JP4661226B2 - 鋼板の冷却方法及び冷却装置 - Google Patents

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本発明は、熱間圧延された高温の鋼板をロールにより拘束した状態で通過冷却を実施する鋼板の冷却方法及び冷却装置に関し、特に、長手方向先端の温度を上下面で均一化し、歪の少ない鋼板を製造することができる鋼板の冷却方法及び冷却装置に関するものである。
鋼板の製造に当たっては、鋼板に要求される機械的性質、特に強度と靭性を確保するため、圧延後の鋼板には制御冷却が行われる。この制御冷却では、鋼板に要求される材質上の特性を確保するために、冷却速度を大きくすることが必要であるが、同時に材質の均一性を確保し、冷却時の歪みの発生を抑制するために冷却が板面全体にわたって均一に行われることが必要である。
これに対応して、現在の高温鋼板の制御冷却では、複数のロールにより鋼板を拘束し、その拘束ロール間に冷却ノズルを配置して通過しながら冷却する手法が広く行われており、これにより歪の少ない鋼板を製造している。
このような方法で制御冷却する理由であるが、通過冷却とすることで短い設備長で制御冷却が可能になるため、初期投資コストの抑制が可能であることがあげられる。また、拘束ロールは冷却中の上下面や面内温度不均一に起因して発生する歪を押さえ込み、かつロール間にノズルを配置して出側ロールで水切りすることにより、冷却装置外部に冷却水が出ないようにして、鋼板上に冷却水が滞留することを防止している。
一方、このような方法により歪の少ない鋼板が製造できるようになったものの、鋼板先尾端では反り形状の歪が発生しやすいといった欠点を持っている。この現象について図1、2を用いて説明する。
ここで、鋼板上面の水溜りの状態を鋼板の先端と尾端で分けて考える。図1には、先端部の水溜り状況を説明する図を示すが、まず鋼板1の先端が冷却ゾーンの入側水切りロール3に進入してから、出側水切りロール4に進入するまでの状態(図1(a))では、鋼板1の両側端部からの排水に加えて、先端部からも冷却水が鋼板の下に落下すること、また通板速度が速いと水が溜まる前に鋼板先端が出側水きりロール4に進入することなどから、鋼板1上面に溜まる冷却水(板上水)の液面高さはあまり高くならないが、鋼板1の先端が冷却ゾーン出側水切りロール4に進入した時点(図1(b))から、鋼板1先端からの冷却水の落下は、水切りロール3、4により堰き止められるため板上水5が形成され、その液面高さは上昇する。さらに、時間が経つと鋼板1の両側端部から排水される水量と流入する水量が釣り合い、図1(c)のように、板上水5は一定液面高さで安定し、満水状態となる。
なお、それ以降の鋼板1の長手中央部では、そのまま板上水5が満水状態を持続する。
一方、図2には、尾端部の水溜り状況を説明する図を示すが、まず鋼板1の尾端が冷却ゾーンの入側水切りロール3に進入するまで(図2(a))は、板上水5の液面はほぼ満水で安定した状態となっている。鋼板1尾端が入側水切りロール3を抜けてから、出側水切りロール4に進入するまでの状態(図1(b))では、鋼板1の両サイドからの排水に加えて、尾端部からも冷却水が鋼板1の下に落下するが、通板速度が速いと板上水5が排水される前に出側水切りロール4に進入する。このように、鋼板1上面の先尾端では、長手中央部と比較して、板上水5の液面高さが変化し、これに対応して冷却能力も変化する。なお、冷却能力についての詳細は後に述べる。
一方、鋼板1下面では冷却水は重力の影響により速やかに落下するため、冷却水が鋼板1に滞留することは無く、冷却能力は鋼板1の全長にわたって一様となる。
よって、例えば、鋼板1の長手中央部で上下面の冷却能力が一致するように上下水量比を調整すると、先尾端で上下面の冷却能力のアンバランスが発生し、反りが発生する。
また、定性的には、鋼板尾端部では先端部と比較して板上水5の液面高さは高い状態が保たれる。また、鋼板1の尾端部で液面高さが変化するのは、入側水きりロール3と出側水切りロール4の間隔分だけとなるのに対して、先端部では板上水5が満水となる時間分だけ通過した距離の間で冷却能力が変化する。よって、反りは鋼板先端の方がより大きくなる。 したがって、本発明では、特に問題となる鋼板先端部と長手中央部の冷却能力を均一化することを対象とする。
また、上述したような冷却状態では、冷却形式によっても板上水の量が冷却に及ぼす影響は変化する。
例えば、スプレー冷却のように運動量の低い冷却形式とした場合、図3のような状態となる。板上水が無い場合、冷却水はスプレー11から液滴12の状態で高温鋼板に直接衝突するため、冷却能力は高くなる。一方、板上水5がある場合は、液滴の速度は板上水5で減衰し、その衝突力は低くなる。この場合、板上水と高温鋼板の間に蒸気膜が発生する。この蒸気膜内の熱伝導により伝熱がなされる状態となり、冷却能力は低い。
