JP4643365B2 - 下水の消毒システム - Google Patents

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Description

本発明は、合流式下水道施設に適用される下水の消毒システムに関する。
合流式下水道は、一般家庭や各種工場などからの排水と雨水とを合わせて流すものであり、通常時は下水処理場により所定の水処理を施した後、河川などに放流している。これに対し降雨時は、雨水が加わるため下水水量が増大し、下水処理場の処理能力を越える場合は、越流堰やポンプ場などによる雨水排除施設により雨水を直接放流することが行われている。この場合、雨水は下水処理場を通っていないため、放流しても問題が生じないように消毒剤により消毒する必要がある。
すなわち、合流式下水道における消毒設備の主たる目的は、流入する下水に対して、処理水が定められた条件を満足するような消毒処理がなされる量の消毒剤を注入することである。定められた条件とは、一般的には「処理水中に含まれる大腸菌群が3000個/mL以下」であると認知されている。消毒剤の注入量を増すと消毒効果は上がり、処理水中の大腸菌群は低減するが、必要以上の消毒剤を注入すると未反応の消毒剤が処理水と共に放流され、放流水域環境へ影響を及ぼすことが懸念されている。このため、消毒剤の注入量は、処理水が定められた条件を満足できる必要十分量であることが望まれる。
合流式下水道において、適切な消毒剤の注入量を決定するにあたって困難な点は、雨天時に合流管に流入する雨水は、晴天時の下水よりもはるかに水量および水質の変動が大きいことから、雨天時の下水に対する消毒は、水量と水質の変動に対応しなければならないことである。合流式下水道の消毒設備において、消毒剤の注入量を決定する方法として、消毒設備の流入下水の水量および水質を計測し、計測された水量と水質に基づいて消毒剤の注入量を演算する方法がある(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特開2003−260470号公報 特開2003−1256号公報
これらの発明は、下水に対する消毒剤の注入量決定のための有効な一つの手法であるが、雨天時における消毒剤注入に関しては様々な因子が存在しておりこれらを代表する指標を特定し、より的確な消毒剤の注入制御を行うことが望まれている。
本発明の目的は、下水に対して塩素を注入して消毒するにあたり、塩素注入率を決定するための指標を見出し、雨天時の下水に対して適切な消毒を実施可能な下水の消毒システムを提供することにある。
発明による下水の消毒システムは、下水に対し塩素を注入して消毒を行う下水の消毒システムであって、予めとらえておいた前記下水の複数の特性値とこれら各特性値における塩素消費量との関係を保存しているデータベースと、前記下水から前記特性値を検出する特性値検出手段と、この特性値入力手段により検出された特性値を入力し、この入力された特性値に対応する塩素消費量を前記データベースから抽出する塩素消費量演算手段と、この塩素消費量演算手段により求められた塩素消費量に基き、放流水の残留塩素許容濃度を超えない範囲の注入量を加えて塩素注入率を決定し、この決定された塩素注入率で下水へ塩素を注入する消毒設備とを備えたことを特徴とする
この下水の消毒システムでは、データベースには、下水の特性を表す特性値として、下水の有機物濃度、及び下水と塩素との接触時間と、これらの複数の値に対応する各塩素消費量とが、予め関係つけられて保存されており、特性値検出手段として、有機物濃度検出手段、及び測定された下水の流量から接触時間を演算する接触時間演算手段を用いるとよい。
また、本発明による下水の消毒システムは、前記下水の有機物濃度検出手段、及び下水の流量測定手段で測定された流量に基いて下水と塩素との接触時間を演算する接触時間演算手段と、前記下水の有機物濃度、及び下水と塩素との接触時間を用いて所定の演算モデル式により塩素消費量を求める塩素消費量演算手段と、この塩素消費量演算手段により求められた塩素消費量に基き、放流水の残留塩素許容濃度を超えない範囲の注入量を加えて塩素注入率を決定し、この決定された塩素注入率で下水へ塩素を注入する消毒設備とを備えた構成でもよい。
