JP4643871B2 - 感熱記録材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は感熱記録材料に関し、更に詳しくは発色感度および耐水性に優れた感熱記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報の多様化やニーズの拡大に伴い、情報記録分野に於いて各種の記録材料が研究・開発され実用化されているが、なかでも感熱記録材料は(1)加熱プロセスのみによる簡易な画像の記録が可能なこと、(2)必要な装置のメカニズムが簡単でコンパクト化が容易になり記録材料が取扱易く安価であること、などの利点を有するので情報処理分野(卓上計算機、コンピュウター等のアウトプット)、医療計測用レコーダー分野、低速又は高速ファクシミリ分野、自動券売機分野(乗車券、入場券等)、感熱複写機分野、POSシステムのラベル分野等多岐にわたり用いられている。
【0003】
このような感熱記録材料としては、速やかに高濃度に発色し、発色した画像および地肌の堅牢性の高いものが要望されている。
そのために、低融点の顕色剤や増感剤としてロイコ染料や顕色剤と共融し、融点降下を起こす材料の添加が行われているが、低融点化すると感度は向上するが、発色温度が低下するため、感度向上と共に地肌かぶりが低温で発生してくる等の問題がある。
【0004】
従来よりロイコ染料を微粒子化し感熱記録体を高感度する種々の提案がある。例えば体積平均粒径が2μm以下であるロイコ染料を使用する(特開昭57−47693号)、2種類以上のロイコ染料を同時に平均粒径が2μm以下となるように粉砕されたものを使用する(特開平7−223375号)、平均粒径が0.1μm〜0.8μmのロイコ染料および呈色剤と、平均粒径が5〜20nmのコロイダルシリカを含有させた感熱記録体(特開平7−186527号)等が提案されている。
【0005】
これらのロイコ染料の微粒子化方式は、分散剤としてセルロースやポリビニルアルコール等の水溶性高分子を用い、水中でボールミル、サンドミル、高速ジェットミル、アトライター等の分散機により所定粒径になるまで分散する方式であるが、平均粒子径を小さくするほど微粒子成分の割合が増加し、特に平均粒子径0.3μm以下にしたものは感熱記録体の耐熱保存が低下する。また分散剤としてポリビニルアルコールを用いて微粒子化を行なうと、分散液の着色(液かぶり)が発生するため、感熱記録体の地肌濃度が高くなるという欠点がある。
【0006】
また、ロイコ染料を乳化方式により微粒子化する方法が提案されている。
例えば、特開昭61−2187283号には有機溶媒にロイコ染料を溶解した溶液を水中で乳化する方法が記載されているが、乳化後有機溶媒を除去する工程が必要であり、残留有機溶剤により地肌カブリが発生する等の欠点がある。特開昭56―164890号にはロイコ染料を熱可融性物質と共に乳化する方法が提案されているが、熱可融性物質により融点降下し、耐熱保存が低下する。特開平7−186531号にはロイコ染料の体積平均粒径が0.3μm以下でかつ紫外線吸収剤を含有した感熱記録材料が提案されているが、ここではロイコ染料の微粒子化は染料を熱溶融し、シリコン系乳化剤を用い高圧ホモジナイザーで乳化する方式が記載されている。また特開平7−223379号にはロイコ染料の平均粒子径が1.0μm以下で乳化分散されたものが提案されているが、この提案での乳化分散する方法はロイコ染料を加熱溶融したものを乳化剤を用いて高速攪拌機やノズルからの高圧噴霧により乳化分散させる方法が記載されている。
ロイコ染料の融点は通常150℃以上であり、特開平7−186531号、特開平7−223379号記載の方法の様にロイコ染料を熱溶融し、水中で乳化させるためには高圧容器等特殊な装置が必要となり、工業的に大量の生産は困難である。また、ロイコ染料を乳化方式による方法は低分子量の乳化剤を使用するため、感熱記録体の耐水性を低下させるという欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の有する欠点を改良し、発色濃度が高く、高感度で地肌カブリ少なく、耐水性の優れた感熱記録材料を提供するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は感熱記録材料における樹脂およびロイコ染料の分散剤について検討を行なった結果なされたものであり、上記課題は下記(1)〜(6)によって達成される。
【0009】
(1)支持体上にロイコ染料及び該ロイコ染料を加熱時発色せしめる顕色剤を主成分とする感熱記録層を有する感熱記録材料において、該感熱記録層中に、ビニルイミダゾール及びビニルピロリドンの少なくともいずれかである塩基性窒素をリング内にもつ複素環基を有するビニルモノマー(モノマーIという)と、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、スチレン、及びメチルアクリレートから選択される少なくとも1種のα,β飽和二重結合を有するエチレン性、ビニルモノマー(モノマーIIという)との共重合体が含有し、前記モノマーIと前記モノマーIIとの共重合体に占める前記モノマーIの割合が、65重量%〜90重量%であることを特徴とする感熱記録材料。
【0010】
(2)ロイコ染料の分散剤としてモノマーIとモノマーIIとの共重合体を用いたことを特徴とする上記(1)に記載の感熱記録材料。
【0011】
(3)前記モノマーIとモノマーIIとの共重合体が、顕色剤を含む分散液の分散剤として用いられることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の感熱記録材料。
