JP4650905B2 - 抄紙機の湿部に用いる抄紙網 - Google Patents

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Description

本発明は、特許請求の範囲第1項の前文に記載の抄紙機の湿部に用いる一層又は多層の抄紙網に関する。
従来のフォードリニア抄紙法では、パルプ液すなわちセルロース繊維の懸濁液(紙原料)を、ワイヤ及び/又は合成材料から成るいわゆる無端網の上面に載置する。このワイヤ製の網がフィルターの役割を果たし、セルロース繊維が水性媒体から分離されていわゆる湿紙匹が形成される。この湿紙匹形成過程において、抄紙網はフィルターとして働き、水性媒体が網目を通過することで、セルロース繊維から分離される。
脱水時間の短縮のために、抄紙網の下面側すなわちマシン側から吸引しながらこのフィルター工程を行なうことが多い。紙匹は成形部を出た後、抄紙機の圧搾部へ搬送され、一対あるいは数対の押圧ローラの間隙の間に通される。ローラ上にはいわゆるプレスフェルトと呼ばれる織物が張り渡されている。ローラにより紙匹に圧力をかけることで余分な水分を取り除くが、プレスフェルト中に「マット」層を設けることで圧力を高めることが多い。圧搾部を経た後、さらに水分を取り除くため、紙匹は抄紙機の乾燥部に搬送される。乾燥後、紙に二次的加工を行なう場合はこれに供され、最後に包装される。
抄紙機における抄紙網は無端網の形で得られ、その製造方法は2種類ある。第1の方法では、別個の平織り網の各自由端を「スプライシング」として知られる工程により結合して、無端網を作製する。この方法で作製された平織り型抄紙網では、経糸がマシン方向に沿い、緯糸がクロスマシン方向に沿う。第2の方法では、いわゆる無端網法により、抄紙網は連続帯の形で直接作製される。この方法では、経糸がクロスマシン方向となり、緯糸がマシン方向となる。関連文献においては、マシン方向(machine direction)をMD、クロスマシン方向(cross machine direction)をCMDとそれぞれ略して用いることが多い。
抄紙機の湿部内においては、懸濁液のセルロース繊維を抄紙網の紙側に維持することと、成形中の紙に斑紋ができないようにすることが非常に重要である。斑紋は、紙匹内において個々のセルロース繊維の端部が抄紙網の各網糸間の空隙に入り込むことで現れる。一般に、この問題を避けるために、共平面性が高く透過性を有する網目構造を設け、紙繊維が織物の隣接する糸の空隙内に入り込むのではなくその上に跨がるようにしている。尚、本明細書において「共平面」とは、糸の最上面部分、すなわち抄紙網の紙成形面を形成する浮き糸又は交差部分と呼ばれる部分が、ほぼ同じ高さに位置することで形作られる、略「平面」の表面を指している。高品質印刷、石炭乾留、煙草、電気コンデンサなどに用いられる上質紙やその他の同等品質の紙は、織目が非常に細かく最も平坦な表面を有する抄紙網を用いて製造されている。
生地表面を可能な限り平坦にするため、特に抄紙網の場合は、細目のエメリー紙で表面を研磨することがよく行われている。このような研磨は紙の凹凸形状を改良する目的で行われ、実際に表面状態は改善される。しかし一方で、図1、図2と比較して図3、図4に示すように、このように表面を研磨することで抄紙網の浮き糸及び交差部分に傷がついてしまう。図1は未加工の、つまり浮き糸又は交差部分がエメリー紙によって研磨されていない、抄紙網断面を示す。図2は図1の抄紙網を拡大して示す。
図3と図4は図1と図2に示す写真に対応するが、図3、図4の抄紙網では、浮き糸又は交差部分を削り落とすことで紙の凹凸形状を平坦化している。この平坦化工程によって抄紙網の内部体積が減ることはないが、厚みがやや小さくなる。このことによって抄紙網の安定性が悪影響を受け、次のような欠点が生じる。第1に、材料の減少により抄紙網の剛性が下がる。さらに、このような機械加工を施すことで抄紙網がより摩損しそれによって寿命が短くなることも判明している。例えば糸の直径が0.11mm〜0.13mm程と小さい場合は、研磨工程により糸の断面積は30〜40%も減少する。糸すなわち抄紙網は、これほど深刻な機械的変更を受けており、このことが網の剛性低下の根本的原因であると考えられる。現在、製紙業界ではさらに糸径の小さな薄い抄紙網を使用する傾向が大きく、この傾向とともに、抄紙網表面の共平面性を高めるために行なうことのできる機械的変更は限界に近づきつつあるという問題もある。
