JP4642630B2 - ガスタービンの制御システムおよび制御方法 - Google Patents

ガスタービンの制御システムおよび制御方法 Download PDF

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Description

本発明はガスタービンの制御システムおよび制御方法に関する。さらに詳しくは、ガスタービン発電設備において、たとえば負荷遮断等の急激な負荷の低下が生じたとき、ガスタービンの所定の回転数を超えることを防止するためにガスタービンへの入熱量を迅速に制御することができるガスタービンの制御システム、および、ガスタービンの制御方法に関する。
製鉄分野において、たとえば高炉法で銑鉄を生産する場合、高炉から炉頂ガス(Blast Furnace Gas であり、BFGと記す)が低カロリな副生ガスとして発生する。近年、ガスタービンにおいては、技術の向上によりこのBFGのような低カロリな副生ガスの燃焼が可能となり、ガスタービン燃料として用いて発電する事例が増加している。一方で、高炉法以外にも直接還元鉄法や溶融還元鉄法等の新しい製鉄プロセスが開発されており、こうした新プロセスからも副生ガスが発生する。いずれの製鉄プロセスであれ、発生する副生ガスはいわゆる低カロリなガスであり、また、その特性(ガス組成やカロリ)が設備や操業内容によって異なる。同一設備であっても各原料の特性や反応過程に応じて時々刻々変化し、一定することがない。このような副生ガスの有効利用に対しても適用できる燃焼方式の開発が待たれている。
こうしたカロリ値が変動する低カロリな副生ガス(以下、低カロリガスという)を燃料とするガスタービン発電設備に限らず、天然ガス等の通常の燃料を用いたガスタービン発電設備においても、負荷遮断等の負荷が急落するような事態が生じたときには、ガスタービンの過速(回転数の過度の上昇)を抑制するとともに、トリップすることなく必要最小出力を維持するように制御する必要がある。たとえば、ガスタービンが定格負荷で運転中に、送電系統やガスタービン発電設備に生じた何らかの原因によって負荷遮断が発生して負荷から解列すると瞬時にガスタービンは過速状態に陥る。これを制御装置が検知すると、燃料供給系の流量制御弁の開度を急速に減少させてガスタービンの過速を抑制する。負荷遮断の検知は発電機の出力信号やガスタービンの回転数信号等の入力によってなされる。
そして、燃焼器の失火を回避しつつ、無負荷状態で定格回転数を維持するための燃料の必要最小流量が確保される開度まで流量制御弁が閉作動する。この流量制御弁の開度制御は、たとえばガスタービン回転数、発電機出力、ガスタービンの排気温度、空気圧縮機の入口圧力および出口圧力等の運転状態量を監視しながら行われる。このような負荷遮断時の制御については多くの文献に開示されている(たとえば、特許文献1、特許文献2および特許文献3参照)。
また、ガスタービンのタイプによっては、負荷急落時にガスタービンの入口案内翼を開作動させる手段も併用し、これにより圧縮機駆動動力を増大させることにより回転軸の制動効果を増大させてガスタービンの過速を抑制するものもある。
しかしながら、上記の低カロリガスを燃料として使用するガスタービン発電設備では、この負荷急落時の運転制御が容易ではない。燃料ガスが低カロリであるが故にガスタービンへの供給量を多くするため、大口径の燃料ガス供給配管を用いている。その結果、流量制御弁の口径も大きくなるため、開閉ストロークが大きくなり、閉弁に長時間を要することになる。したがって、負荷遮断の発生と同時にガスタービンへの入熱量を急速に減少させることが困難となり、ガスタービンの効果的な過速抑制が期待できない。
しかも、前述のとおり低カロリガスは時々刻々そのカロリが変動しているため、流量制御弁の制御ゲインを上げると(応答性を高めると)、カロリ変動の外乱に敏感に反応して流量制御弁がハンチングを生じる可能性がある。かかる事態を回避するために、流量制御弁の応答性が低くなるような制御ゲインの設定を行っている。このことがさらに流量制御弁の急速な閉弁動作を阻害することとなり、ガスタービンへの入熱量を急速に減少させることを困難にする要因となっている。
また、低カロリガスを燃料とするガスタービン発電設備では、燃料ガス供給通路に低カロリガスを圧縮するための燃料圧縮機が設置されている。この燃料圧縮機がガスタービンと同軸状に連結されている場合が多い。この場合、ガスタービン、燃料圧縮機および発電機が構成する発電機列の回転体全体の慣性モーメントが大きなものとなっている。しかも、負荷遮断に伴って過速状態に陥っているため、負荷遮断と同時にガスタービンへの燃料供給ラインの流量調整弁の閉弁動作を開始しても急速な制動が期待できず、ガスタービンを含む発電機列の回転数の上昇を抑制することは難しい。
事業用ガスタービン発電設備においては、負荷遮断が生じた場合にガスタービンが負荷運転時の定格回転数の110%を超えないように調速装置が機能することを負荷遮断試験によって確認することが義務づけられている。そして、調速装置の機能が確認された後に操業が許可されるようになっている。このため、カロリ値が高く安定した天然ガス等を燃料とするガスタービン発電設備においては、負荷遮断時にガスタービンの過速を抑制して規定範囲を超えないようにするための機器構成面および制御面において様々な工夫をすることによって対応している。そうした工夫は、絶えずカロリ変動する低カロリガスを燃料とするガスタービン発電設備での負荷遮断時においては、ガスタービンの過速を効果的に抑制するまでには至っていない。
特開平8−165934号公報 特開2002−138856号公報 特開2002−227610号公報
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、ガスタービン発電設備において負荷遮断等の負荷の急落が発生したときに、たとえその設備が低カロリガスを燃料として使用しているものであっても、容易にガスタービンの回転数の上昇を抑制することができるガスタービン制御システムを提供すること、および、このようなガスタービンの制御方法を提供することを目的としている。
本発明のガスタービン制御システムは、
ガスタービンの負荷急落時にガスタービンの回転数の上昇を抑制するガスタービン制御システムであって、
ガスタービンに燃料ガスを供給する燃料ガス供給通路に配設された、燃料ガスの流量を調節するための燃料流量制御弁と、
燃料ガス供給通路に減熱用ガスを供給するための減熱用ガス供給装置と、
システム制御装置とを備えており、
このシステム制御装置が、ガスタービンの負荷急落を検知したときに、ガスタービンへの入熱量を低下させるために、燃料流量制御弁の開度制御に加えて、減熱用ガス供給装置による減熱用ガス供給作動を制御するように構成されている。
このように、ガスタービン負荷の急落時にガスタービンへの入熱量を低下させるために、燃料流量制御弁の開度制御に加えて燃料への減熱用ガスの供給をも実施するため、燃料として低カロリガスを使用していたとしてもガスタービンの回転数の上昇を効果的に抑制することができる。
上記システム制御装置は、運転中のガスタービンの負荷が所定値まで急速に(たとえばほぼステップ状に)低下したとき、燃料流量制御弁を予め定められた必要最小開度を下回らない開度まで閉弁させるとともに、ガスタービンの回転数が所定値を超えないために必要な減熱用ガスを減熱用ガス供給装置から供給させるように制御することができる。
このように、減熱用ガスを燃料に加えることにより、ガスタービンのトリップを防止するのに必要な最小燃料流量を確保しながら入熱量を減少させてガスタービンの回転数の上昇を抑制して所定の回転数を超えないようにすることができる。
上記システム制御装置は、検出されたガスタービンの回転数をフィードバック入力信号として、ガスタービンの回転数が所定値を超えないように、減熱用ガス供給装置からの減熱用ガスの供給量をフィードバック制御することができる。
上記システム制御装置において、運転中のガスタービンの負荷が所定値まで急速に低下する過程の事象がモデル化したうえで、このモデルに沿ってなされた減熱用ガス供給制御および燃料流量制御弁の開度制御のシミュレーション結果を記憶し、
