JP4650003B2 - 透明複合シート及びそれを用いた表示素子基板 - Google Patents

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Description

本発明は、線膨張係数が小さく、光学特性に優れ、ガラスに代替可能な光学シートに関するものであり、またそれを用いた表示素子基板に関するものである。
一般に、液晶表示素子や有機EL表示素子用の表示素子基板(特にアクティブマトリックスタイプ)、カラーフィルター基板、太陽電池用基板等としては、ガラス板が広く用いられている。しかしながらガラス板は、割れ易い、曲げられない、比重が大きく軽量化に不向きなどの理由から、近年、その代替としてプラスチック素材が検討されている。
例えば、特許文献1及び2には、エポキシ樹脂、酸無水物系硬化剤及び硬化触媒を含むエポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化体からなる液晶表示素子用透明樹脂基板が記載されている。しかしながら、これら従来のガラス代替用プラスチック材料は、ガラス板に比べ線膨張係数が大きく、特に、アクティブマトリックス表示素子基板に用いるとその製造工程において反りやアルミ配線の断線などの問題が生じ、これら用途への使用は困難である。したがって、表示素子基板、特にアクティブマトリックス表示素子用基板に要求される、透明性、耐溶剤性、耐液晶性、耐熱性等を満足しつつ線膨張係数の小さなプラスチック素材が求められている。
線膨張係数を低減するためには、従来、樹脂にガラスパウダーやガラス繊維等の無機フィラーを配合する材料の複合化も種々行われている。しかしながら、これら樹脂と無機フィラーでは屈折率がそれぞれ異なるため、樹脂中を透過する光が乱屈折することにより、複合材料における基材の透明性が損なわれることが多い。そこで樹脂と無機フィラーとの屈折率を合わせて透明化することが種々検討されている。例えば、特許文献3には、酸無水物で硬化したエポキシ樹脂と実質的に同じ屈折率の充填材からなる光透過性エポキシ樹脂組成物が開示されているなど、光半導体装置用には屈折率を合わせて透明化したエポキシ樹脂組成物が種々報告されている。
また、上記したような透明樹脂と無機充填剤の複合によりなる透明複合組成物における最大の問題は、複合体内部のミクロレベルの光学異方性である。複合材料においては樹脂とフィラーで熱膨張係数が異なるため、その界面でミクロレベルの内部応力が生じ、その応力ゆえに樹脂内部で分子の配向が起こる結果、ミクロレベルの光学異方性が生じる。液晶表示素子、特に非常に細かい画素が要求されている液晶表示素子に光学異方性のある基板を適用することは困難である。
特開平6−337408号公報 特開平7−120740号公報 特開平4−236217号公報
本発明の目的は、線膨張係数が小さく、透明性、耐熱性に優れ、さらに複合材料に生じる内部応力に起因する光学異方性を低減させた、ガラスに代替可能な透明複合シートを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、透明樹脂(a)及び無機フィラー(b)からなり、透明樹脂(a)の体積硬化収縮率が5%以下である透明複合シートが、硬化収縮起因で材料内に生じる内部応力が小さい故に光学異方性が小さく、さらに低線膨張係数で高い剛性を有し、透明性、耐熱性、耐溶剤性に優れ、アクティブマトリックスタイプを含む液晶表示素子用基板、有機EL表示素子基板、カラーフィルター用基板、タッチパネル用基板、太陽電池基板などの光学シート、透明板、光学レンズ、光学素子、光導波路等に好適に用いられることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は
(1)透明樹脂(a)及び無機フィラー(b)からなり、透明樹脂(a)の体積硬化収縮率が5%以下である透明複合シート、
(2)前記透明樹脂(a)がエポキシ樹脂を含むものである(1)の透明複合シート、
(3)前記エポキシ樹脂が下記化学式(1)で示される脂環式エポキシ樹脂を含むものである(2)の透明複合シート、
(式中、Xは−CH2−、−CH(CH3)−、又は−(CH3)2−を表す。)
(4)前記エポキシ樹脂が下記化学式(2)で示される脂環式エポキシ樹脂を含むものである(2)の透明複合シート、
