JP4643568B2 - 観察装置および双眼鏡 - Google Patents
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Description
本発明は、表示機能を備えた小型の観察装置および双眼鏡を提供することを目的とする。
また、前記対物レンズと前記表示部とを結ぶ光路上に設けられ、前記対物レンズ側から観察者により観察される中間像の位置を、前記観察者の眼の光軸方向と輻輳方向との少なくとも一方に変更する位置変更部と、前記表示部と、前記光路切換部または前記光路分割部と、前記位置変更部とを制御する制御部とをさらに備えても良い。
また、前記接眼レンズの全部または一部は、前記接眼レンズと前記対物レンズとを結ぶ光路に沿った方向に移動可能であっても良い。
光路切換部5により、接眼レンズ2と対物レンズ3との間に光束が導かれる場合、観察者は、対物レンズ3によって形成された物体の中間像Iを、接眼レンズ2を介して観察することができる。一方、光路切換部5により、表示部4と対物レンズ3との間に光束が導かれる場合、観察者は、表示部4に表示された画像を、対物レンズ3を介して観察することができる。
観察者は、接眼レンズ2側から観察を行う場合には、対物レンズと接眼レンズとの間に導かれた光束を利用して物体の中間像Iを観察し、対物レンズ3側から観察を行う場合には、表示部4と対物レンズ3との間に導かれた光束を利用して表示部4を観察することができる。
《第1実施形態》
第1実施形態の観察装置10は、図2に示すように、接眼レンズ12と、対物レンズ13と、接眼レンズ12と対物レンズ13とを結ぶ光路から分岐された光路上に設けられた表示部14と、接眼レンズ12と対物レンズ13とを結ぶ光路上で、かつ、対物レンズ13と物体の中間像Iが形成される位置との間に設けられた光路切換部15と、接眼レンズ12と対物レンズ13とを結ぶ光路上に設けられた正立光学系16と、ミラー17とを備える。
対物レンズ13によって形成された物体の中間像Iを、接眼レンズ12を介して観察する観察装置として観察装置10を使用したい場合、観察者は、光路切換部15により、接眼レンズ12と対物レンズ13との間に光束を導く。このとき、対物レンズ13を、接眼レンズ12と対物レンズ13とを結ぶ光路に沿った方向に移動することにより、観察対象の物体に対する焦点調節を行う。
また、第1実施形態によれば、前述した正立光学系にプリズムを含む。そのため、さらなる小型化が実現できる。
また、第1実施形態によれば、対物レンズは、接眼レンズと対物レンズとを結ぶ光路に沿った方向に移動可能である。そのため、対物レンズを移動することにより、観察装置として使用する場合の観察対象の物体に対する焦点調節と、表示装置として使用する場合の表示部に対する焦点調節とを行うことができる。
また、表示部14が表示する画像は、どのようなものであっても良い。例えば、観察装置10にチューナーを内蔵してテレビ表示を行うようにしても良いし、観察装置10に無線機能を備えて画像情報を取得するようにしても良いし、メモリカードなどの記憶媒体を観察装置10に着脱可能にしても良い。
《第2実施形態》
以下、図面を用いて本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明を行い、第1実施形態と同様の部分については説明を省略する。また、第1実施形態の観察装置と同様の部材には第1実施形態と同じ符号を付けて説明を行う。
以上説明したように、第2実施形態によれば、接眼レンズと、対物レンズと、表示部とを備え、対物レンズによって形成された物体の中間像を、接眼レンズによって観察する観察装置において、対物レンズと接眼レンズとの間に光束を導くとともに、表示部と対物レンズとの間に光束を導く。そのため、対物レンズと接眼レンズとの間に導かれた光束を利用して観察装置を実現し、表示部と対物レンズとの間に導かれた光束を利用して、対物レンズを介して表示部を観察することにより表示装置を実現することができる。特に、第2実施形態によれば、観察装置が備える構造を応用して、表示機能を備えることができるので、表示機能を備えた小型の観察装置を実現可能である。
また、第2実施形態によれば、光路分割部21としてハーフミラーを用いることにより、可動部分の無い、簡略化した構成とすることができる。
《第3実施形態》
