JP4645006B2 - 車載燃料電池システム - Google Patents

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    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載燃料電池システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、燃料電池は発電効率が高く、有害物質を排出しないので、産業用、家庭用の発電装置として、又は、人工衛星や宇宙船などの動力源として実用化されてきたが、近年は、乗用車、バス、トラック等の車両用の動力源として開発が進んでいる。燃料電池には、種々の形式のものが知られており、アルカリ水溶液型、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型、直接型メタノール等のものであってもよいが、固体電解質、特に、固体高分子電解質膜を用いた燃料電池が有望視されている。この場合、固体電解質と燃料極、酸素極、空気流路、燃料流路とを併せて燃料電池セルが構成され、さらに、該燃料電池セルを複数積層させたものを燃料電池スタックとして構成される。
【0003】
そして、燃料電池システムを自動車等の車両に搭載する場合、乗員や荷物を積載するためのスペースを広くとるために、燃料電池スタックや補機類を前後の車軸間の床下に配設する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この場合、燃料電池スタックに空気を供給するために、車両の前方部分にスーパーチャージャーを配設し、該スーパーチャージャーによって加圧された空気を車両の側部に配設された空気供給路を介して、前記燃料電池スタックに供給するようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−71753号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の燃料電池システムにおいては、空気供給路の形状や取り回しが複雑となり、該空気供給路において大きな圧力損失が生じるので、特に加圧されていない空気を燃料電池セルの空気流路に供給する常圧型の燃料電池スタックを使用することができなくなってしまう。
【0006】
一般に、燃料電池セルの酸素極に空気を供給する燃料電池スタックには、加圧された空気を燃料電池セルの空気流路に供給する加圧型の燃料電池スタックと、加圧されていない空気を燃料電池セルの空気流路に供給する常圧型の燃料電池スタックとがある。加圧型の燃料電池スタックを使用する燃料電池システムにおいては、燃料電池スタックに供給する空気をスーパーチャージャー等によって加圧するために、空気供給路の形状や取り回しが複雑で該空気供給路において大きな圧力損失が生じても、前記燃料電池スタックには十分な空気が供給されるので格別な問題は発生しない。しかし、加圧型の燃料電池スタックを使用する場合、スーパーチャージャー等の複雑で大型の空気加圧装置やインタークーラー等の冷却器を使用する必要があり、また、空気供給路や燃料電池スタックを加圧された空気の圧力に耐え得るだけの強度を備えたものとする必要があるので、燃料電池システムの構造が複雑、かつ、大型となり、コストも高くなってしまう。
【0007】
これに対し、常圧型の燃料電池スタックを使用する場合、空気加圧装置や大容量の冷却器が不要であり、空気供給路や燃料電池スタックを加圧された空気の圧力に耐え得るだけの強度を備えたものとする必要もないので、燃料電池システムの構造を簡素、かつ、小型にすることができ、コストを低減させることができる。しかし、前記従来の燃料電池システムに常圧型の燃料電池スタックを使用すると、空気供給路の形状や取り回しが複雑となり、該空気供給路において大きな圧力損失が生じ、また、圧力分布が不均一になるので、空気の流れが滞り、酸素極に十分な酸素が供給されなくなるので、燃料電池セルの出力が低下してしまう。そのため、前記従来の燃料電池システムにおいては、常圧型の燃料電池スタックを使用することができない。
【0008】
本発明は、前記従来の燃料電池システムの問題点を解決して、常圧型の燃料電池スタックに供給される空気の流れをスムーズにし、大きな圧力損失が生じることがなく、かつ、圧力分布が均一になるようすることによって、燃料電池セルの酸素極に常に燃料電池セルの出力が最大となるために必要な空気の量よりも十分に多い量の空気を供給して、燃料電池セルの出力が高く安定し、かつ、燃費も良い車載燃料電池システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の車載燃料電池システムにおいては、常圧の空気が流通する空気流路を備える燃料電池セル、前記空気流路の空気入口端に接続し、前記空気中に水を供給する水供給ノズルを備える空気供給室、並びに、前記空気流路の空気出口端に接続する空気排出室を備え、車両に搭載された燃料電池スタックと、前記車両に搭載され、外部から空気を導入して前記空気供給室に常圧の空気を供給する空気供給ファンユニットと、前記車両に搭載され、前記空気排出室から排出された空気を、該空気中の水分を凝縮させて除去して外部に排出する凝縮器ユニットとを有し、前記空気供給ファンユニットは、回転軸が鉛直方向に延在する遠心式のファンと、該ファンの周囲に配設された渦巻状の昇圧ダクトと、該昇圧ダクトの出口と前記空気供給室の空気導入ダクトを接続する接続ダクトとを備え、前記昇圧ダクトの出口の横方向の寸法は、前記空気導入ダクトの横方向の寸法よりも小さく、かつ、前記昇圧ダクトの出口の横方向に関する中心は、前記空気導入ダクトの横方向に関する中心及び前記回転軸に対して横方向に左右いずれか一方に偏倚し、前記接続ダクトは、前記昇圧ダクトの出口側の横方向の寸法が前記空気導入ダクト側の横方向の寸法より小さく、かつ、前記一方に位置する側壁が他方に位置する側壁よりも短く形成されている。
