JP4643236B2 - 極性切換短絡アーク溶接方法 - Google Patents

極性切換短絡アーク溶接方法 Download PDF

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Description

本発明は、溶接中に電極プラス極性溶接と電極マイナス極性溶接とを円滑に切り換えるための極性切換短絡アーク溶接方法に関するものである。
消耗電極式短絡アーク溶接は、消耗電極である溶接ワイヤを定速で送給すると共に、溶接ワイヤと母材との間でアーク状態と短絡状態とを繰り返しながら溶接が行われる。短絡アーク溶接には、中電流域以下の短絡移行域のCO2溶接、MAG溶接、MIG溶接及び中電流域超のグロビュール移行域又はスプレー移行域のCO2溶接、MAG溶接、MIG溶接が該当する。短絡アーク溶接は、通常は溶接ワイヤが陽極となり母材が陰極となる電極プラス極性EPで溶接が行われる。しかし、ワークが薄板でギャップの大きい場合には、溶接ワイヤが陰極となり母材が陽極となる電極マイナス極性ENで溶接が行われるケースもある。電極プラス極性溶接では、溶込みが深くかつ全電流域にわたって安定した溶接を行うことができる。他方、電極マイナス極性溶接では、母材への入熱を低くすることができ、かつ、ワイヤ溶融量を多くすることができる。このために、薄板でギャップの大きなワークに対して良好な溶接品質を得ることができる。両極性とも定電圧特性の溶接電源が使用される。
溶接中ではなく溶接停止時において溶接電源の出力極性を切り換えるためには、溶接電源の出力にスイッチング素子又は機械的スイッチを設けることによって可能となる。溶接停止時であるために任意のタイミングで極性を切り換えれば良い。他方、溶接中において極性を切り換えるためには、下記に説明する様々な工夫を行う必要がある。ワークの継手、板厚が溶接線に沿って変化する場合には、溶接中において極性を切り換えた方が良好な溶接品質を得ることができる。したがって、このような場合には、1回の溶接中に数回程度極性を切り換えることになる。溶接中に極性を切り換える場合において、その切換タイミングがアーク状態であると、極性切換時にアーク切れが発生して不良な溶接になってしまう。このアーク切れを防止するために、極性切換時に数百Vの高電圧を印加する必要がある。この高電圧印加回路は回路構成が複雑であるために高価であり、かつ、大型であるという問題を有している。この問題を短絡アーク溶接において解決するために提案されたのが、以下に説明する特許文献1、2に記載する従来技術である。この従来技術では、溶接中の極性切り換えを必ず短絡状態において行うものである。アーク状態ではないのでアーク切れが発生する心配はない。このために、上記の高電圧印加回路も不要となる。以下、この従来技術について図面を参照して説明する。
図7は、従来技術の極性切換短絡アーク溶接における電圧・電流波形図である。同図(A)は極性切換信号Saの、同図(B)は極性切換開始信号Sbの、同図(C)は溶接ワイヤと母材との間の電圧である溶接電圧vの、同図(D)はアーク/短絡負荷を通電する溶接電流iの、同図(E)は溶接ワイヤのワイヤ送給速度Wfの時間変化を示す。同図において、EPとは電極プラス極性を示し、ENとは電極マイナス極性を示す。以下、同図を参照して説明する。
短絡期間Ts中は、同図(C)に示すように、溶接電圧vは数V程度の短絡電圧値となり、同図(D)に示すように、溶接電流iは次第に増加する。続いてアーク期間Ta中は、同図(C)に示すように、溶接電圧vは数十V程度のアーク電圧値となり、同図(D)に示すように、溶接電流iは次第に減少する。上記の状態は、電極プラス極性EPでも電極マイナス極性ENでも略同様である。ワイヤ送給速度Wfは、同図(E)に示すように、予め定めた定速で送給される。このときに、電極プラス極性EPと電極マイナス極性ENとで送給速度を異なった値に設定することもある。
