JP4645088B2 - ブレーズド格子によって形成された導光板 - Google Patents

ブレーズド格子によって形成された導光板 Download PDF

Info

Publication number
JP4645088B2
JP4645088B2 JP2004215990A JP2004215990A JP4645088B2 JP 4645088 B2 JP4645088 B2 JP 4645088B2 JP 2004215990 A JP2004215990 A JP 2004215990A JP 2004215990 A JP2004215990 A JP 2004215990A JP 4645088 B2 JP4645088 B2 JP 4645088B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
guide plate
light guide
blazed
cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004215990A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006039041A (ja
Inventor
彰 永野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Inc filed Critical Toppan Inc
Priority to JP2004215990A priority Critical patent/JP4645088B2/ja
Publication of JP2006039041A publication Critical patent/JP2006039041A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4645088B2 publication Critical patent/JP4645088B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Planar Illumination Modules (AREA)
  • Light Guides In General And Applications Therefor (AREA)

Description

本発明は、ブレーズド格子によって形成された導光板に係り、更に詳しくは、液晶表示装置等の照明装置もしくは表示装置のバックライトに用いるのに好適な導光板に関する。
通常、透過型の液晶パネルの背面に用いられる照明光源である所謂バックライトには、光源からの光を均一に液晶パネルに導くために、透明樹脂からなる導光板が用いられている。図9の斜視図に示すように、この種の導光板10に、例えば白色光を発する光源12が配置されてなる照明装置14では、導光板10の端面11から導光板10内に入射した光は、導光板10の平面部を全反射しながら導光板10内を、おおよそ平均導光方向Fに沿って進む。なお、図9は、光源12として線状の光源を用いた例を示しているが、光源12の形状は線状に限るものではなく、例えば点状であってもよい。導光板10の平面部には所々にプリズム16が設けられ、プリズム16に当たった光は、図中矢印に示す射出方向Eに従って、導光板10の射出面13から射出される。
図10の斜視図に示すように、この照明装置14の導光板10の射出面13の上部に透過型液晶パネル18を配置し、射出面13から射出した光を透過させることによって画像を表示する表示装置24が形成される。図9および図10に示すように背面にプリズム16が設けられた導光板10に係る公知例としては、例えば下記特許文献1がある。また、プリズムを用いない照明装置の例としては、導光板10の底面に散乱性のドットを印刷することにより、光を拡散射出する方法もある。
一方、光源12からの光を所望の方向へ効率良く導光させる光学素子として、回折格子が知られている。回折格子の典型的な構成は、等間隔に配置された平行線(格子線)の集合体であり、格子線を濃淡で表現すると振幅型回折格子、凹凸形状で表現すると位相型回折格子となる。
一般に、可視光に対しては、0.5〜2μm程度の格子間隔(ピッチ)の回折格子が利用される。位相型回折格子としては、断面形状が矩形状もしくは正弦波状の所謂バイナリー格子が知られているが、より光の利用効率(回折効率)が高く光の射出方向を厳密に制御できるものとして、断面形状が鋸歯状のブレーズド格子がある。
ブレーズド格子を構成する際には、ブレーズド格子の格子間隔に応じて決定される回折光の射出角度と緩斜面による反射光の射出角が同一となるように傾斜角を決定することで、理論的には100%の回折効率を得ることができる。
特開平5−264819号公報 特許番号第2865618号公報
しかしながら、このような従来の導光板では、以下のような問題がある。
