの吹込み口に加わる背圧を算出する背圧算出手段と、前記背圧算出手段により算出された背圧を、前記第2のマウスピースに加える背圧用アクチュエータとを具備することを特徴とする。
図1はこの発明の実施形態である演奏補助装置1の構成を示す図である。演奏補助装置1は、トランペットなどの金管楽器2に装着されて用いられ、吹奏者による金管楽器2の吹奏を補助する装置である。図において、発音用アクチュエータ11は、金管楽器2に装着されたマウスピース21の管路に音波を発生させる装置であり、金管楽器2のマウスピース21に装着されて用いられる。マウスピース21には、第2マウスピース22が、装着部材3によって装着されている。吹奏者は、実際の金管楽器2に装着されたマウスピース21とは別途設けられた第2マウスピース22に唇5をつけ、呼気を吹入することによって吹奏を行う。
図3は、マウスピース22Bの構成を示す図である。図3に示すマウスピース22Bと図2に示す本実施形態に係るマウスピース22とが異なる点は、センサ226が設けられている位置が異なる点である。なお、図6に示す他の構成要素については図2に示すそれと同様であり、ここではその詳細な説明を省略する。
図2に示す第2マウスピース22は、センサ226がスロート部222よりやや進んだ位置に設けられているのに対し、図3に示す第2マウスピース22Bでは、センサ226はカップ部221に設けられている。
ここで、マウスピース共鳴部Aと管共鳴部Bとの共鳴特性の関係について、図4を参照しつつ以下に説明する。
図4は、トランペットの共鳴測定図である。図において、鎖線L1は、吹奏周波数(ピッチ)を示す。実線L2によって示される山谷が、管共鳴部Bにおける共鳴特性を示す。一方、実線L3によって示される山谷が、マウスピース共鳴部Aにおける共鳴特性を示す。実線L2と実線L3とに示されるように、管共鳴部Bの特性(実線L2)と、マウスピース共鳴部Aの特性(実線L3)とは、互いに相反するシーソーのような関係になっている。なお、実線L4は、マウスピース共鳴部Aと管共鳴部Bとのそれぞれの共鳴の凹凸が互いに反対の関係にあることを明示するための補助線である。
図5は、自然楽器を演奏した際の、マウスピース共鳴部Aの共鳴特性を示す図である。一方、図6は、図3に示すマウスピース22Bを用いて演奏された際のマウスピース共鳴部Aの共鳴特性を示す図である。
その理由は、本物の管楽器が演奏不能周波数音において管が共鳴し、演奏可能周波数(ピッチ)では共鳴効果がなく単なる音響伝達管の役割を果たしているのに対して、図3に示すマウスピース22Bを用いた場合では、その逆(演奏可能周波数音(ピッチ)で共鳴する)様のフィードバックループを構成していた。
それ故、「音の当たり」(ちゃんと吹けるピッチ)の幅は狭く、逆に音の吹けない周波数は曖昧であった。そのため、音階吹奏時に各音の個別感は弱く(スラー的音の繋がり)、吹けるピッチの幅が狭いので、ピッチベンドは非常に困難であった。
図7は、直管の閉閉管の音圧共鳴状態を示す図であり、図8は、クラリネットのような直管の開閉管の音圧共鳴状態を示す図である。
本物の金管楽器の金管はテーパー管である。テーパー管の中を往復する音波の挙動は複雑で、これを電気的に擬似するのは難しい。そこで、直管内の音波の挙動を模擬すれば簡単になる。しかしここで実際の管楽器(例えばクラリネット)で使われているような開・閉管を用いるとその共鳴周波数モード列は基本周波数の奇数倍の周波数となり、テーパー間で実現されているように奇数倍、偶数倍両方の周波数は得られない。しかしながら両端の閉じた閉・閉管ではテーパー管と同様に奇数倍、偶数倍両方の周波数が得られる。そこで、この観点に着目し、この実施形態では、遅延制御回路15は、直管の閉閉管内の音波の挙動を模擬した遅延処理を行う。
遅延制御回路15のBBD遅延制御回路151は、センサ226から出力される信号の遅延制御を行う。遅延制御回路15のBBD素子152には、金管楽器2の管の長さに応じた遅延時間Δtが予め設定されているとともに、スイッチ161,162,163に対応する遅延時間Δt1,Δt2,Δt3がそれぞれ予め設定されている。遅延制御回路15は、スイッチ161,162,163からの信号に応じて、センサ226からの信号を遅延させ、バックプレッシャ用アクチュエータ228に出力する(図10参照)。具体的には、例えば、第1ピストンバルブ231のみが押下されている場合には、遅延制御回路15は、(Δt+Δt1)だけ信号を遅延させて出力し、また、例えば、第2ピストンバルブ232と第3ピストンバルブ233とが吹奏者によって押下されている場合には、遅延制御回路15は、センサ226からの信号を(Δt+Δt2+Δt3)だけ信号を遅延させて出力する。