時刻t1において、同図(A)に示すように、極性切換信号Saが変化して時刻t2において次の短絡が発生すると、同図(C)に示すように、時刻t3までの予め定めた短絡初期期間Ti中は溶接電流iを低い値の予め定めた短絡初期電流Iiに低下させる。同時に時刻t3において同図(B)に示すように、極性切換開始信号Sbが変化するので、同図(C)に示す溶接電圧v及び同図(D)に示す溶接電流iの極性は、電極プラス極性EPから電極マイナス極性ENへと切り換わる。上記の短絡初期期間Tiを設けて溶接電流iを低い値にする理由は、溶滴と溶融池との短絡状態をより確実な状態にして極性切換途中で突然にアークが再発生してアーク切れが発生するのを防止するためである。
特開昭58−38664号公報 特開昭63−157765号公報
図7で上述した従来技術においては、極性切換信号Saは溶接トーチがワークの極性切換ポイントに到達した時点で変化する。したがって、極性切換信号Saは、溶接状態がアーク状態又は短絡状態のどちらであるかには関係なく変化する。そして、実際の極性切換タイミングは、次の短絡が時刻t2で発生し短絡初期期間Tiが経過した時刻t3になる。この時間遅れが長くなりかつバラツキが大きくなると、極性切換ポイントと極性切換とのズレが大きくなり、かつ、ズレのバラツキも大きくなるので、溶接品質が悪くなる。時刻t1〜t3の時間遅れのうち短絡初期期間Tiは1ms程度と短くかつ一定値であるので問題はない。しかし、時刻t1〜t2の短絡待ち期間は、特に中電流域以上で数十ms〜数百msになり、時間遅れが長くなる。したがって、極性切換時の溶接品質に悪影響を与えるおそれが大きくなる。
そこで、本発明は、上述した課題を解決することができる極性切換短絡アーク溶接方法を提供する。
上述した課題を解決するために、第1の発明は、溶接ワイヤを定速で送給すると共に短絡状態とアーク状態とを繰り返す短絡アーク溶接にあって、予め定めた極性切換信号に応じて溶接電源の出力極性を溶接中に切り換えることによって電極プラス極性溶接と電極マイナス極性溶接とを切り換えて溶接を行う極性切換短絡アーク溶接方法において、
前記極性切換信号が変化した場合は、前回の短絡解除からのアーク期間が基準値になった時点から次の短絡が発生するまでは溶接電流の低下又は溶接電圧の低下又はワイヤ送給速度の高速化を行うことによって短絡の発生を早期に誘発し、短絡が発生したときは所定期間溶接電流を低い値に維持した後に溶接電源の出力極性を切り換え、その後に溶接電流を増加させて短絡状態を解除に導く、ことを特徴とする極性切換短絡アーク溶接方法である。
また、第2の発明は、第1の発明記載の基準値を、前記極性切換信号が変化するまでの各々のアーク期間の平均値に基づいて設定する、ことを特徴とする極性切換短絡アーク溶接方法である。
また、第3の発明は、前記極性切換信号を、アークスタート後の予め定めたスタート初期期間が経過した時点で変化させて極性を切り換える、ことを特徴とする第1又は第2の発明記載の極性切換短絡アーク溶接方法である。
上記第1の発明によれば、極性切換信号が変化しかつ当該アーク期間が基準値に達した時点で溶接電流の低下又は溶接電圧の低下又はワイヤ送給速度の高速化を行うことによって早期に短絡を誘発することができるので、短絡状態で円滑に極性を切り替えることができる。このために、極性切換信号の変化時点と実際の極性切換タイミングのズレが小さいので、極性切換時の溶接品質が良好になる。さらに、第1の発明では、アーク期間が通常値よりも長くなった場合のみ溶接電流の低下等を行うので、溶接電流の低下等に伴うビードへの影響を最小限にすることができる。
