JP4656625B2 - シリカ含有複合酸化物球状微粒子を含有する化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はシリカ含有複合酸化物球状微粒子を含有する化粧料に関し、特に、シリカ処理によって金属酸化物球状微粒子の活性を封鎖すると共に、分散性が向上させたシリカ含有複合酸化物球状微粒子を必須成分とすることにより、使用感が向上する上、耐水性、耐皮脂性を有し化粧持ちが良くなると共に、良好な経時安定性を持たせた化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、化粧品において、シリカは酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄などの表面活性を封鎖する薬剤として用いられてきた。また、微粒子シリカとして、油剤の増粘剤、或いは粉体化粧料における粉体の結合剤としても使用されている上、特に球状シリカの場合には、化粧料のスライド性などの感触を向上させるために用いられることもあった。シリカを前記表面活性を封鎖する薬剤として用いるシリカ複合パウダーの製造方法としては、一般に、クロルシランと金属塩化物を加熱蒸発させ、火炎中で加水分解する方法(特許2503370公報)、シリカおよび金属酸化物の粉末を可燃性液体に分散したスラリーを噴霧燃焼させる方法(特開平10−297915公報)、多孔質球状シリカゲルに金属酸化物の微粒子が分散した水性コロイドゾルを添加し、凝集乾燥する方法(特開平06−127932公報)、アルカリケイ酸水溶液に二酸化チタン微粒子を分散させた分散液を界面活性剤を含む有機溶媒中で乳化し、エマルジョンを形成した後炭酸ガスを導入し、分散液滴をゲル化する方法(特開平11−322324公報)、四塩化ケイ素を液体状またはガス状で二酸化チタン粉末に接触させ、表面に加水分解物を形成する方法(特開平07−247118公報)、溶媒中でケイ酸化合物を加水分解し、金属酸化物の表面に析出させる方法(WO98/47476公報)等があり、シリカ含有複合酸化物微粒子の製造方法として知られている。
【0003】
上記の種々の製造方法のうち、クロルシランや金属塩化物を火炎中で加水分解する方法の場合には、シランおよび金属塩化物に含まれる塩素が抜け切らない上、原料を加熱蒸発させるためには、大気圧下で加熱蒸発可能な金属塩化物を使用する場合に限定されるという欠点があった。また、シリカおよび金属酸化物の粉末を可燃性液体と共にスラリーにして噴霧燃焼する方法の場合には、シリカおよび金属酸化物の融点が異なるだけでなく原料粉末の粒度が不均一であるために、溶融開始点にずれが生じ、均一な複合酸化物が得られないという欠点があった。更に、多孔質球状シリカゲルに金属酸化物のコロイドゾルを添加し乾燥ゲル化する方法の場合には、コロイドゾルを多孔質内に完全に浸透させ、浸透したコロイドゾルを乾燥させるのに時間を要する上、乾燥時にゾルが体積収縮し、細孔内に空隙が残り易いという欠点があった。また、二酸化チタン微粒子をアルカリケイ酸水溶液に分散し、有機溶媒中でエマルジョン化してゲル化させる方法の場合には、二酸化チタンの表層をシリカ膜でコーティングすることは可能であるが、酸化チタンをシリカ内部に均一に複合化することが難しいだけでなく、アルカリ金属が残存するという欠点があった上、二酸化チタンと四塩化ケイ素とを接触加水分解する方法の場合には塩素が残存するという欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明者らは、シリカと金属酸化物が均一に複合化されたシリカ含有複合酸化物球状微粒子であって、実質的にハロゲンを含まず、金属酸化物濃度が適切に含有され、適切な粒子径をもったシリカ含有複合酸化物球状微粒子を得るために種々検討した結果、実質的にハロゲンを含まないシロキサンと、特定の有機金属化合物を原料とし、これを火炎中で同時に噴霧燃焼することにより良好な結果を得ることが出来ることを見出すと共に、この方法によって得られるシリカ含有複合酸化物球状微粒子を化粧料に配合することにより、使用感が良好である上化粧持ちの良い、経時安定性に優れた化粧料が得られる事を見出し、本発明に到達した。従って本発明の目的は、使用感が良好である上化粧持ちの良い、経時安定性に優れた化粧料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記の諸目的は、A)成分として、実質的にハロゲンを含まず、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、セリウム、ホウ素、亜鉛、クロム、マンガン、マグネシウム、鉄、インジウム、錫から選択される少なくとも1種の金属に係る金属酸化物の含有量合計が0.5〜99重量%であると共に粒子径が10nm〜3μmであるシリカ含有複合酸化物球状微粒子を配合してなる化粧料であって、前記シリカ含有複合酸化物球状微粒子が、実質的にハロゲンを含まないシロキサンと、前記金属に係る有機金属化合物を、火炎中で同時に噴霧燃焼させて得られた粉体を表面処理して疎水化させてなる、シリカ含有複合酸化物球状微粒子であることを特徴とする化粧料によって達成された。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の化粧料に配合されるシリカ含有複合酸化物球状微粒子は、実質的にハロゲンを含有しないシロキサンと、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、セリウム、ホウ素、亜鉛、クロム、マンガン、マグネシウム、鉄、インジウム、錫から選択される少なくとも1種類の金属に係る有機金属化合物を同時に火炎中に噴霧し、火炎中で酸化燃焼して得られた粉体を表面処理して疎水化させてなる、シリカと、前記金属に係る金属酸化物を含有したシリカ含有複合酸化物球状微粒子である。この場合に使用する有機金属化合物としては、金属アルコキシド化合物、金属アシレート化合物、金属有機酸化合物、金属アルキル化合物、金属キレート化合物等が挙げられる。これらの有機金属化合物は、液体のものはそのままで、固体のものはシロキサン、アルコールまたは炭化水素系溶剤に溶解し、液体として、シロキサンと同時に噴霧燃焼させる。
【0007】
ここに使用されるシロキサンは、下記一般式(1)〜(3)の中から選択される少なくとも1種の、実質的にハロゲンを含まないシロキサンである。
一般式(1):(R1)3SiO[SiR2R3O]mSi(R4)3
但し、式中の、R1、R2、R3、R4は互いに同一でも異なっていてもよく、一価の炭化水素基、アルコキシ基、または水素原子を表し、mは0以上の整数である。
一般式(2):[SiR2R3O]n
但し、式中のR2及びR3は一般式(1)の場合と同じであり、nは3以上の整数である。
下記一般式(3):(R5)3SiO[SiR6O3 / 2]p[SiO2]q[SiR7R8O]r[Si(R9)3]s
但し、式中のR5、R6、R7、R8、R9は互いに同一であっても異なっていても良い、一価の炭化水素基、アルコキシ基、または水素原子を表し、p、q、r及びsは0以上の整数である。
【0008】
ここで、R1〜R9の一価炭化水素基としては、炭素数1〜6のアルキル基、ビニル基等のアルケニル基及びフェニル基などが挙げられるが、中でもメチル、エチル、プロピル等の低級アルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。アルコキシ基としてはメトキシ、エトキシ等の炭素数1〜6のものが好ましく、特にメトキシ基が好ましい。m、p、q、r、sは、0以上の整数でああるが、好ましくは0〜100の整数である。また、nは3以上の整数であるが、好ましくは3〜7の整数である。
【0009】
上記のオルガノシロキサンとしては、例えばヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン等の直鎖状シロキサンや、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンなどの環状シロキサンが挙げられる。これらのシロキサンは塩素などのハロゲンを含まず、特に精製して得られたものは金属等の不純物を実質的には含まず高純度であるので、シリカ含有複合酸化物球状微粒子用の原料として好適である。
【0010】
一方、原料として使用される有機金属化合物としては、下記一般式(4)で表される金属アルコキシド、下記一般式(5)で表される金属アシレート化合物、下記一般式(6)で表される金属アルキル化合物、及び、下記一般式(7)で表される金属キレート化合物の中から選択される少なくとも1種の化合物を使用することが出来る。
【0011】
一般式(4):M(OR10)d但し、式中のMはチタン、アルミニウム、ジルコニウム、セリウム、ホウ素、亜鉛、クロム、マンガン、マグネシウム、鉄、インジウム又は錫を表わし、OR10はアルコキシ基を表す。アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペントキシ基などが挙げられる。また、dは2〜4の整数である。
【0012】
一般式(5):M(OCOR11)f
但し、式中のCOR11はアシル基を表す。アシル基の例としては、フォルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ヴァレリル基、キャプロイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基などが挙げられる。fは2〜4の整数である。また、Mは一般式(4)の場合と同じである。
【0013】
一般式(6):M(R12)g
但し、式中のR12はアルキル基を表す。アルキル基の例としてはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基などの炭素数1〜8のものが好ましい。gは2〜4の整数である。また、Mは一般式(4)の場合と同じである。
【0014】
一般式(7):(R13O)hM(OR14OH)k
または(R13O)hM(OR14NH2)k
但し、式中のOR13はアルコキシ基を表し、R14はアルキル基である。アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペントキシ基などが挙げられる。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが好ましいものとして挙げられる。h、kは整数であり、h+k=2〜4である。また、Mは一般式(4)の場合と同じである。