すなわち、ブレーズド格子を導光板10の射出面13もしくは射出面13の対向面15に構成し、光源12からの光を回折させ、射出面13から射出させる機能を有する導光板10を作成すると、ブレーズド格子の光学特性により、射出面13から損失の少ない光を射出することができる。しかしながら、同時に回折の際の分光作用により、射出光が虹色に見えたり、ある特定の色が観察されたりする。そのため、回折格子を用いた導光板には、別途、拡散板を設けたり、導光板に拡散機能を有する層を一体成型するなどして、得られる射出光の色や光量分布を均一化するのが一般的である。
しかし、導光板に拡散性をもたせることで射出面からの光以外の散乱光が生じたり、拡散層で光の吸収が起こることにより、光の利用効率が低下してしまうという問題がある。
また、光源12から射出される光の波長によっても、ブレーズド格子の回折作用により得られる射出光の色や、光量が最大となる角度が変化する。小型液晶表示装置のバックライトには白色LED光源や白色CCFL(冷陰極管)光源等が利用されているが、このような白色光を発する光源12から射出する光のピーク波長である主波長の値、すなわち光源から射出する光の色調は様々である。
例えば、白色LED光源が青の波長と黄の波長にピークをもっている場合、すなわち2つの主波長の値を持っている場合は、その双方の波長の光を射出面13からバランス良く射出しなければ理想的な色度をもつ白色光を得ることはできない。白色LED光源が赤、青、緑の波長にピークをもっている場合、すなわち3つの主波長の値を持っている場合は、その3つの主波長の光をバランス良く射出面13から射出する必要がある。しかしながら、回折格子を用いた導光板では、回折作用により分光し、光の波長に応じて射出角度や射出光量が変化するため、射出光の色度を調節することが難しい。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、ブレーズド格子を用いて形成することによって、光の利用効率が高く、かつ射出光の色度を厳密に制御し、もって、所望の色度を持つ射出光を得ることが可能な導光板を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。
すなわち、請求項1の発明は、マトリクス状もしくは帯状に配置された各セル内にそれぞれブレーズド格子が形成され、光源から射出される光を、ブレーズド格子によって予め定められた方向に回折し、この回折された光を光射出面から射出する導光板において、各セルのうちの少なくとも何れかに、ブレーズド格子を形成する緩斜面と、ブレーズド格子が配置された光射出面もしくは光射出面の対向面との成す傾斜角度が他のセルのものとは異なるブレーズド格子が形成されており、各セルは、傾斜角度が同一であるブレーズド格子の集合により形成され、各セルの長さが300μm(300×10 −6 m)以下であり、傾斜角度の種類が、光源から射出される光の主波長の数に対応して存在する
従って、請求項1の発明の導光板においては、以上のような手段を講じることにより、射出面から出射される射出光の光量を波長毎に制御することができ、所望の色度の射出光を得ることができる。特に、セル毎にブレーズド格子の傾斜角度を変化させ、各セル毎に射出光のピーク波長や射出角、射出光量を各々独立して決定することで、設計や製造を容易にすることが可能となる。
また、以上のような手段を講じることにより、光源から射出される光のピーク波長にあわせてプレーズド格子の傾斜角度を調整することができるので、光源からの光を効率良く利用し、射出光の色度調整を行うことが可能となる。
請求項の発明は、請求項1の発明の導光板において、セル内の格子ベクトル方向の下流側にあるブレーズド格子の傾斜角度が、セル内の上流側にある前記ブレーズド格子の傾斜角度以上であるか、またはセル内の下流側にあるブレーズド格子の傾斜角度が、セル内の上流側にあるブレーズド格子の傾斜角度以下であるセルが少なくとも一つ存在する。
従って、請求項の発明の導光板においては、以上のような手段を講じることにより、各セルから一様に連続的で広い範囲の波長の光を射出することができる。すなわち、広範囲にほぼ一様な色度をもつ光を射出することが可能となる。
請求項の発明は、請求項1または請求項2の発明の導光板において、ブレーズド格子の格子間隔が複数存在するセルが少なくとも一つ存在する。
従って、請求項の発明の導光板においては、以上のような手段を講じることにより、様々な方向からブレーズド格子に入射した光を回折し、射出することができ、もって、射出面上の任意の方向に、より高輝度で色度の調節された光を得ることが可能となる。
請求項の発明は、請求項1または請求項2の発明の導光板において、それぞれ単一の格子間隔で配置されたブレーズド格子によって形成されて成る各セルのうち、格子間隔が、他のセルの格子間隔とは異なるセルが少なくとも一つ存在する。
従って、請求項の発明の導光板においては、以上のような手段を講じることにより、様々な方向からブレーズド格子に入射した光を回折し、射出することができ、もって、射出面上の任意の方向に、より高輝度で色度の調節された光を得ることが可能となる。
