JP4649707B2 - 金属化合物担持粒状体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属化合物担持粒状体の製造方法に関するもので、少量の金属成分を含有しながら、高い消臭容量と広い消臭スペクトルとを有し、金属イオンの水抽出量が低く抑制されており、しかもスメクタイト本来の機能も備えており、消臭剤や、ペット用トイレ砂として有用な金属化合物担持粒状体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、悪臭成分を低減する方法としては、活性炭、アルミナ、ゼオライト等の多孔質吸着剤による吸着法、触媒燃焼法、オゾンによる酸化法、化学薬品を用いた中和法、あるいはバクテリアによる分解法等が知られている。しかし、吸着剤を用いた吸着法の場合は、吸着容量が小さく吸着速度も遅い。また、触媒燃焼法、オゾンによる酸化法、あるいはバクテリア分解法では装置が複雑で、ランニングコストも高い。さらに、化学薬品を用いて中和する中和法は、消臭容量が比較的小さい。
【0003】
化学的消臭剤の有効成分として、銅化合物を用いることについても既に幾つかの提案がなされており、例えば特開平1−262868号公報(公知例1)には、シアノ基及び該シアノ基と錯体結合した塩基性炭酸銅から成る消臭剤が記載されている。
また、特開昭63−132661号公報には、明礬、有機酸、アスコルビン酸及び銅化合物から成る消臭剤が記載され、更に特開昭63−41408号公報(公知例2)には、銅化合物とオキソカルボン酸とから成る消臭剤が記載されている。
【0004】
本出願人の提案にかかる特開平5−237375号公報(公知例3)には、下記一般式(1):
nCuO・MY2/X・mHO ‥‥(1)
式中、nは1/3〜9の数であり、Mは2価の金属原子を表わし、
Yは1価乃至3価アニオンを表わし、xはアニオンの価数であり、
mは0〜18の数である、
で表わされる銅化合物を、酸強度凾数Hoが+4.8以下の酸量が0.2meq/g以上である無機固体酸に担持させた消臭剤が記載されている。
【0005】
また、特開平7−185324号公報(公知例4)には、Cu、Zn、Al、Fe、Ag、Mg、Ni、Mn及びCoから選ばれる元素の水溶性金属塩を、平均細孔径が5〜50nmで、細孔容積が0.5〜2.0ml/gで且つ平均粒子径が0.001〜2mmであるシリカゲルに含有させてなることを特徴とする脱臭剤が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、公知例1にみられる塩基性炭酸銅錯体は、硫化水素やメチルメルカプタンには比較的高い消臭効果を示すものの、アンモニアやアミン類のような塩基性悪臭成分に対する消臭効果が比較的弱く、消臭スペクトルが比較的狭く、実用上の消臭性能に劣るという問題がある。
【0007】
一方、公知例2や公知例4に係る消臭剤組成物は、本質的に水溶性の系であるため、金属イオンが水中に溶出する傾向があるため、環境保全の意味で好ましくない。
【0008】
公知例3に示される塩基性フマール酸銅などは、本質的に水不溶性であると共に、無機固体酸に担持させることにより、広い消臭スペクトルが得られるという利点があるが、固体の状態での吸着法的用途に使用することが困難であり、一方液体による中和法的使用では効果の持続性に欠けるという問題がある。
各種の悪臭成分に対して広範な消臭スペクトルを示すと共に、大きな消臭容量を有し、しかも固体の状態で安定に吸着法的用途に使用し得る消臭剤は、家庭,事務所,病院,汚物処理場,各種畜産設備,工場等において広く望まれているところである。
【0009】
本発明の目的は、銅化合物或いは亜鉛化合物を消臭成分として含有しながら安全であり、各種の悪臭成分に対して広範な消臭スペクトルを有すると共に、消臭容量が大きく、しかも固体の状態で安定に悪臭成分を吸着し、且つこれと反応して消臭性能を発現でき、消臭剤として有用な金属化合物担持粒状体の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、50meq/100g以上のカチオン交換容量を有しているスメクタイト系粘土鉱物40乃至85重量%と、BET比表面積100m /g以上、吸油量100ml/100g以上の多孔性無機粉体15乃至60重量%との組成物の造粒物を80乃至300℃の温度に加熱保持し、この加熱粒状体に、銅及び亜鉛からなる群の金属化合物より選択された少なくとも1種の水溶液乃至水分散液を噴霧することにより、該金属化合物を、110℃乾燥基準でRO(式中Rは銅又は亜鉛を表す)として粒状物当り0.001乃至2.0重量%の量で粒状体に担持させることを特徴とする金属化合物担持粒状体の製造方法が提供される。
【0011】
【発明の実施形態】
[作用]
本発明は、化学的消臭性を有する銅或いは亜鉛の化合物を、カチオン交換容量が50meq/100g以上のスメクタイト系粘土鉱物40乃至85重量%と、BET比表面積100m/g以上、吸油量100ml/100g以上の多孔性無機粉体15乃至60重量%との組成物の造粒物に担持させたことが重要な特徴である。
