JP4645912B2 - 生体試料操作方法 - Google Patents

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Description

本発明は、細胞等の生体試料に対して、遺伝子、蛋白質、又は酵素等を含む薬液を注入又は滴下する生体試料操作方法に関し、特に、カンチレバーを用いた生体試料操作方法に関する。
従来、生物研究や病理研究等の分野においては、細胞の内部に遺伝子等を注入して発現させることが行われる。ここで、細胞等の生体試料の内部に遺伝子等を注入する手段としては、走査型プローブ顕微鏡に備えられたカンチレバーを用いる方法が従来提唱されている(特許文献1参照)。図8は、従来の生体試料操作装置の一例を示す図である。図に示すように、生体試料操作装置は80、図示しない走査型プローブ顕微鏡に備えられ先端部に先鋭な形状の探針81が突設されたカンチレバー82と、該カンチレバー82の先端に取り付けられカーボンナノチューブ等からなる針状物83と、を具備してなるものである。本生体試料操作装置80の使用に際しては、針状物83の先端に遺伝子等を固定化し、カンチレバー82を走査して針状物83を細胞84内へ挿入することにより遺伝子等を細胞84内に導入し、この状態で保持して遺伝子の発現を行う。
一方、本出願人は、カンチレバーを用いた微細加工装置を従来提唱している(特許文献2参照)。この微細加工装置は、片持ち支持されたカンチレバー部と、該カンチレバー部の先端に突設された突出部とを備えてなるものであり、突出部には空洞が形成されるとともに、該空洞から突出部の外部へと通じる微細孔が突出部を貫通して形成されている。ここで、突出部の空洞の内部には、インジウム、ガリウム、又はインジウムとガリウムの合金等の流体が充填されている。微細加工装置の使用に際しては、カンチレバーに対してパルス電圧を印加することにより、流体が微細孔を通じて外部へ流出し、試料の表面にInやGa等の超微小ドットや超微細線が形成される。このようにして、高速光通信用の半導体発光素子等が作製されるものとなっている。
しかし、従来の生体試料操作装置80では、細胞84内に導入すべき遺伝子等を針状物83の先端に固定化する必要があるため、遺伝子や薬品等が溶け込んだ薬液や反応性ガス等の流体を、細胞84に対して注入又は滴下することができない、という問題がある。
また、直径が10nm〜30μm程度の針状物83を細胞内に挿入するので、細胞膜85にはこの針状物83の径より大きい孔86が開き、また、針状物83で細胞核87を傷付けてしまう場合もある。これにより、細胞84が大きなダメージを受けて死滅してしまったり、細胞84の自己修復機能により孔86や傷が修復されるとしても、その修復に長時間を要する、という問題もある。
日本国特許出願公開番号 特開2003−325161号公報 日本国特許出願公開番号 特開2004−34277号公報
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、遺伝子等が溶け込んだ薬液等の流体を、生体試料に注入又は滴下することを可能とし、且つ、その際に生体試料に与えるダメージを最小限とする手段を提供することを目的とする。
本発明に係る生体試料操作方法は、生理活性物質又は化学反応を励起する物質を、生体試料に注入する生体試料操作方法において、基端が片持ち支持された梁部と、該梁部に突設され内部に空洞が設けられた探針と、前記空洞から前記探針の外部へ前記探針を貫通して形成された微細孔と、前記探針の先端部の外壁面に固着されて、前記微細孔の下方かつその延長線上に先鋭な角部を探針点として位置させる突起部と、前記空洞内に設けられた第1電極と、を具備してなるカンチレバーの前記空洞内に、生理活性物質又は化学反応を励起する物質を包含し導電性を有する流体を充填し、生体試料を透明な導電性薄膜からなる第2電極上に載置するとともに、該生体試料に前記カンチレバーの探針を近接させ、前記第1電極と前記第2電極との間にパルス電圧を印加することにより、前記流体を前記微細孔から流出させ且つ生体試料に注入し、前記生体試料の操作及び操作後の前記生体試料の内部変化を、前記第2電極を通じて光学顕微鏡で観測することを特徴とするものである。