JP4659265B2 - 偏光子保護フィルムおよび偏光板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、偏光子保護フィルムおよび偏光板に関する。
【0002】
【従来の技術】
直線偏光板は、特定の振動方向をもつ直線偏光のみを透過させ、その他の直線偏光を遮蔽する光学材料である。直線偏光板は、例えば液晶表示装置の構成部品の一つとして広く使用されている。一般的に使用されている直線偏光板は、偏光子フィルムと偏光子保護フィルムとで構成されている。
【0003】
上述した、特定の振動方向をもつ直線偏光のみを透過させる、という偏光板の機能は、偏光子フィルムにより発揮される。一般的に使用されている偏光子フィルムは、例えば、ポリビニルアルコールフィルム(以下、ポリビニルアルコールのことをPVAという)を延伸し、ヨウ素や二色性染料などで染色して得られるフィルムである。
【0004】
偏光子保護フィルムは、偏光子フィルムの保護の他に、偏光子フィルムを保持して偏光板全体に実用的な強度を付与する。例えば、トリアセチルセルロースフィルム(以下、トリアセチルセルロースのことをTACという)が、一般的な偏光子保護フィルムとして使用されている。なお、偏光子保護フィルムのことを業界では支持体あるいは支持体フィルムと呼ぶことがある。
【0005】
偏光板は、偏光子フィルムの片面または両面に、偏光子保護フィルムが積層された構造を有する。偏光板において、偏光子保護フィルムは接着剤を介して偏光子フィルムに貼合されている。貼合には、水溶性のPVA系接着剤が一般的に用いられている。工業的に偏光子保護フィルムと偏光子フィルムを積層して偏光板を得る製造工程は、大別すると次の3工程からなる。すなわち、偏光子保護フィルムと偏光子フィルムをロール搬送し貼合面に接着剤を塗布する塗布工程、両フィルムを加圧密着により貼合する貼合工程、および接着剤の乾燥や硬化を進めてフィルムを一体化する乾燥工程、が挙げられる。
【0006】
偏光板においては、偏光子保護フィルムと偏光子フィルムとの接着強度が充分に高いことが必要である。従って、接着剤の濡れ性が良好であることや接着剤との接着強度が高いことが、偏光子保護フィルムには要求される。例えば、TACフィルムが、予め接着面をアルカリ液に浸漬してケン化処理をしてから用いられている理由は、そのまま使用すると接着剤の濡れ性が充分でなかったり、貼合後の接着強度が充分に得られなかったりするからである
【0007】
一方、光学特性について言えば、不要な位相差を持つフィルムは、偏光子保護フィルムとして好ましくない。その理由は、たとえ偏光子フィルムが高精度の直線偏光機能を有するものであっても、偏光子保護フィルムの位相差や光軸のズレは、偏光子フィルムを通過した直線偏光に楕円偏光性を与えてしまうからである。前述のTACフィルムも基本的には位相差が小さい。しかしながら、TACフィルムは、外部応力の作用によって位相差の変化を生じやすいフィルムである。このため、TACフィルムよりも光弾性係数の小さいフィルム素材を偏光子保護フィルムとして用いる試みがなされている。そのような試みは、貼合後の応力負荷による位相差変化を抑制することにより偏光板の性能低下を少なくすることを目的としている。
【0008】
また、偏光子フィルムは、吸湿によって偏光性能が低下しやすい。そのため、偏光子保護フィルムは、偏光子フィルムの吸湿を抑制するためにも用いられている。しかしながら、TACフィルムの高い水分透過率は、吸湿を抑制する目的に対して十分なレベルではない。そこで、TACフィルムよりも水分透過率の小さいフィルム素材を偏光子保護フィルムとして用いることにより、偏光子フィルムの吸湿を抑制し偏光性能の低下を防止する試みがなされている。
【0009】
一例を挙げると、特開平7−77608号公報は、80℃、90%RHの透湿度が200g/m2・24hr・100μ以下で、かつ光弾性係数が1×10-11cm2/dyne以下である保護フィルムを用いて、偏光板の耐湿熱性を向上させる発明を開示している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、種々提案される水分透過率の小さいフィルム素材や光弾性係数の小さい素材をそのまま単純に保護フィルムとして用いようとしても、偏光子フィルムと保護フィルムとの接着力が不充分となりやすかった。
【0011】
そこで本発明者らは、従来技術の欠点を改良し、保護フィルムとしての性能を損なわずに接着力を付与できる技術について、鋭意検討した。
【0012】
【課題を解決するための手段】
その結果、保護フィルム上に易接着層を設けることにより、偏光子フィルムとの接着性を改善でき、耐久性に優れた偏光板がえられることを見出し、本発明に至った。
【0013】
すなわち、本発明の偏光板は、偏光子フィルムの片面或いは両面に、70℃・90%RHにおける透湿度が500g/(m・24hr)以下であるフィルムを備えた偏光子保護フィルムが積層され、前記偏光子保護フィルムは、位相差値が0から20nm、光線透過率が85%以上、ヘーズが2%以下であるとともに、前記フィルムの前記偏光子フィルムと対向する側の面上にシラン系カップリング剤を含有する層である易接着層を有し、前記偏光子保護フィルムは水系接着剤を介して前記偏光子フィルムに積層されている偏光板である。
【0016】
前記シラン系カップリング剤は、好ましくは、アミノ基含有アルコキシシラン類である。
【0019】
本発明の偏光子保護フィルムは、好ましくは、(A)側鎖に置換または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂、および(B)側鎖に置換または非置換フェニル基及びニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物からなる。