以下、図面を用いて本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明を行い、第1実施形態と同様の部分については説明を省略する。また、第1実施形態の観察装置と同様の部材には第1実施形態と同じ符号を付けて説明を行う。
そして、観察者は、第1実施形態と同様に、光路切換部15により光路を切り換えて、それぞれの観察を行う。なお、表示部14に対する焦点調節を行う場合、および観察対象の物体に対する焦点調節を行う場合には、第1実施形態とは異なり、対物レンズ31の内焦レンズ33のみを、接眼レンズ12と対物レンズ13とを結ぶ光路に沿った方向に移動する。そのため、焦点調節のためにレンズを移動させるのに必要な移動範囲を狭くすることができる。
《第4実施形態》
以下、図面を用いて本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明を行い、第1実施形態と同様の部分については説明を省略する。また、第1実施形態の観察装置と同様の部材には第1実施形態と同じ符号を付けて説明を行う。
表示部41は、第1実施形態の観察装置10の表示部14と同様の構成である。ハーフミラー42は、表示部41に表示された画像を2分割し、左右それぞれの光路切換部15を介して、左右それぞれの対物レンズ13に導く。なお、観察装置40は、左右それぞれの対物レンズ13から表示部41までの光路長を等しくするための光学素子(例えば、ダミーガラスなど)を備える。
そして、観察者は、第1実施形態と同様に、左右それぞれの光路切換部15により光路を切り換えて、それぞれの観察を行う。なお、表示装置として使用する場合、観察者は、左右両眼で、一つの表示部41を同時に観察することになる。
以上説明したように、第4実施形態によれば、第1実施形態から第3実施形態で説明した構成を左右それぞれに備える。そのため、双眼鏡など、左右両眼で同時に観察を行う観察装置にも本発明を適用することができる。
以下、本発明の観察装置に眼疲労回復機能を備えた実施形態について図面を用いて説明する。観察装置を使用する際、観察者は、観察対象を長時間に渡って凝視することがある。このような場合、観察者の眼の毛様体筋が動かず、眼の疲労や視力の低下などの問題が懸念される。そこで、以下に説明する眼疲労回復機能を備えることにより、手軽に眼疲労を回復することができる。
第5実施形態の双眼鏡101は、遠方の物体を観察するための「双眼鏡モード」と、眼疲労回復のための「第1眼疲労回復モード」および「第2眼疲労回復モード」を有する。第1眼疲労回復モードは、双眼鏡による観察像を使用して眼疲労回復動作を行うモードであり、第2眼疲労回復モードは、眼疲労回復用の画像を使用して眼疲労回復動作を行うモードである。
さらに、双眼鏡101は、図8の内部構成図および図8のAA断面図である図9Aに示すように、左右全く同一の構成である。また、双眼鏡101は、眼疲労回復用の画像を表示する左表示部117および右表示部118、左表示部用結像レンズ119、右表示部用結像レンズ120(不図示)を備えるとともに、左反射ミラー121および右反射ミラー122を備える。左表示部117および右表示部118は、小型液晶ディスプレイなどの表示器であり、左接眼レンズ107および右接眼レンズ108と左対物レンズ109および右対物レンズ110とを結ぶ光路から分岐された光路上に設けられる。
左反射ミラー121は、不図示のミラー駆動部により、図9Aに示すように、軸aを中心に回転され、左接眼レンズ107と左対物レンズ109とを結ぶ光軸上に出し入れ可能である。図9Bに示すように、左反射ミラー121を左接眼レンズ107と左対物レンズ109とを結ぶ光軸上から退避させると、左対物レンズ109が左接眼レンズ107の光軸上に配置され、左対物レンズ109と左接眼レンズ107との間に光束が導かれることになる。このような配置は、双眼鏡モードおよび第1眼疲労回復モードの実行時に行われる。
なお、右反射ミラー122も、上述した左反射ミラー121同様の構成である。
さらに、双眼鏡101は、図8に示すように、ホール素子133A〜133Cの近傍に、制御部135を備える。図10は、双眼鏡101の制御ブロック図である。制御部135は、図10に示すように、電源ボタン102、モードボタン104、スタートボタン105などの操作部材の状態を検知するとともに、検出部114やホール素子133A〜133Cの状態も検知する。また、制御部135は、左表示部117および右表示部118、左反射ミラー121および右反射ミラー122の不図示のミラー駆動部、シフトレンズ駆動部132を制御する。