請求項の発明は、請求項1または請求項2の発明の導光板において、それぞれ単一の格子間隔で配置されたブレーズド格子によって形成されて成る各セルの格子間隔が、全て等しい。
従って、請求項の発明の導光板においては、以上のような手段を講じることにより、格子間隔が異なっていることで生じるブレーズド格子の加工精度の違いによる光学特性の不均一性の問題や、拡散板や偏光板、カラーフィルター等の光学フィルムの微細パターンと、ブレーズド格子との間で不均一にモアレが生じてしまう問題を回避、または低減することが可能となる。
本発明の導光板は、以上のように、ブレーズド格子を用いて形成することによって、光の利用効率が高く、かつ射出光の色度を厳密に制御することが可能となる。
なお、同一の導光板において、形状の異なる回折格子を配置してなる導光板は、特許文献2にも開示されているが、特許文献2の発明は、射出光の輝度と均一性との向上を図ることを目的としており、本願発明のように所望の色度を得ることを目的としていない。特許文献2の発明のように回折格子を用いて射出光を得る場合、回折格子による分光に伴う着色が避けられないが、本発明の導光板は、この着色を回避しつつ、白色の回折光を射出させることができる。
本発明によれば、光の利用効率が高く、かつ射出光の色度を厳密に制御することができ、もって、所望の色度を持つ射出光を得ることが可能な導光板を実現することができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。
なお、以下の各形態の説明に用いる図中の符号は、図9乃至図10と同一部分については同一符号を付して示すことにする。
まず、ブレーズド格子にレーザー光線のようなコヒーレントな単色光が入射し、回折光が射出する際の光学作用について、ブレーズド格子の立断面を示す図1を用いて説明する。
ブレーズド格子30は図1に示すように緩斜面41と急斜面42とから構成される。1つの緩斜面41と1つの急斜面42の底面の長さの和が格子間隔(ピッチ)dであり、格子間隔dの逆数が空間周波数である。このようなブレーズド格子30に例えば、底面に対する法線方向に対してαの角度で波長λの単色の入射光44が入射すると、格子間隔dとm次回折光の射出角β,波長λの関係式
md=λ/(sinα−sinβ) ・・・式(1)
から回折光47の射出角βが一意に決定される。ここでブレーズド格子30では回折光47の射出角βと、入射光44の正反射光の射出角度とが一致するように、緩斜面41の傾斜角度θを設定することで、回折光47として非常に高い回折効率をもった射出光を得ることができる。格子間隔dを変えることによりレーザー光線等のコヒーレント光を入射した際の回折光47の角度が変化する。
このようなブレーズド格子30に白色光が入射した際の光学特性について、図2を用いて説明する。ブレーズド格子30に底面に対する法線方向から白色光48が入射すると、この白色光48の入射角度、白色光を構成する各波長の光、及びブレーズド格子30の格子間隔dに応じて、それぞれの波長の回折光の射出角度が一意に決定され、分光して射出される。
可視光領域の光では、図2のように長波長(例えば赤)の光49aは回折角度が大きく射出し、短波長(例えば青)の光49bは回折角度が小さく射出する。また、図2とは異なる角度から白色光を入射すると、上記式(1)に基づいて、分光した回折光は図2の場合とはそれぞれ異なる角度に射出される。
例えば白色光源の主なピーク波長が633nm(赤)、520nm(緑)、および442nm(青)の3種類であり、ブレーズド格子30の格子間隔dが1μmである場合に、導光板10の射出面13に対して垂直な方向にそれらの波長の光を射出するためには、式(1)から、入射光の入射角度αはそれぞれ約39度、約31度、および約26度となる。また、その際に、射出面13に対して垂直な方向への回折光の光量を最も高めるための条件として、ブレーズド格子30の傾斜角度θはそれぞれ約19.5度、約15.5度、約13度となる。
ここでこれら3種類のブレーズド格子30のいずれかの傾斜角度θを変化させることで、そのブレーズド格子30から射出面13の垂直な方向に射出する光の光量を調整することができる。
前述の例で波長633nmの光を、射出面13に対して垂直に射出するブレーズド格子30の傾斜角度θは約19.5度であったが、その傾斜角度θを変化させることで、垂直方向への波長633nmの赤い光を抑えることができ、結果として垂直方向で感じられる光の色度はやや青や緑にシフトしたものとなる。
このように各ブレーズド格子30の傾斜角度θを調整することで、射出される光の光量を波長毎に調整でき、色度を所望の値に設定することが可能となる。ここで、一般に入射光となる白色光源は各波長の光量が一定ではなく、ピーク値にばらつきがあったり、ピーク波長の周辺部の波長の光も光源毎に異なる量で射出される。また、人間の比視感度特性により同じ光量でも波長が違うことで明るさの認識に違いが出る。そのような現象をも考慮して射出光の色度を決定することが好ましい。