【0020】
(A)の熱可塑性樹脂は、好ましくは、オレフィン成分と側鎖に置換または非置換イミド基を有する成分からなる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるフィルムは、特に限定されないが、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系フィルム、ポリエチレン系フィルム、ポリプロピレン系フィルム、セロハン、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテーロナフタレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルローストリアセテート、セルロースニトレート、等のセルロースエステル系フィルム、ポリ塩化ビニリデン系フィルム、ポリビニルアルコール系フィルム、エチレンビニルアルコール系フィルム、ポリスチレン系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ノルボルネン系フィルム、ポリメチルペンテン系フィルム、ポリエーテルケトン系フィルム、ポリエーテルスルホン系フィルム、ポリスルホン系フィルム、ポリエーテルケトンイミド系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリメタクリレート系フィルム、ポリアクリレート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、フッ素樹脂系フィルムあるいは(A)側鎖に置換または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂や、(B)側鎖に置換または非置換フェニル基及びニトリル基を有する熱可塑性樹脂を例示することができ、これらを単独または混合して用いることができる。
【0023】
前記フィルムの厚さは、通常、10〜300μmであり、好ましくは15〜200μm、さらに好ましくは20〜100μmである。
【0024】
本発明の偏光子保護フィルムを用いてえられる偏光板の偏光性能を十分に確保できるという観点から、前記フィルムの位相差値は20nm以下が好ましく、10nm以下であることがより好ましい。
【0025】
本発明の偏光子保護フィルムを用いてえられる偏光板の透過光量を十分に確保できるという観点から、前記フィルムの光線透過率は85%以上であることが好ましく、ヘーズは2%以下であることが好ましい。
【0026】
光線透過率は100%が理想的であるが、現実的には95%あるいは95%を多少下回っても偏光子保護フィルムとして大きな問題とはならない。しかしながら85%を下回ると偏光板の性能低下を招くおそれがある。従って光線透過率は85%以上が好ましく、より好ましくは87%以上、特に89%以上が好ましい。
【0027】
また、ヘーズは0%が理想的であるが、現実的には、0.1%あるいは0.1%を多少上回っても偏光子保護フィルムとして大きな問題とはならない。しかしながら、2%を越えると偏光が乱れるおそれがある。従ってヘーズは2%以下が好ましく、より好ましくは1.5%以下、特に1%以下が好ましい。
【0028】
偏光板内部への水分侵入を抑制するという観点から、本発明の偏光子保護フィルムに用いられるフィルムは、70℃・90%RHにおける透湿度500g/(m2・24hr)以下であることが好ましい。より好ましくは450g/(m2・24hr)以下、更に好ましくは400g/(m2・24hr)以下である。また一方で、偏光子保護フィルムの接着には、水系の接着剤が用いられる場合が多く、透湿度が低すぎると水系接着剤の乾燥が遅延するおそれがある。従って、透湿度は50g/(m2・24hr)以上が好ましく、より好ましくは100g/(m2・24hr)以上、更に好ましくは200g/(m2・24hr)以上である。
【0029】
上記の位相差値、光線透過率、透湿度を満足するフィルムは、フィルムの樹脂組成だけで決まるものではなく、フィルムの厚さやフィルムの作製条件も影響するが、樹脂組成としてはポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ノルボルネン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、あるいは(A)側鎖に置換または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂や、(B)側鎖に置換または非置換フェニル基及びニトリル基を有する熱可塑性樹脂を例示することができ、これらを単独または混合して用いることができる。
【0030】
より好ましくはノルボルネン系樹脂、(A)側鎖に置換または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂、(B)側鎖に置換または非置換フェニル基及びニトリル基を有する熱可塑性樹脂が挙げられ、以下に詳述する樹脂組成物は、透湿度の他に、上記した位相差値や光線透過率、ヘーズの特性に優れた高分子フィルムを得やすいために特に好ましい。
【0031】
前記した特に好ましい高分子フィルムは、(A)側鎖に置換または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂、および(B)側鎖に置換または非置換フェニル基及びニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物からえることができる。
【0032】
