JP4660799B2 - 高分子試料分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プラスチック等の高分子材料の光による劣化について分析する高分子試料分析装置に関するものである。
天然ゴム、プラスチック等の高分子材料は、鉄鋼等の金属材料と並んで、現代社会で重要な役割を担っている。前記高分子材料は、例えば、各種フィルム、繊維、容器等の材料として生活に欠かせないものとなっている。
ところで、前記高分子材料は、長期間に亘って使用すると、外的要因により、その物理・化学的特性が次第に劣化することが知られている。前記劣化の原因は、主として熱、光、機械的ストレス等であり、さらに生物や化学反応によるものである。このうち、前記光による劣化は、光のエネルギーによって高分子構造が開裂し、該開裂に伴って生じるラジカルが酸化連鎖反応を起こすことによるものと考えられている(例えば非特許文献1〜3参照)。
従来、光による劣化の試験は、高分子材料を野外で実際の太陽光に曝したり、ウェザーメーターを用い、アーク灯により太陽光に近い光線を照射したりすることにより行われている。また、ウェザーメーターを用いる場合には、前記アーク灯の光線の照射と同時に、加湿する場合もある。
しかし、高分子材料を野外に曝す場合には結果を得るまでに数ヶ月から数年を要し、ウェザーメーターの場合には大掛かりな装置と多大な費用とを必要とする上、結果を得るまでに数週間から数ヶ月を要するという問題がある。また、前記試験により得られる結果は、試料表面の劣化状態を目視または顕微鏡下で観察するもの、或いは劣化後の引っ張り強度等の機械的特性に関するものであり、該高分子材料を構成する高分子自体または該高分子材料に含まれる酸化防止剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤の劣化の進行機構に関する化学的知見を得ることができないとの問題がある。
前記問題を解決するために、紫外線を照射して高分子試料を劣化分解させ、劣化分解により生成したガスを検出する高分子試料分析装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
前記高分子試料分析装置は、高分子試料から複数の気相成分を生成する気相成分生成手段と、キャリヤガスを該気相成分生成手段に導入するキャリヤガス導入手段と、該キャリヤガスにより該気相成分生成手段から導入された該複数の気相成分を個々の気相成分に分離する分離カラムと、該分離カラムにより分離された気相成分を検出する検出器と、試料容器に収容されて該気相成分生成手段に案内された高分子試料に紫外線を照射する光ファイバーとを備える。
前記高分子試料分析装置では、まず、試料容器の底部にポリスチレン等の高分子試料からなる薄膜を形成し、該試料容器を、気相成分生成手段のハウジング内に配設された石英管の上端部から内部の所定の位置に挿入する。前記石英管は、下端部が分離カラムに接続されている。次に、前記石英管の上端部から光ファイバーを挿入し、前記試料容器内の高分子試料に紫外線を照射する。これにより、前記高分子試料は光・酸化・熱劣化分解し、複数の気相成分が生成する。次に、前記キャリヤガス導入手段によりキャリヤガスをハウジング内に導入し、該キャリヤガスにより複数の気相成分を石英管の下端部から分離カラムに導入する。次に、前記分離カラムにより前記複数の気相成分を個々の気相成分に分離し、分離された個々の気相成分を四重極質量分析器等の検出器により検出する。この結果、前記高分子試料分析装置によれば、高分子試料の自然環境下での光劣化について、多くの有用な化学的知見を得ることができる。
しかしながら、この高分子試料分析装置は、分析結果の再現性を得られないことがあり、さらなる改良が望まれる。
特開2007−017196号公報 「ウルフラン・シュナーベル(Wolfram Schnable)著、相馬純吉訳、「高分子の劣化−原理とその応用−」、裳華房、1993年 井出文雄著、「特性別にわかる実用高分子材料」、工業調査会、2002年 N.Grassie編、"Developments in Polymer Degradation-7"、Elsevier Applied Science、1987
本発明は、かかる事情に鑑み、分析結果の再現性を確実に得ることができる高分子試料分析装置を提供することを目的とする。