【0012】
(4)前記支持体と感熱記録層との間に、熱可塑性中空樹脂粒子を含む中間層を設けたことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の感熱記録材料。
【0013】
(5)熱可塑性中空樹脂粒子が、中空率30%以上で重量平均粒子径0.4μm〜10μmであることを特徴とする上記(4)に記載の感熱記録材料。
【0014】
(6)中間層の乾燥時の重量が2.5g/m 2 〜7g/m 2 であり、前記中間層中に占める熱可塑性中空樹脂粒子の量が25重量%であることを特徴とする上記(4)〜(5)のいずれかに記載の感熱記録材料。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の感熱記録材料は、上記のとおり、感熱記録層中にモノマーIとモノマーIIとの共重合体を含有させたことに特徴とするものである。この共重合体は塩基性窒素をリング内にもつ複素環基を有するビニルモノマーとα,β飽和二重結合を有するエチレン性ビニルモノマーとを用い公知のラジカル重合により得る事ができるが、感熱記録材料として使用する場合には水、水溶性溶剤、水と水溶性溶剤との混合物中での溶液重合が好ましい。
【0016】
モノマーIとしては例えばビニルピリジン、ビニルイミダゾール、2−メチルーNビニルイミダゾール、ビニルピロリドン等があげられる。
【0017】
モノマーIIとしては例えばメチル(メタ)クリレート、エチル(メタ)クリレート、n―ブチル(メタ)クリレート、イソブチル(メタ)クリレート、2−エチルヘキシル(メタ)クリレート、ラウリル(メタ)クリレート、ステアリル(メタ)クリレート、フルフリル(メタ)クリレート、ベンジル(メタ)クリレート、ステアリル(メタ)クリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)クリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)クリレート、シクロヘキシル(メタ)クリレート、イソボルニル(メタ)クリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)クリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)クリレート、ポリエチレングリコール(メタ)クリレート、EO−PO−モノ(メタ)クリレート、酢酸ビニル、スチレン、P−ビニルトルエン、ブタジエンなどである。
【0018】
共重合体中のモノマーIの含有量は5〜95重量%であり、好ましくは30〜90重量%である。5%未満では共重合体自身の安定性が悪く、95%以上では感熱記録材料紙の耐水性が悪くなる。
【0019】
本発明の共重合体は感熱記録材料のアンダー層や感熱記録層の結合剤や、必要に応じて感熱記録層上に形成されるオーバーコート層としても使用できるが、ロイコ染料分散液や顕色剤を含む分散液の分散剤として用いる事が好ましい。特にロイコ染料分散液の分散剤として本発明の共重合体を使用した場合、短時間で微粒子化することができると共に、ロイコ染料分散液の着色が少なく、また低分子量の界面活性剤を用いて分散した場合に比べて感熱記録材料の耐水性が優れている。
【0020】
本発明の感熱記録発色層において用いるロイコ染料は単独又は2種以上混合して適用されるが、このようなロイコ染料としては、この種の感熱記録材料に適用されているものが任意に適用され、例えば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フエノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系等の染料のロイコ化合物が好ましく用いられる。このようなロイコ染料の具体例としては、例えば、以下に示すようなものが挙げられる。
【0021】
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−{N−(3’−トリフルオルメチルフェニル)アミノ}−6−ジエチルアミノフルオラン、2−{3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム}、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−N−メチル−N,n−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、6’−クロロ−8’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、6’−ブロモ−3’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−クロルフェニル)フタリド、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−ニトロフェニル)フタリド、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジエチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−メチルフェニル)フタリド、3−(2’−メトキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−ヒドロキシ−4’−クロル−5’−メチルフェニル)フタリド、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−イソブチル−6−メチル−7−アニリノフルオラン3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−n−ブチルアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4’−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’,5’−ベンゾフルオラン、3−N−メチル−N−イソプロピル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−イソアミル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロル−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−N−ブチルアニリノ)フルオラン3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4’−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−(−2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’,5’−ベンゾフルオラン、3−p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}−6−ジメチルアミノフタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−フェニルエチレン−2−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−p−クロロフェニルエチレン−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4’−ジメチルアミノ−2’−メトキシ)−3−(1”−p−ジメチルアミノフェニル−1”−p−クロロフェニル−1”,3”−ブタジエン−4”−イル)ベンゾフタリド、3−(4’−ジメチルアミノ−2’−ベンジルオキシ)−3−(1”−p−ジメチルアミノフェニル−1”−フェニル−1”,3”−ブタジエン4”−イル)ベンゾフタリド3−ジメチルアミノ−6−ジメチルアミノ−フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド、3,3−ビス{2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−p−メトキシフェニル)エテニル}−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−ビス{1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル}−5,6−ジクロロ−4,7−ジブロモフタリド、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−ナフタレンスルホニルメタン、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−p−トリルスルホニルメタン等である。
【0022】
本発明において用いられる顕色剤としては、4,4’−イソプロピリデンビスフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(o−メチルフェノール)、4,4’−セカンダリーブチリデンビスフェノール4,4’−イソプロピリデンビス(2−ターシャリーブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(オキシエチレンチオ)ジフェノール、p−ニトロ安息香酸亜鉛、1,3,5−トリス(4−ターシャリーブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、2,2−(3,4’−ジヒドロキシジフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、4−{β−(p−メトキシフェノキシ)エトキシ}サリチル酸、1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−5−オキサペンタン、フタル酸モノベンジルエステルモノカルシウム塩、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2−クロロフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−ターシャリーブチル−2−メチル)フェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−ターシャリ−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4’−チオビス(6−ターシャリーブチル−2−メチル)フェノール、4,4’−ジフェノールスルホン、4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ベンジロキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジフェノールスルホキシド、P−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