図5、6及び図7、8を参照し、図1から図4に示す既存の技術をさらに説明する。図5は図1、2に示す未加工の抄紙網の接触面を示し、総表面の約30%が抄紙網の接触面となっている。図6は図1、2の未加工抄紙網中の浮き糸及び交差部分の標準的形状を示す。図7、8は研磨後の抄紙網構造を詳細に示し、突出する浮き糸及び交差部分を0.02mm取り除くことで抄紙網の接触面が約34%増加している。研磨後の浮き糸又は交差部分形状を図8に示す。
本発明は、少なくとも紙側、好ましくは紙側及びマシン側の双方において高い共平面性を有する抄紙網を提供することを目的とする。糸径が小さい、従来のものよりかなり薄い抄紙網であっても、本目的を達成することができる。上述の課題に鑑みて、本発明は特に、いわゆる抄紙網、すなわち、抄紙機の湿部に用いられる抄紙網を対象としてその目的を達成するものである。
上記の目的は、本発明の特許請求の範囲第1項に記載の特徴点により達成され、本発明の様々な利点を有する具体的構成や実施形態は、その従属項に記載の通りである。
すなわち本発明は、抄紙機の湿部に用いられ、マシン方向(MD)及びクロスマシン方向(CMD)の紙側に面する上側糸と、MD及びCMDの2方向のマシン側に面する下側糸とを備えた単層又は多層の抄紙網を提供する。本抄紙網は、少なくとも紙側糸の屈曲部分が、温度・圧力及び/又は湿度のいずれかあるいはこれらの組合せにより再成形されている。このような再成形は、特許請求の範囲第15項に記載の通り、加圧及び/又は加熱用ローラを用いて行われる。
本発明の抄紙機用抄紙網は、網を形成している生地を圧縮機構において圧縮成形あるいは「熱カレンダー」処理する装置を基に製造される。この処理は、高圧力・高温度・高湿度の少なくとも一つあるいはこれらの組合せとともに所定時間行われ、この所要時間は、選択した糸種類と、完成品の所望特性により決定される。
無端構造を有する生地を使用する場合、すなわち継目を形成するような端部が存在しない場合、生地は通常、2種類の経糸により構成されている。生地のカレンダー処理あるいは圧縮成形処理は、図9の例に示すように、少なくとも2つのローラ間にて行われる。同図は生地の圧縮成形装置の構成例を3種類示しているが、これらは例に過ぎず本発明を限定するものではない。
図9bに示す構成は最も簡単なもので、ローラは2つのみ設けられ、生地はこれらの間で圧縮成形される。被加熱ローラの使用面積を広げ、生地がより長い間熱と接するようにするために、図9a及び図9cに示すように第3のローラcを設けてもよい。また、成形工程中に生地の加熱がさらに必要な場合は、これらの追加ローラも加熱可能としてもよい。生地の数や相対位置は、生地に求められる正確な条件や、完成生地表面の所望構造に従って適宜選択する。
網生地を圧縮成形あるいはカレンダー処理するには、生地を挟んで所望の圧力をかけられるよう互いに接近可能な2つのローラが必要である。これらは図9にそれぞれ符号AとBで示している。同図において、網生地はこの2つのローラの間隙に通されて、必要な圧力を加えられる。この圧力は通常、10〜40kPa程度である。ローラAは加圧ローラであり、圧力を網の幅方向に沿って様々に変更できるよう、網生地の幅方向に延びて各々調節可能な複数の部材から構成されている。これら複数の加圧ローラによる処理によって、網に特定の断面形状を設けることができる。
図9の例に示すように、ローラのうち少なくとも一つを加熱するとよく、温度は100〜190℃程度であるが、ほとんどの加工は140〜170℃の範囲で行われる。設定温度は、生地を構成する糸や、完成生地表面の所望構造に従って適宜選択する。生地を圧縮成形しながらその片面あるいは両面とも加熱することもでき、この加工中に生地の幅方向や長さ方向において適宜温度を変化させることもできる。これにより、最終的に網に求められる条件に合わせて、生地の長さ方向及び幅方向の各点において温度や圧力をそれぞれ調節することができる。
生地が両端を有し、これを合わせて継ぐことで無端構造を形成している場合、圧縮成形工程は少し異なったものとなる。まず、生地の始端と終端にかける圧力を特別に制御する必要がある。これは、マシンに生地の始端と終端の位置を入力しておき、加圧力をランプ制御して行われるので、制御に変わり目なく加工を行なうことができる。生地のその他の加工は、予め無端形成されてなる生地の前述の加工法と同様である。