さらに、上記第2の発明によれば、上述した効果に加えて、上記の基準値を極性切換信号が変化するまでの各々のアーク期間の平均値に基づいて設定することによって、溶接電流の低下等のタイミングが最適化される。
さらに、上記第3の発明によれば、アークスタートしてスタート初期期間が経過した後に上記第1〜第2の発明によって極性を円滑に切り換えることができる。このために、スタート部の溶接品質が良好になる。


以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係る極性切換短絡アーク溶接方法を示す電圧・電流波形図である。同図(A)は極性切換信号Saの、同図(B)は極性切換開始信号Sbの、同図(C)は溶接電圧vの、同図(D)は溶接電流iの、同図(E)はワイヤ送給速度Wfの時間変化を示す。同図は上述した図7と対応しており、時刻t1以前の動作は同一である。以下、同図を参照して時刻t1以降の動作について説明する。
時刻t1において、同図(A)に示すように、極性切換信号Saが変化すると、同図(C)に示すように、溶接電圧vを低下させ、これに伴って同図(D)に示すように、溶接電流iも低下する。また同時に同図(E)に示すように、ワイヤ送給速度Wfを高速化させる。溶接電圧v又は溶接電流iが低下するとワイヤ溶融速度が遅くなるので短絡が早期に発生しやすくなる。同様に、ワイヤ送給速度が高速化すると短絡が早期に発生しやすくなる。この結果、同図(C)に示すように、時刻t2において短絡が早期に誘発される。この時刻t1〜t2の期間が短絡誘発期間Tdとなる。時刻t2に短絡が発生すると、同図(D)に示すように、予め定めた短絡初期期間Tiの間は溶接電流iを短絡初期電流Iiに低下させる。同図(B)に示すように、時刻t3に短絡初期期間Tiが経過した時点で極性切換開始信号Sbが変化する。これに応動して極性切換動作に移行する。この結果、同図(C)に示す溶接電圧v及び同図(D)に示す溶接電流iは、電極プラス極性EPから電極マイナス極性ENへと切り換わる。
時刻t3において極性を切り換えた後は、溶接電流iを増加させて短絡の解除に導く。この電流増加のタイミングは、極性切換時点でも良いし、切換状態が安定するまで遅延させた後でも良い。
上記において、短絡を早期に誘発するためには、溶接電圧vの低下、溶接電流iの低下又はワイヤ送給速度Wfの高速化のいずれか1つ以上を行うことで可能となる。溶接電流iを低下させた後の値は、平均溶接電流に応じて10〜100A程度であり、短絡初期電流Iiと同一値に設定しても良い。
図2は、上述した実施の形態1に係る極性切換短絡アーク溶接方法を実施するための溶接電源のブロック図である。以下、同図を参照して各ブロックについて説明する。
インバータ回路INVは、交流商用電源AC(3相200V等)を入力として整流し、後述する駆動信号Dvに従ってインバータ制御によって高周波交流を出力する。高周波トランスINTは、高周波交流をアーク溶接に適した電圧値へと降圧した高周波交流を出力する。2次側ダイオードD2a〜D2dは、降圧された高周波交流を直流に整流する。電極プラス極性スイッチング素子PTRは、後述する電極プラス極性駆動信号Pdに従ってオン/オフされ、オン状態のときは電極プラス極性EPになる。電極マイナス極性スイッチング素子NTRは、後述する電極マイナス極性駆動信号Ndに従ってオン/オフされ、オン状態のときは電極マイナス極性ENになる。リアクトルWLは、整流されたリップルのある直流を平滑する。溶接ワイヤ1はワイヤ送給装置の送給モータMに直結した送給ロール5によって溶接トーチ4内を通って送給され、母材2との間にアーク3が発生する。