【0010】
本発明の他の車載燃料電池システムにおいては、さらに、前記凝縮器ユニット、燃料電池スタック及び空気供給ファンユニットは、前記車両の前方から後方に向かって順次配設される。
【0011】
本発明の更に他の車載燃料電池システムにおいては、さらに、前記凝縮器ユニットは、前記車両の前方部分に配設され、前記車両の走行風を利用して前記空気中の水分を凝縮する。
【0012】
本発明の更に他の車載燃料電池システムにおいては、さらに、前記空気供給ファンユニットは、空気吹出口の位置が前記空気供給室の最も高い部位よりも高い位置になるように配設される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
図1は本発明の実施の形態における車載燃料電池システムの模式平面図、図2は本発明の実施の形態における車載燃料電池システムの模式側面図である。
【0015】
図において、11は複数の燃料電池セル(FC)から構成される燃料電池スタックであり、乗用車、バス、トラック、乗用カート、荷物用カート等の車両用の動力源として使用される。ここで、車両10は、照明装置、ラジオ、パワーウインドウ等の車両10の停車中にも使用される電気を消費する補機類を多数備えており、また、走行パターンが多様であり、動力源に要求される出力範囲が極めて広いので、動力源として燃料電池スタック11と蓄電手段としての2次電池36とを併用して使用することが望ましい。
【0016】
そして、燃料電池セルは、アルカリ水溶液型(AFC)、リン酸型(PAFC)、溶融炭酸塩型(MCFC)、固体酸化物型(SOFC)、直接型メタノール(DMFC)等のものであってもよいが、固体高分子型燃料電池(PEMFC)であることが望ましい。
【0017】
なお、更に望ましくは、水素ガスを燃料とし、酸素又は空気を酸化剤とするPEMFC(Proton Exchange Membrane Fuel Cell)型燃料電池、又は、PEM(Proton Exchange Membrane)型燃料電池と呼ばれるものである。ここで、該PEM型燃料電池は、一般的に、プロトン等のイオンを透過する固体高分子電解質膜の両側に触媒、電極及びセパレータを結合したセル(Fuel Cell)を複数及び直列に結合したスタック(Stack)から成る。
【0018】
この場合、固体高分子電解質膜を2枚のガス拡散電極で挟み、一体化させて接合する。そして、該ガス拡散電極の一方を燃料極とし、該燃料極表面に接する燃料流路を介し前記燃料極に燃料として水素ガスを供給すると、水素が水素イオン(プロトン)と電子とに分解され、水素イオンが固体高分子電解質膜を透過する。また、前記ガス拡散電極の他方を酸素極とし、該酸素極表面に接する空気流路を介し前記酸素極に酸化剤として空気を供給すると、空気中の酸素、前記水素イオン及び電子が結合して、水が生成される。このような電気化学反応によって起電力が生じるようになっている。なお、本実施の形態において、前記燃料電池スタック11はいわゆる常圧型の燃料電池であり、前記空気流路には常圧の空気が流通する。ここで、常圧とは、大気圧から大気圧より約100〔mmAq〕高い程度の圧力までの範囲である。
【0019】
例えば、本実施の形態においては、1例として、PEM型燃料電池であり、100枚のセルを直列に接続したスタックを使用する。この場合、出力は約80〔kW〕である。そして、定常動作時の温度は50〜90〔℃〕程度である。
【0020】
なお、改質装置によってメタノール、ガソリン等を改質して取り出した燃料である水素ガスを燃料電池セルに直接供給することもできるが、車両10の高負荷運転時にも安定して十分な量の水素を供給することができるようにするためには、燃料貯蔵手段12に貯蔵した水素ガスを供給することが望ましい。
【0021】
ここで、前記燃料貯蔵手段12は、水素吸蔵合金を格納した容器であることが望ましいが、デカリンのような水素吸蔵液体を格納した容器、水素ガスボンベのように水素ガスを格納した容器等であってもよい。これにより、水素ガスがほぼ一定の圧力で常に十分に供給されるので、前記燃料電池セルは車両10の負荷の変動に遅れることなく追随して、必要な電流を供給することができる。この場合、前記燃料電池セルの出力インピーダンスは極めて低く、0に近似させることが可能である。
【0022】
本実施の形態においては、燃料貯蔵手段12として複数本(例えば、4本)の水素ガスボンベを使用する。この場合、該水素ガスボンベは、図示されない搭乗員用シートの後方において、図示されないフレームに立てかけるようにして着脱可能に取り付けられる。なお、取扱の観点から、前記水素ガスボンベは単一の容器等に梱(こん)包されて、単一のカートリッジとして取り扱うことができるようになっていることが望ましい。
【0023】
