JP4660641B2 - 殺菌種苗物品、種苗物品の殺菌方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ヨウ素ガスにより殺菌された種苗物品および殺菌方法に関する。
種子を始めとする種苗物品の殺菌方法としては、農薬(殺菌剤)による紛衣処理、加熱処理、薬剤浸漬処理などが行われているが、農薬の使用が控えられている昨今、農薬処理以外の方法による殺菌処理が検討されている。例えば、非特許文献1及び2に記載される様に、加熱処理が一般的に行われているが、処理条件によっては発芽性に悪影響がでる恐れがあり、種子の保存性が低下することもある。また、薬剤浸漬処理では処理後直ちに播種する場合はさほど問題ないが、処理後に保存する場合は発芽性が低下する場合がある。さらに、浸漬により種皮が脱落しやすい作物には適さない。
一方、ヨウ素には殺菌効果があり、通常はヨウ素を溶解した液体状の殺菌剤が用いられており、浸漬・塗布等の方法で殺菌処理に供されている。ヨウ素には昇華性があるが、気体状のヨウ素にも殺菌効果があることが、例えば非特許文献3に記されているが、実用化が可能な技術の報告は見受けられない。
東 敬子、「かいわれ大根種子の乾熱消毒法」、[online]、農林水産省 野菜・茶業試験場、[2002年7月18日検索]、インターネット<URL:http://www.afftis.or.jp/shingi/01.htm> 中村 浩、「野菜種子の乾熱消毒技術」、[online]、農林水産省 野菜・茶業試験場、[2002年7月18日検索]、インターネット<URL:http://www.afftis.or.jp/shingi/01.htm> 芝崎 勲、「ヨウ素系環境殺菌剤の最近の話題」、食品工業、第29巻、第2号、第60〜71頁の特に第68頁(1986年)
以上の様な状況に鑑み、種苗物品の生長率を損なうことなく十分な殺菌を行えるヨウ素ガス殺菌法の実現を本発明の目的とする。
また本発明によれば、種苗物品をヨウ素含有ガスと接触させて殺菌処理する種苗物品の殺菌方法において、ヨウ素含有ガス発生部において気体媒体中で固体のヨウ素を昇華させることにより発生したヨウ素含有ガスの気流を、種苗物品を配置した種苗物品殺菌部に通し、種苗物品殺菌部から排出されたヨウ素含有ガスの気流をヨウ素含有ガス発生部に供給して、ヨウ素含有ガス発生部から種苗物品殺菌部を通りヨウ素含有ガス発生部に戻るヨウ素含有ガスの第一の循環経路を形成する第一循環処理工程と、種苗物品殺菌部から排出されたヨウ素含有ガスの気流を種苗物品殺菌部にそのまま戻す第二の循環形成を形成する第二循環処理工程と、を有し、 第一循環処理工程と第二循環処理工程とを切り換えることにより、種苗物品殺菌部内のヨウ素濃度を調整することを特徴とする種苗物品の殺菌方法が提供される。
また本発明によれば、種苗物品をヨウ素含有ガスと接触させて殺菌処理する種苗物品の殺菌方法において、ヨウ素を揮発性液体に溶解させたヨウ素含有液体が噴霧された種苗物品を容器内に投入し、容器内の気相部にヨウ素ガスを分配させて種苗物品の殺菌を行い、容器内の温度をヨウ素の凝結を制御する温度に調温することを特徴とする種苗物品の殺菌方法が提供される。
また本発明によれば、種苗物品と混合された固体のヨウ素を昇華させて生成されることを特徴とするヨウ素含有ガスによる種苗物品の殺菌方法が提供される。
本発明のヨウ素ガス殺菌法によれば、種苗物品の生長率を損なうことなく十分な殺菌を実現できる。
以下に本発明を詳細に説明する。
(種苗物品)
種苗物品とは各種植物類の種子、根、葉、茎、花、実および苗;これらの種子、根、葉、茎、花、実および苗を生育して得られる植物;これらの種子、根、葉、茎、花、実および苗を生育するのに使用される栽培用品などを言い、これらの種苗物品はヨウ素ガスにより良好に殺菌できる。
具体的には、キャベツ、ハクサイ、コマツナ、ブロッコリー、カリフラワー、ホウレンソウ、レタス、セロリ、ネギ、タマネギ、ニラ、ニンニク、ラッキョウ、ミョウガ、ショウガ、ワサビ、チンゲンサイ、京水菜、パセリ等の茎葉菜類の種子、根、葉、茎、苗、植物、花、実および栽培用品;ダイコン、カブ、ニンジン、ゴボウ、ビート等の根菜類の種子、根、葉、茎、苗、植物、花、実および栽培用品;トマト(台木を含む)、ミニトマト、ナス(台木を含む)、ピーマン、パプリカ、キュウリ、スイカ、メロン(台木を含む)、カボチャ(台木を含む)、ズキーニ、オクラ、スイートコーン等の果菜類の種子、根、葉、茎、苗、植物、花、実および栽培用品;インゲン、エダマメ、タイズ、アズキ、黒豆、エンドウマメ、ソラマメ、ラッカセイ等の豆類の種子、根、葉、茎、苗、植物、花、実および栽培用品;