JP4644834B2 - ハマナス類由来のα−アミラーゼ阻害剤、α−グルコシダーゼ阻害剤、グルコース吸収阻害剤およびその利用 - Google Patents

ハマナス類由来のα−アミラーゼ阻害剤、α−グルコシダーゼ阻害剤、グルコース吸収阻害剤およびその利用 Download PDF

Info

Publication number
JP4644834B2
JP4644834B2 JP2004127625A JP2004127625A JP4644834B2 JP 4644834 B2 JP4644834 B2 JP 4644834B2 JP 2004127625 A JP2004127625 A JP 2004127625A JP 2004127625 A JP2004127625 A JP 2004127625A JP 4644834 B2 JP4644834 B2 JP 4644834B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
extract
glucose
inhibitor
hermanus
concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2004127625A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005306801A (ja
Inventor
喬 山岸
稔 船木
信 西澤
浩之 宮崎
勉 金澤
Original Assignee
株式会社はるにれバイオ研究所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社はるにれバイオ研究所 filed Critical 株式会社はるにれバイオ研究所
Priority to JP2004127625A priority Critical patent/JP4644834B2/ja
Publication of JP2005306801A publication Critical patent/JP2005306801A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4644834B2 publication Critical patent/JP4644834B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)

Description

本発明は、α−アミラーゼ活性阻害効果、α−グルコシダーゼ活性阻害効果およびグルコースの腸管吸収阻害効果を有するバラ科植物ハマナス類由来の抽出物とその利用に関する。
糖尿病の発症は生活習慣と密接に関係しており、その原因の一つに、肥満や過食による高血糖症などがあげられている。
また、肥満は糖尿病以外にも虚血性心疾患、高血圧、高脂血症など多くの疾患の原因となることが知られている。
現在、糖尿病の予防や肥満の予防および解消法として、デンプンやグリコーゲンなどの多糖類を分解する消化酵素α−アミラーゼの活性を阻害する方法や、ショ糖や麦芽糖などの二糖類を分解する消化酵素α−グルコシダーゼの活性を阻害する方法による食後の急激な血糖値の上昇抑制がある。また、腸管から吸収されるブドウ糖の腸管吸収を抑制させることによる摂取エネルギー量の制御などがある。
これまでに食後血糖値の上昇を抑制する代表的なα−グルコシターゼ阻害剤としてデオキシノジリマイシンやアカルボース、ボグリボースが知られている。
しかしながら、これらは微量で強い阻害活性を示すため、その投与量や使用法には医師の処方のもと厳密な取扱いが要求される。
また、これらの阻害剤は腹部膨満、放屁の増加、軟便、下痢などの副作用を引き起こすことが多く、安全性の面で問題が残されている。
したがって、これら阻害剤が抱える問題点を改善・改良した、より安全性の高い医薬品等の開発が望まれている。
バラ科に属する植物であるハマナス(学名:Rosa rugosa Thunb.)は、これまで染料、香料のほか、食用ではジャムとして利用されている。その他、糖分解酵素に関するものに、口腔内細菌由来グルコシルトランスフェラーゼ阻害効果に着目した虫歯予防への応用がある(特許文献1参照)。
しかしながら、α−アミラーゼ活性阻害作用、α−グルコシダーゼ活性阻害作用、グルコースの腸管吸収阻害作用、食後血糖値上昇抑制作用などに関する研究は遅れている。
特開平06−184182号公報
従って、本発明の目的は、生体において安全性の高い天然物であるハマナス類の花弁等の抽出物について、食事等による高血糖症や糖尿病、そして肥満に対する有用性とその利用法について提供することである。
本発明者らは、上述目的の達成のため、先に本発明者らの一人が発明した「ハマナス類の花弁及び/又はその抽出物からなる、抗酸化剤、ビタミンC安定化剤、便臭消臭剤又は加齢臭消臭剤」(特願2003-058268号明細書)に着目し、詳細な検討を進める過程で、ハマナス類の花弁または果実由来の抽出物について、糖分解酵素および糖吸収に対する有効性、すなわち阻害作用を明らかにし、本発明に到達した。
本発明は、ハマナス類の花弁部もしくは果実部の水、有機溶媒または含水有機溶剤抽出物を有効成分として含有することを特徴とするα−アミラーゼ阻害剤である。
本発明は、ハマナス類の花弁部もしくは果実部の水、有機溶媒または含水有機溶剤抽出物を有効成分として含有することを特徴とするα−グルコシダーゼ阻害剤である。
本発明は、ハマナス類の花弁部もしくは果実部の水、有機溶媒または含水有機溶剤抽出物を有効成分として含有することを特徴とするグルコースの腸管吸収阻害剤である。
本発明は、前記α−アミラーゼ阻害剤を含有することを特徴とする医薬品、医薬部外品、食品または飲料である。