そして、燃料電池スタック11は、車両フレーム31の右側のサイドメンバー31R及び左側のサイドメンバー31Lの間に、取付ブラケット32を介して、取り付けられる。この場合、該取付ブラケット32は固着手段としての取付ボルト33によって前記車両フレーム31に取り付けられ、前記燃料電池スタック11は固着手段としての取付ボルト33によって取付ブラケット32に取り付けられている。ここで、前記取付ブラケット32と車両フレーム31との間、又は、燃料電池スタック11と取付ブラケット32との間には、樹脂等の電気的に絶縁性の材料から成る図示されない絶縁部材が介在し、車両フレーム31と燃料電池スタック11とが電気的に絶縁された状態となっている。そのため、燃料電池スタック11の出力が車両フレーム31を流れることがない。
【0024】
この場合、燃料電池スタック11は、運転者、同乗者等が乗車したり荷物等を搭載する図示されない車室の床板の下に配設される。また、前記燃料電池スタック11の下方には、図2に示されるように、車両10の底板15が、前記燃料電池スタック11の下面から距離を開けて配設されている。前記底板15は、前記左右のサイドメンバー31L、31Rの下面に取り付けられ、車両10の底面を覆うようになっている。
【0025】
また、前記燃料電池スタック11の後方(図における右方)には、燃料貯蔵手段12に貯蔵した燃料としての水素ガスを燃料電池スタック11に供給するために燃料供給管路、燃料圧力調整弁、燃料供給電磁弁、逆止弁、圧力センサ等の補機類を備える燃料供給用補機類ユニット13、及び、燃料電池スタック11に供給される酸化剤としての空気が流通する空気流路内に水を供給するために水供給管路、電磁弁、流量調整弁、水タンク、水供給ポンプ等の補機類を備える水供給用補機類ユニット14が、前記車両フレーム31の右側のサイドメンバー31R及び左側のサイドメンバー31Lの間に配設される。なお、本実施の形態においては、水がスプレー又は噴射されることによって空気流路内に供給されるものとして説明する。
【0026】
そして、燃料としての水素ガスは、前記燃料貯蔵手段12から、燃料供給用補機類ユニット13を通って、燃料電池スタック11の各燃料電池セルに供給される。この場合、各燃料電池セルに供給される水素ガスがあらかじめ設定した一定の圧力に維持されるように、圧力センサで前記燃料供給管路内の水素ガスの圧力をモニターしながら、燃料圧力調整弁を調整して、水素ガスを燃料貯蔵手段12から供給する。そして、燃料電池セルから排出される水素ガスは、図示されない燃料排出管路を通って大気中へ排出される。なお、前記水素ガスをそのまま大気中へ排出せずに、酸素と結合させて水にした後で、排出させるようにしてもよい。さらに、燃料電池セルから排出される水素ガスを回収して、再度、燃料電池セルに供給するようにしてもよい。また、前記燃料排出管路には、図示されないフィルタ、燃料排出電磁弁、逆止弁等が配設される。
【0027】
さらに、前記燃料供給用補機類ユニット13及び水供給用補機類ユニット14の後方であり、かつ、燃料貯蔵手段12の下方には、前記2次電池36が前記車両フレーム31の右側のサイドメンバー31R及び左側のサイドメンバー31Lの間に配設される。なお、前記2次電池36としては、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、ナトリウム硫黄電池等のいわゆるバッテリ(蓄電池)が一般的である。また、前記2次電池36は、電気2重層キャパシタのようなキャパシタ(コンデンサ)、フライホイール、超伝導コイル、蓄圧器等のように、エネルギを電気的に蓄積し放出する機能を有するものであれば、いかなる形態のものであってもよい。さらに、これらの中のいずれかを単独で使用してもよいし、複数のものを組み合わせて使用してもよい。本実施の形態においては、2次電池36として、キャパシタを使用する。この場合、開放端子電圧は約50〔V〕であり、約1〔kW〕の電流を5〜20分程度供給することができる程度の容量を有する。
【0028】
また、前記2次電池36の後方には、図示されない駆動モータを含む車両10の駆動装置を制御するための駆動装置制御ユニット35が配設される。該駆動装置制御ユニット35は、CPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ等の記憶手段、入出力インターフェイス等を備える一種のコンピュータであり、車両10の駆動装置の動作を制御する。
【0029】
ここで、前記車両フレーム31は、右側のサイドメンバー31R及び左側のサイドメンバー3L、並びに、左右のサイドメンバー31L、31Rを連結する複数のクロスメンバー31cを有する。なお、前記左右のサイドメンバー31L、31Rは、例えば、断面矩(く)形の角筒部材であるが、断面円形の円筒部材、断面楕(だ)円形の筒部材、断面I字状の棒部材、断面H字状の棒部材、断面コ字状の棒部材等いかなる形状のものであってもよい。また、材質は、強度の高い材質であることが望ましく、例えば、鋼、アルミニウム合金、FRP、カーボン複合材等であるが、いかなる材質であってもよい。
【0030】