(5)前記エポキシ樹脂の硬化剤としてカチオン系硬化触媒(d)を含むものである(2)〜(4)の透明複合シート、
(6)前記透明樹脂(a)の硬化後の屈折率と無機フィラー(b)の屈折率との差が0.01以下である(1)〜(5)の透明複合シート、
(7)前記透明樹脂(a)の硬化後のアッベ数が45以上である(1)〜(6)の透明複合シート、
(8)前記無機フィラー(b)がガラス繊維布を含むものである(1)〜(7)の透明複合シート、
(9)波長550nmにおける光線透過率が80%以上である(1)〜(8)の透明複合シート、
(10)30〜150℃における平均線膨張係数が40ppm以下である(1)〜(9)の透明複合シート、
(11)(1)〜(10)の透明複合シートから構成される表示素子基板、
である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の透明複合シートにおける、透明樹脂(a)の体積硬化収縮率は5%以下である必要がある。好ましくは4%以下、より好ましくは3%以下、最も好ましくは2%以下である。ここで言う体積硬化収縮率とは、未硬化の樹脂の常温における比重と、硬化後の樹脂の常温における比重より算出した体積収縮率である。樹脂とフィラーを複合化して硬化した後常温に戻す場合、一般に樹脂には引っ張り応力、フィラーには圧縮応力がかかる。この内部応力によって樹脂内部で分子の配向が起こり、その結果材料内にミクロな光学異方性が生じる。本発明者らは、材料内に生じる内部応力が小さい程、それに起因する光学異方性が小さくなることを突き止め、光学異方性を低減させるには樹脂の体積硬化収縮率を低減することが重要であり、この値が上限値以下であれば、光学シート、透明板、光学レンズ、光学素子、光導波路等に好適に用いられる透明複合シートを提供することができることを見出した。
本発明に用いる透明樹脂(a)は、体積硬化収縮が5%以下のものであれば特に限定されない。体積硬化収縮が5%以下の透明樹脂の例としては、エポキシ樹脂やオキセタン樹脂などの熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂が上げられる。好ましくは脂環式エポキシ樹脂であり、なかでも一般式(1)で示される脂環式エポキシ樹脂または一般式(2)で示される脂環式エポキシ樹脂(ビシクロヘキシル3,3’ジオキシド)は、体積硬化収縮率が小さいので特に好ましい。
(式中、Xは−CH2−、−CH(CH3)−、又は−(CH3)2−を表す。)
本発明で用いられるエポキシ樹脂の硬化剤は、体積硬化収縮が5%以下になるものであれば特に限定されないが、耐熱性が高い硬化物が得られることからカチオン系硬化触媒(d)が好ましい。カチオン系硬化触媒(d)としては、加熱によりカチオン重合を開始させる物質を放出する開始剤や活性エネルギー線によってカチオン重合を開始させる物質を放出させる開始剤などがあげられるが、耐熱性が高い硬化物が得られることから加熱によりカチオン重合を開始する物質を放出する開始剤、すなわち熱カチオン系硬化触媒が特に好ましい。
好ましい熱カチオン硬化触媒としては、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、アルミニウムキレートなどがある。具体的な例としては、芳香族スルホニウム塩としては三新化学工業製のSI−60L、SI−80L、SI−100L、旭電化工業製のCP−66、CP−77などがあり、アルミニウムキレートとしては、ダイセル化学工業製DAICAT EX−1などがあげられる。
本発明の透明樹脂(a)の透明性は、シートにした際の550nmでの光線透過率が80%以上のものが好ましく、より好ましくは85%以上、最も好ましくは90%以上である。表示素子用基板として用いる場合には、85%以上が好ましい。
本発明に用いる透明樹脂(a)は、硬化後のアッベ数が45以上であることが優れた透明性を維持するために望ましい。アッベ数とは屈折率の波長依存性を示すパラメータであり、この数値が大きければ大きいほど屈折率の波長依存性が小さい。ガラスのような無機材料に関してはアッベ数が比較的大きく、プラスチックのような有機材料に関しては比較的小さい。透明複合体基板においてどの波長域でも透明性を維持するには、透明樹脂とガラスフィラーの屈折率の波長依存性をできるだけ合致させる必要がある。ガラスのアッベ数を低くすることは技術的にかなり困難であるため、透明樹脂のアッベ数を高めることによりお互いのアッベ数を近づける必要があることがあると判明した。アッベ数が45未満である透明樹脂を用いた場合、透明複合体樹脂の透明性が劣る可能性がある。