、P−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、プロトカテキユ酸ベンジル、没食子酸ステアリル、没食子酸ラウリル、没食子酸オクチル、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−プロパン、N,N’−ジフェニルチオ尿素、N,N’−ジ(m−クロロフェニル)チオ尿素、サリチルアニリド、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチルエステル、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジルエステル、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、2,4’−ジフェノールスルホン、2,2’−ジアリル−4,4’−ジフェノールスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4’−メチルジフェニルスルホン、1−アセチルオキシ−2−ナフトエ酸亜鉛、2−アセチルオキシ−1−ナフトエ酸亜鉛、2−アセチルオキシ−3−ナフトエ酸亜鉛、α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−α−メチルトルエン、チオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールS、4,4’−チオビス(2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−クロロフェノール)、国際特許WO99/51444に記載の(ポリ)4−ヒドロキシ安息香酸誘導体、国際特許WO 00/14058に記載のウレアウレタン化合物、特開平08−333329号等に記載のジフェニルスルホン誘導体、スルホニルアミノカルボニルアミド基を有する顕色剤等である。
これら顕色剤はロイコ染料1重量部に対して2〜10重量部使用される。
【0023】
感熱記録層中には必要に応じて感度向上剤(熱可融性物質)が含有されるが、これの具体例としては以下に示すものが挙げられる。
ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪酸類、ステアリン酸アミド、パルチミン酸アミド等の脂肪酸アミド類、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、パルチミン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類、p−ベンジルビフェニル、ターフェニル、トリフェニルメタン、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、β−ベンジルオキシナフタレン、β−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフト酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル、ジフェニルカーボネート、グレヤコールカーボネート、テレフタル酸ジベンシル、テレフタル酸ジメチル、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、1,4−ジベンジロキシナフタレン、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,4−ジフェノキシ−2−ブテン、1,2−ビス(4−メトキシフェニルチオ)エタン、ジベンゾイルメタン、1,4−ジフェニルチオブタン、1,4−ジフェニルチオ−2−ブテン、1,3−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、p−(2−ビニルオキシエトキシ)ビフェニル、アセチルビフェニル、p−アリールオキシプフェニル、p−プロパギルオキシビフェニル、ジベンゾイルオキシメタン、ジベンゾイルオキシプロパン、ジベンジルジスルフィド、1,1−ジフェニルエタノール、1,1−ジフェニルプロパノール、p−ベンジルオキシベンジルアルコール、1,3−フェノキシ−2−プロパノール、N−オクタデシルカルバモイル−p−メトキシカルボニルベンゼン、N−オクタデシルカルバモイルベンゼン、1,2−ビス(4−メトキシフェノキシ)プロパン、1,5−ビス(4−メトキシフェノキシ)−3−オキサペンタン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ビス(4−メチルベンジル)、シュウ酸ビス(4−クロロベンジル)ジフェニルスルホン等。
【0024】
本発明の感熱記録材料を製造するために、上記材料を支持体上に結合支持させる場合、慣用の種々の結合剤を適宜用いることができ、その具体例としては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0025】
ポリビニルアルコ−ル、殿粉及びその誘導体、ヒドロキシメチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−ス、メチルセルロ−ス、エチルセルロ−ス等のセルロ−ス誘導体、ポリアクリル酸ソ−ダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソ−ダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子の他、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレ−ト、エチレン/酢酸ビニル共重合体等のエマルジョンやスチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体等のラテックス等。