即ち、この粒状物中のスメクタイトは、物理的吸着作用による物理的消臭性と共に化学的消臭性をも有しており、このような粒状物の物理的、化学的消臭性と銅又は亜鉛化合物の化学的消臭性とが相乗的に作用することにより、得られる金属化合物担持粒状体は、広い消臭スペクトルを示し、種々の悪臭成分に対して強力な消臭性を有するものである。
一方、粒状物中の多孔性無機粉体は、比較的大きな比表面積を有していて、物理的吸着作用により消臭性に寄与すると共に、比較的大きな吸油量を有していて、銅或いは亜鉛の化合物の担持に寄与し、更に液体汚物を吸収し保持するという作用をも有している。
しかも、本発明により得られる金属化合物担持粒状体は、銅又は亜鉛の化合物が、上記の複合粒状物にしっかりと担持されているため、50倍量の水で抽出したときの銅或いは亜鉛の抽出量が3ppm以下と極めて低く、環境保全の点でも優れている。
【0012】
即ち、本発明で粒状物に用いるカチオン交換容量が50meq/100g以上のスメクタイトは、モンモリロナイトに代表される様に、SiO四面体層−AlO八面体層−SiO四面体層から成る層状構造、或いはこれらの四面体層、八面体層が異種金属で同型置換された層状構造を基本骨格として有しており、これらの層間に、水や金属カチオン、プロトン(水素イオン)が存在している。かかる層状構造において、層間に存在する金属カチオン、四面体層或いは八面体層中の置換金属成分などが、硫化水素やメルカプタン類、或いは有機酸由来の悪臭成分の化学吸着に役立っており、層間に存在するプロトンは、アンモニアやアミン類の化学吸着に役立っていると信じられる。
【0013】
上記スメクタイトと組み合わせで用いる多孔性無機粉体は、悪臭成分を物理吸着するという点では、100m/g以上のBET比表面積を有することが重要であり、また銅或いは亜鉛の化合物を強固に担持し、更にペットの尿などの液体汚物を吸収し保持するという点では100ml/100g以上の吸油量を有することが重要である。
【0014】
また本発明においては、銅或いは亜鉛の化合物が、上記複合粒状物の粒子表面に担持されていることも極めて重要である。即ち、粒状物中のスメクタイトは、上述した層状構造を有していることに関連して、担持される銅乃至亜鉛化合物が層間に侵入していると、これら化合物の化学的消臭性の持続性の点では問題はないが、特に強力な消臭性が要求される用途、例えばペット用トイレ砂の様に、強い悪臭を消臭することが要求されるような用途では問題を生じてしまう。しかるに本発明では、銅乃至亜鉛化合物は、悪臭乃至異臭成分との接触頻度の最も高い粒子表面に優先的に分布しており、層間には殆ど侵入していない。この結果、本発明の金属化合物担持粒状体は、金属化合物の担持量が極めて少量であるにもかかわらず、複合粒状物の消臭能力との相乗的作用により強力な消臭性を示し、ペット用トイレ砂の様に強力な消臭性が要求される用途に用いられる消臭剤として極めて有用となる。
【0015】
[スメクタイト]
本発明において、複合粒状物の一方の成分であるスメクタイトとしては、上述した範囲のカチオン交換容量を有する公知のスメクタイト族粘土鉱物、例えば、モンモリロナイト(酸性白土やベントナイトなど)、バイデライト、ノントロナイトなどのジオクタヘドラル型スメクタイト;サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、フライポンタイトなどのトリオクタヘドラル型スメクタイト;スチブンサイト等を使用することができる。
これらのスメクタイト系粘土鉱物は、単独でも或いは2種以上の組み合わせでも用いることができる。
【0016】
スメクタイトの代表例である酸性白土は、モンモリロナイトを主成分とするものであるが、それ以外に、石英、長石、α−クリストバライト等の不純物を含有している。モンモリロナイトの基本的層構成は、前に述べたのと同様であるが、酸性白土では、基本三層構造中のAlO八面体層中のAl原子の一部が、マグネシウムやカルシウム等のアルカリ土類金属で置換され、その原子価を補うように水素イオンが結合されていることが化学構造上の特徴である。
この化学構造上の特徴により、酸性白土は食塩水中に懸濁させ、そのpHを測定すると、前記水素イオンがNaイオンで置換されるため酸性を示す。
【0017】
酸性白土の代表的なものとして、アルカリ金属成分をRとして、アルカリ土類金属成分をMとして表して、酸化物モル基準で、モル組成が
O/SiO=0.1×10−2乃至1.5×10−2
特にNaO/SiO=0.3×10−2乃至1.0×10−2
であり、且つ
O/SiO=4.5×10−2乃至10.5×10−2
である酸性白土を挙げることができる。
【0018】
一方、スメクタイトの他の例としては、モンモリロナイトを主成分とし、酸化物基準のモル比で表して、
Al/SiO=0.095乃至0.16
NaO/SiO=0.3×10−2乃至4.5×10−2
MO/SiO=4.5×10−2乃至10.5×10−2
式中、Mはアルカリ土類金属である、
で表される化学組成を有するベントナイトを挙げることができる。
特に、吸水性や固化性が要求される用途には、ACC法膨潤度が20ml/2g以上のベントナイトが最も好適に使用される。
【0019】
即ち、上記のベントナイトは、吸水性が高く、しかも吸水により膨潤し、固化するという特性を有しており、廃棄処理性に極めて優れている。
