JP4654948B2 - 吐出検査装置、液滴吐出装置および電気光学装置の製造方法 - Google Patents

吐出検査装置、液滴吐出装置および電気光学装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット方式で機能液を吐出する機能液滴吐出ヘッドの吐出検査装置、液滴吐出装置および電気光学装置の製造方法に関するものである。
従来、機能液滴吐出ヘッドを吐出駆動させてワーク(例えば液晶表示装置のガラス基板)に描画を行う描画装置を備えた液滴吐出装置に設けられ、機能液滴吐出ヘッドの吐出結果を画像認識することにより、機能液滴吐出ヘッドの吐出不良を検査する吐出検査装置が知られている(特許文献1参照)。このような描画装置では、吐出精度を向上すべく、ワークギャップ(機能液滴吐出ヘッドのノズル面とワーク表面との間隙)が僅かな値(例えば、0.15mm〜0.3mm)に設定されている。そして、吐出検査を行う場合にも、ワークに対する描画と同条件となるように、機能液滴吐出ヘッドのノズル面と検査ワークとの間隙をワークギャップと同程度の距離に設定することが好ましい。
特開2005−14216号公報
このような吐出検査装置に対し、ランニングコストの削減等を考慮し、検査用ワークとして、ガラス基板ではなく紙やフィルム状の樹脂等で構成された検査シートを用いることが考えられる。しかし、この場合、シート状であるがために、ガラス基板とは異なり、検査シートがうねりをもって載置されやすい。このため、検査シートに対して機能液滴吐出ヘッドを走査した際に、機能液滴吐出ヘッドのノズル面に検査ワークが接触するおそれがある。特に、いわゆるラインヘッド様に、大形のワークに対応して、ワークの幅方向に複数の機能液滴吐出ヘッドを搭載した描画装置では、それに伴って検査シートも長尺状のものとなるため、検査シートを平坦に(うねりなく)載置することが困難となる。
これに対し、吸着穴(直径2mm程度)を縦横に列設した吸着テーブル上に検査シートを吸着載置させることも考えられる。しかしながら、そのようにすると、機能液滴吐出ヘッドのノズル面との接触を防止できたとしても、検査シートが吸着穴の部分において凹状(歪み)となるため、その凹状部分に着弾した機能液を適切に画像認識することが困難(焦点ずれ)となり、現実的ではない。
本発明は、検査ステージ上に検査シートを水平且つ平坦に載置することができる吐出検査装置、液滴吐出装置および電気光学装置の製造方法を提供することを課題とする。
本発明の吐出検査装置は、セットしたワークに対し、機能液滴吐出ヘッドを走査方向に相対的に移動させながら、機能液滴吐出ヘッドを吐出駆動させてワークに描画を行う描画装置を備えた液滴吐出装置に設けられ、機能液滴吐出ヘッドの吐出結果を画像認識することにより、機能液滴吐出ヘッドの吐出不良を検査する吐出検査装置であって、機能液滴吐出ヘッドの検査吐出を受ける帯状の検査シートと、検査シートが吸着載置される検査ステージと、を備え、検査ステージは、検査シートを吸着載置する多孔質プレートと、上部に多孔質プレートを水平に保持する枠状フレームと、多孔質プレートの下面に面して枠状フレームの内側に形成されると共に、真空吸引手段に連通するエアー室と、を有し、多孔質プレートの上面と枠状フレームの両側部上端面とは、面一に形成されており、多孔質プレートの幅は、検査シートの幅より僅かに幅狭に形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、枠状フレームにより多孔質プレートが水平に保持される。また、真空吸引手段によりエアー室を介して多孔質プレート上の検査シートが吸引される。このため、検査シートは、多孔質プレート上に水平に吸着載置される。しかも、多孔質プレート上で吸引されるため、吸着面の平面精度を損なうことなく、均一に吸引される。このため、検査ステージ上に検査シートを水平且つ平坦に載置することができる。したがって、検査シートに対して機能液滴吐出ヘッドを走査した際に、機能液滴吐出ヘッドのノズル面に検査シートが接触することがない。
また、検査シートは、幅方向の両端部が多孔質プレートから僅かにはみ出し枠状フレームの上端面に掛かった状態で、多孔質プレート上に載置される。このため、検査シートが多少蛇行しながら送られたとしても、多孔質プレートの全面が検査シートに覆われるため、吸引エアーがリークすることなく、検査シートを効率良く吸引することができる。
なお、多孔質プレートとしては、例えば、焼結金属(ステンレス等)や焼結加工したフッ素樹脂から成る多孔質体で構成したものを用いることができる。
この場合、検査ステージは、検査シートの延在方向に分割した複数の分割ステージで構成されていることが好ましい。
この構成によれば、複数の分割ステージにより検査ステージを構成することで、検査ステージを、複数の機能液滴吐出ヘッドに対応した長尺のものとすることが容易となる。
この場合、隣接する2つの分割ステージの分割多孔質プレート同士は、突き合わせた状態で接着されていることが好ましい。
この構成によれば、隣接する分割多孔質プレート同士の間隙から吸引エアーがリークすることがない。このため、検査シートを均一且つ効率良く吸引することができる。
この場合、検査ステージを支持するベースフレームと、ベースフレームと各分割ステージとの間に介設され、各分割ステージが水平となるように微調整する複数の傾き調整機構と、をさらに備えたことが好ましい。
この構成によれば、複数の傾き調整機構により、各分割ステージを水平になるように微調整することができる。このため、複数の分割ステージを、相互に傾くことなく、同一平面(水平面)上に設けることができ、複数の分割多孔質プレートが正確に水平に保持される。したがって、検査シートを精度良く水平に載置することができる。
この場合、傾き調整機構は、検査シートの延在方向に沿う各分割ステージの一方の辺側の中間部位置に介設した1つのアジャストねじと、他方の辺側の両端部位置に介設した2つのアジャストねじと、で構成されていることが好ましい。
この構成によれば、各分割ステージを、3つのアジャストねじを適宜回転させることで、水平となるようにその傾きを簡易且つ適切に調整することができる。
この場合、検査シートは、ロール状に巻回した状態で提供され、ロール状に巻回した検査シートを検査ステージ上に繰り出すシート繰出し機構と、繰り出した検査シートを検査ステージ上から巻き取るシート巻取り機構と、をさらに備えたことが好ましい。
この構成によれば、シート繰出し機構およびシート巻取り機構により、ロール状の検査シートが、検査ステージ上に繰り出されると共に、これが検査ステージ上から巻き取られる。このため、ロール状の検査シートを吐出検査に供することが可能となり、検査シートの交換頻度を少なくすることができる。したがって、液滴吐出装置を効率的に稼動させることができる。
この場合、検査ステージによる検査シートの吸着不良を検出するセンサを、さらに備えたことが好ましい。
この構成によれば、万一、検査シートの吸着不良が生じた場合にも、センサによりこれが検出される。このため、吐出検査が検出されたときに、これを報知したり、吐出検査を停止させたりすることが可能となる。したがって、検査シートの吸着不良により浮き上がった検査シートが、機能液滴吐出ヘッドのノズル面と接触するおそれのある状態のまま、機能液滴吐出ヘッドにより検査シートに対する検査用の吐出を行うことを回避することができる。
この場合、センサは、検査シートの浮き上がりを検出する光センサおよび/またはエアー室の圧力を検出する真空センサで、構成されていることが好ましい。
この構成によれば、光センサを用いた場合には、これにより、吸着不良に伴う検査シートの浮き上がりを簡易且つ確実に検出することができる。また、真空センサを用いた場合には、これにより、吸着不良の原因となるエアー室の真空不足を簡易且つ確実に検出することができる。
本発明の液滴吐出装置は、上記した吐出検査装置と、描画装置と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、検査シートを水平且つ平坦に載置することができる吐出検査装置を備えたことで、機能液滴吐出ヘッドのノズル面に検査シートが接触することなく、機能液滴吐出ヘッドの吐出不良検査を適切に行うことができる。
この場合、描画装置は、ワークをセットするセットテーブルと、機能液滴吐出ヘッドに対し、セットテーブルを介してワークを走査方向に移動させる移動機構と、を有し、吐出検査装置は、セットテーブルに隣接すると共に移動機構に搭載されていることが好ましい。
この構成によれば、移動機構により、セットテーブルにセットしたワークを機能液滴吐出ヘッドに対し走査方向に移動させながら描画を行った後、これに引き続いて、セットテーブルに隣接する吐出検査装置を機能液滴吐出ヘッドに臨ませることで、吐出検査が行われる。このため、ワークに対する描画の後、即座に吐出検査を行うことができ、生産効率を向上させることができる。
本発明の電気光学装置の製造方法は、上記した液滴吐出装置を用い、ワーク上に機能液による成膜部を形成することを特徴とする。
これらの構成によれば、機能液滴吐出ヘッドの吐出不良を適切に検査することができる液滴吐出装置により製造することで、信頼性の高いワークを効率良く生産することができる。なお、電気光学装置(フラットパネルディスプレイ:FPD)としては、カラーフィルタ、液晶表示装置、有機EL装置、PDP装置、電子放出装置等が考えられる。なお、電子放出装置は、いわゆるFED(Field Emission Display)やSED(Surface-conduction Electron-Emitter Display)装置を含む概念である。さらに、電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等を包含する装置が考えられる。
以下、添付の図面を参照して、本発明に係る吐出検査装置およびこれを備えた液滴吐出装置について説明する。この液滴吐出装置は、液晶表示装置等のFPDの製造ラインに組み込まれており、特殊なインクや発光性の樹脂液等の機能液を機能液滴吐出ヘッドに導入して、カラーフィルタ等の基板上に機能液による成膜部を形成するものである。