電圧検出回路VDは、溶接電圧vを検出して電圧検出信号Vdを出力する。短絡/アーク判別回路SDは、上記の電圧検出信号Vdの値によって短絡状態を判別してHighレベルとなりアーク状態を判別してLowレベルとなる短絡/アーク判別信号Sdを出力する。極性切換信号回路SAは、溶接箇所等に応じた極性に切り換えるための極性切換信号Saを出力する。短絡誘発期間生成回路TDは、上記の極性切換信号Saが変化した時点から上記の短絡/アーク判別信号Sdが最初にHighレベル(短絡)に変化する時点までの期間Highレベルとなる短絡誘発期間信号Tdを出力する。極性切換開始信号生成回路SBは、上記の極性切換信号Saが変化して上記の短絡/アーク判別信号SdがHighレベル(短絡)になった時点から予め定めた短絡初期期間中Highレベルとなる短絡初期期間信号Tiを出力する。さらに、この極性切換開始信号生成回路SBは、上記の短絡初期期間が経過した時点で変化する極性切換開始信号Sbを出力する。すなわち、上述した図1において、上記の短絡誘発期間信号Tdは時刻t1〜t2の間Highレベルになり、上記の短絡初期期間信号Tiは時刻t2〜t3の間Highレベルになる。電圧低下設定回路ΔVRは、上記の短絡誘発期間信号TdがHighレベルの間は第1所定値となり、続いて上記の短絡初期期間信号TiがHighレベルの間はより大きな値の第2所定値となり、それ以外の期間は零となる電圧低下設定信号ΔVrを出力する。
溶接開始回路ONは、溶接を開始するときにHighレベルに変化する溶接開始信号Onを出力する。送給制御回路FCは、この溶接開始信号OnがHighレベルに変化すると定速送給を開始させ、上記の短絡誘発期間信号TdがHighレベルの間は速度を速くさせるための送給制御信号Fcを出力する。送給モータMは、この送給制御信号Fcによって送給速度を制御する。電圧設定回路VRは、予め定めた電圧設定信号Vrを出力する。減算回路SUBは、この電圧設定信号Vrから上記の電圧低下設定信号ΔVrを減算して、電圧制御設定信号Vcr=Vr−ΔVrを出力する。したがって、短絡誘発期間及び短絡初期期間中の電圧制御設定信号Vcrの値を小さくすることになり、これによって溶接電圧vを低下させて溶接電流iを低低下させることができる。誤差増幅回路AMPは、上記の電圧制御設定信号Vcrと上記の電圧検出信号Vdとの誤差を増幅して誤差増幅信号Ampを出力する。この回路によって溶接電源は定電圧特性となる。1次側駆動回路DV1は、上記の溶接開始信号OnがHighレベルのときは上記の誤差増幅信号Ampに従って上記のインバータ回路INVを駆動するための駆動信号Dvを出力する。
2次側駆動回路DV2は、上記の極性切換開始信号SbがHighレベルのときは上記の電極プラス極性駆動信号Pdを出力し、Lowレベルのときは上記の電極マイナス極性駆動信号Ndを出力する。上記においては、短絡誘発期間及び短絡初期期間中の電圧制御設定信号Vcrを低下させることによって溶接電流iを低下させる場合を説明した。これ以外にも、溶接電源を両期間のみ定電流特性に制御して、電流設定信号を低い値に設定することによって溶接電流iを低下させても良い。
[実施の形態2]
図3は、本発明の実施の形態2に係る極性切換短絡アーク溶接方法を示す電圧・電流波形図である。同図(A)は極性切換信号Saの、同図(B)は極性切換開始信号Sbの、同図(C)は溶接電圧vの、同図(D)は溶接電流iの、同図(E)はワイヤ送給速度Wfの時間変化を示す。同図において時刻ta〜tbの期間以外の動作は上述した図1と同一である。以下、同図を参照して時刻ta〜tbの期間の動作について説明する。
時刻t1において極性切換信号Saが変化し、かつ、前回の短絡が解除した時刻taからのアーク期間が基準値Ttに達した時刻tbにおいて、短絡誘発期間Tdを開始する。これに応動して、同図(C)に示す溶接電圧vは低下し、同図(D)に示す溶接電流iも低下し、同図(E)に示すワイヤ送給速度Wfは高速化して次の短絡を早期に誘発する。時刻tb以降の動作は上述した図1と同様であるので省略する。