上記のベントナイトに水が混合されると、スメクタイトの持つ層構造の基本層(板状体)同士の層間に水が入り膨潤するが、やがては基本層がばらばらなコロイド状に分散し、流動性を示す様になる。これを放置すると、基本層同士の吸引反発により、カードハウス構造が形成され、高度に増粘されるか或いはゲル化した状態となる。これがベントナイトによる吸水性及び固化性の原理である。
【0020】
上述した組成及びACC法膨潤度を有するベントナイトは、粒子内部に空隙を有しており、例えば0.15ml/g以上、特に0.2乃至0.35ml/gの細孔容積(水銀圧入法)を有しており、他のベントナイト等に比して消臭性能が向上していると共に、水を急速に吸収し、迅速に膨潤し且つ固化するものとなる。
尚、ACC法膨潤度は、以下の方法で測定される。
即ち、イオン交換水100mlを入れた100mlの共栓付メスシリンダーに、試料2gを内壁に殆ど付着しない様に約10回に分けて加える。(先に加えた試料が殆ど沈着した後に次の試料を加える。)加え終わったら栓をして24時間静置し、容器内に堆積した試料の見掛け容積を読み取る。読み取った容積を、膨潤力として、「ml/2g」の単位で示す。
【0021】
上記の様な組成及びACC法膨潤度を有するベントナイトを用いた金属化合物担持粒状体は、これに水を加えることにより、迅速に吸水して固化し、固化物は崩壊しない程度の強度を有している。従って、この金属化合物担持粒状体は、塊状物として容易に廃棄することができる。また、吸水して固化することから、スメクタイト粒子表面に担持されている銅乃至亜鉛化合物は,該固化物内にしっかりと捕捉されており、水への銅乃至亜鉛の抽出量も低く抑制され、環境保全の点でも極めて有利となる。
また、このようなベントナイトを用いた金属化合物担持粒状体は、特に猫砂等のペット用トイレ砂として、極めて有用である。即ち、ペットの尿により、容易に固化するため、尿がかかった部分のみを取り除き、容易に廃棄することができるからである。
【0022】
また上述した化学組成及びACC法膨潤度を有するベントナイトは、天然産でも、或いは半合成品(所謂活性ベントナイト)の何れであってもよいが、入手の容易さから、活性ベントナイトであることが好適である。
この活性ベントナイトは、例えば、アルカリ金属をA、アルカリ土類金属をMで表して、酸化物基準のモル比が、
O/SiO=0.1×10−2乃至1.5×10−2
(特にNaO/SiO=0.3×10−2乃至1.0×10−2
MO/SiO=4.5×10−2乃至10.5×10−2
である酸性白土の含水物に、無水物換算で1乃至5重量%の炭酸ナトリウムを添加混合し、該混合物を、水分の保持条件下、40℃以上、特に50乃至100℃、最も好適には60乃至10℃の温度で、1.0乃至20時間程度混練し、該混合物中の酸性白土を活性ベントナイトに転化させることによりうることができる。
【0023】
[多孔性無機粉体]
一方、複合粒状物に用いる多孔性無機粉体としては、BET比表面積100m/g以上、吸油量100ml/100g以上の多孔性無機粉体が何れも使用される。多孔性無機粉体の適当な例は、非晶質シリカ、非晶質アルミナ、非晶質シリカアルミナ、各種ケイ酸塩、フィロケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、フィロアルミノケイ酸塩、テクトアルミノケイ酸塩などであり、これらは単独でも或いは2種以上の組み合わせで用いることができる。
粉体の粒度は、特に限定されないが、一般にレーザ回折法による体積基準メジアン径(中位径)が1乃至100μm、特に5乃至30μmの範囲にあるものが粒状物の製造上好都合である。
【0024】
[複合粒状物]
本発明に用いる複合粒状物は、カチオン交換容量が50meq/100g以上のスメクタイト系粘土鉱物を、二成分基準で、40乃至85重量%の量で、BET比表面積100m/g以上、吸油量100ml/100g以上の多孔性無機粉体を15乃至60重量%の量で含有する。
【0025】
スメクタイト系粘土鉱物の量が上記範囲を下回ると、消臭性能が低下する傾向があり、一方多孔性無機粉体の量が上記範囲を下回ると、銅或いは亜鉛の化合物の担持性能が低下する傾向があるが、上記範囲の量比では、銅或いは亜鉛の化合物の担持性能、消臭性能、吸水性及び固化性の組み合わせに関して最適の性能が発現される。
【0026】
複合粒状物は、スメクタイト系粘土鉱物と多孔性無機粉体との混合物を、それ自体公知の手段で造粒することにより、製造することができる。
例えば、造粒媒体としては水を使用し、混合物を柱状に押し出し成形し、乾燥することにより、複合粒状物とすることができる。
更に、別法として、活性ベントナイトの混練物と多孔性無機粉体とを混合し、この混合物を引き続き造粒し、乾燥することにより、複合粒状物とすることもできる。
【0027】
この複合粒状物は、短径が0.5乃至8mmであり、アスペクト比が1乃至20の範囲にあることが好ましい。あまり小粒径のものは、後述する噴霧処理によって微量の銅乃至亜鉛化合物を均一に担持させることが困難となる傾向があり、また飛散し易くなり、処理性や環境保全の点で適当でない。さらにあまり大粒径のものでも、微量の銅乃至亜鉛化合物を均一に担持させることが困難となるし、少量の水を吸水しての固化が十分に行われなくなる傾向があるためである。
【0028】
