JP4652895B2 - クロマトグラフィー装置及び溶剤組成調整装置 - Google Patents

クロマトグラフィー装置及び溶剤組成調整装置 Download PDF

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Description

本発明は、二種以上の溶剤を含有する混合溶剤を移動相に用い、かつ移動相を回収して再利用することが可能なクロマトグラフィー装置及びそれに用いることができる溶剤組成調整装置に関し、特に擬似移動床式クロマトグラフィー装置及び溶剤組成調整装置に関する。
擬似移動床式クロマトグラフィー装置は、複数のカラムを直列に接続して形成される無端状の流路を有する。擬似移動床式クロマトグラフィー装置では、前記無端状の流路の任意の箇所に、目的の物質を含有する試料溶液及び移動相が供給され、また無端状の流路の任意の二箇所から移動相が排出される。このような試料溶液の供給と移動相の排出とを連続して行うと、排出される移動相の少なくともいずれかに目的の物質が含まれ、無端状の流路から取り出される。したがって、擬似移動床式クロマトグラフィー装置は、光学異性体等の目的の物質を含有する混合物から目的の物質を分離して取り出すことにより目的の物質を製造するのに有用な手段として知られており、医薬品の製造等の分野において用いられている。
また、擬似移動床式クロマトグラフィー装置には、溶剤の有効利用の観点から、前記無端状の流路から排出された移動相を回収し、回収した移動相を適宜精製し、前記無端状の流路に供給される移動相に再利用する装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
一方で、擬似移動床式クロマトグラフィー装置では、二種以上の溶剤を含有する混合溶剤を移動相に用いることがある。このような移動相を擬似移動床式クロマトグラフィー装置において再利用する場合では、回収された移動相の組成を必要に応じて調整することが、目的の物質の良好な分離を安定して行う観点から重要である。
前記混合溶剤を移動相に用いる擬似移動床式クロマトグラフィー装置の移動相の再生に用いられる装置としては、擬似移動床式クロマトグラフィー装置等から回収され組成が調整されるべき移動相を収容する調整槽と、前記調整槽に供給された移動相の組成を検出する検出器と、前記調整槽に供給された移動相に補給すべき溶剤を収容する補給用槽と、前記検出器の検出結果に応じて前記補給用槽からの溶剤の補給を制御する制御装置とを有し、前記検出器は、移動相の誘電率、温度及び液面を検出する装置である装置が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
前記装置は、前記混合溶剤を迅速かつ正確に調整する観点から優れている。しかしながら、前記装置は、混合溶剤中のそれぞれの溶剤の誘電率が比較的近い場合に、混合溶剤の組成を正確に検出できない場合がある。したがって、前記装置を用いる場合では、移動相の組成によっては、調整すべき移動相の組成が正確に検出されず、移動相を再利用できない場合がある。
また、移動相を繰り返し再利用して用いると、微小の割合で配合される溶剤、低沸点の溶剤、及び試料溶液中の不純物等の移動相中の微量の成分が、移動相の再生及び再利用に伴って移動相中に徐々に蓄積されることがある。このような移動相の組成を、主成分の溶剤の補給によって調整すると、補給すべき溶剤の供給量が大きくなり、調整される移動相の量が、装置が許容する容量を超える場合がある。
特開平6−239767号公報 米国特許第6325898号明細書
本発明は、二種以上の溶剤を含有する混合溶剤を移動相に用いる擬似移動床式クロマトグラフィー装置等のクロマトグラフィー装置において、移動相の組成に関わらず移動相の再利用を可能とすることを課題とする。
本発明は、回収された移動相の組成を検出する検出器に近赤外分光分析装置を用い、近赤外分光分析装置による検出結果に応じて、回収された移動相の組成を調整し、擬似移動床式クロマトグラフィー等のクロマトグラフィーの移動相に再利用する。
すなわち、本発明は、カラムを含む移動相の流路に目的の物質を含有する試料溶液と移動相とを供給して試料溶液から目的の物質を分離するための分離部と、分離部で分離された目的の物質を含有する移動相から移動相を除去して目的の物質を収集するための収集部と、収集部で除去された移動相を回収し、回収した移動相の組成を移動相の流路に供給され得る移動相の組成に調整する調整部とを有し、移動相には二種以上の溶剤を含有する混合溶剤を用い、調整部で調整された移動相が移動相の流路に供給されるクロマトグラフィー装置であって、調整部は、組成を調整すべき移動相を収容する調整槽と、前記調整槽に供給された移動相の組成を検出する検出器と、調整槽に供給された移動相に補給すべき溶剤を収容する補給用槽と、検出器の検出結果に応じて補給用槽からの溶剤の補給を制御する制御装置とを有するクロマトグラフィー装置において、検出器は近赤外分光分析装置である装置である。
前記構成によれば、回収した移動相中の溶剤の濃度が溶剤の種類に関わらず速やかに検出される。
本発明では、前記調整部は、回収した移動相を精製するための精製装置をさらに有し、前記精製装置で精製された移動相が前記調整槽に供給されると、回収した移動相の純度が高められる。
本発明では、前記検出器は、前記調整槽中の移動相の組成を検出すると、簡易な構成で移動相の組成が検出される。
本発明では、前記調整部は、前記調整槽中の移動相を循環させるための循環用流路をさらに有し、前記検出器は、前記循環用流路中の移動相の組成を検出すると、調整槽から抜き出された状態で移動相の組成が検出される。
本発明では、前記調整部は、前記調整槽中の移動相の液面を検出する液面計をさらに有し、前記制御装置は、前記液面計の検出結果に基づいて調整槽中の移動相の量を求め、求められた移動相の量と、前記検出器で検出された移動相の組成とに基づいて、前記補給用槽からの前記溶剤の補給を制御すると、移動相の組成が速やかに調整される。
本発明では、前記調整部は、前記調整槽から移動相を抜き出すための抜き出し用流路をさらに有し、前記制御装置は、前記検出器の検出結果に基づいて調整槽からの移動相の抜き出し量をさらに制御すると、調整槽中の移動相の量を減らすことが可能となり、調整槽における移動相中の任意の成分の量が所望の値に抑えられる。
本発明では、前記調整部は、前記抜き出し用流路の移動相中の任意の成分を除く除去装
置と、除去装置によって任意の成分が除かれた移動相を調整槽に戻すための戻し用流路とをさらに有すると、調整槽における移動相中の任意の成分が薄められ、調整槽における移動相中の任意の成分の濃度が所望の値に抑えられる。
本発明では、前記調整部は、前記調整槽に移動相を供給するための主流路と、前記主流路に接続されているバイパス流路と、前記バイパス流路における移動相中の任意の成分を除くための前除去装置と、前記主流路及び前記バイパス流路における移動相の流量を調整するための移動相流量調整装置とをさらに有すると、任意の成分の量が低減された移動相が調整槽に供給され、調整槽における移動相中の任意の成分の濃度が所望の値に抑えられる。
本発明では、前記移動相は、メタノール、エタノール、及びイソプロピルアルコールから選ばれる第一の溶剤と、ノルマルヘキサン及びアセトニトリルから選ばれる第二の溶剤とを含有し、前記第一の溶剤と前記第二の溶剤との体積比(第一の溶剤:第二の溶剤)が10:90〜50:50であると、種々の目的の物質の分離を行う観点から好ましい。
本発明では、前記移動相は、0.01〜0.5体積%、より好ましくは0.01〜0.2体積%のジエチルアミンをさらに含有すると、目的の物質の種類によるが分離時における目的の物質の安定化の観点から好ましい。
本発明では、前記分離部は、複数のカラムが直列に接続されて形成される無端状の流路に目的の物質を含有する試料溶液と移動相とを供給して試料溶液から目的の物質を分離するための分離部であると、すなわち本発明のクロマトグラフィー装置が擬似移動床式クロマトグラフィー装置であると、試料溶液を連続して移動相の流路に供給することが可能となり、また目的の物質を含む移動相を連続して移動相の流路から排出することが可能となる。
本発明では、前記カラムは、光学活性な多糖又は多糖誘導体を含有する分離剤を収容するカラムであり、前記目的の物質は光学異性体であると、目的の物質としての光学異性体を分離する観点から好ましく、前記多糖はセルロース又はアミロースであり、前記多糖誘導体は、セルロースのエステル誘導体、セルロースのカルバメート誘導体、アミロースのエステル誘導体、及びアミロースのカルバメート誘導体から少なくとも選ばれるとより一層好ましい。
また、本発明は、本発明のクロマトグラフィー装置における調整部に用いられる装置、すなわち、前記移動相のような混合溶剤が供給される場合に、近赤外分光分析装置を用いて混合溶剤の組成を検出し、調整することができる装置を提供する。
すなわち、本発明は、二種以上の溶剤を含有し組成が調整されるべき混合溶剤の組成を調整することができる装置であって、組成が調整されるべき前記混合溶剤を収容する調整槽と、調整槽に収容された混合溶剤の組成を検出する検出器と、調整槽に収容された混合溶剤に補給すべき溶剤を収容する補給用槽と、補給用槽の溶剤を調整槽に供給するための補給用流路と、前記検出器の検出結果に応じて前記補給用槽からの溶剤の供給を制御する制御装置とを有し、前記検出器は近赤外分光分析装置である装置(溶剤組成調整装置)を提供する。
本発明によれば、二種以上の溶剤を含有する移動相を回収して調整し、再利用するクロマトグラフィー装置において、調整すべき移動相の組成を近赤外分光分析装置によって検出し、近赤外分光分析装置の検出結果に応じて移動相の組成を調整することから、移動相
の組成に関わらず移動相を再利用することができる。
また本発明によれば、目的の物質を分離時に安定化させるために移動相に少量添加されるジエチルアミン等の塩基性の溶剤や酢酸等の酸性の溶剤の濃度を検出することが可能であり、このような少量添加される溶剤を含有する移動相を再利用することができる。
本発明では、回収した移動相を精製するための精製装置を調整部がさらに有し、精製装置で精製された移動相が調整槽に供給されると、調整すべき移動相の純度をさらに高めることができ、再利用する移動相の純度を高める観点からより一層効果的である。
本発明では、調整槽中の移動相の組成を検出すると、装置の構成の簡素化の観点からより一層効果的である。