本発明は、前記α−グルコシダーゼ阻害剤を含有することを特徴とする医薬品、医薬部外品、食品または飲料である。
本発明は、前記グルコースの腸管吸収阻害剤を含有することを特徴とする医薬品、医薬部外品、食品または飲料である。
本発明によれば、バラ科植物であるハマナス類の花弁もしくは果実の抽出物を有効成分として含有するα−アミラーゼ阻害剤、α−グルコシダーゼ阻害剤、およびグルコースの腸管吸収阻害剤が提供される。さらに、これらは糖尿病および肥満の予防やこれら患者のための医薬品、医薬部外品、食品、飲料等に広く適用され、生活習慣病の効果的な予防への利用が期待できる。
ここでいう「ハマナス類」とは、ハマナス(Rosa rugosa Thunb.)、マイカイ(Rosa rugosa Thunb. var. plena Regel)、アポテカリーローズ(Rosa gallica officinalis)、ヤエハマナス(Rosa rugosa plena)、ビザーレ・オリオファンテ(Rosa gallica var.)、プロバンスローズ(Rosa centifolia)並びにこれらの交配・改良種を指し、いずれにも限定されるものではなく、単独もしくは2種以上を組み合わせて用いられる。
ハマナス類の使用部位は地上部で、花弁部、葉部、茎部、果実部を例示でき、これらの部位に限定されるものでないが、花弁部、果実部の使用が好ましい。
ハマナス類の花弁は、生花、湿潤、乾燥のいずれの形態でもよく、さらに乾燥等の形態も限定されるものでないが、予め乾燥させておくことが好ましい。特に、乾燥粉末状が好適である。また、果実については、必要に応じて、予め種子の除去、細断等の処理をしておくとよい。
次に、抽出物とは、上述ハマナス類の花弁、果実等から、水、有機溶媒または含水有機溶媒を用いて抽出されるエキスを指称し、抽出物を効率よく製造するには、ハマナス類の花弁部や果実部から水または含水有機溶媒で抽出する方法が好ましい。
水については、常温の水のほか、4〜100℃程度に冷却もしくは加温したものが用いられる。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、アセトン、ブタノール、アセトニトリル等を例示できる。また、含水有機溶媒としては、これら有機溶媒の含水物を用いることができる。なお、抽出物を食品に用いる場合には、残留による危険性の問題がない有機溶媒または含水有機溶媒を選択して用いることが好ましい。
抽出時間については、目的とする有効成分が効果的に抽出されるまで行えばよく、通常は1〜48時間、好ましくは3〜24時間である。
抽出物の具体的な例を示すと、ハマナス類の花弁(例えば、乾燥させたハマナス花弁1kg)を、含水有機溶媒(例えば、50%含水エタノール溶液20リットル)に、常温で12時間以上浸漬して抽出後、抽出液と残渣を濾紙やガラスフィルター等で分離する。
この段階で得られた抽出物をそのまま使用することもできるが、所望により、当該抽出物についてエバポレーターなどを用いて濃縮後、真空凍結乾燥機などにより凍結乾燥を行い、粉末抽出物を得ることができる。
また、必要に応じて、植物由来の糖類を除く方法を加えて純度の高い精製物を得ることができる。例えば、上記で得られた抽出物をDIAION MCI gel CHP-20(三菱化学株式会社製)、Sephadex LH-20(アマシャムバイオサイエンス(株)製)、TOYOPEARL HW-40(東ソー株式会社製)、アンバーライトXAD(オルガノ株式会社製)などの吸着分配樹脂、ゲルろ過樹脂、合成吸着剤などに通し、得られた溶出分画について減圧濃縮装置を用いて濃縮し、凍結乾燥したものを用いることができる。
本発明に係るα−アミラーゼ(EC3.2.1.1)阻害剤、α−グルコシダーゼ(EC3.2.1.20)阻害剤およびグルコースの腸管吸収阻害剤は、経口摂取される一般食品、健康食品、保健機能食品、医薬部外品、医薬品等に配合する際、有効成分である抽出物のみを用いることができるほか、ドリンク剤、ゼリー状食品、カプセル剤や錠剤などの利用目的に合わせて、常用の成分の他に、食物繊維や、抗酸化剤としてのビタミンCなどを適宜含有させてもよく、これにより本発明に関する作用、効果の向上を期待できる。
次に、本発明に係る阻害剤の有効成分である抽出物の摂取量については、本阻害効果を十分に発揮できる量であればよく、例えば、抽出物として1回当たり1〜500mg/kg体重、好ましくは10〜200mg/kg体重を適当量の水と同時に摂取することが好ましい。なお、使用目的により、1日に数回摂取することができる。
また、有効成分である抽出物を他の組成物中に添加する場合には、上記摂取量を考慮して添加量を適宜決定することができる。
本発明により、ハマナス花弁などの抽出物を有効成分として用いたα−アミラーゼ阻害剤、α−グルコシダーゼ阻害剤、およびグルコースの腸管吸収阻害剤を摂取することによって、食事等による血糖値の急激な上昇を抑え、またグルコースの腸管吸収を抑制することから、過剰な糖分の摂取制御が期待される。
このことから、前記に記載したように、血糖値上昇が気になる人、あるいは糖尿病予備軍の人に、糖尿病予防用または糖尿病患者用の食品や飲料などとして提供することができ、かつ肥満患者に、肥満予防効果を有する医薬品、医薬部外品、食品、飲料などとして提供できる。
さらに、本発明に係るハマナス類の抽出物は、天然物由来であることから、安全、かつ安心した摂取が可能である上に、新規な素材として様々な飲食物や医薬品等に広く応用され、生活習慣病等の予防に対して、効果的に利用されることが期待できる。例えば、具体的な処方として、当該抽出物を主成分としたカプセル剤、錠剤などを、α−アミラーゼ阻害剤あるいはα−グルコシダーゼ阻害剤として、糖尿病患者や肥満患者などに対して、医薬品あるいは医薬部外品として提供できる。