また、スリットジェットノズルを冷却形式とした場合、特許文献1によると図4のような状態となる。ジェット水流による冷却は、(1)ジェット水流が鋼板1に衝突して鋼板1の熱を奪う衝突域Aにおける冷却、(2)衝突後、ジェット水流が鋼板1に沿って流れながら鋼板1の熱を奪う沿い流れ域Bにおける冷却、(3)ジェット水流が水切りロール4により遮断され板上水5が形成され、攪拌状態で鋼板の熱を奪う攪拌域Cにおける冷却、の3段階から構成される。鋼板先端が水切りロール4に進入するまでは、板上水が形成されず、前記(3)における板上水5の攪拌状態による冷却が無いため、冷却能力は低くなる。
以上のメカニズムから高温鋼板の上面でのみ先尾端と長手中央部において冷却能力に差が出る。この結果、上面側長手中央部と下面側の冷却能力が一致するように調整した場合、鋼板の先尾端において上下面に温度偏差が発生し、反り形状の歪となるのである。
このような問題を解決するために、特許文献1には、熱間圧延されて搬送中の高温鋼板の上面及び下面にジェットスリットノズルからジェット水流を噴射し、当該鋼板を一方に連続して冷却した後、前記ジェットスリットノズルの下流側に一対設けた水切りロールにより前記ジェット水流を遮断する冷却方法において、鋼板先端部とその他の部分との冷却効率差を考慮し、鋼板の先端部が冷却される時の搬送速度を、先端部以外の部分が冷却される時の搬送速度よりも遅くする、高温鋼板の冷却方法が提案されている。
特許文献2には、熱鋼板をロールで上下から押圧しながら注液冷却する方法において、ロール間の上方及び/又は下方に冷却液通過量の制御手段を設け、さらに該熱鋼板の通過位置検知手段と冷却演算制御手段を設け、移動中の該熱鋼板の先端部及び/又は後端部が通過しようとする位置の冷却液の通過量を制御する熱鋼板の冷却方法が提案されている。
特開昭62−161415号公報 特開昭60−043435号公報
特許文献1に開示された手段は、ジェットスリットノズルにおけるジェット水流が鋼板先尾端と長手方向中央部において、その流動状態の違いから冷却能力が変化する分、通板速度を変化させ冷却時間を調整することにより、冷却後の長手方向温度を均一化する技術である。しかしながら、そもそも鋼板先尾端の流動状態の変化による冷却能力低下は、冷却速度が鋼板先尾端と長手方向中央部とで異なっていることを意味するため、材質制御の観点から問題がある。また、先端部と長手方向中央部とで冷却能力が変化するのは、板上水が形成される鋼板上面のみであるため、上下面での冷却能力差による温度偏差が生じ鋼板に反りが発生する。よって、この場合冷却後の鋼板長手方向上面の温度は均一化することができても、上下面の冷却能力差は生じるので、板形状を改善することができない。
特許文献2に開示された手段は、熱鋼板の通過位置を検知する手段とノズル出口側に遮蔽物を設け、ノズルから噴射された冷却水の一部を遮断して、先尾端の位置に合わせ先尾端と長手方向中央部の冷却能力を変化させる手法であるが、遮蔽機構を設置するスペースを確保する必要があり、冷却ノズルは鋼板から離れた距離に設置しなければならないため、スプレーやラミナー冷却等の冷却装置に限定され、図4のように打力を稼ぐために鋼板に近接設置させるスリットジェット冷却等に適用することができない。また、流量の遮蔽率は遮蔽物の構造で決まってしまい、可変にすることができない。そのため、冷却水量や板サイズなどによって、適正な遮蔽率が変化する場合には対応ができない。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決することを課題とし、熱間圧延後の鋼板を冷却するに際して、全体として冷却速度が大きい状態で、鋼板の先端部から長手中央部にわたって均一で且つ、板厚方向について上下面対称温度分布とし、歪の無い鋼板を製造することが可能な鋼板の冷却方法及び冷却装置を提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有する。
[1]熱間圧延後の鋼板を入側水切りロールと出側水切りロールで仕切られた冷却ゾーンを一定の速度で通過させながら鋼板の上下面を冷却水で冷却する鋼板の冷却方法において、鋼板の上面に向けて冷却水を噴射するノズルを連続流を噴射する連続流噴射ノズルとするとともに、連続流噴射ノズルからの冷却水量について、鋼板の先端部が冷却ゾーンを通過する時の冷却水量が鋼板の長手方向中央部が冷却ゾーンを通過する時の冷却水量より多くなるようにすることを特徴とする鋼板の冷却方法。
[2]前記[1]に記載の鋼板の冷却方法において、鋼板の先端が入側水切りロールに進入してから出側水切りロールに進入するまでの間は、連続流噴射ノズルからの冷却水量を、鋼板の長手方向中央部が冷却ゾーンを通過する時の冷却水量より多い冷却水量とし、鋼板の先端が出側水切りロールに進入した後、連続流噴射ノズルからの冷却水量を、鋼板の長手方向中央部が冷却ゾーンを通過する時の冷却水量に向けて調整することを特徴とする鋼板の冷却方法。
[3]前記[2]に記載の鋼板の冷却方法において、鋼板の板幅をW(m)、鋼板の先端が冷却ゾーンの出側水切りロールに進入した時の連続流噴射ノズルからの冷却水量をQ(T/min・m2)として、鋼板の先端が冷却ゾーンの出側水切りロールに進入した時に連続流噴射ノズルからの冷却水量の調整を開始し、鋼板の先端が冷却ゾーンの出側水切りロールに進入した時からの経過時間t(sec)が、0.57(1.12W+1.93)Q-0.35≦t≦(1.12W+1.93)Q-0.35となった時に連続流噴射ノズルからの冷却水量の調整を終了することを特徴とする鋼板の冷却方法。