本発明によれば、流体にパルス電圧が印加されることで、流体を構成する各粒子間に作用する結合力が切断され、凝集力を失った流体が微細孔から流出する。また、生体試料に対してパルス電圧が印加されることにより、一過性の絶縁破壊で生体試料の表面に孔が開き、流体は電気泳動により孔を通って生体試料内に取り込まれる。また、この孔は非常に微小なものであり、生体試料の自己修復機能ですぐに修復されるので、生体試料に大きなダメージを与えることもない。これにより、生体試料に与えるダメージを極力低減しつつ、生体試料内に流体を注入することができる。更に、本発明によれば、複数個並べた生体試料の中から、操作すべき生体試料を容易に選択することができ、且つ、操作観測手段で観測しながらより正確に生体試料を操作することができる。また、操作後の生体試料に生じる内部変化を観測することもできる。
また、本発明は、前記カンチレバーが、走査型プローブ顕微鏡に装備され、前記流体を生体試料に注入又は滴下した後に、生体試料の表面の形状変化を前記走査型プローブ顕微鏡で観測することを特徴とするものである。本発明によれば、生体試料の操作後に、薬液等が確実に生体試料内に注入又は滴下されたか、また、パルス電圧を印加したことによる生体試料の壊れ具合はどの程度か等を確認することができる。
本発明の実施形態に係る生体試料操作装置1,30,40,50,60を示す模式図。 図1において細胞2の近傍を拡大した部分拡大断面図。 第1の実施形態に係るカンチレバー9の構成を示す概略斜視図。 第2の実施形態に係るカンチレバー31の構成を示す概略斜視図。 第3の実施形態に係るカンチレバー41の構成を示す概略斜視図。 第4の実施形態に係るカンチレバー51の構成を示す概略斜視図。 第5の実施形態に係るカンチレバー61の構成を示す概略斜視図。 従来例に係る生体試料操作装置80を示す概略側面図。 各図に用いた引用符号を説明する別紙。
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る生体試料操作方法に使用する生体試料操作装置1を示す模式図である。図に示すように、生体試料操作装置1は、操作対象である細胞(生体試料)2を操作すると共に該細胞2の表面の変化を観測するための原子間力顕微鏡(以下、「AFM」という)3と、該AFM3に対してパルス電圧を印加するパルス電源4と、AFM3及びパルス電源4の動作を制御する制御部5と、該制御部5の入出力部であるコンピュータ6と、細胞操作及び操作後の細胞2の内部変化を観測するための光学顕微鏡(操作観測手段)7と、を具備してなるものである。尚、本実施形態では、生体試料の一例として細胞2を用いて説明するが、これ以外にも、例えば、生物の組織片や、蛋白・酵素等の生体高分子を用いることも可能である。
AFM3は、走査型プローブ顕微鏡の一種であり、細胞2の表面形状を観測するとともに、該細胞2を操作するためのものである。該AFM3は、図1に示すように、細胞2が載置される走査ステージ8と、該走査ステージ8上の細胞2の表面をスキャンするカンチレバー9と、を備えている。
図2は、図1において細胞2の近傍を拡大した部分拡大断面図である。図1及び図2に示すように、走査ステージ8は、図示しない圧電素子アクチュエータを内蔵したステージ本体10と、該ステージ本体10の最上部に配設されたガラス板11と、該ガラス板11の上面に貼設された透明な導電性薄膜(第2電極)12と、を有している。走査ステージ8は、導電性薄膜12上に細胞2が載置された状態で、圧電素子アクチュエータに電圧を印加して伸縮させることにより、細胞2をXYZ軸方向に移動させることが可能となっている。また、図1に示すように、ステージ本体10には、該ステージ本体10を上下方向に貫通する空隙13が形成され、該空隙13の下方に前記光学顕微鏡7が配置されている。これにより、ガラス板11と導電性薄膜12を通して、細胞2を操作する様子及び細胞2内に生じる変化等を光学顕微鏡7で観測できるものとなっている。