このように、左対物レンズ109および右対物レンズ110の近傍に、目当て部材190を備えることにより、安定した使用感を観察者に与えることができるので、疲れにくいなどの効果が期待できる。また、フレア防止形状により、余分な外光を防ぐことができる。
また、目当て部材190の素材は、ゴム、樹脂、プラスチックなど、どのようなものであっても良い。また、部位によってこれらの素材を組み合わせるようにしても良い。また、鼻逃げ凹み部材191と同様に形状記憶可能である素材であっても良い。
また、鼻逃げ凹み部材191は、図12Bに示すように、目当て部材190から着脱可能に構成しても良い。例えば、予め子供用、大人用等に合わせた寸法の部材を用意しておき、交換するようにしても良い。
スタートボタン105が押圧されると、制御部5は、設定されたモードに応じて各部を以下のように制御する。
双眼鏡モードが設定されると、制御部135は、まず、左シフトレンズ123および右シフトレンズ124を、「初期位置」に移動する。そして、左反射ミラー121および右反射ミラー122を図9Bで説明したように、左接眼レンズ107および右接眼レンズ108の光軸上から退避させて、左対物レンズ109および右対物レンズ110を左接眼レンズ107および右接眼レンズ108の光軸上に配置する。このように配置することにより、左対物レンズ109および右対物レンズ110と左接眼レンズ107および右接眼レンズ108との間に光束が導かれ、観察者は、左接眼レンズ107および右接眼レンズ108側から、遠方の物体を観察することができる。
第1眼疲労回復モードが設定されると、制御部135は、まず、左シフトレンズ123および右シフトレンズ124を、「初期位置」に移動する。そして、左反射ミラー121および右反射ミラー122を図9Bで説明したように、左接眼レンズ107および右接眼レンズ108の光軸上から退避させて、左対物レンズ109および右対物レンズ110を左接眼レンズ107および右接眼レンズ108の光軸上に配置する。このように配置することにより、左対物レンズ109および右対物レンズ110と左接眼レンズ107および右接眼レンズ108との間に光束が導かれる。
第2疲労回復モードが設定されると、制御部135は、まず、左シフトレンズ123および右シフトレンズ124を、「初期位置」に移動する。そして、左反射ミラー121および右反射ミラー122を図9Cで説明したように、左接眼レンズ107および右接眼レンズ108の光軸上に挿入させて、左表示部117および右表示部118を左対物レンズ109および右対物レンズ110の光軸上に配置する。このように配置することにより、左表示部117および右表示部118と左対物レンズ109および右対物レンズ110との間に光束が導かれる。
また、第5実施形態では、左シフトレンズ123および右シフトレンズ124を移動することにより、観察者により観察される中間像の位置を観察者の眼の光軸方向と輻輳方向とに変更する例を示したが、左シフトレンズ123および右シフトレンズ124の移動により、光軸方向の変更のみを行い、左表示部117および右表示部118を移動することにより輻輳方向の変更を行うようにしても良い。このとき、左シフトレンズ123および右シフトレンズ124の移動と、左表示部117および右表示部118の輻輳方向への移動は同期させるようにするのが好ましい。このように、左シフトレンズ123および右シフトレンズ124の移動により光軸方向の変更を行い、左表示部117および右表示部118の移動により輻輳方向の変更を行うことにより、位置変更部140の構成を簡単にすることができる。
また、第5実施形態では、左表示部117および右表示部118は、小型液晶ディスプレイなどの表示器である例を示したが、スライドフィルムを入れたホルダ141およびバックライト142に置き換えても良い。例えば、図13に示すように、ホルダ141を双眼鏡101に対して着脱可能にしても良い。このような構成にすることにより、電源を節約することができ、また、観察者は好みのスライドフィルムを使用して眼疲労回復動作を行うことができる。
《第6実施形態》
以下、図面を用いて本発明の第6実施形態について説明する。第6実施形態では、第5実施形態と異なる部分についてのみ説明を行い、第5実施形態と同様の部分については説明を省略する。