[4]前記[2]又は[3]に記載の鋼板の冷却方法において、連続流噴射ノズルからの冷却水量について、鋼板の先端が入側水切りロールに進入してから出側水切りロールに進入するまでの間の冷却水量を、鋼板の長手方向中央部が冷却ゾーンを通過する時の冷却水量より1.2〜1.8倍多くなるようにすることを特徴とする鋼板の冷却方法。
[5]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の鋼板の冷却方法において、連続流噴射ノズルと、連続流噴射ノズルに冷却水を送水する冷却水送水装置との間に流量調整弁を設け、その流量調整弁を調節することによって、鋼板の先端部が冷却ゾーンを通過する時の冷却水量が鋼板の長手方向中央部が冷却ゾーンを通過する時の冷却水量より多くなるようにすることを特徴とする鋼板の冷却方法。
[6]前記[5]に記載の鋼板の冷却方法において、連続流噴射ノズルと冷却水送水装置の間に、流量調整弁を並列に2個以上設けることを特徴とする鋼板の冷却方法。
[7]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の鋼板の冷却方法において、連続流噴射ノズルと、連続流噴射ノズルに冷却水を送水する冷却水送水装置との間に、冷却水の一部を連続流噴射ノズルに送水しないようにするための逃し弁を設け、その逃し弁を調節することによって、鋼板の先端部が冷却ゾーンを通過する時の冷却水量が鋼板の長手方向中央部が冷却ゾーンを通過する時の冷却水量より多くなるようにすることを特徴とする鋼板の冷却方法。
[8]前記[7]に記載の鋼板の冷却方法において、連続流噴射ノズルと冷却水送水装置の間に、逃し弁を並列に2個以上設けることを特徴とする鋼板の冷却方法。
[9]前記[1]〜[8]のいずれかに記載の鋼板の冷却方法において、連続流噴射ノズルが、スリットジェットノズル、円管ジェットノズル、ラミナーノズルのいずれか1種又は2種以上であることを特徴とする鋼板の冷却方法。
[10]熱間圧延後の鋼板を入側水切りロールと出側水切りロールで仕切られた冷却ゾーンを一定の速度で通過させながら鋼板の上下面を冷却水で冷却する鋼板の冷却装置において、鋼板の上面に向けて冷却水を噴射するノズルを連続流を噴射する連続流噴射ノズルとするとともに、連続流噴射ノズルからの冷却水量について、鋼板の先端部が冷却ゾーンを通過する時の冷却水量が鋼板の長手方向中央部が冷却ゾーンを通過する時の冷却水量より多くなるようにしていることを特徴とする鋼板の冷却装置。
[11]前記[10]に記載の鋼板の冷却装置において、連続流噴射ノズルと、連続流噴射ノズルに冷却水を送水する冷却水送水装置との間に、1個又は並列に配された2個以上の流量調整弁を備え、その流量調整弁を調節することによって、鋼板の先端部が冷却ゾーンを通過する時の冷却水量が鋼板の長手方向中央部が冷却ゾーンを通過する時の冷却水量より多くなるようにしていることを特徴とする鋼板の冷却装置。
[12]前記[10]に記載の鋼板の冷却装置において、連続流噴射ノズルと、連続流噴射ノズルに冷却水を送水する冷却水送水装置との間に、冷却水の一部を連続流噴射ノズルに送水しないようにするための、1個又は並列に配された2個以上の逃し弁を備え、その逃し弁を調節することによって、鋼板の先端部が冷却ゾーンを通過する時の冷却水量が鋼板の長手方向中央部が冷却ゾーンを通過する時の冷却水量より多くなるようにしていることを特徴とする鋼板の冷却装置。
[13]前記[10]〜[12]のいずれかに記載の鋼板の冷却装置において、鋼板の先端が入側水切りロールに進入してから出側水切りロールに進入するまでの間は、連続流噴射ノズルからの冷却水量を、鋼板の長手方向中央部が冷却ゾーンを通過する時の冷却水量より多い冷却水量とし、鋼板の先端が出側水切りロールに進入した後、連続流噴射ノズルからの冷却水量を、鋼板の長手方向中央部が冷却ゾーンを通過する時の冷却水量に向けて調整するようにしていることを特徴とする鋼板の冷却装置。
[14]前記[13]に記載の鋼板の冷却装置において、鋼板の板幅をW(m)、鋼板の先端が冷却ゾーンの出側水切りロールに進入した時の連続流噴射ノズルからの冷却水量をQ(T/min・m2)として、鋼板の先端が冷却ゾーンの出側水切りロールに進入した時に連続流噴射ノズルからの冷却水量の調整を開始し、鋼板の先端が冷却ゾーンの出側水切りロールに進入した時からの経過時間t(sec)が、0.57(1.12W+1.93)Q-0.35≦t≦(1.12W+1.93)Q-0.35となった時に連続流噴射ノズルからの冷却水量の調整を終了するようにしていることを特徴とする鋼板の冷却装置。
[15]前記[10]〜[14]のいずれかに記載の鋼板の冷却装置において、連続流噴射ノズルが、スリットジェットノズル、円管ジェットノズル、ラミナーノズルのいずれか1種又は2種以上であることを特徴とする鋼板の冷却装置。
本発明により、熱間圧延を完了した鋼板を冷却するに際して、鋼板長手方向先端から尾端までの板面内の温度分布を均一にすることができ、かつ、先端反りの無い鋼板の製造が可能になる。