前記熱可塑性樹脂(A)は、側鎖に置換または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂である。側鎖に置換または非置換イミド基を有することによって光学特性や耐熱性などの点で好ましい特性バランスを発現できる。前記熱可塑性樹脂(A)は、少なくとも1種のオレフィン(アルケン)から誘導される繰り返し単位と少なくとも1種の置換あるいは非置換マレイミド構造を有する繰り返し単位とを含有するオレフィン−マレイミド共重合体(二元もしくはそれ以上の多元共重合体)であることが好ましい。さらには、前記オレフィン−マレイミド共重合体は、下記式(1)
【0033】
【化1】
Figure 0004659265
(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示す。)
で表される繰り返し単位と、下記式(2)
【0034】
【化2】
Figure 0004659265
(式中、Rは、水素、炭素数1〜18のアルキル基、または炭素数3〜12のシクロアルキル基を示し、好ましくは、炭素数1〜18のアルキル基、または炭素数3〜12のシクロアルキル基を示す。)
で表される繰り返し単位を含有することが好ましい。
【0035】
式(1)の繰り返し単位(以下、オレフィン単位という)に対応するオレフィンは、下記式(3):
【0036】
【化3】
Figure 0004659265
(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示す。)
で表される。
【0037】
前記オレフィンの具体例としては、イソブテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ヘキセン、2−メチル−1−ヘプテン、1−イソオクテン、2−メチル−1−オクテン、2−エチル−1−ペンテン、2−エチル−2−ブテン、2−メチル−2−ペンテン、2−メチル−2−ヘキセン他が挙げられる。これらのオレフィンは、単独で、あるいは2種以上組合せて用いることができる。
【0038】
前記式(2)の繰り返し単位(以下、マレイミド単位という)に対応するマレイミド化合物は、下記式(4):
【0039】
【化4】
Figure 0004659265
(式中、Rは、水素、炭素数1〜18のアルキル基、または炭素数3〜12のシクロアルキル基を示し、好ましくは、炭素数1〜18のアルキル基、または炭素数3〜12のシクロアルキル基を示す。)
で表される。
【0040】
前記マレイミド化合物の具体例としては、マレイミド、並びにN−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−n−プロピルマレイミド、N−i−プロピルマレイミド、N−n−ブチルマレイミド、N−i−ブチルマレイミド、N−s−ブチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−n−ペンチルマレイミド、N−n−ヘキシルマレイミド、N−n−ヘプチルマレイミド、N−n−オクチルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ステアリルマレイミド、N−シクロプロピルマレイミド、N−シクロブチルマレイミド、N−シクロペンチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−シクロヘプチルマレイミド、N−シクロオクチルマレイミド等のN−置換マレイミド他が挙げられる。これらのマレイミド化合物は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。マレイミド化合物としては、N−置換マレイミド(式(4)において、Rが水素以外の基)が特に好ましい。
【0041】
前記熱可塑性樹脂(A)は、上記オレフィンとマレイミド化合物とを既知の重合方法により重合させることにより製造することができる。この重合には、グラフト重合も含まれる。あるいは、熱可塑性樹脂(A)は、上記オレフィンと無水マレイン酸とを常法に従って重合させて前駆重合体とした後、これにアミン化合物を反応させて前駆重合体の無水マレイン酸部位をイミド化させることによっても製造することができる。その場合に使用するアミン化合物としては、前記式(2)のマレイミド単位におけるイミド部位に対応するアミンを用いることができ、具体的には、R−NH2(ただし、Rは、式(2)に同じ。)で表されるアミン化合物、例えばメチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、i−プロピルアミン、n−ブチルアミン、s−ブチルアミン、t−ブチルアミン、シクロヘキシルアミン等のアルキルアミンやアンモニアの他、ジメチル尿素、ジエチル尿素等を好ましく例示することができる。この場合にも、前記オレフィン単位とマレイミド単位を有する共重合体が得られる。
【0042】
前記熱可塑性樹脂(A)は、前記オレフィン単位とマレイミド単位以外の成分として、他の共重合性単量体を共重合成分として含有することができる。他の共重合性単量体を光学的特性を損なわない程度に含有させることにより、熱可塑性樹脂(A)の耐熱性を向上させたり、機械的強度を増大させたりすることができる。前記共重合性単量体の具体例としては、アクリル酸メチルやアクリル酸ブチルのようなアクリル酸エステル単量体、メタクリル酸メチルやメタクリル酸シクロヘキシルのようなメタクリル酸エステル単量体、酢酸ビニル等のビニルエステル単量体、メチルビニルエーテルのようなビニルエーテル単量体等のビニル単量体、並びに無水マレイン酸のような不飽和二重結合を有する酸無水物等が挙げられる。これらの共重合性単量体は、単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0043】