図14は、双眼鏡150を左側方から見た内部構成図である。なお、第5実施形態の双眼鏡101と同様の部材には第5実施形態と同じ符号を付けて説明を行う。図14に示すように、双眼鏡150は、第5実施形態における左対物レンズ109、左フォーカスレンズ111および左シフトレンズ123を兼用した、左兼用レンズ151を備える。左兼用レンズ151は、図14中の矢印dの方向に移動可能であり、この左兼用レンズ151の位置を移動することにより、双眼鏡150のピント合わせ(焦点調節)と、「第1眼疲労回復モード」および「第2眼疲労回復モード」においてレンズ51側から観察者により観察される象の位置の変更とを行うことができる。なお、中間像の位置の変更を行う際には、焦点調節を行う際よりも広い範囲で、左兼用レンズ151を移動する。それぞれの移動範囲は重複しても良いし、分離しても良い。
なお、以上説明した構成は、双眼鏡150の右側についても同様である。そして、双眼鏡150は、第5実施形態の双眼鏡101と同様に、設定されたモードに応じて各動作を行う。
また、第6実施形態では、双眼鏡150を用いて説明を行ったが、接眼レンズおよび対物レンズを一つずつ備える望遠鏡に適用しても良い。
以下、図面を用いて本発明の第7実施形態について説明する。
第7実施形態の双眼鏡160は、「双眼鏡モード」と、眼疲労回復のための「眼疲労回復モード」とを有する。眼疲労回復モードは、眼疲労回復用の画像を使用して眼疲労回復動作を行うモードである。
第7実施形態の双眼鏡160は、第5実施形態の双眼鏡101と異なり、観察者により観察される中間像の位置を変更させるための移動機構を持たない。その代わりに、第7実施形態では、左表示部177および右表示部178が表示する眼疲労回復用の画像に含まれる視標の位置を変更させる(詳細は後述する)。眼疲労回復用の画像とは、観察者が認知しやすく、しかも視線の定まりやすい位置(中心付近)に、視標となる絵柄(例えば、飛行機、自動車など、前後移動可能なものの絵図)を含む画像である。このような画像は、制御部181内の不図示のメモリに予め記録されている。
不図示のスタートボタンが押圧されると、制御部181は、設定されたモードに応じて各部を以下のように制御する。
双眼鏡モードが設定されると、制御部181は、第5実施形態と同様に、左反射ミラー179および右反射ミラー180を図9Bで説明したように、左接眼レンズ167および右接眼レンズ168の光軸上から退避させて、左対物レンズ169および右対物レンズ170を左接眼レンズ167および右接眼レンズ168の光軸上に配置する。このように配置することにより、左対物レンズ169および右対物レンズ170と左接眼レンズ167および右接眼レンズ168との間に光束が導かれ、観察者は、左接眼レンズ167および右接眼レンズ168側から、遠方の物体を観察することができる。
眼疲労回復モードが設定されると、制御部181は、左反射ミラー179および右反射ミラー180を図9Cで説明したように、左接眼レンズ167および右接眼レンズ168の光軸上に挿入させて、左表示部177および右表示部178を左接眼レンズ167および右接眼レンズ168の光軸上に配置する。このように配置することにより、左表示部177および右表示部178と左対物レンズ169および右対物レンズ170との間に光束が導かれる。
以上説明したように、第7実施形態によれば、接眼レンズおよび対物レンズと、形と明るさと色との少なくとも一つが特異な絵柄を含む画像を表示する表示部とを備え、対物レンズと接眼レンズとの間に光束を導くか、表示部と対物レンズとの間に光束を導くかを切り換えるとともに、表示部が表示する画像における絵柄の位置と特徴との少なくとも一方を変更させる。そのため、観察装置(双眼鏡)を使用する際に、手軽に眼疲労を回復することができる。特に、第7実施形態によれば、観察装置(双眼鏡)が一般的に備える構造を応用して、眼疲労回復動作を行うので、一般的な観察装置(双眼鏡)の大きさと略同様の大きさであり、手軽に眼疲労を回復することができる。
なお、第5実施形態から第7実施形態において、眼疲労回復動作用の画像は、制御部に記録されている例を示したが、何種類かの画像を予め用意しておき、観察者に選択させるようにしても良い。
以下、図面を用いて本発明の第8実施形態について説明する。
本実施形態の双眼鏡201は、遠方の物体を観察するための「双眼鏡モード」と、眼疲労回復のための「第1眼疲労回復モード」および「第2眼疲労回復モード」を有する。第1眼疲労回復モードは、双眼鏡による観察像を使用して眼疲労回復動作を行うモードであり、第2眼疲労回復モードは、眼疲労回復用の画像を使用して眼疲労回復動作を行うモードである。