なお、このような機能を導光板10において実現する際には、導光板10の屈折率を考慮する必要がある。例えば、屈折率nの媒質中を伝搬する光の波長は空気中(屈折率1.0)を伝搬する波長のn分の1倍にする必要がある。
(第1の実施の形態)
上述したような原理を踏まえ、以下に、本発明の第1の実施の形態に係る導光板について説明する。
すなわち、本実施の形態に係る導光板は、マトリクス状もしくは帯状に配置された各セル内にそれぞれブレーズド格子が形成され、光源から射出される光を、ブレーズド格子によって予め定められた方向に回折し、この回折された光を射出面から射出する導光板において、各セルのうちの少なくとも何れかに、ブレーズド格子を形成する緩斜面と、ブレーズド格子が配置された射出面もしくは射出面の対向面との成す傾斜角度が他のセルのものとは異なるブレーズド格子が形成されている。本実施の形態では、何れのセルも、単一の格子間隔でブレーズド格子が配置されており、各セルにおける格子間隔が全て等しい。また、傾斜角度の種類が、光源から射出される光の主波長の数に対応して存在している。
図3(a)は、このような導光板10を射出面13側から見た上面図の一例であり、図3(b)は、図3(a)に示すA−A断面に沿った立断面図である。
すなわち、この導光板10は、図3(a)に示すように、マトリクス状に分割したセル61,60,62毎に異なる傾斜角度θ,θ,θをそれぞれ有するブレーズド格子51,50,52を配置している。そして、何れのセル61,60,62も、等しい格子間隔dでブレーズド格子51,50,52を配置している。セルは、X方向に沿ってセル60,62,61の順で周期的に配置され、Y方向に沿ってセル62,61,60の順で周期的に配置されるようにしている。マトリクスの行または列が1の場合である帯状のセル分布もまた本実施の形態に係る導光板に含まれる。
導光板10の一端面11側に配置された白色LED光源等の白色光を発する光源12は、一般に2〜3種類の特定の波長の光が強く射出され、それらの波長の光が混ざることにより白色もしくは白色に近い色になっている。例えば633nm(赤)、520nm(緑)、および442nm(青)の3種類のピーク波長、すなわち3種類の主波長を持つ光源や、442nm(青)と580nm(黄)の2種類のピーク波長、すなわち2種類の主波長を持ち、その混色で白色を表現する光源が一般的である。このような光源としては、白色LED光源の他に、白色CCFL(冷陰極管)光源がある。したがって、光源12としては、白色LED光源のみならず、白色CCFL(冷陰極管)光源を用いても良い。
このように、光源12からの光の波長分布は可視光全域で一様ではなく、2〜3種類の主波長を有しているために、これら主波長の光のみを任意の方向に射出するようにブレーズド格子の傾斜角度θを決定することで、十分に高輝度且つ色度の調節された射出光を得るようにしている。以下では、光源12から633nm(赤)、520nm(緑)、および442nm(青)の3種類の主波長を持つ光が射出された場合を例に説明する。
光源12から導光板10に射出された3種類の主波長(赤(R),緑(G),青(B))を持つ光は、図3(b)に示すように全反射を繰り返すことで導光板10内を平均導光方向Fに向かって伝搬して行く過程でブレーズド格子51,50,52に到達すると、そこで回折されて、射出面13から射出する。
主波長の種類に合わせて3種類の傾斜角度θ,θ,θをそれぞれ有するブレーズド格子51,50,52は、それぞれ異なるセル61,60,62内に配置、形成されている。ブレーズド格子51,50,52はそれぞれ赤(R),緑(G),青(B)の光を射出面13の垂直方向に効率良く射出する機能をもつ。すなわち、傾斜角度θの種類(θ,θ,θの3種類)が、光源12から射出される光の主波長の数(R,G,Bの3種類)に対応して存在している。
ここで、光源12の波長分布を考慮して各セル61,60,62内のブレーズド格子51,50,52の傾斜角度θ,θ,θを必要に応じて変化させ、射出面13の垂直方向における色度の制御を可能とする。
以上説明したように、光源12から射出される光の主波長の種類に合わせて、導光板10を3種類のマトリクス状のセル61,60,62に分割し、セル61,60,62毎にブレーズド格子51,50,52の傾斜角度θ,θ,θを決定することで、設計や製造、光線追跡のシミュレーション等を効率良く行うことができる。なお、マトリクス状でなく、任意の方向に帯状に配置したセルについても同様である。
また、各セル61,60,62は図3(a)のように、2次元平面上において規則的に配置されていても良いし、別の法則により配置されていても良い。各セル61,60,62の大きさについても一様でなくても良く、例えば比視感度が低い赤の波長を任意の方向に射出するセル61については面積を大きくする等するとなお良い。