前記熱可塑性樹脂(A)は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体、交互共重合体のいずれであってもよいが、少なくとも一部が交互共重合体構造であることは好ましい。前記熱可塑性樹脂(A)は、式(1)におけるR1が水素であり、R2およびR3がそれぞれメチル基であるオレフィン単位すなわちイソブチレン単位と、式(2)におけるRがメチル基、エチル基、イソプロピル基およびシクロヘキシル基から選ばれたアルキル基である1種以上のマレイミド単位とを含有する共重合体であることが好ましく、さらには、イソブチレン単位と、N−メチルマレイミド単位とを含有する共重合体であることが好ましい。
【0044】
前記熱可塑性樹脂(A)におけるマレイミド単位の含有量としては、30モル%以上80モル%未満であることが好ましく、より好ましくは、40モル%以上60モル%以下である。マレイミド単位の含有量がこの範囲を逸脱すると、得られる位相差フィルムの耐熱性や機械的強度が損なわれるおそれがある。
【0045】
また、マレイミド単位とオレフィン単位との合計量としては、熱可塑性樹脂(A)の70モル%以上であることが好ましい。
【0046】
前記熱可塑性樹脂(A)の分子量は、1×104以上5×105以下の重量平均分子量であることが好ましい。
【0047】
前記熱可塑性樹脂(A)のガラス転移温度は、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上、さらに好ましくは130℃以上であることが好ましい。
【0048】
前記オレフィン−マレイミド共重合体は、既述のようにそれ自体既知の方法で製造することができ、例えば特開平5−59193号公報、特開平5−195801号公報、特開平6−136058号公報および特開平9−328523号公報に記載されているように、オレフィンとマレイミド化合物とを直接共重合させたり、その一方の重合体に他方をグラフト共重合したり、あるいは前述した前駆重合体に対してアミン化合物を反応させてイミド結合を導入することによって製造することができる。
前記熱可塑性樹脂(B)としては、アクリロニトリル・スチレン系の共重合体を好ましく用いることができる。特に好ましくは、熱可塑性樹脂(B)は、下記式(5)で示される不飽和ニトリル単位と下記式(6)で示されるスチレン系単位を含む。
【0049】
【化5】
Figure 0004659265
(式中、R4およびR5は、それぞれ独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示す。)
【0050】
【化6】
Figure 0004659265
(式中、R6およびR7は、それぞれ独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示し、R8は、水素、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、水酸基、アルコキシ基またはニトロ基を示す。)
上記の好ましい熱可塑性樹脂(B)を構成する不飽和ニトリル化合物の好ましい例としては、アクリロニトリルやメタクリロニトリルのようなα−置換不飽和ニトリル化合物、フマロニトリルのようなα,β−二置換オレフィン性不飽和結合を有するニトリル化合物などが挙げられる。
【0051】
上記の好ましい熱可塑性樹脂(B)を構成するスチレン系化合物の好ましい例としては、スチレン、ビニルトルエン、メトキシスチレンまたはクロロスチレン等の非置換または置換スチレン系化合物や、α−メチルスチレン等のα−置換スチレン系化合物などが挙げられる。
【0052】
前記アクリロニトリル・スチレン系の共重合体は、必要に応じて第三成分を含有していてもかまわない。たとえば、フィルムの可撓性を向上させるためにブチルアクリレート等のアクリル系単量体やエチレン、プロピレン等のオレフィン系単量体などを一種または二種以上を共重合させることができる。耐熱性を向上させるために、フェニルマレイミド等のN置換マレイミドなどを共重合成分として用いることができる。
【0053】
前記熱可塑性樹脂(B)は、これら単量体を直接共重合することにより得ることができるが、スチレン系または不飽和ニトリル系重合体に、該当する単量体をグラフト共重合させてもかまわない。また、ゴム弾性を有するアクリル系重合体にスチレン系単量体や不飽和ニトリル系単量体をグラフト重合させる事により好ましい共重合体を得ることができる。特に好ましい単量体は、不飽和ニトリル成分がアクリロニトリルであり、スチレン系単量体がスチレンである。これら共重合体はAS樹脂やAAS樹脂として知られている。
【0054】
前記熱可塑性樹脂(B)は、1×104ないし5×105の重量平均分子量を有することが好ましい。
【0055】
前記熱可塑性樹脂(B)において、好ましい共重合体中の不飽和ニトリル系成分の含有量としては20〜60重量%が望ましく、より好ましくは20〜50重量%である。また、スチレン系成分の含有量としては、40〜80重量%が好ましく、より好ましくは50〜80重量%である。特に、前者が20〜30重量%で、後者が70〜80重量%の場合は更に好ましい結果を与える。スチレン系やニトリル系の成分がこの範囲を超えると、本発明のフィルム中の分子の配向による位相差が大きくなり、本発明の目的を達成できなくなるおそれがある。さらには、熱可塑性樹脂(A)との相溶性が乏しくなり、得られるフィルムのヘーズが大きくなる傾向となる。
【0056】
第3成分は、これを添加する場合は、熱可塑性樹脂(B)中の含有率は5モル%以上、30モル%以下であることが好ましい。ニトリル系やスチレン系の特に好ましい成分は用いる熱可塑性樹脂(A)及び(B)により異なる。
【0057】