そこで、上記目的を達成するために、本発明は、高分子試料から複数の気相成分を生成する気相成分生成手段と、キャリヤガスを該気相成分生成手段に導入するキャリヤガス導入手段と、該キャリヤガスにより該気相成分生成手段から導入された該複数の気相成分を個々の気相成分に分離する分離手段と、該分離手段により分離された個々の気相成分を検出する検出手段とを備えるとともに、試料容器に収容されて該気相成分生成手段へ案内された高分子試料に紫外線を照射する紫外線照射手段を備え、該紫外線照射手段による紫外線照射により該高分子試料が劣化分解して生成した複数の気相成分を、該キャリヤガスにより該分離手段に導入し、該分離手段により個々の気相成分に分離し、分離された該個々の気相成分を該検出手段により検出する高分子試料分析装置において、前記紫外線照射手段から所定の距離を存して前記試料容器を保持する距離保持部材を備え、前記紫外線照射手段は、照射部を被覆して保護する保護部材を備え、前記距離保持部材は、該保護部材の先端部に備えられた、該紫外線照射手段側から先端に向けて縮径されたテーパ部であり、前記試料容器は、該テーパ部の先端部よりも大径かつ該テーパ部の基端部よりも小径で、該テーパ部に外嵌される口径を備えるとともに、器壁を厚さ方向に貫通する貫通孔を備えることを特徴とする。
本発明によれば、前記試料容器が前記距離保持部材により前記紫外線照射手段から所定の距離を存して保持されているので、該紫外線照射手段により該試料容器に収容された該高分子試料に紫外線を照射する際、該高分子試料に照射される紫外線の照射量及び照射強度を常に一定に維持することができる。従って、分析結果の再現性を確実に得ることができる。
ところで、前記気相成分生成手段により前記高分子試料から生成された前記複数の気相成分が前記紫外線照射手段の照射部に付着すると、該紫外線照射手段から照射される紫外線の照射量及び照射強度が低下し、分析を確実に行うことができないことがある。そこで、前記紫外線照射手段は、前記照射部を被覆して保護する保護部材を備える。
このとき、前記距離保持部材は、該保護部材の先端部に備えられた、該紫外線照射手段側から先端に向けて縮径されたテーパ部であり、前記試料容器は、該テーパ部の先端部よりも大径かつ該テーパ部の基端部よりも小径で、該テーパ部に外嵌される口径を備えるとともに、器壁を厚さ方向に貫通する貫通孔を備える。
前記構成によれば、前記距離保持部材である前記保護部材の前記テーパ部に前記試料容器の口部が外嵌される際、前記口径が該テーパ部の前記先端部よりも大径かつ該テーパ部の前記基端部よりも小径であるので、該試料容器は、該テーパ部において該先端部と該s端部との間の該口径に対応する径の位置で係止される。従って、前記試料容器は、前記距離保持部材により前記紫外線照射手段から常に所定の距離を存して保持されることになり、分析結果の再現性を確実に得ることができる。
ところで、前記距離保持部材である前記保護部材の前記テーパ部に、通常使用されるような、器壁に厚さ方向に貫通する貫通孔を備えていない試料容器の口部が外嵌される場合には、該試料容器内に収容された前記高分子試料から生成された前記複数の気相成分を該試料容器外に導出させる経路が存在しないために、該複数の気相成分を前記検出手段により検出することができない。しかし、前記構成においては、前記試料容器は器壁を厚さ方向に貫通する貫通孔を備えるので、該貫通孔を介して、前記キャリヤガス導入手段により前記気相成分生成手段に導入された前記キャリヤガス等を、該試料容器内に流通させることにより、前記複数の気相成分を該試料容器外に導出させることができる。
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図1は本発明の高分子試料分析装置の一構成例を示す説明的断面図であり、図2は図1示の高分子試料分析装置の要部を示す拡大図である。
図1に示すように、本実施形態の高分子試料分析装置1は、プラスチック等の高分子材料からなる試料(以下、高分子試料と略記する)から複数の気相成分を生成する気相成分生成手段2と、キャリヤガス又は所定の雰囲気ガスを気相成分生成手段2に導入するガス導入手段3と、該気相成分を導入して個々の気相成分に分離する分離手段4と、分離手段4により分離された個々の気相成分を検出する検出手段5とを備えている。気相成分生成手段2は、試料導入部6を介して分離手段4に接続されている。
気相成分生成手段2は、ハウジング7内に配設された石英管8と、石英管8の外周側に配設された加熱用ヒーター9とを備えている。石英管8は、上端部から試料容器10が挿入可能であって、下端部は試料導入部6に接続されている。また、石英管8の前記下端部の内径は、前記上端部の内径よりも小径となっており、該上端部側と該下端部側との間に形成された縮径部(図示せず)に試料容器10を載置可能とされている。このような気相成分生成手段2として、例えば、フロンティア・ラボ株式会社製縦型マイクロ電気炉型パイロライザー(商品名:PY−2020iD)を用いることができる。