さらに、前記クロスメンバー31cも、断面矩形の角筒部材であるが、断面円形の円筒部材、断面楕円形の筒部材、断面I字状の棒部材、断面H字状の棒部材、断面コ字状の棒部材等いかなる形状のものであってもよい。また、材質も、鋼、アルミニウム合金、FRP、カーボン複合材等いかなる材質であってもよいが、前記左右のサイドメンバー31L、31Rと同じ材質であることが望ましい。なお、前記クロスメンバー31cの数は、幾つであってもよいが、強度の観点からは多い方が望ましい。そして、前記クロスメンバー31cの両端は、溶接、接着、ボルト止等の手段によって、前記左右のサイドメンバー31L、31Rに固着される。なお、前記クロスメンバー31cの両端は、前記左右のサイドメンバー31L、31Rの内側の側面に固着されることが望ましいが、前記左右のサイドメンバー31L、31Rの上面又は下面に固着されてもよい。
【0031】
そして、前記車両10の底板15は、前記左右のサイドメンバー31L、31Rの下面に取り付けられ、車両10の底面を覆うようになっている。ここで、前記車両10の底板15は車両10の全ての範囲に亘(わた)って底面を覆うようなものであってもよいし、車両10の一部分の底面を覆うものであってもよい。本実施の形態においては、図2に示されるように、ほぼ左右の前輪28L、28Rと左右の後輪29L、29Rとの間の範囲であり、かつ、前記左右のサイドメンバー31L、31Rの間の範囲を覆うようになっている。
【0032】
なお、前記底板15は、前記車両10の強度部材としての機能を果たすものであってもよいし、強度部材としての機能を果たすことなく、単に車両10の底面を覆うだけの板部材であってもよい。そして、底板15が強度部材である場合、底板15の材質は、前記左右のサイドメンバー31L、31Rやクロスメンバー31cと同じ材質であることが望ましい。
【0033】
また、前記底板15は、車両10の強度部材としての機能を果たすものでなくても、ある程度の強度及び弾性を備えることが望ましい。これにより、車両10が、例えば、悪路等を走行中に突起に乗り上げたときのように、車両10の下方から衝撃を受けた場合でも、前記底板15が衝撃を吸収し、該衝撃が燃料電池スタック11やその他の装置に伝わることを防止することができる。
【0034】
前記燃料電池スタック11の幅、すなわち、車両10の横方向(図1における上下方向)の寸法は、前記左右のサイドメンバー31L、31Rの間隔と等しくなっている。そして、前記燃料電池スタック11の幅方向(図1における上下方向)に関する中心は、車両10の横方向に関する中心と一致するようになっている。すなわち、前記燃料電池スタック11は車両10の横方向に関する中心に配設される。また、重量物である燃料電池スタック11が低い位置に配設されるので、車両10の重心位置が低くなり、車両10の安定性が向上する。さらに、前記燃料電池スタック11が、左右の前輪28L、28Rの車軸と左右の後輪29L、29Rの車軸との間に配設されているので、車両10の重心位置近傍に重量物が集中し、重心回りの慣性モーメントが低減され、車両10の旋回性が向上する。
【0035】
なお、図に示される車両10の左右の前輪28L、28R及び左右の後輪29L、29Rは、サスペンション機構等を介して前記左右のサイドメンバー31L、31Rやクロスメンバー31cに取り付けられることが望ましい。
【0036】
そして、前記燃料電池スタック11の後方であり、かつ、燃料供給用補機類ユニット13及び水供給用補機類ユニット14の上方には、前記燃料電池スタック11に酸化剤としての常圧の空気を供給するために、酸化剤供給源としての空気供給ファンユニット26が配設される。該空気供給ファンユニット26は、一般的にシロッコファンと称されるものであり、羽根車として遠心式の多翼ファンを備え、該多翼ファンの回転軸が鉛直方向(図2における上下方向)に延伸するように、すなわち、水平面内において回転するように配設される。この場合、前記空気供給ファンユニット26は、回転する多翼ファンの中心に上方から空気を吸引し、前記多翼ファンの外周側に空気を排出し、該空気を前記多翼ファンの周囲に配設された概略渦巻状の昇圧ダクトを通過させて、空気供給ファンユニット26の外部に常圧の空気を吐出する。
【0037】
また、前記空気供給ファンユニット26の上面には、図2に示されるように、エアフィルタ27が配設され、前記空気供給ファンユニット26に吸引される空気中の塵埃(じんあい)、汚染物質、有害成分等を除去するようになっている。なお、前記エアフィルタ27の上方には図示されない搭乗員用シートが配設されるが、空気がスムーズにエアフィルタ27内に流入するように、前記搭乗員用シートの下面と前記エアフィルタ27の上面との間にはある程度の間隙(げき)が形成されることが望ましい。
【0038】
そして、前記空気供給ファンユニット26から吐出された空気は、該空気供給ファンユニット26の空気吹出口に接続された接続ダクト25、及び、該接続ダクト25に接続された空気導入ダクト24を通って、燃料電池スタック11上側に取り付けられた空気供給室17内に供給される。なお、該空気供給室17内には、水をスプレーする図示されない水供給ノズルが配設されている。
【0039】
ここで、前記空気導入ダクト24の前記空気供給室17に接続される側の端部、すなわち、空気出口端部は、車両10の横方向に関し、燃料電池スタック11の少なくとも1/2以上の幅を備える。さらに、前記空気導入ダクト24の空気出口端部及び前記空気供給室17は、幅方向の中心が前記燃料電池スタック11の幅方向の中心と一致する。また、空気供給ファンユニット26の空気吹出口の位置が空気供給室17の最も高い部位よりも高い位置になるように配設される。そのため、前記空気導入ダクト24は、図2に示されるように、車両10の前方に向かって下方向に傾斜して、前記空気供給室17の上面に形成された空気導入口に接続される。