以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。しかし、本発明の範囲は、これらの実施例によって限定されるものではない。
製造例
〔ハマナス類の花弁からの抽出物の製造〕
乾燥したハマナス花弁1kgを50%エタノール(水:エタノール=1:1)水溶液20リットルに室温で24時間浸漬し、有効成分を抽出した。
このようにして得た抽出液を濾紙で濾過し、得られた濾液について、エバポレーターを用いて減圧濃縮した。その後、真空凍結乾燥機により凍結乾燥を行い、抽出物粉末約380gを得た。
実施例1
〔ハマナス花弁の抽出物によるα−アミラーゼ活性に対する阻害効果〕
製造例により得たハマナス花弁の抽出物による消化酵素α−アミラーゼの活性に対する阻害作用について酵素活性測定により評価した。
すなわち、0.4gのデンプンを含む1mlのリン酸緩衝液(pH7.0)に、最終濃度が1〜1000μg/mlとなるように試料のハマナス花弁抽出物(水で希釈した抽出物)を添加し、37℃で5分間予備加温した。
その後、α−アミラーゼ(シグマ社製、米国)を300 units(活性単位)となるように添加し、撹拌後37℃で10分間の酵素反応を行った。なお、ここでいう活性単位300 unitsとは、37℃で10分間に0.4gのデンプンをすべて分解する酵素量を指す。
反応終了後、反応液をただちに氷中に入れて反応を停止し、ヨウ素反応液(0.01N ヨウ素溶液)を添加して残存しているデンプンの量を560nmにて比色定量(Ultrospec 3300、アマシャムバイオサイエンス社製、米国)した。
ハマナス花弁の抽出物のα−アミラーゼ抑制作用は、図1に示すように、1〜50μg/mlの濃度で用量に依存してα−アミラーゼ活性の阻害作用を示し、IC50(50%抑制する濃度)は12.4μg/mlであり、該抽出物がα−アミラーゼ活性を有意に抑制することが明らかとなった。
ここで、α−アミラーゼ活性の抑制率は、対照コントロール(ハマナス花弁抽出物無添加)による残存デンプン量に対する、ハマナス花弁抽出物添加による残存デンプン量の割合を算出し、α−アミラーゼのデンプン分解活性に対する阻害を百分率で示したものである。
製造例に準じて調製したハマナス果実の抽出物によるα−アミラーゼ活性に対する阻害効果について、上記と同様にして調べたところ、α−アミラーゼ抑制作用は、100μg/mlの濃度で85%の抑制を示し、ハマナス花弁部の抽出物と同程度の抑制作用を有していることが分かった。
実施例2
〔ハマナス花弁の抽出物による尿中アミラーゼ活性に対する阻害効果〕
製造例により得たハマナス花弁の抽出物による尿中アミラーゼ活性に対する阻害作用について酵素活性測定により評価した。
すなわち、0.4gのデンプンを含む1mlのリン酸緩衝液(pH7.0)に、最終濃度が1〜20μg/mlとなるように試料のハマナス花弁抽出物(水で希釈した抽出物)を添加し、37℃で5分間予備加温した。
その後、ヒトの尿10μlを添加し、撹拌後37℃で10分間の酵素反応を行った。酵素反応終了後、反応液をただちに氷中に入れて反応を停止し、ヨウ素反応液(0.01N ヨウ素溶液)を添加して残存しているデンプンの量を560nmにて比色定量(Ultrospec 3300、アマシャムバイオサイエンス社製)した。
ハマナス花弁抽出物による尿中アミラーゼ活性阻害作用は、図2に示すように、尿中アミラーゼ活性を顕著に抑制(抽出物10μg/mlの濃度で約75%、20μg/mlの濃度で約90%抑制)することが明らかとなった。
図の縦軸は、尿中のアミラーゼ活性値(活性単位)を指し、ハマナス花弁抽出物の添加時における活性単位の減少(阻害効果)を示す。
実施例3
〔ハマナス花弁の抽出物によるα−グルコシダーゼ活性に対する阻害効果〕