また、双眼鏡201は、図16の内部構成図に示すように、第5実施形態の双眼鏡101と同様の構成の左接眼レンズ207、右接眼レンズ208、左対物レンズ209、右対物レンズ210、左フォーカスレンズ211および右フォーカスレンズ212、フォーカスレンズ移動部213、検出部214、左正立プリズム215および右正立プリズム216を備える。
左反射ミラー221は、不図示のミラー駆動部により、図17Aに示すように、軸aを中心に回転され、左接眼レンズ207と左対物レンズ209とを結ぶ光路上に出し入れ可能である。図17Bに示すように、左反射ミラー221を左接眼レンズ207と左対物レンズ209とを結ぶ光路上から退避させると、左接眼レンズ207を通る光の光路上に左対物レンズ209が配置され、左対物レンズ209と左接眼レンズ207との間に光束が導かれることになる。このような配置は、双眼鏡モードおよび第1眼疲労回復モードの実行時に行われる。
なお、右反射ミラー222も、上述した左反射ミラー221同様の構成である。
シフトレンズ駆動部232は、シフトレンズ保持部231を図16の矢印aの方向に駆動する。シフトレンズ保持部231が図16の矢印aの方向に駆動されると、左保持部225および右保持部226に接続された左カムピン227および右カムピン228が左カム溝229および右カム溝230に沿って図16矢印bおよびcの方向に移動する。したがって、左シフトレンズ223および右シフトレンズ224が、図16矢印bおよびcの方向に移動される。
さらに、双眼鏡201は、図16に示すように、ホール素子233A〜233Cの近傍に、制御部235を備える。制御部235による各種制御は、第5実施形態と同様であるため、制御ブロック図の図示および説明を省略する。
(1)双眼鏡モード
双眼鏡モードが設定されると、制御部235は、まず、左シフトレンズ223および右シフトレンズ224を、「初期位置」に移動する。そして、図17Bで説明したように、左接眼レンズ207および右接眼レンズ208の光軸上から、左反射ミラー221および右反射ミラー222を退避させて、左対物レンズ209および右対物レンズ210を左接眼レンズ207および右接眼レンズ208の光軸上に配置する。このように配置することにより、左対物レンズ209および右対物レンズ210と左接眼レンズ207および右接眼レンズ208との間に光束が導かれ、観察者は、左接眼レンズ207および右接眼レンズ208側から、遠方の物体を観察することができる。
(2)第1眼疲労回復モード
第1眼疲労回復モードが設定されると、制御部235は、まず、左シフトレンズ223および右シフトレンズ224を、「初期位置」に移動する。そして、図17Bで説明したように、左接眼レンズ207および右接眼レンズ208の光軸上から、左反射ミラー221および右反射ミラー222を退避させて、左接眼レンズ207および右接眼レンズ208の光軸上に左対物レンズ209および右対物レンズ210を配置する。このように配置することにより、左対物レンズ209および右対物レンズ210と左接眼レンズ207および右接眼レンズ208との間に光束が導かれる。
(3)第2眼疲労回復モード
第2疲労回復モードが設定されると、制御部235は、まず、左シフトレンズ223および右シフトレンズ224を、「初期位置」に移動する。そして、図17Cで説明したように、左接眼レンズ207および右接眼レンズ208の光軸上に左反射ミラー221および右反射ミラー222を挿入させて、左接眼レンズ207および右接眼レンズ208の光軸上に左表示部217および右表示部218を配置する。このように配置することにより、左表示部217および右表示部218と左接眼レンズ207および右接眼レンズ208との間に光束が導かれる。
そして、制御部235は、シフトレンズ駆動部232を介して、左シフトレンズ223および右シフトレンズ224を、「初期位置」を挟んだ両方の「リミット位置」まで往復移動させる。このように左シフトレンズ223および右シフトレンズ224を移動することにより、観察者により、左接眼レンズ207および右接眼レンズ208側から観察される中間像の位置を観察者の眼の光軸方向と輻輳方向とに変更する。そのため、観察者の眼の毛様体筋の運動を促すことができる。