また、上述した複合粒状物は、BET比表面積が70m/g以上の範囲にあることが、物理的消臭性や金属化合物担持性の点で好適である。
【0029】
[銅乃至亜鉛化合物の担持]
本発明において、複合粒状物に担持させる銅乃至亜鉛化合物としては、中和或いは酸化等により異臭乃至悪臭成分を捕捉分解する化学的消臭性を有するもの、例えば硫酸銅、硝酸銅、塩基性硫酸銅、所謂ボルドー液として知られる塩基性硫酸銅カルシウム塩、塩化銅、炭酸銅、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化亜鉛等の塩化合物、酸化銅、酸化亜鉛等の酸化物、或いは、ジカルボン酸銅、ジカルボン酸亜鉛等の有機酸塩などを1種単独又は2種以上の組み合わせで使用することができるが、特に微量の化合物を均一に粒状物に担持させるという見地から、水溶性塩が好ましく、特に消臭スペクトルが広く、種々の悪臭乃至異臭成分に対して消臭効果を示すことから、硫酸銅が最も好適である。
【0030】
また上記銅乃至亜鉛化合物は、粒状物の粒子表面に担持されることから、その担持量は極めて微量でよく、110℃乾燥基準でRO(式中Rは銅又は亜鉛を表す)として粒状物当り0.001乃至2.0重量%、特に0.005乃至1.8重量%の範囲とする。即ち、担持量が上記範囲よりも少ないと、十分に強力な消臭効果が発現しない。一方、上記範囲よりも多量にしても、一定以上の消臭効果は発現せず、コストの点で不利となる。これは、粒状物表面に担持される化合物量には一定の限度があり、それ以上となると、担持物以外の遊離の銅乃至亜鉛化合物を生じ、それ以上に消臭効果が向上しないものと考えられる。
【0031】
このように粒状物表面に銅乃至亜鉛化合物が担持された本発明の金属化合物担持粒状体は、一定の粒度に調整された粒状物を加熱保持し、この状態で、銅乃至亜鉛化合物の水溶液乃至水分散液を噴霧し、必要により乾燥することによって製造される。
この場合、重要なことは、銅乃至亜鉛化合物の水溶液乃至水分散液を噴霧することであり、例えば、銅乃至亜鉛化合物の水溶液乃至水分散液と粒状物とを混合した場合には、後述する比較例5に示す様に、噴霧による銅乃至亜鉛化合物の担持に比べ消臭性が落ちる。これは、銅乃至亜鉛化合物が粒状物の内部に入り込んでしまうために、粒状物の表面に担持される銅乃至亜鉛量が少なく消臭性能の発現が少ないためと考えられる。従って、上記の様な噴霧によってはじめて粒状物の表面に優先的に銅乃至亜鉛化合物を担持させることが可能となる。
【0032】
粒状物の加熱温度は、80乃至300℃、特に100乃至200℃の範囲とする。即ち、このように加熱された粒状物に銅乃至亜鉛化合物の水溶液乃至水分散液を噴霧することにより、直ちに水が揮散し、銅乃至亜鉛化合物を粒子表面に担持させることが可能となる。加熱温度が、上記範囲よりも低いと、水が十分に揮散しないため、銅乃至亜鉛化合物が粒状物の表面に固定されず、粒状物の内部に銅乃至亜鉛化合物が入り込み易くなるばかりか、場合によっては、必要量の銅乃至亜鉛化合物が粒状物に担持されないおそれがある。また、上記範囲よりも加熱温度が高いと、粒状物の基本層内の水分子が揮散して層間の収縮を生じ、その膨潤特性等が損なわれたり、消臭特性が低下するおそれがある。
【0033】
また、銅乃至亜鉛化合物の水溶液乃至水分散液は、前述した範囲の少量の銅乃至亜鉛化合物が粒状物に担持されるような量で使用されるが、この場合、留意すべきことは、必要以上に多量の水を用いると、粒状物の膨潤、固化が生じるおそれがあるということである。従って、可及的に少量の水で銅乃至亜鉛化合物の水溶液乃至水分散液を使用し(即ち、可及的に銅乃至亜鉛化合物の濃度を高くする)、加熱された粒状物を湿らせる程度の噴霧により担持処理を行うべきである。
【0034】
更に、銅乃至亜鉛化合物として、例えば硫酸銅等の水溶性塩を用いる場合は特に問題はないが、酸化銅などの水不溶性化合物の場合には、できるだけ微粉末の形で用いるのがよい。大粒径の形で使用すると、粒状物表面への担持を有効に行うことが困難となるからである。
【0035】
上述した噴霧による担持処理により得られた金属化合物担持粒状体は、粒状物が加熱された状態で噴霧が行われ且つ用いる水分量も少量であることから、ほとんどの水分は揮散しているため、これをそのまま使用に供することができる。勿論、必要により更に乾燥工程を設けることもできるが、この場合にも粒状物中のスメクタイトの層間収縮が生じない様に、乾燥温度を接触時間にもよるが一般的に150℃以下に設定するのがよい。
【0036】
(用途)
かくして得られる本発明の金属化合物担持粒状体は、銅乃至亜鉛化合物の担持量が少量であるにもかかわらず、該化合物が粒子表面に担持され且つ粒状物との相乗的作用により、種々の悪臭乃至異臭成分に対して強力な消臭作用を示し、しかも固体状で消臭作用を発揮するため、極めて取り扱いが容易である。
また、水分の吸収により膨潤して粒子同士が固まって崩壊しない程度の強度を有する固形物を形成し、且つ銅又は亜鉛の水分抽出量も極めて少ないことから、廃棄処分も容易であり、環境保全の点でも極めて有利である。