さらに、本発明による下水の消毒システムは、特定地域の気象データを入力し、この特定地域の下水が流入する複数箇所の消毒設備への下水流入量を予測し、この予測された各下水流入量に基き各消毒設備における消毒対象下水の有機物濃度及び接触時間をそれぞれ予測する流入予測演算手段と、この流入予測演算手段により予測された各消毒設備における有機物濃度及び接触時間を用いて各消毒設備の塩素消費量の予測値を求める塩素消費量演算手段と、この塩素消費量演算手段で求められた各消毒設備の塩素消費量の予測値を、通信回線により対応する消毒設備に伝送する伝送手段とを備え、各消毒設備では、伝送されてきた塩素消費量に基き、放流水の残留塩素許容濃度を超えない範囲の注入量を加えて塩素注入率を決定し、この決定された塩素注入率で下水へ塩素を注入するように構成してもよい。
本発明によれば、複数の水質と水量が異なる下水に対して、消毒のための適切な塩素注入率について調査した結果、塩素消費量が下水に対する消毒効果に影響する複数の因子を代表する指標となり得ることを見出し、この塩素消費量に基づいて塩素の注入率を決定することで、残留塩素が少なく大腸菌群を所定個数以下に低減させる効果的な消毒が可能となった。
以下、本発明の一実施の形態について図面を用いて説明する。
はじめに、下水に対し塩素を注入して消毒を行う下水の消毒システムにおいて、消毒のための適切な塩素注入率について調査した結果、塩素消費量が下水に対する消毒効果に影響する複数の因子を代表する指標となり得ることを見出したことについて説明を行う。
一般に、雨天時にポンプ場へ流入する下水は水量・水質の変動が非常に大きく、適正な塩素注入率を得るための知見が不足しているのが現状である。そこで、合流下水へ塩素注入を行うことによって下水中の大腸菌群を殺菌する場合、塩素注入率に影響を及ぼす重要因子(下水の有機物濃度、塩素との接触時間)によって塩素注入率を決定することが可能か否かを検討し、定式化を試みた。このため、次のような実験を行った。
下水、もしくは下水に純水を添加して水質を調整して原水とした。次亜塩素酸ナトリウム溶液を消毒剤として使用した。原水をビーカーに取り、温度を常温に保ちスターラーで撹拌しながら次亜塩素酸ナトリウム溶液を所定の少量範囲で注入した。所定の時間撹拌混合した後、すみやかに残留塩素(遊離塩素および結合塩素)を測定し、かつ、大腸菌群の測定を行った。
このように、下水に塩素を注入した場合、塩素注入率に対して下水中の大腸菌群と残留塩素は例えば、図6のような関係を示す。図6において、大腸菌群は塩素注入率に対して一般的に指数関数的に減少する。これは、以下の(1)式として表現される。すなわち、大腸菌群を対数軸にプロットすると直線として示される。
=b・a ・・・(1)
x:塩素注入率 (mg/L)
:大腸菌群 (個/mL)
:定数 (-)
:定数 (個/mL)
残留塩素はある程度まで0mg/L付近で推移するが、その後は結合塩素が増加することによって塩素注入率に対してほぼ比例的に増加する。この比例的に増加する領域は直線で近似でき、以下の(2)式で表される。
=a・x+b ・・・(2)
x:塩素注入率 (mg/L)
:残留塩素 (mg/L)
:定数 (-)
:定数 (mg/L)
塩素消費量r0.1を残留塩素が0.1mg/Lとなる塩素注入率と定義すると、(2)式を用いて塩素消費量r0.1を算出できる。さらに(1)式を用いて塩素消費量における大腸菌群yc(x=r0.1)を求めることができる。r0.1は原水に含まれる有機物等によって消費される塩素量に相当するものとして定める。yc(x=r0.1)は最低限の残留塩素が検出された処理水における大腸菌群を示すものとして定める。
上記実験は、下水の有機物濃度(以下、COD)と、下水と塩素との接触時間をパラメータとして、これらの値を、大、中、小に変化させて行い、上記の6個の定数(a、b、a、b、r0.1、yc(r0.1))を得た。これらの実験は、上述のように、CODと接触時間をパラメータとしたものであるから、この2つのパラメータと上記各定数との間の有意な関係を見出すことで、2つのパラメータに基づいて、大腸菌群と残留塩素を考慮した適正塩素注入率を決定することが可能となる。
実験の結果、2つのパラメータについてみる。