本実施形態の気相成分生成手段2は、さらに紫外線照射手段11を備えている。紫外線照射手段11は、重水素ランプ等の光源12と、光源12から放射される光のうち波長400nm以下の紫外線のみを選択的に透過させる光学フィルター13と、光学フィルター13に接続された光ファイバー14とを備えている。光ファイバー14は、石英管8内に挿入される部分に保護部材15を備え、該保護部材15の先端部に試料容器10が取着されている。紫外線照射手段11は、試料容器10を取着した状態で光ファイバー14が石英管8の上端部から挿入され、光ファイバー14から試料容器10内に収容された高分子試料に紫外線を照射するようになっている。
ガス導入手段3は、ヘリウム等のキャリヤガス源16と、ヘリウム、窒素、酸素、空気、加湿空気等の雰囲気ガス源17とを備えている。キャリヤガス源16と雰囲気ガス源17とは、それぞれキャリヤガス導管16aと雰囲気ガス導管17aとを介してガス切替装置18に接続されており、ガス切替装置18は、ガス導管19を介して気相成分生成手段2に接続されている。ガス導管19は、気相成分生成手段2のハウジング7内で、石英管8の上方に開口している。
分離手段4は、温度調整可能なオーブン20と、オーブン20内に配設されたキャピラリーカラム等の分離カラム21とを備えている。また、検出手段5は、四重極質量分析計等の検出器22を備えている。前記分離手段4と検出手段5とを備える装置として、例えば、ヒューレットパッカード社製GC/MSシステム(商品名:モデル5975GC/MSシステム)を用いることができる。
試料導入部6は、上端部に石英管8の下端部が接続され、下端部に分離カラム21が接続される一方、上下両端部の間にスプリットベント管23を備えている。スプリットベント管23は、開閉弁23aを開弁して大気開放することにより石英管8から導入される気相成分の一部を排出して、分析の必要感度に応じて適切な量の前記気相成分を分離カラム21に導入する流量調整手段として作用する。
紫外線照射手段11の光ファイバー14は、外周面を被覆する樹脂製のクラッド層(図示せず)により保護されているが、石英管8に挿入される先端部は、図2(a)に示すように、該クラッド層が剥離されてガラス製のコア部14aが露出した状態となっている。そして、コア部14aの先端面が、紫外線照射手段11の照射部14bを構成している。
照射部14bは、保護部材15を備えている。保護部材15は、光ファイバー14のコア部14aを挿入可能な内径を有する石英ガラス製の筒状体15aと、筒状体15aの開口端部に溶着されて該開口端部を閉塞する石英ガラス製の板体15bとからなり、板体15bの内面側に照射部14bが当接されている。尚、本実施形態では、保護部材15として、筒状体15aの開口端部を板体15bにより閉塞したものを用いているが、図2(b)に示すように、筒状体15aの先端部を丸めることにより該開口端部を閉塞したものを用いてもよい。
保護部材15の先端部15cに取着された試料容器10は、ステンレス製であり、表面にSiO層を形成することにより不活性化されている。試料容器10の口部10aは、保護部材15のテーパ部15dの先端部15eよりも大径かつ該テーパ部15dの基端部15fよりも小径である口径Dを備え、テーパ部15dに外嵌されている。また、試料容器10は、器壁を厚さ方向に貫通する貫通孔10bを備える。
分離カラム21の試料導入部6側には、外周側に気相成分濃縮部24が設けられており、分離カラム21が気相成分濃縮部24に挿通されている。気相成分濃縮部24には、冷媒として例えば液体窒素を噴射する冷媒噴射ノズル25が、挿通されている分離カラム21に直交する方向に取り付けられている。冷媒噴射ノズル25は、液体窒素導管26を介して液体窒素源27に接続されている。
冷媒噴射ノズル25は、分離カラム21の気相成分濃縮部24に挿通されている部分に液体窒素を噴射することにより、分離カラム21に導入された前記気相成分を該部分で冷却する気相成分冷却手段として作用する。前記気相成分は、分離カラム21の気相成分濃縮部24に挿通されている部分で冷媒噴射ノズル25により冷却されることにより、該部分に捕捉され、濃縮される。前記気相成分濃縮部24、冷媒噴射ノズル25を備える装置として、例えば、フロンティア・ラボ株式会社製冷却トラップ装置(商品名:マイクロジェット・クライオトラップ装置)を用いることができる。
尚、図1に示す高分子試料分析装置1では、雰囲気ガス源17を1つだけ示しているが、雰囲気ガス源17は、ヘリウム、窒素、酸素、空気等の雰囲気ガスのそれぞれに対応して複数設けられていてもよい。この場合、ガス切替装置18は、キャリヤガスと、前記複数の雰囲気ガスとを切り替え、あるいは1つの雰囲気ガスと、他の雰囲気ガスとを切り替える。