本発明では、材質特性を得る観点からスリットジェットノズル若しくは円管ジェットノズル若しくはラミナーノズルを採用する。これは、先に述べたように、スプレーノズル等のようにノズルから冷却水が液滴状態で噴射されるノズルは、鋼板の長手方向中央部のように板上水が形成される部位では、板上水により液滴が減衰され冷却能力が低下するが、このための先尾端の冷却水量を低くすることにより長手方向の温度分布の均一化を図らなければならず、その結果、全体としては冷却能力を低くせざるを得ない。一方、スリットジェットノズル等のように連続流を噴射するノズル(連続流噴射ノズル)では、板上水が形成される部位において板上水の攪拌により伝熱能力向上が期待でき、先尾端の冷却水量を長手方向中央部と比較して多くすることにより全体として、高い冷却能力にすることができる。以降、スリットジェットノズルを採用した場合を例に取り説明をする。
そして、本発明では、入側水切りロールと出側水切りロールで仕切られた冷却ゾーンを一定の速度で通過する鋼板の長手方向温度分布の均一化を図るために、ノズルから噴射する冷却水の流量(冷却水量)を鋼板先端部で変化させる。具体的には、鋼板先端部では、板上水が形成されないため鋼板長手中央部よりも冷却水量を多くする。この方法として、流量調整弁を使う方式と逃し弁を使う方式とする。
図5には、本発明の第1の実施形態として、流量調整弁を使う方式の配管系統図を示す。冷却ポンプ20から供給される冷却水は、流量計21で流量を測定された後、その流量測定値に基づいて流量調整弁22の弁の開度を調節することにより、流量を調整され、上面冷却用のスリットジェットノズル13より噴射される。
図6には、本発明の第2の実施形態として、逃し弁を使う方式の配管系統図を示す。冷却ポンプ20から供給される冷却水は、流量計21、流量調整弁22から構成される流量調整弁方式配管系統27を通過した後、上面ノズルに給水される配管系統25と逃し弁配管26に分岐される。逃し弁配管26は、遮断弁23と調整弁24から構成される逃し弁を備えており、遮断弁23は開度を全閉と全開の調節のみでき、調整弁24は手動若しくは自動で開度を調節できるようになっている。このような構成により、鋼板先端では逃し弁配管26の遮断弁23を閉の状態としておき、ある時点で遮断弁23を開の状態とすることで鋼板の先端部と長手方向中央部以降で上面ノズルから噴射される冷却水量を変化させる。
このような本発明の第1の実施形態若しくは第2の実施形態によって、鋼板長手方向で冷却水量を変化させる。このようにすると、特許文献2のように、ノズル出側に構造物を設置しなくても良いので、例えばノズルと鋼板を近接して設置させるような冷却装置でも鋼板の長手方向で、鋼板への冷却水の被水量を変化させることが可能となる。
次に、本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態においる具体的な流量制御方法について説明する。
まず、図5に示した本発明の第1の実施形態である流量調整弁を用いた方法について、図5の配管系統図及び図7の流量制御のフローチャートを用いて説明する。先に説明したように板上水5の形成により冷却能力が変化するが、板上水は鋼板先端が図5中の冷却ゾーン出側水切りロール4に進入した時点で形成が始まる。そして、ある時間経過すると板上水5は満水となり、その液面高さは安定する。よって、鋼板先端が冷却ゾーン出側水切りロール4に進入した時点で流量調整を開始し、板上水が満水になる時点で流量調整を完了させるように流量調整弁22を動かして流量を制御する必要がある。
次に、図6に示した本発明の第2の実施形態である逃し弁を用いた方法について、図6の配管系統図及び図8の流量制御のフローチャートを用いて説明する。これも第1の実施形態と同じく、鋼板先端が冷却ゾーン出側水切りロール4に進入した時点で流量調整を開始し、板上水が満水になる時点で流量調整を完了させるが、ここでは、逃し配管26の遮断弁23を全開の状態としておき、鋼板先端が進入した時点で閉動作を開始し、板上水が満水になる時点で遮断弁23が全閉になるように遮断弁23の動作速度(開度)を調節して、流量を制御する。
そして、冷却水の流量の設定については、以下のようにして行う。
(1)鋼板長手中央部で材質設計のために必要な冷却能力を算定する。
(2)板上水がある状態で、この冷却能力を得られる冷却水量Qaを算定する。
(3)板上水が無い状態で、この冷却能力が得られる冷却水量Qbを算定する。
(4)鋼板先端部に必要な冷却水量は、板上水が無い状態の冷却水量Qbとし、長手中央部に必要な冷却水量は、板上水がある状態の冷却水量Qaとして、流量を設定する。
この流量設定は、第1の実施形態である流調弁方式では、流量計21の指示値を参照してフィードバックで流量調整弁22を調節すればよい。また、第2の実施の形態である逃がし弁方式では、逃し配管26の遮断弁23を全閉とした場合に、鋼板先端部で必要な流量Qbになり、遮断弁23を全開にした場合には、鋼板長手方向中央部で必要な流量Qaだけノズルに冷却水が流れるように、逃し配管26の調整弁24の開度を調節しておく。