無端型であっても継目型であっても、カレンダー処理中に生地に加えられる張力は、それぞれの生地構造に左右される。圧縮成形工程中、生地の長さは1.5%ほど増減するので、生地成形段階及びカレンダー処理前にはこのことを考慮に入れておかなければならない。さらに、生地の幅は一般に0〜3%の範囲で変化するが、これは同時に行なわれる熱処理によって補正される。
図9cに示すように、乾燥部を別途設けて、圧縮成形処理後の生地に熱を加えてもよい。図では乾燥部を、生地を張って乾燥させるテンターを備えたヒートボックスとして示している。この乾燥工程にはその他の構成も可能であり、図に示すものに限られないことは言うまでもない。
網生地を成す糸は、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンのいずれか、あるいはこれらの組合せを含むとよい。また、本発明のカレンダー処理は、紙側に直径0.09〜0.20mmの経糸を、マシン側に直径0.15〜0.30mmの経糸を有する抄紙網に簡単に施すことができる。特に、紙側の糸径が0.13mm,マシン側の糸径が0.18mmである。さらに、圧縮成形処理は一層の生地及び多層の生地のどちらにも用いることができる。
図10、11に示すように、本発明の方法により処理された生地は、従来の研磨法にて処理されたものとは大きく異なる構成を有する。編み込まれた糸の交差部分又は浮き糸は、紙側とマシン側の一方、あるいは双方において、圧縮され平坦化していることが分かる。ここで大きな違いは、浮き糸又は交差部分が、研磨された場合に比べ、機械的に損傷していないことである(図4と11を参照)。これに加えて、図8と図12を比較すれば分かるように、カレンダー処理された生地の場合、生地材料が減摩することがないため、抄紙網の剛性低下の問題も避けることができる。
図10、11に示すように、突出した交差部分又は浮き糸は、圧縮成形の結果やや平らになっている。このため比較的幅広の長円部が形成されるが、これらは抄紙機内で生地が走行するとき静かに移動する。図11を見れば分かるように、永久的に平坦化された浮き糸や交差部分は、長円部が形成される結果、糸のその他部分よりも直径が大きくなる。実際、浮き糸や交差部分の幅が平坦化後に糸の他の部分より5〜15%ほど増大していることが好ましい。また、浮き糸や交差部分の高さは平坦化後に10〜30%減少しており、糸のその他部分の直径より20%ほど小さいことが好ましい。すなわち、圧縮成形により直径は30〜50%ほど減少する。
網生地を成す糸を浮き糸又は交差部分において圧縮することで、の紙との接触面積を、未加工の網と比べて25〜30%ほど増加させることができる。この増加分により、網の接触面積が総面積の約40〜45%を占めることになる。図13に計測の一例を示すが、生地の加工後、接触面積が総表面積の41%を占めている。図12を図5、7と比較すれば分かるように、本発明によれば従来技術に比して生地の表面特性を大幅に改良することができる。
カレンダー処理後の生地の接触面積が増大するだけでなく、本発明の抄紙網は未処理あるいは研磨された生地に比べて非常に平滑な表面を有するため、最終的な紙の凹凸形状も大きく改善することができる。さらにまた、紙側だけでなくマシン側の浮き糸も適度に圧縮されることで、他の網材料とは異なり、生地を装着したときに緯糸交差部分の高さにほとんど違いがみられない。交差部分高さがマシン側で減少しているため、最終的な紙の表面特性を改善することができ、また、新しい抄紙網をマシンに装着した際に生じる様々な問題が大幅に減少する。なかでも問題となるのは、抄紙機にかかる負荷の問題と、新しい抄紙網を適切にならし運転することなく装着した際のマシン始動時の問題である。特に、糸に幅広の長円部が予め形成されていることで、抄紙網をより迅速にマシンに適応させることができる。本発明の構成を有する抄紙網では、従来の抄紙網に比べ、抄紙機をより迅速に起ち上げることができ、その後の調整をさほど必要とせず、低騒音運転を速やかに開始できる。