【0040】
これにより、車両10が障害物や段差を乗り越えたり、悪路を走行したりする場合に車両10が傾いたり跳ねたときであっても、水供給ノズルから空気供給室17内にスプレーされた水が、空気供給ファンユニット26の内部に到達するまで逆流してしまうことがない。
【0041】
なお、前記接続ダクト25は、空気導入ダクト24と一体的に形成されたものであってもよいし、別個に形成されて取り付けられたものであってもよい。また、前記空気導入ダクト24は、前記空気供給ファンユニット26の昇圧ダクトと一体的に形成されたものであってもよいし、別個に形成されて接続されたものであってもよい。
【0042】
また、燃料電池スタック11の空気供給室17の上面の高さは、その上を覆うように配設される車室や荷室の床板の高さを低くするために、できる限り低くすることが望ましい。さらに、前記燃料電池スタック11の空気排出室18の下面も、前記燃料電池スタック11の取付位置及び車室や荷室の床板の高さを低くするために、できる限り下方に突出しないことが望ましい。すなわち、前記空気排出室18の厚さはできる限り薄いことが望ましい。
【0043】
そして、車両10の前方部分には、凝縮器ユニット21が配設されている。該凝縮器ユニット21は、燃料電池スタック11から排出された空気に含まれる水分を凝縮して分離するためのものであり、車両10の走行風を適切に利用して、前記燃料電池スタック11から排出された空気を冷却して、水分を凝縮するようになっている。そのため、前記凝縮器ユニット21の下面の排気導入口には、排気導入ダクト22が接続され、該排気導入ダクト22に接続された排気接続ダクト23は、燃料電池スタック11の下側に取り付けられた空気排出室18に接続されている。
【0044】
これにより、燃料電池スタック11から空気排出室18内に排出された空気は、排気接続ダクト23及び排気導入ダクト22を通って、凝縮器ユニット21の下面の排気導入口から凝縮器ユニット21内に導入される。そして、前記空気は、凝縮器ユニット21内を上昇する間に冷却され、凝縮した水分を分離して、凝縮器ユニット21の上面の排気口21aから大気中に放出される。なお、分離された水分は、図示されない配水管を通って、水供給用補機類ユニット14の水タンクに回収されるようになっていることが望ましい。
【0045】
また、車両10の前方部分には、車両10の補機類用の蓄電手段としての補機類用2次電池37が配設されている。該補機類用2次電池37は、前記2次電池36と同様にキャパシタであってもよいが、本実施の形態においては、補機類用2次電池37としてバッテリを使用する。
【0046】
なお、本実施の形態において、車載燃料電池システムは図示されない制御装置を有する。該制御装置は、CPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ等の記憶手段、入出力インターフェイス等を備え、圧力センサ、その他のセンサから燃料電池セルに供給される水素、酸素、空気等の流量、温度、出力電圧等を検出して、前記空気供給ファンユニット26、燃料圧力調整弁、燃料供給電磁弁、燃料排出電磁弁等の動作を制御する。さらに、前記制御装置は、他のセンサ及び駆動装置制御ユニット35等の他の制御装置と連携して、車載燃料電池システムの動作を統括的に制御する。なお、前記制御装置は、駆動装置制御ユニット35等の他の制御装置と一体的に構成されてもよい。
【0047】
次に、前記構成の車載燃料電池システムの動作について説明する。
【0048】
図3は本発明の実施の形態における空気供給ファンユニットの平断面図、図4は本発明の実施の形態における車載燃料電池システムの空気の流れを示す模式側面図である。
【0049】
本実施の形態の車載燃料電池システムにおける運転時には、空気供給ファンユニット26が作動して、燃料電池スタック11に酸化剤としての空気を供給する。ここで、前記空気供給ファンユニット26は、図4に示されるように、下方部分にモータ26dを備え、該モータ26dが回転することによって、図3に示されるような羽根車としての多翼ファン26aが回転させられる。この場合、該多翼ファン26aは、回転軸が鉛直方向(図4における上下方向)に延伸するように配設されている。そのため、前記多翼ファン26aの回転軸方向の長さを短くすることによって、空気供給ファンユニット26の鉛直方向の寸法を抑制することができる。これにより、車両フレーム31と図示されない搭乗員用シートとの間のわずかな間隙に前記空気供給ファンユニット26及びエアフィルタ27を配設することができる。
【0050】
しかし、遠心式の多翼ファン、すなわち、シロッコファンは、同一直径の羽根車で同一の回転速度では、最も多くの流量と圧力を得ることができるものであるから、空気供給ファンユニット26の鉛直方向の寸法を抑制しても、十分な量の空気を十分な圧力で外部に吐出することができる。一般的なシロッコファンの場合、吐出圧力(ヘッド)は静圧で100〔mmAq〕程度である。なお、前記多翼ファン26aを大径化すると、吐出圧力をより高くすることができる。これに対し、車両用ラジエータ等に使用される軸流送風機であるディスクファンの場合、吐出圧力は静圧で5〜10〔mmAq〕程度なので、空気を十分な圧力で外部に吐出することができなくなってしまう。もっとも、スーパーチャージャー等に使用することができる軸流圧縮機であれば、高い吐出圧力を得ることができるが、この場合、構造が複雑なためコストが高くなり、かつ、大型化してしまうので、前記車両フレーム31と搭乗員用シートとの間のわずかな間隙に配設することができなくなる。