上記システム制御装置が、運転中のガスタービンの負荷が所定値まで急速に低下したとき、上記シミュレーション結果に基づいてプリセットされた制御モードを選択して実行するように構成することができる。
上記ガスタービン制御システムに、燃料ガス供給通路に水素ガスを供給するための水素ガス供給装置と、燃料ガス中の水素濃度を検出するための水素濃度検出装置とをさらに備え、上記システム制御装置が水素濃度の検出結果に基づいて水素ガス供給装置による水素ガス供給作動を制御するように構成することができる。
ガスタービン負荷の急落時、ガスタービンへの入熱量を急速に低下させたときでも、燃焼速度が速く着火保炎性がよい水素ガスの必要量を燃料ガスに供給することにより、ガスタービンの失火を回避して燃焼器における安定した燃焼の維持が可能となる。なお、供給する水素ガスの純度については特に限定はないが、純度が高いほど少量であっても着火保炎性は良好である。
本発明のガスタービンの制御方法は、
ガスタービンの負荷急落時にガスタービンの回転数の上昇を抑制するためのガスタービンの制御方法であって、
ガスタービンの負荷急落を検知したときに、
ガスタービンに燃料ガスを供給する燃料ガス供給通路に配設された燃料流量制御弁の開度を制御することによって燃料ガスの流量を調節する工程と、
燃料ガス供給通路に減熱用ガスを供給する工程とを含み、
これらの工程を実行してガスタービンへの入熱量を低下させるものである。
運転中のガスタービンの負荷が所定値まで急速に(たとえばほぼステップ状に)低下したときに、
上記燃料流量調節工程において、燃料流量制御弁を予め定められた必要最小開度を下回らない開度まで閉弁させて燃料流量を減少させるとともに、
上記減熱用ガス供給工程において、ガスタービンの回転数が所定値を超えないために必要な減熱用ガスを燃料ガス供給通路に供給することができる。
上記必要最小開度は、ガスタービンの安定燃焼を維持するために必要な燃料流量を確保するための弁開度である。
本発明によれば、ガスタービン発電設備において負荷遮断等の負荷の急落が発生したときに、急速且つ効果的にガスタービンの回転数の上昇を抑制することができる。
添付の図面を参照しながら本発明のガスタービン制御システムおよびガスタービンの制御方法の実施形態を説明する。
図1は本発明のガスタービン制御システムの一実施形態を含んだガスタービン発電設備1を概略的に示す系統図である。このガスタービン発電設備1(以下、単に発電設備1ともいう)は、一例として直接還元鉄設備等のガス発生源Sで発生したカロリ値が絶えず変動する低カロリな副生ガス(低カロリガス)をガスタービン2に燃料として供給する燃料ガス供給配管3と、低カロリガスを圧縮するための燃料圧縮機4と、減熱用ガスを燃料ガス供給配管3に供給するための減熱用ガス供給装置5と、水素ガスを燃料ガス供給配管3に供給するための水素ガス供給装置6と、供給される減熱用ガスおよび水素ガスをそれぞれ低カロリガスと混合するための混合器7とを備えている。混合器7は減熱用ガスの混合用と水素ガスの混合用と別々に配設してもよい。また、低カロリガスのカロリ変動を抑制するためのバッファタンク等の装置を必要に応じて燃料ガス供給配管3上に設置してもよい。
この発電設備1では、燃料ガスとして供給される低カロリガスよりも高い圧力の減熱用ガスおよび水素ガスの供給源15、19が設置されているため、減熱用ガス供給装置5、水素ガス供給装置6および混合器7は燃料ガス供給配管3における燃料圧縮機4の下流側に設置されている。燃料圧縮機4はガスタービン2と同軸状に連結し、ガスタービン2によって駆動するように構成してもよく、または、ガスタービン2とは切り離して配置し、別途配設されたモータによって駆動するように構成してもよい。