なお、本実施の形態に係る導光板10を液晶装置用のバックライト部材として用いる場合、各セル61,60,62の大きさとしては、液晶パネルの画素と導光板のセルとの間で生じるモアレを抑制するために、液晶パネルの各画素と同じか各画素よりも小さい面積にすることが望ましい。また、本実施の形態に係る導光板10を他の用途に用いる場合でも、人間の眼の解像度より細かい、例えば300μm以下の大きさにすることで各セル61,60,62からの射出光の色が独立して知覚されることを避けることができる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る導光板について以下に説明する。なお、本実施の形態に係る導光板は、第1の実施の形態に係る導光板の変形例であるので、ここでは、第1の実施の形態と同一部分については同一符号を付して示し、異なる点のみを説明する。
すなわち、本実施の形態に係る導光板は、第1の実施の形態に係る導光板において、特に、格子ベクトル方向の下流側にあるブレーズド格子の傾斜角度θが、上流側にあるブレーズド格子の傾斜角度θ以上であるか、または下流側にあるブレーズド格子の傾斜角度θが、上流側にあるブレーズド格子の傾斜角度θ以下であるセルが少なくとも一つ存在する導光板である。
図4(a)は、このような本実施の形態に係る導光板の一例を示す立断面図である。なお、図中に示すX方向は、格子ベクトル方向に一致する。ここでは、各セル61,60,62に配置されたブレーズド格子51,50,52は、格子ベクトル方向の下流側にあるブレーズド格子の傾斜角度θを、上流側にあるブレーズド格子の傾斜角度θ以上としている。格子間隔dは、いずれのセル61,60,62でも同一としている。図4(b)はこの状態を示すために、代表的にセル61について示した拡大図である。
すなわち、セル61は、格子ベクトル方向の上流側から3つのブレーズド格子51(#1),51(#2),51(#3)を順に配置してなる。更に、各ブレーズド格子51(#1),51(#2),51(#3)の傾斜角度θ11,θ12,θ13が、この順に大きくなっている(θ11<θ12<θ13)。
図4(c)は、本実施の形態の別の例を示すものであって、同様に代表的にセル61について示した拡大図である。すなわち、この場合、各ブレーズド格子51(#1),51(#2),51(#3)の傾斜角度θ11,θ12,θ13が、この順に小さくなっている(θ11>θ12>θ13)。
なお、図4(b)および図4(c)で示すように、同一セル61内に配置された各ブレーズド格子51の傾斜角度θが、全て異なる必要はなく、例えば図5(a)および図5(b)に示すように、同じ傾斜角度を持つブレーズド格子51が隣接するようにしても良い。こうすることによっても、格子ベクトル方向の下流側にあるブレーズド格子の傾斜角度θが、上流側にあるブレーズド格子の傾斜角度θ以上(θ11<θ12=θ12<θ13=θ13=θ13<θ14=θ14<θ15)であるか、または下流側にあるブレーズド格子の傾斜角度θが、上流側にあるブレーズド格子の傾斜角度θ以下(θ11=θ11=θ11>θ12=θ12=θ12>θ13=θ13=θ13)とすることができる。
次に、以上のように構成した本実施の形態に係る導光板の作用について説明する。
前述したように、白色LED光源や白色CCFL光源等の光源12は、ある特定の波長の光のみを射出するのではなく、ピーク波長の周辺の波長の光も射出する。図6はこのような光源12の射出光の波長分布の一例を図示したものである。図6の例に示すような光源12は3つの波長(赤(R),緑(G),青(B))にピークをもっているが、各ピーク波長の周辺の波長の光も射出し、それぞれピークの波長を中心に裾野が広がるように分布する。また、その広がり方はそれぞれ異なっているのが普通である。
このようにある程度波長分布に広がりをもった入射光を射出面13から任意の方向に射出するには、ブレーズド格子の傾斜角度θは、格子ベクトル方向に沿って一定ではなく、図4および図5に示すように変化しているのが都合がよい。特に、各セル61,60,62内でピークとなる波長に対応する傾斜角度θをもつブレーズド格子を中心として、傾斜角度θが異なるブレーズド格子を連続的に配置するのが好ましい。この場合、入射光の波長により、最適となる傾斜角度θが異なるので、入射光の波長毎の光量分布特性をもとに各波長の光を最適に射出できるよう、同一セル61,60,62内の各傾斜角度(図4(b)、図(c)、図5(b)の場合θ11〜θ13、図5(a)の場合θ11〜θ15)を決定している。
特に、図5(a)に示すように、ピーク波長に対応する傾斜角度θ13をもつブレーズド格子51(#4〜#6)は多く(3個)構成し、光量が減少するに従って同一傾斜角度θを有するブレーズド格子数を減らす(傾斜角度θ12および傾斜角度θ14をもつブレーズド格子をそれぞれ2個。傾斜角度θ11および傾斜角度θ15をもつブレーズド格子をそれぞれ1個)となお良好な射出光を得ることができる。
ここで、射出光の色度を調節するために、ピーク波長に対応するブレーズド格子(図5(a)の場合ブレーズド格子51(#4〜#6))の傾斜角度θ13を変化させ、それに伴って他の波長に対応するブレーズド格子(図5(a)の場合ブレーズド格子51(#1〜#3,#7〜#9)の傾斜角度も変化させてやればよい。