【0026】
また、本発明においては、必要に応じて、この種の感熱記録材料に慣用される補助添加成分、例えば填料、界面活性剤、滑剤、圧力発色防止剤等を併用することができる。
【0027】
この場合、填料としては、例えば、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化けい素、水酸化アルミニウム等の無機系微粉末の他、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂、塩化ビニリデン樹脂等の有機系微粉末を用いる事ができ、また架橋材料や本発明の共重合体併用しても使用する事ができる。
【0028】
滑剤としては高級脂肪酸及びその金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステルの他、動物性、植物性又は石油系の各種ワックス類等があげられる。
【0029】
本発明における支持体として紙、合成紙、ラミネート紙等のいずれも用いることができる。
【0030】
また本発明においては、感熱記録材料の高感度化目的として、支持体と感熱記録層との間に、結合剤及び中空粒子を主成分とするアンダーコート層を設けることが好ましい。結合剤としては、前記した感熱記録層に使用した結着樹脂を用いることができる。中空粒子としては、例えば熱可塑性樹脂を殻として中空率30%以上で重量平均粒子径0.4〜10μmのものが利用可能である。ここでいう中空率とは中空粒子の外径と内径の比であり、(中空粒子の内径/中空粒子の外径)×100%で表される。
【0031】
アンダーコート層は乾燥時の重量が2〜10g/m2、好ましくは2.5〜7g/m2の範囲で設けることができる。アンダーコート層中に占める中空粒子の量は30〜90重量%、好ましくは40〜80重量%である。
【0032】
また本発明においては、前記のとおり感熱記録層上に保護層を設けることができ、この保護層は感熱記録層に用いることの出来る結合剤と填料(炭酸カルシウム、シリカ、水酸化アルミニウムなど)を主成分として形成される他、紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂なども用いられる。
【0033】
前記材料を用いて例えば次のような方法によって本発明の感熱記録材料が作製される。即ち、常法によりまずロイコ染料、顕色剤、増感剤などをそれぞれ別々に結合剤(ロイコ染料、顕色剤の少なくとも一方にはモノマーIとモノマーIIとの共重合体あるいは必要に応じてその他の添加物と共にボールミル、アトライター、サンドミルなどの分散機にて粉砕、分散化後(粉砕、分散を湿式で行うときは通常水を媒体として用いる)、混合して感熱発色層塗布液を調製する。別に結合剤あるいは必要に応じてその他の添加物を用いてアンダーコート層塗布液、保護層塗布液を各々調製する。続いて、必要であれば、各塗布液を紙、プラスチックシート、合成紙等の支持体上に、アンダーコート層を設ける場合はアンダーコート層、感熱発色層、必要に応じて保護層を形成する順序で塗布、乾燥を繰り返して本発明の感熱記録材料を得る。更に必要に応じて、感熱記録層と反対側の支持体上に磁気記録層を設けることもできる。
【0034】
本発明の感熱記録材料の記録方法は、使用目的によって熱ペン、サーマルヘッド、レーザー加熱等特に限定されない。
【0035】
【実施例】
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明する。なお、以下に示す部及び%はいずれも重量基準である。
【0036】
1.A液の調製
3−ジブチルアミノ−6−メチル−N−7−アニリノフルオラン30部、および下記表1に示す分散剤からなる組成物(染料含有量30%)をサンドミルで分散した。(A−1、A−2、A−3、A−4、A−5、A−6)
比較のため本発明の分散剤を使用しない系で染料分散液を作成した。(A−7、A−8)
【0037】
【表1】
MMA;メチルメタクリレート
BA;ブチルアクリレート
VP;ビニルピロリドン
St;スチレン
MA;メチルアクリレート
VIM;ビニルイミダゾール
【0038】
2.B液の調製
(2)−1
4−イソプロポキシ4’−ヒドロキシジフェニールスルホン20部、10%ポリビニルアルコール水溶液20部、水60部からなる組成物をサンドミルで分散し、分散液を得た。
(2)−2
(2)−1の10%ポリビニルアルコール水溶液20部の代わりにMMA/VP(10/90重量比)10%水溶液20部を用いた他は(2)−1と同様にして分散液を得た。
【0039】
3.感熱発色塗工液の調製
A液20部、B液60部、コロイダルシリカ(固形分;20%)10部、スチレンブタジエンラテックス(固形分;50%)20部、ステアリン酸アミド分散液(固形分;20%)15部、ジオクチルスルホコハク酸水溶液(固形分;5%)1部からなる組成物を混合して感熱記録層塗工液を調製した。
【0040】
4.アンダーコート層形成液の調製
(4)−1
焼成カオリン 20部
スチレン/ブタジエン共重合ラテックス
(固形分濃度47.5%) 20部
水 60部
上記の混合物を撹拌分散して、アンダーコート層形成液を調製した。
(4)−2
中空樹脂粒子