製造例で得たハマナス花弁の抽出物による消化酵素α−グルコシダーゼ活性に対する阻害作用について酵素活性測定により評価した。
すなわち、シュクロース(最終濃度50mM)を含む10mMのリン酸緩衝液(pH7.0)に、最終濃度が1〜1000μg/mlとなるように試料(水で希釈した抽出物)を添加し、37℃で5分間予備加温した。
その後、α−グルコシダーゼ(和光純薬工業製)を最終濃度1μg/mlとなるように添加し、撹拌後37℃で20分間の酵素反応を行った。酵素反応終了後、氷中にて高濃度のデオキシノジリマイシン(α−グルコシダーゼ阻害剤、和光純薬工業製)を添加して反応を停止し、生成したグルコースの量をグルコースオキシダーゼ法に基づくグルコースCテストワコーキット(和光純薬工業製)を用いて定量した。
なお、抑制率は、対照コントロール(ハマナス花弁抽出物無添加)による生成グルコース量に対する、ハマナス花弁抽出物添加による生成グルコース量の割合を算出し、α−グルコシダーゼのシュクロース分解活性に対する阻害を百分率で示した。
ハマナス花弁抽出物は、図3に示すとおり、1〜100μg/mlの濃度範囲で濃度に依存してα−グルコシダーゼ活性の阻害作用を示し、IC50(50%抑制する濃度)は35.4μg/mlであり、α−グルコシダーゼの活性を有意に抑制することが明らかとなった。
実施例4
〔ハマナス花弁の抽出物による腸管からのグルコース吸収に対する阻害効果〕
製造例で得たハマナス花弁の抽出物による腸管からのグルコース吸収に対する阻害作用について反転腸管法により評価した。
供試動物はddY系雄性マウス(SPF、約30g)を使用し、エーテルによる深麻酔下、小腸をすばやく摘出し、冷却したKRB(Krebs-ringer bicarbonate solution)中で反転腸管を作製した。すなわち、トライツ靭帯から下部の小腸をKRB中にて約2cm断片とし、一方の断端を縫合糸で結紮した後、腸管を反転(粘膜側と奨膜側を反転)し、腸管内に10mM グルコースを含むKRBを満たして袋状の反転腸管を作製した。
次に、ハマナス花弁の抽出物(最終濃度50〜500μg/ml)を含むKRB液中に浸漬し、37℃で10分間の前処置の後、マルトース(最終濃度5mM)、シュクロース(最終濃度20mM)、スターチ(最終濃度5mM)、あるいはグルコース(最終濃度5mM)を添加して37℃で1時間の反応を行った。
反応終了後、反転腸管外液(粘膜側)および反転腸管内液(奨膜側)のグルコース濃度を測定(グルコースCテストワコー、和光純薬工業製)した。なお、実験中は混合ガス(95%酸素および5%二酸化炭素含有)を通気しながら行った。
腸管外液にマルトース(5mM)を添加し1時間の反応を行うと、対照(ハマナス花弁抽出物無添加)において腸管内グルコース濃度は約430mg/dlを示し、能動輸送による顕著なグルコース濃度の上昇が認められた。
これに対し、ハマナス花弁抽出物は、図4に示すとおり、50および100μg/mlの濃度範囲で濃度に依存して腸管内グルコース濃度の上昇を有意に抑制した。
図の白カラムは、反応前の腸管内グルコース濃度を示し、黒カラムは、1時間の反応後のグルコース濃度を示す。
次に、腸管外液にシュクロース(20mM)を添加し1時間の反応を行うと、対照(ハマナス花弁抽出物無添加)において腸管内グルコース濃度は約280mg/dlを示し、能動輸送による顕著なグルコース濃度の上昇が認められた。
これに対し、ハマナス花弁抽出物は、図5に示すとおり、50および100μg/mlの濃度範囲で濃度に依存して腸管内グルコース濃度の上昇を有意に抑制した。
なお、図の白カラムは、反応前の腸管内グルコース濃度を示し、黒カラムは、1時間の反応後のグルコース濃度を示す。