ジャガイモ、サツマイモ、長芋、里芋、小芋、ヤマトイモ等のイモ類の種子、根、葉、茎、苗、植物、花、実および栽培用品;カイワレ、モヤシ、メネギ、ミツバ、シソ等の芽物類の種子、根、葉、茎、苗、植物、花、実および栽培用品;キク、ユリ、チュウリップ、ダリア、スイセン、葉牡丹、アサガオ、ユウガオ、ユーストマ、リモニューム、デルフィニウム、カンナ、シクラメン、ストック、撫子、ニーレンベルギア、パンジー、ビオラ、ヒマワリ、ペチュニア、メランポディウム、リナリア、ルドベキア、オステオスペルマム、キンギョソウ、ロベリア、カンパニュラ、ラベンダー等の花類の球根、種子、根、葉、茎、苗、植物、花、実および栽培用品;松、梅、桜、杉、ツバキ、モクセイ、栗、茶、コーヒー、イチョウ、等の樹木類の種子、根、葉、茎、苗、植物、花、実および栽培用品;デントコーンソルゴー、ライ麦、イタリアン、エン麦、豆科牧草等の飼料作物及び芝類の種子、根、葉、茎、苗、植物、花、実および栽培用品;バナナ、パイナップル、キウイ、リンゴ、モモ、ブドウ、ナシ、カキ、アケビ、イチジク、ビワ、イチゴ、ミカン、キンカン、デカポン、レモン、オリーブ、サクランボ等の果実類の種子、根、葉、茎、苗、植物、花、実および栽培用品;稲、麦、ゴマ、ソバ、ヒエ、アワ、トウモロコシ等の穀物及び工芸作物の種子、根、葉、茎、苗、植物、花、実および栽培用品;カポック、パキュラ、クロトン、ゴム、サボテン等の観葉植物の種子、根、葉、茎、苗、植物、花、実および栽培用品などをヨウ素ガスにより良好に殺菌できる。
なお、栽培用品としては栽培用資材や施設を指し、栽培用資材としては培地、支持材、被覆材、および容器(鉢、トレイ、コンテナなど)などを例示できる。また、培地の様態としては培養土、わら、木、ロックウール、砂、礫、パミスサンド、パーライト、セラミック、くん炭、樹脂系培地、ピートモス、ココヤシ繊維、樹皮培地、籾殻、ニータン、ソータン、などを例示でき、培地の形態としては、固形、粘土状、ペースト状、ゲル状、ゾル状、液状などを例示できる。
以上の様な種苗物品の中でも、ヨウ素ガス殺菌法の利点を特に活かせるものは、殺菌により生長率が低下することが望ましくない物品であり、この様な物品として種子を挙げることができる。
なお、以上の様な種苗物品をヨウ素ガスにより殺菌しても、種苗物品の生長率は余り低下しないか向上する場合もある。例えば種子の場合、ヨウ素ガス殺菌により、発芽率および発芽勢は余り低下しないか向上する場合もある。また、栽培用品にあたっては、付着・混入した菌が殺菌されるため、病害発生が低減することで生長率は向上する。
ここで用いている生長率とは、一定の生育環境の中で、それぞれの生体を生育させた場合の生長度合いを示す指標であり、種子、根、葉、茎、花、実および苗;これらの種子、根、葉、茎、花、実および苗を生育して得られる植物などは、それぞれの生体ごとにその指標が異なり、例えば種子の場合においては発芽率、根の場合においては根の根量、および根張り、葉の場合においては葉長・葉幅、苗においては草丈、生体重などが生長率となる。また、栽培用品においてはそれらの用品を使用して種子、根、葉、茎、花、実および苗;これらの種子、根、葉、茎、花、実および苗を生育して得られる植物の生長度合いを示す指標であり、各生体毎の生長率指標基準に準ずる。
具体的には、種子の場合、発芽率は播種された種子のうち正常芽生を生じた種子の割合を言い、例えば発芽率(%)=(播種後その種子が発芽するに必要な日数以降に更に十分の日数を経た際の正常発芽数/播種数)×100で計算され、最終的な発芽性を評価する値であり、この数値が高いほど好ましい。ヨウ素ガス殺菌後の種子の発芽率は高いため、好ましくは70%以上、より好ましく80%以上、更に好ましくは90%以上を実現できる。また、ヨウ素ガス殺菌により種子の発芽率は余り低下しないか向上するため、ヨウ素ガス殺菌前の発芽率に対するヨウ素ガス殺菌後の発芽率は高く、好ましくは0.8倍以上、より好ましく0.9倍以上、更に好ましくは1.0倍以上、最も好ましくは1.1倍以上を実現できる。
以上で説明した発芽率に加え、発芽勢も重要である。発芽勢とは発芽締切日以前のある時期をとって、そのときまでに発芽した数の割合を言い、例えば発芽勢(%)=(播種後その種子が発芽するに必要な日数を経た際の発芽数/播種数)×100で計算され、発芽の揃いを評価する値であり、この数値が高いほど好ましい。ヨウ素ガス殺菌後の種子の発芽勢は高いため、好ましくは70%以上、より好ましく80%以上、更に好ましくは90%以上を実現できる。また、ヨウ素ガス殺菌により種子の発芽勢は余り低下しないか向上するため、ヨウ素ガス殺菌前の発芽勢に対するヨウ素ガス殺菌後の発芽勢は高く、好ましくは0.8倍以上、より好ましく0.9倍以上、更に好ましくは1.0倍以上、最も好ましくは1.1倍以上を実現できる。