本発明の浮き糸又は交差部分形状を有する抄紙網では、生地の連続部分と継目部分との間の変わり目においても全く、あるいはほとんど、差異が認められない。このため、網の凹凸形状の影響を受けやすい紙種であっても、斑紋が形成されない。浮き糸がわずかに幅広く平らな形状を有することで、編み込まれた糸が互いに位置ずれしにくくなり、抄紙網の安定性及び剛性を高めることができる。
言うまでもなく、生地にカレンダー処理を施すことで、加圧の結果、生地厚さは永久的に減少する。個々の処理工程によって異なるが、生地厚さは1〜20%の範囲で原寸より減少する。このために、生地を成す個々の糸の屈折部分高さや形状が永久的に改変されることになる。この方法では、圧縮するのみで網材料が減損することはないので、単位面積当たりの生地重量には変わりがない。
カレンダー処理後に、網を成す糸の立体形状が改変される上に、生地本体内の内部体積も永久的に減少する。言うまでもなく、生地が圧縮されて糸の立体形状が変化すると、糸には移動場所が必要となり、ここでは糸が互いに密接されることで糸間の空洞寸法が減少することになる。糸間の空洞寸法が縮小されることで、抄紙機上を走行する抄紙網にとっては次のような利点が得られる。抄紙網上に紙原料を載置して水溶媒体を除去する間、生地内に空洞があると、生地の走行とともに水流を乱す可能性がある。このような乱水流が起こると、抄紙網がマシン内を走行する間、空洞内に水分が残存するという望ましくない現象が起きることがある。抄紙網内に水分が残ると、紙原料の乾燥に悪影響があることは言うまでもない。しかし、本発明の生地加工法により空洞寸法が縮小することで、乱水流や水分の滞留に伴う問題が起きにくくなる。ここでも生地種類やその処理法によって左右されるが、空洞寸法の減少率は1〜15%の範囲である。
さらに、生地内の糸と糸との屈折点が変化することと、屈折点の立体形状が改変されることで次のような利点が得られる。生地の接触表面積が増えると、これに伴って、抄紙網と抄紙機間の摩擦度も増大する。このことで、抄紙機を始動させてから生地が動き出すまでの遅れを小さくすることができるし、また、運転中の生地の横揺れも減らすことができる。これらの改良点によって紙の乾燥工程の効率を高めることができ、特に調整の必要もなくベルトをこれまでより長期間使用することができる。さらに、生地に継目がある場合は、経糸と緯糸間の屈折部分の改変によって糸間の摩擦が高まるので、継目部分の安定性や強度を向上させることができる。
標準の抄紙網、すなわちカレンダー処理を経ていない抄紙網で継目を有するものは、生地本体部分と継目部分との間で生地厚さに違いがありがちである。このように表面特性が均一でないと紙製造に悪影響を及ぼし、頁ごとに斑紋ができたり、この部分のみ摩耗度が高くなったりする。本発明の圧縮技術によれば、生地が全長に渡って均一な厚みを有するので、このような問題を軽減することができる。さらにまた、未処理の抄紙網においてはこのような不均一性によって生地糸に内部圧力や張力がかかるが、本発明のカレンダー処理を経た生地においてはこれらの圧力や張力がほぼ平均化されている。
最後に、圧縮処理を受けた生地は、その透過性もまた改変される。この違いは、生地を圧縮してその厚みを縮小することで空隙寸法や密度が変化する結果と考えられる。生地種類や処理法によっては、透過性が0〜30%減少するが、通常はこの減少率を考慮に入れて個々の処理法や生地種類を選択する。
以上、本発明の特徴や実施形態につき述べたが、これらを自由に組み合わせて本発明をさらに別の態様に実施することも可能である。
編み込まれた糸の浮き糸又は交差部分が研磨されていない未加工の抄紙網を示す写真である。 図1の部分拡大写真である。 従来の研磨法にて表面が研磨された浮き糸又は交差部分を有する抄紙網を示す写真である。 図3の部分拡大写真である。 図1に示す未加工の抄紙網の接触面を示す写真である。 図1に示す未加工の抄紙網中の浮き糸又は交差部分の輪郭形状を示すグラフである。 図3に示す研磨後の抄紙網の接触面を示す写真である。 図3に示す研磨後の抄紙網中の浮き糸又は交差部分の輪郭形状を示すグラフである。 生地のカレンダー処理或いは圧縮成形処理を行うための複数のローラの配置を示し、(a)は被加熱ローラの使用面積を広げるためのローラを更に有し、(b)は圧縮成形処理用の2個のローラのみを有し、(c)は(a)のローラに加えて乾燥部を更に有するカレンダー処理の説明図である。 本発明により編み込まれた糸の浮き糸又は交差部分が圧縮され平坦化されている抄紙網を示す写真である。 図10の部分拡大写真である。 図10に示す本発明の方法により処理された抄紙網の接触面を示す写真である。 図10に示す本発明の方法により処理された抄紙網中の浮き糸又は交差部分の輪郭形状を示すグラフである。