ここで、板上水が形成されている状態と板上水が形成されていない状態における冷却水量と冷却能力の関係は予め把握しておかなければならない。図4の形式のスリットジェットノズル(水切りロールピッチ1m、5mmギャップ)で鋼板を冷却した場合の500℃における熱流束(単位面積・単位時間当たりに冷却水に奪われた熱量)を図9に示す。板上水がある方が冷却能力は高く、板上水が無い場合と比較して板上水がある場合は20%程度熱流束(冷却能力)が高くなっていることが分かる。また、図中で例えば板上水のある長手中央部流量を1.2T/min・m2で冷却した場合、この冷却能力と板上水が無い場合の冷却能力を一致させるためには、板上水無しで1.7T/min・m2程度の冷却水量が必要となる。よって、この場合には、鋼板先尾端では、長手方向中央部の約1.4倍の冷却水を噴射する必要がある。なお、これは冷却の形式やノズルの設置位置により変化するため、各種冷却ノズルに応じて予め調査しておく必要がある。発明者等が冷却水量1.0〜3.0T/min・m2、水切りロールピッチ0.7〜1.2mの範囲において、パイプラミナー、スリットラミナー、スリットジェットノズルで調査したところ、板上水が無い場合の冷却能力を板上水がある場合の冷却能力に一致させるために必要となる板上水が無い場合の流量は、板上水がある場合の流量の1.2〜1.8倍の範囲に存在することを見出した。そのため、この範囲で流量調整が可能なように配管径や流量調整弁を選択すればよい。
次に、前述のように、冷却水量の調整時期については、鋼板が冷却装置の出側水切りロールに進入した時に流量調整を開始し、板上水が満水になった時に流量調整を完了させる必要がある。板上水が満水になるまでの時間は、冷却水量や板幅により変化するが、これは、解析的に求めることが可能である。
単位時間当たりの液面高さの変化は、式(1)のようになる。
Figure 0004661226
液面が満水になる時、液面高さの時間変化は無くなる。この時、式(1)の左辺はゼロになるので、満水になった場合の液面高さh∞は式(2)のようになる。
Figure 0004661226
また、式(1)の微分方程式を解くと、液面高さの時間推移が計算できる。式(1)の微分方程式を解いて、得られた液面高さをh/h∞と無次元化すると板上水が満水時となった時に対する液面高さになる(以後無次元液面高さと呼ぶ)。
図10には、水量密度(冷却水量)2.0T/min・m2、冷却ゾーン長1m、板幅5mの場合の液面高さの時間的推移を示す。無次元液面高さが0.80程度までは、急激に液面高さが高くなるが、それ以降は緩やかに液面高さが高くなっていることが分かる。特に、無次元液面高さが0.95を超えたところでは実質液面高さが変化しないとみなせる。実際の運用では、無次元液面高さが0.80以上であれば冷却能力はあまり変化しない。そこで、冷却能力がほぼ安定する状態としての無次元液面高さを0.80、液面高さが定常になった状態としての無次元液面高さを0.95と考えると、それぞれの状態になるまでの時間は次のようになる。
無次元液面高さが0.95になる状態までの時間(板上水が満水になるまでの時間)
Figure 0004661226
無次元液面高さが0.80になる状態までの時間(板上水による冷却能力がほぼ安定するまでの時間)
Figure 0004661226
したがって、鋼板先端が冷却ゾーンの出側水切りロールに進入してから、式(4)よりも長く、式(3)より短い時間の間で流量変更(流量調整)を完了するのが望ましい。
図11はその計算例として、1m間隔のピッチで配置された水切りロール間に冷却水を注水した場合の板上水液面高さが安定して溜まるまでの時間を示す(無次元液面高さが0.80になる時間)。板幅が狭いほど、また水量が多いほど安定時間は短くなることが分かる。また、冷却水量が2.0T/min・m2の場合、板上水が溜まるまでの時間は3sec程度となり、非常に高速に流量を変化させる必要がある。
以上のような手法により、鋼板の先端部と長手中央部の冷却水量を変化させ、長手方向の冷却能力の均一化を図ることが可能である。
なお、一般的な弁では、その移動速度を大きく変えることができないため、その口径が大きいほど弁の開限から閉限までの移動距離が長くなり、応答速度が遅くなる傾向にある。厚鋼板の制御冷却では大流量噴射するが、配管で発生する圧力損失を軽減するために配管口径は大きなものを選択するケースが多く、所定時間内にノズルから噴射する流量を調整できないことがある。
このため、比較的流量が少なく、板上水が溜まるまでの時間が長く取れる場合は、流量調整弁をつかった制御方法でも問題が無いが、一方、流量が多く、板上水が溜まるまでの時間が短い場合については、逃し弁を使った方式の方が好ましい。逃し弁を使った方式では、逃し量が冷却水の供給水量よりも少ないため、逃し弁配管の口径を冷却供給配管よりも小さくすることが可能となり、高い応答速度を得ることができる。また、単純に開閉するだけの簡単な構造の弁を採用できるため、流量調整弁に使用している弁よりも、高速で開閉が可能となる。
さらに、流量を安定化させる方法として、逃し配管系統に、図12のように流量計28を設置する方法もある。この場合、予め計算しておいた逃し流量になるように、逃し配管系統の流量調整弁29の開度を予め設定しておくが、ポンプの元圧変動などによる外乱によって流量調整弁29の弁開度の微調整が必要になることがある。その場合、このように流量計28が逃し弁配管系統26にあると、その流量計28を用いて、図13に示すように逃す水量の微調整ができるため、操業を安定化するメリットがある。