このようにブレーズド格子を備えることによって、ある特定の方向(例えば射出面と垂直な方向)だけでなく、その近傍の方向でも近い色度の射出光が得られ、もって、ある程度広い観察領域内で、ほぼ一様な色の射出光を得ることが可能となる。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態に係る導光板について以下に説明する。なお、本実施の形態に係る導光板もまた、第1の実施の形態に係る導光板の変形例であるので、ここでは、第1の実施の形態と同一部分については同一符号を付して示し、異なる点のみを説明する。
すなわち、本実施の形態に係る導光板は、第1の実施の形態に係る導光板において、特に、ブレーズド格子の格子間隔が複数存在するセルが少なくとも一つ存在する導光板である。
これを、図7を用いて説明する。図7は、本実施の形態に係る導光板に含まれるあるセルの立断面形状の一例を示している。このセルは、2つのブレーズド格子70と、2つのブレーズド格子71とを直列に配置して成り、ブレーズド格子70の配置間隔dと、ブレーズド格子71の配置間隔dとが異なっている(d≠d)。なお、ブレーズド格子70の傾斜角度θと、ブレーズド格子71の傾斜角度θとは同じであっても、異なっていても良い。このように、ブレーズド格子の格子間隔dが複数存在するセルを少なくとも一つ備えている。
ブレーズド格子を利用した導光板では、これまでに説明したように入射した光が分光し、波長に応じて異なる角度に回折光が射出する。回折光の射出角度は入射光の入射角度やブレーズド格子の格子間隔dによって決定される。そのため、射出面13上の任意の方向でより高輝度で色度の調節された光を得るためには、例えば図7に示すように、ブレーズド格子の格子間隔dを場所により変えることが望ましい。
通常、光源12からの光はある程度広範囲に射出されるので、導光板10に形成されたブレーズド格子に対しても様々な角度で入射する。そのため、各波長成分を有した光が様々な角度から入射するので、ブレーズド格子に入射した光のピーク波長と入射角度を考慮して格子間隔dを最適化するのが良い。
さらに、導光板10内で光源12から近い位置にあるブレーズド格子と離れた位置にあるブレーズド格子とでは全反射を繰り返し到達する光の入射角度がやはり変わるので、位置に応じても格子間隔dを最適化するのが良い。これを、図8を用いて説明する。
図8(a)および図8(b)は、本実施の形態に係る導光板に含まれるある二つのセルの断面形状の一例をそれぞれ示している。図8(a)に示すセルは、3つのブレーズド格子70を配置間隔dで配置して成り、図8(b)に示すセルは、3つのブレーズド格子71を配置間隔dで配置して成る。そして、配置間隔dと配置間隔dとは異なっている(d≠d)。なお、ブレーズド格子70の傾斜角度θと、ブレーズド格子71の傾斜角度θとは同じであっても、異なっていても良い。このように、本実施の形態に係る導光板は、必要に応じて、単一の格子間隔で配置されたブレーズド格子によって形成されて成る各セルのうち、格子間隔が、他のセルの格子間隔とは異なるセルが少なくとも一つ設ける。
したがって、本実施の形態に係る導光板によって、射出面13上の任意の方向で、より高輝度で、かつ色度の調節された光を得ることが可能となる。
以上、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲の発明された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施の形態として、ブレーズド格子が導光板の射出面13の対向面15に形成され、反射型の回折格子として機能する例を示したが、ブレーズド格子を射出面13に形成し、透過型の回折格子としても同様の効果を実現することができる。
ブレーズド格子に入射した単色光の光学作用を説明するためのブレーズド格子の立断面図。 ブレーズド格子に白色光が入射した際の光学特性を説明するためのブレーズド格子の立断面図。 本発明の第1の実施の形態に係る導光板の一例を示す平面図および立断面図。 本発明の第2の実施の形態に係る導光板の一例を示す立断面図。 同一セル内に配置されたブレーズド格子の詳細例を示す立断面図。 白色光源からの射出光の波長分布の一例を示す図。 本発明の第3の実施の形態に係る導光板に含まれるあるセルの一例を示す立断面図。 異なる格子間隔のブレーズド格子によって形成されたセルの例を示す立断面図。 導光板が用いられた従来技術の照明装置の斜視図。 導光板が用いられた従来技術の表示装置の斜視図。
符号の説明
E…射出方向、F…平均導光方向、d…格子間隔、α…入射角度、β…射出角、θ…傾斜角度、10…導光板、11…端面、12…光源、13…射出面、14…照明装置、15…対向面、16…プリズム、18…透過型液晶パネル、24…表示装置、30…ブレーズド格子、41…緩斜面、42…急斜面、44…入射光、47…回折光、48…入射光、49…光、50,51,52…ブレーズド格子、60,61,62…セル、70,71…ブレーズド格子