一方、腸管外液にスターチ(5mM)を添加し1時間の反応を行うと、対照(ハマナス花弁抽出物無添加)において腸管内グルコース濃度は約290mg/dlを示し、能動輸送による顕著なグルコース濃度の上昇が認められた。
これに対し、ハマナス花弁抽出物は、図6に示すとおり、50および100μg/mlの濃度範囲で濃度に依存して腸管内グルコース濃度の上昇を有意に抑制した。
図の白カラムは、反応前の腸管内グルコース濃度を示し、黒カラムは、1時間の反応後のグルコース濃度を示す。
また、腸管外液に単糖であるグルコース(5mM)を添加し1時間の反応を行うと、対照(ハマナス花弁抽出物無添加)において腸管内グルコース濃度は約480mg/dlを示し、能動輸送による顕著なグルコース濃度の上昇が認められた。
これに対し,ハマナス花弁抽出物は、図7に示すとおり、100〜500μg/mlの濃度範囲で濃度に依存して腸管内グルコース濃度の上昇を有意に抑制した。
なお、図の白カラムは、反応前の腸管内グルコース濃度を示し、黒カラムは、1時間の反応後のグルコース濃度を示す。
また、このグルコース吸収阻害作用がハマナス花弁抽出物による細胞毒性(腸管上皮細胞に及ぼす毒性作用など)によるものか否かを検討する目的で、一度ハマナス花弁抽出物(500μg/ml)による処理後(1時間の処理)、新鮮な緩衝液で腸管を洗浄し、さらに、5mM グルコースを含む反応液(ハマナス花弁抽出物は含まない)で30分間の追加反応を行った。
その結果、図7に示すとおり、能動輸送によるグルコースの吸収(グルコース濃度の上昇)が認められた。
以上の結果から、ハマナス花弁抽出物は、腸管上皮細胞に対する毒性作用を示さない濃度で、腸管からのグルコース吸収を有意に阻害することが明らかとなった。
実施例5
〔ハマナス花弁抽出物による食後血糖値上昇抑制効果糖負荷試験〕
本発明に係るハマナスの花弁抽出物による食後血糖値上昇抑制効果を糖負荷試験により評価した。
シュクロース負荷試験では、被検動物としてddY系雄性マウス(SPF、5週齢)を使用し、24時間の絶食後、尾静脈採血による空腹時血糖値を測定した。
その後、ハマナス花弁抽出物(50および100mg/kg)を強制経口投与し、20分後にシュクロース(1g/kg)を同様に経口投与した。
以下、投与の30、60、90、120分後に尾静脈採血を行って血糖値を測定した。なお、血糖値はメディセーフ血糖測定システム(テルモ製)を用いて測定した。
対照コントロールにおいて、シュクロースの負荷により、投与30分後をピークとする顕著な血糖値の上昇が認められた。
これに対し、ハマナス花弁抽出物を投与すると、図8に示すとおり、シュクロース負荷に対しては30分から120分後にかけての血糖値上昇を有意に抑制した。図中の*は、対照群に対する有意差検定によりp<0.05で有意差ありを、**は、p<0.01で有意差ありを、それぞれ示す(図9および10も同じ)。
スターチ負荷試験では、被検動物としてddY系雄性マウス(SPF、5週齢)を使用し、24時間の絶食後、尾静脈採血による空腹時血糖値を測定した。
その後、ハマナス花弁の抽出物(50および100mg/kg)を強制経口投与し、20分後にスターチ(1g/kg)を同様に経口投与した。
以下、投与の30、60、90、120分後に尾静脈採血を行って血糖値を測定した。なお、血糖値はメディセーフ血糖測定システム(テルモ製)を用いて測定した。
対照コントロールにおいて、それぞれスターチの負荷により、投与30分後をピークとする顕著な血糖値の上昇が認められた。
これに対し、ハマナス花弁抽出物を投与すると、図9に示すとおり、スターチ負荷に対しては30分から60分後の急激な血糖値上昇を有意に抑制した。
グルコース負荷試験では、被検動物としてddY系雄性マウス(SPF、5週齢)を使用し、24時間の絶食後、尾静脈採血による空腹時血糖値を測定した。