図1および図2に示すように、液滴吐出装置1は、機能液滴吐出ヘッド17を搭載した描画装置2と、描画装置2に添設されたメンテナンス装置3と、機能液滴吐出ヘッド17の吐出不良を検査するための吐出検査装置4とを備え、吐出検査装置4の検査結果に基づいて、メンテナンス装置3により機能液滴吐出ヘッド17の機能維持・回復を行うと共に、描画装置2により基板W(ワーク)上に機能液を吐出する描画処理を行うようにしている。また、液滴吐出装置1には、各種カメラを有する画像認識装置5と、装置全体を統括制御する制御コンピュータ6(図8参照)とが組み込まれている。
さらに、液滴吐出装置1は、クリーンエアーの管理下に設置されている。すなわち、液滴吐出装置1は、チャンバルーム7に収容されており、チャンバルーム7には、これに併設した図外のクリーンエアー供給ユニットにより、温度管理された清浄なガス(クリーンエアー)が供給されるようになっている。
描画装置2は、基板Wを載置するX軸テーブル12およびX軸テーブル12に直交するY軸テーブル13から成るXY移動機構11と、Y軸テーブル13に移動自在に取り付けられた7個のキャリッジ14と、各キャリッジ14に垂設され、それぞれ12個(図1および図2では2個のみ示す)の機能液滴吐出ヘッド17を装着したヘッドユニット15とを備えている。
X軸テーブル12による基板Wの移動軌跡と、Y軸テーブル13によるキャリッジ14の移動軌跡とが交わる領域が、描画処理を行う描画エリア18となっており、また、Y軸テーブル13によるキャリッジ14の移動軌跡上のX軸テーブル12から外側に外れた領域が、メンテナンスエリア19となっており、このメンテナンスエリア19に上記のメンテナンス装置3が設置されている。一方、X軸テーブル12の手前側の領域は、液滴吐出装置1に対する基板Wの搬出入を行う基板搬出入エリア20となっている。
X軸テーブル12は、搬入された基板Wを吸着セットするセットテーブル21と、セットした基板Wをθ補正するためのθテーブル22と、θテーブルを介してセットテーブル21を載置する載置ベース23と、載置ベース23をX軸方向にスライド自在に支持するX軸エアースライダ24と、X軸方向に延在し、セットテーブル21を介して基板WをX軸方向に移動させる左右一対のX軸リニアモータ(図示省略)と、X軸リニアモータに並設され、X軸エアースライダ24の移動を案内する一対のX軸ガイドレール25とを備えている。さらに、セットテーブル21の前後には、基板Wへの描画前後に各機能液滴吐出ヘッド17からのフラッシングを受ける一対のフラッシングボックス26が設けられている。
このように構成されたX軸テーブル12により、セットテーブル21にセットした基板WがX軸方向に往復動する。なお、基板搬出入エリア20側から描画エリア18側(図1の下側から上側)に移動するときを往動とし、描画エリア18側から基板搬出入エリア20側(図1の上側から下側)に移動するときを復動とする。
なお、後述する吐出検査装置4は、セットテーブル21に対して往動側に隣接して、載置ベース23上に搭載されている。そのため、X軸テーブル12を駆動させることで、セットテーブル21と吐出検査装置4とを一体としてX軸方向に移動するようになっている。
一方、Y軸テーブル13は、前後一対の支柱32に載置されており、7個のキャリッジ14をそれぞれ垂設する7個のブリッジプレート31がY軸方向に整列するよう、これを両持ちで支持する7組のY軸スライダ(図示省略)と、Y軸方向に延在し、各組のY軸スライダを介して各ブリッジプレート31をY軸方向に移動させる前後一対のY軸リニアモータ(図時省略)と、Y軸方向に延在し、7個のブリッジプレート31の移動を案内する前後各2本(計4本)のY軸ガイドレール(図示省略)とを備えている。このため、7個のキャリッジ14を個別に、あるいは一括してY軸方向に移動可能となっている。
各キャリッジ14は、モータ駆動系で構成され、搭載したヘッドユニット15を昇降するヘッド昇降機構36を有している。このヘッド昇降機構36により、ワークギャップ(機能液滴吐出ヘッド17のノズル面42と基板W表面との間隙)を所定の値(例えば、0.15mm〜0.3mm)に調整できるようになっている。
液滴吐出装置1には、7個のキャリッジ14に12個ずつ、計84個の機能液滴吐出ヘッド17が搭載されており、いわゆるラインプリント方式で描画処理を行うようになっている。すなわち、84個の機能液滴吐出ヘッド17がY軸方向(基板Wの幅方向)に連なり、大形の基板W(例えば幅1800mm)に対しても、1回の吐出走査で基板Wの全域に描画処理を行うことできる。
各機能液滴吐出ヘッド17は、図示しない機能液パック等から機能液が供給され、インクジェット方式(例えば圧電素子駆動)で機能液を吐出するものである。複数(例えば180個)のノズル41を列設したノズル面42を有しており、ヘッドドライバ(図示省略)から駆動波形を印加することにより、各ノズル41から機能液が吐出される。
メンテナンス装置3は、メンテナンスエリア19に配設され、機能液滴吐出ヘッド17内で増粘した機能液を除去するための吸引(クリーニング)を行う7個の吸引ユニット46と、吸引ユニット46の描画エリア18側に配設され、機能液滴吐出ヘッド17のノズル面42を払拭するワイピングユニット47と、ワイピングユニット47の描画エリア18側に配設され、ノズル41から吐出された機能液の飛行状態を撮像する飛行観測ユニット48とを備えている。
画像認識装置5は、基板搬出入エリア20の前後両側に臨むように配設され、基板Wに形成された2つのアライメントマーク(図示省略)をそれぞれ画像認識する2台のアライメントカメラ51と、上記のY軸テーブル13に添設されたカメラ移動機構(図示省略)によりY軸方向に移動可能に搭載され、吐出検査装置4の検査シートS(図3等参照)に吐出・着弾した機能液を画像認識する検査用カメラ52とを有している。
吐出検査装置4は、詳細は後述するが、上記の載置ベース23上に配設されており、全機能液滴吐出ヘッド17に対応した長さを有する検査ステージ63と、検査ステージ63上に吸着載置され、各機能液滴吐出ヘッド17からの検査吐出を受ける検査シートSとを有している。なお、検査シートSに対して各機能液滴吐出ヘッド17から検査吐出を行う際、基板Wに対する描画と同条件となるよう、機能液滴吐出ヘッド17のノズル面42と検査シートS上面との間隙は、上記のワークギャップと同程度の僅かな距離に設定されている。
各機能液滴吐出ヘッド17は、検査シートSに対して、吐出検査1回ごとに、幅方向(X軸方向)に着弾位置をずらしながら検査吐出を行う。そして、複数回の吐出検査により検査シートSの幅いっぱい(全面)に吐出検査が行われると、その検査済み部分が巻き取られ、新たに繰り出された未描画部分に対して、同様に複数回の吐出検査が行われるようになっている。
制御コンピュータ6は、図示しないが、パソコン等で構成されており、各装置と接続され、CPUやメモリ等から成るコンピュータ本体、キーボードおよびディスプレイ等を有している。なお、詳細は後述するが、吐出検査装置4の検査シートSの吸着不良が検出されると、ディスプレイ上にその旨が表示(報知)されにようになっている。
ここで、液滴吐出装置1による基板Wへの一連の描画処理について簡単に説明する。まず、基板搬出入エリア20に移動させたセットテーブル21に基板Wをセットすると共に、機能液を吐出する前の準備として、2台のアライメントカメラ51によるアライメントマークの画像認識結果に基づいて、基板Wのアライメントを行う。
続いて、基板Wに対し、機能液滴吐出ヘッド17を走査方向に相対的に移動させながら、機能液滴吐出ヘッド17を吐出駆動させて基板Wに描画を行う。すなわち、X軸テーブル12により基板WをX軸方向に往復動させながら、基板Wに対して複数の機能液滴吐出ヘッド17から機能液をそれぞれ吐出・着弾させる。
描画処理の最終段階では、X軸テーブル12によりセットテーブル21と共に復動してきた吐出検査装置4を、セットテーブル21に後追いするようにして、複数の機能液滴吐出ヘッド17に臨ませる。複数の機能液滴吐出ヘッド17は、セットテーブル21上の基板Wに描画を行った後、後追いしてきた吐出検査装置4の検査シートSに対して全ノズル41から検査用の吐出を行う。このため、基板Wに対する描画の後、即座に吐出検査を行うことができ、生産効率を向上させることができる。
続いて、上記の検査用カメラ52をY軸方向に走査させながら、吐出結果を画像認識する。各ノズル41にドット抜け、飛行曲がり等の異常が確認されなかった場合には、引き続き次の基板Wに対する描画処理が行われ、異常が確認された場合には、描画処理を行う前に、対応する機能液滴吐出ヘッド17(ヘッドユニット15)をメンテナンス装置3に臨ませ、メンテナンス処理を行うようになっている。
図3ないし図8を参照して、吐出検査装置4について詳細に説明する。吐出検査装置4は、上記の載置ベース23上に設置され、各種電装機器(後述する制御ユニット67等)を収容する防塵キャビネット61と、防塵キャビネット61上の後半部に載置されたベースフレーム62と、ベースフレーム62上に支持され、検査シートSを吸着載置する検査ステージ63と、検査ステージ63の一方の端部から検査シートSを検査ステージ63上に繰り出すと共に、繰り出した検査シートSを検査ステージ63上から検査ステージ63の他方の端部に巻き取るシート送り機構64とを備えている。
また、吐出検査装置4は、検査シートSを検査ステージ63上に吸着するためのエアー吸引機構65と、検査シートSを検査ステージ63から浮上させるためのエアー浮上機構66(図7参照)と、各部を制御する制御ユニット67とを備えており、機能液滴吐出ヘッド17からの検査吐出を受ける検査シートSを検査ステージ63上に吸着載置すると共に、これを浮上させながら送るようになっている。さらに、ベースフレーム62と各分割ステージ63aとの間には、各分割ステージ63aが水平となるように微調整可能な傾き調整機構68が介設されている。