【0051】
そして、前記多翼ファン26aが回転すると、空気が上方から前記多翼ファン26aの中心に吸引され、該多翼ファン26aの外周側に排出される。なお、前記多翼ファン26aの中心に吸引される空気は、エアフィルタ27を通過することによって、浮遊する塵埃、汚染物質、有害成分等が除去されたものである。そして、前記多翼ファン26aの外周側に排出された空気は、前記多翼ファン26aの周囲に配設された概略渦巻状の昇圧ダクト26b内を図3において矢印Aで示されるように流動し、ダクト出口26cから吐出される。
【0052】
ここで、該ダクト出口26cにおける空気の速度分布は、図3において一群の矢印Bで示されるようになっている。なお、圧力分布もほぼ同様である。一般的に、遠心式の多翼ファンの場合、ダクト出口26cにおける速度及び圧力は、多翼ファン26aの中心に近い側、すなわち、空気供給ファンユニット26の内側ほど高く外側ほど低くなっている。そこで、本実施の形態においては、ダクト出口26cの中心Dが空気導入ダクト24の中心Eよりも、空気供給ファンユニット26の外側に位置するように配設されている。これにより、ダクト出口26cにおいて空気供給ファンユニット26の内側から吐出された空気は、外側から吐出された空気よりも拡散する。そのため、図3において一群の矢印Cで示されるように、空気導入ダクト24の空気出口端部、すなわち、空気供給室17の上面に形成された空気導入口に接続される位置において、空気の速度及び圧力は、平準化されたものとなる。なお、前記ダクト出口26cに接続された接続ダクト25及び空気導入ダクト24における前側の壁が、図4に示されるように、前方に向かって下方向に傾斜しているので、空気供給ファンユニット26から吐出された空気は、図4における矢印で示されるように、前記前側の壁に衝突して下方向に向きを変えることによって大きく拡散する。そのため、空気の速度及び圧力がいっそう平準化される。
【0053】
このように、燃料電池スタック11及び空気供給ファンユニット26が車両10の横方向に関する中心に配設されているので、空気流の圧力損失が低く、空気導入ダクト24の空気出口端部から燃料電池スタック11の空気供給室17に流入する空気は、車両10の横方向に関して速度分布及び圧力分布が均一となった状態となっている。また、前記空気出口端部は、車両10の横方向に関し、燃料電池スタック11の少なくとも1/2以上の幅を備え、さらに、前記空気出口端部及び前記空気供給室17は幅方向の中心が一致する。そのため、空気は、空気供給室17内において、車両10の横方向に関して均一な速度分布及び圧力分布で流動する。
【0054】
なお、前記燃料電池セル内には、鉛直方向に延在する多数の空気流路が形成され、該空気流路の一面が酸素極に接している。そして、該酸素極の反対側には固体高分子電解質膜を挟んで燃料極が配設され、該燃料極に接して水素ガスの通路としての燃料流路が形成されている。また、前記空気供給室17の幅は、空気流路の集合体が分布している領域の幅とほぼ同一、すなわち、集合体としての空気流路の幅とほぼ同一である。しかも、空気供給ファンユニット26のダクト出口26c、接続ダクト25、空気導入ダクト24及び空気供給室17の順で、空気流路の幅が順々に広がっているので、前記空気供給ファンユニット26から送出された空気の流れは、スムーズに幅方向に広がって、空気供給室17内において均一な流れとなる。
【0055】
そのため、空気導入ダクト24から送り込まれた酸化剤としての空気は、燃料電池セル内のすべての空気流路へ均等に導入され、図4における矢印で示されるように、下向きに流れる。したがって、空気流の圧力損失が低く、すべての空気流路に空気が均等に、スムーズに導入されるので、燃料電池セルの出力が安定して向上する。また、空気排出室18の幅も集合体としての空気流路の幅とほぼ同一である。そのため、空気流路から排出された空気はスムーズに排気接続ダクト23に向けて排出される。
【0056】
ところで、前記空気供給室17内には水供給ノズルが配設され、水がスプレーされる。前記水供給ノズルからスプレーされた水は、重力及び空気の流れによって、多数の前記空気流路内に進入する。そして、酸素極を湿潤な状態に保つので、酸素極と燃料極とに挟まれた固体高分子電解質膜が良好に機能する。さらに、セパレータや酸素極や燃料極をスプレーされた水が蒸発する時の潜熱冷却により冷却することが可能となる。また、燃料である水素と酸化剤である酸素が結合して水を生成する電気化学反応において、反応熱が発生するが、該反応熱は前記スプレーされた水によって吸収される。すなわち、前記スプレーされた水は冷却作用も果たすものである。
【0057】
ここで、スプレーされた水は液体の状態、すなわち、液相であり、反応熱を吸収して気化する。そのため、気化潜熱によって空気流路内の酸素極等を冷却するので、冷却効率が極めて高い。また、常圧の空気中に液相の水をスプレーするだけなので、前記水供給ノズルは通常のものであってよく、特別の構成を有する必要がない。なお、前記スプレーされた水は前記空気流路の下端から、空気とともに排出されるので、前記空気流路から排出された空気は水分を含んでいる。