Claims (5)

  1. マトリクス状もしくは帯状に配置された各セル内にそれぞれブレーズド格子が形成され、光源から射出される光を、前記ブレーズド格子によって予め定められた方向に同折し、この回折された光を光射出面から射出する導光板において、
    前記各セルのうちの少なくとも何れかに、前記ブレーズド格子を形成する緩斜面と、前記ブレーズド格子が配置された前記光射出面もしくは前記光射出面の対向面との成す傾斜角度が他のセルのものとは異なるブレーズド格子が形成されており、前記各セルは、前記傾斜角度が同一である前記ブレーズド格子の集合により形成され、前記各セルの長さが300μm(300×10 −6 m)以下であり、前記傾斜角度の種類が、前記光源から射出される光の主波長の数に対応して存在する導光板。
  2. 請求項1に記載の導光板において、
    前記セル内の格子ベクトル方向の下流側にある前記ブレーズド格子の前記傾斜角度が、前記セル内の上流側にある前記ブレーズド格子の傾斜角度以上であるか、または前記セル内の下流側にあるブレーズド格子の傾斜角度が、前記セル内の上流側にあるブレーズド格子の傾斜角度以下であるセルが少なくとも一つ存在する導光板。
  3. 請求項1または請求項2に記載の導光板において、
    前記ブレーズド格子の格子間隔が複数存在するセルが少なくとも一つ存在する導光板。
  4. 請求項1または請求項2に記載の導光板において、
    それぞれ単一の格子間隔で配置されたブレーズド格子によって形成されて成る前記各セルのうち、前記格子間隔が、他のセルの格子間隔とは異なるセルが少なくとも一つ存在する導光板。
  5. 請求項1または請求項2に記載の導光板において、
    それぞれ単一の格子問隔で配置されたブレーズド格子によって形成されて成る前記各セルの前記格子間隔が、全て等しい導光板。
JP2004215990A 2004-07-23 2004-07-23 ブレーズド格子によって形成された導光板 Expired - Fee Related JP4645088B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004215990A JP4645088B2 (ja) 2004-07-23 2004-07-23 ブレーズド格子によって形成された導光板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004215990A JP4645088B2 (ja) 2004-07-23 2004-07-23 ブレーズド格子によって形成された導光板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006039041A JP2006039041A (ja) 2006-02-09
JP4645088B2 true JP4645088B2 (ja) 2011-03-09