検査シートSは、防塵紙等の非発塵性のフィルム材および紙材で構成され、帯状(例えば幅100mm)に形成されている。また、繰出し側端部を円筒状の繰出しコアC1に巻回した状態でシート送り機構64のシート繰出し機構81(後述する)に装着され、巻取り側端部を円筒状の巻取りコアC2に巻回した状態でシート巻取り機構82(後述する)に装着されている。そして、繰出しコアC1および巻取りコアC2についても、樹脂等の非発塵性の材料で構成されている。これにより、検査シートSや繰出しコアC1および巻取りコアC2からの発塵が防止されている。なお、検査シートSは、塵埃の混入を極力防止すべく、クリーン環境で製造し、クリーン度を保ったままパッキングして、チャンバルーム7内で開封することが好ましい。
検査ステージ63は、検査シートSを吸着載置する多孔質プレート71と、上部に多孔質プレート71を水平に保持する枠状フレーム72と、多孔質プレート71の下面に面して枠状フレーム72の内側に形成されると共に、後述する真空吸引装置およびエアー供給装置(図示省略)に連通するエアー室73(図8参照)とを有している。
また、検査ステージ63は、検査シートSの延在方向(Y軸方向)に分割した6個の分割ステージ63aで構成されており、それに伴って、多孔質プレート71は、Y軸方向に分割した6個の分割多孔質プレート71aで、枠状フレーム72は、Y軸方向に分割した6個の分割枠状フレーム72aで、エアー室73は、Y軸方向に分割した6個の分割エアー室73aで構成されている。すなわち、各分割ステージ63aは、分割多孔質プレート71aと、分割枠状フレーム72aと、分割エアー室73aとから成っている。
このように、複数の分割ステージ63aにより検査ステージ63を構成することで、検査ステージ63を、複数の機能液滴吐出ヘッド17に対応した長尺のもの(本実施形態では1800mm以上)とすることが容易となる。
さらに、各分割エアー室73aは、隔壁により複数の細分化エアー室73sに細分化されている。すなわち、6個の分割エアー室73aのうち、両端の2個の分割エアー室73aは、Y軸方向に細分化された3個の細分化エアー室73sでそれぞれ構成され、中間の4個の分割エアー室73aは、Y軸方向に細分化された2個の細分化エアー室73sでそれぞれ構成されている。つまり、検査ステージ63のエアー室73は、14個の細分化エアー室73sを有している。
各分割多孔質プレート71aは、平面視長方形のプレート状に形成され、その幅は、検査シートSの幅よりも僅かに幅狭(例えば94mm)となっている。また、ステンレス等の焼結金属から成る多孔質体で構成されており、載置した検査シートSを、平面精度を損なうことなく、均一に吸引できると共に、均一に浮上させることができるようになっている。なお、各分割多孔質プレート71aは、導電性を有しており、多孔質体にテフロン(登録商標)等を用いる場合には、最表層に導電性処理がなされている。
各分割枠状フレーム72aは、ステンレス等の導電性の材料で構成されており、上面を開放した平面視長方形のボックス状に形成されている。各分割枠状フレーム72aは、図示省略したが、分割多孔質プレート71aが載置される周壁部、後述するエアー吸引チューブ91およびエアー供給チューブ101が接続する底部と、周壁部に載置された分割多孔質プレート71aが、後述する削り加工時等に撓まないようにこれを支持する格子状の補強リブとから構成されている。
検査シートSの延在方向(Y軸方向)に対向する両短辺部分の周壁部(短辺周壁部)は、その上端部が、各分割多孔質プレート71aの短辺部分を載置する載置部となっている。このため、隣接する2つの分割枠状フレーム72aは、隣接する分割多孔質プレート71a同士を突き合わせた状態で、すなわち検査シートSの延在方向に連続するようにして載置している。
さらに、隣接する分割多孔質プレート71a同士は、接着剤により突き合わせた状態で接着されている。これによれば、隣接する分割多孔質プレート71a同士の間隙から吸引エアーがリークすることがない。このため、検査シートSを均一に吸引することができる。
一方、各分割枠状フレーム72aのX軸方向に対向する両長辺部分の周壁部(長辺周壁部78)は、その上端部が、それぞれ内側が段部を介して低く形成されており、この段部の部分で、各分割枠状フレーム72aを載置している。そして、両長辺周壁部78(各分割枠状フレーム72aの両側部)の上端面78aは、載置した各分割多孔質プレート71aの上面と面一になるように形成されている。例えば、厚めの分割多孔質プレート71aを載置した後、両長辺周壁部78の上端面78aと面一になるまで、分割多孔質プレート71aを削るようにしている。
このように、各分割多孔質プレート71aの上面と各枠状フレーム72の両長辺周壁部78の上端面78aとを面一に形成すると共に、各分割多孔質プレート71aの幅が、検査シートSの幅より僅かに幅狭に形成されていることで、検査シートSは、幅方向の両端部が各分割多孔質プレート71aから僅かにはみ出して各枠状フレーム72の両長辺周壁部78の上端面78aに掛かった状態で、各分割多孔質プレート71a上に載置される(図4参照)。このため、検査シートSが多少蛇行(±3mm程度)しながら送られたとしても、各分割多孔質プレート71aの全面が検査シートSに覆われるため、吸引エアーがリークすることなく、検査シートSを効率良く吸引することができる。
傾き調整機構68は、検査シートSの延在方向(Y軸方向)に沿う各分割ステージ63aの一方の辺側の中間部位置に介設した1の調整ねじ機構79と、他方の辺側の両端部位置に介設した2つ調整ねじ機構79とで構成されている。
各調整ねじ機構79は、図示省略したが、各分割ステージ63aの前面または背面に固定され、上下方向に貫通する調整ねじ孔(雌ねじ)を形成したスライドブロックと、スライドブロックの調整ねじ孔に螺合するアジャストねじと、ベースフレーム62の前面または背面に固定され、アジャストねじの下端が当接する固定ブロックとから構成されている。スライドブロックに対しアジャストねじを回転させる(ねじ込みまたは緩ませる)と、スライドブロックが上下し、ベースフレームに対して各分割ステージ63aを上下させることができる。
3つの調整ねじ機構79のアジャストねじをそれぞれ適宜回転させることで、各分割ステージ63aが水平となるように、その傾きを簡易且つ適切に調整することができる。そして、複数の分割ステージ63aを、相互に傾くことなく、同一平面(水平面)上に設けることができるため、複数の分割多孔質プレート71aが正確に水平に保持される。したがって、検査シートSを精度良く水平に載置することができる。
そして、検査シートSは、多孔質プレート71上で吸引されるため、吸着面の平面精度を損なうことなく、均一に吸引される。したがって、検査ステージ63上に検査シートSを水平且つ平坦に載置することができるようになっている。
シート送り機構64は、検査ステージ63の一端側(図示左側)に配設され、ロール状に巻回した検査シートSを検査ステージ63上に繰り出すシート繰出し機構81と、検査ステージ63の他端側(図示右側)に配設され、繰出した検査シートSを検査ステージ63上から巻き取るシート巻取り機構82とを有している。
シート繰出し機構81は、防塵キャビネット61の一方の側面に固定され、検査シートSの繰出しコアC1が挿填される繰出し軸83(例えばエアーシャフト)と、繰出し軸83の一端にカップリングを介して接続され、繰出し軸83を繰出し回転させる繰出しモータ84(サーボモータ等)と、検査ステージ63の端部に回転自在に取り付けられ、繰出し軸83から繰り出された検査シートSを検査ステージ63上に案内する繰出しガイドローラ85とで構成されている。また、後述する送り速度検出器86により、繰出しモータ84が制御されている。なお、繰出しモータ84のトルクを検出し、これと併せて繰出しモータ84を制御してもよい。
同様に、シート巻取り機構82は、防塵キャビネット61の他方の側面に固定され、検査シートSの巻取りコアC2が挿填される巻取り軸87(例えばエアーシャフト)と、巻取り軸87の一端にカップリングを介して接続され、巻取り軸87を巻取り回転させる巻取りモータ88(サーボモータ等)と、検査ステージ63の端部に回転自在に取り付けられ、検査ステージ63上を送られてきた検査シートSを巻取り軸87に案内する巻取りガイドローラ89とで構成されている。また、巻取りガイドローラ89には、エンコーダ等で構成された送り速度検出器86が設けられており、これにより、巻取りモータ88が制御されている。もちろん、この場合もトルク管理による制御が可能である。
このように構成されたシート繰出し機構81およびシート巻取り機構82により、ロール状の検査シートSが、検査ステージ63上に繰り出されると共に、これが検査ステージ63上から巻き取られる。このため、ロール状の検査シートSを吐出検査に供することが可能となり、検査シートSの交換頻度を少なくすることができる。したがって、液滴吐出装置1を効率的に稼動させることができる。なお、検査シートSの長さは、交換頻度を少なくすべく、ある程度長い(例えば50m)ほうが好ましい。
また、詳細は後述するが、繰出しモータ84および巻取りモータ88は、制御ユニット67により同時に駆動するように制御されている。また、検査シートSを送った後、検査シートSの吸着に際し、シート繰出し機構81を僅かに逆送り駆動(繰出しモータ84を逆回転)したり、シート巻取り機構を僅かに正送り駆動(巻取りモータ88を正回転)したりして、検査シートSにテンションを付与するようにしている。
なお、図示省略したが、巻取り軸87および繰出し軸83の下方には、それぞれエゼクタ等で構成された吸引装置が設けられ、万一、検査シートSから塵埃が生じた場合にも、これを吸い込み除去するようになっている。
図7および図8に示すように、エアー吸引機構65は、14個の細分化エアー室を個別に吸引可能に構成されており、14個の細分化エアー室73sに対応して、各細分化エアー室73sの底部に形成された吸引口(図示省略)に接続された14本のエアー吸引チューブ91と、14本のエアー吸引チューブ91を3組に分けてそれぞれ合流させた3本の合流吸引チューブ92とを有し、各合流吸引チューブ92は、圧縮エアー供給設備(工場設備)からの圧空が供給されるエゼクタ等で構成された真空吸引装置(図示省略)に連通している。