【0015】
これらの有機金属化合物はアルコールなどの溶媒を含んでいても良いが、精製して得られたものであることが好ましく、塩素等のハロゲンやイオウを実質的に含んではならない。これらは複合化を目的とする金属酸化物以外の金属不純物を実質的に含まず高純度であるので、シリカ含有複合酸化物球状微粒子用の原料として好適である。前記有機金属化合物を完全に酸化燃焼させると共に、シロキサンを含む複合化原料を均一に燃焼させる観点から、微細噴霧できるように有機金属化合物を液状で使用することが好ましい。有機金属化合物を固体粉末として燃焼させると、燃焼点が不均一になる為に生成微子に組成のばらつきが生じると共に、燃焼が不完全となりカーボンが多く残留することになるので好ましくない。よって、固体の有機金属化合物はシロキサン、アルコールまたは炭化水素系溶媒に溶解させて用いる。
【0016】
上記シロキサンは、原料として用いる、先に例示したヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサンなどの直鎖状シロキサン、環状シロキサン等であり、アルコールとしてはメタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール等、炭化水素系溶媒としてはヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、灯油などが好ましいものとして挙げられる。
【0017】
これらのシロキサンおよび有機金属化合物または有機金属化合物溶液は、あらかじめ液状で混合して供給しても、原料供給ラインの途中に設けたスタティックミキサーなどのインラインミキサーに個別に定量供給し、混合してもよい。シリカと複合化された金属酸化物の機能を付与するには、金属酸化物の含有量が0.5〜99重量%であることが必要であり、1〜95重量%であることが好ましい。このようにする為には、燃焼酸化物が化学量論比となるように、シロキサンと有機金属化合物を混合して供給すればよい。
【0018】
本発明においては、これらの原料混合液をバーナーに導入し、バーナーの先端に取付けられたノズルから噴霧すればよい。液状で噴霧する方法としては、噴霧媒体を用いる方法、液体自身の圧力による方法、遠心力による方法のいずれでも良いが、噴霧媒体を用いる方法の場合には、噴霧媒体として除湿された空気または窒素を用いることが好ましい。
【0019】
噴霧液滴は、完全に蒸発させ熱分解して燃焼させる観点から微細にすることがよく、100μm以下であることが好ましく、特に50μm以下であることが好ましい。微細な液滴で噴霧する為には液の粘度が低い方がよい。従って、シロキサンと有機金属化合物が混合された原料液の粘度は25℃において500cs以下であることが好ましく、特に200cs以下であることが好ましい。噴霧されたシロキサンと有機金属化合物の液滴は助燃ガスの補助火炎および自己燃焼火炎から熱を受け、液滴の蒸発または熱分解を伴いながら酸化燃焼し、シロキサンからシリカが、有機金属化合物から金属酸化物が同時に気相中で生成して融合するため、シリカと金属酸化物が複合化された粉体が得られる。
【0020】
燃焼により生成したシリカおよび金属酸化物の核粒子は、火炎の温度とシリカと金属酸化物の濃度に応じて、火炎内での滞留時間内に合体成長し、最終の粒子径が決定される。特にバーナーから供給する支燃性ガス、助燃性ガスに対する原料液の供給量の割合を変えることにより、火炎温度とともに燃焼ガス中のシリカおよび金属酸化物の濃度も変わる。支燃性ガス、助燃ガスに対する原料液の供給割合を多くすると火炎温度が高くなるとともに燃焼ガス中のシリカおよび金属酸化物の濃度も高くなり、生成する核粒子の衝突頻度確率が高くなるので、合体成長が促進されて大きな粒子が得られる。原料液の供給割合を少なくすると、火炎温度が低く、燃焼ガス中のシリカおよび金属酸化物の濃度も低くなるので、微細粒子となる。
【0021】
本発明においては、シロキサンと有機金属化合物の燃焼を安定に保ち、完全燃焼させるために、助燃ガスを用いて補助火炎を形成することが好ましい。ここで、助燃ガスとしては燃焼後に残渣の残らないものであればよく、水素、又は、メタン、プロパン、ブタンなどの炭化水素ガスのいずれでもよく、特に制限はない。ただし、助燃ガスが多いと燃焼熱は補えるものの、燃焼により副生する二酸化炭素、水蒸気などにより燃焼排ガスが増加し、燃焼時のシリカと金属酸化物の濃度が減少するため、助燃ガスの使用量は原料のシロキサンと有機金属化合物を合計した原料1モル当り、2モル以下、好ましくは0.1〜1.5モルの範囲であることが好ましい。
【0022】
また、燃焼時に添加する支燃性ガスは、酸素、又は空気のような酸素含有ガスのいずれでもよいが、正味の酸素量が不足すると、シロキサン、有機金属化合物及び補助火炎に用いる可燃性ガス(助燃ガス)の燃焼が不完全となり、製品中に炭素分が残留する。一方、支燃性ガスが理論量より多くなると火炎中のシリカや金属酸化物の濃度が減少するとともに火炎温度が低下し、生成粒子の合体成長が抑制される傾向があり、更に大過剰の支燃性ガスを供給するとシロキサンや有機金属化合物の燃焼が不完全となり、排気系の粉末捕集設備の負荷が増え、負荷が過大となることから好ましくない。
【0023】
また、火炎温度を高くするには、支燃性ガスを酸素とし、理論量の酸素を供給することにより最も高い火炎温度が得られるが、燃焼が不完全となり易いので、完全燃焼には少し過剰の酸素が必要である。よって、バーナーから供給する支燃性ガスは、燃焼に必要な理論酸素量の1.0〜4.0倍モル、好ましくは1.1〜3.5倍モルの酸素を含めばよい。また支燃性ガスは、バーナーから供給する以外にバーナーに沿って外気を取り込むことによって補ってもよい。
【0024】
燃焼により生成するシリカ含有複合酸化物球状微粒子の粒子径は、火炎温度、燃焼ガス中のシリカおよび金属酸化物の濃度により調整することができ、特に、本発明においては、バーナーに供給するシロキサンおよび有機金属化合物からなる原料液、助燃ガス、支燃性ガスの供給量を調整すればよい。このほか、燃焼炉の壁に粉が付着することを防止するため、または燃焼後の排ガスを冷却するために、適宜空気や窒素などの不活性ガスを導入することが出来る。
【0025】
炉は排気側に設けられたブロワーなどの排風機で吸引排気され、負圧で運転される。燃焼により得られたシリカと金属酸化物が複合化されたシリカ含有複合酸化物球状微粒子は、排気途中に設けられたサイクロン、気流分級器、バグフィルターにより分離捕集され、回収される。排ガスは排風機で排気される。シロキサンおよび有機金属化合物はハロゲンを含まないため、燃焼により塩化水素などの酸性の腐食性ガスが副生しない。従って、炉材および煙導配管、捕集器、回収器、排風機などに特殊な材質を必要とせず、排ガスの処理設備も不要となる。
【0026】
このようにして得られたシリカと金属酸化物が複合化された粉体は、実質的にハロゲンを含まず、金属酸化物の含有量合計は0.5〜99重量%であり、粒子径が10nm〜3μmの球状微粒子となる。この微粒子はシリカの特性を保持するだけでなく、機能性をもった金属酸化物を1種類以上選択して複合化することにより、様々な粉体を得ることが可能である。
【0027】
このようにして得られた粉体を表面処理して疎水化することにより、シリカ含有複合酸化物球状微粒子が得られる。複合化した粉体はその表面にシラノール基が多く存在する為、反応性表面処理剤(メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルメチルハイドロジェンポリシロキサン、及び各種シラン化合物等)による表面処理が効率良く行われる。従って、このような表面処理をして疎水化することにより、耐水性、耐皮脂性、分散性、使用性に優れたシリカ含有複合酸化物球状微粒子を得る事ができる。このようなシリカ含有複合酸化物球状微粒子を化粧料に配合することにより、優れた化粧料を提供する事ができる。
更に、このシリカ含有複合酸化物球状微粒子は、チタン、亜鉛、鉄等と複合化することにより、それぞれ、単独の金属酸化物球状微粒子に比べて表面活性を減らす事ができる。
【0028】
このようにして得られたシリカ含有複合酸化物球状微粒子は、各種の用途に使用することができるが、スキンケア製品、メークアップ製品、頭髪製品、制汗剤製品、紫外線防御製品等の、特に皮膚や毛髪に外用されるすべての化粧料の原料として好適である。化粧料の種類及び剤形によって異なるが、上記シリカ含有複合酸化物球状微粒子をA)成分として化粧料に配合する場合、化粧料全体に対して0.1〜99重量%となるように配合することができる。
【0029】
本発明の化粧料には、その目的に応じて少なくとも1種の油剤をB)成分として配合することができる。本発明においては、通常の化粧料に使用されるものであれば、固体、半固体、液体、いずれの油剤も使用することができる。
例えば、天然動植物油脂類及び半合成油脂としては、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、肝油、キャンデリラロウ、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、キョウニン油、鯨ロウ、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、セラックロウ、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、豚脂、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、馬脂、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、羊脂、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油等が挙げられる。但し、POEはポリオキシエチレンを意味する。
【0030】
炭化水素油として、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等;高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
【0031】
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等が挙げられる。
【0032】
エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等;グリセライド油としては、アセトグリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル等が挙げられる。