CODを増加させた場合、図6における残留塩素の増加直線は、CODの増加によっての右に移動した。また、傾きも小さくなった。大腸菌群の減少はCODが増加すると緩やかになった。これは塩素の殺菌効果が低下していることを意味する。つまりCODの高い原水には塩素消費物質がより多く含まれているため、注入した塩素が塩素消費物質と反応して消費され、殺菌に有効な塩素量が低下したためと考えられる。
接触時間についてみると、接触時間が小さくなると、図6における残留塩素の増加直線は左に移動し、傾きは大きくなった。また、大腸菌群の減少量は接触時間が短くなると小さくなった。すなわち、塩素の殺菌効果は低下した。これは原水中に含まれる塩素消費物質や大腸菌群と塩素との反応時間が短いため、残留塩素の増加にもかかわらず大腸菌群が低減していないものと考えられる。
次に、各定数についても、前記パラメータであるCODおよび接触時間の変化に対する関係が明らかになったがここでは省略する。
上記実験の結果から、残留塩素の増加領域における関数y=a・x+b (2)式では、塩素消費量(図6のr0.1)に、COD及び接触時間との関連性がみられた。なお、(2)式における定数bは、単なる算術上の定数で意味がないので、(2)式は
=a・(x−r0.1)+0.1と表現した方がよい。
また、aにもCOD、接触時間との関連性がみられる。したがって、CODと接触時間に基づいて残留塩素を予測することは可能である。特に、塩素消費量r0.1は、塩素消費物質が多く含まれる下水に対する塩素注入率を決定するための重要な指標となる。一般的に下水の放流水の残留塩素濃度の警報値はごく微量に設定される。そのような制約条件下で最も大腸菌の殺菌効果を得られる塩素注入率の決定方法として、塩素消費量r0.1に残留塩素濃度の警報値を加えた量の塩素を注入することを見出し、本発明に到った。
すなわち、本発明方法は、下水に対する塩素注入量とその残留塩素とから塩素消費量を求め、この塩素消費量に基き、放流水の残留塩素許容濃度を超えない範囲の塩素注入量を加えて塩素注入率を決定することにある。
この方法により消毒処理水の残留塩素濃度を警報値(許容値)以下に抑えた最大量の塩素を注入することが可能となる。この結果、塩素消費量r0.1での大腸菌群の実測値から、この塩素消費量r0.1に残留塩素濃度の警報値を加えた量の塩素を注入することで、大腸菌群が3000個/mL以下になるように確実に殺菌することが出来る。
このように、複数の水質と水量が異なる下水に対して、消毒のための適切な塩素注入率について調査した結果、塩素消費量が下水に対する消毒効果に影響する複数の因子を代表する指標となり得ることを見出した。そこで、本発明では下水の消毒方法として、下水に対する塩素注入量とその残留塩素とから塩素消費量を求め、この塩素消費量に基き、放流水の残留塩素許容濃度を超えない範囲の塩素注入量を加えて塩素注入率を決定することで、残留塩素が少なく大腸菌群を所定個数以下に低減させる効果的な消毒が可能としている。
ここで、本発明では、塩素消費量を求めるに当って、前述のように、下水の特性であるCODと接触時間とをパラメータとしているので、これらの求め方について以下説明する。
CODについては有機物濃度演算モデルを用いる。すなわち、濁度計により測定される下水の濁度とCODとの間には高い相関性が期待され、有機物濃度演算モデル式は以下の(3)式となる。
COD=a・CTurb+b ・・・・(3)
COD:流入下水の有機物濃度(COD) (mg/L)
Turb:流入下水の濁度 (度)
:定数
:定数
接触時間については接触時間演算モデルを用いる。この接触時間演算モデルは、下水の流量Qpumpに基づいて接触時間Trctを出力する。すなわち、流量Qpumpと水路容積Vrctによって以下の接触時間演算モデル式(4)によって簡易的に算出している。
rct=Vrct÷Qpump×60 ・・・(4)
rct:接触時間 (min)
rct:水路容積 (m3)
pump:流量 (m3/h)
下水の塩素消費量は以下に示す塩素消費量演算モデル式(5)により求める。
0.1=(a・CCOD)・(a・Trct+b) ・・・(5)
0.1:塩素消費量 (mg/L)
COD:流入下水の有機物濃度(CODとして) (mg/L)
rct:接触時間(min)
:定数
:定数
:定数
下水に対する消毒用の塩素注入率は、塩素消費量r0.1に着目し、この塩素消費量