熱可塑性樹脂(A)が主としてイソブチレン及びN−メチルマレイミドからなる共重合体であり、熱可塑性樹脂(B)が主としてアクリロニトリル及びスチレンからなる共重合体である場合は、アクリロニトリル及びスチレンの含有量を、好ましくは20〜50重量%、より好ましくは25〜40重量%とし、また、スチレンの含有量を、好ましくは50〜80重量%、より好ましくは60〜75重量%、とする事により、驚くべき事に、広い組成範囲で良好な相溶性を示し、フィルムとした場合、全光線透過率85%以上かつヘイズが2%以下のフィルムを得ることができる。特に、アクリロニトリルの含有量を26〜29重量%とし、また、スチレンの含有量を71〜74重量%とする事により、熱可塑性樹脂(B)は該熱可塑性樹脂(A)と0〜80重量%の組成範囲で良好な相溶性を示し、驚くべき事に、全光線透過率90%以上かつヘイズ1%以下と極めて透明なフィルムを得ることができる。
【0058】
分子の配向による位相差の小さいフィルムを得るには、該熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)との組成比が重要である。好ましい組成比は、一般的には、該熱可塑性樹脂(A)の含有量は50〜80重量%、より好ましくは、55〜75重量%、更に好ましくは55〜70重量%であり、該熱可塑性樹脂(B)の含有量は20〜50重量%、より好ましくは、25〜45重量%、更に好ましくは30〜45重量%である。熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)は前者50〜80重量%に対して、後者20〜50重量%の割合で配合することが好ましく、前者55〜65重量%に対して、後者35〜45重量%の割合が特に好ましい。
【0059】
本発明に用いられる高分子フィルムは、必要に応じて、可塑剤、熱安定剤、紫外線吸収剤やフィラー等の公知の添加剤やその他の化合物を本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。
【0060】
本発明に用いられるフィルムは、熱可塑性樹脂(A)、熱可塑性樹脂(B)および必要に応じて用いられる前記添加剤やその他の化合物とからなる樹脂組成物を用いて、例えば、溶融押出し法、インフレーション法、溶液流延法等の公知の方法でフィルム化することによってえることができる。なかでも、フィルムの厚みムラが小さいフィルムを比較的容易にえることができるという観点からは溶液流延法によることが好ましい場合がある。
【0061】
溶液流延法によりフィルム化する場合、前記樹脂組成物を溶剤に溶解したのち、支持体上に流延した後、乾燥してフィルムとする。好ましい支持体としては、ステンレス鋼のエンドレスベルトや、ポリイミドフィルムや二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム等のようなフィルムを用いることができる。
【0062】
必要に応じて、予備乾燥したフィルムを支持体から剥離し、さらに乾燥することもできる。フィルムの乾燥は、一般には、フロート法や、テンターあるいはロール搬送法が利用できる。フロート法の場合、フィルム自体が複雑な応力を受け、光学的特性の不均一が生じやすい。また、テンター法の場合、フィルム両端を支えているピンあるいはクリップの距離により、溶剤乾燥に伴うフィルムの幅収縮と自重を支えるための張力を均衡させる必要があり、複雑な幅の拡縮制御を行う必要がある。一方、ロール搬送法の場合、安定なフィルム搬送のためのテンションは原則的にフィルムの流れ方向(MD方向)にかかるため、応力の方向を一定にしやすい特徴を有する。従って、フィルムの乾燥は、ロール搬送法によることが最も好ましい。
【0063】
前記溶剤としては、前記樹脂組成物の良溶媒であれば特に制限はなく、周知の種々の溶剤から選択して用いることができる。塩化メチレンやトリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶剤は樹脂材料を溶解しやすく、また沸点も低いため好適な溶剤の一つである。また、ジメチルホルムアミドやジメチルアセトアミド等の極性の高い非ハロゲン系の溶剤も用いることができる。さらに、トルエン、キシレンやアニソール等の芳香族系や、ジオキサン、ジオキソラン、テトラヒドロフランやピラン等の環状エーテル系、メチルエチルケトン等のケトン系の溶剤も使用可能である。これら溶剤は相互に混合して用いることもでき、また、アルコール等の非溶剤を混合して、溶剤の蒸発速度を制御することも、表面性の優れたフィルムを得るためには好ましい方法である。
【0064】
前記高分子フィルムは、例えば強度をより高くするなどの目的に応じて、前述した方法で得られたフィルムを公知の延伸方法によって一軸または多軸延伸して配向処理を行うことが好ましい場合がある。フィルム面内の強度の異方性をできるだけ小さくしたままで強度を高めたいという観点で延伸処理を行う場合、二軸または多軸延伸を行うことが好ましい場合がある。
【0065】
またフィルム化の際に、必要に応じて可塑剤、熱安定剤、紫外線安定剤等の添加剤を加えることができる。
【0066】