図3は、カンチレバー9の構成を示す概略斜視図である。図1乃至図3に示すように、カンチレバー9は、基端がホルダ14によって片持ち支持された梁部15と、該梁部15の先端に突設され空洞16が設けられてなる探針17と、該探針17の内壁面に塗布されたマスク18と、空洞16内に充填された薬液19と、梁部15の表面から探針17の内壁面へと配設された導電性薄膜(第1電極)20と、空洞16から探針17の外部へと探針17を貫通して形成された微細孔21と、を有している。
探針17は、細胞2の表面と極微接近してその表面形状を検出するものである。この探針17は、図3に示すように、四角錐形状を有し、該四角錐の底面側から頂点側へ向かって四角錐形状の空洞16が形成されている。また、マスク18は、前記薬液19の表面張力を低減させることにより、薬液19が微細孔21から外部へ流出しやすくするものである。本実施形態では、探針17の内壁面に金を塗布して薄膜を形成している。尚、本発明においてマスク18は任意の構成であり、その成分や膜厚等は適宜設計変更が可能である。また、薬液19は、DNA等の核酸物質、又は抗原・酵素・ホルモン等の蛋白物質(以下、これらを「生理活性物質」という)を緩衝液に溶かしたものであり、導電性を有している。この薬液19は、微細孔21の開口径が超微小であること、加えて、薬液19を構成する各粒子は原子間力等の作用によって互いに結合していることにより、微細孔21を通じて探針17の外部に流出することなく探針17内に保持されている。尚、薬液19は、本実施形態の他にも例えば、細胞2に微小量滴下することにより化学反応を励起するようなものであってもよい。また、微細孔21は、空洞16内に充填された薬液19を探針17の外部へ流出させる流出口の役割を果たすものである。該微細孔21は、横断面が円形であって、その開口径が20〜500nmの超微小な孔である。この微細孔21は、図3に示すように、空洞16の頂点から探針17の頂点に向かって形成されている。従って、探針17はその頂点が欠落し、その先端は微細孔21の断面により構成されており、この断面を細胞2の表面に極微接近させることによりその形状をスキャンするものとなっている。尚、微細孔21の横断面の大きさを変えることで薬液19の流出量を調節することができる。また、導電性薄膜20は、薬液19及び細胞2に対してパルス電圧を印加するためのものである。この導電性薄膜20は、図2及び図3に示すように、梁部15の上面にその長手方向に沿って貼設され、その先端部は下方に曲折されて探針17の内壁面に沿って貼設されている。従って、空洞16内に薬液19を充填した時に、導電性薄膜20の先端部が薬液19と接触した状態となっている。
パルス電源4は、薬液19及び細胞2に対してパルス電圧を印加するものである。このパルス電源4は、図1及び図2に示すように、カンチレバー9の導電性薄膜20、及び走査ステージ8の導電性薄膜12にそれぞれ接続され、導電性薄膜20と導電性薄膜12との間にパルス電圧を印加するものとなっている。ここで、薬液19は導電性を有するものであり、また、細胞2を構成する細胞膜22及び細胞液23もまた導電性を有するものなので、導電性薄膜20と導電性薄膜12の間には電流が流れる。この時、薬液19を構成する各粒子間に作用する結合力が、電気的なショックを受けることで切断され、凝集力を失った薬液19は微細孔21を通って探針17の外部へと流出する。この薬液19の流出量は、パルス電圧の大きさを制御することにより調節することができる。更に、細胞2にも電流が流れるため、一過性の絶縁破壊で細胞膜22には微細な破壊孔24が開き、パルス電圧により電気泳動する薬液19は、細胞膜22の破壊孔24を通って細胞2内に取り込まれる。この細胞膜22に生じた破壊孔24は、非常に微細なものなので、細胞2の自己修復機能によりすぐに塞がれ、細胞2は大きなダメージを受けないものとなっている。このようにして、空洞16内に充填された薬液19が細胞2内に注入されるものとなっている。尚、本実施形態では、微細孔21から流出させた薬液19を細胞2に注入しているが、これに限られず、流出させた薬液19を細胞2上に滴下することも可能である。この場合、図に詳細は示さないが、一対の電極を共に薬液19に接触させて設け、該各電極間にパルス電圧を印加すれば、細胞2には絶縁破壊が起こらず、流出した薬液19は細胞2内に取り込まれることなく細胞2上に滴下される。また、薬液19の各粒子間に作用する結合力を切断する手段としては、本実施形態のように薬液19に電気的なショックを与える以外にも、例えば、パルスレーザにより機械的なショックを与える方法を用いることもできる。