その後、ハマナス花弁の抽出物(100〜500mg/kg)を強制経口投与し、20分後にグルコース(1g/kg)を同様に経口投与した。
以下、投与の30、60、90、120分後に尾静脈採血を行って血糖値を測定した。なお、血糖値はメディセーフ血糖測定システム(テルモ製)を用いて測定した。
対照コントロールにおいて、それぞれグルコースの負荷により、投与30分後をピークとする顕著な血糖値の上昇が認められた。
グルコース負荷による血糖値上昇に対しては、高濃度のハマナス花弁抽出物が必要であるが、図10に示すとおり、投与30分後の急激な血糖値上昇を有意に抑制することが明らかとなった。
上記のように、製造例で得たハマナス花弁抽出物は、糖分解酵素の活性について、実施例1に示したとおり、デンプン(スターチ)に対するα−アミラーゼの活性を有意に阻害し、また同様に実施例2に示したとおり、ヒト尿中アミラーゼを用いても、デンプン(スターチ)に対する尿中アミラーゼの活性を有意に阻害した。さらに、実施例3に示したとおり、ショ糖(シュクロース)に対するα−グルコシダーゼの活性を有意に阻害した。
次に、製造例で得られたハマナス花弁の抽出物は、腸管からのブドウ糖(グルコース)の吸収について、実施例4に示したとおり、二糖類の麦芽糖(マルトース)、ショ糖(シュクロース)、多糖類のデンプン(スターチ)の分解と吸収をそれぞれ有意に阻害し、さらにブドウ糖(グルコース)の腸管吸収を有意に阻害した。
以上の結果から、ハマナス花弁の抽出物は、α−アミラーゼ阻害作用およびα−グルコシダーゼ阻害作用を有するとともに、二糖類あるいは多糖類からのグルコースへの分解を抑制し、さらにはグルコースの腸管吸収を阻害することによって、グルコース濃度の上昇、すなわち血糖値の上昇を抑制することが明らかとなった。
本発明により、ハマナス花弁抽出物を用いたα−アミラーゼ阻害剤、α−グルコシダーゼ阻害剤、およびグルコースの吸収阻害剤が提供され、これらの作用を有する抽出物を摂取することによって、食事等による血糖値の急激な上昇が抑えられ、また腸管からのグルコースの吸収も抑制されることから、過剰な糖分の摂取制御が期待される。
本発明に関わるハマナスの抽出物は、天然物由来であることから、安全、かつ安心して摂取することが可能である。
本発明により提供されるα−アミラーゼ阻害剤、α−グルコシダーゼ阻害剤、およびグルコースの吸収阻害剤は、様々な飲食物や医薬品等に広く応用され、生活習慣病等の予防に効果的に利用されることが期待できる。すなわち、血糖値上昇が気になる人あるいは糖尿病予備軍の人に、糖尿病予防用または糖尿病患者用の食品や飲料として提供できるものであり、かつ肥満患者や肥満予防効果を有する医薬品、医薬部外品、食品、飲料などとして提供でき、生活習慣病の予防や国民の健康の維持・増進により国民生活の向上に資することが期待できる。
実施例1におけるα−アミラーゼ活性抑制効果を示す。 実施例2における尿中アミラーゼ活性に対する抑制効果を示す。 実施例3におけるα−グルコシダーゼ活性抑制効果を示す。 実施例4におけるマルトース(5mM)処理によるグルコース吸収抑制効果を示す。 実施例4におけるシュクロース(10mM)処理によるグルコース吸収抑制効果を示す。 実施例4におけるスターチ(5mM)処理によるグルコース吸収抑制効果を示す。 実施例4におけるグルコース(5mM)処理によるグルコース吸収抑制効果と、細胞に対する毒性作用を示さない濃度で、腸管からのグルコース吸収抑制効果を示す。 実施例5におけるシュクロース(1g/kg)強制投与マウスの血糖値上昇抑制効果を示す。 実施例5におけるスターチ(1g/kg)強制投与マウスの血糖値上昇抑制効果を示す。 実施例5におけるグルコース(1g/kg)強制投与マウスの血糖値上昇抑制効果を示す。