なお、発芽率および生長率の関係と同様に、発芽勢の定義に準じて生長勢を定義できる。即ち、生長勢は、一定の生育環境の中で、一定の期間の間に、それぞれの生体を生育させた場合の生長の揃いを示す指標であり、種子、根、葉、茎、花、実および苗;これらの種子、根、葉、茎、花、実および苗を生育して得られる植物などは、それぞれの生体ごとにその指標が異なり、例えば種子の場合においては発芽勢、根の場合においては根の根量、および根張り、葉の場合においては葉長・葉幅、苗においては草丈、生体重などから生長勢を評価する。また、栽培用品においてはそれらの用品を使用して種子、根、葉、茎、花、実および苗;これらの種子、根、葉、茎、花、実および苗を生育して得られる植物の生長の揃いを示す指標であり、各生体毎の生長勢指標基準に準ずる。
なお、発芽率と同様に、生長率は、好ましくは70%以上、より好ましく80%以上、更に好ましくは90%以上を実現できる。また、ヨウ素ガス殺菌前の生長率に対するヨウ素ガス殺菌後の生長率は高く、好ましくは0.8倍以上、より好ましく0.9倍以上、更に好ましくは1.0倍以上、最も好ましくは1.1倍以上を実現できる。
また、発芽勢と同様に、生長勢は、好ましくは70%以上、より好ましく80%以上、更に好ましくは90%以上を実現できる。また、ヨウ素ガス殺菌前の生長勢に対するヨウ素ガス殺菌後の生長勢は高く、好ましくは0.8倍以上、より好ましく0.9倍以上、更に好ましくは1.0倍以上、最も好ましくは1.1倍以上を実現できる。
ヨウ素ガス殺菌法においては病原体の組織がヨウ素により酸化等の化学的作用により致命的な損傷を受けるため、他の殺菌法と比較してヨウ素ガスにより殺菌できる病原体のスペクトルは広い。具体的には、バクテリア、カビ、真菌、ウイルス、センチュウ等の病原動物およびその卵などをヨウ素ガスにより殺菌できる。これらの病原体をヨウ素ガスにより殺菌後は、種苗物品に存在する病原体の濃度が発病に必要な臨界濃度以下となる。
病原体の濃度の定量化方法としては、例えば、(ア)種苗物品の単位質量(例えば1g)当たりに存在している病原体の数(個/g)、(イ)全種苗物品中で病原体を保有している種苗物品の割合(%)等を採用する。なお、病原体の数の計測は、(ア)種苗物品が保有している病原体を抽出などし、これをプレート上などで生育し、コロニー及びプラーク等の数を計測する、(イ)種苗物品を用いて栽培し、病害を発症した種苗物品を計測する、(ウ)病原動物、及びその卵などの光学顕微鏡および電子顕微鏡で観察が可能な病原体は、光学顕微鏡および電子顕微鏡を用いて病原体を直接計測する等の方法で行う。
ヨウ素ガス殺菌法は殺菌効率が高いため、ヨウ素ガス殺菌後の種苗物品の病原体濃度は、種苗物品の発病に必要な病原体の臨界濃度の好ましくは1.0倍以下、より好ましく0.9倍以下、更に好ましくは0.8倍以下を実現できる。
また、ヨウ素ガス殺菌法は殺菌効率が高いため、種苗物品の単位質量(例えば1g)当たりに存在している病原体の殺菌により死滅した比率(殺菌率、%)は高く、好ましくは60%以上、より好ましく80%以上、更に好ましくは90%以上を実現でき、98%以上を実現できる場合もある。
更に、ヨウ素ガス殺菌法は殺菌効率が高いため、殺菌後の全種苗物品中で病原体を保有している種苗物品の割合(保菌率、%)は低く、好ましくは80%以下、より好ましく70%以下、更に好ましくは60%以下を実現できる。
(ヨウ素ガス殺菌法)
ヨウ素ガスを用いた殺菌法の具体的な形態としては、(ア)第1の形態として、気体媒体中で固体のヨウ素を昇華させてヨウ素ガスを生成し、このヨウ素ガスと気体媒体との混合気体を種苗物品に接触させる、(イ)第2の形態として、ヨウ素を含有する液体を種苗物品に噴霧し、その液体からヨウ素を気相部に分配してヨウ素ガスを生成し、種苗物品に接触させる、(ウ)第3の形態として、固体のヨウ素を種苗物品と混合し、その固体ヨウ素を昇華させてヨウ素ガスを生成し、種苗物品に接触させる等を採用する。以下、それぞれの形態を説明する。
(ア)第1形態
図1には、第1形態用の装置例として、ヨウ素ガス発生部110と、ヨウ素ガス発生部で発生されたヨウ素ガスと種苗物品とを接触させて種苗物品を殺菌する種苗物品殺菌部111とを具備する殺菌装置を示した。装置全体はポンプ116により吸引されており、気体媒体113がヨウ素ガス発生部に導入される。気体媒体の流量はバルブ114で制御され、流量計115で計測される。ヨウ素ガス発生部には固体ヨウ素が充填されており、この固体ヨウ素が昇華してヨウ素ガスを生成し、このヨウ素ガスが気体媒体の気流により種苗物品殺菌部111に輸送される。種苗物品殺菌部には種苗物品が充填されており、ヨウ素ガスが種苗物品に接触することで、種苗物品が殺菌される。
なお、気体媒体としては、空気、加湿空気、乾燥空気、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素、炭素数1〜5の不飽和および飽和炭化水素などを使用し、必要に応じて、これらを併用することもできる。
また、固体ヨウ素の形状としては、フレーク品(薄片状品)、プリル品(球状品)、グラニュール品(角型粒状品)等を使用するが、ヨウ素の昇華面積が大きい、均一にヨウ素ガスが発生する等の理由から、プリル品が好ましい。
更に、ヨウ素ガス発生部は固体ヨウ素が充填された交換可能なカセットが好ましい。全ての固体ヨウ素を使用した後に、新たな固体ヨウ素を、安全および簡単に装着できるからである。
種苗物品殺菌部の種苗物品が投入される容器としては、種苗物品殺菌部において気体媒体の気流により輸送され導入されるヨウ素ガスが種苗物品に均一に接触することが望ましく、種苗物品が攪拌されながらヨウ素ガスと接触して殺菌される構造が好ましい。この場合、種苗物品が殺菌中に攪拌されるため、殺菌が効率的で均一に進行する。また、ヨウ素ガスを含有する気体を導入する際に流速を早くし、種苗物品を気流により攪拌する条件で殺菌処理を行えば、攪拌手段を更に必要としないため、殺菌装置が複雑化することない。
また、種苗物品殺菌部において固体ヨウ素が凝結固化して種苗物品上で結晶化することを抑制するために、種苗物品殺菌部の温度をヨウ素ガス発生部の温度以上に制御することが好ましい。図1の殺菌装置の場合、ヨウ素ガス発生部の温度は温調器117で制御され、種苗物品殺菌部の温度は温調器118で制御される。
なお、必要に応じて、廃棄されるガス中のヨウ素を除去する手段112を配設する。ヨウ素ガス除去手段としては、例えば1質量%の水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ吸収方式、チオ硫酸ナトリウム水溶液などの還元剤吸収方式、活性炭等の吸着剤を用いた吸着方式などを使用する。
また、ヨウ素ガス発生部および種苗物品殺菌部の少なくとも何れか一方が、ヨウ素ガスを希釈する手段を具備していれば、より広範囲のヨウ素ガス濃度を実現でき、特に低濃度のヨウ素ガスで処理する場合は好適であり、ヨウ素ガス濃度調整の操作性が向上する。例えば、図1に示す様に、第2の気体媒体122を三方コック119を通して導入および混合し、ヨウ素ガスを希釈する。第2気体媒体の流量はバルブ121で制御され、流量計120で計測される。
更に、この様な構造を採用すれば、殺菌終了後に三方コックを操作することにより、第2気体媒体などのヨウ素ガスを含有しない気体を種苗物品殺菌部に導入できる。この結果、種苗物品に残存する固体ヨウ素を昇華させ除去することができる。
なお、ヨウ素ガスと接触する部位は、ヨウ素ガスによる腐蝕を抑制するために、ガラス及び非腐食性樹脂の少なくとも何れか一方により構成されることが好ましい。非腐食性樹脂としては、塩化ビニル系樹脂、フッ素樹脂などを使用する。
以上で説明してきた図1に示す殺菌装置の場合、ヨウ素ガス発生部から発生したヨウ素ガスは種苗物品殺菌部を通過した後、ヨウ素ガス除去手段によりヨウ素が除去され廃棄される、いわゆるワンウェイ方式である。このため、ヨウ素ガスの使用効率が不十分となる恐れがある。一方、装置中のヨウ素ガスが所定濃度に到達後は、ヨウ素ガスを含む気体媒体を種苗物品殺菌部を通過する経路を循環させ、場合によっては処理途中で種子への吸着等で損失するヨウ素を補給するため、いわゆる循環方式を採用すれば、ヨウ素ガスの使用効率を向上できる。
図2には、循環方式の殺菌装置の例を示した。ヨウ素ガス発生部210、種苗物品殺菌部211及びヨウ素ガス除去手段212は、それぞれ図1の場合と同様である。図2の殺菌装置の場合、先ず、耐蝕性ポンプ221を稼動して、三方コック213を操作し、気体媒体216を殺菌装置内に導入する。この際、三方コック218を操作して、気体媒体をヨウ素ガス発生部に導入し、三方コック219を操作して種苗物品殺菌部に導入し、三方コック220を操作して気体媒体を耐蝕ポンプ側に輸送する。その後、三方コック213を操作して気体媒体216の導入を停止し、ヨウ素ガス発生部および種苗物品殺菌部を通過する密閉経路中で気体媒体を循環させる。なお、気体媒体の流量は、流量計214及び217により制御する。