Claims (11)

  1. マシン方向(MD)及びクロスマシン方向(CMD)の紙側に面する上側糸と、MD及びCMDの2方向のマシン側に面する下側糸とを含み、少なくとも紙側糸の浮き糸及び交差部分が、温度及び圧力により再成形され、
    前記温度が100℃〜190℃の範囲であること、
    前記圧力が10kPa〜40kPaの範囲であること、
    抄紙網の抄紙との総接触面積が、前記抄紙網の総表面積の40〜45%であること、
    前記紙側糸の直径が0.09mm〜0.20mmであり、前記マシン側糸の直径が0.15mm〜0.30mmであって、
    前記紙側糸の浮き糸及び交差部分が、再成形された結果、糸間の空洞寸法が再成形前の原寸より1%〜15%縮小していること、
    を特徴とする、抄紙機の湿部に用いる単層又は多層の抄紙網。
  2. 糸がポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンからなるグループから選択された少なくとも一つのポリマーを含むことを特徴とする請求項1に記載の抄紙網。
  3. 前記温度が150℃〜170℃の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の抄紙網。
  4. 紙側糸の直径が0.13mmであり、マシン側糸の直径が0.18mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の抄紙網。
  5. 浮き糸及び交差部分の幅が糸の残りの部分の直径より5%〜15%大きいことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の抄紙網。
  6. 浮き糸及び交差部分の高さが糸の残りの部分の直径より10%〜30%小さいことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の抄紙網。
  7. 浮き糸及び交差部分の高さが糸の残りの部分の直径より20%小さいことを特徴とする請求項に記載の抄紙網。
  8. 浮き糸及び交差部分が、網平面にほぼ平行に延びる平坦な長円部を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の抄紙網。
  9. 糸の屈折部分の形状、浮き糸及び交差部分の幅、浮き糸及び交差部分の高さ、糸の長円度、抄紙網と抄紙の総接触面積、糸間の空洞寸法のうち一つ又はこれらの組合わせが、抄紙網幅方向の各点でそれぞれ異なることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の抄紙網。
  10. 直径が0.09mm〜0.20mmである紙側糸と、直径が0.15mm〜0.30mmであるマシン側糸を使用した網生地を、100℃〜190℃の範囲の温度及び10kPa〜40kPaの範囲の圧力とともに複数のローラにてカレンダー処理して、少なくとも抄紙網の紙側における糸の屈折部分を永久的に再成形
    前記抄紙網の前記抄紙との総接触面積を、前記抄紙網の総表面積の40〜45%にしたこと、
    糸の屈折部分が再成形された結果、糸間の空洞寸法を、前記屈折部分の再成形前の原寸より1%〜15%縮小させること、
    前記複数のローラのうち少なくとも一つが、生地上に加えられる圧力を変更できるようにそれぞれが調節可能な複数の部材からなり、加工される抄紙網の幅方向の断面形状を任意に形成できるようにしたこと、
    前記複数のローラのうち少なくとも一つが、加工中に抄紙網を所定の温度に熱するよう加熱可能であり、抄紙網に特定の外形を与えるために該温度がローラの長手方向に沿って可変であること、を特徴とする、抄紙機の湿部に用いる抄紙網の製造方法。
  11. 温度が150℃〜170℃の範囲であることを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
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