従って、このような特性を有する本発明の金属化合物担持粒状体は、特に悪臭乃至異臭成分の強い場所、例えばトイレや病院内などで使用される消臭剤として極めて有用であり、また猫砂等のペット用トイレ砂として極めて有用である。特に、ペット用トイレ砂として使用した場合には、ペットの尿や糞により容易に固化し、取り扱い可能な固形物を形成することから、その交換や廃棄を容易に行うことができるという顕著な利点を有する。尚、ペット用トイレ砂として用いる場合には、粒状ベントナイトは、一般に短径が0.5乃至8mmであり、アスペクト比が1乃至20の範囲にあることが、吸収及び吸着剤の取り扱いや、水分吸収の際の固結性や、凝固物の取り除き性の点で好ましい。粒子形状は、球状、立方体状、円柱状、角柱状、顆粒状、タブレット状、不定形状等の任意の形状であってよい。
【0037】
また、本発明品をペット用トイレ砂として用いる場合には、必要に応じて、天然ゼオライト、合成ゼオライトの粒状品、川砂、シリカゲル、新聞紙、製紙スラッジ成型品、大鋸屑、鹿沼土(アロフェン)、1乃至10mmの粒状パルプ或いは粒状化した紙等を併用して用いることも出来る。
【0038】
更に、本発明の金属化合物担持粒状体は、消臭性の持続性を高めるために、複合体100重量部当り0.5乃至10重量部、特に1乃至5重量部の表面処理剤で表面処理して被覆層を形成することができる。
このような表面処理剤としては、以下のものが好適である。
(1)シリコーンオイル。
(2)炭素数が8〜22の高級脂肪酸またはその金属塩(アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、Zn塩、Al塩。
(3)アマイド、アミン、一価乃至多価アルコールの脂肪酸エステル:例えば、高級脂肪酸アマイド、エルカ酸アミド、ステアリルエルカミド、2−ステアロミドエチルステアレート、エチレンビス脂肪酸アマイド、脂肪酸ジエタノールアミン、ステアリン酸n−ブチル、グリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールジラウレート、ジエチレングリコールステアリン酸ジエステル。
(4)ワックス類:例えば、トリグリセライドワックス、ポリエチレンワックス、エポキシ変性ポリエチレンワックス。
(5)融点或いは軟化点が40乃至160℃の低融点乃至低軟化点樹脂:例えば、エポキシ樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン系樹脂、アルキッド樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、低融点アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、石油樹脂。
上記の表面処理剤は、単独でも2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0039】
特に上記のような表面処理により消臭性の持続性が高められたものは、居間、寝室、タンスや押し入れ内、事務所内、自動車内などの所定の空間内、或いはエアコンデショナー内のフィルター内に詰めて消臭剤として使用可能である。また、無機繊維、動植物繊維、合成樹脂繊維等から成る通気性の織布又は不織布に、或いはこれらの間に充填して抗菌性乃至消臭性のシート、フィルターとして使用することもできる。
【0040】
【実施例】
本発明を次の実施例及び比較例で詳細に説明する。
尚、実施例及び比較例における測定は、以下の方法で行った。
【0041】
(1)エチルメルカプタン消臭容量測定方法:
試料10gを100mlのガラス瓶に取り、ゴム製注入口のついた蓋で密栓する。それにエチルメルカプタン1μlをマイクロシリンジを用いて注入する。24時間後のエチルメルカプタン残存濃度が10ppm以下になったら同じ操作を繰り返す。10ppm以下に下がらなくなった時点の合計注入量を消臭容量とする。
【0042】
(2)アンモニア消臭容量測定方法:
試料10gを100mlのガラス瓶に取り、ゴム製注入口のついた蓋で密栓する。それに100%アンモニアガス(液化アンモニアガスを気化させたもの)1mlをシリンジを用いて注入する。24時間後のアンモニア残存濃度が100ppm以下になったら同じ操作を繰り返す。100ppm以下に下がらなくなった時点の合計注入量を消臭容量とする。
【0043】
(3)エチルメルカプタン消臭速度測定方法
試料10gを1800mlのガラス瓶に取り、ゴム製注入のついた蓋で密栓する。それにエチルメルカプタン0.08w/v%エタノール溶液1mlを滴下し、5分後の残存ガス濃度をガス検知管で測定した。同様にして試料を入れないで同様の操作を行いブランクガス濃度を測定し、次式により消臭率を計算した。
消臭率(%)=100−{残存ガス濃度(ppm)/ブランクガス濃度(ppm)×100}
【0044】
(4)アンモニア消臭速度測定方法
試料10gを1800mlのガラス瓶に取り、ゴム製注入のついた蓋で密栓する。それに1%アンモニア水1mlを滴下し、10分後の残存ガス濃度をガス検知管で測定した。同様にして試料を入れないで同様の操作を行いブランクガス濃度を測定し、次式により消臭率を計算した。
消臭率(%)=100−{残存ガス濃度(ppm)/ブランクガス濃度(ppm)×100}
【0045】
(5)崩壊性評価方法
スメクタイトと多孔性ケイ酸塩の混合成形体に金属塩溶液を吹き付ける工程において、溶液量や成形体の性質により、溶液を吸収しきれずに、表面に溶液がにじみ出したり、成形体が崩壊するかどうかを肉眼で観察し評価する。