(中空率90%、重量平均粒径3.5μm、固形分40%)25部
スチレン/ブタジエン共重合ラテックス
(固形分濃度47.5%) 15部
水 60部
上記混合物を撹拌分散して、アンダーコート層形成液を調製した。
【0041】
5.オーバーコート層形成液の調整
水酸化アルミニウム 20部
10%ポリビニルアルコール水溶液 20部
水 60部
の混合物をボールミルで24時間分散して、オーバーコート層形成液を調整した。
【0042】
(参考例1)
坪量60g/m2の上質紙上に前記(4)−1のアンダーコート液を用い乾燥塗布量が3.0g/m2になるように塗工し、乾燥した。ついでその上にA液としてA−1、B液として(2)−1を用いた感熱記録層塗工液を用い染料付着量が0.45g/m2になるように塗布乾燥し、更にその上に樹脂乾燥付着量が1.5g/m2になるようにオーバー液(5)を塗工し、乾燥した。その後スーパーキャレンダーにて処理し本発明の感熱記録材料を得た。
【0043】
(参考例2)
参考例1のA−1液の代わりにA−2液を用いた感熱記録層塗工液を用いた以外は参考例1と同様にして本発明の感熱記録材料を得た。
【0044】
(参考例3)
参考例1のA−1液の代わりにA−3液を用いた感熱記録層塗工液を用いた以外は参考例1と同様にして本発明の感熱記録材料を得た。
【0045】
(実施例1)
参考例1のA−1液の代わりにA−4液を用いた感熱記録層塗工液を用いた以外は参考例1と同様にして本発明の感熱記録材料を得た。
【0046】
(実施例2)
参考例1のA−1液の代わりにA−5液を用いた感熱記録層塗工液を用いた以外は参考例1と同様にして本発明の感熱記録材料を得た。
【0047】
(実施例3)
参考例1のA−1液の代わりにA−6液を用いた感熱記録層塗工液を用いた以外は参考例1と同様にして本発明の感熱記録材料を得た。
【0048】
(実施例4)
参考例1のA−1液の代わりにA−5液を用い、B液として(2)−2用いた感熱記録層塗工液を用いた以外は参考例1と同様にして本発明の感熱記録材料を得た。
【0049】
(実施例5)
参考例1のアンダー液として(4)−2を用い、A−1液の代わりにA−5液を用いた感熱記録層塗工液を用いた以外は参考例1と同様にして本発明の感熱記録材料を得た。
【0050】
(比較例1)
参考例1のA−1液の代わりに、A−7液を使用した以外は参考例1と同様にして比較の感熱記録材料を得た。
【0051】
(比較例2)
参考例1のA−1液の代わりに、A−8液を使用した以外は参考例1と同様にして比較の感熱記録材料を得た。
【0052】
これらの感熱記録材料の評価結果を表2に示す。
〈評価法〉
感度倍率;キャレンダー済品を松下電器部品(株)製薄膜ヘッドを有する感熱印字実験装置にて、ヘッド電力0.45W/ドット、1ライン記録時間20msec/L、走査密度8×385ドット/mmの条件下で、1msec毎にパルス巾0.0〜0.7mmsecに印字し、印字濃度をマクベス濃度計RD−914にて測定し、濃度が1.0となるパルス巾を計算した。
比較例1を基準として、(比較例1のパルス巾)/(測定したサンプルのパルス巾)=感度倍率として計算する。値が大きいほど感度(熱応答性)が良好である。
【0053】
画像濃度;キャレンダー済品を上記感熱印字実験装置を用いパルス巾0.5mmsecに印字し、印字濃度及び地肌濃度をマクベス濃度計RD−914にて測定した。
【0054】
耐水性;上記の条件で印字したサンプルをそれぞれ20℃の水中に、15時間浸漬した後、画像部の濃度を測定した。
【0055】
【表2】
【0056】
【発明の効果】
実施例の記載から明らかなように、本発明の感熱記録材料は発色濃度が高く高感度で、耐水性に優れたものである。
Claims (6)
- 支持体上にロイコ染料及びそのロイコ染料を加熱時発色せしめる顕色剤を主成分とする感熱記録層を有する感熱記録材料において、該感熱記録層が下記モノマーIとモノマーIIとの共重合体を含有し、前記モノマーIと前記モノマーIIとの共重合体に占める前記モノマーIの割合が、65重量%〜90重量%であることを特徴とする感熱記録材料。
(モノマーI)ビニルイミダゾール及びビニルピロリドンの少なくともいずれかである塩基性窒素をリング内にもつ複素環基を有するビニルモノマー。
(モノマーII)メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、スチレン、及びメチルアクリレートから選択される少なくとも1種のα,β飽和二重結合を有するエチレン性ビニルモノマー。 - 前記モノマーIとモノマーIIとの共重合体がロイコ染料の分散剤として用いられることを特徴とする請求項1記載の感熱記録材料。
- 前記モノマーIとモノマーIIとの共重合体が、顕色剤を含む分散液の分散剤として用いられることを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 前記支持体と感熱記録層との間に、熱可塑性中空樹脂粒子を含む中間層を設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 熱可塑性中空樹脂粒子が、中空率30%以上で重量平均粒子径0.4μm〜10μmであることを特徴とする請求項4に記載の感熱記録材料。
- 中間層の乾燥時の重量が2.5g/m 2 〜7g/m 2 であり、前記中間層中に占める熱可塑性中空樹脂粒子の量が25重量%であることを特徴とする請求項4から5のいずれかに記載の感熱記録材料。
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