気体媒体の循環を続けると、殺菌が進行しながらヨウ素ガスの濃度が上昇する。ヨウ素ガス濃度が所定の値に達したら、三方コック218を操作して気体媒体がヨウ素ガス発生部を通過しない様にし、ヨウ素ガス発生部を通過せず種苗物品殺菌部を通過する密閉経路中で気体媒体を更に循環させ、殺菌を続行する。処理途中で種子への吸着等で損失する場合は気体媒体の循環路をヨウ素ガス殺菌部に導入するよう切り替え気体媒体中にヨウ素を補給する。このように気流循環式で処理すれば、ヨウ素ガス発生部のヨウ素を無駄に昇華しないため、ヨウ素の消費を低減できる。
所定濃度のヨウ素ガスを含有する気体媒体を所定時間循環し、殺菌を終了する。その後、三方コック213を操作し、気体媒体216を殺菌装置内に再び導入する。この際、三方コック218を操作して、気体媒体をヨウ素ガス発生部に導入しない様にし、ヨウ素ガスを含まない気体媒体を種苗物品殺菌部に導入し、三方コック220を操作して気体媒体をヨウ素ガス除去手段に導入する。ヨウ素ガスを含まない気体媒体を種苗物品殺菌部に導入することにより、種苗物品に吸着等により残存するヨウ素を昇華させ除去する。
図2の殺菌装置の場合も、ヨウ素ガス発生部の温度を温調器222で制御し、種苗物品殺菌部の温度を温調器223で制御して、種苗物品殺菌部の温度をヨウ素ガス発生部の温度以上とし、種苗物品殺菌部においてヨウ素が凝結固化して種苗物品上で結晶化することを抑制する。
また、ヨウ素ガスと接触する部位は、ヨウ素ガスによる腐蝕を抑制するために、ガラス及び非腐食性樹脂の少なくとも何れか一方により構成されることが好ましい。非腐食性樹脂としては、塩化ビニル系樹脂、フッ素樹脂などを使用する。
(イ)第2形態
第2形態用の装置例としては、ヨウ素含有液体が噴霧された種苗物品を容器内に投入し、この容器内の気相部にヨウ素ガスを分配させて種苗物品を殺菌する装置がある。この様な装置は、バッチタイプに適すると考えられる。
なお、ヨウ素を含有する液体としては、水およびアルコール類などの揮発性が高く種苗物品の生長率を低下させない液体が好ましい。
また、種苗物品を殺菌する部位にヨウ素が凝結することを抑制する観点から、ヨウ素ガスにより種苗物品を殺菌する部位を温度調節することが好ましい。
更に、ヨウ素ガスと接触する部位は、ヨウ素ガスによる腐蝕を抑制するために、ガラス及び非腐食性樹脂の少なくとも何れか一方により構成されることが好ましい。非腐食性樹脂としては、塩化ビニル系樹脂、フッ素樹脂などを使用する。
(ウ)第3形態
第3形態用の装置例としては、固体のヨウ素と種苗物品とを容器内で混合し、この容器内の気相部にヨウ素ガスを分配させて種苗物品を殺菌する装置がある。この様な装置は、バッチタイプに適すると考えられる。
なお、第3形態用の場合も第2形態の場合と同様に、種苗物品を殺菌する部位にヨウ素が凝結することを抑制する観点から、ヨウ素ガスにより種苗物品を殺菌する部位を温度調節することが好ましい。
また、第2形態の場合と同様に、ヨウ素ガスと接触する部位は、ヨウ素ガスによる腐蝕を抑制するために、ガラス及び非腐食性樹脂の少なくとも何れか一方により構成されることが好ましい。非腐食性樹脂としては、塩化ビニル系樹脂、フッ素樹脂などを使用する。
(ヨウ素ガス殺菌の殺菌条件)
ヨウ素ガス濃度、殺菌温度、殺菌時間、攪拌条件などの殺菌条件は、種苗物品の生長性を損なうことなく十分な殺菌を実現するよう注意深く最適化される。これらの殺菌条件の中でも、ヨウ素ガス濃度、殺菌温度、殺菌時間の最適化が重要である。
ヨウ素ガスの濃度としては、十分な殺菌効果を実現する観点から、10容量ppm以上が好ましく、100容量ppm以上がより好ましい。一方、多量のヨウ素が種苗物品の表面に残存することを抑制し、万が一にヨウ素ガスが漏洩した際にも安全性を確保する観点から、10,000容量ppm以下が好ましく、5,000容量ppm以下がより好ましく、2,000容量ppm以下が更に好ましい。
なお、種苗物品の種類によっては、低濃度のヨウ素ガスで十分な殺菌効果を実現できる場合や、ヨウ素が表面に残存し易い場合がある。この様な種苗物品の場合、ヨウ素ガスの濃度を低くし、その下限としては、0.1容量ppm以上が好ましく、1容量ppm以上がより好ましく、10容量ppm以上が更に好ましい。
殺菌時間としては、ヨウ素ガスの濃度にもよるが、十分な殺菌効果を実現する観点から、10分以上が好ましく、60分以上がより好ましく、120分以上が更に好ましい。一方、多量のヨウ素が種苗物品の表面に残存することを抑制し、また作業効率を向上する観点から、24時間以下が好ましく、12時間以下がより好ましく、6時間以下が更に好ましい。
なお、種苗物品の種類によっては、短時間の処理で十分な殺菌効果を実現できる場合や、ヨウ素が表面に残存し易い場合がある。この様な種苗物品の場合、殺菌時間を短くし、その下限としては、1秒以上が好ましく、10秒以上がより好ましく、1分以上が更に好ましい。
一方、種苗物品の種類によっては、十分な殺菌効果のためには長時間の処理が必要な場合や、ヨウ素が表面に残存し難い場合がある。この様な種苗物品の場合、殺菌時間を長くし、その上限としては、1ヶ月以下が好ましく、7日以下がより好ましく、3日以下が更に好ましい。
殺菌温度としては、十分な殺菌効果を実現する観点から、0℃以上が好ましく、10℃以上が更に好ましい。一方、種苗物品の生長率の低下を抑制する観点から、80℃以下が好ましく、60℃以下がより好ましく、40℃以下が更に好ましい。
更に、殺菌条件の指標として、ヨウ素ガスの濃度と殺菌時間との積は、十分な殺菌効果を実現する観点から、100容量ppm・秒以上が好ましく、一方、多量のヨウ素が種苗物品の表面に残存することを抑制し、また作業効率を向上する観点から、50,000容量ppm・時間以下が好ましい。
なお、殺菌方法を大別すると、低濃度のヨウ素ガスで長時間殺菌する方法と、高濃度のヨウ素ガスで短時間殺菌する方法とがあり、種苗物品へのヨウ素の吸着性および種苗物品の劣化のしやすさの相違で、高濃度短時間が適する場合と、低濃度長時間が適する場合がある。殺菌対象物品が種子の場合、種皮の表面性状、構成成分によりヨウ素の吸着性がかなり異なり、ヨウ素が吸着しにくい種子に対しては、高濃度短時間処理が良い傾向があるが、ヨウ素が吸着し易い種子に対しては、高濃度短時間ではヨウ素が高濃度で種子に吸着し、種子の発芽率が低下することがある。この様な場合は、低濃度長時間で処理した方が良いと考えられる。
(ヨウ素ガス殺菌法の特徴)
種苗物品の生長性を損なうことなく十分な殺菌を行える以外に、ヨウ素ガス殺菌法は、既存の殺菌方法と比較して、以下の様な利点を有する。
(ア)薬液浸漬と比較して、殺菌後の洗浄および乾燥処理、薬液の廃棄処理などが必要ない。
(イ)アブラナ科やマメ科のように浸漬すると種皮が脱落しやすい種子に適する。
(ウ)乾式加熱と比較して、発芽率の低下が少なく、効率よく種苗物品を殺菌できる。
(エ)低温プラズマ殺菌法と比較して、高価な装置を必要としない。
(オ)農薬紛衣と比較して、無農薬栽培などの農薬使用の禁止されている種苗物品にも適用できる。
(カ)燻蒸処理と比較して、処理後のガス処理が容易であり、有害物質が発生せず、安全性が高い。
更に、ヨウ素ガス殺菌法は、以下の様な利点も有する。
(キ)殺菌後の種苗物品に微量のヨウ素が吸着すると考えられるが、その吸着ヨウ素により殺菌性が残効する。
(ク)種苗物品に吸着した残存ヨウ素は刺激性、腐蝕性を伴わない程度に僅かづつ揮発するので、安全である。
(ケ)種苗物品の有機成分と反応するが、種苗物品の劣化は少ない。
(コ)殺菌に供するヨウ素は元素であり、また、人間に対しては必須の元素であることから、人体に対する有害性は低い。
(サ)ヨウ素ガスにより殺菌できる病原菌のスペクトルが広いため、カビ、バクテリア、ウイルス、センチュウなどを一度の処理で殺菌できる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、特に断りのない限り、試薬は市販の高純度品を使用した。
(実施例1〜19)殺菌種子1〜19
黒腐病自然汚染キャベツ種子および黒すす病自然汚染キャベツ種子をヨウ素ガスにより殺菌した。黒腐病の病原体はXanthomonas campestris(バクテリア)であり、黒すす病の病原体はAlternaria brassicicola(カビ)である。
ガラスカラムに固体ヨウ素(プリル)20gを充填し、別のガラスカラムに微生物汚染された種子10gを充填し、両方のカラムをガラス管で接続し、ヨウ素充填カラムの空気流入口に流量調節バルブ付きのフローメータを取りつけ、また、種子充填カラムの空気排出口を1%NaOH水溶液を入れたガス吸収ビンとガラス管で接続し、ガス吸収ビンの排出口をエアーポンプに接続して空気を吸引してワンウェイ方式で殺菌処理を行った。吸収ビンより下流側は恒温器内に設置しし、表1及び表2に示す条件でヨウ素ガス殺菌を行った。通気ガス流量は末端部の流量調節バルブで0.5L/minになるように調節した。表1及び表2に示す時間を経過後に、ヨウ素ガスを含まない空気を種苗物品殺菌部に導入した。なお、ヨウ素ガスの濃度は、吸収液中のヨウ素濃度および気体の流量などを測定し算出した。
以上の様にして得られた殺菌種子の保菌状態を検査した。キャベツ黒腐病菌(Xanthomonas campestris)は、種子を重量あたり2.5倍量の滅菌生理食塩水により速度150rpmで2.5時間浸とうした。浸とう後の懸濁液を原液として滅菌生理食塩水で1/10、1/100、1/1000、1/10000(容量)に希釈し、それぞれの希釈液を黒腐病菌の選択培地に塗布した。その後3〜5日間培養し、計測可能な希釈倍率の培養サンプルについて、培地上に生成する黒腐病菌のコロニーを計測し、種子1g当たりの病原細菌数(cfu/g)に換算した。