本発明で用いる無機フィラー(b)としては、ガラス繊維、ガラスクロスやガラス不織布などのガラス繊維布があげられ、中でも線膨張係数の低減効果が高いことから、ガラスクロスが最も好ましい。繊維の厚みは特に限定されるものではないが、30〜300μmであることが好ましい。ガラスの種類としては、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラスなどがあげられ、中でもアルカリ金属が少ないEガラス、Sガラス、Tガラス、NEガラスが好ましい。繊維状無機フィラー(b)の屈折率は特に制限されないが、透明複合シートが優れた透明性を示すには、透明樹脂(a)の硬化後の屈折率との差が0.01以下であることが望ましく、0.005以下がより好ましい。
本発明の複合透明シートを、透明板、光学レンズ、液晶表示素子用プラスチック基板、カラーフィルター用基板、有機EL表示素子用プラスチック基板、太陽電池基板、タッチパネル、光学素子、光導波路等として用いる場合は、波長550nmの光線透過率が80%以上であることが好ましく、さらに好ましくは、85%以上である。波長550nmの光線透過率が下限値未満の場合は、光を利用する効率が低下するので、光効率が重要な用途には好ましくない。
本発明の透明複合シートを、透明板、光学レンズ、液晶表示素子用プラスチック基板、カラーフィルター用基板、有機EL表示素子用プラスチック基板、太陽電池基板、タッチパネル、光学素子、光導波路等として用いる場合は、30〜150℃の平均線膨張係数が40ppm以下であることが好ましく、より好ましくは30ppm以下、最も好ましくは20ppm以下である。例えば、この複合体組成物をアクティブマトリックス表示素子基板に用いた場合、この上限値を越えると、その製造工程において反りやアルミ配線の断線などの問題が生じる恐れがある。
本発明における透明複合シートの成形方法に制限はなく、例えば、透明樹脂とガラスフィラーとを直接混合し、必要な型に注型したのち架橋させてシートとする方法、樹脂を溶剤に溶解しガラスフィラーを分散させキャストした後架橋させてシートとする方法、エポキシ樹脂をガラスクロスやガラス不織布に含浸させたのち架橋させてシートとする方法等々が挙げられる。
本発明においては、無機充填剤と樹脂とが密着しているほど、本発明の複合シートの透明性が良くなるため、無機充填剤表面をシランカップリング剤などの公知の表面処理剤で処理することが好ましい。シランカップリング剤としては、エポキシシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アミノシランカップリング剤及びシリコーンオイル型カップリング剤等が挙げられ、これらを単独で用いても数種複合して用いてもよい。
本発明の透明複合シートは、平滑性を向上させるために両面に樹脂のコート層を設けても良い。コートする樹脂としては、優れた透明性、耐熱性、耐薬品性を有していることが好ましく、具体的には多官能アクリレートやエポキシ樹脂などをあげることができる。コートする樹脂の厚みとしては、0.1〜50μmが好ましく、0.5〜30μmがより好ましい。
本発明の透明複合シートは、必要に応じて水蒸気や酸素に対するガスバリア層や透明電極層を設けても良い。
また、本発明の透明複合シート中には、必要に応じて、透明性、耐溶剤性、耐熱性等の特性を損なわない範囲で、少量の酸化防止剤、紫外線吸収剤、染顔料、他の無機フィラー等の充填剤等を含んでいても良い。
以下、本発明の内容を実施例により詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り以下の例に限定されるものではない。
(実施例1)
厚さ80μmで屈折率1.51のNEガラス系ガラスクロス(日東紡績製NEA2319E)を焼きだしして有機物を除去した後、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシシラン)で処理した。このガラスクロスに水添ビフェニル型脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業製E−BP)75重量部、オキセタニル基を有するシルキセスキオキサン(東亞合成製OX−SQ)25重量部、芳香族スルホニウム系熱カチオン触媒(三新化学製SI−100L)1重量部を溶融混合した樹脂(硬化後の樹脂の屈折率1.51、アッベ数56)を含浸し、脱泡した。樹脂を含浸したこのガラスクロスを離型処理したガラス板に挟み込んで、真空プレス機を用いて30kg/cm2の圧力でプレスしながら80℃で2時間加熱し、さらに200℃で2時間加熱して硬化させ、厚さ0.1mmの透明複合シートを得た。