【0058】
そして、前記排気接続ダクト23の空気排出室18に接続された部分は、車両10の横方向に関して燃料電池スタック11の少なくとも1/2以上の幅を備える。さらに、前記排気接続ダクト23と前記空気排出室18は、幅方向の中心が前記燃料電池スタック11の幅方向の中心と一致する。そのため、前記燃料電池セルの空気流路以降の空気流の圧力損失も低いので、前記空気流路から排出された空気は、空気排出室18及び排気接続ダクト23を通って、スムーズに排気導入ダクト22に流入する。
【0059】
そして、前記空気流路から空気排出室18内に排出された空気は、図4における矢印で示されるように、排気接続ダクト23及び排気導入ダクト22を通って、凝縮器ユニット21の下面の排気導入口から凝縮器ユニット21内に導入される。ここで、前記空気は、水分を含むものであるが、凝縮器ユニット21内を上昇する間に冷却されて凝縮した水分を分離して、凝縮器ユニット21の上面の排気口21aから大気中に放出される。この場合、前記凝縮器ユニット21は、車両10の前方部分に配設されているので、車両10の走行風を適切に利用して、前記空気を冷却し、水分を凝縮することができる。なお、分離された水分は、水供給用補機類ユニット14の水タンクに回収されることが望ましい。これにより、水はほとんどがリサイクルされて使用されるので、水の補給量を少なくすることができる。
【0060】
また、本実施の形態において、燃料電池スタック11が常圧型なので、燃料電池セルの空気流路に供給される空気の圧力は大気圧程度の常圧であり、特段加圧される必要がない。そのため、前記空気供給ファンユニット26、空気導入ダクト24、接続ダクト25、空気供給室17、空気排出室18、排気接続ダクト23、排気導入ダクト22、凝縮器ユニット21等は、耐圧性を有する必要がないので構成を簡素化することができる。
【0061】
なお、前記燃料電池セルは図示されない負荷に接続され、発生した電流を前記負荷に供給する。ここで、該負荷は、駆動装置制御ユニット35における駆動制御装置としてのインバータ装置であり、前記燃料電池セル又は2次電池36からの直流電流を交流電流に変換して、車両10の左右の前輪28L、28R又は左右の後輪29L、29Rを回転させる駆動モータに供給する。ここで、該駆動モータは発電機としても機能するものであり、車両10の減速運転時には、いわゆる、回生電流を発生する。この場合、前記駆動モータは左右の前輪28L、28R又は左右の後輪29L、29Rによって回転させられて発電するので、前記左右の前輪28L、28R又は左右の後輪29L、29Rにブレーキをかける、すなわち、車両10の制動装置(ブレーキ)として機能する。そして、前記回生電流が2次電池36に供給されて該2次電池36が充電される。
【0062】
このように、本実施の形態においては、燃料電池スタック11及び該燃料電池スタック11に常圧の空気を供給する空気供給ファンユニット26が車両10の横方向に関する中心に配設されているので、空気流の圧力損失が低く、かつ、空気導入ダクト24の空気出口端部から燃料電池スタック11の空気供給室17に流入する空気は、車両10の横方向に関して速度分布及び圧力分布が均一となった状態となっている。
【0063】
そのため、常圧型の燃料電池スタック11に供給される空気の流れをスムーズにすることができ、大きな圧力損失が生じることがない。これにより、空気供給ファンユニット26として、通常のシロッコファンを備えるものを使用することができ、車載燃料電池システムの構成を簡素化し、コストを低くすることができる。また、空気供給室17に流入する空気の速度分布及び圧力分布が均一になるので、燃料電池セルの酸素極に常に燃料電池セルの出力が最大となるために必要な空気の量よりも十分に多い量の空気を供給することができる。そのため、燃料電池セルの出力が高く安定し、かつ、燃料の消費量を抑制することができる。
【0064】
また、車両10の前方部分に凝縮器ユニット21が配設され、空気供給ファンユニット26から燃料電池スタック11に供給されて凝縮器ユニット21から排出される空気は、車両10の後方から前方へ向かって流れるようになっている。そのため、車両10の走行風を適切に利用して、前記燃料電池スタック11から排出された空気を冷却して、該空気に含まれる水分を凝縮して除去することができる。この場合、燃料電池スタック11に空気を供給するために車両10の走行風を利用することができないが、前述したように、燃料電池スタック11に供給される空気の流れをスムーズにすることができ、大きな圧力損失が生じることがないので、車両10の走行風を利用しなくても、十分に多い量の空気を燃料電池スタック11に供給することができる。
【0065】
さらに、空気供給ファンユニット26の空気吹出口の位置が燃料電池スタック11の空気供給室17の最も高い部位よりも高い位置になるように配設される。そのため、車両10が障害物や段差を乗り越えたり、悪路を走行したりする場合に車両10が傾いたり跳ねたときであっても、水供給ノズルから空気供給室17内にスプレーされた水が、空気供給ファンユニット26の内部に到達するまで逆流してしまうことがない。