制御部5は、前記AFM3と前記パルス電源4の動作を制御するものである。この制御部5は、走査ステージ8を水平方向すなわちXY軸方向に走査し、この間、カンチレバー9の探針17と細胞2との間に作用する原子間力が一定となるように、Z軸方向すなわち垂直方向への走査を制御する。この時、走査ステージ8のXY軸方向の位置に対応したZ軸方向のフィードバック量を制御部5の出力電圧として検出し、これをコンピュータ6の図示しない演算装置を介して画面上に3次元画像として出力することにより、細胞2の表面の形状を超精密に測定することが可能となっている。尚、本実施形態では、カンチレバー9を位置固定して走査ステージ8を移動させることで細胞2の表面をスキャンしているが、これとは逆に、走査ステージ8を位置固定してカンチレバー9を移動させることで細胞2の表面をスキャンすることも可能であり、この場合、制御部5でカンチレバー9の動作を制御すればよい。また、制御部5は、前記パルス電源4の動作も制御しており、走査ステージ8を走査して細胞2の表面を観測しながら、カンチレバー9が所望の位置に達した時に、電圧パルスを印加して薬液19を細胞2に注入又は滴下することが可能となっている。尚、本実施形態では、走査ステージ8上に1個の細胞2を載置した場合を例にして説明しているが、走査ステージ8上に複数個の細胞2を並べて、その中から選択した任意の細胞2のみに対して薬液19を注入又は滴下するものとしてもよい。このように、薬液19を細胞2に注入した後、AFM3で細胞2の表面の形状を観測して、薬液19が確実に細胞2内に注入されたか、また、パルス電圧を印加したことによる細胞2の壊れ具合はどの程度か等を確認することができ、より正確な細胞操作を行うことが可能となっている。
以下、生体試料操作装置1を使用して細胞操作を行う手順について説明する。まず、細胞2内に注入又は滴下する所定の薬液19をカンチレバー9の空洞16内に充填しておく。次に、操作対象となる細胞2を走査ステージ8上に載置し、光学顕微鏡7で観測しながら、カンチレバー9の探針17が細胞2の真上にくるように位置合わせを行う。次に、走査ステージ8をZ軸方向に走査して探針17を細胞2に近接させた後、走査ステージ8をXY軸方向に走査し、探針17が所望の位置に達した時に、パルス電源4を操作して各導電性薄膜12,20の間に所定の大きさのパルス電圧を印加する。これにより、カンチレバー9の微細孔21から薬液19が流出し、細胞2に注入又は滴下される。その後、細胞2の表面の形状変化をAFM3で観測すると共に、細胞2内に生じる変化、例えば、細胞2内に注入した遺伝子が発現する様子を光学顕微鏡7で観測する。
次に、本発明の第2の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態に係る生体試料操作方法に使用する生体試料操作装置30は、第1の実施形態の生体試料操作装置1と比較してカンチレバー31の構成が異なることを特徴とし、それ以外の構成については第1の実施形態と同じ構成であり、ここでは詳細な説明は省略する。図4は、本実施形態に係るカンチレバー31の構成を示す概略斜視図である。尚、図4において図3と同じ構成に付いては同じ符号を付している。図4に示すように、カンチレバー31は、基端がホルダ14によって片持ち支持された梁部15と、該梁部15の先端に突設され空洞16が設けられてなる探針17と、探針17の内壁面に塗布されたマスク18と、空洞16の内部に充填された薬液19と、梁部15の表面から探針17の内壁面へと配設された導電性薄膜20と、空洞16と探針17の外部とを連通する微細孔32と、を有している。