上記の基準値は、極性切換信号Saが変化するまでの溶接開始からの1回1回のアーク期間の平均値よりも少し長い期間に設定する。アーク期間の平均値が数十ms程度である溶接条件においては、極性切換信号Saが変化してから短絡が発生するまでの期間は溶接品質に影響を与えるほど長くない。このために、極性切換信号Saに連動して直ぐに溶接電流i等を低下させてビードへの影響を与えるよりも、平均的なアーク期間で短絡が自然に発生するのを待つ方が良いからである。ただし、ときどき平均的なアーク期間よりも相当に長く経過した後に短絡が発生する場合がある。このような場合は、短絡誘発期間Tdを設けて早期に短絡を誘発しようとするものである。
図4は、上述した実施の形態2に係る極性切換短絡アーク溶接方法を実施するための溶接電源のブロック図である。同図において上述した図2と同一のブロックには同一符号を付してそれらの説明は省略する。以下、同図を参照して図2とは異なる点線で示すブロックについて説明する。
第2短絡誘発期間生成回路TD2は、極性切換信号Saが変化し、かつ、短絡/アーク判別信号Sdが前回Lowレベル(アーク)に変化した時点から基準値Tt経過した時点から上記の短絡/アーク判別信号SdがHighレベル(短絡)に変化する時点までの期間Highレベルとなる短絡誘発期間信号Tdを出力する。すなわち、この短絡誘発期間信号Tdは、上述した図3において時刻tb〜t2の期間Highレベルになる。
[実施の形態3]
図5は、本発明の実施の形態3に係る極性切換短絡アーク溶接方法を示す電圧・電流波形図である。同図(A)は極性切換信号Saの、同図(B)は極性切換開始信号Sbの、同図(C)は溶接電圧vの、同図(D)は溶接電流iの、同図(E)はワイヤ送給速度Wfの、同図(F)は溶接開始信号Onの時間変化を示す。同図は溶接開始時の波形図であり、アークスタートから予め定めたスタート初期期間Taiが経過した時刻t1以降の動作は上述した図1と同一である。以下、時刻t1以前の動作について同図を参照して説明する。
時刻tcにおいて、同図(F)に示すように、溶接開始信号OnがHighレベル(溶接開始)に変化すると、同図(E)に示すように、溶接ワイヤの送給を開始し、同図(C)に示すように、溶接電圧vが出力される。時刻tdにおいて、溶接ワイヤが母材に到達して接触すると、同図(C)に示すように、溶接電圧vは短絡電圧値となり、同図(D)に示すように、溶接電流iの通電が開始してアークスタートする。この時点から予め定めたスタート初期期間Taiが経過した時刻t1において、同図(A)に示すように、極性切換信号Saが変化する。これ以降の動作は図1と同一であるので省略する。同図では、スタート初期期間Tai中は電極プラス極性EPでそれ以降は電極マイナス極性ENである例であるが、その逆でも良い。アークスタート時に極性を切り換える理由は、溶接ワイヤの種類、シールドガスの種類、ワークの材質、板厚、継手等によってはアークスタート部の品質が良好になる極性が決まる場合があるからである。したがって、このスタート初期期間Taiは、これら種々の溶接条件に応じて適正値に設定する。
図6は、上述した実施の形態3に係る極性切換短絡アーク溶接方法を実施するための溶接電源のブロック図である。同図において上述した図2と同一のブロックには同一符号を付してそれらの説明は省略する。以下、図2とは異なる点線で示すブロックについて説明する。
電流検出回路IDは、溶接電流iの通電を判別してHighレベルとなる電流検出信号Idを出力する。スタート初期期間設定回路TAIは、予め定めたスタート初期期間設定信号Taiを出力する。第2極性切換信号回路SA2は、溶接開始信号OnがHighレベルになり上記の電流検出信号IdがHighレベルに変化した時点から、上記のスタート初期期間設定信号Taiによって定まる期間が経過した時点で変化する極性切換信号Saを出力する。