0.1に残留塩素濃度の警報値(もしくは許容値)Cres_Clを加えた値によって求めるものとする。塩素注入率目標値演算モデル式は以下の(6)である。
Cl=r0.1+Cres_Cl ・・・(6)
Cl:塩素注入率目標値 (mg/L)
0.1:塩素消費量 (mg/L)
res_Cl:処理水の残留塩素濃度基準値(定数) (mg/L)
次に、図1を用いて、本発明による下水の消毒システムの一実施の形態を詳細に説明する。
図1において、11は下水消毒用の処理槽で、図示左方からの流入下水に対し、消毒設備12から塩素を注入して消毒後、図示右方に処理水として排出する。排出された処理水は河川などに放流される。13は下水の塩素消費量を測定するための採水槽で、この採水槽13には、処理槽11から採水ポンプ14により所定量の下水が採水される。また、この採水槽13には塩素注入機15によって、塩素が種々の注入率で加えられる。16は残留塩素計で、採水槽13内の残留塩素を検出する。すなわち、採水槽13には上述のように、塩素注入機15により種々の注入率で塩素が加えられるが、それぞれの注入率による塩素注入から所定時間後の残留塩素をそれぞれ測定する。
17は塩素消費量演算手段で、前記採水ポンプ14による採水流量、塩素注入機15による塩素注入量、残留塩素計16で測定された残留塩素濃度をそれぞれ入力し、下水の塩素消費量を算出する。
塩素消費量演算手段17には、塩素注入機15により採水槽13内の下水に注入された塩素の、種々の注入率が入力され、かつ注入から所定時間経過後の残留塩素が入力されるので、これらの値を用いて、図2で示すグラフを作る。そして、このグラフの不連続点に達するより前の残留塩素が増加する領域のデータで近似曲線(直線a)を求め、これを外挿することによって塩素消費量(b点)を求める。これは、図6で説明したr0.1と同じものである。
このようにして求められた下水の塩素消費量は消毒設備12に出力される。消毒設備12では、入力された下水の塩素消費量に基き、放流水の残留塩素許容濃度を超えない範囲の注入量を加えて塩素注入率を決定し、この決定された塩素注入率で下水へ塩素を注入する。すなわち、前述した塩素注入率目標値演算モデル式(6)により、塩素注入率を決定し、処理槽11内の下水に対し注入率一定制御で塩素を注入する。
この結果、処理水(放流水)の残留塩素が少なく、大腸菌群を所定個数以下に確実に低減させる効果的な消毒が可能となった。
次に、図3で示す実施の形態を説明する。この実施の形態では、下水の塩素消費量に影響を与える特性値と、この特性値を変化させた場合の塩素消費量との関係を予め実測値などにより求めてデータベースとしてまとめておき、このデータデースを用いて実際の下水における塩素消費量を求めるようにしている。
この実施の形態では上記特性値として、下水の有機物濃度(COD)および下水と塩素との接触時間を用いる。これらの特性値を得るため、図3に示すように、下水消毒用の処理槽11に流入する下水の流量及び濁度を、流量計21および濁度計22でそれぞれ測定する。測定された下水の流量は接触時間演算手段23に入力され、同じく濁度はCOD演算手段24に入力される。接触時間演算手段23は、入力された流量と予め設定されている処理水の流路容積や定数を用いて、例えば、前述した接触時間演算モデル式(4)により接触時間を簡易的に算出する。また、COD演算手段24は、入力された下水の濁度と予め設定されている定数を用いて、前述した有機物濃度演算モデル式(3)によりCODを算出する。
25は前述した特性値と、この特性値を変化させた場合の塩素消費量との関係を保持したデータベースであり、そのデータ構成は表1のようになっている。
Figure 0004643365
すなわち、データベース25には、一方の特性値であるCODの値x1、x2、x3、及びもう一つの特性値である接触時間の値y1、y2、y3に対応して、予め求められた塩素消費量z1〜z33の値が設定されている。
塩素消費量演算手段27は、接触時間演算手段23から接触時間を入力し、COD演算手段24からCODを入力して、これらの値に対応する塩素消費量をデータベース25から抽出して出力する。