本発明では、調整槽中の移動相を循環させるための循環用流路を調整部がさらに有し、この循環用流路中の移動相の組成を検出すると、均質化された移動相の組成が検出され、移動相の組成の調整や検出の精度を高める観点からより一層効果的である。
本発明では、調整槽中の移動相の液面を検出する液面計を調整部がさらに有し、制御装置は、液面計の検出結果に基づいて調整槽中の移動相の量を求め、求められた移動相の量と、検出器で検出された移動相の組成とに基づいて、補給用槽からの溶剤の補給を制御すると、調整槽に補給すべき溶剤の種類と量とが求められることから、移動相を迅速に調整する観点からより一層効果的である。
本発明では、調整槽から移動相を抜き出すための抜き出し用流路を調整部がさらに有し、制御装置は、検出器の検出結果に基づいて調整槽からの移動相の抜き出し量をさらに制御すると、調整槽から移動相を抜き出すことができ、また調整槽における移動相中の任意の成分の量を減らすことができる。したがって、低沸点の成分等の、移動相の再生と再利用とに伴って移動相中に蓄積されやすい成分が移動相に含まれ、これを主成分の溶剤で希釈して移動相の組成を調整する場合に、移動相の調整に伴う移動相の調整槽からの溢出を防止する観点からより一層効果的である。
本発明では、前記抜き出し用流路の移動相中の任意の成分を除く除去装置と、除去装置によって任意の成分が除かれた移動相を調整槽に戻すための戻し用流路とを調整部がさらに有すると、移動相を調整槽から抜き出すことができ、かつ抜き出した移動相から任意の成分を除いて移動相を調整槽に戻すことができる。したがって、低沸点の成分等の、移動相の再生と再利用とに伴って移動相中に蓄積されやすい成分が移動相に含まれ、これを主成分の溶剤で希釈して移動相の組成を調整する場合に、移動相の調整に伴う移動相の調整槽からの溢出を防止し、かつ補給される主成分の溶剤の供給量を低減させる観点からより一層効果的である。
本発明では、前記調整槽に移動相を供給するための主流路と、前記主流路に接続されているバイパス流路と、前記バイパス流路における移動相中の任意の成分を除くための前除去装置と、前記主流路及び前記バイパス流路における移動相の流量を調整するための移動相流量調整装置とを調整部がさらに有すると、調整槽に収容される前の移動相の任意の成分の量を削減することができる。したがって、低沸点の成分等の、移動相の再生と再利用とに伴って移動相中に蓄積されやすい成分が移動相に含まれ、これを主成分の溶剤で希釈して移動相の組成を調整する場合に、移動相の調整に伴う移動相の調整槽からの溢出を防止し、かつ補給される主成分の溶剤の供給量を低減させる観点からより一層効果的である。
本発明では、前記移動相は、メタノール、エタノール、及びイソプロピルアルコールから選ばれる第一の溶剤と、ノルマルヘキサン及びアセトニトリルから選ばれる第二の溶剤とを含有し、前記第一の溶剤と前記第二の溶剤との体積比(第一の溶剤:第二の溶剤)が10:90〜50:50であると、種々の目的の物質の分離に対応し、また移動相の組成に関わらず移動相を再利用する観点からより一層効果的である。
本発明では、前記移動相は、0.01〜0.5体積%(より好ましくは0.01〜0.2体積%)のジエチルアミンをさらに含有すると、目的の物質の種類にもよるが、分離時において目的の物質を安定化させ、また移動相の組成に関わらず移動相を再利用する観点からより一層効果的である。
本発明では、前記分離部は、複数のカラムが直列に接続されて形成される無端状の流路に目的の物質を含有する試料溶液と移動相とを供給して試料溶液から目的の物質を分離するための分離部であると、すなわち本発明のクロマトグラフィー装置が擬似移動床式クロマトグラフィー装置であると、目的の物質を高い生産性で製造する観点からより一層効果的である。
本発明では、前記カラムは、光学活性な多糖又は多糖誘導体を含有する分離剤を収容するカラムであり、前記目的の物質は光学異性体であると、光学異性体を効率よく分離する観点からより効果的であり、前記多糖はセルロース又はアミロースであり、前記多糖誘導体は、セルロースのエステル誘導体、セルロースのカルバメート誘導体、アミロースのエステル誘導体、及びアミロースのカルバメート誘導体から少なくとも選ばれると、より一層効果的である。
また、本発明の溶剤組成調整装置によれば、混合溶剤の組成に関わらず混合溶剤の組成を連続して調整することができ、またジエチルアミン等の塩基性の溶剤や酢酸等の酸性の溶剤を少量含有する組成の混合溶剤を連続して調整することができる。
また、本発明の溶剤組成調整装置は、前述した調整部に基づく効果と同様に、調整すべき混合溶剤の純度を高める観点からより一層効果的であり、装置の構成の簡素化の観点からより一層効果的であり、混合溶剤の組成の調整や検出の精度を高める観点からより一層効果的であり、混合溶剤を迅速に調整する観点からより一層効果的であり、混合溶剤の調整に伴う混合溶剤の調整槽からの溢出を防止する観点からより一層効果的であり、混合溶剤の調整に伴う混合溶剤の調整槽からの溢出を防止しかつ補給される主成分の溶剤の供給量を低減させる観点からより一層効果的である。
本発明のクロマトグラフィー装置は、カラムを含む移動相の流路に目的の物質を含有する試料溶液と移動相とを供給して試料溶液から目的の物質を分離するための分離部と、分離部で分離された目的の物質を含有する移動相から移動相を除去して目的の物質を収集するための収集部と、収集部で除去された移動相を回収し、回収した移動相の組成を移動相の流路に供給され得る移動相の組成に調整する調整部とを有する。本発明では、前記移動相には二種以上の溶剤を含有する混合溶剤が用いられ、前記調整部で調整された移動相が前記移動相の流路に供給される。
前記分離部は、クロマトグラフィー装置の種類に応じて適当に構成することができる。例えばクロマトグラフィー装置が高速液体クロマトグラフィー装置等の、通常一本のカラムが設けられる装置の場合では、前記分離部は、移動相が流れる移動相の流路と、移動相の流路に試料溶液を注入する注入器と、注入器から注入された試料溶液中の目的の物質を分離するための分離剤を収容するカラムと、カラムによって分離された物質を検出する検
出器とを有する公知の構成を採用することができる。
クロマトグラフィー装置が擬似移動床式クロマトグラフィー装置の場合では、前記分離部は、複数のカラムが直列に接続されて形成される無端状の流路に目的の物質を含有する試料溶液と移動相とを供給して試料溶液から目的の物質を分離する公知の構成を採用することができる。
擬似移動床式クロマトグラフィー装置における前記分離部は、例えば特開平6−239767号公報に示されているような公知の構成を採用することができる。より具体的には、前記分離部は、複数のカラムと、複数のカラムを直列に接続してカラムを含む無端状の流路を形成する接続用流路と、前記試料溶液及び移動相の少なくともいずれかを任意の前記接続用流路に供給し、又は任意の前記接続用流路から移動相を排出するための複数の供給、排出用流路とによって構成することができる。前記カラムの数は特に限定されないが、4〜24であることが好ましい。
前記収集部は、例えば特開平6−239767号公報に示されているような公知の構成を採用することができ、例えば分離部から排出された移動相を濃縮する濃縮装置によって構成することができる。前記収集部は、単数設けられていても良いし、試料溶液に含まれる目的の物質の種類数に応じて複数設けられていても良い。また前記濃縮装置には減圧濃縮装置等の公知の手段を用いることができる。前記濃縮装置は、単数設けられていても良いし、移動相を段階的に濃縮するように複数設けられていても良い。
前記調整部は、組成を調整すべき移動相を収容する調整槽と、調整槽に供給された移動相の組成を検出する検出器と、調整槽に供給された移動相に補給すべき溶剤を収容する補給用槽と、検出器の検出結果に応じて補給用槽からの溶剤の補給を制御する制御装置とを有する。前記調整部は、前記検出器を除き、例えば米国特許第6325898号明細書において調整装置(regulating device)として示されているような公知の構成を採用することができる。
前記検出器は、近赤外分光分析装置である。前記近赤外分光分析装置には、前記移動相に含有される溶剤の濃度を検出することができる公知の装置を用いることができる。このような近赤外分光分析装置としては、例えばBruker Optics社製のMATRIXシリーズが挙げられる。
前記検出器は、調整槽に供給された移動相の組成を検出するように設けられる。このように検出器を設置することにより、調整されるべき移動相の組成と調整中の移動相の組成とが検出器によって検出される。
前記制御装置は、検出器の検出結果に応じて補給用槽からの溶剤の補給を制御することができる装置であれば特に限定されない。前記制御装置には、例えば外部からの情報を与える入力装置と、外部へ情報を伝える出力装置と、中央処理装置(CPU)とを有する公知の制御装置を用いることができる。前記制御装置には、検出器の検出結果に応じた溶剤の補給を制御するために、米国特許第6325898号明細書に示されているような、検出器に応じた検量線が、通常は記憶される。本発明では、この検量線には、例えば近赤外分光分析装置による所定の波長の範囲の検出値と溶剤の濃度との相関を示す検量線を用いることができる。このような検量線は、予め作成され、例えば制御装置に記憶される。
前記調整部は、前述した以外の他の構成要素を有していても良い。このような他の構成要素としては、例えば回収した移動相を精製するための精製装置が挙げられる。前記精製装置は、回収した移動相の純度を高める装置であれば特に限定されない。前記精製装置と
しては、例えば特開平6−239767号公報に示されているような蒸留装置や、活性炭等の吸着剤を収容してなる吸着塔等が挙げられる。
また前記他の構成要素としては、例えば調整槽中の移動相を循環させるための循環用流路が挙げられる。前記循環用流路は、例えば一端が調整槽の底部に接続され、他端が調整槽に向けて開口する管と、この管に移動相を送液するためのポンプとによって構成することができる。またこの管に適当なフランジ等を設けることにより、前記検出器を管内に配置することが可能である。
また前記他の構成要素としては、例えば移動相の組成以外の他の性状を検出する他の検出器が挙げられる。前記他の検出器としては、特に限定されないが、例えば調整槽中の移動相の液面を検出する液面計や、移動相の温度を検出する温度計等が挙げられる。前記液面計及び前記温度計には、公知の機器を用いることができる。