また、第8実施形態では、左シフトレンズ223および右シフトレンズ224を移動することにより、観察者により観察される中間像の位置を観察者の眼の光軸方向と輻輳方向とに変更する例を示したが、左シフトレンズ223および右シフトレンズ224の移動により、光軸方向の変更のみを行い、左表示部217および右表示部218を移動することにより輻輳方向の変更を行うようにしても良い。このとき、左シフトレンズ223および右シフトレンズ224の移動と、左表示部217および右表示部218の輻輳方向への移動は同期させるようにするのが好ましい。このように、左シフトレンズ223および右シフトレンズ224の移動により光軸方向の変更を行い、左表示部217および右表示部218の移動により輻輳方向の変更を行うことにより、位置変更部240の構成を簡単にすることができる。
また、第8実施形態では、左表示部217および右表示部218は、小型液晶ディスプレイなどの表示器である例を示したが、第5実施形態で図13を用いて説明したのと同様に、スライドフィルムを入れたホルダおよびバックライトなどに置き換えても良い。このような構成にすることにより、電源を節約することができ、また、観察者は好みのスライドフィルムを使用して眼疲労回復動作を行うことができる。
また、第8実施形態では、第1眼疲労回復モードおよび第2眼疲労回復モードの2つの眼疲労回復モードを備える例を示したが、どちらか一方の眼疲労回復モードのみ備えるようにしても良い。例えば、第1眼疲労回復モードのみを備える場合には、左表示部217および右表示部218、左反射ミラー221および右反射ミラー222は不用である。
以下、図面を用いて本発明の第9実施形態について説明する。第9実施形態では、第8実施形態と異なる部分についてのみ説明を行い、第8実施形態と同様の部分については説明を省略する。
第9実施形態の双眼鏡250は、第8実施形態と同様の「第1眼疲労回復モード」と「第2眼疲労回復モード」とにおいて、観察者により観察される中間像の位置を、観察者の眼の光軸方向のみに変更する。
また、第9実施形態では、双眼鏡250を用いて説明を行ったが、接眼レンズおよび対物レンズを一つずつ備える望遠鏡に適用しても良い。
一方、第1眼疲労回復モードおよび第2眼疲労回復モードにおいて、観察者が疲労回復モード用の焦点調節を行う際に、観察者により不図示のメモリボタンが操作された場合、制御部235は、左兼用レンズ251および右兼用レンズ252の位置を、ホール素子233A〜233Cを介して検出し、不図示の記憶部に記憶する。
以下、図面を用いて本発明の第10実施形態について説明する。
第10実施形態の双眼鏡260は、「双眼鏡モード」と、眼疲労回復のための「眼疲労回復モード」とを有する。眼疲労回復モードは、眼疲労回復用の画像を使用して眼疲労回復動作を行うモードである。
第10実施形態の双眼鏡260は、第8実施形態の双眼鏡201と異なり、観察者により観察される中間像の位置を変更させるための移動機構を持たない。その代わりに、第10実施形態では、第7実施形態の双眼鏡160と同様に、左表示部277および右表示部278が表示する眼疲労回復用の画像に含まれる視標の位置を変更させる。
不図示のスタートボタンが押圧されると、制御部281は、設定されたモードに応じて各部を以下のように制御する。
(1)双眼鏡モード
双眼鏡モードが設定されると、制御部281は、第8実施形態と同様に、図17Bで説明したように、左接眼レンズ267および右接眼レンズ268を通る光の光路上から左反射ミラー279および右反射ミラー280を退避させて、左接眼レンズ267および右接眼レンズ268の光軸上に左対物レンズ269および右対物レンズ270を配置する。このように配置することにより、左対物レンズ269および右対物レンズ270と左接眼レンズ267および右接眼レンズ268との間に光束が導かれ、観察者は、左接眼レンズ267および右接眼レンズ268側から、遠方の物体を観察することができる。
(2)眼疲労回復モード
眼疲労回復モードが設定されると、制御部281は、図17Cで説明したように、左接眼レンズ267および右接眼レンズ268を通る光の光路上に左反射ミラー279および右反射ミラー280を挿入させて、左表示部277および右表示部278を左接眼レンズ267および右接眼レンズ268の光軸上に配置する。このように配置することにより、左表示部277および右表示部278と左接眼レンズ267および右接眼レンズ268との間に光束が導かれる。
以上説明したように、第10実施形態によれば、接眼レンズおよび対物レンズと、形と明るさと色との少なくとも一つが特異な絵柄を含む画像を表示する表示部とを備え、対物レンズと接眼レンズとの間に光束を導くか、表示部と接眼レンズとの間に光束を導くかを切り換えるとともに、表示部が表示する画像における絵柄の位置と特徴との少なくとも一方を変更させる。そのため、観察装置(双眼鏡)を使用する際に、手軽に眼疲労を回復することができる。特に、第10実施形態によれば、観察装置(双眼鏡)が一般的に備える構造を応用して、眼疲労回復動作を行うので、一般的な観察装置(双眼鏡)の大きさと略同様の大きさであり、手軽に眼疲労を回復することができる。