次に、ポリスチレンを前記高分子試料とした場合を例に、本実施形態の高分子試料分析装置1の作動について説明する。
前記高分子試料は、例えば、カップ状の試料容器10の内底面10cに、60μgのポリスチレンにより厚さ0.1mm以下の薄膜を形成することにより調製される。
高分子試料分析装置1では、まず、ガス切替装置18により、気相成分生成手段2に導入されるガスを切り替え、雰囲気ガス源17から雰囲気ガス導管17a、ガス導管19を介して、気相成分生成手段2に雰囲気ガスとして、例えば加湿空気を導入する。そして、前記加湿空気雰囲気下で、保護部材15のテーパ部15dに試料容器10が外嵌された状態で、光ファイバー14を石英管8の上端部から挿入し、試料容器10を石英管8の前記縮径部に載置する。
次に、紫外線照射手段11により試料容器10内の前記ポリスチレンに紫外線を照射しつつ、加熱用ヒーター9により該ポリスチレンを加熱する。前記加熱用ヒーター9は、室温から徐々に昇温して、例えば100℃程度の温度で前記ポリスチレンの加熱を行う。このとき、気相成分生成手段2に導入された前記加湿空気が、貫通孔10bを介して試料容器10内に流入することにより、試料容器10内が前記加湿空気雰囲気となる。
前記ポリスチレンは、前記加湿雰囲気下で前記紫外線が照射されるとともに加熱されることにより光・酸化・熱劣化分解し、複数の気相成分が生成する。前記「光・酸化・熱劣化分解」との用語は、前記紫外線による光劣化分解と、前記加湿空気に含まれる酸素による酸化劣化分解と、加熱用ヒーター9の加熱による熱劣化分解とを意味する。
次に、気相成分生成手段2に導入された前記加湿空気が、貫通孔10bを介して試料容器10内に流入するとともに試料容器10外に流出することにより、前記ポリスチレンから生成された複数の気相成分が、貫通孔10bを介して試料容器10外に導出され、試料導入部6を介して分離カラム21に導入される。このとき、スプリットベント管23の開閉弁23aを開弁することにより、スプリットベント管23が大気に開放される一方、分離カラム21は内径が小さいので流体抵抗となり、分離カラム21に導入される前記気相成分の流量を調整して、分析の必要感度に応じて適切な量に調整される。
また、前記気相成分が分離カラム21に導入される際に、冷媒噴射ノズル25から液体窒素を噴射することにより、分離カラム21の気相成分濃縮部24に挿通されている部分で、該気相成分を冷却し、該部分に捕捉する。この結果、分離カラム21の気相成分濃縮部24に挿通されている部分に、前記気相成分が捕集され、濃縮されるので、該気相成分中に含まれている低沸点化合物が分離カラム5から溶出することが防止される。また、前記ポリスチレン等の高分子試料を加熱用ヒーター9により100℃程度の温度で加熱するときには、分離カラム21の気相成分濃縮部24に挿通されている部分に、一旦、劣化分解生成物の全てを捕集することができ、分離カラム21による分離精度を向上させることができる。
次に、ガス切替装置18により、気相成分生成手段2に導入されるガスを切り替え、キャリヤガス源16からキャリヤガス導管16a、ガス導管19を介して、気相成分生成手段2にキャリヤガスとしてヘリウムを導入する。このとき、雰囲気ガス源17から供給される前記加湿空気が分離カラム21に流入すると、分離カラム21が劣化する虞があるので、該加湿空気をヘリウムで十分に置換する。
次に、前記加湿空気がヘリウムにより十分に置換されたならば、紫外線照射手段11による紫外線の照射と、冷媒噴射ノズル25からの液体窒素の噴射を停止し、オーブン20の温度を上昇させる。この結果、分離カラム21の気相成分濃縮部24に挿通されている部分に濃縮された前記気相成分が該部分から脱着し、分離カラム21により個々の気相成分に分離される。そして、前記個々の気相成分が検出手段5で検出される。検出手段5における検出結果は、クロマトグラムまたはマススペクトルとして出力される。
上述のように、高分子試料を加湿空気雰囲気下に紫外線を照射して光・酸化・熱劣化分解させると、自然環境下での光劣化に近い反応が起きるので、自然環境下での光劣化について、多くの有用な化学的知見を得ることができる。