【0033】
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン,メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等の低粘度から高粘度のオルガノポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン,テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン等の環状シロキサン、高重合度のガム状ジメチルポリシロキサン、ガム状のジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等のシリコーンゴム、及びシリコーンゴムの環状シロキサン溶液、トリメチルシロキシケイ酸、トリメチルシロキシケイ酸の環状シロキサン溶液、ステアロキシリコーン等の高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、シリコーン樹脂及びシリコーンレジンの溶解物等が挙げられる。フッ素系油剤としては、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等が挙げられる。
これらB)成分としての油剤の配合量は、剤系によっても異なるが、化粧料全体の1〜98重量%の範囲が好適である。
【0034】
本発明の化粧料には、その目的に応じて水をC)成分として配合することもできる。その配合量は、剤形によっても異なるが、化粧料全体の1〜95重量%の範囲が好適である。
【0035】
本発明の化粧料には、その目的に応じて分子構造中にアルコール性水酸基を有する化合物を1種又は2種以上、D)成分として用いることもできる。
本発明において添加することのできるアルコール性水酸基を有する化合物としては、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、ソルビトール、マルトース等の糖アルコール等があり、ステロールとして、コレステロール、シトステロール、フィトステロール、ラノステロール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジブチレングリコール等の多価アルコール等があるが、水溶性一価のアルコール、及び/又は水溶性多価アルコールが好ましい。配合量としては、化粧料全体の0.1〜98重量%の範囲が好適である。
【0036】
本発明の化粧料には、その目的に応じて水溶性或いは水膨潤性高分子を1種又は2種以上、E)成分として用いることもできる。
このようなE)成分としては、例えば、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード(マルメロ)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマーなど他の合成水溶性高分子、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等の無機系水溶性高分子などがある。
【0037】
また、これらの水溶性高分子には、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の皮膜形成剤も含まれる。また、E)成分の配合量としては、化粧料全体の0.1〜25重量%の範囲が好適である。
【0038】
本発明の化粧料には、その目的に応じて、前述したA)成分としてのシリカ含有複合酸化物球状微粒子以外の粉体、及び/又は着色剤を1種又は2種以上、F)成分として用いることもできる。このような粉体又は着色剤としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、その形状(球状、針状、板状等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができる。例えば無機粉体、有機粉体、界面活性剤金属塩粉体、有色顔料、パール顔料、金属粉末顔料、天然色素等があげられる。
【0039】
無機粉体の具体例としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン、シリカ等が挙げられる。
【0040】
有機粉体の具体例としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタン、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、テトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロース、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、6ナイロン、ジメチルシリコーンを架橋した構造を持つ架橋型シリコーン微粉末、ポリメチルシルセスキオキサンの微粉末、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、デンプン末、ラウロイルリジン等が挙げられる。
【0041】
界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)の具体例としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等が挙げられる。
有色顔料の具体例としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γー酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した合成樹脂粉体等が挙げられる。
【0042】
パール顔料の具体例としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等;金属粉末顔料としては、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダー等が挙げられる。
【0043】
タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等;天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等から選ばれる粉体である。
これらの粉体は本発明の効果を妨げない範囲で、粉体を複合化したものや一般油剤、シリコーン油、フッ素化合物、界面活性剤等で処理したものも使用することができ、必要に応じて一種、又は二種以上用いることができる。
【0044】
また、これらの粉体及び/又は着色剤の少なくとも一部が、ジメチルシリコーンを架橋した構造を持つ架橋型シリコーン微粉末、ポリメチルシルセスキオキサンの微粉末、疎水化シリカ、あるいは球状シリコーンゴム表面をポリメチルシルセスキオキサン粒子で被覆した複合微粉末、さらに、粉体及び/又は着色剤の少なくとも一部が、フッ素基を有する粉体及び/又は着色剤であることが好ましい。
配合量としては、化粧料全体の0.1〜99重量%の範囲が好適である。特に、粉末固形化粧料の場合の配合量としては、化粧料全体の80〜99重量%の範囲が好適である。
【0045】
本発明の化粧料には、その目的に応じて1種又は2種以上の界面活性剤をG)成分として用いることもできる。このような界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性のものがあるが、本発明においては特に制限されることなく、通常の化粧料に使用されるものであれば、いずれのものも使用することができる。
【0046】
以下に具体的に例示すると、アニオン性界面活性剤としては、ステアリン酸ナトリウムやパルミチン酸トリエタノールアミン等の脂肪酸セッケン、アルキルエーテルカルボン酸及びその塩、アミノ酸と脂肪酸の縮合物塩、アルカンスルホン酸塩、アルケンスルホン酸塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪酸アミドのスルホン酸塩、ホルマリン縮合系スルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキル及びアリルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸エステル塩類、アルキルリン酸塩、エーテルリン酸塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩、アミドリン酸塩、N−アシルアミノ酸系活性剤等;カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアミノアルコール脂肪酸誘導体等のアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩、芳香族四級アンモニウム塩、ピリジウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられる。
【0047】
非イオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、直鎖或いは分岐状ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、直鎖或いは分岐状ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、アルカノールアミド、糖エーテル、糖アミド等が挙げられ、両性界面活性剤としては、ベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体、アミドアミン型等が挙げられる。これらの界面活性剤のうち、分子中にポリオキシアルキレン鎖を有する直鎖或いは分岐状のシリコ−ンである界面活性剤、さらには、HLBが2−8である界面活性剤が好ましい。
また、G)成分の配合量としては、化粧料全体の0.1〜20重量%であることが好ましく、特に0.2〜10重量%の範囲が好適である。
【0048】
本発明の化粧料には、その目的に応じて1種又は2種以上の架橋型オルガノポリシロキサンをH)成分として用いることもできる。