また、大流量噴射において流量を高速で変化させることが必要になる場合があるが、その時は、例えば、図14のように、ポンプとノズルの間の配管に流量計21及び流量調整弁22を複数並列に並べる方法や、図15のように、逃し配管系統26を並列で複数並べる方法もある。このようにすると、流量調整弁の口径を応答速度の速い小径タイプが選択可能となるので、大流量噴射でも高速で流量を変化させることが可能となる。
上記で述べた手法を用いると、一層きめ細かい流量制御が可能となり、長手方向の冷却均一性をさらに高めることが可能となる。
図16は、本発明の実施例において用いる鋼板の冷却装置の概念図である。鋼板の素材スラブ42は厚板圧延機41により所定厚に圧延され、鋼板1となってローラーテーブル43上を移送されて、制御冷却装置44によって通過冷却により所定の冷却速度で冷却停止温度まで冷却される。制御冷却装置44には、鋼板1のパスラインを上下に挟んで上ヘッダー45及び下ヘッダー46が配置されており、これに高圧水を噴出するスリットジェットノズル13が取り付けられており、鋼板1の表面に衝突する極めて高圧の噴出水により鋼板1を急速冷却する機能を有する。また、制御冷却装置44の前後には温度計47、48が設置されており冷却前後で鋼板1の温度測定が可能となっている。なお、43はテーブルロールである。
また、制御冷却装置に関する詳細図を図17に示す。制御冷却装置は複数の冷却ゾーンから構成されており、それぞれの冷却ゾーンでは水切りロール49で仕切られており、かつ個別に冷却水量が調整可能となっている。この冷却ゾーンはゾーン長1mの設備が合計10ゾーン設置されており、圧延機に近いほうから順に1ゾーン、2ゾーン・・・と呼称する。
それぞれの冷却ゾーンのノズルは図18のような配管系統となっている。なお、上面ヘッダーはギャップ5mmのスリットジェットノズル、下面ヘッダーは20mmΦの円管ジェットが200mmピッチで取り付けてある。
そして、上面の流量調整弁22は、鋼板検知器(フォトセル)61により鋼板の先端を検知して、タイマー62で鋼板先端がゾーン出側水切りロール4に進入するタイミングを演算し、そのタイミングで流量調整を開始し、所定時間で流量調整を完了するように流量を制御する。これによって、本発明の第1の実施形態である流量調整弁を使う方式による冷却制御を行うことができる。
また、流量調整弁22の下流に遮断弁23と調整弁24が設けられており、上記の流量調整弁を使う方式に代えて、本発明の第2の実施形態である逃し弁を使う方式による冷却制御も行うことができる。
本発明の実施例では、板厚25mm、板幅4000m、板長25mのサイズに仕上温度800℃で圧延した。材質的な要求から冷却開始温度を750℃、冷却終了温度を550℃に制御する必要がある。
上面ノズルは図9のような伝熱特性をもっており、材質的な要求の冷却速度から考えて、500℃おける熱流束が1.7×106 kcal/m2hr℃として、図9から読み取ると、先端部の冷却水量は1.7T/min・m2、長手中央部は1.2T/min・m2とする必要があり、先端部の冷却水量を長手中央部と比べて1.4倍多くする必要がある。この時の通板速度は100mpm一定である。冷却水量の変更時間(調整時間)は、前記式(4)に先端部の冷却水量1.7T/min・m2と板幅4000mを代入して得られた3secで行った。鋼板の下面側については、本発明例の長手中央部の上面水量とバランスする下面水量を別の実験により調査し、1.6T/min・m2でバランスすることを見出したため、この水量で冷却を実施した。
ここで、本発明例1として、本発明の第1の実施形態である流量調整弁を使う方式によって上記したパラメータで制御した。
冷却後の鋼板長手方向の温度を温度計48により計測した結果を図19に示す。本発明例1では、鋼板長手全長にわたって、狙い温度である550℃を満足した。また、上下面の温度もほぼ同じ値となり、鋼板形状もフラットとなっていた。
次に、本発明例2として、本発明の第2の実施形態である逃し弁を使う方式によって上記したパラメータで制御した。
冷却後の鋼板長手方向の温度を温度計48により計測した結果を図20に示す。本発明例2では、鋼板長手全長にわたって、狙い温度である550℃を満足した。また、上下面の温度もほぼ同じ値となり、鋼板形状もフラットとなっていた。
また、比較例1として、先端部の冷却水量を変化させず上面1.2T/min・m2、下面1.6T/min・m2で冷却した例を図21に示す。鋼板下面側は全長にわたってほぼ狙いどおり550℃に冷却することができたが、鋼板上面の最先端部では585℃となり、狙い温度である550℃よりも35℃高くなった。鋼板上面では鋼板先端から約7m程度温度の高い領域が発生した。また、鋼板先端では上面側温度が下面側温度よりも高かったため、反りが発生した。