このようにして求められた下水の塩素消費量は消毒設備12に出力される。消毒設備12では、入力された下水の塩素消費量に基き、放流水の残留塩素許容濃度を超えない範囲の注入量を加えて塩素注入率を決定し、処理槽11内の下水に対し注入率一定制御で塩素を注入する。
この結果、処理水(放流水)の残留塩素が少なく、大腸菌群を所定個数以下に確実に低減させる効果的な消毒が可能となった。
次に、図4で示す実施の形態を説明する。この実施の形態では、図3で示した実施の形態と同様に、下水の塩素消費量に影響を与える特性値として、下水から測定した濁度および流量に基くCODおよび接触時間を用いている。しかし、図3のデータベース25は用いず、上記濁度および接触時間を用いて、塩素消費量演算手段29により、都度塩素消費量を演算するように構成した。その他の部分は、図3と同様であり、対応する符号を付し、詳細な説明は省略する。
図4において、塩素消費量演算手段29は、前述した塩素消費量演算モデル式(5)を持っている。そして、下水から流量計21および濁度計22測定された流量および濁度に基き、接触時間演算手段23およびCOD演算手段24で算出されたCODおよび接触時間を入力し、予め設定されている定数を用いて前記塩素消費量演算モデル式(5)により塩素消費量を算出する。
このようにして求められた下水の塩素消費量は消毒設備12に出力される。消毒設備12では、入力された下水の塩素消費量に基き、放流水の残留塩素許容濃度を超えない範囲の注入量を加えて塩素注入率を決定し、処理槽11内の下水に対し注入率一定制御で塩素を注入する。
この結果、処理水(放流水)の残留塩素が少なく、大腸菌群を所定個数以下に確実に低減させる効果的な消毒が可能となった。
次に、図5で示す実施の形態を説明する。この実施の形態では、特定地域の気象データを用い、この特定地域の下水が流入する複数箇所の消毒設備への各下水流入量をそれぞれ予測し、この予測された下水流入量に基き各消毒設備の塩素消費量の予測値を求め、この求められた塩素消費量の予測値を、通信回線により対応する消毒設備に伝送するように構成している。
図5において、31A,31B,・・・,31Nは特定地域の下水が流入する複数の処理設備で、それぞれ流入下水を消毒する処理槽11A,11B,・・・,11Nおよび消毒設備12A,12B,・・・,12Nを有し、担当流域から流入する下水に塩素を注入して処理水として排出する。32は流入量予測演算手段で、前記特定地域に関する気象データに基づき、各処理設備31A,31B,・・・,31Nへの流入下水量を及び水質を予測する。すなわち、気象情報により前記特定地域に、何時、どの程度の降雨があるかが予測される。流入量予測手段32はこの気象情報を入力し、特定地域における降雨の程度を判断する。そして、RRL法など公知の流入量予測方法により、特定地域への降雨により流入する各処理設備31A,31B,・・・,31Nへの流入下水量をそれぞれ算出する。また、この予測された流入下水量から、この流入下水の濁度も予測できるので、この濁度もあわせて予測する。
塩素消費量演算手段33は、流入量予測演算手段32から、各処理設備31A,31B,・・・,31N毎の流入下水量および濁度を入力し、各処理設備31A,31B,・・・,31N毎の塩素消費量を演算予測する。すなわち、塩素消費量演算手段33は、流入下水量に基いて前述の接触時間演算モデル式(4)により接触時間を簡易的に算出する。また、入力された下水の濁度に基いて前述の有機物濃度演算モデル式(3)によりCODを算出する。そして、これら接触時間およびCODに基き、前述した塩素消費量演算モデル式(5)により塩素消費量を各処理設備31A,31B,・・・,31N毎に算出する。
このようにして求められた各処理設備31A,31B,・・・,31N毎の塩素消費量は、インターネットなどの通信回線34を介して、対応する消毒設備12A,12B,・・・,12Nに送信される。各消毒設備12A,12B,・・・,12Nでは、対応する塩素消費量を受信し、その塩素消費量に基いて、放流水の残留塩素許容濃度を越えない範囲の注入量を加えて塩素注入率を決定する。そして、対応する処理槽11A,11B,・・・,11N内の下水に対し注入率一定制御で塩素を注入する。
この結果、処理水(放流水)の残留塩素が少なく、大腸菌群を所定個数以下に確実に低減させる効果的な消毒が可能となった。