前記可塑剤の具体例としては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−n−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−n−デシル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジ−n−ドデシル、フタル酸ジイソトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、イソフタル酸ジ−2−エチルヘキシルなどのフタル酸系可塑剤、アジピン酸ジ−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシルなどの脂肪族二塩基酸系可塑剤、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジールなどのリン酸エステル系可塑剤、エポキシ化大豆油、エポキシ化トール油脂肪酸−2−エチルヘキシルなどのエポキシ系可塑剤、ステアリン酸ブチル、オレイン酸ブチル、塩素化パラフィン、塩素化脂肪酸メチルなどの脂肪酸エステル系可塑剤、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコール安息香酸エステル、エステル基を含有する高分子化合物(アジピン酸、セバシン酸、フタル酸等の2塩基酸と1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール等の重縮合物)などの高分子系可塑剤等が挙げられる。これら可塑剤の中でも、芳香族基を含まない可塑剤、例えばアジピン酸ジ−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジル、エポキシ化大豆油、エポキシ化トール油脂肪酸−2−エチルヘキシル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸ブチル、塩素化パラフィン、塩素化脂肪酸メチル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、あるいはエステル基を含有する高分子化合物(アジピン酸、セバシン酸等の二塩基酸と1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール等の重縮合物)等の可塑剤が好ましい。
【0067】
前記可塑剤は、可視領域短波長側に吸収を持たないため、位相差の波長依存性に悪影響を与えないため、特に好ましい添加剤である。前記可塑剤は、高分子フィルム100重量部に対して通常2〜20重量部添加される。20重量部を超えると、連続的にロールフィルムを延伸する際の位相差値の安定性が損なわれる傾向となる。
【0068】
前記高分子フィルムは、必要に応じてフィルムの片面あるいは両面にコロナ処理、UVオゾン処理、プラズマ処理、アルカリ処理等の表面処理を行うことができる。
【0069】
本発明における易接着層とは、偏光子保護フィルムとその隣接層、代表的には偏光子フィルムを接着し易くする機能を付与する層のことをいう。
【0070】
本発明においては、少なくとも易接着層を付設する側のフィルムの表面を易接着層の性質に応じて前記表面処理の方法や条件を選択することによってフィルムと易接着層との密着性をより高めることもできる。
【0071】
本発明の保護フィルムは、易接着層を有する側の面を偏光子フィルムに向け、接着剤好ましくは水系接着剤を介して偏光子フィルムと貼合し、所定の乾燥を経て偏光子フィルムとの一体化をなしうる。本発明のフィルムは、水系接着剤と接する面に易接着層を有することにより、偏光子フィルムと接着するために使用される接着剤の濡れ性を良好にすることができ、また、接着剤との間に強固な接着を形成する作用を奏する。
【0072】
前記易接着層は、前記の濡れ性や接着性を向上できる層であれば特に制限はないが、例えば、同一分子内にアミノ基、ビニル基、エポキシ基、メルカプト基、クロル基等の反応性官能基と加水分解性のアルコキシシリル基とを有するシラン系カップリング剤、同一分子内にチタンを含む加水分解性の親水性基と有機官能性基とを有するチタネート系カップリング剤、および同一分子内にアルミニウムを含む加水分解性の親水性基と有機官能性基とを有するアルミネート系カップリング剤等のいわゆるカップリング剤や、エポキシ系樹脂、イソシアネート系樹脂、ウレタン系樹脂等の有機反応性基を有する樹脂をフィルム表面に塗設するなどの方法で形成することができる。なかでも、工業的に取扱いやすいという観点から、シラン系カップリング剤を含有する層であることが好ましい。
【0073】
前記シラン系カップリング剤の具体例としては、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン等のイソシアネート基含有アルコキシシラン類;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基含有アルコキシシラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプト基含有アルコキシシラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有アルコキシシラン類;β−カルボキシエチルトリエトキシシラン、β−カルボキシエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−β−(カルボキシメチル)アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のカルボキシ含有アルコキシシラン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクロイルオキシプロピルメチルトリエトキシシラン等のビニル型不飽和基含有アルコキシシラン類;γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン基含有アルコキシシラン類;トリス(トリメトキシシリル)イソシアヌレート等のイソシアヌレート基含有アルコキシシラン類、アミノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽和アミノシラン錯体、フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル化シリコーン、シリル化ポリエステル、およびこれらの誘導体等が挙げられる。