崩壊の状態を下記に基準で評価する。
◎ 水溶液が吸収され、外観的に変化が認められない。
○ 溶液の滲みだしがあるが、成形体は崩壊しない。
× 溶液の滲みだしがあり、成形体の崩壊が認められる。
【0046】
(6)金属分の水分抽出量測定方法
試料2gをイオン交換水98gに分散させ、ヒーター状で10分間煮沸させる。冷却後イオン交換水にて蒸発分を補填し遠沈管に入れ24時間室温にて放置する。それを遠心分離器(20000rpm×10分間)にかけ上澄液を採取し、原子吸光方法にて金属分の水分抽出量を測定した。
【0047】
(7)固化性能評価方法
300mlのトールビーカーに深さ6cmに成る様に試料を入れる。次いで、ペットの尿の代替えとして1%食塩水7mlを10秒かけて滴下し、試料を固化させ、下記の基準で固化性を評価する。
◎:手や指により圧力を加えても容易に崩れない。
○:手や指により圧力を加えると容易に崩れる。
△:そのままでは固化状態を維持しているが、手で持ち上げると崩れる。
×:固化しない。
【0048】
(8)BET比表面積
カルロエルバ社製Sorptomatic Series 1800を使用し、BET法により測定した。
【0049】
(9)吸油量
JIS.K.5101.19に準拠して測定した。
【0050】
(10)カチオン交換容量の測定方法
日本鋳物協会・東海支部・無機砂型研究部会試験方法TIKS-414に準じて行った。アンモニアの定量は、JIS K 0099の吸光光度法によって行った。
【0051】
(11)ACC法膨潤度
イオン交換水100mlを入れた100mlの共栓付メスシリンダーに、試料2g(水分4〜10.0%のもの)を内壁に殆ど付着しないように加える。先に加えた試料が殆ど沈着したのち次の試料を加える。加え終わったら栓をして24時間静置し容器内に推積した試料の見掛け容積を読みとる。膨潤力の単位を(ml/2g)として表示する。
【0052】
[実施例1]
新潟県小戸産酸性白土400g、ホワイトカ−ボン(水澤化学工業製ミズカシルP−766)400g、アルミノケイ酸塩亜鉛(水澤化学工業製ミズカナイトHP)200g、イオン交換水980gをよく混合し、押し出し成型機(不二パウダル製ファインデスクペレッタ−)を用いて、直径2mmの円柱状に成形する。それを150℃で5時間乾燥する。乾燥品500gを平型の容器に取り、20%硫酸銅溶液(CuO6.37%)135mlを噴霧器を用いて、成形体の表面に添着する。150℃にて3時間乾燥し、金属化合物担持成形体を得た。
この金属化合物担持成形体のCuO含有量は1.7%であった。この試料の消臭性能、金属化合物の水溶出量、金属塩添着工程における成形体の崩壊性について評価した。使用した試料の物性を表1に、結果を表2に示す。
【0053】
[実施例2]
新潟県小戸産酸性白土700g、ホワイトカ−ボン(水澤化学工業製ミズカシルP−766)200g、アルミノケイ酸塩亜鉛(水澤化学工業製ミズカナイトHP)100g、イオン交換水730gをよく混合し、押し出し成型機(不二パウダル製ファインデスクペレッタ−)を用いて、直径2mmの円柱状に成形する。それを150℃で5時間乾燥する。乾燥品500gを平型の容器に取り、20%硫酸銅溶液(CuO6.37%)40mlを噴霧器を用いて、成形体の表面に添着する。150℃にて3時間乾燥し、金属化合物担持成形体を得た。
この金属化合物担持成形体のCuO含有量は0.5%であった。この試料の消臭性能、金属化合物の水溶出量、金属塩添着工程における成形体の崩壊性について評価した。使用した試料の物性を表1に、結果を表2に示す。
【0054】
[実施例3]
新潟県小戸産酸性白土700g、ホワイトカ−ボン(水澤化学工業製ミズカシルP−766)200g、アルミノケイ酸塩亜鉛(水澤化学工業製ミズカナイトHP)100g、イオン交換水730gをよく混合し、押し出し成型機(不二パウダル製ファインデスクペレッタ−)を用いて、直径2mmの円柱状に成形する。それを150℃で5時間乾燥する。乾燥品500gを平型の容器に取り、20%硫酸銅溶液(CuO6.37%)40mlを噴霧器を用いて、成形体の表面に添着する。150℃にて3時間乾燥し、金属化合物担持成形体を得た。
この金属化合物担持成形体のCuO含有量は0.5%であった。この試料の消臭性能、金属化合物の水溶出量、金属塩添着工程における成形体の崩壊性について評価した。使用した試料の物性を表1に、結果を表2に示す。
【0055】
[実施例4]
新潟県小戸産酸性白土850g、ホワイトカ−ボン(水澤化学工業製ミズカシルP−766)100g、亜鉛アルミノケイ酸塩(水澤化学工業製ミズカナイトHP)50g、イオン交換水700gをよく混合し、押し出し成型機(不二パウダル製ファインデスクペレッタ−)を用いて、直径2mmの円柱状に成形する。それを150℃で5時間乾燥する。乾燥品500gを平型の容器に取り、20%硫酸銅溶液(CuO6.37%)40mlを噴霧器を用いて、成形体の表面に添着する。150℃にて3時間乾燥し、金属化合物担持成形体を得た。
この金属化合物担持成形体のCuO含有量は0.5%であった。この試料の消臭性能、金属化合物の水溶出量、金属塩添着工程における成形体の崩壊性について評価した。使用した試料の物性を表1に、結果を表2に示す。
【0056】
[実施例5]