さらに、このガスタービン発電設備1の通常運転はもとより、負荷遮断等の負荷の急落が発生したときなどに、ガスタービンの作動を制御するためのシステム制御装置10が設置されている。燃料ガス供給配管3におけるガスタービン燃焼器8の上流側には燃料流量制御弁(以下、単に制御弁ともいう)9が設置されている。符号11で示すのは空気圧縮機であり、符号12で示すのは発電機である。また、燃料ガス供給配管3における混合器7の上流側には、燃料ガス中の水素濃度を計測する水素濃度計13、および、低カロリガスの流量を計測する燃料流量計14が設置されている。水素ガスは純度が高いほど少ない量でも着火保炎性は良好であるが、実際上、供給する水素ガスとしては純粋水素である必要はない。なお、ここでは上記低カロリガスをその発熱量が約12MJ/Nm3 以下のガスと定義する。
上記減熱用ガス供給装置5は、ガスタービン発電設備1に負荷遮断等の負荷の急落が発生したときに、ガスタービン2への入熱量を急速に低下させる目的で低カロリガスに減熱用ガスを混合させるために設置されている。この減熱用ガス供給装置5は、減熱用ガス供給源15と、この減熱用ガス供給源15から混合器7に接続された減熱用ガス供給管16と、減熱用ガス供給管16に設置された減熱用ガス流量計17および流量制御弁18とを有している。混合器7に入る段階での減熱用ガスの圧力は、必要量が速やかに供給されうるように低カロリガスの圧力より高くされている。この目的のために、必要に応じて昇圧装置や蓄圧容器等を設置してもよい。負荷急落時に減熱用ガスを供給する減熱用ガス供給装置5の制御は、上記燃料流量制御弁9を閉弁方向に制御することとともにシステム制御装置10によってなされる。この点については後述する。
減熱用ガスとしては、廃棄窒素、ヘリウムや二酸化炭素等の不活性ガス、空気、燃焼排ガス等を用いることができる。空気は無尽蔵な大気をそのまま吸引して用いることができ、また、燃焼排ガスは上記ガスタービン2においても発生するので、たとえばこれを回収して使用することもでき、いずれも操業コストがきわめて低廉となる。空気や燃焼排ガスのように酸素を含むガスを用いる場合には、この減熱用ガスを低カロリガスに混合した後、この混合ガス(燃料ガス)が可燃限界に入らないように酸素濃度を監視しながら運転制御する。
廃棄窒素は大量のN2 を含む一方、可燃性ガスは含んでいない。廃棄窒素は、各種製鉄プロセスにおいて使用される酸素製造プラントから副産物として発生し、放散されている窒素、並びに、酸素製造プラントに併設される窒素製造プラントで製造された窒素のうち、排出される酸素を微量に含んだ窒素である。いずれの窒素も廃棄窒素として通常は大気に放散される。このような廃棄窒素は窒素ガスが95〜98%程度、且つ、酸素が2〜5%程度のガス組成を有しており、低カロリガスの可燃限界の観点からも安全な減熱用ガスである。これら大量に廃棄される窒素を回収して減熱用ガスとして使用すれば操業コストがきわめて低廉となる。
また、燃料ガスよりも低カロリなガスであれば減熱用ガスとして使用することができるので、たとえば、コークス炉ガス(COG)や転炉ガス(LDG)を燃料ガスとして用いる場合は、それらより低カロリな高炉ガス(BFG)を減熱用ガスとして採用することも可能となる。しかしながら、前述した可燃成分含有率が極めて低い廃棄窒素等を用いる方が減熱効果がはるかに大きいので好ましい。また、以上説明したガス以外に水蒸気を減熱用ガスとして採用することも可能である。
本発電設備1の通常運転時には、システム制御装置10が、たとえば発電機12の出力値、ガスタービン2の回転数、空気圧縮機11の出入口圧力、ガスタービン2の排気温度等を入力信号として、その変動に応じたガスタービン入熱を行うように燃料流量制御弁9の開度を制御している。
また、燃料である低カロリガスは前述したようにそのカロリ値が変動している。このカロリ変動に対してもガスタービンへの安定した入熱量を維持するために、システム制御装置10は適正なフィードフォワード制御またはフィードバック制御によって燃料流量制御弁9の開度を制御する場合がある。しかし、カロリ値の変動や発電機出力の変動に対応して燃料流量制御弁9を開閉させようとすると、小刻みなカロリ変動に伴って燃料流量制御弁9がハンチングを起こす可能性があるため、制御ゲインを大きくすることはできない。すなわち、低カロリガスを使用する場合には燃料流量制御弁9の応答性を高くすることはできず、通常はその制御ゲインが小さく設定されている。さらに、低カロリガスを供給する燃料ガス供給配管3はその管径が大きいため、燃料流量制御弁9としても口径を大きくせざるを得ない。