ここで、本実施形態の高分子試料分析装置1において、試料容器10の口部10aが保護部材15のテーパ部15dに外嵌される際、口径Dが該テーパ部15dの先端部15eよりも大径かつ該テーパ部15dの基端部15fよりも小径であるので、試料容器10は、テーパ部15dにおいて先端部15eと基端部15fとの間の口径Dに対応する径の位置で係止される。この結果、試料容器10は、距離保持部材として作用する保護部材15のテーパ部15dにより、光ファイバー14から常に所定の距離Lを存して保持されることになる。従って、光ファイバー14により試料容器10内に収容された前記ポリスチレンに紫外線を照射する際、該ポリスチレンに照射される紫外線の照射量及び照射強度を常に一定に維持することができるので、分析結果の再現性を確実に得ることができる。
また、紫外線照射手段11の照射部14bは、保護部材15の板体15bに当接されることにより被覆され保護されているので、試料容器10内に収容された前記ポリスチレンから生成された複数の気相成分が前記照射部に付着することを防止することができる。
また、保護部材15は、石英ガラス製の筒状体15aと板体15bとからなるので、バーナー等で例えば500〜600℃で加熱することにより、該保護部材15の表面に付着した前記複数の気相成分を除去して、再利用することができる。
また、試料容器10は器壁を厚さ方向に貫通する貫通孔10bを備えるので、気相成分生成手段2に導入された前記加湿空気を、貫通孔10bを介して試料容器10内に流通させることにより、前記ポリスチレンから生成された複数の気相成分を試料容器10外に導出させて、検出手段5により確実に検出することができる。
尚、本実施形態では、ガス導入手段3にキャリヤガス源16とガス切替装置18とを設け、前記ポリスチレンの光・酸化・熱劣化分解の完了後、前記気相成分生成手段2に導入されるガスを前記雰囲気ガスから前記キャリヤガスに切り替えて、高分子試料分析装置1内が全て該キャリヤガスで置換されるようにしている。しかし、ガス切替装置18を、試料導入部6と分離カラム21との間に設け、分離カラム21内のみが前記キャリヤガスで置換されるようにしてもよい。この場合、ガス切替装置18は、例えば3方弁により構成し、雰囲気ガス源17から気相成分生成手段2に導入される雰囲気ガスが分離カラム21内に導入されることを阻止する一方、ガス切替装置18に接続されたキャリヤガス源16から供給されるキャリヤガスが分離カラム21内に導入されるようにする。
また、本実施形態では、気相成分生成手段2に雰囲気ガスとして加湿空気を導入しているが、他のガスを導入するようにしてもよいし、雰囲気ガスの代わりにキャリヤガスを使用してもよい。
また、本実施形態では、加熱用ヒーター9にて試料容器10内のポリスチレンを加熱しながら紫外線照射手段11により紫外線を照射しているが、加熱しなくてもよい。
本発明の高分子試料分析装置の一構成例を示す説明的断面図。 図1示の高分子試料分析装置の要部を示す拡大図。
符号の説明
1…高分子試料分析装置、 2…気相成分生成手段、 3…キャリヤガス導入手段、 4…分離手段、 5…検出手段、 10…試料容器、 10b…試料容器の貫通孔、 11…紫外線照射手段、 14b…紫外線照射手段の照射部、 15…保護部材、 15c…保護部材の先端部、 15d…保護部材のテーパ部、距離保持部材、 15e…テーパ部の先端部、 15f…テーパ部の基端部、 D…口径。

Claims (1)

  1. 高分子試料から複数の気相成分を生成する気相成分生成手段と、
    キャリヤガスを該気相成分生成手段に導入するキャリヤガス導入手段と、
    該キャリヤガスにより該気相成分生成手段から導入された該複数の気相成分を個々の気相成分に分離する分離手段と、
    該分離手段により分離された個々の気相成分を検出する検出手段とを備えるとともに、
    試料容器に収容されて該気相成分生成手段へ案内された高分子試料に紫外線を照射する紫外線照射手段を備え、
    該紫外線照射手段による紫外線照射により該高分子試料が劣化分解して生成した複数の気相成分を、該キャリヤガスにより該分離手段に導入し、該分離手段により個々の気相成分に分離し、分離された該個々の気相成分を該検出手段により検出する高分子試料分析装置において、
    前記紫外線照射手段から所定の距離を存して前記試料容器を保持する距離保持部材を備え、
    前記紫外線照射手段は、照射部を被覆して保護する保護部材を備え、
    前記距離保持部材は、該保護部材の先端部に備えられた、該紫外線照射手段側から先端に向けて縮径されたテーパ部であり、
    前記試料容器は、該テーパ部の先端部よりも大径かつ該テーパ部の基端部よりも小径で、該テーパ部に外嵌される口径を備えるとともに、器壁を厚さ方向に貫通する貫通孔を備えることを特徴とする高分子試料分析装置。
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