(実施例2)
脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業製EHPE3150)80重量部、ビスフェノールS型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業製エピクロンEXA1514)20重量部、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(新日本理化製リカシッドMH−700)75重量部、テトラフェニルホスホニウムブロマイド(北興化学工業製TPP−PB)0.5重量部、1,3ジオキソラン60重量部を混合してワニス(硬化後の樹脂の屈折率1.51、アッベ数55)とした。これを実施例1記載のガラスクロスに含侵し、125℃で5分間乾燥した後、離型処理したガラス板に挟み込み、真空プレス機を用いて30kg/cm2の圧力でプレスしながら200℃で2時間加熱して硬化させ、厚さ0.1mmの透明複合シートを得た。
(実施例3)
厚さ80μmで屈折率1.51のNEガラス系ガラスクロス(日東紡績製NEA2319E)を焼きだしして有機物を除去した後、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシシラン)で処理した。このガラスクロスに2,2’−ビス(3,4’−エポキシシクロヘキシル)プロパン(ダイセル化学工業製E−DOA)100重量部、芳香族スルホニウム系熱カチオン触媒(三新化学製SI−100L)1重量部を溶融混合した樹脂(硬化後の樹脂の屈折率1.512、アッベ数57)を含浸し、脱泡した。樹脂を含浸したこのガラスクロスを離型処理したガラス板に挟み込んで、真空プレス機を用いて30kg/cm2の圧力でプレスしながら80℃で2時間加熱し、さらに200℃で2時間加熱して硬化させ、厚さ0.1mmの透明複合シートを得た。
(実施例4)
平均粒子径3.2μmのNEガラスパウダー(屈折率1.510、日東紡製)を焼きだしして有機物を除去した後、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシシラン)で処理した。このガラスパウダー100重量部を、2,2−ビス(3’,4’−エポキシシクロヘキシル)プロパン(ダイセル化学工業製E−DOA)100重量部、芳香族スルホニウム系熱カチオン触媒(三新化学製、SI−100L)1重量部を溶融混合した樹脂(硬化後の樹脂の屈折率1.512、アッベ数57)に分散し、脱泡した。これを厚さ80μmのアルミ箔をスペーサーとしてガラス板に挟み込んで、オーブン中、80℃にて2時間加熱後、さらに200℃にて2時間加熱して、厚さ0.1mmの透明シートを得た。
(比較例1)
トリグリシジルイソシアヌレート(日産化学工業製TEPIC)100重量部、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(新日本理化製リカシッドMH−700)147重量部、テトラフェニルホスホニウムブロマイド(北興化学工業製TPP−PB)2重量部を110℃で溶融混合した樹脂(硬化後の樹脂の屈折率1.51、アッベ数54)を、実施例1記載のガラスクロスに含浸した後離型処理したガラス板に挟み込み、真空プレス機を用いて30kg/cm2の圧力でプレスしながら200℃で2時間加熱して硬化させ、厚さ0.1mmの透明複合シートを得た。
以上のようにして作製した透明複合シートについて、下記に示す評価方法により、各種特性を評価した。
(a)光線透過率
分光光度計U3200(日立製作所製)で550nmの光線透過率を測定した。
(b)平均線膨張係数
セイコー電子(株)製TMA/SS120C型熱応力歪測定装置を用いて、窒素雰囲気下、1分間に5℃の割合で温度を30℃から400℃まで上昇させて20分間保持し、30℃〜150℃の時の値を測定して求めた。荷重を5gにし、引張モードで測定を行った。測定は、独自に設計した石英引張チャック(材質:石英,線膨張係数0.5ppm)を用いた。一般に使われているインコネル製のチャックは、それ自体の線膨張が高いことやサンプルの支持形態に不具合があり、100μmを超える厚いシートに適用すると線膨張係数が圧縮モードで測定した結果よりも大きくなったり、測定ばらつきが大きくなったりする問題があった。したがって、石英引張チャックを独自に設計し、それを用いて線膨張係数を測定することにした。この引張チャックを用いることにより、圧縮モードで測定した場合とほぼ同様の値で測定できることを確認している。
(c)樹脂の体積硬化収縮率
未硬化の樹脂、硬化後の樹脂の比重を、常温にて比重瓶を用いて測定し、測定値から、単位重量当たりの体積減少率を%単位で算出した。
(d)光学異方性
作成した透明複合シートをクロスニコルにした偏光顕微鏡で観察した。偏光顕微鏡の光軸を固定し、光源の強さを一定にした状態でサンプルを回転させ、シートの一部分あるいは全体がもっとも明るくなる角度にセットした。2.4mm×1.8mmの観察部分を画像(画素数640x480)化してPCに取り込み、これを各画素が0〜255の階調を持つ白黒画像に変換した。この白黒画像中の各画素の階調を総和し、これを光学異方性の評価値とした。この評価値が1000万未満の場合に、透明複合シートの光学異方性が小さく良好な品質であると判断した。
実施例1は、光線透過率が91%、平均線膨張係数が14ppm、樹脂の体積硬化収縮率が0.5%で、光学異方性の評価値が400万と小さく、表示素子用基板として使用できるものであった。
実施例2は、光線透過率が89%、平均線膨張係数が16ppm、樹脂の体積硬化収縮率が4%で、光学異方性の評価値が810万と小さく、表示素子用基板として使用できるものであった。
実施例3は、光線透過率が91%、平均線膨張係数が13ppm、樹脂の体積硬化収縮率が−1%で、光学異方性の評価値が500万と小さく、表示素子用基板として使用できるものであった。
実施例4は、光線透過率が89%、平均線膨張係数が31ppm、樹脂の体積硬化収縮率が−1%で、光学異方性の評価値が300万と小さく、表示素子用基板として使用できるものであった。
比較例1は、光線透過率が90%、平均線膨張係数が15ppmであったが、樹脂の体積硬化収縮率が6.5%と大きいため光学異方性の評価値が1200万と大きく、表示素子用基板として使用するには不十分であった。
本発明の透明複合シートは、低線膨張係数で透明性、耐熱性等に優れるため、例えば、液晶表示素子基板や有機EL素子基板(特にアクティブマトリックスタイプ)等表示素子に好ましい他、透明板、光学レンズ、カラーフィルター用基板、太陽電池基板、タッチパネル、光学素子、光導波路、等に好適に利用することができる。

Claims (6)

  1. 下記測定方法1により測定した体積硬化収縮率が5%以下であり下記化学式(1)で示される脂環式エポキシ樹脂または化学式(2)で示される水添ビフェニル型脂環式エポキシ樹脂を含む透明樹脂(a)及び無機フィラー(b)からなる表示素子基板用透明性複合シート
    〔測定方法1:未硬化の樹脂、硬化後の樹脂の比重を、常温にて比重瓶を用いて測定し、測定値から、単位重量当たりの体積減少率を単位%で算出する。〕


    (式中、Xは−CH−、―CH(CH)−、又は−C(CH−を表す。)


  2. 前記脂環式エポキシ樹脂(a)の硬化剤としてカチオン系硬化触媒(d)を含むものである請求項1記載の表示素子基板用透明性複合シート。
  3. 前記無機フィラー(b)がガラス繊維布である請求項1または2記載の表示素子基板用透明性複合シート。
  4. 光線透過率(測定波長550nm、分光光度計にて測定した)が80%以上である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の表示素子基板用透明性複合シート。
  5. 平均線膨張係数(測定温度30℃〜400℃、昇温速度5℃/1min、引張モードにて熱応力歪測定装置にて測定した)が40ppm以下である請求項1乃至4のいずれか1項記載の表示素子基板用透明性複合シート。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項記載の表示素子基板用透明性複合シートを用いて作製された表示素子基板。
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