新潟県小戸産酸性白土700g、ホワイトカ−ボン(水澤化学工業製ミズカシルP−766)200g、アルミノケイ酸塩亜鉛(水澤化学工業製ミズカナイトHP)100g、イオン交換水780gをよく混合し、押し出し成型機(不二パウダル製ファインデスクペレッタ−)を用いて、直径2mmの円柱状に成形する。それを150℃で5時間乾燥する。乾燥品500gを平型の容器に取り、2%硫酸銅溶液(CuO0.64%)40mlを噴霧器を用いて、成形体の表面に添着する。150℃にて3時間乾燥し、金属化合物担持成形体を得た。
この金属化合物担持成形体のCuO含有量は0.05%であった。この試料の消臭性能、金属化合物の水溶出量、金属塩添着工程における成形体の崩壊性について評価した。使用した試料の物性を表1に、結果を表2に示す。
【0057】
[実施例6]
新潟県小戸産酸性白土700g、ホワイトカ−ボン(水澤化学工業製ミズカシルP−766)200g、アルミノケイ酸塩亜鉛(水澤化学工業製ミズカナイトHP)100g、イオン交換水780gをよく混合し、押し出し成型機(不二パウダル製ファインデスクペレッタ−)を用いて、直径2mmの円柱状に成形する。それを150℃で5時間乾燥する。乾燥品500gを平型の容器に取り、0.2%硫酸銅溶液(CuO0.064%)40mlを噴霧器を用いて、成形体の表面に添着する。150℃にて3時間乾燥し、金属化合物担持成形体を得た。
この金属化合物担持成形体のCuO含有量は0.005%であった。この試料の消臭性能、金属化合物の水溶出量、金属塩添着工程における成形体の崩壊性について評価した。使用した試料の物性を表1に、結果を表2に示す。
【0058】
[実施例7]
新潟県小戸産酸性白土700g、非晶質アルミノケイ酸塩(東ソ−製トヨエスタ)200g、アルミノケイ酸塩亜鉛(水澤化学工業製ミズカナイトHP)100g、イオン交換水750gをよく混合し、押し出し成型機(不二パウダル製ファインデスクペレッタ−)を用いて、直径2mmの円柱状に成形する。それを150℃で5時間乾燥する。乾燥品500gを平型の容器に取り、20%硫酸銅溶液(CuO6.37%)40mlを噴霧器を用いて、成形体の表面に添着する。150℃にて3時間乾燥し、金属化合物担持成形体を得た。
この金属化合物担持成形体のCuO含有量は0.5%であった。この試料の消臭性能、金属化合物の水溶出量、金属塩添着工程における成形体の崩壊性について評価した。使用した試料の物性を表1に、結果を表2に示す。
【0059】
[実施例8]
新潟県小戸産酸性白土700g、P型ゼオライト(水澤化学工業製)200g、アルミノケイ酸塩亜鉛(水澤化学工業製ミズカナイトHP)100g、イオン交換水750をよく混合し、押し出し成型機(不二パウダル製ファインデスクペレッタ−)を用いて、直径2mmの円柱状に成形する。それを150℃で5時間乾燥する。乾燥品500gを平型の容器に取り、20%硫酸銅溶液(CuO6.37%)40mlを噴霧器を用いて、成形体の表面に添着する。150℃にて3時間乾燥し、金属化合物担持成形体を得た。
この金属化合物担持成形体のCuO含有量は0.5%であった。この試料の消臭性能、金属化合物の水溶出量、金属塩添着工程における成形体の崩壊性について評価した。使用した試料の物性を表1に、結果を表2に示す。
【0060】
[実施例9]
変成ベントナイト(黒崎白土工業製)700g、ホワイトカーボン(水澤化学工業製ミズカシルP−766)200g、アルミノケイ酸塩亜鉛(水澤化学工業製ミズカナイトHP)100g、イオン交換水750をよく混合し、押し出し成型機(不二パウダル製ファインデスクペレッタ−)を用いて、直径2mmの円柱状に成形する。それを150℃で5時間乾燥する。乾燥品500gを平型の容器に取り、2%硫酸銅溶液(CuO0.64%)40mlを噴霧器を用いて、成形体の表面に添着する。150℃にて3時間乾燥し、金属化合物担持成形体を得た。
この金属化合物担持成形体のCuO含有量は0.5%であった。この試料の消臭性能、金属化合物の水溶出量、金属塩添着工程における成形体の崩壊性について評価した。使用した試料の物性を表1に、結果を表2に示す。
【0061】
[比較例1]
新潟県小戸産酸性白土380g、ホワイトカ−ボン(水澤化学工業製ミズカシルP−766)420g、アルミノケイ酸塩亜鉛(水澤化学工業製ミズカナイトHP)200g、イオン交換水1020gをよく混合し、押し出し成型機(不二パウダル製ファインデスクペレッタ−)を用いて、直径2mmの円柱状に成形する。それを150℃で5時間乾燥し成形体を得た。
この試料の消臭性能について評価した。使用した試料の物性を表1に、結果を表3に示す。
【0062】
[比較例2]
新潟県小戸産酸性白土300g、ホワイトカ−ボン(水澤化学工業製ミズカシルP−766)400g、アルミノケイ酸塩亜鉛(水澤化学工業製ミズカナイトHP)300g、イオン交換水950gをよく混合し、押し出し成型機(不二パウダル製ファインデスクペレッタ−)を用いて、直径2mmの円柱状に成形する。それを150℃で5時間乾燥する。乾燥品500gを平型の容器に取り、20%硫酸銅溶液(CuO6.37%)135mlを噴霧器を用いて、成形体の表面に添着する。150℃にて3時間乾燥し、金属化合物担持成形体を得た。
この金属化合物担持成形体のCuO含有量は1.7%であった。この試料の消臭性能、金属化合物の水溶出量、金属塩添着工程における成形体の崩壊性について評価した。使用した試料の物性を表1に、結果を表3に示す。
【0063】
[比較例3]
新潟県小戸産酸性白土950g、アルミノケイ酸塩亜鉛(水澤化学工業製ミズカナイトHP)50g、イオン交換水710gをよく混合し、押し出し成型機(不二パウダル製ファインデスクペレッタ−)を用いて、直径2mmの円柱状に成形する。それを150℃で5時間乾燥する。乾燥品500gを平型の容器に取り、20%硫酸銅溶液(CuO6.37%)135mlを噴霧器を用いて、成形体の表面に添着する。150℃にて3時間乾燥し、金属化合物担持成形体を得た。
この金属化合物担持成形体のCuO含有量は1.7%であった。この試料の消臭性能、金属化合物の水溶出量、金属塩添着工程における成形体の崩壊性について評価した。使用した試料の物性を表1に、結果を表3に示す。
【0064】
[比較例4]
新潟県小戸産酸性白土350g、ホワイトカ−ボン(水澤化学工業製ミズカシルP−766)650gをよく混合し、押し出し成型機(不二パウダル製ファインデスクペレッタ−)を用いて、直径2mmの円柱状に成形する。それを150℃で5時間乾燥する。乾燥品500gを平型の容器に取り、20%硫酸銅溶液(CuO6.37%)135mlを噴霧器を用いて、成形体の表面に添着する。150℃にて3時間乾燥し、金属化合物担持成形体を得た。
この金属化合物担持成形体のCuO含有量は1.7%であった。この試料の消臭性能、金属化合物の水溶出量、金属塩添着工程における成形体の崩壊性について評価した。使用した試料の物性を表1に、結果を表3に示す。
【0065】
[比較例5]
新潟県小戸産酸性白土400g、ホワイトカ−ボン(水澤化学工業製ミズカシルP−766)400g、アルミノケイ酸塩亜鉛(水澤化学工業製ミズカナイトHP)183g、イオン交換水850gに硫酸銅溶液(CuO6.37%)135mlを加えた後、よく混合し、押し出し成型機(不二パウダル製ファインデスクペレッタ−)を用いて、直径2mmの円柱状に成形する。それを150℃にて3時間乾燥し、金属化合物担持成形体を得た。
この金属化合物担持成形体のCuO含有量は1.7%であった。この試料の消臭性能、金属化合物の水溶出量、金属塩添着工程における成形体の崩壊性について評価した。使用した試料の物性を表1に、結果を表3に示す。
【0066】
【表1】
Figure 0004649707
【0067】
【表2】
Figure 0004649707
【0068】
【表3】
Figure 0004649707
【0069】
【発明の効果】
本発明の金属化合物担持粒状体は、銅乃至亜鉛化合物の担持量が少量であるにもかかわらず、粒状物粒子表面に担持された銅或いは亜鉛化合物と、スメクタイト及び多孔性無機粉体の複合粒状物との相乗的作用により、種々の悪臭乃至異臭成分に対して強力な消臭作用を示し、しかも固体状で消臭作用を発揮するため、消臭剤として極めて取り扱いが容易である。
また、水分の吸収により膨潤して粒子同士が固まって崩壊しない程度の強度を有する固形物を形成し、且つ銅又は亜鉛の水分抽出量も極めて少ないことから、廃棄処分も容易であり、環境保全の点でも極めて有利である。
本発明の金属化合物担持粒状体は、強力な消臭性を有していることから、特に悪臭や異臭の強い場所で使用される消臭剤として有用であり、また猫砂等のペット用トイレ砂として、極めて有用である。

Claims (4)

  1. 50meq/100g以上のカチオン交換容量を有しているスメクタイト系粘土鉱物40乃至85重量%と、BET比表面積100m/g以上、吸油量100ml/100g以上の多孔性無機粉体15乃至60重量%との組成物の造粒物を80乃至300℃の温度に加熱保持し、この加熱粒状体に、銅及び亜鉛からなる群の金属化合物より選択された少なくとも1種の水溶液乃至水分散液を噴霧することにより、該金属化合物を、110℃乾燥基準でRO(式中Rは銅又は亜鉛を表す)として粒状物当り0.001乃至2.0重量%の量で粒状体に担持させることを特徴とする金属化合物担持粒状体の製造方法。
  2. スメクタイトがモンモリロナイトを主成分とし、酸化物基準のモル比で表して
    Al/SiO=0.095乃至0.16
    NaO/SiO=0.3×10−2乃至4.5×10−2
    MO/SiO=4.5×10−2乃至10.5×10−2
    式中、Mはアルカリ土類金属である、
    の化学組成を有するベントナイトであることを特徴とする請求項1に記載の金属化合物担持粒状体の製造方法
  3. 前記金属化合物が硫酸銅であることを特徴とする請求項1または2に記載の金属化合物担持粒状体の製造方法
  4. 多孔性無機粉体が非晶質シリカ、非晶質アルミナ、非晶質シリカアルミナ、各種ケイ酸塩、フィロケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、フィロアルミノケイ酸塩、及びテクトアルミノケイ酸塩からなる群より選択された少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の金属化合物担持粒状体の製造方法
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