この架橋型オルガノポリシロキサンは、0.65mm2/秒(25℃)〜10.0mm2/秒(25℃)の低粘度シリコーンに対し、自重以上の低粘度シリコーンを含んで膨潤することが好ましい。また、この架橋型オルガノポリシロキサンの架橋剤は、分子中に二つ以上のビニル性反応部位を持ち、かつ、ケイ素原子に直接結合した水素原子との間で反応することにより、架橋構造を形成することが好ましい。また、ポリオキシアルキレン部分、アルキル部分、アルケニル部分、アリール部分、及びフルオロアルキル部分からなる群から選択される少なくとも1種を架橋分子中に含有する架橋型オルガノポリシロキサンを使用することもできる。H)成分としての架橋型オルガノポリシロキサンを用いる場合の配合量としては、化粧料の総量に対して0.1〜50重量%が好ましく、更に好ましくは1〜30重量%である。
【0049】
本発明の化粧料には、その目的に応じて1種又は2種以上のシリコーン樹脂をI)成分として用いることもできる。このシリコーン樹脂は、アクリル/シリコーングラフト又はブロック共重合体のアクリルシリコーン樹脂であることが好ましい。また、ピロリドン部分、長鎖アルキル部分、ポリオキシアルキレン部分及びフルオロアルキル部分、カルボン酸などのアニオン部分の中から選択される少なくとも1種を分子中に含有するアクリルシリコーン樹脂を使用することもできる。
【0050】
更にこのシリコーン樹脂は、構成成分としてMQ、MDQ、MT、MDT、MDTQ等と表されるシリコーン網状化合物であることが好ましい。また、ピロリドン部分、長鎖アルキル部分、ポリオキシアルキレン部分及びフルオロアルキル部分、アミノ部分の中から選択される少なくとも1種を分子中に含有するシリコーン網状化合物使用することもできる。
アクリル/シリコーンのグラフト又はブロック共重合体、シリコーン網状化合物等のI)成分としてのシリコーン樹脂を用いる場合の配合量としては、化粧料の総量に対して0.1〜20重量%が好ましく、更に好ましくは1〜10重量%である。
【0051】
更に本発明の化粧料には、本発明の効果を妨げない範囲で通常の化粧料に使用される成分、油溶性ゲル化剤、有機変性粘土鉱物、樹脂、制汗剤、紫外線吸収剤、紫外線吸収散乱剤、保湿剤、防腐剤、抗菌剤、香料、塩類、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、抗炎症剤、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、アミノ酸類、核酸、ホルモン、包接化合物、毛髪用固形化剤等を添加することができる。
【0052】
油溶性ゲル化剤としては、アルミニウムステアレート、マグネシウムステアレート、ジンクミリステート等の金属セッケン、N−ラウロイル−L−グルタミン酸、α,γ−ジ−n−ブチルアミン等のアミノ酸誘導体、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリナイトクレー等の有機変性粘土鉱物等から選ばれるゲル化剤が挙げられる。
【0053】
制汗剤としては、アルミニウムクロロハイドレート、塩化アルミニウム、アルミニウムセスキクロロハイドレート、ジルコニルヒドロキシクロライド、アルミニウムジルコニウムヒドロキシクロライド、アルミニウムジルコニウムグリシン錯体等から選ばれる制汗剤が挙げられる。
【0054】
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸メチル等のサリチル酸系紫外線吸収剤、パラメトキシケイ皮酸オクチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ウロカニン酸エチル等のウロカニン酸系紫外線吸収剤、4−t−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン等のジベンゾイルメタン系紫外線吸収剤等が挙げられる。紫外線吸収散乱剤としては、微粒子酸化チタン、微粒子鉄含有酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウム及びそれらの複合体等、紫外線を吸収散乱する粉体が挙げられる。
【0055】
保湿剤としては、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グルコース、キシリトール、マルチトール、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ピロリドンカルボン酸塩、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド等がある。
【0056】
防菌防腐剤としては、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール等、抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノール等がある。
【0057】
酸化防止剤としては、トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、フィチン酸等、pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl−リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等、キレート剤としては、アラニン、エデト酸ナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸等、清涼剤としては、L−メントール、カンフル等、抗炎症剤としては、アラントイン、グリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸及びグリチルレチン酸ステアリル、トラネキサム酸、アズレン等が挙げられる。
【0058】
美肌用成分としては、胎盤抽出液、アルブチン、グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤、ロイヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体、幼牛血液抽出液等の細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等の血行促進剤、酸化亜鉛、タンニン酸等の皮膚収斂剤、イオウ、チアントロール等の抗脂漏剤等が挙げられる。
【0059】
ビタミン類としては、ビタミンA油、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のビタミンA類、リボフラビン、酪酸リボフラビン、フラビンアデニンヌクレオチド等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキシンジオクタノエート、ピリドキシントリパルミテート等のビタミンB6類、ビタミンB12及びその誘導体、ビタミンB15及びその誘導体等のビタミンB類、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸ナトリウム、 L−アスコルビン酸リン酸ジエステルジカリウム等のビタミンC類、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD類、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等のビタミンE類、ビタミンH、ビタミンP、ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド等のニコチン酸類、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、アセチルパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類、ビオチン等がある。
【0060】
アミノ酸類としては、グリシン、ヴァリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン等、核酸としては、デオキシリボ核酸等、ホルモンとしては、エストラジオール、エテニルエストラジオール等が挙げられる。
【0061】
毛髪固定用高分子化合物としては、両性、アニオン性、カチオン性、非イオン性の各高分子化合物が挙げられる。これらの具体例としては、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体等の、ポリビニルピロリドン系高分子化合物、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸アルキルハーフエステル共重合体等の酸性ビニルエーテル系高分子化合物、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体等の酸性ポリ酢酸ビニル系高分子、(メタ)アクリル酸/アルキル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/アルキル(メタ)アクリレート/アルキルアクリルアミド共重合体等の酸性アクリル系高分子化合物、N−メタクリロイルエチル−N、N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン/アルキル(メタ)アクリレート共重合体、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレート/アクリル酸オクチルアミド共重合体等の両性アクリル系高分子化合物が挙げられる。また、セルロースまたはその誘導体、ケラチンおよびコラーゲンまたはその誘導体等の天然由来高分子化合物も好適に用いることができる。
【0062】
本発明において化粧料とは、化粧水、乳液、クリーム、クレンジング、パック、オイルリキッド、マッサージ料、洗浄剤、脱臭剤、ハンドクリーム、リップクリーム等のスキンケア化粧料、メークアップ下地、白粉、リキッドファンデーション、油性ファンデーション、頬紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、アイブロウ、口紅等のメークアップ化粧料、シャンプ−、リンス、トリートメント、セット剤等の毛髪化粧料、制汗剤、日焼け止め乳液や日焼け止めクリームなどの紫外線防御化粧料等が挙げられる。
【0063】
またこれらの化粧料の形状としては、液状、乳液状、クリーム状、固形状、ペースト状、ゲル状、粉末状、プレス状、多層状、ムース状、スプレー状、スティック状、ペンシル状等、種々の形態を選択することができる。
【0064】
【製造例】
以下に、本発明を製造例によって更に詳述するが本発明はこれによって限定されるものではない.尚,特に断らない限り,以下に記載する「%」は「重量%」を意味する。
【0065】
製造例1〜7.