上記は、実施の形態1においてアークスタートしてスタート初期期間Taiが経過した時点で極性切換信号Saを変化させる場合である。また、実施の形態2にこの機能を付加する場合も同様である。
本発明の実施の形態1に係る極性切換短絡アーク溶接方法を示す電圧・電流波形図である。 本発明の実施の形態1に係る溶接電源のブロック図である。 本発明の実施の形態2に係る極性切換短絡アーク溶接方法を示す電圧・電流波形図である。 本発明の実施の形態2に係る溶接電源のブロック図である。 本発明の実施の形態3に係る極性切換短絡アーク溶接方法を示す電圧・電流波形図である。 本発明の実施の形態3に係る溶接電源のブロック図である。 従来技術の極性切換短絡アーク溶接方法を示す電圧・電流波形図である。
符号の説明
1 溶接ワイヤ
2 母材
3 アーク
4 溶接トーチ
5 送給ロール
AC 商用電源
AMP 誤差増幅回路
Amp 誤差増幅信号
D2a〜D2d 2次側ダイオード
Dv 駆動信号
DV1 1次側駆動回路
DV2 2次側駆動回路
EN 電極マイナス極性
EP 電極プラス極性
FC 送給制御回路
Fc 送給制御信号
i 溶接電流
Ii 短絡初期電流
ID 電流検出回路
Id 電流検出信号
INT 高周波トランス
INV インバータ回路
M 送給モータ
Nd 電極マイナス極性駆動信号
NTR 電極マイナス極性スイッチング素子
ON 溶接開始回路
On 溶接開始信号
Pd 電極プラス極性駆動信号
PTR 電極プラス極性スイッチング素子
SA 極性切換信号回路
Sa 極性切換信号
SA2 第2極性切換信号回路
SB 極性切換開始信号生成回路
Sb 極性切換開始信号
SD 短絡/アーク判別回路
Sd 短絡/アーク判別信号
SUB 減算回路
Ta アーク期間
TAI スタート初期期間設定回路
Tai スタート初期期間(設定信号)
TD 短絡誘発期間生成回路
Td 短絡誘発期間(信号)
TD2 第2短絡誘発期間生成回路
Ti 短絡初期期間(信号)
Ts 短絡期間
v 溶接電圧
Vcr 電圧制御設定信号
VD 電圧検出回路
Vd 電圧検出信号
VR 電圧設定回路
Vr 電圧設定信号
WL リアクトル
ΔVR 電圧低下設定回路
ΔVr 電圧低下設定信号

Claims (3)

  1. 溶接ワイヤを定速で送給すると共に短絡状態とアーク状態とを繰り返す短絡アーク溶接にあって、予め定めた極性切換信号に応じて溶接電源の出力極性を溶接中に切り換えることによって電極プラス極性溶接と電極マイナス極性溶接とを切り換えて溶接を行う極性切換短絡アーク溶接方法において、
    前記極性切換信号が変化した場合は、前回の短絡解除からのアーク期間が基準値になった時点から次の短絡が発生するまでは溶接電流の低下又は溶接電圧の低下又はワイヤ送給速度の高速化を行うことによって短絡の発生を早期に誘発し、短絡が発生したときは所定期間溶接電流を低い値に維持した後に溶接電源の出力極性を切り換え、その後に溶接電流を増加させて短絡状態を解除に導く、ことを特徴とする極性切換短絡アーク溶接方法。
  2. 請求項1記載の基準値を、前記極性切換信号が変化するまでの各々のアーク期間の平均値に基づいて設定する、ことを特徴とする極性切換短絡アーク溶接方法。
  3. 前記極性切換信号を、アークスタート後の予め定めたスタート初期期間が経過した時点で変化させて極性を切り換える、ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の極性切換短絡アーク溶接方法。
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