該カンチレバー9では、微細孔32が、空洞16の頂点と探針17の頂点とを結ぶ線上には位置せず、若干位置ズレして形成されている。これにより、探針17の頂点は欠落することなく先鋭な形状の探針点33として残存している。この探針点33は、曲率半径が略10nm程度に形成されているため、探針17の先端が20〜500nm程度の開口径を有する微細孔21で構成される前記カンチレバー9と比較して、細胞2の表面をより高分解能にスキャンすることが可能となっている。ここで、探針点33で指定した所定位置に対して、より正確に薬液19を流出させるためには、微細孔32をより探針点33に近い位置に形成することが好適である。
次に、本発明の第3の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態に係る生体試料操作方法に使用する生体試料操作装置40も、第1の実施形態の生体試料操作装置1と比較してカンチレバー41の構成が異なることを特徴とし、それ以外の構成については第1の実施形態と同じ構成であり、ここでは詳細な説明は省略する。図5は、本実施形態に係るカンチレバー41の構成を示す概略斜視図である。尚、図5において図3と同じ構成に付いては同じ符号を付している。図5に示すように、カンチレバー41は、基端がホルダ14によって片持ち支持された梁部15と、該梁部15の先端に突設され空洞16が設けられてなる探針17と、該探針17の内壁面に塗布されたマスク18と、空洞16の内部に充填された薬液19と、梁部15の表面から探針17の内壁面へと配設された導電性薄膜20と、空洞16と探針17の外部とを連通する微細孔21と、探針17の先端部に設けられ探針点として機能する突起部42と、を有している。
該カンチレバー41では、微細孔21は、第1の実施形態のカンチレバー9と同様に、空洞16の頂点から探針17の頂点に向かって形成されており、探針17はその頂点が欠落している。一方、突起部42は、先鋭な角部43を有する三角形状に形成され、該先鋭な角部43を微細孔21の下方に位置させるようにして、その一端縁が探針17の外壁面に固着されている。この突起部42の先鋭な角部43を細胞2の表面に極微接近させることにより、第1の実施形態のカンチレバー9と比較して、細胞2の表面をより高分解能にスキャンすることが可能となっている。尚、突起部42は先鋭な角部43を有していればよく、その形状は三角形に限られず適宜設計変更が可能である。
次に、本発明の第4の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態に係る生体試料操作方法に使用する生体試料操作装置50も、第1の実施形態の生体試料操作装置1と比較してカンチレバー51の構成が異なることを特徴とし、それ以外の構成については第1の実施形態と同じ構成であり、ここでは詳細な説明は省略する。図6は、本実施形態に係るカンチレバー51の構成を示す概略斜視図である。尚、図6において図3と同じ構成に付いては同じ符号を付している。図6に示すように、カンチレバー51は、基端がホルダ14によって片持ち支持された梁部15と、該梁部15の先端に突設され空洞16が設けられてなる探針17と、該探針17の内壁面に塗布されたマスク18と、空洞16の内部に充填された薬液19と、梁部15の表面から探針17の内壁面へと配設された導電性薄膜20と、空洞16と探針17の外部とを連通する微細孔21と、探針17の先端部に取り付けられたナノチューブ52と、を有している。
該カンチレバー51では、微細孔21は、第1の実施形態に係るカンチレバー9と同様に、空洞16の頂点から探針17の頂点に向かって形成されており、探針17はその頂点が欠落している。一方、ナノチューブ52は、カーボン等からなり、その基端部は探針17の外壁面に固着され、その先端部は探針17の先端よりも下方に突出して設けられている。このナノチューブ52の開口径は極めて微小であり、その先端を細胞2の表面に極微接近させることにより、第1の実施形態のカンチレバー9と比較して、細胞2の表面をより高分解能にスキャンすることが可能となっている。