表1に示すように、シロキサンとしてヘキサメチルジシロキサンまたはオクタメチルシクロテトラシロキサンの1種類を、有機金属化合物としてテトライソプロポキシチタン(無色液体)、トリイソプロポキシアルミニウム(白色固体)の70重量%イソプロピルアルコール溶液、テトラn-ブトキシジルコニウム(淡黄色固体)の70重量%トルエン溶液、オクチル酸亜鉛(白色固体)の65%石油スピリット溶液の2種類または3種類を選択し、シロキサンと有機金属化合物を所定の濃度で混合して原料溶液を調整した。
【0066】
この原料溶液を、室温下で噴霧ノズルを用い、噴霧媒体として窒素ガスを使用して微細液滴に噴霧し、プロパンの燃焼による補助火炎により燃焼させた。支燃性ガスとしては酸素及び空気を供給した。このときのシロキサンと有機金属化合物の混合組成、及び、混合原料液、プロパン、酸素、空気、噴霧窒素の供給量は表1に記載した。
生成したシリカ含有複合酸化物球状微粒子の粉末に含まれる塩素分をイオンクロマトグラフィーで測定したところ、いずれも0.1ppm未満であった。
【表1】
【0067】
参考例1.
参考例として、シロキサンを含まず、有機金属化合物としてテトライソプロポキシチタン(無色液体)のみを前記製造例と同様に燃焼させて二酸化チタン球状微粒子を得た。
【0068】
製造例1〜7で得られたシリカ含有複合酸化物球状微粒子、および参考例1の二酸化チタン球状微粒子の表面活性を以下の方法で測定した。その結果を表2に示す。
評価方法
[表面活性]:処理粉体40部を60部のヒマシ油と混練し、その一定量をガラス板に挟み込み、一定時間紫外線を照射した時、その色変化、及び照射前と照射後の色差(δE)を測定した。
【0069】
【表2】
【0070】
次に、このようにして得られた各シリカ含有複合酸化物球状微粒子100部、及びジメチルメチルハイドロジェンポリシロキサン1部をトルエン50部に溶解した溶液を混合した後、トルエンを加熱留去し、150℃で1時間乾燥することにより、ジメチルメチルハイドロジェンポリシロキサン1%で疎水化処理されたシリカ含有複合酸化物球状微粒子を得た。得られた各々について以下の方法で耐水性を測定した結果を表3に示す。
[耐水性]:処理粉体80部とタルク20部を均一に混合し、アルミ皿(50mmΦ)にプレスした後、その上に、1,3ブチレングリコール:水=1:1の混合溶液を滴下し、形成された水滴の吸収時間を測定した。
【表3】
表2の結果から、各製造例で得られたシリカ含有複合酸化物球状微粒子は、参考例1で得られたものに比較して、表面活性が抑えられている事がわかる。また、表3の結果から、各製造例で得られたシリカ含有複合酸化物球状微粒子は反応性粉体処理剤(メチルハイドロジェンポリシロキサン)と効率良く反応し、耐水性に優れたものになることが確認された。
【0071】
実施例1及び比較例1.
製造例3で得られたメチルハイドロジェンポリシロキサン1%で処理された疎水化処理シリカ含有複合二酸化チタン球状微粒子、及び、化粧品に使用されている市販の酸化チタンをメチルハイドロジェンポリシロキサン1%で表面処理して得られた疎水化処理酸化チタンを用い、表4のように配合してファンデーションを作製し、評価を行った。
【表4】
(製造方法)
A:成分1〜9を混合して均一に粉砕した。
B:Aに成分10〜12を加えて粉砕した。
C:Bをプレス成型してパウダーファンデーションを作製した。
【0072】
得られたファンデーションについて、女性50名の専門パネルによる使用テストを行ない、使用性の良さ、伸びの軽さ、にじみのなさ、化粧持ちの良さについて、下記に示される基準に従って評価を行なった。
得られた平均点について、下記の基準に従って○×で判定した。
平均点の判定:
得られた平均点が4.5点以上 ◎
得られた平均点が3.5点以上4.5点未満 ○
得られた平均点が2.5点以上3.5点未満 △
得られた平均点が1.5点以上2.5点未満 ×
得られた平均点が1.5点未満 ××
【0073】
結果は表5に示した通りである。
【表5】
表5から明らかなように、実施例1のファンデーションは、比較例1のものに比べて軽い伸びで使用感に優れる上にじみもなく、化粧持ちに優れたファンデーションであることが実証された。
【0074】
実施例2:水中油型クリ−ム
(成分) 重量(%)
1.エタノール 17.0
2.プロピレングリコール 3.0
3.ポリエーテル変性シリコーン(注1) 0.5
4.トリオクタン酸グリセリル 2.0
5.疎水化処理シリカ含有複合二酸化チタン球状微粒子(製造例1) 3.0
6.ハイブリッドシリコーン複合粉体(注2) 5.0
7.カルボキシビニルポリマー(1%水溶液) 20.0
8.キサンタンガム(2%水溶液) 6.0
9.トリエタノールアミン 0.2
10.防腐剤 適 量
11.香料 適 量
12.精製水 43.3
(注1)ポリエーテル変性シリコーン:KF−6011(信越化学工業(株)製)
(注2)ハイブリッドシリコーン複合粉体:KSP−100(信越化学工業(株)製)
(製造方法)
A:成分1〜6を混合した。
B:成分7〜12を混合溶解した。
C:AをBに加えて攪拌乳化した。
以上のようにして得られた水中油型クリームは、キメが細かく、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく、さらっと仕上がる上、しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に化粧持ちも非常に良く、温度変化や経時による変化がなく安定性に優れていることが確認された。
【0075】
実施例3:水中油型クリーム
(成分) 重量(%)
1.架橋型ジメチルポリシロキサン(注1) 10.0
2.トリオクタン酸グリセリル 5.0
3.ジプロピレングリコール 7.0
4.グリセリン 5.0
5.メチルセルロース(2%水溶液)(注2) 7.0
6.ポリアクリルアミド系乳化剤(注3) 2.0
7.疎水化処理シリカ含有複合二酸化チタン球状微粒子(製造例2) 1.0
8.防腐剤 適 量
9.香料 適 量
10.精製水 63.0
(注1)架橋型ジメチルポリシロキサン:KSG−16(信越化学工業(株)製)
(注2)メチルセルロース:メトローズSM−4000(信越化学工業(株)製)
(注3):ポリアクリルアミド系乳化剤:セピゲル305(SEPIC製)
(製造方法)
A:成分3〜10を混合した。
B:成分1〜2を混合溶解し、Aを加えて攪拌乳化した。
以上のようにして得られた水中油型クリームは、キメが細かく、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなくマットに仕上がる上、しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えるものであった。また、化粧持ちが非常に良く、温度変化や経時による変化がなく安定性に優れていることが確認された。
【0076】
実施例4:油中水型クリーム
(成分) 重量(%)
1.ジメチルポリシロキサン(6mm2/秒(25℃)) 6.0
2.メチルフェニルポリシロキサン 4.0
3.スクワラン 5.0
4.ジオクタン酸ネオペンチルグリコール 3.0
5.ポリエーテル変性シリコーン(注1) 3.0
6.疎水化処理シリカ含有複合二酸化チタン球状微粒子(製造例3) 2.0
7.硫酸マグネシウム 0.7
8.グリセリン 10.0
9.防腐剤 適 量
10.香料 適 量
11.精製水 66.3
(注1)ポリエーテル変性シリコーン:KF6017(信越化学工業(株)製)(製造方法)
A:成分1〜5を加熱混合し、成分6を添加して均一に混合した。
B:成分7〜9及び11を加熱溶解した。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化した後冷却し、成分10を添加してクリームを得た。