また、黒すす病菌(Alternaria brassicicola)の検出は法以下の方法で行った。滅菌水で湿らせた2枚の濾紙をシャーレに敷き、その上に種子を置床した。シャーレは20℃の暗黒下で1日、−20℃で1日、20℃のBLB下(12時間)で6日間静置した。その後、実体顕微鏡で種子表面を観察して黒すす病菌の生育の有無を検定し、病菌の生育している種子の割合を保菌率(%)として評価した。
更に、発芽性の評価として、以下の方法で発芽試験を行った。シャーレに濾紙を2枚敷き蒸留水を4ml添加した後、その上に種子50粒を置床した。播種数は各区100〜200粒とした。4日目の発芽数から発芽勢を算出した。また、7日目の発芽数から発芽率を算出した;
発芽勢(%)=(4日目発芽数/100粒)×100で算出、
発芽率(%)=(7日目発芽数/100粒)×100で算出。
得られた結果を表1及び表2に示す。
Figure 0004660641
Figure 0004660641
黒腐病菌汚染種子に対しては、ヨウ素ガス濃度および殺菌時間の増大により、殺菌効果が増大した。本実施例では初期保菌数が2.0×105個/g種子を用いて殺菌処理したが、ヨウ素ガス濃度100ppm・24時間、1000ppm・12時間の殺菌処理で、種子が保菌する95%以上の菌を殺菌できた。さらに1000ppm・24時間の殺菌処理では100%殺菌できた。また、発芽性には有意な影響がなく、ヨウ素ガス濃度が比較的低い場合、発芽性が向上した。なお、種子の初期保菌数が今回の供試種子よりも少ない場合はさらに低濃度のヨウ素ガスで短時間の処理でも同等の効果が得られる。
黒すす病汚染種子に対しては、ヨウ素ガス濃度100ppm・24時間、1000ppm・24時間、2000ppm・6時間の処理で、初期保菌率99.5%であったものが7%以下まで低下させることができた。、発芽性については殺菌率の増大に伴い、発芽性が向上する傾向があり、2000ppm・6時間では処理前の発芽率71%に対して91%まで向上させることができた。また、これら充分な殺菌効果のあった条件で処理した種子は発芽率が向上するばかりではなく異常発芽率も低減した。これは種子上の菌が死滅することで発芽時の生体組織への汚染が解消されたと考えられる。
(実施例20)殺菌種子20
実施例1〜19と同様の方法で、黒斑病菌(Alternaria radicina)および黒葉枯病菌(Alternaria dauci)複合自然汚染ニンジン種子を、表3に示す条件でヨウ素ガス殺菌を行った。
殺菌処理したニンジン種子が保有する黒斑病菌(Alternaria radicina)および黒葉枯病菌(Alternaria dauci)の検出は以下の方法で行った。滅菌水で湿らせた3枚の濾紙をシャーレに敷き、その上に種子を置床した。シャーレは20℃の暗黒下で3日、−20℃で1日、20℃のBLB下(12時間)で6日間静置した。その後、実体顕微鏡で種子表面を観察して黒斑病菌、及び黒葉枯病菌の生育の有無を検定し、病菌の生育している種子の割合を保菌率(%)として評価した。
更に、発芽性の評価として、以下の方法で発芽試験を行った。200穴のセルトレイに育苗用培土を充填し、1粒播きで各200粒ずつ播種した。地温は約25℃で管理し、7日目に発芽勢を14日目に発芽率を調査した。
得られた結果を表3に示す。
Figure 0004660641
(実施例21〜23)殺菌種子21〜23
実施例1〜19と同様の方法でかいよう病菌人工汚染トマト種子を、表4に示す条件でヨウ素ガス殺菌を行った。
かいよう病菌の検出は以下の方法で行った。種子を重量あたり4倍量のリン酸緩衝液(0.02%tween20添加)に入れ16時間静置し、かいよう病菌を抽出した。この抽出を原液として滅菌生理食塩水で1/10、1/100、1/1000、1/10000(容量)に希釈し、それぞれの希釈液をかいよう病菌の選択培地2種類に塗布した。その後5〜10日間培養し、計測可能な希釈倍率の培養サンプルについて、培地上に生成するかいよう病菌のコロニーを計測し、種子1g当たりの病原細菌数(cfu/g)に換算した。
更に、発芽性の評価は実施例19と同様の方法で行い、発芽勢は6日目に、発芽率は14日目に調査した。
得られた結果を表4に示す。
Figure 0004660641
(実施例24)殺菌種子24