【0066】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0067】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、車載燃料電池システムにおいては、常圧の空気が流通する空気流路を備える燃料電池セル、前記空気流路の空気入口端に接続し、前記空気中に水を供給する水供給ノズルを備える空気供給室、並びに、前記空気流路の空気出口端に接続する空気排出室を備え、車両に搭載された燃料電池スタックと、前記車両に搭載され、外部から空気を導入して前記空気供給室に常圧の空気を供給する空気供給ファンユニットと、前記車両に搭載され、前記空気排出室から排出された空気を、該空気中の水分を凝縮させて除去して外部に排出する凝縮器ユニットとを有し、前記空気供給ファンユニットは、前記燃料電池スタックにおける車両の横方向に関する中心に配設される。
【0068】
この場合、空気供給ファンユニットから供給される空気流の圧力損失が低く、かつ、燃料電池スタックの空気供給室に流入する空気は、車両の横方向に関して速度分布及び圧力分布が均一となった状態となる。そのため、空気供給ファンユニットとして、通常のシロッコファンを備えるものを使用することができ、車載燃料電池システムの構成を簡素化し、コストを低くすることができる。また、空気供給室に流入する空気の速度分布及び圧力分布が均一になるので、燃料電池セルの酸素極に常に燃料電池セルの出力が最大となるために必要な空気の量よりも十分に多い量の空気を供給することができる。そのため、燃料電池セルの出力が高く安定し、かつ、燃料の消費量を抑制することができる。
【0069】
他の車載燃料電池システムにおいては、さらに、前記凝縮器ユニット、燃料電池スタック及び空気供給ファンユニットは、前記車両の前方から後方に向かって順次配設される。
【0070】
この場合、燃料電池スタックに供給される空気の流れをスムーズにすることができ、大きな圧力損失が生じることがないので、車両の走行風を利用しなくても、十分に多い量の空気を燃料電池スタックに供給することができる。
【0071】
更に他の車載燃料電池システムにおいては、さらに、前記凝縮器ユニットは、前記車両の前方部分に配設され、前記車両の走行風を利用して前記空気中の水分を凝縮する。
【0072】
この場合、車両の走行風を適切に利用して、燃料電池スタックから排出された空気を冷却して、該空気に含まれる水分を凝縮して除去することができる。
【0073】
更に他の車載燃料電池システムにおいては、さらに、前記空気供給ファンユニットは、空気吹出口の位置が前記空気供給室の最も高い部位よりも高い位置になるように配設される。
【0074】
この場合、車両が障害物や段差を乗り越えたり、悪路を走行したりする場合に車両が傾いたり跳ねたときであっても、水供給ノズルから空気供給室内にスプレーされた水が、空気供給ファンユニットの内部に到達するまで逆流してしまうことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における車載燃料電池システムの模式平面図である。
【図2】本発明の実施の形態における車載燃料電池システムの模式側面図である。
【図3】本発明の実施の形態における空気供給ファンユニットの平断面図である。
【図4】本発明の実施の形態における車載燃料電池システムの空気の流れを示す模式側面図である。
【符号の説明】
10 車両
11 燃料電池スタック
17 空気供給室
18 空気排出室
21 凝縮器ユニット
26 空気供給ファンユニット

Claims (4)

  1. (a)常圧の空気が流通する空気流路を備える燃料電池セル、前記空気流路の空気入口端に接続し、前記空気中に水を供給する水供給ノズルを備える空気供給室、並びに、前記空気流路の空気出口端に接続する空気排出室を備え、車両に搭載された燃料電池スタックと、
    (b)前記車両に搭載され、外部から空気を導入して前記空気供給室に常圧の空気を供給する空気供給ファンユニットと、
    (c)前記車両に搭載され、前記空気排出室から排出された空気を、該空気中の水分を凝縮させて除去して外部に排出する凝縮器ユニットとを有し、
    (d)前記空気供給ファンユニットは、回転軸が鉛直方向に延在する遠心式のファンと、該ファンの周囲に配設された渦巻状の昇圧ダクトと、該昇圧ダクトの出口と前記空気供給室の空気導入ダクトを接続する接続ダクトとを備え、
    (e)前記昇圧ダクトの出口の横方向の寸法は、前記空気導入ダクトの横方向の寸法よりも小さく、かつ、前記昇圧ダクトの出口の横方向に関する中心は、前記空気導入ダクトの横方向に関する中心及び前記回転軸に対して横方向に左右いずれか一方に偏倚し、
    (f)前記接続ダクトは、前記昇圧ダクトの出口側の横方向の寸法が前記空気導入ダクト側の横方向の寸法より小さく、かつ、前記一方に位置する側壁が他方に位置する側壁よりも短く形成されていることを特徴とする車載燃料電池システム。
  2. 前記凝縮器ユニット、燃料電池スタック及び空気供給ファンユニットは、前記車両の前方から後方に向かって順次配設される請求項1に記載の車載燃料電池システム。
  3. 前記凝縮器ユニットは、前記車両の前方部分に配設され、前記車両の走行風を利用して前記空気中の水分を凝縮する請求項2に記載の車載燃料電池システム。
  4. 前記空気供給ファンユニットは、空気吹出口の位置が前記空気供給室の最も高い部位よりも高い位置になるように配設される請求項1〜3のいずれか1項に記載の車載燃料電池システム。
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