このような他の検出器を調整部がさらに有する場合では、前記制御装置は、これらの検出器による検出結果を溶剤の補給に反映させる制御を行うことが好ましい。例えば、前記調整部が前記液面計をさらに有する場合では、前記制御装置は、液面計の検出結果に基づいて調整槽中の移動相の量を求め、求められた移動相の量と、赤外分光分析装置によって検出された移動相の組成とに基づいて、前記補給用槽からの溶剤の補給を制御することが好ましい。この場合の補給用槽からの溶剤の補給の制御は、例えば移動相の量と組成から移動相中の各溶剤の実際の量を求め、これを設定値と比べ、各溶剤について設定値と実際の量との差を求め、求められた量の溶剤を補給用槽から調整槽に補給させる制御が挙げられる。なお、液面計の検出結果から求められる移動相の実際の量や補給すべき溶剤の量は、体積であっても良いし、重量であっても良い。
また例えば、前記調整部が温度計をさらに有する場合では、前記制御装置は、温度計の検出結果に基づいて、赤外分光分析装置による検出値に対する移動相の温度の影響を補正する制御を行うことが好ましい。この場合、移動相の温度の影響の補正は、経験則から得られる数値や数式によって行っても良いし、理論値に基づいて行っても良い。
なお、調整部が他の検出器をさらに有する場合では、前記制御装置には、前述した制御を行うためのさらなるデータを記憶させることが好ましい。このようなデータとしては、例えば移動相に含まれる各種溶剤の密度や、赤外分光分析装置による検出値と検出される移動相の温度との相関を示すデータや数式等が挙げられる。
また前記他の構成要素としては、例えば調整槽から移動相を抜き出すための抜き出し用流路が挙げられる。このような抜き出し用流路を調整部がさらに有する場合では、前記制御装置は、検出器による検出結果を調整槽からの移動相の抜き出しに反映させるさらなる制御を行うことが好ましい。例えば、前記調整部が抜き出し用流路をさらに有する場合では、前記制御装置は、検出器の検出結果に基づいて調整槽からの移動相の抜き出し量をさらに制御することが好ましい。この場合の移動相の抜き出し量の制御は、例えば調整槽中の移動相に含まれる任意の成分の量や濃度に上限値を設け、近赤外分光分析装置を含む前記検出器の検出結果から検出される前記任意の成分の量や濃度とこの上限値とを対比し、前記任意の成分の量や濃度が前記上限値を超えないように、移動相を調整槽から抜き出す制御が挙げられる。
前記抜き出し用流路から抜き出された移動相は、廃棄しても良いし、他の容器に保存していても良いし、移動相として再利用するために適切に処理しても良い。抜き出し用流路から抜き出された移動相を適切に処理するための構成要素としては、例えば抜き出し用流路の移動相中の任意の成分を移動相から除く除去装置と、除去装置によって任意の成分が
除かれた移動相を調整槽に戻す戻し用流路とが挙げられる。
前記除去装置には、前記任意の成分の種類や物性に基づいて公知の適当な装置を採用することができる。例えば、前記任意の成分が高い極性を有する成分であれば、前記除去装置には活性炭等の吸着剤を収容する吸着塔を採用することができるし、前記任意の成分が低沸点成分であれば、前記除去装置には蒸留装置を採用することができる。また前記戻し用流路は、前記循環用流路と同様に、管、フランジ、ポンプ、及び弁等の公知の部材によって構成することができる。
また前記他の構成要素としては、調整槽に供給される前の移動相から任意の成分を除くための構成要素が挙げられる。このような構成要素としては、例えば前記調整槽に移動相を供給するための主流路と、前記主流路に接続されているバイパス流路と、前記バイパス流路における移動相中の任意の成分を除くための前除去装置と、前記主流路及び前記バイパス流路における移動相の流量を調整するための移動相流量調整装置とが挙げられる。
前記バイパス流路は、主流路から分岐して主流路又は調整槽に合流する流路である。前記主流路やバイパス流路は、管やフランジ等の公知の部材によって構成することができる。また、前記前除去装置は、前記除去装置と同様に構成することができる。また前記移動相流量調整装置は、例えば主流路とバイパス流路とに設けられた弁によって構成することができる。移動相流量調整装置は、前述した抜き出し用流路への移動相の抜き出しと同様に、検出器の検出結果に基づいたバイパス流路における移動相の流量となるように、前記制御装置によって制御されることが好ましい。
前記任意の成分は、調整されるべき移動相に含まれる成分であれば特に限定されない。前記任意の成分には、混合溶剤の各成分、試料溶液に含まれる溶剤、目的の物質に伴う副生物や不純物等が挙げられる。
前記任意の成分は、移動相の抜き出し量や除去装置による除去量を低減させる観点から、移動相に微量含有される微量成分であることが好ましい。前記微量成分は、移動相中に1体積%未満含有される成分である。前記微量成分としては、例えば混合溶剤の各成分のうち少量に添加される有機酸や有機塩基、試料溶液に含まれる溶剤、目的の物質の副生物、目的の物質の生成に伴って発生する不純物、及び移動相や試料溶液に混入している水等が挙げられる。
本発明では、二種以上の溶剤を含有する混合溶剤が前記移動相として用いられる。移動相に用いられる溶剤は特に限定されない。前記溶剤には、カラムクロマトグラフィーにおいて用いられる通常の溶剤が用いられる。前記溶剤としては、例えば水、酸、アルカリ、及び有機溶剤等が挙げられる。
前記有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、酢酸メチル及びジエチルアミン等の極性の高い溶剤、クロロホルムやアセトニトリル等の極性がさほど高くない溶剤、n−ヘキサン等の極性の低い溶剤等の、クロマトグラフィー装置で移動相に用いられる種々の公知の有機溶剤が挙げられる。
さらに前記有機溶剤としては、ヘプタン、tert−ブチルメチルエーテル(MTBE)、アセトン、トルエン、塩化メチレン、1,4−ジオキサン、及びN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)等が挙げられる。前記混合溶剤の組成は適宜設定することができる。
前記移動相は、目的の物質の分離に用いる観点から、メタノール、エタノール、及びイソプロピルアルコールから選ばれる第一の溶剤と、ノルマルヘキサン及びアセトニトリルから選ばれる第二の溶剤とを含有することが好ましい。また前記第一の溶剤と前記第二の溶剤との体積比(第一の溶剤:第二の溶剤)が10:90〜50:50であることが好ましい。第一の溶剤の体積比が10より小さくなると、目的の物質の分離が極端に遅くなり、目的の物質を実質的に分離できない場合がある。また第一の溶剤の体積比が50よりも大きくなると、分離させたい二種以上の物質の溶出が共に早まり、目的の物質の分離に悪影響を及ぼす場合がある。
前記移動相は、目的の物質の物性によっては、分離時における目的の物質の安定性を高める観点から、弱酸性の溶剤や弱塩基性の溶剤を含有していても良い。弱酸性の溶剤としては、例えば酢酸等のカルボン酸が挙げられ、弱塩基性の溶剤としては、例えばジエチルアミン等のアミンが挙げられる。このような弱酸性又は弱塩基性の溶剤の含有量は、目的の物質の物性や用いる溶剤の種類によって異なるが、移動相全体に対して0.01〜0.5体積%であることが好ましく、0.01〜0.2体積%であることがより好ましい。前記含有量が0.01体積%よりも小さいと、前述した溶剤による効果が得られない場合がある。また前記含有量が0.5体積%よりも大きいと、前述した溶剤が目的の物質やカラムに収容される分離剤に悪影響を及ぼす場合がある。
前記移動相としては、具体的には、メタノール−エタノール混合溶剤、イソプロピルアルコール−n−ヘキサン混合溶剤、エタノール−n−ヘキサン混合溶剤、メタノール−アセトニトリル混合溶剤等の二成分の混合溶剤や、メタノール−アセトニトリル−酢酸混合溶剤、メタノール−アセトニトリル−ジエチルアミン混合溶剤、イソプロピルアルコール−n−ヘキサン−ジエチルアミン混合溶剤、エタノール−n−ヘキサン−ジエチルアミン混合溶剤等の三成分の混合溶剤等が挙げられる。
本発明のクロマトグラフィー装置は、分離したい目的の物質の種類に応じた分離剤をカラムに収容することによって、種々の目的の物質の分離に用いることができる。例えば目的の物質が光学異性体である場合では、前記カラムは光学活性な多糖又は多糖誘導体を含有する分離剤を収容するカラムであることが、高い分離効率で光学異性体を分離する観点から好ましい。
前記多糖は、光学活性な多糖であれば、合成多糖、天然多糖及び天然物変性多糖のいずれかであっても良い。前記多糖は、結合様式の規則性の高い多糖が好ましく、また鎖状の多糖が好ましい。前記多糖としては、種々の多糖を例示することができるが、特にセルロースやアミロースが好ましい。
前記多糖誘導体は、光学異性体の分離に用いることができる多糖誘導体であれば特に限定されない。このような多糖誘導体としては、例えば、前記多糖を骨格として含み、この多糖が有する水酸基及びアミノ基の少なくとも一部が、試料中の光学異性体に作用する官能基で置換されている多糖誘導体が挙げられる。前記多糖誘導体としては、種々の多糖誘導体を例示することができるが、特にセルロースのエステル誘導体、セルロースのカルバメート誘導体、アミロースのエステル誘導体、及びアミロースのカルバメート誘導体から選ばれる少なくともいずれかが好ましい。具体的に前記多糖誘導体としては、例えば国際公開95/23125号パンフレットに記載されている種々の多糖誘導体が挙げられる。
前記分離剤は、粒子状に成形された形態、又は粒子状の担体に担持されている形態等の粒子状の形態であっても良いし、カラムに収容される一体型の担体に担持されている形態、又は分離剤からなる一体型の成形物の形態等の、カラムに一体的に収容される成形物の形態であっても良い。特にカラムに一体的に収容される成形物の形態は、擬似移動床式ク
ロマトグラフィーにおける圧力損失を抑制する観点から好ましい。
前記粒子状の形態の分離剤のうち、粒子状に成形された形態の分離剤は、例えば特許第2783819号明細書に記載されているように、分離剤としての前記多糖又は多糖誘導体を溶媒に溶解し、得られた溶液を、水等の前記分離剤が溶解しない不溶性溶媒、好ましくは陰イオン界面活性剤等の分散剤を含有する前記不溶性溶媒に、この不溶性溶媒を攪拌しながら滴下することによって製造することが可能である。
また前記粒子状に成形された形態の分離剤は、多孔質体を形成することができる。このような分離剤は、例えば気泡又はポリジェンを前記分離剤の溶液に分散させ、分散させた溶液を前記不溶性溶媒に分散させ、分散している分離剤の溶液から溶媒を留去又は置換し、得られた分離剤の粒子を、必要に応じてポリジェンを溶解する洗浄用の溶剤で洗浄する方法が挙げられる。ポリジェンには、生成する分離剤の粒子に比べて、前記洗浄用の溶剤に対する溶解性の優れる樹脂や塩等の公知の粒子が用いられる。
また前記粒子状の分離剤のうち、粒子状の担体に担持されている形態の分離剤は、例えば分離剤を物理吸着や化学結合によって担体に担持させることによって製造することができる。分離剤の担体への担持は、分離剤及び必要に応じて他の化合物を含む溶液に担体を浸漬し、必要に応じて前記他の化合物を反応させ、溶液中の溶媒を留去するか、溶液中の溶媒を他の溶媒に置換する方法によって行うことができる。
前記担体としては、例えばポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、及びこれらの誘導体等の多孔質の有機担体;シリカ、アルミナ、マグネシア、ガラス、カオリン、酸化チタン、ケイ酸塩、ヒドロキシアパタイト等の多孔質の無機担体;等が挙げられる。
カラムに一体的に収容される成形物の形態のうち、カラムに収容される一体型の担体に担持されている形態の分離剤は、例えば一体型の担体に分離剤を前述したような手法で担持させることによって製造することが可能である。
また分離剤からなる一体型の成形物の形態の分離剤は、例えば前述した粒子状の形態の分離剤の製造における分離剤の溶液を適当な形状の容器に供給し、又は分離剤の溶液をカラム管に直接供給し、その後溶媒を留去又は置換することによって製造することが可能である。
本発明の溶剤組成調整装置は、二種以上の溶剤を含有する混合溶剤の組成を調整することができる装置であって、組成が調整されるべき前記混合溶剤を収容する調整槽と、調整槽に収容された混合溶剤の組成を検出する検出器と、調整槽に収容された混合溶剤に補給すべき溶剤を収容する補給用槽と、補給用槽の溶剤を調整槽に供給するための補給用流路と、前記検出器の検出結果に応じて前記補給用槽からの溶剤の供給を制御する制御装置とを有する。前記検出器は近赤外分光分析装置である。
本発明の溶剤組成調整装置において、調整槽、検出器、補給用槽、制御装置、精製装置、抜き出し用流路、除去装置、戻し用流路、及び循環用流路は、前述した本発明のクロマトグラフィー装置の前記調整部における各構成要素と同様に構成することができる。また、本発明の溶剤組成調整装置において、補給用流路は、前述した本発明のクロマトグラフィー装置の前記調整部における循環用流路や戻し用流路と同様に、管、フランジ、ポンプ、及び弁等の公知の部材によって構成することができる。
ある。
以下、本発明の実施の形態をより具体的に説明する。
<第一の実施の形態>
本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置は、図1に示すように、12本のカラム1〜12と、無端状の流路を形成するようにカラム1〜12を直列に接続する接続用流路13と、接続用流路13中の移動相を送液するためのポンプ14と、各カラム間の接続用流路13に接続され、接続用流路13へ移動相又は試料溶液を供給し、或いは接続用流路13から移動相を排出するための供給、排出用流路15〜18とを有する。
なお供給、排出用流路は、図1では四本しか示されていないが、各カラムを接続する全ての接続用流路にそれぞれ接続されている。カラム1から供給、排出用流路18は、前記分離部を構成している。
さらに前記擬似移動床式クロマトグラフィー装置は、三体の蒸発器19〜21及び22〜24と、これらの蒸発器によって濃縮された濃縮液を収容する貯留槽25及び26と、これらの蒸発器で除去された移動相が回収用流路27及び28を介して収容される調整槽29とを有する。
蒸発器19〜21は、各蒸発器で蒸発した移動相が調整槽29に供給されるように、回収用流路27によって調整槽29に対して並列に接続されている。また蒸発器19〜21は、各蒸発器の液相が順次後段の蒸発器及び貯留槽に供給されるように、貯留槽25に対して直列に接続されている。蒸発器22〜24と調整槽29、及び蒸発器22〜24と貯留槽26も、蒸発器19〜21と調整槽29、及び蒸発器19〜21と貯留槽25と同様に接続されている。蒸発器19から貯留槽26は、前記収集部を構成している。
さらに前記擬似移動床式クロマトグラフィー装置は、図2に示すように、調整槽29に収容された移動相を攪拌する攪拌装置30と、調整槽29に収容された移動相の組成を検出する近赤外分光センサ31と、調整槽29に収容された移動相の温度を検出する温度センサ32と、近赤外分光センサ31及び温度センサ32からの信号が入力される測定器33と、測定器33からの信号が入力される制御装置34と、調整槽29に収容された移動相に補給すべき溶剤を収容する二つの補給用槽35及び36と、それぞれの補給用槽と調整槽29とを接続する補給用流路37及び38と、それぞれの補給用流路に介在するポンプ39及び40、及び自動弁41及び42とを有する。
ポンプ39、40、自動弁41、42と制御装置34とは、制御装置34から出力される信号に応じてポンプ39、40、自動弁41、42が運転するように、電気的に接続されている。調整槽29には、調整槽29から移動相を排出するためのリサイクル用流路43が接続されている。回収用流路27から自動弁42は、前記調整部を構成している。
さらに前記擬似移動床式クロマトグラフィー装置では、それぞれの供給、排出用流路と、試料溶液を注入するための注入器(図示せず)、移動相の供給源(図示せず)、リサイクル用流路43、蒸発器19、及び蒸発器22のそれぞれとが自在に接続されるように、通常の管や分岐管、自動弁等(図示せず)を用いて配管されている。なお、各流路は管によって構成されている。また、調整槽29からリサイクル用流路43は、本発明の溶剤組成調整装置を構成している。
次に、前記擬似移動床式クロマトグラフィー装置による目的の物質の分離について説明する。本実施の形態では、移動相は、50体積%のメタノールと50体積%のアセトニトリルとの混合溶剤に、総量で0.01体積%のジエチルアミンを混合した混合溶剤であり、カラムに収容される分離剤は、例えば特許第2783819号明細書に記載の方法によ
って製造されるセルロースのカルバメート誘導体からなる粒子であり、試料溶液は、ラセミ体等の光学異性体の混合物の溶液であり、目的の物質は光学異性体であるとする。
カラム12とカラム1との間に接続されている供給、排出用流路15は、無端状の流路に移動相を供給する。カラム6とカラム7との間に接続されている供給、排出用流路16は、無端状の流路に試料溶液を供給する。カラム9とカラム10との間に接続されている供給、排出用流路17、及びカラム3とカラム4との間に接続されている供給、排出用流路18は、無端状の流路から移動相を排出する。
供給された試料溶液中の光学異性体は、まずカラム7の分離剤に吸着する。試料溶液中の光学異性体のうち、分離剤に吸着されやすい成分(以下、この成分を「ラフィネート」とも言う)は分離剤に強く吸着され、分離剤に吸着されにくい成分(以下、この成分を「エクストラクト」とも言う)は、ラフィネートに比べて脱着しやすく、移動相の流れ方向における下流側に分布する。ラフィネート及びエクストラクトは、共に移動相の流れによってカラム7を移動する。
ラフィネート及びエクストラクトがカラム7を流出したら、配管を切り替えて、カラム1とカラム2との間に接続されている供給、排出用流路から移動相を供給し、カラム7とカラム8との間に接続されている供給、排出用流路から試料溶液を供給し、カラム10とカラム11との間に接続されている供給、排出用流路、及びカラム4とカラム5との間に接続されている供給、排出用流路から移動相を排出する。ラフィネート及びエクストラクトがカラム7を通過する時間を1ピリオドとしたときに、前述したような配管の切り替えによる下流側への流路の交替を1ピリオドごとに行う。
前述した流路の交替を数ピリオド続けると、分離剤に対する吸着性に起因するエクストラクトの分布とラフィネートの分布との偏りがより顕在化する。そして試料溶液の供給位置に対して、無端状の流路における移動相の流れ方向の上流側にはエクストラクトが主に分布して濃縮され、下流側にはラフィネートが主に分布して濃縮される。そして図1に示すように、供給、排出用流路16から試料溶液が供給される場合では、試料溶液の供給位置からカラム3本上流側の供給、排出用流路である供給、排出用流路17から、濃縮されたエクストラクトを含有する移動相が排出され、試料溶液の供給位置からカラム3本下流側の供給、排出用流路である供給、排出用流路18から、濃縮されたラフィネートを含有する移動相が排出される。
エクストラクト及びラフィネートが無端状の流路から排出されるようになると、無端状の流路におけるエクストラクトとラフィネートの分布はほぼ一定となる。その後、流路の交替がピリオドごとに断続的に行われ、試料溶液の供給と分離された目的の物質を含有する移動相の排出とが連続して行われる。
次に、前記擬似移動床式クロマトグラフィー装置による目的の物質の収集について説明する。
供給、排出用流路18から排出された、ラフィネートを含有する移動相は、蒸発器19〜21によって例えば段階的に濃縮される。例えばラフィネートを含有する移動相は、蒸発器19によって30〜50質量%まで濃縮され、次いで蒸発器20によって40から70質量%まで濃縮され、次いで蒸発器21によって60〜99質量%まで濃縮され、貯留槽25に収容される。各蒸発器で除去された移動相は、回収用流路27によって調整槽29に供給される。貯留槽25に収容されたラフィネート含有組成物は、必要に応じて再結晶や減圧蒸留等によって精製される。
同様に、供給、排出用流路17から排出された、エクストラクトを含有する移動相は、蒸発器22〜24によって段階的に濃縮され、貯留槽26に収容される。また各蒸発器で除去された移動相は、回収用流路28によって調整槽29に供給される。貯留槽26に収容されたエクストラクト含有組成物も、必要に応じて再結晶や減圧蒸留等によって精製される。
次に、前記擬似移動床式クロマトグラフィー装置による移動相の調整について説明する。なお、補給用槽35にはアセトニトリルが収容されており、補給用槽36にはメタノールが収容されているものとする。
調整槽29に収容された移動相は、攪拌装置30によって均一に攪拌される。近赤外分光センサ31は、調整槽29に収容された移動相に光を照射し、近赤外領域(例えば0.8〜2.5μm)における移動相の反射光(又は透過光)の波長ごとの強度を検出する。温度センサ32は、調整槽29に収容された移動相の温度を検出する。近赤外分光センサ31で検出された近赤外領域における波長ごとの強度は、測定器33を介して制御装置34に送られる。また、温度センサ32で検出された温度は、測定器33を介して制御装置34に送られる。
制御装置34は、例えば検出結果におけるアセトニトリルに特有の波長の強度を、温度センサ32が検出した移動相の温度に応じて所定の温度(例えば移動相が分離部にて使用される温度)の値に、必要に応じて補正する。この補正は、例えば移動相の温度が所定の温度に対して有意差を有する場合に行われる。またこの補正は、例えば所定の温度における移動相の組成を予め検出したときの実測値の採用によって行われる。
一方、制御装置34は、近赤外分光センサ31の検出結果におけるそれぞれの溶剤に特有の波長の強度又はその補正値と、制御装置34に記憶されている、所定の温度でのそれぞれの溶剤の検量線における波長の強度とを比較する。そして制御装置34は、前記波長の強度等が検量線における波長の強度よりも小さい場合に、例えば近赤外分光センサ31によるアセトニトリルに特有の波長の強度等が、検量線におけるアセトニトリルに特有の波長の所望の濃度の強度になるまで、自動弁41を開き、ポンプ39を運転させて、アセトニトリルを調整槽29に供給する。
又は制御装置34は、近赤外分光センサ31による検出結果におけるアセトニトリルに特有の波長の強度又は温度センサ32による検出結果に基づいて補正された前記波長の強度の値と、検量線から求められる、所望の濃度におけるアセトニトリルに特有の波長の強度との差に相当するアセトニトリルの量を算出し、自動弁41を開き、ポンプ39を運転させて、算出された量のアセトニトリルを補給用槽35から調整槽29に供給する。
制御装置34は、アセトニトリルと同様に、近赤外分光センサ31の検出結果と、制御装置34に記憶されている検量線とに基づいて、必要であればメタノールを補給用槽36からポンプ40及び自動弁42を介して調整槽29に供給する。
制御装置34は、各溶剤に特有の波長の強度の検出値と検量線における各溶剤に特有の波長の強度とが所定の許容範囲で一致したら、調整槽29に収容されている移動相をリサイクル用流路43へ排出する。リサイクル用流路43に排出された移動相は、無端状の流路に移動相を供給する供給、排出用流路(図1では供給、排出用流路15)に供給され、擬似移動床式クロマトグラフィー装置における移動相に再利用される。
なお、前記擬似移動床式クロマトグラフィー装置では、供給、排出用流路15〜18を、互いの間に三本のカラムを挟むように等間隔に設定したが、供給、排出用流路15〜1
8の間隔は等間隔でなくても良い。これらの流路の間隔は、分離剤の種類や目的の物質の種類等に応じて適宜設定することができる。
また前記擬似移動床式クロマトグラフィー装置では、移動相中の溶剤のうち、溶剤の沸点や含有量の大きな二つの溶剤(アセトニトリルとメタノール)を補給すべき溶剤とし、これらを補給するための二つの補給用槽35及び36を設けたが、三つの補給用槽を設けても良い。また三種のうちの二種の溶剤が回収時に共沸する場合では、残りの一種の補給で移動相の組成を調整することも可能であり、このような場合では補給用槽を一つだけ設けることも可能である。
また前記擬似移動床式クロマトグラフィー装置には、試料溶液中に含まれる微量の不純物や、蒸発器からの飛沫同伴物を移動相から除去するために、リサイクル用流路43に吸着器やガードカラム等の吸着手段をさらに設けても良い。また調整槽29に収容された移動相の量を検出するために、調整槽29に液面センサをさらに設けても良い。また各蒸発器で蒸発し、回収された移動相を、調整槽29に収容する前に一時的に収容するための回収槽をさらに設けても良い。また調整槽29における近赤外分光センサ31による組成の検出の結果、再利用に不適当と判断される移動相を収容するための再処理用槽をさらに設けても良い。
また、本実施の形態において、取り出されたラフィネート及びエクストラクトのうち、一方の成分は必要であり、他方の成分は不要である場合では、他方の成分を、加熱や酵素の使用等の公知の方法によってラセミ化し、試料溶液に再利用することが可能である。ラセミ化の方法及び条件は、光学異性体の種類に応じて適宜に決定される。
本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置は、複数のカラムが直列に接続されて形成される無端状の流路に光学異性体の混合物の溶液を供給して光学異性体を分離する分離部と、分離部で分離された光学異性体を含有する移動相から移動相を蒸発させて光学異性体を収集する収集部と、収集部で除去された移動相を回収し、回収した移動相の組成を無端状の流路に供給され得る移動相の組成に調整する調整部とを有し、移動相にはアセトニトリルとメタノールの当量混合物に少量のジエチルアミンを混合した混合溶剤を用い、調整部で調整した移動相を無端状の流路に供給することから、試料溶液の供給と光学異性体の分離とを連続して行うことができ、かつ移動相を再生してさらなる光学分割に再利用することができる。
また本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置は、前記調整部が、調整槽29と、調整槽に供給された移動相の組成を検出する近赤外分光センサ31と、調整槽29に収容されている移動相に補給すべき溶剤であるアセトニトリルを収容した補給用槽35及びメタノールを収容した補給用槽36と、近赤外分光センサ31の検出結果に応じて補給用槽35及び36からの溶剤の補給を制御する制御装置34とを有することから、移動相中の溶剤の濃度が迅速かつ正確かつ精密に検出される。このため、誘電率等の他の物性が近い溶剤を含有する移動相や、他の溶剤に比べて少量の溶剤を含有する移動相の組成も検出することができ、移動相の種類に関わらず移動相を再利用することができる。
また本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置は、近赤外分光センサ31を用いることから、蒸発器ので飛沫同伴物等の、系内で生じた極微量の不純物の混入、同定、及び定量が可能である。
また本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置は、近赤外分光センサ31が調整槽29中の移動相の組成を検出することから、移動相の組成を簡易な構成で検出することができる。
また本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置は、メタノールとアセトニトリルとを体積比50:50で含有する混合溶剤を移動相に用いることから、ラフィネートとエクストラクトとにおける展開速度や分布の明確さを適切に調整することが可能である。また、総量で0.01体積%のジエチルアミンをさらに含有する混合溶剤を移動相に用いることから、塩基性の官能基や酸性の官能基を有する光学異性体の分離時における安定性をより一層高めることができる。
また本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置は、カラムに収容される分離剤に、光学活性な多糖誘導体であるセルロースのカルバメート誘導体からなる粒子状の分離剤を用いることから、光学異性体を高い分離効率で分離することができる。
また本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置は、調整槽29に収容された移動相の温度を検出する温度センサ32を有することから、近赤外分光センサ31による検出値に対する移動相の温度による影響を補正することができ、移動相の組成をより一層正確に調整することができる。
<第二の実施の形態>
本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置は、図3に示すように、蒸発器で除去された移動相が回収用流路27及び28を介して収容される回収槽51と、回収槽51に収容された移動相を精製するための精製装置である蒸留装置52とをさらに有し、蒸留装置52で蒸留された移動相が供給されるように、蒸留装置52と調整槽29とが接続されている点を除いて、第一の実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置と同様に構成されている。
本実施の形態の擬似移動床クロマトグラフィー装置における目的の物質の分離及び収集は、第一の実施の形態と同様に行われる。本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置における移動相の調整について説明する。
蒸発器19〜24で蒸発した移動相は、回収用流路27及び28を介して回収槽51に供給される。回収槽51に収容された移動相は、蒸留装置52に供給される。蒸留装置52に供給された移動相は蒸留され、例えば試料溶液に含まれる他の溶剤や副生物等が移動相中から缶出液として除去される。こうして、例えば98質量%以上の純度の移動相が蒸留装置52から留出し、調整槽29に供給される。調整槽29での移動相の調整は、第一の実施の形態と同様に行われる。
本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置は、蒸留装置52を有することから、第一の実施の形態の効果に加えて、調整槽29で調整される前の移動相の純度をさらに高めることができる。したがって、移動相を長期にわたって利用し続け、かつ光学分割を安定して行う観点からより一層効果的である。
<第三の実施の形態>
本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置は、図4に示すように、調整槽29において、調整槽29中の移動相を循環させるための循環用流路55と、循環用流路5に移動相を循環させるためのポンプ56とをさらに有し、循環用流路55中の移動相の組成及び温度を検出するように近赤外分光センサ31及び温度センサ32が設けられている点を除いて、第一の実施の形態や第二の実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置と同様に構成されている。
本実施の形態の擬似移動床クロマトグラフィー装置における目的の物質の分離及び収集
は、第一の実施の形態と同様に行われる。本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置における移動相の調整について説明する。
調整槽29に収容された移動相は、攪拌装置30によって均一に攪拌され、ポンプ56によって循環用流路55を循環する。近赤外分光センサ31は、循環用流路55中の移動相に光を照射し、近赤外領域における移動相の反射光(又は透過光)の波長ごとの強度を検出する。温度センサ32は、循環用流路55中の移動相の温度を検出する。これらの検出以降の操作は、第一の実施の形態と同様に行われる。
本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置は、近赤外分光センサ31で調整槽29中の移動相の組成を検出することによって簡易な構成で移動相の組成を検出する旨の効果を除いて、第一の実施の形態や第二の実施の形態と同様の効果を奏する。
さらに本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置は、近赤外分光センサ31及び温度センサ32で検出する移動相が、補給すべき溶剤が供給され攪拌された移動相であることから、検出しようとする移動相において、溶剤や移動相の供給による濃度分布の変動が抑制され、近赤外分光センサ31や温度センサ32による検出結果の変動が抑制される。したがって、特に飛沫同伴成分や微量の不純物、ジエチルアミン等の少量の溶剤等の、移動相中の少量の成分の検出の精度を高める観点からより一層効果的であり、また移動相の組成の調整における精度を高める観点からより一層効果的である。
<第四の実施の形態>
本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置は、調整槽29中の移動相の液面を検出する液面計をさらに有し、この液面計は近赤外分光センサ31や温度センサ32と同様に、測定器33を介して制御装置34に接続されている点を除いて、第一の実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置と同様に構成されている。
本実施の形態の擬似移動床クロマトグラフィー装置における目的の物質の分離及び収集は、第一の実施の形態と同様に行われる。本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置における移動相の調整について説明する。
調整槽29に収容された移動相は、攪拌装置30によって均一に攪拌される。近赤外分光センサ31は、調整槽29に収容された移動相に光を照射し、近赤外領域における移動相の反射光(又は透過光)の波長ごとの強度を検出する。温度センサ32は、調整槽29に収容された移動相の温度を検出する。前記液面計は、調整槽29に収容されている移動相の液面の位置を検出する。近赤外分光センサ31で検出された近赤外領域における波長ごとの強度は、測定器33を介して制御装置34に送られる。また、温度センサ32で検出された温度は、測定器33を介して制御装置34に送られる。また、前記液面計で検出された液面の位置は、測定器33を介して制御装置34に送られる。
制御装置34は、近赤外分光センサ31の検出結果におけるそれぞれの溶剤に特有の波長の強度、又は温度センサ32による移動相の温度の検出に基づく前記波長の補正された強度の値から、調整槽29に収容されている移動相の各溶剤の組成比を求める。また、制御装置34は、前記液面計によって検出された調整槽29中の移動相の液面の位置から、調整槽29に収容されている移動相の容積を求める。
そして制御装置34は、調整槽29に収容されている移動相の各溶剤の組成比と、調整槽29に収容されている移動相の容積と、制御装置34に記憶されている移動相中の各溶剤の所定の温度における密度とから、調整槽29に収容されている移動相中の各溶剤の重量を求める。
そして制御装置34は、調整槽29に収容されている移動相中の各溶剤の重量と、制御装置34に記憶されている移動相の総重量ごとの各溶剤の初期設定値とを比較して、初期設定値よりも実際の重量が少ない溶剤について、初期設定値を満足する必要量の溶剤を補給用槽35、36から調整槽29に供給する。
又は制御装置34は、調整槽29に収容されている移動相の容積から移動相に含まれているべき各溶剤の重量を求め、求められたその移動相の容量における各溶剤の重量の理論値と、調整槽29に収容されている移動相の各溶剤の実際の重量とを比較して、補給を要する溶剤の種類及び量を特定し、必要量の溶剤を補給用槽35、36から調整槽29に供給する。
補給用槽35、36からの所定量の溶剤の供給は、ポンプ39、40の運転、補給用流路37、38に設けられた流量計の使用、補給用槽35、36に設けられた他の液面計の使用等の公知の方法によって行うことができる。移動相の調整以降の操作については、第一の実施の形態と同様に行われる。
本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置は、調整槽29中の移動相の液面を検出する液面計を有することから、移動相中の補給すべき溶剤の補給量を制御装置34において重量で求めることができる。したがって、一回又は二回程度の溶剤の補給で移動相の組成を調整することができ、移動相の組成をより一層迅速に調整することができる。加えて、本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置は、前述した第一の実施の形態と同様の効果を奏する。
なお、本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置は、前記液面計を第一の実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置に適用した形態であるが、第二又は第三の実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置にも同様に適用することが可能である。第二又は第三の実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置に、本実施の形態で説明したように液面計を設置すると、前述した本実施の形態の効果に加えて、第二又は第三の実施の形態の効果と同様の効果が得られる。
<第五の実施の形態>
本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置は、図5に示すように、調整槽29の底部に接続され、調整槽29から混合溶剤である移動相を抜き出すための抜き出し用流路61と、抜き出し用流路61の移動相中の任意の成分を除く除去装置62と、除去装置62と回収用流路27、28とを接続し、除去装置62によって任意の成分が除かれた移動相を調整槽29に戻すための戻し用流路63と、抜き出し用流路61を開閉するための自動弁64と、抜き出し用流路61の移動相を除去装置62に向けて送るためのポンプ65とをさらに有し、自動弁64及びポンプ65が制御装置34にさらに接続されている以外は、前述した第一の実施の形態と同じ構成を有する。
抜き出し用流路61は除去装置62の底部に接続されている。除去装置62は、例えば移動相中の任意の成分を吸着して移動相から除くための吸着剤が充填されている吸着塔である。吸着剤には、例えば移動相中からジエチルアミンを吸着するシリカ、アルミナ、及び活性炭等の公知の吸着剤が用いられる。戻し用流路63は、除去装置62の頂部に接続されている。
また、制御装置34には、調整槽29に収容された移動相中のジエチルアミンの量(又は濃度)の上限値がさらに設定されている。この上限値は、例えば、所望の移動相の組成として設定されている移動相中のジエチルアミンの割合(又は濃度)である。
制御装置34は、調整槽29中の移動相中のジエチルアミンの量を、近赤外分光センサ31の検出値に基づいて求める。調整槽29中の移動相中のジエチルアミンの量が前記上限値を下回っている間は、制御装置34は、自動弁64を閉じ、またポンプ65を停止している。
調整槽29中の移動相中のジエチルアミンの量が前記上限値を上回った場合では、制御装置34は、自動弁64を開き、またポンプ65を運転させる。これにより、調整槽29中の移動相は、抜き出し用流路61に抜き出される。
調整槽29から抜き出し用流路61に抜き出された移動相は、抜き出し用流路61から除去装置62に送られる。除去装置62に送られた移動相からは、移動相中のジエチルアミンが吸着剤に吸着される。これにより、移動相中のジエチルアミンは、移動相から完全に又は一部除去される。除去装置62への移動相の供給によって、移動相中のジエチルアミンの量は削減される。
除去装置62によってジエチルアミンの量が削減された移動相は、戻し用流路63及び回収用流路27、28を介して調整槽29に戻される。
回収用流路27、28の移動相は、蒸発器19〜24において蒸発した成分の凝縮液である。このため、移動相である混合溶剤の中で最も沸点の低い低沸点成分であるジエチルアミンは、移動相の再生と再利用とに伴い、蒸発器で幾度も蒸発することによって、凝縮液中での濃度が当初の濃度よりも高くなりやすい。このため、回収用流路27、28の移動相は、移動相としての所望の組成よりも高い濃度のジエチルアミンを含有する移動相になりやすい。
しかしながら、調整槽29では、高い濃度のジエチルアミンを含有する移動相が増加しても、このような移動相は、調整槽29から抜き出し用流路61へ抜き出されるので、調整槽29中の移動相の量とともに調整槽29中のジエチルアミンの量を減らすことができる。
また、抜き出された移動相からは、除去装置62によってジエチルアミンが除かれる。こうして、当初の移動相の組成に対して、ジエチルアミンの濃度が低くなり、メタノール及びアセトニトリルの濃度が高くなった移動相は、回収用流路27、28に供給される。したがって、戻し用流路63からの移動相の供給によって、調整槽29中の移動相は、回収用流路27、28から供給される移動相よりも、ジエチルアミンの濃度が低い移動相となる。
このようにして、調整槽29中の移動相では、移動相の抜き出し前に比べて、ジエチルアミンの含有量が低減する。そして、抜き出した移動相におけるジエチルアミン以外の成分は調整槽29に戻される。したがって、移動相の抜き出し前に比べて、調整槽20の移動相におけるジエチルアミンの濃度が低下する。この低減したジエチルアミンの量に基づいて、調整槽29中の移動相の組成が調整される。
本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置は、第一の実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置に比べて、抜き出し用流路61をさらに有し、制御装置34は、近赤外分光センサ31の検出結果に基づいて、調整槽29中のジエチルアミンの量が前記上限値を超えないように、調整槽29からの移動相の抜き出し量をさらに制御することから、移動相の回収と再生の繰り返しに伴って移動相中において濃縮されるジエチルアミンを調整槽29から抜き出すことができる。したがって、調整槽29中の移動相におけ
るジエチルアミンの量を減らすことができ、ジエチルアミンの希釈のために他の成分を移動相に補給することによって調整槽29から移動相が溢れることを防止することができる。
また、本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置は、第一の実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置に比べて、抜き出し用流路61の移動相中のジエチルアミンを除く除去装置62と、除去装置62によってジエチルアミンが除かれた移動相を調整槽29に戻すための戻し用流路63とをさらに有することから、ジエチルアミンが除かれた移動相を調整槽29にさらに供給することができる。したがって、調整槽29中の移動相からジエチルアミンのみを除くことができる。また、ジエチルアミン以外のメタノール及びアセトニトリルは除去されないことから、これらの溶剤の調整槽29への供給量を削減することができる。
加えて、本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置は、前述した第一の実施の形態と同様の効果を奏する。また、本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置は、第二又は第三の実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置にも同様に適用することが可能である。第二又は第三の実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置に、本実施の形態で説明した抜き出し用流路61等を設けると、前述した本実施の形態の効果に加えて、第二又は第三の実施の形態の効果と同様の効果が得られる。
なお、本実施の形態では、調整槽29から移動相を排出するための流路として、リサイクル用流路43と抜き出し用流路61とが設けられている。このような構成によれば、リサイクル用流路43には組成が調整された移動相のみが供給されるため、再利用される移動相への不純物の混入を防止する観点からより一層効果的である。しかしながら、本発明では、リサイクル用流路43を抜き出し用流路としても用いることができるように、リサイクル用流路43中の移動相を外部に排出するための排出口を設けても良いし、又はリサイクル用流路43から分岐する分岐管を設け、自動弁64及びポンプ65を介して分岐管と除去装置62とを接続しても良い。このような構成によれば、調整槽29から移動相を排出する(抜き出す)ための流路の構成を簡素化することが可能である。
また、本実施の形態では、戻し用流路63を回収用流路27、28に接続する構成としたが、戻し用流路63を回収用流路27、28に接続する代わりに調整槽29に接続しても同様の効果を得ることができる。
<第六の実施の形態>
本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置は、図6に示すように、抜き出し用流路61からポンプ65までを有する以外は、前述した第三の実施の形態と同じ構成を有する。抜き出し用流路61からポンプ65までの構成については、除去装置62が蒸留装置である以外は、前述した第五の実施の形態と同じ構成とされている。
前記蒸留装置は、移動相からジエチルアミンを留去させる装置である。抜き出し用流路61は蒸留装置の下部に接続されており、戻し用流路63は、蒸留装置の底部に接続されており、蒸留装置の缶出液を回収用流路27、28に供給する。
本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置は、前述した第三の実施の形態及び第五の実施の形態と同様の効果を奏する。
<第七の実施の形態>
本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置は、図7に示すように、回収用流路27、28に接続されているバイパス流路66と、バイパス流路66における移動相中
の任意の成分としてのジエチルアミンを除くための前除去装置67と、回収用流路27、28における移動相の流量を調整するための自動弁68と、バイパス流路66における移動相の流量を調整するための自動弁69とをさらに有する以外は、前述した第一の実施の形態と同じ構成を有する。
バイパス流路66は、回収用流路27、28の一部を迂回する流路を形成している。前除去装置67は、前述した第五の実施の形態における除去装置62と同様の、移動相の流路中に収容される前記吸着剤を有する吸着装置である。自動弁68、69はそれぞれ制御装置34に接続されている。回収用流路27、28は本発明における主流路に相当し、自動弁68、69は本発明における移動相流量調整装置に相当する。また、制御装置34には、前述した第五の実施の形態と同様に、調整槽29に収容された移動相中のジエチルアミンの量(又は濃度)の上限値がさらに設定されている。
制御装置34は、調整槽29中の移動相中のジエチルアミンの量を、近赤外分光センサ31の検出値に基づいて求める。調整槽29中の移動相中のジエチルアミンの量が前記上限値を下回っている間は、制御装置34は、自動弁69を閉じている。
調整槽29中の移動相中のジエチルアミンの量が前記上限値を上回った場合では、制御装置34は、自動弁69を開く方向に操作し、自動弁68を閉じる方向に操作する。これにより、回収用流路27、28の移動相の一部又は全部がバイパス流路66に供給される。
バイパス流路66に供給された移動相は、前除去装置67を通過する。前除去装置67に供給された移動相からは、移動相中のジエチルアミンが吸着剤に吸着される。これにより、移動相中のジエチルアミンは、移動相から完全に又は一部除去される。
前除去装置67によってジエチルアミンの量が削減された移動相は、再び回収量流路27、28に供給される。こうして、調整槽29中の移動相の組成に応じて、ジエチルアミンの濃度が低下した移動相が調整槽29に供給される。
本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置は、調整槽29中の移動相におけるジエチルアミンの濃度を低下させることができる。また、ジエチルアミン以外のメタノール及びアセトニトリルは除去されないことから、これらの溶剤の調整槽29への供給量を削減することができる。
加えて、本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置は、前述した第一の実施の形態と同様の効果を奏する。また、本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置は、第二又は第三の実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置にも同様に適用することが可能である。第二又は第三の実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー装置に、本実施の形態で説明したバイパス流路66等を設けると、前述した本実施の形態の効果に加えて、第二又は第三の実施の形態の効果と同様の効果が得られる。
<第八の実施の形態>
本実施の形態のクロマトグラフィー装置は、高速液体クロマトグラフィー装置であり、図8に示すように、前記分離部以外は、前述した第一の実施の形態と同様の構成を有する。
前記分離部は、リサイクル用流路43に接続される移動相用の流路71と、移動相用の流路71から分岐する二本の排出用流路72、73とを有する。移動相用の流路71には、リサイクル用流路43からの移動相を送るためのポンプ74と、ポンプ74によって送
られた移動相の温度を調節するための熱交換器75と、熱交換器75によって温度が調節された移動相に試料溶液を注入するための注入器76と、試料溶液が注入された移動相中の目的の物質を分離するためのカラム77と、カラム77によって分離された成分を検出する検出器78とが設けられている。また。各排出用流路72、73には、各排出用流路72、73を開閉するための自動弁79、80がそれぞれ設けられている。
本実施の形態では、カラム77によって分離された目的の物質を含有する移動相は、排出用流路72に供給される。また、カラム77によって分離された目的の物質以外の成分を含有する移動相は、排出用流路73に供給される。このように、各排出用流路は、カラム77通過後の移動相中の成分によって使い分けられる。
本実施の形態のクロマトグラフィー装置は、試料溶液の供給と光学異性体の分離とを連続して行うことができる旨の効果以外は、前述した第一の実施の形態の効果と同様の効果を奏する。また、本実施の形態のクロマトグラフィー装置は、前述した第二から第七の実施の形態に適用することができ、試料溶液の供給と光学異性体の分離とを連続して行うことができる旨の効果以外は、各実施の形態の効果と同様の効果を奏する。
本発明の擬似移動床式クロマトグラフィー装置の一実施の形態の構成を概略的に示す図である。 図1に示す擬似移動床式クロマトグラフィー装置における調整部の構成を概略的に示す図である。 本発明の擬似移動床式クロマトグラフィー装置の他の実施の形態の構成を概略的に示す図である。 本発明の擬似移動床式クロマトグラフィー装置における調整部の構成の他の例を概略的に示す図である。 本発明における他の実施の形態の構成を概略的に示す図である。 本発明における他の実施の形態の構成を概略的に示す図である。 本発明における他の実施の形態の構成を概略的に示す図である。 本発明のクロマトグラフィー装置の一実施の形態の構成を概略的に示す図である。
符号の説明
1〜12、77 カラム
13 接続用流路
14、39、40、56、65、74 ポンプ
15〜18 供給、排出用流路
19〜24 蒸発器
25、26 貯留槽
27、28 回収用流路
29 調整槽
30 攪拌装置
31 近赤外分光センサ
32 温度センサ
33 測定器
34 制御装置
35、36 補給用槽
37、38 補給用流路
41、42、64、68、69、79、80 自動弁
43 リサイクル用流路
51 回収槽
52 蒸留装置
55 循環用流路
61 抜き出し用流路
62 除去装置
63 戻し用流路
66 バイパス流路
67 前除去装置
71 移動相用の流路
72、73 排出用流路
75 熱交換器
76 注入器
78 検出器

Claims (22)

  1. カラムを含む移動相の流路に目的の物質を含有する試料溶液と移動相とを供給して試料溶液から目的の物質を分離するための分離部と、
    前記分離部で分離された目的の物質を含有する移動相から移動相を除去して目的の物質を収集するための収集部と、
    前記収集部で除去された移動相を回収し、回収した移動相の組成を前記移動相の流路に供給され得る移動相の組成に調整する調整部とを有し、
    前記移動相には二種以上の溶剤を含有する混合溶剤を用い、前記調整部で調整された移動相が前記移動相の流路に供給されるクロマトグラフィー装置であって、
    前記調整部は、組成を調整すべき移動相を収容する調整槽と、前記調整槽に供給された移動相の組成を検出する検出器と、前記調整槽に供給された移動相に補給すべき溶剤を収容する補給用槽と、前記検出器の検出結果に応じて前記補給用槽からの溶剤の補給を制御する制御装置とを有するクロマトグラフィー装置において、
    前記検出器は近赤外分光分析装置であり、
    前記調整部は、前記調整槽中の移動相の液面を検出する液面計をさらに有し、前記制御装置は、前記液面計の検出結果に基づいて調整槽中の移動相の量を求め、求められた移動相の量と、前記検出器で検出された移動相の組成とに基づいて、前記補給用槽からの前記溶剤の補給を制御することを特徴とする装置。
  2. 前記調整部は、前記調整槽に移動相を供給するための主流路と、前記主流路に接続されているバイパス流路と、前記バイパス流路における移動相中の任意の成分を除くための前除去装置と、前記主流路及び前記バイパス流路における移動相の流量を調整するための移動相流量調整装置とをさらに有することを特徴とする請求項に記載の装置。
  3. カラムを含む移動相の流路に目的の物質を含有する試料溶液と移動相とを供給して試料溶液から目的の物質を分離するための分離部と、
    前記分離部で分離された目的の物質を含有する移動相から移動相を除去して目的の物質を収集するための収集部と、
    前記収集部で除去された移動相を回収し、回収した移動相の組成を前記移動相の流路に供給され得る移動相の組成に調整する調整部とを有し、
    前記移動相には二種以上の溶剤を含有する混合溶剤を用い、前記調整部で調整された移動相が前記移動相の流路に供給されるクロマトグラフィー装置であって、
    前記調整部は、組成を調整すべき移動相を収容する調整槽と、前記調整槽に供給された移動相の組成を検出する検出器と、前記調整槽に供給された移動相に補給すべき溶剤を収容する補給用槽と、前記検出器の検出結果に応じて前記補給用槽からの溶剤の補給を制御する制御装置とを有するクロマトグラフィー装置において、
    前記検出器は近赤外分光分析装置であり、
    前記調整部は、前記調整槽に移動相を供給するための主流路と、前記主流路に接続されているバイパス流路と、前記バイパス流路における移動相中の任意の成分を除くための前除去装置と、前記主流路及び前記バイパス流路における移動相の流量を調整するための移動相流量調整装置とをさらに有することを特徴とする装置。
  4. 前記調整部は、前記調整槽中の移動相の液面を検出する液面計をさらに有し、前記制御装置は、前記液面計の検出結果に基づいて調整槽中の移動相の量を求め、求められた移動相の量と、前記検出器で検出された移動相の組成とに基づいて、前記補給用槽からの前記溶剤の補給を制御することを特徴とする請求項に記載の装置。
  5. 前記調整部は、回収した移動相を精製するための精製装置をさらに有し、前記精製装置で精製された移動相が前記調整槽に供給されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
  6. 前記検出器は、前記調整槽中の移動相の組成を検出することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
  7. 前記調整部は、前記調整槽中の移動相を循環させるための循環用流路をさらに有し、前記検出器は、前記循環用流路中の移動相の組成を検出することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
  8. 前記調整部は、前記調整槽から移動相を抜き出すための抜き出し用流路をさらに有し、前記制御装置は、前記検出器の検出結果に基づいて調整槽からの移動相の抜き出し量をさらに制御することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
  9. 前記調整部は、前記抜き出し用流路の移動相中の任意の成分を除く除去装置と、除去装置によって任意の成分が除かれた移動相を調整槽に戻すための戻し用流路とをさらに有することを特徴とする請求項記載の装置。
  10. 前記移動相は、メタノール、エタノール、及びイソプロピルアルコールから選ばれる第一の溶剤と、ノルマルヘキサン及びアセトニトリルから選ばれる第二の溶剤とを含有し、前記第一の溶剤と前記第二の溶剤との体積比(第一の溶剤:第二の溶剤)が10:90〜50:50であることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
  11. 前記移動相は、0.01〜0.5体積%のジエチルアミンをさらに含有することを特徴とする請求項10記載の装置。
  12. 前記分離部は、複数のカラムが直列に接続されて形成される無端状の流路に目的の物質を含有する試料溶液と移動相とを供給して試料溶液から目的の物質を分離するための分離部であり、
    擬似移動床式クロマトグラフィー装置であることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
  13. 前記カラムは、光学活性な多糖又は多糖誘導体を含有する分離剤を収容するカラムであり、前記目的の物質は光学異性体であることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の装置。
  14. 前記多糖はセルロース又はアミロースであり、前記多糖誘導体は、セルロースのエステル誘導体、セルロースのカルバメート誘導体、アミロースのエステル誘導体、及びアミロースのカルバメート誘導体から少なくとも選ばれることを特徴とする請求項13記載の装置。
  15. 二種以上の溶剤を含有し、組成が調整されるべき混合溶剤の組成を調整することができる装置であって、
    組成が調整されるべき前記混合溶剤を収容する調整槽と、
    調整槽に収容された混合溶剤の組成を検出する検出器と、
    調整槽に収容された混合溶剤に補給すべき溶剤を収容する補給用槽と、
    補給用槽の溶剤を調整槽に供給するための補給用流路と、
    前記検出器の検出結果に応じて前記補給用槽からの溶剤の供給を制御する制御装置とを有し、
    前記検出器は近赤外分光分析装置であり、
    前記調整槽中の混合溶剤の液面を検出する液面計をさらに有し、前記制御装置は、前記液面計の検出結果に基づいて調整槽中の混合溶剤の量を求め、求められた混合溶剤の量と、前記検出器で検出された混合溶剤の組成とに基づいて、前記補給用槽からの前記溶剤の供給を制御することを特徴とする装置。
  16. 前記調整槽に移動相を供給するための主流路と、前記主流路に接続されているバイパス流路と、前記バイパス流路における移動相中の任意の成分を除くための前除去装置と、前記主流路及び前記バイパス流路における移動相の流量を調整するための移動相流量調整装置とをさらに有することを特徴とする請求項15に記載の装置。
  17. 二種以上の溶剤を含有し、組成が調整されるべき混合溶剤の組成を調整することができる装置であって、
    組成が調整されるべき前記混合溶剤を収容する調整槽と、
    調整槽に収容された混合溶剤の組成を検出する検出器と、
    調整槽に収容された混合溶剤に補給すべき溶剤を収容する補給用槽と、
    補給用槽の溶剤を調整槽に供給するための補給用流路と、
    前記検出器の検出結果に応じて前記補給用槽からの溶剤の供給を制御する制御装置とを有し、
    前記検出器は近赤外分光分析装置であり、
    前記調整槽に移動相を供給するための主流路と、前記主流路に接続されているバイパス流路と、前記バイパス流路における移動相中の任意の成分を除くための前除去装置と、前記主流路及び前記バイパス流路における移動相の流量を調整するための移動相流量調整装置とをさらに有することを特徴とする装置。
  18. 前記調整槽中の混合溶剤の液面を検出する液面計をさらに有し、前記制御装置は、前記液面計の検出結果に基づいて調整槽中の混合溶剤の量を求め、求められた混合溶剤の量と、前記検出器で検出された混合溶剤の組成とに基づいて、前記補給用槽からの前記溶剤の供給を制御することを特徴とする請求項17に記載の装置。
  19. 前記調整槽に供給される混合溶剤を精製するための精製装置をさらに有することを特徴とする請求項15から18のいずれか一項に記載の装置。
  20. 前記調整槽から混合溶剤を抜き出すための抜き出し用流路をさらに有し、前記制御装置は、前記検出器の検出結果に基づいて調整槽からの混合溶剤の抜き出し量をさらに制御することを特徴とする請求項15から19のいずれか一項に記載の装置。
  21. 前記抜き出し用流路の混合溶剤中の任意の成分を除く除去装置と、除去装置によって任意の成分が除かれた混合溶剤を調整槽に戻すための戻し用流路とをさらに有することを特徴とする請求項20記載の装置。
  22. 前記調整槽中の混合溶剤を循環させるための循環用流路をさらに有し、前記検出器は、前記循環用流路中の混合溶剤の組成を検出することを特徴とする請求項15から21のいずれか一項に記載の装置。
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