ヨウ素を含有する液体をキャベツ種子に噴霧し、その液体からヨウ素を気相部に分配してヨウ素ガスを生成し、キャベツ種子に接触させて殺菌する。
(実施例25)殺菌種子25
固体のヨウ素をキャベツ種子と混合し、その固体ヨウ素を昇華させてヨウ素ガスを生成し、キャベツ種子に接触させて殺菌する。
(実施例26)殺菌イモ1
ジャガイモを殺菌する。
(実施例27)殺菌苗1
サツマイモ苗を殺菌する。
(実施例28)殺菌栽培用品1
育苗用セルトレイ、及び育苗箱を殺菌する。
(実施例29)殺菌栽培用品2
誘引用の支柱を殺菌する。
(実施例30)殺菌栽培用品3
ハウス内を殺菌する。
ヨウ素ガス殺菌法を利用することで、種苗物品、特に、種子の発芽勢および発芽率を損なうことなく、また、播種および育苗段階でも悪影響を及ぼすことなく、非常に高い殺菌率で種子を殺菌することができ、高品質で安定した農業生産に貢献できる。
ヨウ素ガス殺菌装置を説明するための模式的断面図である。 ヨウ素ガス殺菌装置を説明するための模式的断面図である。
符号の説明
110 ヨウ素ガス発生部
111 種苗物品殺菌部
112 ヨウ素ガス除去手段
113 気体媒体
114 バルブ
115 流量計
116 ポンプ
117 温調器
118 温調器
119 三方コック
120 流量計
121 バルブ
122 第2気体媒体
210 ヨウ素ガス発生部
211 種苗物品殺菌部
212 ヨウ素ガス除去手段
213 三方コック
214 流量計
215 バルブ
216 気体媒体
217 流量計
218 三方コック
219 三方コック
220 三方コック
221 ポンプ
222 温調器
223 温調器

Claims (14)

  1. 種苗物品をヨウ素含有ガスと接触させて殺菌処理する種苗物品の殺菌方法において、
    ヨウ素含有ガス発生部において気体媒体中で固体のヨウ素を昇華させることにより発生したヨウ素含有ガスの気流を、種苗物品を配置した種苗物品殺菌部に通し、種苗物品殺菌部から排出されたヨウ素含有ガスの気流をヨウ素含有ガス発生部に供給して、ヨウ素含有ガス発生部から種苗物品殺菌部を通りヨウ素含有ガス発生部に戻るヨウ素含有ガスの第一の循環経路を形成する第一循環処理工程と、
    種苗物品殺菌部から排出されたヨウ素含有ガスの気流を種苗物品殺菌部にそのまま戻す第二の循環経路を形成する第二循環処理工程と、
    を有し、
    第一循環処理工程と第二循環処理工程とを切り換えることにより、種苗物品殺菌部内のヨウ素濃度を調整する
    ことを特徴とする種苗物品の殺菌方法。
  2. 第一循環処理工程後に第二循環処理工程を行う処理を有する請求項1に記載の種苗物品の殺菌方法。
  3. ヨウ素含有ガスによる殺菌温度は、0〜80℃である請求項1または2に記載の種苗物品の殺菌方法。
  4. 種苗物品殺菌部内の温度をヨウ素含有ガス発生部内の温度より高く調整する請求項1乃至3の何れかに記載の種苗物品の殺菌方法。
  5. 種苗物品殺菌部に供給される気流に気体媒体を導入して希釈することによりヨウ素濃度を調整する請求項1乃至4の何れかに記載の種苗物品の殺菌方法。
  6. 種苗物品をヨウ素含有ガスと接触させて殺菌処理する種苗物品の殺菌方法において、
    ヨウ素を揮発性液体に溶解させたヨウ素含有液体が噴霧された種苗物品を容器内に投入し、容器内の気相部にヨウ素ガスを分配させて種苗物品の殺菌を行い、
    容器内の温度をヨウ素の凝結の発生を抑制するように制御する温度に調温する
    ことを特徴とする種苗物品の殺菌方法。
  7. 前記揮発性液体が水及びアルコールから選択される請求項6に記載される種苗物品の殺菌方法。
  8. 気相中のヨウ素ガス濃度は、0.1〜10,000容量ppmである請求項6または7に記載の種苗物品の殺菌方法。
  9. 殺菌時間は、1秒〜1ヶ月である請求項6乃至8の何れかに記載の種苗物品の殺菌方法。
  10. 前記ヨウ素ガスの濃度と殺菌時間との積は、100容量ppm・秒〜50,000容量ppm・時間である請求項6乃至9の何れかに記載の種苗物品の殺菌方法。
  11. 殺菌温度は、80℃以下である請求項6乃至10の何れかに記載の種苗物品の殺菌方法。
  12. 種苗物品の生長率を低下させずに該種苗物品を殺菌する方法であって、種苗物品と混合された固体のヨウ素を昇華させて生成されるヨウ素含有ガスにより殺菌することを特徴とする種苗物品の殺菌方法。
  13. 種苗物品として種子を殺菌することを特徴とする請求項12に記載の種苗物品の殺菌方法。
  14. 殺菌温度は、80℃以下である請求項12または13に記載の種苗物品の殺菌方法。
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