次に、本発明の第5の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態に係る生体試料操作方法に使用する生体試料操作装置60も、第1の実施形態の生体試料操作装置1と比較してカンチレバー61の構成が異なることを特徴とし、それ以外の構成については第1の実施形態と同じ構成であり、ここでは詳細な説明は省略する。図7は、本実施形態に係るカンチレバー61の構成を示す概略斜視図である。尚、図7において図3と同じ構成に付いては同じ符号を付している。図7に示すように、カンチレバー61は、基端がホルダ14によって片持ち支持された梁部15と、該梁部15の先端に突設され空洞16が設けられてなる探針17と、該探針17の内壁面に塗布されたマスク18と、図示しないタンク内に充填された反応性ガス(流体)62と、該反応性ガス62をカンチレバー61に給送する給送ノズル63と、梁部15の表面から探針17の内壁面へと配設された導電性薄膜20と、空洞16と探針17の外部とを連通する微細孔21と、を有している。
反応性ガス62は、真空中でも蒸発せず、物質の表面と種々の化学反応を励起する気体状の物質の総称であり、単体は勿論のこと化合物や混合物等も包含している。この反応性ガス62としては、例えば、HFまたはHClに代表されるハロゲンガスや、C4H5NまたはCH3CH2CNに代表されるシアン化ガス等を用いることが可能であり、その他にも、常温で固体や液体であるものは加熱する等して気化した上で用いることが可能である。この反応性ガス62は、図に詳細は示さないが、真空チャンバーである前記タンク内に充填されている。一方、給送ノズル63は、その一端が前記タンクに接続されると共に、他端は細く絞られてカンチレバー61の空洞16内に差し込まれている。この給送ノズル63から噴射された反応性ガス62は、前記薬液19と同様に、微細孔21の開口径が超微小であること、且つ、反応性ガス62を構成する各粒子は原子間力等の作用により互いに結合していることにより、微細孔21を通じて探針17の外部には噴出せず空洞16内に滞留するものとなっている。また、この反応性ガス62に対して、導電性薄膜20からパルス電圧が印加されることにより、各粒子間の結合力が切断され、反応性ガス62は探針17の外部に流出するものとなっている。このようにして微細孔21から反応性ガス62を流出させて、細胞2の表面に付着させることにより、細胞2と反応性ガス62との間に種々の化学反応が励起され、この変化をAFM3や光学顕微鏡7により観測する。
本発明では、原子間力顕微鏡に限られず、他の走査型プローブ顕微鏡に備えられたカンチレバーを使用することも可能である。

Claims (2)

  1. 生理活性物質又は化学反応を励起する物質を、生体試料に注入する生体試料操作方法において、
    基端が片持ち支持された梁部と、該梁部に突設され内部に空洞が設けられた探針と、前記空洞から前記探針の外部へ前記探針を貫通して形成された微細孔と、前記探針の先端部の外壁面に固着されて、前記微細孔の下方かつその延長線上に先鋭な角部を探針点として位置させる突起部と、前記空洞内に設けられた第1電極と、を具備してなるカンチレバーの前記空洞内に、生理活性物質又は化学反応を励起する物質を包含し導電性を有する流体を充填し、
    生体試料を透明な導電性薄膜からなる第2電極上に載置するとともに、該生体試料に前記カンチレバーの探針を近接させ、
    前記第1電極と前記第2電極との間にパルス電圧を印加することにより、前記流体を前記微細孔から流出させ且つ生体試料に注入し、
    前記生体試料の操作及び操作後の前記生体試料の内部変化を、前記第2電極を通して光学顕微鏡で観測することを特徴とする生体試料操作方法。
  2. 前記カンチレバーが、走査型プローブ顕微鏡に装備され、前記流体を生体試料に注入又は滴下した後に、生体試料の表面の形状変化を前記走査型プローブ顕微鏡で観測することを特徴とする請求項1に記載の生体試料操作方法。
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