さらに、比較例2として、特許文献1の手法による冷却を実施した。冷却水量は、比較例1と同じにする。また、図9から冷却水量1.2T/min・m2の場合、板上水がある場合の熱流束は1.8×106kcal/m2hr、無い場合では1.5×106kcal/m2hrと読み取れる。よって、板上水の無い鋼板先端部は、長手中央部と比較して、(1.5×106kcal/m2hr)/(1.8×106kcal/m2hr) = 0.833だけ冷却能力が低い。そこで、これを補正するために通板速度を先端部のみ長手中央部の0.833倍となる通板速度(83mpm)で通板をした。また、比較例1において、鋼板先端から約7mのところまで上面温度が高くなっていたため、鋼板の初期速度を先に計算した83mpmとし、鋼板先端が7m冷却装置に進入した時点で100mpmまで加速して冷却を実施した。これによる冷却後の長手方向の温度分布を図22に示すが、鋼板先端部では上面側の冷却能力が低くなる分だけ通板速度を遅くした結果、上面側の長手方向の温度分布は全長にわたって、狙いどおり550℃となったが、下面側ではもともと長手方向で冷却能力が均一であったものが、先端部のみ通板速度を遅くした結果、冷却時間が長くなり505℃と狙い温度よりも低くなった。また、鋼板先端では上面側温度が下面側温度よりも高かったため、反りが発生した。
Figure 0004661226
なお、本発明例として、図5に示した流量調整弁を使う方式と図6に示した逃し弁を使う方式で実施したが、その応用例である図12〜15の配管系統としても同様の効果が得られることは言うまでも無い。
高温鋼板を冷却した場合における鋼板先端部の板上水の形成を説明する図である。 高温鋼板を冷却した場合における鋼板尾端部の板上水の形成を説明する図である。 スプレー冷却における板上水が冷却能力に及ぼす影響を説明した図である。 スリットジェットノズル冷却における板上水が冷却能力に及ぼす影響を説明した図である。 本発明の第1の実施形態の配管系統を説明した図である。 本発明の第2の実施形態の配管系統を説明した図である。 本発明の第1の実施形態の流量制御方法について説明した図である。 本発明の第2の実施形態の流量制御方法について説明した図である。 スリットジェット冷却をした場合の冷却水量と熱流束の関係を説明した図である。 板上水の液面高さの時間的推移の例である。 板上水が安定して溜まるまでの時間を示した図である。 本発明の第2の実施形態を応用した配管系統の例である。 図12の配管系統を具体的に運用した場合の流量制御方法を説明した図である。 本発明の第1の実施形態を応用した配管系統の例である。 本発明の第2の実施形態を応用した配管系統の例である。 本発明の実施例において用いた厚板製造設備のレイアウトを説明した図である。 本発明の実施例において用いた冷却設備の詳細を説明した図である。 本発明例における冷却ゾーンを説明した図である。 本発明例1における冷却後の鋼板長手方向温度分布である。 本発明例2における冷却後の鋼板長手方向温度分布である。 比較例1における冷却後の鋼板長手方向温度分布である。 比較例2における冷却後の鋼板長手方向温度分布である。
符号の説明
1 鋼板
2 冷却ノズル
3 冷却ゾーン入側水切りロール
4 冷却ゾーン出側水切りロール
5 板上水
11 スプレーノズル
12 スプレーの液滴水
13 スリットジェットノズル
20 冷却水ポンプ
21 流量計
22 流量調整弁
23 遮断弁
24 調整弁
25 上面ノズル給水配管系統
26 逃がし弁方式配管系統
27 流量調整弁方式配管系統
28 逃がし弁配管系統用流量計
29 逃がし弁配管系統用流量調整弁
41 厚板圧延機
42 スラブ
43 テーブルロール
44 冷却装置
45 上面ノズル
46 下面のズル
47 冷却装置入側温度計
48 冷却装置出側温度計
49 水切りロール
61 鋼板検知器(フォトセル)
62 タイマー

Claims (15)

  1. 熱間圧延後の鋼板を入側水切りロールと出側水切りロールで仕切られた冷却ゾーンを一定の速度で通過させながら鋼板の上下面を冷却水で冷却する鋼板の冷却方法において、鋼板の上面に向けて冷却水を噴射するノズルを連続流を噴射する連続流噴射ノズルとするとともに、連続流噴射ノズルからの冷却水量について、鋼板の先端部が冷却ゾーンを通過する時の冷却水量が鋼板の長手方向中央部が冷却ゾーンを通過する時の冷却水量より多くなるようにすることを特徴とする鋼板の冷却方法。
  2. 請求項1に記載の鋼板の冷却方法において、鋼板の先端が入側水切りロールに進入してから出側水切りロールに進入するまでの間は、連続流噴射ノズルからの冷却水量を、鋼板の長手方向中央部が冷却ゾーンを通過する時の冷却水量より多い冷却水量とし、鋼板の先端が出側水切りロールに進入した後、連続流噴射ノズルからの冷却水量を、鋼板の長手方向中央部が冷却ゾーンを通過する時の冷却水量に向けて調整することを特徴とする鋼板の冷却方法。
  3. 請求項2に記載の鋼板の冷却方法において、鋼板の板幅をW(m)、鋼板の先端が冷却ゾーンの出側水切りロールに進入した時の連続流噴射ノズルからの冷却水量をQ(T/min・m2)として、鋼板の先端が冷却ゾーンの出側水切りロールに進入した時に連続流噴射ノズルからの冷却水量の調整を開始し、鋼板の先端が冷却ゾーンの出側水切りロールに進入した時からの経過時間t(sec)が、0.57(1.12W+1.93)Q-0.35≦t≦(1.12W+1.93)Q-0.35となった時に連続流噴射ノズルからの冷却水量の調整を終了することを特徴とする鋼板の冷却方法。