Claims (3)

  1. ハマナス(Rosa rugosa Thunb.)の花弁部含水エタノール抽出物を有効成分として含有することを特徴とする、肥満予防の医薬用途に用いる経口投与用α−アミラーゼ阻害剤。
  2. ハマナス(Rosa rugosa Thunb.)の花弁部含水エタノール抽出物を有効成分として含有することを特徴とする、肥満予防の医薬用途に用いる経口投与用α−グルコシダーゼ阻害剤。
  3. ハマナス(Rosa rugosa Thunb.)の花弁部含水エタノール抽出物を有効成分として含有することを特徴とする、肥満予防の医薬用途に用いる経口投与用グルコースの腸管吸収阻害剤。
JP2004127625A 2004-04-23 2004-04-23 ハマナス類由来のα−アミラーゼ阻害剤、α−グルコシダーゼ阻害剤、グルコース吸収阻害剤およびその利用 Expired - Lifetime JP4644834B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004127625A JP4644834B2 (ja) 2004-04-23 2004-04-23 ハマナス類由来のα−アミラーゼ阻害剤、α−グルコシダーゼ阻害剤、グルコース吸収阻害剤およびその利用

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004127625A JP4644834B2 (ja) 2004-04-23 2004-04-23 ハマナス類由来のα−アミラーゼ阻害剤、α−グルコシダーゼ阻害剤、グルコース吸収阻害剤およびその利用