以上のようにして得られた油中水型クリームは、キメが細かく、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがない上しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えるものであった。また、化粧持ちも非常に良く、温度変化や経時による変化がなく安定性に優れているものであった。
【0077】
実施例5:油中水型クリーム
(成分) 重量(%)
1.アルキル変性架橋型ポリエーテル変性シリコーン(注1) 6.0
2.流動パラフィン 13.5
3.マカデミアナッツ油 5.0
4.アルキル・ポリエーテル共変性シリコーン(注2) 0.5
5.ハイブリッドシリコーン複合粉体(注3) 3.0
6.疎水化処理シリカ含有複合二酸化チタン球状微粒子(製造例4) 2.0
7.クエン酸ナトリウム 0.2
8.プロピレングリコール 8.0
9.グリセリン 3.0
10.防腐剤 適 量
11.香料 適 量
12.精製水 58.8
(注1)アルキル変性架橋型ポリエーテル変性シリコーン:KSG−31(信越化学工業(株)製)
(注2)アルキル・ポリエーテル共変性シリコーン:KF−6026(信越化学工業(株)製)
(注3)ハイブリッドシリコーン複合粉体:KSP−100(信越化学工業(株)製)
(製造方法)
A:成分1〜6を混合した。
B:成分7〜12を混合溶解し、Aに加えて攪拌乳化した。
以上のようにして得られた油中水型クリームは、キメが細かく、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさのないマットに仕上がる上、しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えるものであった。さらに化粧持ちも非常に良く、温度変化や経時による変化がなく安定性に優れていることが確認された。
【0078】
実施例6:油中水型クリーム
(成分) 重量(%)
1.デカメチルシクロペンタシロキサン 16.0
2.ジメチルポリシロキサン(6mm2/秒(25℃)) 4.0
3.ポリエーテル変性シリコーン(注1) 5.0
4.POE(5)オクチルドデシルエーテル 1.0
5.モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 0.5
6.無水ケイ酸処理酸化亜鉛(注2) 2.0
7.疎水化処理シリカ含有複合二酸化チタン球状微粒子(製造例4) 10.0
8.流動パラフィン 2.0
9.マカデミアンナッツ油 1.0
10.オウゴンエキス(注3) 1.0
11.ゲンチアナエキス(注4) 0.5
12.エタノール 5.0
13.1,3−ブチレングリコール 2.0
14.防腐剤 適 量
15.香料 適 量
16.精製水 50.0
(注1)ポリエーテル変性シリコーン:KF6017(信越化学工業(株)製)
(注2)無水ケイ酸処理酸化亜鉛:酸化亜鉛を50%内包した粒子径0.01〜10μmのシリカ;サンスフェアSZ−5(旭硝子製)
(注3)オウゴンエキス:50% 1,3−ブチレングリコール水で抽出したもの
(注4) ゲンチアナエキス:20% エタノール水で抽出したもの
(製造方法)
A:成分6〜9を均一に混合分散した。
B:成分1〜5を混合し、Aを加した。
C:成分10〜14及び16を混合した後、Bを加えて乳化した。
D:Cを冷却し、成分15を加えてクリームを得た。
以上のようにして得られた油中水型クリームは、キメが細かく、べたつきがなく、のび広がりも軽い上密着感に優れ、おさまりも良く、つやのある仕上がりで化粧持ちも非常に優れていた。また、温度変化や経時によって変化することがなく、安定性にも優れていることが確認された。尚、成分4のPOE(5)はエチレンオキサイド単位が5個連続していることを表し、成分5の(20E,O)はエチレンオキサイド単位が20個連続していることを意味する。
【0079】
実施例7:アイライナー
(成分) 重量(%)
1.デカメチルシクロペンタシロキサン 39.0
2.ポリエーテル変性シリコーン(注1) 3.0
3.有機シリコーン樹脂(注2) 15.0
4.ジオクタデシルジメチルアンモニウム塩変性モンモリロナイト 3.0
5.疎水化処理シリカ含有複合二酸化チタン球状微粒子(製造例4) 10.0
6.1,3−ブチレングリコール 5.0
7.デヒドロ酢酸ナトリウム 適 量
8.防腐剤 適 量
9.精製水 25.0
(注1)ポリエーテル変性シリコーン:KF−6017(信越化学工業(株)製)
(注2)有機シリコーン樹脂:KF−7312J(信越化学工業(株)製)
(製造方法)
A:成分1〜4を混合し、成分5を加えて均一に混合分散した。
B:成分6〜9を混合した。
C:BをAに徐添して乳化し、アイライナーを得た。
以上のようにして得られたアイライナーは、のびが軽くて描きやすく、清涼感があってさっぱりとし、更にべたつきがない使用感であった。また、温度変化や経時による変化もなく、使用性も安定性も非常に優れており、耐水性、耐汗性に優れることはもとより、化粧持ちも非常に良いことが確認された。
【0080】
実施例8:ファンデーション
(成分) 重量(%)
1.デカメチルシクロペンタシロキサン 40.0
2.ジメチルポリシロキサン(6mm2/秒(25℃)) 5.0
3.ポリエーテル変性シリコーン(注1) 2.0
4.オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム塩変性モンモリロナイト4.0
5.疎水化処理シリカ含有複合二酸化チタン球状微粒子(製造例3) 15.0
6.オルガノポリシロキサン処理タルク 6.0
7.オルガノポリシロキサン処理マイカ 6.0
8.オルガノポリシロキサン処理ベンガラ 1.6
9.オルガノポリシロキサン処理黄酸化鉄 0.7
10.オルガノポリシロキサン処理黒酸化鉄 0.2
11.ジプロピレングリコール 5.0
12.パラオキシ安息香酸メチルエステル 0.3
13.2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール 0.2
14.塩酸 0.1
15.香料 適 量
16.精製水 13.9
(注1)ポリエーテル変性シリコーン:KF−6017(信越化学工業(株)製)
(製造方法)
A:成分1〜4を加熱混合し、成分5〜10を添加して均一にした。
B:成分11〜14及び16を加熱溶解した。(水系のpHは9.0)
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却した後成分15を添加しファンデーションを得た。
以上のようにして得られたファンデーションは、キメが細かい上、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく化粧膜が美しく、しかもしっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えるものであった。また、化粧持ちも良く、温度変化や経時による変化がなく、安定性にも優れていることが確認された。
【0081】
実施例9:アイシャドウ
(成分) 重量(%)
1.デカメチルシクロペンタシロキサン 15.0
2.ジメチルポリシロキサン(6mm2/秒(25℃)) 10.0
3.ポリエーテル変性分岐状シリコーン(注1) 2.0
4.PEG(10)ラウリルエ−テル 0.5
5.オルガノポリシロキサン処理酸化クロム 6.2
6.疎水化処理シリカ含有複合二酸化チタン球状微粒子(製造例3) 3.0
7.オルガノポリシロキサン処理群青 4.0
8.オルガノポリシロキサン処理チタン被覆マイカ 6.0
9.塩化ナトリウム 2.0
10.プロピレングリコール 8.0
11.防腐剤 適 量
12.香料 適 量
13.精製水 43.3
(注1)ポリエーテル変性分岐状シリコーン:KF6028(信越化学工業(株)製)
(製造方法)
A:成分1〜4を混合し、成分5〜8を添加して均一に分散した。
B:成分9〜11及び13を均一溶解した。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、成分12を添加してアイシャドウを得た。
以上のようにして得られたアイシャドウは、のび広がりが軽い上油っぽさや粉っぽさがなく、みずみずしく、さっぱりとした使用感を与えるものであった。また、耐水性や撥水性、耐汗性が良好で持ちも良く、化粧崩れしにくい上、温度変化や経時による変化がなく安定性にも優れていることが確認された。
【0082】
実施例10:口紅
(成分) 重量(%)
1.キャンデリラワックス 8.0
2.ポリエチレンワックス 8.0
3.長鎖アルキル含有アクリルシリコーン樹脂(注1) 12.0
4.メチルフェニルポリシロキサン(注2) 3.0
5.イソノナン酸イソトリデシル 20.0
6.イソステアリン酸グリセリル 16.0
7.トリイソステアリン酸ポリグリセリル 28.5
8.オルガノポリシロキサン処理赤色202 0.8
9.オルガノポリシロキサン処理ベンガラ 1.5
10.オルガノポリシロキサン処理黄酸化鉄 1.0
11.オルガノポリシロキサン処理黒酸化鉄 0.2
12.疎水化処理シリカ含有複合二酸化チタン球状微粒子(製造例3) 1.0
13.防腐剤 適 量
14.香料 適 量
(注1)長鎖アルキル含有アクリルシリコーン樹脂:KP−561(信越化学工業(株)製)
(注2)メチルフェニルポリシロキサン:KF−54(信越化学工業(株)製)(製造方法)
A:成分1〜6及び7の一部を加熱混合し溶解した。
B:成分8〜14及び7の残部を均一混合し、Aに加えて均一にした。
以上のようにして得られた口紅は、のびが軽くて油っぽさや粉っぽさがない上、さっぱりとした使用感を与えると共に、耐水性や撥水性が良好で持ちも良く、安定性にも優れているものであった。
【0083】
実施例11:液状乳化ファンデーション
(成分) 重量(%)
1.ジメチルポリシロキサン(6mm2/秒(25℃)) 5.0
2.デカメチルシクロペンタシロキサン 15.0
3.スクワラン 4.0
4.ジオクタン酸ネオペンチルグリコール 3.0
5.ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセライド 2.0
6.α−モノイソステアリルグリセリルエーテル 1.0
7.アルキル・ポリエーテル共変性シリコーン(注1) 1.0
8.ジステアリン酸アルミニウム塩 0.2
9.疎水化処理シリカ含有複合二酸化チタン球状微粒子(製造例3) 8.0
10.オルガノポリシロキサン処理セリサイト 2.0
11.オルガノポリシロキサン処理タルク 3.0
12.オルガノポリシロキサン処理ベンガラ 0.4
13.オルガノポリシロキサン処理黄酸化鉄 0.7
14.オルガノポリシロキサン処理黒酸化鉄 0.1
15.硫酸マグネシウム 0.7
16.グリセリン 3.0
17.防腐剤 適 量
18.香料 適 量
19.精製水 残 量
(注1)アルキル・ポリエーテル共変性シリコーン:KF6026(信越化学工業(株)製)
(製造方法)
A:成分1〜8を加熱混合し、成分9〜14を添加して均一にした。
B:成分15〜17及び19を加熱溶解した。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分18を添加し液状乳化ファンデーションを得た。
以上のようにして得られた液状乳化ファンデーションは、粘度が低くて流動性があり、キメが細かく、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがない上しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えるものであった。また、化粧持ちも良く、温度変化や経時による変化がなく安定性にも優れていることが確認された。
【0084】
実施例12:液状ファンデーション
(成分) 重量(%)
1.デカメチルシクロペンタシロキサン 16.0
2.ジメチルポリシロキサン(6mm2/秒(25℃)) 8.0
3.パラメトキシケイ皮酸オクチル 3.0
4.12−ヒドロキシステアリン酸 1.0
5.フッ素変性シリコーン(注1) 15.0
6.フッ素アルキル・ポリエーテル共変性シリコーン(注2) 5.0
7.球状ポリメチルシルセスキオキサン粉体(注3) 3.0
8.疎水化処理シリカ含有複合二酸化チタン球状微粒子(製造例3) 8.0
9.オルガノポリシロキサン処理雲母チタン 1.0
10.オルガノポリシロキサン処理酸化チタン 5.0
11.オルガノポリシロキサン処理ベンガラ 0.9
12.オルガノポリシロキサン黄酸化鉄 2.0
13.オルガノポリシロキサン黒酸化鉄 1.0
14.エタノール 15.0
15.グリセリン 3.0
16.硫酸マグネシウム 1.0
17.防腐剤 適 量
18.香料 適 量
19.精製水 12.1
(注1)フッ素変性シリコーン:FL−50(信越化学工業(株)製)
(注2) フッ素アルキル・ポリエーテル共変性シリコーン:FPD−4694(信越化学工業(株)製)
(注3) 球状ポリメチルシルセスキオキサン粉体:KMP590(信越化学工業(株)製)
(製造方法)
A:成分7〜13を均一に混合した。
B:成分1〜6を70℃に加熱混合し、Aを加えて均一に分散混合した。
C:成分14〜17及び19を40℃に加温、Bに徐添して乳化し、冷却して成分18を加え、液状ファンデーションを得た。
以上のようにして得られた液状ファンデーションは、べたつきがなく、のび広がりも軽い上さっぱりとした高い清涼感を有し、温度変化や経時による変化がなく、安定性の非常に優れたものであることが確認された。
【0085】
実施例13:ブラッシング剤スプレー
(成分) 重量(%)
1.ミリスチン酸イソプロピル 1.0
2.塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.05
3.疎水化処理シリカ含有複合二酸化チタン球状微粒子(製造例5) 3.0
4.エタノール 25.0
5.香料 適 量
6.噴射剤 残 量
(製造方法)
A:成分1〜5を混合した。
B:Aをエアゾール用缶に詰めた後、成分6を充填し、ブラッシング剤を得た。
以上のようにして得られたブラッシング剤スプレーは、ツヤがあって非常になめらかであり、持続性にも優れており、又、使用時の粉の分散性に優れ、櫛通りが良くツヤのある非常に良いものであることが確認された。
【0086】
実施例14:油中水型タイプ制汗剤
(成分) 重量(%)
1.架橋型ポリエーテル変性シリコーン(注1) 7.0
2.デカメチルシクロペンタシロキサン 10.0
3.トリオクタン酸グリセリル 7.0
4.ジプロピレングリコール 5.0
5.クエン酸ナトリウム 0.2
6.アルミニウム・ジルコニウムテトラクロロハイドレイト 18.0
7.疎水化処理シリカ含有複合二酸化チタン球状微粒子(製造例5) 5.0
8.フッ素変性ハイブリッドシリコーン複合粉体(注2) 2.0
9.香料 適 量
10.精製水 45.8
(注1)架橋型ポリエーテル変性シリコーン:KSG−21(信越化学工業(株)製)
(注2)フッ素変性ハイブリッドシリコーン複合粉体:KSP−200(信越化学工業(株)製)
(製造方法)
A:成分1〜3を混合した。
B:成分4〜10を混合した。
C:BをAに加えて混合乳化した。
以上のようにして得られた油中水型タイプの制汗剤は、のびが軽く、清涼感があってさっぱりとして、べたつきや油感がなく、温度や経時による変化もなく、使用性も安定性も非常に優れている油中水型タイプの制汗剤であった。
【0087】
実施例15:ロールオンタイプ制汗剤
(成分) 重量(%)
1.架橋型ポリエーテル変性シリコーン(注1) 20.0
2.ジメチルポリシロキサン(6mm2/秒(25℃)) 10.0
3.架橋型ジメチルポリシロキサン(注2) 15.0
4.デカメチルシクロペンタシロキサン 30.0
5.アルミニウム・ジルコニウムテトラクロロハイドレイト 20.0
6.疎水化処理シリカ含有複合二酸化チタン球状微粒子(製造例3) 5.0
7.香料 適 量
(注1)架橋型ポリエーテル変性シリコーン:KSG−21(信越化学工業(株)製)
(注2)架橋型ジメチルポリシロキサン:KSG−15(信越化学工業(株)製)
(製造方法)
A:成分1〜4を混合した。
B:Aに成分5〜7を加え、均一に分散した。
以上のようにして得られたロールオンタイプの制汗剤は、のびが軽く、清涼感があってさっぱりとして、べたつきや油感がなく、温度や経時による変化もなく、使用性も安定性も非常に優れているものであった。
【0088】
実施例16:日焼け止め乳液
(成分) 重量(%)
1.デカメチルシクロペンタシロキサン 20.0
2.メチルフェニルポリシロキサン 3.0
3.モノイソステアリン酸ソルビタン 1.0
4.ポリエーテル変性シリコーン(注1) 0.5
5.トリメチルシロキシケイ酸溶液(注2) 1.0
6.パラメトキシケイ皮酸オクチル 4.0
7.疎水化処理シリカ含有複合二酸化チタン球状微粒子(製造例5) 8.0
8.ソルビトール 2.0
9.塩化ナトリウム 2.0
10.防腐剤 適 量
11.香料 適 量
12.精製水 58.5
(注1)ポリエーテル変性シリコーン:KF6015(信越化学工業(株)製)
(注2)トリメチルシロキシケイ酸溶液:X−21−5250(信越化学工業(株)製)
(製造方法)
A:成分1〜6を加熱混合し、成分7を均一分散した。
B:成分8〜10及び12を加熱混合した。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分11を添加し日焼け止め乳液を得た。
以上のようにして得られた日焼け止め乳液は、キメが細かく、のび広がりが軽く、べたつきがない上しっとりとしてみずみずしいものであった。また、化粧持ちも良いため、紫外線防止効果も持続する上、温度変化や経時による変化がなく非常に安定性にも優れていることが確認された。
【0089】
実施例17:サンカットクリーム
(成分) 重量(%)
1.デカメチルシクロペンタシロキサン 17.5
2.アクリルシリコーン樹脂溶液(注1) 12.0
3.トリオクタン酸グリセリル 5.0
4.パラメトキシケイ皮酸オクチル 6.0
5.架橋型ポリエーテル変性シリコーン(注2) 5.0
6.アルキル・ポリエーテル共変性シリコーン(注3) 1.0
7.疎水化処理シリカ含有複合二酸化チタン球状微粒子(製造例5) 20.0
8.塩化ナトリウム 0.5
9.1,3−ブチレングリコール 2.0
10.防腐剤 適 量
11.香料 適 量
12.精製水 31.0
(注1)アクリルシリコーン樹脂溶液:KP545(信越化学工業(株)製)
(注2)架橋型ポリエーテル変性シリコーン:KSG21(信越化学工業(株)製)
(注3)アルキル・ポリエーテル共変性シリコーン:KF6026(信越化学工業(株)製)
(製造方法)
A:成分1の一部に成分2を加えて均一にし、成分7を添加してビーズミルにて分散した。
B:成分1の残部及び3〜6を混合し、均一に混合した。
C:成分8〜10及び12を混合して溶解した。
D:BにCを加えて乳化し、A及び成分11を加添加してサンカットクリームを得た。
以上のようにして得られたサンカットクリームは、べたつきがなく、のび広がりも軽い上密着感に優れ、おさまりの良くいものであった。また、つやのある仕上がりで化粧持ちも非常に優れていて紫外線防止効果も高く、温度変化や経時に対しても非常に安定であることが確認された。
【0090】
実施例18:パウダーアイブロウ
(成分) 重量(%)
1.ポリエチレンワックス 3.0
2.ジメチルポリシロキサン(6mm2/秒(25℃)) 5.0
3.トリオクタン酸グリセリル 2.0
4.シリコーン処理マイカ 40.0
5.シリコーン処理硫酸バリウム 15.0
6.疎水化処理シリカ含有複合二酸化チタン球状微粒子(製造例3) 10.0
7.シリコーン処理顔料 適 量
8.シリコーン複合粉体(注1) 1.5
9.シリコーン粉体(注2) 2.5
10.シリコーン処理タルク 21.0
11.防腐剤 適 量
12.香料 適 量
(注1)シリコーン複合粉体:KSP−100(信越化学工業(株)製)
(注2)シリコーン粉体:KMP−590(信越化学工業(株)製)
(製造方法)
A:成分4〜12を混合、均一にした。
B:成分1〜3を混合溶解し、Aに加えて均一にした。
C:Bを金型にプレス成型し、パウダーアイブロウを得た。
以上のようにして得られた本発明品のアイブロウは、べたつきがなく、のび広がりも軽く、しかも、密着感に優れ、おさまりの良いものであった。また、つやのある仕上がりが得られる化粧持ちの良いアイブロウであることが確認された。
【0091】
【発明の効果】
本発明によれば、実質的にハロゲンを含まない精製されたシロキサン及び有機金属化合物を原料とするので、実質的にハロゲンを含まないシリカ及び金属化合物の含有量合計が0.5〜99重量%で複合化したシリカ含有複合酸化物球状微粒子が得られる。さらにバーナーに供給するシロキサン及び有機金属化合物からなる原料液、助然ガス、支然性ガスの供給量を調整することにより、粒子径を10nm〜3μmの範囲に調整することができる。
また、このようにして得られたシリカ含有複合酸化物球状微粒子は、金属酸化物の表面活性が封鎖されると共に、分散性、表面処理性が向上するため、この表面処理されたシリカ含有複合酸化物球状微粒子を化粧料に配合することにより、使用感が良好である上化粧持ちの良い、経時安定性に優れた化粧料が得られる。
Claims (16)
- A)成分として、実質的にハロゲンを含まず、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、セリウム、ホウ素、亜鉛、クロム、マンガン、マグネシウム、鉄、インジウム、錫から選択される少なくとも1種の金属に係る金属酸化物の含有量合計が0.5〜99重量%であると共に粒子径が10nm〜3μmであるシリカ含有複合酸化物球状微粒子を配合してなる化粧料であって、前記シリカ含有複合酸化物球状微粒子が、実質的にハロゲンを含まないシロキサンと、前記金属に係る有機金属化合物を、火炎中で同時に噴霧燃焼させて得られた粉体を表面処理して疎水化させてなるシリカ含有複合酸化物球状微粒子であることを特徴とする化粧料。
- シリカ含有複合酸化物球状微粒子が、前記有機金属化合物として、金属アルコキシド化合物、金属アシレート化合物、金属アルキル化合物又は金属キレート化合物を用いて調製された微粒子である、請求項1に記載された化粧料。
- B)成分として油剤を含有する、請求項1又は2に記載された化粧料。
- C)成分として水を含有する、請求項1〜3の何れかに記載された化粧料。
- D)成分として分子構造中にアルコール性水酸基を有する化合物を含有する、請求項1〜4の何れかに記載された化粧料。
- E)成分として水溶性又は水膨潤性高分子を含有する、請求項1〜5の何れかに記載された化粧料。
- F)成分としてA)成分のシリカ含有複合酸化物球状微粒子以外の粉体及び/又は着色剤を含有する、請求項1〜6の何れかに記載された化粧料。
- G)成分として界面活性剤を含有する、請求項1〜7の何れかに記載された化粧料。
- H)成分として架橋型オルガノポリシロキサンを含有する、請求項1〜8の何れかに記載された化粧料。
- I)成分としてシリコーン樹脂を含有する、請求項1〜9の何れかに記載された化粧料。
- 請求項1〜10の何れかに記載された化粧料を構成成分の少なくとも一部としてなるスキンケア化粧料。
- 請求項1〜10の何れかに記載された化粧料を構成成分の少なくとも一部としてなるメークアップ化粧料。
- 請求項1〜10の何れかに記載された化粧料を構成成分の少なくとも一部としてなる頭髪化粧料。
- 請求項1〜10の何れかに記載された化粧料を構成成分の少なくとも一部としてなる制汗剤化粧料。
- 請求項1〜10の何れかに記載された化粧料を構成成分の少なくとも一部としてなる紫外線防御化粧料。
- 化粧料の形状が、液状、乳液状、クリーム状、固形状、ペースト状、ゲル状、粉末状、プレス状、多層状、ムース状、スプレー状、スティック状、ペンシル状の何れかである、請求項3〜15の何れかに記載された化粧料。
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