なお、第8実施形態から第10実施形態において、眼疲労回復動作用の画像は、制御部に記録されている例を示したが、何種類かの画像を予め用意しておき、観察者に選択させるようにしても良い。
Claims (11)
- 接眼レンズと、対物レンズとを備え、前記対物レンズによって形成された物体の中間像を、前記接眼レンズによって観察する観察装置において、
前記接眼レンズと前記対物レンズとを結ぶ光路上、または前記光路から分岐された光路上に設けられ、画像を表示する表示部と、
前記接眼レンズと前記対物レンズとを結ぶ光路上に出し入れ可能な光学部材を備え、前記光学部材が前記光路上から退避した状態においては前記接眼レンズからの光を前記対物レンズに導き、前記光学部材が前記光路上に挿入された状態においては前記表示部に表示された前記画像を前記対物レンズに導く光路切換部と
を備えたことを特徴とする観察装置。 - 接眼レンズと、対物レンズとを備え、前記対物レンズによって形成された物体の中間像を、前記接眼レンズによって観察する観察装置において、
前記接眼レンズと前記対物レンズとを結ぶ光路上、または前記光路から分岐された光路上に設けられ、画像を表示する表示部と、
前記接眼レンズと前記対物レンズとを結ぶ光路上に設けられ、前記接眼レンズからの光を前記対物レンズに導くとともに、前記表示部に表示された前記画像を前記対物レンズに導く光路分割部と
を備えたことを特徴とする観察装置。 - 請求項1または請求項2に記載の観察装置を2つ有する双眼鏡であって、
前記接眼レンズと前記対物レンズと前記光路切換部または前記光路分割部とを左右それぞれに備える
ことを特徴とする双眼鏡。 - 請求項1または請求項2に記載の観察装置において、
前記光路切換部または前記光路分割部と前記表示部との間に表示レンズをさらに備える
ことを特徴とする観察装置。 - 請求項1または請求項2に記載の観察装置において、
前記対物レンズの全部または一部は、前記接眼レンズと前記対物レンズとを結ぶ光路に沿った方向に移動可能である
ことを特徴とする観察装置。 - 請求項1または請求項2に記載の観察装置において、
前記対物レンズと前記表示部とを結ぶ光路上に設けられ、前記対物レンズ側から観察者により観察される中間像の位置を、前記観察者の眼の光軸方向と輻輳方向との少なくとも一方に変更する位置変更部と、
前記表示部と、前記光路切換部または前記光路分割部と、前記位置変更部とを制御する制御部とをさらに備える
ことを特徴とする観察装置。 - 請求項6に記載の観察装置において、
前記接眼レンズと前記対物レンズとを結ぶ光路上に、その光路に沿った方向に移動可能な兼用レンズをさらに備え、
前記位置変更部は、前記兼用レンズを含み、
前記制御部は、前記兼用レンズの位置を移動させることにより、前記観察装置の焦点調節と、前記対物レンズ側から前記観察者により観察される中間像の位置の前記観察者の眼の光軸方向への変更とを行う
ことを特徴とする観察装置。 - 請求項7に記載の観察装置において、
前記兼用レンズの位置を検出する検出部を備え、
前記焦点調節を行った際および前記中間像の位置の変更を行った際に前記検出部により検出された前記兼用レンズの位置を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記兼用レンズの位置を読み出す指示を受け付ける受付部とを備え、
前記受付部により前記指示を受け付けると、前記制御部は、前記記憶部から前記兼用レンズの位置を読み出し、読み出した位置に前記兼用レンズを移動させる
ことを特徴とする観察装置。 - 請求項1または請求項2に記載の観察装置において、
前記対物レンズの近傍に目当て部材を備える
ことを特徴とする観察装置。 - 請求項1または請求項2に記載の観察装置において、
前記接眼レンズの全部または一部は、前記接眼レンズと前記対物レンズとを結ぶ光路に沿った方向に移動可能である
ことを特徴とする観察装置。 - 請求項3に記載の双眼鏡において、
2つの前記接眼レンズの間隔は調整可能である
ことを特徴とする双眼鏡。
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