このように、地域の気象情報に基き、この地域の下水が流入する複数の消毒設備31A,31B,・・・,31N毎の塩素消費量を、センター側に設けられた流入量予測演算手段32および塩素消費量演算手段33により、集中してそれぞれ演算予測し、その結果得られた各処理設備31A,31B,・・・,31N毎の塩素消費量をインターネットなどの通信回線34を介して、対応する消毒設備12A,12B,・・・,12Nに送信するので、各処理設備31A,31B,・・・,31Nがそれぞれ塩素消費量演算手段を持つ必要は無くなり、設備効率を向上させることが出来る。
本発明による下水の消毒システムの一実施の形態を示すシステム構成図である。 同上実施の形態における下水の山椒素油肥料を算出するのに用いられるグラフである。 本発明の、データベースを用いる実施の形態を説明するシステム構成図である。 本発明の、塩素消費量演算手段により、都度塩素消費量を算出する実施の形態を説明するシステム構成図である。 本発明の、センター側に設けられた塩素消費量演算手段により、各処理施設毎の塩素消費量を集中して算出する実施の形態を説明するシステム構成図である。 塩素注入に伴う残留塩素と大腸菌群との関係を示すグラフである。
符号の説明
11 処理槽
12 消毒設備
17,27,29、33 塩素消費量演算手段
23 接触時間演算手段
24 COD演算手段
25 データベース

Claims (4)

  1. 下水に対し塩素を注入して消毒を行う下水の消毒システムであって、
    予めとらえておいた前記下水の複数の特性値とこれら各特性値における塩素消費量との関係を保存しているデータベースと、
    前記下水から前記特性値を検出する特性値検出手段と、
    この特性値入力手段により検出された特性値を入力し、この入力された特性値に対応する塩素消費量を前記データベースから抽出する塩素消費量演算手段と、
    この塩素消費量演算手段により求められた塩素消費量に基き、放流水の残留塩素許容濃度を超えない範囲の注入量を加えて塩素注入率を決定し、この決定された塩素注入率で下水へ塩素を注入する消毒設備と
    を備えたことを特徴とする下水の消毒システム。
  2. データベースには、下水の特性を表す特性値として、下水の有機物濃度、及び下水と塩素との接触時間と、これらの複数の値に対応する各塩素消費量とが、予め関係つけられて保存されており、
    特性値検出手段として、有機物濃度検出手段、及び測定された下水の流量から接触時間を演算する接触時間演算手段を用いた
    ことを特徴とする請求項1に記載の下水の消毒システム。
  3. 下水に対し塩素を注入して消毒を行う下水の消毒システムであって、
    前記下水の有機物濃度検出手段、及び下水の流量測定手段で測定された流量に基いて下水と塩素との接触時間を演算する接触時間演算手段と
    前記下水の有機物濃度、及び下水と塩素との接触時間を用いて所定の演算モデル式により塩素消費量を求める塩素消費量演算手段と、
    この塩素消費量演算手段により求められた塩素消費量に基き、放流水の残留塩素許容濃度を超えない範囲の注入量を加えて塩素注入率を決定し、この決定された塩素注入率で下水へ塩素を注入する消毒設備と
    を備えたことを特徴とする下水の消毒システム。
  4. 下水に対し塩素を注入して消毒を行う下水の消毒システムであって、
    特定地域の気象データを入力し、この特定地域の下水が流入する複数箇所の消毒設備への各下水流入量を予測し、この予測された下水流入量に基き各消毒設備における消毒対象下水の有機物濃度及び接触時間をそれぞれ予測する流入予測演算手段と、
    この流入予測演算手段により予測された各消毒設備における有機物濃度及び接触時間を用いて各消毒設備の塩素消費量の予測値を求める塩素消費量演算手段と、
    この塩素消費量演算手段で求められた各消毒設備の塩素消費量の予測値を、通信回線により対応する消毒設備に伝送する伝送手段とを備え、
    各消毒設備では、伝送されてきた塩素消費量に基き、放流水の残留塩素許容濃度を超えない範囲の注入量を加えて塩素注入率を決定し、この決定された塩素注入率で下水へ塩素を注入する
    ことを特徴とする下水の消毒システム。
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