Family

ID=35904122

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004215990A Expired - Fee Related JP4645088B2 (ja) 2004-07-23 2004-07-23 ブレーズド格子によって形成された導光板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4645088B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101319439B1 (ko) * 2011-03-29 2013-10-17 부경대학교 산학협력단 회절격자를 이용한 조명광학시스템
EP3601881A4 (en) * 2017-03-25 2021-01-13 LEIA Inc. DIRECTIONAL BACKLIGHT, BACKLIT DISPLAY AND PROCEDURES
EP3625503A4 (en) 2017-05-14 2020-11-11 LEIA Inc. MULTI-VIEW BACKLIGHT AND DISPLAY, AND PROCEDURES WITH ACTIVE EMITTER ARRAYS

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005011599A (ja) * 2003-06-17 2005-01-13 Omron Corp 面光源装置及び当該面光源装置を用いた機器

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005011599A (ja) * 2003-06-17 2005-01-13 Omron Corp 面光源装置及び当該面光源装置を用いた機器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006039041A (ja) 2006-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10969627B2 (en) Mode-selectable backlight, privacy display, and method
CN107209415B (zh) 采用反射岛的单向基于光栅的背光
CN107111058B (zh) 具有受控衍射耦合效率的基于衍射光栅的背光
JP6550143B2 (ja) 角度選択的な反射性層を利用した一方向格子ベースの背面照明
US11733556B2 (en) Privacy-mode backlight, privacy display, and method
TW201706687A (zh) 彩色掃描格柵式背光板以及使用該背光板的電子顯示器
US10955704B2 (en) Polarized backlight and backlit display using the same
JP6971324B2 (ja) バックライト、マルチビューディスプレイ、およびテーパ付きコリメータを使用する方法
JP2004361908A (ja) ディスプレイ用ライトユニット
JP2004319252A (ja) 導光板、それを用いた照明装置および表示装置
JP4470387B2 (ja) 照明装置および表示装置
JP6987240B2 (ja) バックライト付き透明ディスプレイ、透明ディスプレイシステム、および方法
KR20190051992A (ko) 투명 디스플레이 및 방법
KR100843289B1 (ko) 회절격자가 구비된 도광체 및 이를 이용한 면광원장치
US20070159845A1 (en) Surface light source device and apparatus using the same
JP4645088B2 (ja) ブレーズド格子によって形成された導光板
JP4779594B2 (ja) 照明装置および液晶表示装置
JP4453516B2 (ja) 照明装置
JP2012169120A (ja) 面状照明装置
US20230350126A1 (en) Backlight, multiview backlight, and method having global mode mixer

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070622

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100420

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100511

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100709

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101109

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101122

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131217

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees