JP4656292B2 - 金属のアルカノールアミン化合物の製造法 - Google Patents

金属のアルカノールアミン化合物の製造法 Download PDF

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本発明は、簡便かつ均質な金属のアルカノールアミン化合物の製造法に関するものである。
金属酸化物は、種々の光学デバイス、種々の誘電体、超伝導、電池などの電気デバイスや様々なデバイスとして応用されている。金属酸化物の形成方法には、スパッタ法、CVD法、MOCVD法、及び真空蒸着法などの気相法、ゾルゲル法、MOD法などの液相法や様々な方法があるが、複雑で高価な装置を必要とせず、均質に形成物ができやすいなどの利点を有する液相法は、特に注目される方法である。
金属酸化物前駆体には、製造上使用される際には安定性の向上などの必要性から、金属の錯体化合物が用いられる場面が多く、Mg,Ca,Sr,Ba,Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Fe,Ru,Co,Ni,Cu,Ag,Zn,Cd,Hg,Al,Ga,In,Tl,Ge,Sn,Pb,SbまたはBiには、それぞれMg(tea)H,Mg(tea)Cl,Ca(tea)H,Ca(tea)Cl,Sr(tea)Cl,Ba(tea)Cl,Sc(tea)Cl,Y(tea)(ClO3.3N,HLa[(OCN],RE(PN)(tea)(NOCl(PN=pyridoxol,RE=La,Ce,Pr,Nd,Sm,Tb,Dy,Ho,Er,Y),M(acac)(M=Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb and Lu; acac=acetylacetonate ligand),(iso−PrO)Zr「OCN(COH),VO[N(CHCHO)],BuSn(tea){M(OPri)n}[M=Al(n=2); Ti,Zr(n=3),Nb(n=4)],Ta(OC(etac)(etac=Ethyl Acetoacetate),「Cr(N)tea(HO)」(NO,[Ni(Ntea]・10HO,[CuNtea](NO)[Cr(N)dea(HO)](NO,[AOH[MoO(SbOCl)Cl](HO),[MoO(AOH)(HO)][SbOCl],[Mo(SbOCl(OH))Cl(HO)(AO)],H[(MoOSbCl(OH)(HO)](AOH=neutral triethanolamine),meaH[WO(mea)],[Mn(tea)Mo(CN)]・H2O,[Mn(tea)Mo(CN)],Fe(tea)Cl,[Co(μ−tea)(NCS)],Ni(tea)Cl,[Cu(N)dea(HO)](NO),Zn(tea)Br,Zn(tea)(NO,Cd(tea)Cl,Cd(tea)(NO,[(CAlteaAl(Cl)],Pb(tea)(OAc),Bi(tea)Cl(Hmea=mono−ethanolamine,Hdea=diethanolamine,Htea=triethanolamine)などのβ−ジケトン類、β−ケトエステル類、カルボン酸類、アルカノールアミン類、ジオール類、エステル類などの金属の錯体化合物があり、それらの錯体化合物は金属酸化物前駆体の原料として、非常に有用である。
金属のアルカノールアミン化合物はこれまでに金属アルコキシドや金属水酸化物とジエタノールやトリエタノールアミンなどのアルカノールアミンの反応により合成されている。金属アルコキシドを用いる反応では、式(1)に示したテトラエトキシシランとトリエタノールアミンのアルコール交換反応によりエトキシ基を有するシラトランが合成されている(非特許文献1参照)。この反応は、対応する金属アルコキシドを用いることにより、目的とする金属のアルカノールアミン化合物が得られるが、一般に加水分解性が高く、合成や取扱いが困難である金属アルコキシドを用いる点に欠点がある。
一方、金属水酸化物を用いる反応では、式(2)に示した硼酸とトリエタノールアミンの反応によりボラトランが合成されている(非特許文献2参照)。この反応に用い得る金属水酸化物の中でも、特に14〜16属の金属元素では一般に化学的に不安定な化合物が多く、吸湿性が高いので、式(2)の方法を適用することができない。
また、第3級アミノ基及び第一および/または第二水酸基を有する窒素含有バインダーと水にわずかに溶けるかまたは不溶性のコバルト、銅、鉛、ニッケルまたはマンガン化合物の反応(特許文献1参照)や、酸化鉛(II)とβ−ヒドロキシアミノ構造を有する化合物が以下の反応式により反応し水を分離することにより、金属のアルカノールアミン化合物が得られる(特許文献2参照)ことが開示されているが、溶液中で錯体形成をするに留まり、それらの金属のアルカノールアミン化合物を単離するには至っていない。
「ヘテロ環化合物の化学(Khimiya Geterotsiklicheskikh Soedinenii)」,旧ソ連,第1巻,1965年,p.58−63 平田義正、外2名,「日本化学雑誌」,1948年,第69巻,p.58−59 欧州特許出願公開第0082214号明細書 特開昭63−152676号公報
従って、本発明の目的は、複雑な工程及び特別な装置を必要とせずに、比較的安価で安定な金属酸化物から金属のアルカノールアミン化合物を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、金属酸化物とアルカノールアミンとの反応により金属のアルカノールアミン化合物を効率的に生成し、生成物である金属のアルカノールアミン化合物を生成物に可溶な溶媒で抽出し、再結晶などにより単離できる方法を見出した。即ち、本発明は、
からなる酸化ビスマスとNRR’3−n(Rは炭素の数が1から4で水酸基を1つ以上有する炭化水素基、R’は水素または炭素数が1から4の炭化水素基、nは1〜3の整数)からなるアルカノールアミンを反応させることを特徴とするビスマス(III)のアルカノールアミン化合物の製造法。
に関する。
酢酸塩、クエン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、カルボン酸塩、金属アルコキシドなどの有機または無機金属化合物は、アルコール類(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、ヘキサノノールなど)、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブなど)、グリコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ヘキシレングリコールなど)、アセトン、クロロホルム、四塩化炭素、ベンゼン、トルエンなどの有機溶媒に溶けにくいことが多く、溶媒中に有機または無機金属化合物を溶解し、その後エタノールアミンを加えて反応させることにより溶液中でエタノールアミン錯体を形成するよりも、単離した溶解性の高いエタノールアミン錯体を溶媒に溶解させる方が、より高濃度のエタノールアミン錯体を用いた金属酸化物の前駆体を製造することができる。
従来の金属のアルカノールアミン化合物の製造方法では金属アルコキシドや金属水酸化物が有効であると報告されているが、本発明の製造方法によれば、加水分解性の高い金属アルコキシドや潮解性の高い金属水酸化物を用いることなく、金属のアルカノールアミンが製造できるという特徴を持つ。
本発明によって製造しうる金属のアルカノールアミン化合物はM(Mはz価の金属元素、zは1から5の整数、xは1から3の整数、yは(z)×(x)/2で表される整数)の組成からなる金属酸化物とNRR’3−n(Rは炭素の数が1〜4であり1つ以上の水酸基で置換された炭化水素基、R’は水素または炭素数が1から4の炭化水素基、nは1〜3の整数)からなる化合物である。
例えば、酸化鉛(II)(PbO,z=2,x=1,Y=1)とトリエタノールアミン(N(CHCHOH),R=CHCHOH,n=3)の反応によりPb(OCHCHN(CHCHOH)の組成からなる鉛(II)のトリエタノールアミン化合物が得られる。
さらに、酸化ビスマス(III)(Bi,z=3,x=2,Y=3)とトリエタノールアミン(N(CHCHOH),R=CHCHOH,n=3)の反応によりBi(OCHCHNの組成からなるビスマス(III)のトリエタノールアミン化合物が得られる。
本発明の方法は、[1]金属酸化物とアルカノールアミンとの反応→[2]共沸蒸留による反応系内からの水分除去→[3]溶媒の除去→[4]生成物の溶解・抽出→[5]濃縮→[6]再結晶からなる。以上の方法により、金属アルカノールアミン化合物を単離する。以下に詳細を示す。
[1]金属酸化物とアルカノールアミンとの反応
金属酸化物とアルカノールアミンとの反応は、有機溶媒中に溶解または分散した金属酸化物とアルカノールアミンを反応させることにより得られる。その際、有機溶媒中の金属酸化物含量は1〜10wt%が好ましい。金属酸化物含量が1wt%以下の場合、濃縮するために多量の溶媒を留去しなければならず経済的でない。一方、10wt%を超えると金属酸化物の溶解や分散が困難になり、且つ均一な反応を行わせることが困難になる。
アルカノールアミンは、金属酸化物に対して1.0〜5.0の物質量比の範囲で使用される。上記物質量比が1.0より小さいと金属酸化物とアルカノールアミンの反応が十分に進行せず、生成物の収率が著しく低下する。一方、5.0より大きくても、金属酸化物に対してアルカノールアミンが過剰となり、その後の濃縮・再結晶の操作にも時間がかかり経済的でない。アルカノールアミンは、金属酸化物に対して1.0〜4.0の物質量比の範囲で使用されることがのぞましい。反応温度は通常60〜180℃であるが、反応温度が用いる有機溶媒の還流温度であると温度制御がより簡便である。また、反応時間は反応温度によって異なり、即ち低温では長時間を要し、高温では短時間で済むが、通常1.0〜5.0時間行われる。
金属酸化物とアルカノールアミンとの反応に用いる有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素やオクタンやデカンなどの飽和炭化水素など、水と共沸し得る有機溶媒ならば、どんな溶媒でも使用することができる。
[2]反応系内からの水分除去
反応系内からの水分除去は、有機溶媒中に無水硫酸ナトリウムや塩化カルシウム、モレキュラーシーブスなどの脱水剤を共存させることでもできるが、Dean−Stark水分定量器を用いて有機溶媒と水を共沸させることにより除去するのが望ましい。反応により生成する水を随時除去することにより反応時間を短縮し、且つ合成物の生成を促進することができる。
[3]溶媒の除去
溶媒の除去は、反応終了後に、温度40〜80℃、圧力1〜25mmHgの減圧下で行い、重量減少が無くなるまで反応に用いた有機溶媒を留去することで行われる。
[4]生成物の溶解・抽出
生成物の溶解・抽出には、アルカノールアミン化合物を溶解する有機溶媒が用いられる。一例を挙げるならば、メタノール、エタノールなどのアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、セロソルブ類、グリコール類、アセトン、クロロホルム、四塩化炭素、ベンゼン、トルエンなどであり、これらが一種以上用いられる。
金属酸化物とアルカノールアミンの反応に用いた溶媒の除去後、金属アルカノールアミン化合物を溶解する最低限以上の有機溶媒を加え、適宜加熱して生成物の溶解・抽出を行う。加熱の際、有機溶媒が環流してもかまわない。
[5]濃縮
生成物を溶解・抽出した後、不溶物をろ別し、ろ液の濃縮を行う。濃縮は、減圧度25mmHg以下において60〜80℃で溶媒を留去することにより行われる。濃縮は金属アルカノールアミン化合物のその温度における飽和溶解度に達するまで行われる。濃縮時に金属アルカノールアミン化合物が析出した場合は、加熱または溶媒を加えて飽和溶液とする。
[6]再結晶
上記操作により得られた飽和溶液をその溶媒の融点以上、通常は0〜10℃に冷却し、結晶を析出させる。その後、ろ過により固体をろ別し、再結晶に用いた溶媒、もしくはメタノール、エタノールなどの溶媒で洗浄する。
さらに、洗浄後の生成物を温度40〜80℃、圧力1〜25mmHgの減圧下で乾燥させる。
本発明で得られたアルカノールアミン化合物の一部は、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン、プロパノール、エタノール、メタノールなどの極性溶媒に対して溶解性を示し、ベンゼン、四塩化炭素などの非極性溶媒には溶解性を示さない。しかし、アルカノールアミン化合物の溶解性を損ない程度であれば他の非極性溶媒を一部加えることができる。例えば、鉛のトリエタノールアミン化合物は、エタノール、メタノールなどのアルコールに溶解し、ビスマスのトリエタノールカミン化合物はプロピレングリコールなどに溶解する。また、鉛のトリエタノールアミン化合物及びビスマスのトリエタノールアミン化合物は共に水で分解を起こす。
本発明で得られたアルカノールアミン化合物の一部は、他の金属錯体と反応させることで、アルカノールアミンを介して高分子量化が進み、均質で有機溶媒可溶な金属含有高分子量体となる。生成された金属含有高分子量体は、金属酸化物前駆物質として利用することができ、さらに、金属酸化物前駆物質を用いて調製した金属酸化物前駆体及び金属酸化物前駆物質は適当な条件で焼成することで均質性に優れたセラミックスとなる。
以下に実施例を挙げ、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例で用いた分析法は以下の通りである。
[1] 誘導結合プラズマ金属分析(ICP)
ICPS−7500型(島津製作所製)にて測定した。試料の前処理は次のようにして行った。試料0.01gを秤量し、2mlの濃硝酸を加えて溶解してから、2次蒸留水で100mlに定容とした。また、濃度が既知である市販の標準試料を希釈することにより0ppm、50ppm、100ppmの含金属水溶液を用いて検量線を作成し、検量線法により試料の金属重量含有率を算出した。
[2]単結晶X線構造解析
日本ブルカー・エイエックスエス(株)製SMART APEXにより測定した。0.5 x 0.4 x 0.3 mmの無色板状結晶をガラスキャピラリーの先端に乗せ、CCD検出器を備えたBruker SMART APEX, Mo Ka線(λ=0.71073Å)により、−53±2℃で測定した。構造はSHELLXL−97により解析した。
[3] 赤外吸収(IR)スペクトル分析
日本電子(株)製JIR−5300型により、KBr錠剤法を用いて、4cm−1の分解能4000−400cm−1の範囲で測定した。
[4]溶解性の評価方法
試料0.01gを計り取り、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、四塩化炭素、クロロホルム、テトラヒドロフラン(THF)、メタノール(MeOH)、エタノール(EtOH)及び水を1mL,5mL,10mL加えて沸点まで加熱し,溶液に残存する粉末の有無を目視によって確認した。サンプルが溶解したときの溶媒の量が1ml以下で++:Easily soluble、1〜5mlで+:soluble、5〜10mlで−:slightly soluble、10ml以上で−−:insolubleとし、分解したものはD:decompositionとした。加えた溶媒にすべての試料が溶解したと目視できるときに溶解とし、溶媒を加えても試料が溶解せずに残存していることを目視したときに不溶解とした。また、化学変化により試料が変質した場合を分解とした。
[5]融点、沸点、分解点の測定
密閉したガラス細管に試料を充填し、ヤナコ製Micro Meltingpoint Apparatus MP−S3型融点測定器を用いて測定した。同一試料について試料が液化した温度前後で数回測定を繰り返し、毎回同一温度で液化した場合を融点とし、試料に形状や色の変化が見られ、その温度前後で数回測定を繰り返し、毎回その温度が変化する場合を分解点とした。
[6] 熱重量示差熱分析(TG−DTA)
TG−DTA装置:TG−DTA2020S((株)マック・サイエンス製)で測定した。測定条件:空気気流中、昇温速度:10℃/min。
[7] 結晶構造解析(X線回折分析)
X線回折結晶構造解析装置:X’Pert−MPD(日本フィリップス製(株))(45KV,40mA,Cu−Kα radiation,X線波長1.5418nm)で測定した。測定範囲は2θ=10〜70deg.。
〔実施例1〕 鉛(II)のトリエタノールアミン化合物の合成
Dean−Stark水分定量器を取付けた200mLフラスコに、酸化鉛(II)10.4g、トリエタノールアミン14.9g、メシチレン100mLを入れた。その際の物質量の比率は酸化鉛(II):トリエタノールアミン=1:2である。150℃で2時間加熱した後、メシチレンを留去し、EtOH 10mlを加えて還流することにより生成物を抽出した。ろ液を粉末が析出するまで濃縮し,粉末が析出したところで濃縮を止めた。その後,溶媒の還流温度付近で粉末が溶解するまで溶媒を添加して熱飽和溶液を調製し、5℃/hで室温まで放冷した後、冷凍庫(−10℃)で冷却して再結晶することで14.8gの生成物を得た。析出した結晶をろ過により分離し、温度40℃、圧力5mmHgで2時間乾燥して生成物を単離した。生成物の収率は83.72%であった。生成物はエタノール、メタノールなどのアルコールに溶解し、分解点は249.2〜250.5℃であった。ICP分析による分子中のPb金属含有比率は58.43%(Pb(OCHCHN(CHCHOH)としての計算値58.46%)であった。
得たれた生成物の単結晶X線構造解析の結果、最終段階で4125個の反射点(1>2σ(1))と201個の可変変数を用いて全域に最小二乗法による精密化を行うことにより、R1=0.0529,wR2=0.1343で収束した。よって、得たられた鉛(II)のトリエタノールアミン化合物の結晶構造は図1に示した。
〔実施例2〕 ビスマス(III)のトリエタノールアミン化合物の合成
Dean−Stark水分定量器を取付けた100mLフラスコに、酸化ビスマス(III)8.33g、トリエタノールアミン11.0g、メシチレン100mLを入れた。その際の物質量の比率は酸化ビスマス(III):トリエタノールアミン=1:4である。150℃で2時間加熱した後、プロピレングリコール200mLを加え,90℃で加熱して生成物を抽出した。その後、エタノールを20mL加えて5℃/hで室温まで放冷した後、冷凍庫(−10℃)で冷却して、再結晶することで6.60gの生成物を得た。析出した結晶をろ過により分離し、温度40℃、圧力5mmHgで2時間乾燥して生成物を単離した。生成物の収率は50.3%であった。生成物はプロピレングリコールなどの有機溶媒に溶解し、分解点は250.6〜251.5℃であった。ICP分析による分子中のPb金属含有比率は58.4%(Bi(OCHCHNとしての計算値58.8%)であった。
得たれた生成物のIRスペクトル解析の結果、Bi(OCHCHNの構造に特徴的な2900cm−1(νC−H)、1130cm−1(νC−O)、1300〜1360cm−1(νN−C)のピークが見られた。
〔実施例3〕
鉛のトリエタノールアミン錯体0.71g、ビスアセト酢酸エチルチタンジエトキシド0.40g、ビスアセト酢酸エチルジルコニウムジエトキシド0.44gを100mLのエタノールに溶解し、モル比がPb:Zr:Ti=2:1:1の溶液を調製した。この溶液を60℃で1時間加熱し、40℃、2mmHgで2時間濃縮することで1.50gの金属の高分子量体である前駆物質を得た。得られた前駆物質は、濃縮段階で析出が全く見られず、均質なものであった。この前駆物質は褐色の粉末であり、TG−DTA測定の結果(図2参照)から、800℃でのセラミック収率は53.77%であり、得られた前駆物質は450℃程度で完全にセラミック化したことが示された。
鉛(II)のトリエタノールアミン化合物の結晶構造。 〔実施例3〕で得られた生成物のTG−DTA測定結果である。

Claims (1)

  1. からなる酸化ビスマスとNRR’3−n(Rは炭素の数が1から4で水酸基を1つ以上有する炭化水素基、R’は水素または炭素数が1から4の炭化水素基、nは1〜3の整数)からなるアルカノールアミンを反応させることを特徴とするビスマス(III)のアルカノールアミン化合物の製造法。
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