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005306801A JP2005306801A (ja) 2005-11-04
JP4644834B2 true JP4644834B2 (ja) 2011-03-09

Family

ID=35435961

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004127625A Expired - Lifetime JP4644834B2 (ja) 2004-04-23 2004-04-23 ハマナス類由来のα−アミラーゼ阻害剤、α−グルコシダーゼ阻害剤、グルコース吸収阻害剤およびその利用

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4644834B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007277163A (ja) * 2006-04-06 2007-10-25 Uha Mikakuto Co Ltd ジペプチジルペプチダーゼiv阻害剤
JP2009102288A (ja) * 2007-10-19 2009-05-14 Harunire Bio Kenkyusho:Kk 脂肪蓄積阻害剤
JP2010001257A (ja) * 2008-06-20 2010-01-07 Pola Chem Ind Inc 経口投与組成物
KR101696342B1 (ko) * 2014-02-19 2017-01-13 동신대학교산학협력단 항당뇨 조성물
JP6228250B2 (ja) * 2016-03-15 2017-11-08 キューサイ株式会社 多糖消化阻害剤
CN108576735B (zh) * 2018-05-09 2022-03-15 北京市农林科学院 一种具有抑制淀粉分解作用的果冻及其制备方法
KR102657151B1 (ko) * 2023-03-27 2024-04-12 주식회사 뉴젠헬스케어 해당화 추출물을 유효성분으로 포함하는 항비만용 조성물

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1442146A (zh) * 2003-04-09 2003-09-17 沈阳药科大学 仙人掌总黄酮的新医药用途及其制备方法
JP2003342190A (ja) * 2002-03-19 2003-12-03 Fancl Corp 抗ヘリコバクター・ピロリ用組成物

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003342190A (ja) * 2002-03-19 2003-12-03 Fancl Corp 抗ヘリコバクター・ピロリ用組成物
CN1442146A (zh) * 2003-04-09 2003-09-17 沈阳药科大学 仙人掌总黄酮的新医药用途及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005306801A (ja) 2005-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Roy et al. Effect of a commercially-available algal phlorotannins extract on digestive enzymes and carbohydrate absorption in vivo
JP4669920B2 (ja) 血糖上昇抑制且つ血圧上昇抑制作用を有する機能性素材
JP2011195504A (ja) ヒアルロン酸産生促進剤、抗老化剤およびしわ改善剤
JP5898825B2 (ja) 腸内有害菌低減剤、それを含む食品または医薬品
KR20140090453A (ko) 아로니아 추출물을 함유하는 숙취예방, 숙취해소 또는 간 보호용 조성물
JP4686173B2 (ja) ポリフェノールおよび/またはビタミンcを含有するアセロラ処理物
JP2010077039A (ja) 免疫賦活剤または抗アレルギー剤
WO2017159679A1 (ja) 多糖消化阻害剤
KR20190088740A (ko) 차전차피와 흑생강을 함유하는 항산화 및 항비만 조성물, 이를 이용한 제제 및 이의 제조방법
JP4420358B1 (ja) ヒアルロン酸産生促進剤
WO2011115061A1 (ja) ヒアルロン酸産生促進剤
JP4644834B2 (ja) ハマナス類由来のα−アミラーゼ阻害剤、α−グルコシダーゼ阻害剤、グルコース吸収阻害剤およびその利用
CA2839972C (en) Compositions containing broccoli seeds extract for treating or preventing prostate cancer
JP2011195531A (ja) タンパク質糖化抑制剤
JP2006241039A (ja) ウレアーゼ阻害剤
JP2001163795A (ja) α−グルコシダーゼ阻害剤
JP2011195534A (ja) ヒアルロン酸産生促進剤、抗老化剤およびしわ改善剤
JP2014239699A (ja) 血中アディポネクチン量増加剤
KR20200076040A (ko) 양배추, 브로콜리새싹, 브로콜리잎, 케일을 유효성분으로 포함하는 위염 및 위궤양 예방 또는 치료용 조성물
JP2011195530A (ja) タンパク質糖化抑制剤
JP2014240431A (ja) 腸内有害菌低減剤、それを含む食品または医薬品
JP2006219376A (ja) ウレアーゼ阻害剤
JP2010043036A (ja) 糖代謝促進剤
EP3235510A1 (en) Nutritional compositions for the management of glucose metabolism
JP2004256522A (ja) 糖尿病予防・治療用組成物

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070219

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070322

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100810

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101008

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101102

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20101115

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101115

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20101115

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131217

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4644834

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R154 Certificate of patent or utility model (reissue)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R154

R154 Certificate of patent or utility model (reissue)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R154

EXPY Cancellation because of completion of term