各エアー吸引チューブ91には、細分化エアー室73s側から順に、吸引フィルタ94と、エアー室の圧力を検出するための真空センサ95と、吸引流量調整弁96(絞り弁)と、吸引切換えバルブ97(電磁切換え弁)とが介設されている。制御ユニット67により、各吸引切換えバルブ97を開閉制御することで、各細分化エアー室73sの吸引エアーを個々に制御している。
エアー吸引機構65全体としては、吸引フィルタ94、真空センサ95、吸引流量調整弁96および吸引切換えバルブ97を14個ずつ有している。これらは、それぞれ吸引フィルタユニット(図示省略)、真空センサユニット(図示省略)、吸引流量調整弁ユニット(図示省略)および吸引バルブユニット98(吸引エアーバルブユニット)としてユニット化され、後述する防塵キャビネット61に収容されている。
同様に、エアー浮上機構66は、圧縮エアー供給設備からの圧縮エアーを圧力調整するレギュレータ等で構成されたエアー供給装置(図示省略)に接続された上流側供給チューブ103と、上流側供給チューブ103から分岐した3本の接続供給チューブ102と、各接続供給チューブ102から分岐し、各細分化エアー室73sの底部に形成された供給口(図示省略)に接続された14本のエアー供給チューブ101とで構成され、圧力調整されたエアーを14個の細分化エアー室73sに個別に供給可能となっている。
各エアー供給チューブ101には、細分化エアー室73s側から順に、供給フィルタ104と、供給流量調整弁106(絞り弁)と、供給切換えバルブ107(電磁切換え弁)とが介設されている。制御ユニット67により、各供給切換えバルブ107を開閉制御することで、各細分化エアー室73sの浮上エアーを個々に制御している。
エアー浮上機構66全体としては、供給フィルタ104、供給流量調整弁106および供給切換えバルブ107を14個ずつ有している。これらは、それぞれ供給フィルタユニット、供給流量調整弁ユニットおよび供給バルブユニット108(浮上エアーバルブユニット)としてユニット化され、後述する防塵キャビネット61に収容されている。
このように構成された吸引バルブユニット98および供給バルブユニット108を制御することで、各分割ステージ63aを吸着動作させたり、浮上動作させたりしている。すなわち、各細分化エアー室において、各吸引切換えバルブ97を「開」とすると共に、各供給切換えバルブ107を「閉」とすることで、各細分化エアー室73sに吸引エアーが生じ、各分割ステージ63aが吸着動作をする。
このとき、各分割ステージ63aにおいて、検査シートSが分割多孔質プレート71aから浮き上がり、吸引エアーがリークしている場合には、対応する真空センサ95により、所定の負圧よりも負圧小(負圧の絶対値が小)が検出される。このように、各エアー吸引チューブ91に真空センサ95を介設したことで、吸着不良に伴う検査シートSの浮き上がりを簡易且つ確実に検出することができる。
そして、その検出結果が制御ユニット67を介して制御コンピュータ6に出力され、対応する分割ステージ63aにおいて検査シートSが浮上している旨の警告が表示されるようになっている。このため、検査シートSの吸着不良により、検査シートSが浮き上がり、機能液滴吐出ヘッド17のノズル面42と接触するおそれのある状態のまま、機能液滴吐出ヘッド17により検査シートSに対する検査吐出を行うことを回避することができる。もちろん、吐出検査動作を自動停止するようにしてもよい。
なお、検査シートSの浮き上がりを、検査ステージ63の一方の端部(例えばシート繰出し機構81側)に設けた発光素子と、他方の端部(例えばシート巻取り機構82側)に設けた受光素子とから成る光センサにより検出するようにしてもよい。
一方、各細分化エアー室において、各吸引切換えバルブ97を「閉」とすると共に、各供給切換えバルブ107を「開」とすることで、各細分化エアー室73sに浮上エアーが生じ、各分割ステージ63aが浮上動作をする。
制御ユニット67は、CPUやメモリ等の素子を組み込んだ回路基板やリレー回路等で構成されており、後述する防塵キャビネット61に収容されている。また、上記の制御コンピュータ6に接続されており、制御コンピュータ6の各種指令を取り込みながら、吐出検査装置4の各部を制御すると共に、真空センサ95の検出結果等を制御コンピュータ6に出力するようになっている。なお、制御の具体的な内容については後述する。
防塵キャビネット61は、検査ステージ63の下側に配設されており、ステンレス製のアングル材を格子状に組み付けたキャビネットフレーム111と、キャビネットフレーム111に気密に取り付けたステンレス製の複数枚のパネル112とで構成されている。また、その下面には、防錆処理(メッキ)された設置金具113が複数個固定されており、この設置金具113により上記の載置ベース23上に設置される。このように、防塵キャビネット61は、ステンレス等の防錆材料および表面を防錆処理した材料で構成されている。このため、防塵キャビネット61から錆が生ずることを防止でき、防塵キャビネット61からの発塵を防止することができる。
防塵キャビネット61は、発塵のおそれのある各種電装装置等を収容しており、例えば、その下部には、シート繰出し機構81側から順に、吸引バルブユニット98、制御ユニット67および供給バルブユニット108が載置されている。また、防塵キャビネット61の上部には、上記のエアー吸引チューブ91およびエアー供給チューブ101等のチューブ類が収容されている。
防塵キャビネット61の両側面のパネル112には、シート繰出し機構81に面した繰出し側吸気口(図示省略)と、シート巻取り機構82に面した巻取り側吸気口114とが形成されている。繰出し側吸気口および巻取り側吸気口114には、金属メッシュフィルタが取り付けられている。
また、防塵キャビネット61の前面のパネル112には、シート繰出し機構81側の繰出し側排気口(図示省略)と、シート巻取り機構82側の巻取り側排気口(図示省略)とが形成されている。さらに、各排気口に面して、排気ファンおよびフィルタ(例えばULPAフィルタ)から成るファンフィルタユニット115が配設されている。
ファン・フィルタユニットを駆動することで、繰出し側吸気口および巻取り側吸気口114からキャビネット外エアーを吸気すると共に、繰出し側排気口および巻取り側排気口からキャビネット内エアーを外部に排気する。このため、シート繰出し機構81またはシート巻取り機構82から発塵したとしても、その塵埃を、それぞれ繰出し側吸気口および巻取り側吸気口114から防塵キャビネット61内に吸い込むことができる。そして、ファンフィルタユニット115のフィルタを介してキャビネット内エアーを繰出し側排気口および巻取り側排気口から排気するため、防塵キャビネット61内の塵埃を装置設置雰囲気中に排出することがない。防塵キャビネット61内で制御ユニット67等から発生した熱を防塵キャビネット61外に逃すことができる。
なお、繰出し側排気口および巻取り側排気口にファンフィルタユニット115を設けることに代えて、一端を各排気口に連通し、他端を排気処理設備(工場設備)に連通する排気管路を設けてもよい。
ここで、図8を参照して、吐出検査装置4における検査シートSの浮上送りおよび検査シートS上への吸着載置の一連の動作について説明する。なお、図8では、図示簡略化のため、吸引切換えバルブ97、供給切換えバルブ107および真空センサ95は、それぞれ図示左側端部の細分化エアー室73sに設けられもののみ制御ユニット67に接続したが、実際には、すべての吸引切換えバルブ97、供給切換えバルブ107および真空センサ95がそれぞれ制御ユニット67に接続され、個別に制御を受けている。
まず、検査ステージ63上に吸着載置した検査シートSに検査吐出が行われる(図8(a)参照)。このとき、検査シートSは、上記したように、検査ステージ63上に水平且つ平坦に載置される。このため、機能液滴吐出ヘッド17のノズル面42と検査シートS上面との間隙は、上記のワークギャップ(0.15mm〜0.30mm)と同程度の僅かな距離に設定されているが、検査シートSに対して機能液滴吐出ヘッド17を走査した際に、機能液滴吐出ヘッド17のノズル面42に検査シートSが接触することがない。
その後、検査シートSの送りに先立って、検査シートSの吸着を解除する(図8(b)参照)。すなわち、吸引バルブユニット98を制御して、全分割ステージ63aの吸着動作を停止させる。
続いて、検査シートSを浮上させる(図8(c)参照)。すなわち、供給バルブユニット108を制御して、全分割ステージ63aの浮上動作を開始する。このため、検査シートSを検査ステージ63に吸着載置したことで、検査シートSが検査ステージ63から剥がれ難い状態となったとしても、これを確実に剥がすことができる。なお、検査シートSを円滑に浮上させるべく、14個の細分化エアー室73sに対し、例えばシート繰出し機構81側端部のものからシート巻取り機構82側端部のものに向かって順に浮上エアーを生じさせるようにしてもよい。
検査シートSを浮上させた後、シート繰出し機構81およびシート巻取り機構82を同時に駆動して、検査済み部分が巻き取られるまで、検査シートSを送る(図8(d)参照)。このため、検査シートSが検査ステージ63と擦れ合うことがなく、静電気を帯びることもない。したがって、検査シートSを、真空吸着や静電吸着等により検査ステージ63に張り付いた状態で送ることがなく、検査シートSにしわが寄ったり、検査シートSの巻取り負荷が増大したりするがない。また、検査シートSが静電気を帯びることがないため、吐出検査時の機能液の着弾位置に影響を与えることもない。なお、上述したように、検査シートSが載置される各分割枠状フレーム72aおよび各分割多孔質プレート71aを導電性としており、検査シートSが静電気により帯電することをより確実に防止できるようになっている。
さらに、検査シートSを検査ステージ63から浮上させた状態で検査シートSを送ることで、検査シートSを検査ステージ63と擦れ合わせることなく送ることができ、検査シートSや検査ステージ63からの発塵を防止することができる。
また、シート繰出し機構81およびシート巻取り機構82を同時に駆動して、検査シートSを送ることで、検査シートSに対してテンションをほとんど掛けることなく送ることができる。このため、仮に検査シートSが検査ステージ63に触れたとしても、強く擦れ合うことがなく、検査シートSや検査ステージ63からの発塵を防止することができる。さらに、検査シートSの巻取り負荷も軽減され、繰出しモータ84および巻取りモータ88が過負荷となることを防止できる。
検査シートSの送りが完了したら、新たに繰り出された検査シートSを検査ステージ63上に吸着載置する。このとき、シート繰出し機構81を僅かに逆送り駆動させて検査シートSにテンションを付与した状態で、14個の細分化エアー室73sに対し、シート巻取り機構82側端部のものからシート繰出し機構81側端部のものに向かって順に吸引エアーを生じさせる(図8(e)参照)。このため、シート巻取り機構82側端部から順にエアーを追い出しながら検査シートSを吸着することができ、シワがよることなく、検査シートSを適切に吸着載置することができる。
このとき、検査シートSにテンションを付与せずに、シート巻取り機構82側端部のものからシート繰出し機構81側端部のものに向かって順に吸引エアーを生じさせるだけでもよい。もっとも、本実施形態のように、シート繰出し機構81側から検査シートSにテンションを付与することで、より効果的にエアーを追い出しながら検査シートSを吸着することができる。
また、シート巻取り機構82を僅かに正送り駆動させて検査シートSにテンションを付与した状態で、14個の細分化エアー室73sを、シート繰出し機構81側端部のものからシート巻取り機構82側端部のものに向かって順に吸引エアーを生じさせてもよい。さらに、短時間で検査シートSを吸着載置すべく、シート繰出し機構81を僅かに逆送り駆動させ且つシート巻取り機構82を僅かに正送り駆動させて検査シートSに両端部からテンションを付与した状態で、14個の細分化エアー室73sを、中間部に位置するものからシート繰出し機構81側端部のものおよびシート巻取り機構82側端部のものに向かって順に吸引エアーを生じさせてもよい。
そして、シート繰出し機構81側端部の細分化エアー室73sまで吸引エアーを生じさせると、新たに繰り出された検査シートSの全体が検査ステージ63上に吸着載置される(図8(f)参照)。このようにして、吐出検査装置4における検査シートSの浮上送りおよび検査シートS上への吸着載置の一連の動作が完了する。
なお、本実施形態では、細分化エアー室73s単位で吸引エアーおよび浮上エアーの制御を行ったが、分割エアー室73a(分割ステージ63a)単位で行ってもよい。もっとも、細分化エアー室73s単位で行うことで、各分割多孔質プレート71aに対し、吸引エアーおよび浮上エアーをより細かく制御することができ、上述した検査シートSの吸着載置時のエアーの追い出し等を、より適切に行うことができる。
以上のように、本実施形態の液滴吐出装置1によれば、検査シートSを水平且つ平坦に載置することができる吐出検査装置4を備えたことで、機能液滴吐出ヘッド17のノズル面42に検査シートSが接触することなく、機能液滴吐出ヘッド17の吐出不良検査を適切に行うことができる。また、装置設置雰囲気中の塵埃を増加させることなく、検査シートSを検査ステージ63上で送る共に、検査シートSを検査ステージ63上に吸着載置することができる吐出検査装置4を備えたことで、クリーンエアーの管理下で、塵埃を混入させることなく基板Wに対して描画を行うことができる。さらに、検査シートSを検査ステージ63上に吸着載置すると共に、検査シートSの繰出し・巻取り負荷を増大させることなく検査シートSを送ることができる吐出検査装置4を備えたことで、吐出検査装置4を適切に駆動させた状態で機能液滴吐出ヘッド17の吐出不良検査を行うことができる。
次に、本実施形態の液滴吐出装置1を用いて製造される電気光学装置(フラットパネルディスプレイ)として、カラーフィルタ、液晶表示装置、有機EL装置、プラズマディスプレイ(PDP装置)、電子放出装置(FED装置、SED装置)、さらにこれら表示装置に形成されてなるアクティブマトリクス基板等を例に、これらの構造およびその製造方法について説明する。なお、アクティブマトリクス基板とは、薄膜トランジスタ、および薄膜トランジスタに電気的に接続するソース線、データ線が形成された基板をいう。
まず、液晶表示装置や有機EL装置等に組み込まれるカラーフィルタの製造方法について説明する。図9は、カラーフィルタの製造工程を示すフローチャート、図10は、製造工程順に示した本実施形態のカラーフィルタ500(フィルタ基体500A)の模式断面図である。
まず、ブラックマトリクス形成工程(S101)では、図10(a)に示すように、基板(W)501上にブラックマトリクス502を形成する。ブラックマトリクス502は、金属クロム、金属クロムと酸化クロムの積層体、または樹脂ブラック等により形成される。金属薄膜からなるブラックマトリクス502を形成するには、スパッタ法や蒸着法等を用いることができる。また、樹脂薄膜からなるブラックマトリクス502を形成する場合には、グラビア印刷法、フォトレジスト法、熱転写法等を用いることができる。
続いて、バンク形成工程(S102)において、ブラックマトリクス502上に重畳する状態でバンク503を形成する。即ち、まず図10(b)に示すように、基板501およびブラックマトリクス502を覆うようにネガ型の透明な感光性樹脂からなるレジスト層504を形成する。そして、その上面をマトリクスパターン形状に形成されたマスクフィルム505で被覆した状態で露光処理を行う。
さらに、図10(c)に示すように、レジスト層504の未露光部分をエッチング処理することによりレジスト層504をパターニングして、バンク503を形成する。なお、樹脂ブラックによりブラックマトリクスを形成する場合は、ブラックマトリクスとバンクとを兼用することが可能となる。
このバンク503とその下のブラックマトリクス502は、各画素領域507aを区画する区画壁部507bとなり、後の着色層形成工程において機能液滴吐出ヘッド17により着色層(成膜部)508R、508G、508Bを形成する際に機能液滴の着弾領域を規定する。
以上のブラックマトリクス形成工程およびバンク形成工程を経ることにより、上記フィルタ基体500Aが得られる。
なお、本実施形態においては、バンク503の材料として、塗膜表面が疎液(疎水)性となる樹脂材料を用いている。そして、基板(ガラス基板)501の表面が親液(親水)性であるので、後述する着色層形成工程においてバンク503(区画壁部507b)に囲まれた各画素領域507a内への液滴の着弾位置のばらつきを自動補正できる。
次に、着色層形成工程(S103)では、図10(d)に示すように、機能液滴吐出ヘッド17によって機能液滴を吐出して区画壁部507bで囲まれた各画素領域507a内に着弾させる。この場合、機能液滴吐出ヘッド17を用いて、R・G・Bの3色の機能液(フィルタ材料)を導入して、機能液滴の吐出を行う。なお、R・G・Bの3色の配列パターンとしては、ストライプ配列、モザイク配列およびデルタ配列等がある。
その後、乾燥処理(加熱等の処理)を経て機能液を定着させ、3色の着色層508R、508G、508Bを形成する。着色層508R、508G、508Bを形成したならば、保護膜形成工程(S104)に移り、図10(e)に示すように、基板501、区画壁部507b、および着色層508R、508G、508Bの上面を覆うように保護膜509を形成する。
即ち、基板501の着色層508R、508G、508Bが形成されている面全体に保護膜用塗布液が吐出された後、乾燥処理を経て保護膜509が形成される。
そして、保護膜509を形成した後、カラーフィルタ500は、次工程の透明電極となるITO(Indium Tin Oxide)などの膜付け工程に移行する。
図11は、上記のカラーフィルタ500を用いた液晶表示装置の一例としてのパッシブマトリックス型液晶装置(液晶装置)の概略構成を示す要部断面図である。この液晶装置520に、液晶駆動用IC、バックライト、支持体などの付帯要素を装着することによって、最終製品としての透過型液晶表示装置が得られる。なお、カラーフィルタ500は図10に示したものと同一であるので、対応する部位には同一の符号を付し、その説明は省略する。
この液晶装置520は、カラーフィルタ500、ガラス基板等からなる対向基板521、および、これらの間に挟持されたSTN(Super Twisted Nematic)液晶組成物からなる液晶層522により概略構成されており、カラーフィルタ500を図中上側(観測者側)に配置している。
なお、図示していないが、対向基板521およびカラーフィルタ500の外面(液晶層522側とは反対側の面)には偏光板がそれぞれ配設され、また対向基板521側に位置する偏光板の外側には、バックライトが配設されている。
カラーフィルタ500の保護膜509上(液晶層側)には、図11において左右方向に長尺な短冊状の第1電極523が所定の間隔で複数形成されており、この第1電極523のカラーフィルタ500側とは反対側の面を覆うように第1配向膜524が形成されている。
一方、対向基板521におけるカラーフィルタ500と対向する面には、カラーフィルタ500の第1電極523と直交する方向に長尺な短冊状の第2電極526が所定の間隔で複数形成され、この第2電極526の液晶層522側の面を覆うように第2配向膜527が形成されている。これらの第1電極523および第2電極526は、ITOなどの透明導電材料により形成されている。
液晶層522内に設けられたスペーサ528は、液晶層522の厚さ(セルギャップ)を一定に保持するための部材である。また、シール材529は液晶層522内の液晶組成物が外部へ漏出するのを防止するための部材である。なお、第1電極523の一端部は引き回し配線523aとしてシール材529の外側まで延在している。
そして、第1電極523と第2電極526とが交差する部分が画素であり、この画素となる部分に、カラーフィルタ500の着色層508R、508G、508Bが位置するように構成されている。
通常の製造工程では、カラーフィルタ500に、第1電極523のパターニングおよび第1配向膜524の塗布を行ってカラーフィルタ500側の部分を作成すると共に、これとは別に対向基板521に、第2電極526のパターニングおよび第2配向膜527の塗布を行って対向基板521側の部分を作成する。その後、対向基板521側の部分にスペーサ528およびシール材529を作り込み、この状態でカラーフィルタ500側の部分を貼り合わせる。次いで、シール材529の注入口から液晶層522を構成する液晶を注入し、注入口を閉止する。その後、両偏光板およびバックライトを積層する。
実施形態の液滴吐出装置1は、例えば上記のセルギャップを構成するスペーサ材料(機能液)を塗布すると共に、対向基板521側の部分にカラーフィルタ500側の部分を貼り合わせる前に、シール材529で囲んだ領域に液晶(機能液)を均一に塗布することが可能である。また、上記のシール材529の印刷を、機能液滴吐出ヘッド17で行うことも可能である。さらに、第1・第2両配向膜524,527の塗布を機能液滴吐出ヘッド17で行うことも可能である。
図12は、本実施形態において製造したカラーフィルタ500を用いた液晶装置の第2の例の概略構成を示す要部断面図である。
この液晶装置530が上記液晶装置520と大きく異なる点は、カラーフィルタ500を図中下側(観測者側とは反対側)に配置した点である。
この液晶装置530は、カラーフィルタ500とガラス基板等からなる対向基板531との間にSTN液晶からなる液晶層532が挟持されて概略構成されている。なお、図示していないが、対向基板531およびカラーフィルタ500の外面には偏光板等がそれぞれ配設されている。
カラーフィルタ500の保護膜509上(液晶層532側)には、図中奥行き方向に長尺な短冊状の第1電極533が所定の間隔で複数形成されており、この第1電極533の液晶層532側の面を覆うように第1配向膜534が形成されている。
対向基板531のカラーフィルタ500と対向する面上には、カラーフィルタ500側の第1電極533と直交する方向に延在する複数の短冊状の第2電極536が所定の間隔で形成され、この第2電極536の液晶層532側の面を覆うように第2配向膜537が形成されている。
液晶層532には、この液晶層532の厚さを一定に保持するためのスペーサ538と、液晶層532内の液晶組成物が外部へ漏出するのを防止するためのシール材539が設けられている。
そして、上記した液晶装置520と同様に、第1電極533と第2電極536との交差する部分が画素であり、この画素となる部位に、カラーフィルタ500の着色層508R、508G、508Bが位置するように構成されている。
図13は、本発明を適用したカラーフィルタ500を用いて液晶装置を構成した第3の例を示したもので、透過型のTFT(Thin Film Transistor)型液晶装置の概略構成を示す分解斜視図である。
この液晶装置550は、カラーフィルタ500を図中上側(観測者側)に配置したものである。
この液晶装置550は、カラーフィルタ500と、これに対向するように配置された対向基板551と、これらの間に挟持された図示しない液晶層と、カラーフィルタ500の上面側(観測者側)に配置された偏光板555と、対向基板551の下面側に配設された偏光板(図示せず)とにより概略構成されている。
カラーフィルタ500の保護膜509の表面(対向基板551側の面)には液晶駆動用の電極556が形成されている。この電極556は、ITO等の透明導電材料からなり、後述の画素電極560が形成される領域全体を覆う全面電極となっている。また、この電極556の画素電極560とは反対側の面を覆った状態で配向膜557が設けられている。
対向基板551のカラーフィルタ500と対向する面には絶縁層558が形成されており、この絶縁層558上には、走査線561および信号線562が互いに直交する状態で形成されている。そして、これらの走査線561と信号線562とに囲まれた領域内には画素電極560が形成されている。なお、実際の液晶装置では、画素電極560上に配向膜が設けられるが、図示を省略している。
また、画素電極560の切欠部と走査線561と信号線562とに囲まれた部分には、ソース電極、ドレイン電極、半導体、およびゲート電極とを具備する薄膜トランジスタ563が組み込まれて構成されている。そして、走査線561と信号線562に対する信号の印加によって薄膜トランジスタ563をオン・オフして画素電極560への通電制御を行うことができるように構成されている。
なお、上記の各例の液晶装置520,530,550は、透過型の構成としたが、反射層あるいは半透過反射層を設けて、反射型の液晶装置あるいは半透過反射型の液晶装置とすることもできる。
次に、図14は、有機EL装置の表示領域(以下、単に表示装置600と称する)の要部断面図である。
この表示装置600は、基板(W)601上に、回路素子部602、発光素子部603および陰極604が積層された状態で概略構成されている。
この表示装置600においては、発光素子部603から基板601側に発した光が、回路素子部602および基板601を透過して観測者側に出射されると共に、発光素子部603から基板601の反対側に発した光が陰極604により反射された後、回路素子部602および基板601を透過して観測者側に出射されるようになっている。
回路素子部602と基板601との間にはシリコン酸化膜からなる下地保護膜606が形成され、この下地保護膜606上(発光素子部603側)に多結晶シリコンからなる島状の半導体膜607が形成されている。この半導体膜607の左右の領域には、ソース領域607aおよびドレイン領域607bが高濃度陽イオン打ち込みによりそれぞれ形成されている。そして陽イオンが打ち込まれない中央部がチャネル領域607cとなっている。
また、回路素子部602には、下地保護膜606および半導体膜607を覆う透明なゲート絶縁膜608が形成され、このゲート絶縁膜608上の半導体膜607のチャネル領域607cに対応する位置には、例えばAl、Mo、Ta、Ti、W等から構成されるゲート電極609が形成されている。このゲート電極609およびゲート絶縁膜608上には、透明な第1層間絶縁膜611aと第2層間絶縁膜611bが形成されている。また、第1、第2層間絶縁膜611a、611bを貫通して、半導体膜607のソース領域607a、ドレイン領域607bにそれぞれ連通するコンタクトホール612a,612bが形成されている。
そして、第2層間絶縁膜611b上には、ITO等からなる透明な画素電極613が所定の形状にパターニングされて形成され、この画素電極613は、コンタクトホール612aを通じてソース領域607aに接続されている。
また、第1層間絶縁膜611a上には電源線614が配設されており、この電源線614は、コンタクトホール612bを通じてドレイン領域607bに接続されている。
このように、回路素子部602には、各画素電極613に接続された駆動用の薄膜トランジスタ615がそれぞれ形成されている。
上記発光素子部603は、複数の画素電極613上の各々に積層された機能層617と、各画素電極613および機能層617の間に備えられて各機能層617を区画するバンク部618とにより概略構成されている。
これら画素電極613、機能層617、および、機能層617上に配設された陰極604によって発光素子が構成されている。なお、画素電極613は、平面視略矩形状にパターニングされて形成されており、各画素電極613の間にバンク部618が形成されている。
バンク部618は、例えばSiO、SiO2、TiO2等の無機材料により形成される無機物バンク層618a(第1バンク層)と、この無機物バンク層618a上に積層され、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性、耐溶媒性に優れたレジストにより形成される断面台形状の有機物バンク層618b(第2バンク層)とにより構成されている。このバンク部618の一部は、画素電極613の周縁部上に乗上げた状態で形成されている。
そして、各バンク部618の間には、画素電極613に対して上方に向けて次第に拡開した開口部619が形成されている。
上記機能層617は、開口部619内において画素電極613上に積層状態で形成された正孔注入/輸送層617aと、この正孔注入/輸送層617a上に形成された発光層617bとにより構成されている。なお、この発光層617bに隣接してその他の機能を有する他の機能層をさらに形成しても良い。例えば、電子輸送層を形成することも可能である。
正孔注入/輸送層617aは、画素電極613側から正孔を輸送して発光層617bに注入する機能を有する。この正孔注入/輸送層617aは、正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物(機能液)を吐出することで形成される。正孔注入/輸送層形成材料としては、公知の材料を用いる。
発光層617bは、赤色(R)、緑色(G)、または青色(B)のいずれかに発光するもので、発光層形成材料(発光材料)を含む第2組成物(機能液)を吐出することで形成される。第2組成物の溶媒(非極性溶媒)としては、正孔注入/輸送層617aに対して不溶な公知の材料を用いることが好ましく、このような非極性溶媒を発光層617bの第2組成物に用いることにより、正孔注入/輸送層617aを再溶解させることなく発光層617bを形成することができる。
そして、発光層617bでは、正孔注入/輸送層617aから注入された正孔と、陰極604から注入される電子が発光層で再結合して発光するように構成されている。
陰極604は、発光素子部603の全面を覆う状態で形成されており、画素電極613と対になって機能層617に電流を流す役割を果たす。なお、この陰極604の上部には図示しない封止部材が配置される。
次に、上記の表示装置600の製造工程を図15〜図23を参照して説明する。
この表示装置600は、図15に示すように、バンク部形成工程(S111)、表面処理工程(S112)、正孔注入/輸送層形成工程(S113)、発光層形成工程(S114)、および対向電極形成工程(S115)を経て製造される。なお、製造工程は例示するものに限られるものではなく必要に応じてその他の工程が除かれる場合、また追加される場合もある。
まず、バンク部形成工程(S111)では、図16に示すように、第2層間絶縁膜611b上に無機物バンク層618aを形成する。この無機物バンク層618aは、形成位置に無機物膜を形成した後、この無機物膜をフォトリソグラフィ技術等によりパターニングすることにより形成される。このとき、無機物バンク層618aの一部は画素電極613の周縁部と重なるように形成される。
無機物バンク層618aを形成したならば、図17に示すように、無機物バンク層618a上に有機物バンク層618bを形成する。この有機物バンク層618bも無機物バンク層618aと同様にフォトリソグラフィ技術等によりパターニングして形成される。
このようにしてバンク部618が形成される。また、これに伴い、各バンク部618間には、画素電極613に対して上方に開口した開口部619が形成される。この開口部619は、画素領域を規定する。
表面処理工程(S112)では、親液化処理および撥液化処理が行われる。親液化処理を施す領域は、無機物バンク層618aの第1積層部618aaおよび画素電極613の電極面613aであり、これらの領域は、例えば酸素を処理ガスとするプラズマ処理によって親液性に表面処理される。このプラズマ処理は、画素電極613であるITOの洗浄等も兼ねている。
また、撥液化処理は、有機物バンク層618bの壁面618sおよび有機物バンク層618bの上面618tに施され、例えば四フッ化メタンを処理ガスとするプラズマ処理によって表面がフッ化処理(撥液性に処理)される。
この表面処理工程を行うことにより、機能液滴吐出ヘッド17を用いて機能層617を形成する際に、機能液滴を画素領域に、より確実に着弾させることができ、また、画素領域に着弾した機能液滴が開口部619から溢れ出るのを防止することが可能となる。
そして、以上の工程を経ることにより、表示装置基体600Aが得られる。この表示装置基体600Aは、図2に示した液滴吐出装置1のセットテーブル21に載置され、以下の正孔注入/輸送層形成工程(S113)および発光層形成工程(S114)が行われる。
図18に示すように、正孔注入/輸送層形成工程(S113)では、機能液滴吐出ヘッド17から正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物を画素領域である各開口部619内に吐出する。その後、図19に示すように、乾燥処理および熱処理を行い、第1組成物に含まれる極性溶媒を蒸発させ、画素電極(電極面613a)613上に正孔注入/輸送層617aを形成する。
次に発光層形成工程(S114)について説明する。この発光層形成工程では、上述したように、正孔注入/輸送層617aの再溶解を防止するために、発光層形成の際に用いる第2組成物の溶媒として、正孔注入/輸送層617aに対して不溶な非極性溶媒を用いる。
しかしその一方で、正孔注入/輸送層617aは、非極性溶媒に対する親和性が低いため、非極性溶媒を含む第2組成物を正孔注入/輸送層617a上に吐出しても、正孔注入/輸送層617aと発光層617bとを密着させることができなくなるか、あるいは発光層617bを均一に塗布できない虞がある。
そこで、非極性溶媒並びに発光層形成材料に対する正孔注入/輸送層617aの表面の親和性を高めるために、発光層形成の前に表面処理(表面改質処理)を行うことが好ましい。この表面処理は、発光層形成の際に用いる第2組成物の非極性溶媒と同一溶媒またはこれに類する溶媒である表面改質材を、正孔注入/輸送層617a上に塗布し、これを乾燥させることにより行う。
このような処理を施すことで、正孔注入/輸送層617aの表面が非極性溶媒になじみやすくなり、この後の工程で、発光層形成材料を含む第2組成物を正孔注入/輸送層617aに均一に塗布することができる。
そして次に、図20に示すように、各色のうちのいずれか(図20の例では青色(B))に対応する発光層形成材料を含有する第2組成物を機能液滴として画素領域(開口部619)内に所定量打ち込む。画素領域内に打ち込まれた第2組成物は、正孔注入/輸送層617a上に広がって開口部619内に満たされる。なお、万一、第2組成物が画素領域から外れてバンク部618の上面618t上に着弾した場合でも、この上面618tは、上述したように撥液処理が施されているので、第2組成物が開口部619内に転がり込み易くなっている。
その後、乾燥工程等を行うことにより、吐出後の第2組成物を乾燥処理し、第2組成物に含まれる非極性溶媒を蒸発させ、図21に示すように、正孔注入/輸送層617a上に発光層617bが形成される。この図の場合、青色(B)に対応する発光層617bが形成されている。
同様に、機能液滴吐出ヘッド17を用い、図22に示すように、上記した青色(B)に対応する発光層617bの場合と同様の工程を順次行い、他の色(赤色(R)および緑色(G))に対応する発光層617bを形成する。なお、発光層617bの形成順序は、例示した順序に限られるものではなく、どのような順番で形成しても良い。例えば、発光層形成材料に応じて形成する順番を決めることも可能である。また、R・G・Bの3色の配列パターンとしては、ストライプ配列、モザイク配列およびデルタ配列等がある。
以上のようにして、画素電極613上に機能層617、即ち、正孔注入/輸送層617aおよび発光層617bが形成される。そして、対向電極形成工程(S115)に移行する。
対向電極形成工程(S115)では、図23に示すように、発光層617bおよび有機物バンク層618bの全面に陰極604(対向電極)を、例えば蒸着法、スパッタ法、CVD法等によって形成する。この陰極604は、本実施形態においては、例えば、カルシウム層とアルミニウム層とが積層されて構成されている。
この陰極604の上部には、電極としてのAl膜、Ag膜や、その酸化防止のためのSiO2、SiN等の保護層が適宜設けられる。
このようにして陰極604を形成した後、この陰極604の上部を封止部材により封止する封止処理や配線処理等のその他処理等を施すことにより、表示装置600が得られる。
次に、図24は、プラズマ型表示装置(PDP装置:以下、単に表示装置700と称する)の要部分解斜視図である。なお、同図では表示装置700を、その一部を切り欠いた状態で示してある。
この表示装置700は、互いに対向して配置された第1基板701、第2基板702、およびこれらの間に形成される放電表示部703を含んで概略構成される。放電表示部703は、複数の放電室705により構成されている。これらの複数の放電室705のうち、赤色放電室705R、緑色放電室705G、青色放電室705Bの3つの放電室705が組になって1つの画素を構成するように配置されている。
第1基板701の上面には所定の間隔で縞状にアドレス電極706が形成され、このアドレス電極706と第1基板701の上面とを覆うように誘電体層707が形成されている。誘電体層707上には、各アドレス電極706の間に位置し、且つ各アドレス電極706に沿うように隔壁708が立設されている。この隔壁708は、図示するようにアドレス電極706の幅方向両側に延在するものと、アドレス電極706と直交する方向に延設された図示しないものを含む。
そして、この隔壁708によって仕切られた領域が放電室705となっている。
放電室705内には蛍光体709が配置されている。蛍光体709は、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかの色の蛍光を発光するもので、赤色放電室705Rの底部には赤色蛍光体709Rが、緑色放電室705Gの底部には緑色蛍光体709Gが、青色放電室705Bの底部には青色蛍光体709Bが各々配置されている。
第2基板702の図中下側の面には、上記アドレス電極706と直交する方向に複数の表示電極711が所定の間隔で縞状に形成されている。そして、これらを覆うように誘電体層712、およびMgOなどからなる保護膜713が形成されている。
第1基板701と第2基板702とは、アドレス電極706と表示電極711が互いに直交する状態で対向させて貼り合わされている。なお、上記アドレス電極706と表示電極711は図示しない交流電源に接続されている。
そして、各電極706,711に通電することにより、放電表示部703において蛍光体709が励起発光し、カラー表示が可能となる。
本実施形態においては、上記アドレス電極706、表示電極711、および蛍光体709を、図2に示した液滴吐出装置1を用いて形成することができる。以下、第1基板701におけるアドレス電極706の形成工程を例示する。
この場合、第1基板701を液滴吐出装置1のセットテーブル21に載置された状態で以下の工程が行われる。
まず、機能液滴吐出ヘッド17により、導電膜配線形成用材料を含有する液体材料(機能液)を機能液滴としてアドレス電極形成領域に着弾させる。この液体材料は、導電膜配線形成用材料として、金属等の導電性微粒子を分散媒に分散したものである。この導電性微粒子としては、金、銀、銅、パラジウム、またはニッケル等を含有する金属微粒子や、導電性ポリマー等が用いられる。
補充対象となるすべてのアドレス電極形成領域について液体材料の補充が終了したならば、吐出後の液体材料を乾燥処理し、液体材料に含まれる分散媒を蒸発させることによりアドレス電極706が形成される。
ところで、上記においてはアドレス電極706の形成を例示したが、上記表示電極711および蛍光体709についても上記各工程を経ることにより形成することができる。
表示電極711の形成の場合、アドレス電極706の場合と同様に、導電膜配線形成用材料を含有する液体材料(機能液)を機能液滴として表示電極形成領域に着弾させる。
また、蛍光体709の形成の場合には、各色(R,G,B)に対応する蛍光材料を含んだ液体材料(機能液)を機能液滴吐出ヘッド17から液滴として吐出し、対応する色の放電室705内に着弾させる。
次に、図25は、電子放出装置(FED装置あるいはSED装置ともいう:以下、単に表示装置800と称する)の要部断面図である。なお、同図では表示装置800を、その一部を断面として示してある。
この表示装置800は、互いに対向して配置された第1基板801、第2基板802、およびこれらの間に形成される電界放出表示部803を含んで概略構成される。電界放出表示部803は、マトリクス状に配置した複数の電子放出部805により構成されている。
第1基板801の上面には、カソード電極806を構成する第1素子電極806aおよび第2素子電極806bが相互に直交するように形成されている。また、第1素子電極806aおよび第2素子電極806bで仕切られた部分には、ギャップ808を形成した導電性膜807が形成されている。すなわち、第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807により複数の電子放出部805が構成されている。導電性膜807は、例えば酸化パラジウム(PdO)等で構成され、またギャップ808は、導電性膜807を成膜した後、フォーミング等で形成される。
第2基板802の下面には、カソード電極806に対峙するアノード電極809が形成されている。アノード電極809の下面には、格子状のバンク部811が形成され、このバンク部811で囲まれた下向きの各開口部812に、電子放出部805に対応するように蛍光体813が配置されている。蛍光体813は、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかの色の蛍光を発光するもので、各開口部812には、赤色蛍光体813R、緑色蛍光体813Gおよび青色蛍光体813Bが、上記した所定のパターンで配置されている。
そして、このように構成した第1基板801と第2基板802とは、微小な間隙を存して貼り合わされている。この表示装置800では、導電性膜(ギャップ808)807を介して、陰極である第1素子電極806aまたは第2素子電極806bから飛び出す電子を、陽極であるアノード電極809に形成した蛍光体813に当てて励起発光し、カラー表示が可能となる。
この場合も、他の実施形態と同様に、第1素子電極806a、第2素子電極806b、導電性膜807およびアノード電極809を、液滴吐出装置1を用いて形成することができると共に、各色の蛍光体813R,813G,813Bを、液滴吐出装置1を用いて形成することができる。
第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807は、図26(a)に示す平面形状を有しており、これらを成膜する場合には、図26(b)に示すように、予め第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807を作り込む部分を残して、バンク部BBを形成(フォトリソグラフィ法)する。次に、バンク部BBにより構成された溝部分に、第1素子電極806aおよび第2素子電極806bを形成(液滴吐出装置1によるインクジェット法)し、その溶剤を乾燥させて成膜を行った後、導電性膜807を形成(液滴吐出装置1によるインクジェット法)する。そして、導電性膜807を成膜後、バンク部BBを取り除き(アッシング剥離処理)、上記のフォーミング処理に移行する。なお、上記の有機EL装置の場合と同様に、第1基板801および第2基板802に対する親液化処理や、バンク部811,BBに対する撥液化処理を行うことが、好ましい。
また、他の電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等の装置が考えられる。上記した液滴吐出装置1を各種の電気光学装置(デバイス)の製造に用いることにより、各種の電気光学装置を効率的に製造することが可能である。
実施形態に係る液滴吐出装置の平面図である。 実施形態に係る液滴吐出装置の正面図である。 実施形態に係る吐出検査装置の正面図である。 吐出検査装置の平面図である。 吐出検査装置の背面図である。 吐出検査装置の右側面図である。 吐出検査装置のエアー吸引機構およびエアー浮上機構の回路図である。 吐出検査装置により検査シートの浮上送りおよび吸着載置を説明する概念図である。 カラーフィルタ製造工程を説明するフローチャートである。 (a)〜(e)は、製造工程順に示したカラーフィルタの模式断面図である。 本発明を適用したカラーフィルタを用いた液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。 本発明を適用したカラーフィルタを用いた第2の例の液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。 本発明を適用したカラーフィルタを用いた第3の例の液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。 有機EL装置である表示装置の要部断面図である。 有機EL装置である表示装置の製造工程を説明するフローチャートである。 無機物バンク層の形成を説明する工程図である。 有機物バンク層の形成を説明する工程図である。 正孔注入/輸送層を形成する過程を説明する工程図である。 正孔注入/輸送層が形成された状態を説明する工程図である。 青色の発光層を形成する過程を説明する工程図である。 青色の発光層が形成された状態を説明する工程図である。 各色の発光層が形成された状態を説明する工程図である。 陰極の形成を説明する工程図である。 プラズマ型表示装置(PDP装置)である表示装置の要部分解斜視図である。 電子放出装置(FED装置)である表示装置の要部断面図である。 表示装置の電子放出部廻りの平面図(a)およびその形成方法を示す平面図(b)である。
符号の説明
1…液滴吐出装置 2…描画装置 4…吐出検査装置 17…機能液滴吐出ヘッド 61…防塵キャビネット 63…検査ステージ 68…傾き調整機構 71…多孔質プレート 72…枠状フレーム 73…エアー室 81…シート繰出し機構 82…シート巻取り機構 98…吸引バルブユニット 108…供給バルブユニット S…検査シート W…基板

Claims (11)

  1. セットしたワークに対し、機能液滴吐出ヘッドを走査方向に相対的に移動させながら、前記機能液滴吐出ヘッドを吐出駆動させて前記ワークに描画を行う描画装置を備えた液滴吐出装置に設けられ、前記機能液滴吐出ヘッドの吐出結果を画像認識することにより、前記機能液滴吐出ヘッドの吐出不良を検査する吐出検査装置であって、
    前記機能液滴吐出ヘッドの検査吐出を受ける帯状の検査シートと、前記検査シートが吸着載置される検査ステージと、を備え、
    前記検査ステージは、
    前記検査シートを吸着載置する多孔質プレートと、
    上部に前記多孔質プレートを水平に保持する枠状フレームと、
    前記多孔質プレートの下面に面して前記枠状フレームの内側に形成されると共に、真空吸引手段に連通するエアー室と、を有し、
    前記多孔質プレートの上面と前記枠状フレームの両側部上端面とは、面一に形成されており、
    前記多孔質プレートの幅は、前記検査シートの幅より僅かに幅狭に形成されていることを特徴とする吐出検査装置。
  2. 前記検査ステージは、前記検査シートの延在方向に分割した複数の分割ステージで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の吐出検査装置。
  3. 隣接する2つの前記分割ステージの分割多孔質プレート同士は、突き合わせた状態で接着されていることを特徴とする請求項2に記載の吐出検査装置。
  4. 前記検査ステージを支持するベースフレームと、
    前記ベースフレームと前記各分割ステージとの間に介設され、前記各分割ステージが水平となるように微調整する複数の傾き調整機構と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項2または3に記載の吐出検査装置。
  5. 前記傾き調整機構は、
    前記検査シートの延在方向に沿う前記各分割ステージの一方の辺側の中間部位置に介設した1つのアジャストねじと、
    他方の辺側の両端部位置に介設した2つのアジャストねじと、
    で構成されていることを特徴とする請求項4に記載の吐出検査装置。
  6. 前記検査シートは、ロール状に巻回した状態で提供され、
    ロール状に巻回した前記検査シートを前記検査ステージ上に繰り出すシート繰出し機構と、
    繰り出した前記検査シートを前記検査ステージ上から巻き取るシート巻取り機構と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の吐出検査装置。
  7. 前記検査ステージによる前記検査シートの吸着不良を検出するセンサを、さらに備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の吐出検査装置。
  8. 前記センサは、前記検査シートの浮き上がりを検出する光センサおよび/または前記エアー室の圧力を検出する真空センサで、構成されていることを特徴とする請求項7に記載の吐出検査装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の吐出検査装置と、
    前記描画装置と、
    を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
  10. 前記描画装置は、
    前記ワークをセットするセットテーブルと、
    前記機能液滴吐出ヘッドに対し、前記セットテーブルを介して前記ワークを走査方向に移動させる移動機構と、を有し、
    前記吐出検査装置は、前記セットテーブルに隣接すると共に前記移動機構に搭載されていることを特徴とする請求項9に記載の液滴吐出装置。
  11. 請求項9または10に記載の液滴吐出装置を用い、前記ワーク上に機能液による成膜部を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
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