【0074】
これらのカップリング剤は、本発明に用いるフィルムの性状や偏光子フィルムとの接着に用いる接着剤の性状等から、適宜目的に応じて選択すればよいが、例えば、フィルムとして(A)側鎖に置換または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂、および(B)側鎖に置換または非置換フェニル基及びニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有するフィルムを用い、接着剤としてPVA系の水系接着剤を用いる場合には、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基含有アルコキシシラン類が、ヘイズ、濡れ性、接着強度が良好な易接着層を形成しやすい観点から好ましい。
【0075】
前記カップリング剤を用いて易接着層を塗設する方法としては、カップリング剤を無希釈で、もしくは水、有機溶媒およびこれらの混合溶媒に溶解または分散させた溶液あるいは分散液を、本発明に用いるフィルム上に塗布後、室温乾燥あるいは加熱処理して易接着層を形成する方法、カップリング剤をマトリクスとして用いる熱可塑性樹脂とともに水または有機溶媒中に溶解または分散させた溶液あるいは分散液を、本発明に用いるフィルム上に塗布後室温乾燥あるいは加熱処理して易接着層を形成する方法、カップリング剤を分散させたマトリクスとなる熱硬化性樹脂溶液を本発明に用いる高分子フィルム上に塗布後マトリクスを硬化させて形成する層などが挙げられる。なかでも、カップリング剤を無希釈で、もしくは水、有機溶媒およびこれらの混合溶媒に溶解または分散させた溶液あるいは分散液を、本発明に用いるフィルム上に塗布後、室温乾燥あるいは加熱処理して易接着層を形成する方法は、工業的に作り易いという観点から好ましい。
【0076】
カップリング剤液、溶液または分散液の濃度としては特に制限はないが、通常0.1%以上とすることが安定的に易接着層を形成できるという観点から好ましい。
【0077】
前記有機溶媒としては、カップリング剤を均一に溶解または分散させることができ、適度な揮発性を有するものであることが好ましい。
【0078】
前記有機溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類が挙げられる。フィルムとして(A)側鎖に置換または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂、および(B)側鎖に置換または非置換フェニル基及びニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有するフィルムを用い、接着剤としてPVA系の水系接着剤を用いる場合には、メタノール、エタノール、プロピリアルコール、トルエン等を単独であるいは混合して用いるのが好ましい。
【0079】
前記のカップリング剤液、溶液または分散液をフィルム上に塗布する方法としては、液状物質を固体表面に塗布するために通常使用される方法、例えばグラビアコート法、ディップコート法、スプレーコート法、流延法などにより高分子フィルム上に塗布する方法を用いることができる。
【0080】
通常、カップリング剤液、溶液または分散液を塗布後、室温乾燥または加熱処理して易接着層を形成する。加熱処理としては、20℃以上フィルムのTg以下の温度範囲で、1分以上10時間以内の処理が通常である。
【0081】
前記易接着層の厚さは、特に制限はないが、濡れ性や接着性などの改善効果がえられる範囲であればできるだけ薄くすることを妨げる理由はなく、20μm以下であることが好ましい。前記範囲をこえる場合、貼合後の偏光板の厚さが厚くなる点で実用上の不利を招きやすい傾向となる。
【0082】
本発明の偏光子保護フィルムは、通常、公知のヨウ素系あるいは染料系の偏光板と接着剤を介して積層貼合して使用することができる。前記接着剤としては、ポリビニルアルコール系の化合物を主成分とする水系接着剤を好適に用いることができる。
【0083】
【実施例】
以下、本発明を実施例にて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0084】
尚、各特性値は以下のようにして測定した。
【0085】
<高分子フィルムの水分透過率>
JIS Z0208記載の方法に準じて測定した。
【0086】
<吸水性層の水分含有率>
吸水性層が塗設されたフィルムの一部を切取り、重量Waおよび該フィルムを120℃で1時間乾燥した後の重量Wbを測定した。さらに、80℃の熱水中に漬け、塗設した吸水性層を除去した後、表面を洗浄し120℃で1時間乾燥した後の重量Wfを測定した。えられたWa、WbおよびWfを用いて、次式にしたがって吸水性層の水分含有率を算出した。
水分含有率[%]=(Wa−Wb)/(Wa−Wf)×100
【0087】
<位相差>
顕微偏光分光光度計(オーク製作所(株)TFM−120AFT)を用い、測定波長515nmで測定した。
【0088】
<光線透過率>
JIS K7105−1981の5.5記載の方法に準じて測定した。
【0089】
<ヘイズ>
JIS K7105−1981の6.4記載の方法に準じて測定した。
【0090】
<耐屈曲性>
耐揉疲労測定装置(東洋精機製作所製MIT−D)を用いて試験片に繰返し屈曲歪みを与え、試験片が破断するまでの回数を測定した。
【0091】
実施例1