なお、図9においては、説明を簡略にするため、オペレーションアンプ12,雑音低減回路13,パワーアンプ14,グラフィックエコライザ17及びパワーアンプ18の図示を省略している。
上述した構成によるこの実施形態の動作は以下のとおりである。まず、吹奏者が第2マウスピース22に唇5をつけ、息を吹き込むと、第2マウスピース22に取り付けられたセンサ226によって、このときの音圧が検出される。オペレーションアンプ12は、センサ226から出力される信号を増幅し、雑音低減回路13に出力する。雑音低減回路13は、オペレーションアンプ12から出力される信号から一定レベル以下の信号を0にすることで雑音を低減し、パワーアンプ14と遅延制御回路15に出力する。パワーアンプ14は、雑音低減回路13から出力される信号を増幅し、発音用アクチュエータ11に出力する。発音用アクチュエータ11は、パワーアンプ14から供給される電気信号に基づいた圧力の空気振動を発生させる。
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。以下にその一例を示す。
(1)上述した実施形態では、トランペット等の金管楽器に本発明を適用した例を示したが、本発明は、金管楽器に限らず、木管楽器等の他の管楽器についても適用することができる。例えば、木管楽器の場合であっても、上述した実施形態と同様に、マウスピースのスロート部付近に、音圧を検出するためのセンサを設ける構成とすればよい。
Claims (5)
- 管楽器に装着されたマウスピースとは別途設けられた第2のマウスピースのスロート部とシャンク部との間の位置に設けられ、該第2のマウスピースの吹き込み口に吹奏者の呼気が吹入されることによって発生する音圧を検出する音圧検出手段と、
前記音圧検出手段によって検出された音圧に基づいて、前記管楽器の管内に音波を発生させる発音用アクチュエータと、
前記音圧検出手段により検出された音圧に基づいて、該音圧が前記管楽器に装着されたマウスピース内に発生したときに該マウスピースの吹込み口に加わる背圧を算出する背圧算出手段と、
前記背圧算出手段により算出された背圧を、前記第2のマウスピースに加える背圧用アクチュエータと
を具備することを特徴とする演奏補助装置。 - 請求項1に記載の演奏補助装置において、
前記背圧用アクチュエータは、前記背圧算出手段により算出された背圧を、予め定められた時間遅延させて、前記第2のマウスピースに加えることを特徴とする演奏補助装置。 - 請求項1又は2に記載の演奏補助装置において、
前記吹奏者による操作の内容を検出する操作検出手段を備え、
前記背圧用アクチュエータは、前記背圧算出手段により算出された背圧を、前記操作検出手段により操作された操作内容に応じた時間だけ遅延させて、前記第2のマウスピースに加えることを特徴とする演奏補助装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1に記載の演奏補助装置において、
前記背圧算出手段は、閉閉管に音圧を発生させたときに該閉閉管内に表れる音圧を算出する
ことを特徴とする演奏補助装置。 - 管楽器と、
前記管楽器に装着されたマウスピースと、
前記マウスピースとは別途設けられた第2のマウスピースと、
前記第2のマウスピースのスロート部とシャンク部との間の位置に設けられ、該第2のマウスピースの吹き込み口に吹奏者の呼気が吹入されることによって発生する音圧を検出する音圧検出手段と、
前記音圧検出手段によって検出された音圧に基づいて、前記管楽器の管内に音波を発生させる発音用アクチュエータと、
前記音圧検出手段により検出された音圧に基づいて、該音圧が前記管楽器に装着されたマウスピース内に発生したときに該マウスピースの吹込み口に加わる背圧を算出する背圧算出手段と、
前記背圧算出手段により算出された背圧を、前記第2のマウスピースに加える背圧用アクチュエータと
を具備することを特徴とする楽器。
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