  4. 請求項2又は3に記載の鋼板の冷却方法において、連続流噴射ノズルからの冷却水量について、鋼板の先端が入側水切りロールに進入してから出側水切りロールに進入するまでの間の冷却水量を、鋼板の長手方向中央部が冷却ゾーンを通過する時の冷却水量より1.2〜1.8倍多くなるようにすることを特徴とする鋼板の冷却方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の鋼板の冷却方法において、連続流噴射ノズルと、連続流噴射ノズルに冷却水を送水する冷却水送水装置との間に流量調整弁を設け、その流量調整弁を調節することによって、鋼板の先端部が冷却ゾーンを通過する時の冷却水量が鋼板の長手方向中央部が冷却ゾーンを通過する時の冷却水量より多くなるようにすることを特徴とする鋼板の冷却方法。
  6. 請求項5に記載の鋼板の冷却方法において、連続流噴射ノズルと冷却水送水装置の間に、流量調整弁を並列に2個以上設けることを特徴とする鋼板の冷却方法。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の鋼板の冷却方法において、連続流噴射ノズルと、連続流噴射ノズルに冷却水を送水する冷却水送水装置との間に、冷却水の一部を連続流噴射ノズルに送水しないようにするための逃し弁を設け、その逃し弁を調節することによって、鋼板の先端部が冷却ゾーンを通過する時の冷却水量が鋼板の長手方向中央部が冷却ゾーンを通過する時の冷却水量より多くなるようにすることを特徴とする鋼板の冷却方法。
  8. 請求項7に記載の鋼板の冷却方法において、連続流噴射ノズルと冷却水送水装置の間に、逃し弁を並列に2個以上設けることを特徴とする鋼板の冷却方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の鋼板の冷却方法において、連続流噴射ノズルが、スリットジェットノズル、円管ジェットノズル、ラミナーノズルのいずれか1種又は2種以上であることを特徴とする鋼板の冷却方法。
  10. 熱間圧延後の鋼板を入側水切りロールと出側水切りロールで仕切られた冷却ゾーンを一定の速度で通過させながら鋼板の上下面を冷却水で冷却する鋼板の冷却装置において、鋼板の上面に向けて冷却水を噴射するノズルを連続流を噴射する連続流噴射ノズルとするとともに、連続流噴射ノズルからの冷却水量について、鋼板の先端部が冷却ゾーンを通過する時の冷却水量が鋼板の長手方向中央部が冷却ゾーンを通過する時の冷却水量より多くなるようにしていることを特徴とする鋼板の冷却装置。
  11. 請求項10に記載の鋼板の冷却装置において、連続流噴射ノズルと、連続流噴射ノズルに冷却水を送水する冷却水送水装置との間に、1個又は並列に配された2個以上の流量調整弁を備え、その流量調整弁を調節することによって、鋼板の先端部が冷却ゾーンを通過する時の冷却水量が鋼板の長手方向中央部が冷却ゾーンを通過する時の冷却水量より多くなるようにしていることを特徴とする鋼板の冷却装置。
  12. 請求項10に記載の鋼板の冷却装置において、連続流噴射ノズルと、連続流噴射ノズルに冷却水を送水する冷却水送水装置との間に、冷却水の一部を連続流噴射ノズルに送水しないようにするための、1個又は並列に配された2個以上の逃し弁を備え、その逃し弁を調節することによって、鋼板の先端部が冷却ゾーンを通過する時の冷却水量が鋼板の長手方向中央部が冷却ゾーンを通過する時の冷却水量より多くなるようにしていることを特徴とする鋼板の冷却装置。
  13. 請求項10〜12のいずれかに記載の鋼板の冷却装置において、鋼板の先端が入側水切りロールに進入してから出側水切りロールに進入するまでの間は、連続流噴射ノズルからの冷却水量を、鋼板の長手方向中央部が冷却ゾーンを通過する時の冷却水量より多い冷却水量とし、鋼板の先端が出側水切りロールに進入した後、連続流噴射ノズルからの冷却水量を、鋼板の長手方向中央部が冷却ゾーンを通過する時の冷却水量に向けて調整するようにしていることを特徴とする鋼板の冷却装置。
  14. 請求項13に記載の鋼板の冷却装置において、鋼板の板幅をW(m)、鋼板の先端が冷却ゾーンの出側水切りロールに進入した時の連続流噴射ノズルからの冷却水量をQ(T/min・m2)として、鋼板の先端が冷却ゾーンの出側水切りロールに進入した時に連続流噴射ノズルからの冷却水量の調整を開始し、鋼板の先端が冷却ゾーンの出側水切りロールに進入した時からの経過時間t(sec)が、0.57(1.12W+1.93)Q-0.35≦t≦(1.12W+1.93)Q-0.35となった時に連続流噴射ノズルからの冷却水量の調整を終了するようにしていることを特徴とする鋼板の冷却装置。
  15. 請求項10〜14のいずれかに記載の鋼板の冷却装置において、連続流噴射ノズルが、スリットジェットノズル、円管ジェットノズル、ラミナーノズルのいずれか1種又は2種以上であることを特徴とする鋼板の冷却装置。
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