イソブテンとN−メチルマレイミドから成る交互共重合体(N−メチルマレイミド含量50モル%、ガラス転移温度157℃)60重量部と、アクリロニトリル及びスチレンの含量がそれぞれ28重量%、72重量%であるスチレン−アクリロニトリル共重合体40重量部とを、Tダイ押出機(シリンダー径40mm、L/D24)を用いて溶融押出フィルム化し、厚さ約170μmの原反フィルムを得た。この原反フィルムの位相差値は0nm、光線透過率は92%、ヘイズは0.3%、耐屈曲性は6であった。
【0092】
この原反フィルムを、延伸試験装置(東洋精機製作所、X4HD−HT)を用いて延伸速度10cm/分、延伸倍率1.5倍、延伸温度140℃の条件で自由端縦一軸で延伸し、次いで同様の延伸条件で先の延伸方向とは直交する方向に自由端一軸延伸を行って厚さ50μmの延伸フィルムを得た。この延伸フィルム(高分子フィルム−1)の位相差値は2nm、光線透過率は92%、ヘイズは0.4%であり、40℃−90%RHの透湿度は85g/(m2・24hr)、70℃−90%RHの透湿度は365g/(m2・24hr)であった。
【0093】
この高分子フィルム上に、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー、A−1110)のメタノール溶液(濃度10重量%)を流延した後、120℃で60分加熱処理して、易接着層が高分子フィルム上に積層された保護フィルムをえた。易接着層の厚さは1μmであった。
【0094】
PVAフィルムを延伸しヨウ素で染色した偏光子フィルムの両面それぞれに、前記保護フィルムを易接着層が内側になるようにしてPVA系接着剤の水溶液(ポバール117、6重量%)を介して積層し、圧延ロールで密着させた後、70℃で15分間乾燥して偏光板をえた。
【0095】
えられた偏光板において、偏光子フィルムと保護フィルムとは強固に接着しており、剥離を試みてもフィルムが破断し、剥離できなかった。
【0096】
また、えられた偏光板を60℃、90%RHの環境下に500時間放置した後の偏光板の状態を観察した結果、色変化や色抜けがなく、フィルムの浮きや剥がれもみられなかった。
【0097】
実施例2
実施例1において、γ−アミノプロピルトリメトキシシランに代えて、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランを用いた以外は実施例1と同様にして、易接着層を1μmの厚さで高分子フィルム上に塗設した保護フィルムをえた。
【0098】
次いで、実施例1と同様の方法で、偏光板をえた。えられた偏光板において、偏光子フィルムと保護フィルムとは強固に接着しており、剥離を試みてもフィルムが破断し、剥離できなかった。
【0099】
比較例1
PVAフィルムを延伸しヨウ素で染色した偏光子フィルムの両面それぞれに、トリアセチルセルロースフィルムをPVA系接着剤の水溶液(ポバール117、6重量%)を介して積層し、圧延ロールで密着させた後、70℃で15分間乾燥して偏光子フィルムと高分子フィルムとの積層体をえた。
【0100】
この積層体は、高分子フィルムと偏光子フィルムとの間の接着が不充分であり、フィルム相互が横ずれを生じる状態であった。
【0101】
えられた積層体を60℃、90%RHの環境下に500時間放置した後の偏光板の状態を観察した結果、色変化や色抜けが著しいことに加えて、フィルムの浮きや剥がれが激しく積層体の初期形状を保っていなかった。
【0102】
比較例2
PVAフィルムを延伸しヨウ素で染色した偏光子フィルムの両面それぞれに、実施例1で用いた高分子フィルム−1をPVA系接着剤の水溶液(ポバール117、6重量%)を介して積層し、圧延ロールで密着させた後、70℃で15分間乾燥して偏光子フィルムと高分子フィルムとの積層体をえた。
【0103】
この積層体は、高分子フィルムと偏光子フィルムとの間の接着が不充分であり、フィルム相互が横ずれを生じる状態であった。
【0104】
えられた積層体を60℃、90%RHの環境下に500時間放置した後の偏光板の状態を観察した結果、色変化や色抜けが生じていた。また、フィルムの浮きや剥がれが激しく積層体の初期形状を保っていなかった。
【0105】
【発明の効果】
本発明の偏光子保護フィルムは、透湿率が小さい特長を保持しながら、優れた偏光子フィルムとの接着加工性・接着強度を発現することができる。
【0106】
本発明の偏光子保護フィルムを用いることにより、耐久性、具体的には耐湿熱性に優れた偏光板を生産性良く製造することができる。

Claims (4)

  1. 偏光子フィルムの片面或いは両面に、70℃・90%RHにおける透湿度が500g/(m・24hr)以下であるフィルムを備えた偏光子保護フィルムが積層され、
    前記偏光子保護フィルムは、位相差値が0から20nm、光線透過率が85%以上、ヘーズが2%以下であるとともに、前記フィルムの前記偏光子フィルムと対向する側の面上にシラン系カップリング剤を含有する層である易接着層を有し、
    前記偏光子保護フィルムは水系接着剤を介して前記偏光子フィルムに積層されている偏光板。
  2. 前記シラン系カップリング剤は、アミノ基含有アルコキシシラン類である請求項1に記載の偏光板。
  3. 前記偏光子保護フィルムは、(A)側鎖に置換または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂、および(B)側鎖に置換または非置換フェニル基及びニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物からなる請求項1または2に記載の偏光板。
  4. 前記(A)の熱可塑性樹脂が、オレフィン成分と側鎖に置換または非置換イミド基を有する成分からなる請求項に記載の偏光板
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