このような理由から、負荷遮断時等においてガスタービン入熱量を瞬時に減少させたい場合であっても燃料流量制御弁9の急速な開閉動作は望めない。そこで、本発電設備1では、システム制御装置10が、燃料流量制御弁9の開閉動作に加えて燃料ガスに減熱用ガスを混合することによってガスタービン2への入熱量制御を効果的に行う。
また、ガスタービンへの入熱量を低下させるために、従来技術のごとく燃料流量制御弁9の絞り込みだけで対応する場合には弁開度を非常に小さくしなければならない。この場合は、燃料流量不足に起因して燃焼器においてバックファイヤ等が発生し、燃焼が不安定になる可能性がある。しかし、本発電設備1では上記のように減熱用ガスによっても入熱量制御を行うので、燃料流量制御弁9を安定燃焼のための必要最小流量を確保する開度にすることができる。このように、燃料流量制御弁9の絞り込みと減熱用ガスの混合との相乗効果により、ガスタービンをトリップさせることなくガスタービン入熱量を安定且つ速やかに定格負荷運転状態から定格無負荷運転状態に移行させることができる。
減熱用ガスの供給を伴いつつ燃料流量制御弁9は閉弁作動するが、上記必要最小開度に達した時点で閉弁動作を停止する。この場合でもさらなる入熱量の減少が必要であれば、失火限界を下回らない範囲で減熱用ガスの供給を続けることができる。
図2を参照しながら、以上説明した本発電設備1の負荷遮断時の燃料流量制御弁9の制御、減熱用ガス供給装置5の制御、および、それらによるガスタービン回転数の変化を説明する。
負荷遮断が生じたとき、ガスタービンは瞬間的に負荷から解列されるが、それまで定格運転を維持するために供給していた入熱量については瞬間的に減少させることはできない。余分となった入熱量が加速トルクを生じてガスタービンを加速して回転数を上昇させることになる。このような場合でもガスタービンの回転数が許容最大回転数Rmax.を超えないように入熱量を急激に減少させなければならない。
図2(a)は負荷遮断時におけるガスタービン2の負荷の変化を示している。横軸が時間を示し、縦軸がガスタービン負荷(%)を示しており、負荷遮断までは100%定格負荷運転がなされており、負荷遮断後は0%となる。
図2(b)はガスタービン2の負荷遮断時の燃料流量制御弁9の開度変化を示している。横軸は上記図2(a)と対応するように時間を示している。縦軸は制御弁の開度(%)を示しているが、燃料流量と同一視してもよい。負荷遮断になるまでは制御弁9の定格開度(100%)ODrat.、すなわち、後述するように当該ガスタービン2の定格入熱量HIrat.(図2(c))を可能とする燃料流量(定格燃料流量)Qrat.で運転がなされる。負荷遮断後は燃料流量がガスタービンの無負荷定格回転数を維持しうる必要最小流量(Qmin.)となる小開度(必要最小開度と呼ぶ)ODmin.まで制御弁9が閉弁する。必要最小流量Qmin.は、燃焼器8におけるいわゆるバックファイヤが生じない範囲の燃料ガスの流速を確保し、および、後述する失火限界に至らない必要最小入熱量HImin.を確保するために設定された燃料の流量である。
図2(b)中の一点鎖線の曲線B1は、負荷遮断が生じたとき、ガスタービン回転数が許容最大値Rmax.(図2(e))を超えないようにガスタービン入熱量を減少させるために必要な閉弁曲線であり、燃料流量減少曲線である。これを理想曲線B1と呼ぶ。一方、実線で示す曲線B2は、本実施形態での制御弁9の現実の閉弁曲線である。これは、前述したごとく、制御弁9の口径が大きいため、また、制御ゲインが小さく設定されているため、急速な閉弁ができないことを示している。
図2(c)および図2(d)は負荷遮断時のガスタービンへの単位時間当たり入熱量の変化を示している。図2(c)は制御弁9の閉弁作動のみによる入熱量の減少を示し、図2(d)は制御弁9の閉弁作動および減熱用ガスの供給による入熱量の減少を示している。横軸は上記図2(b)と対応するように時間を示している。縦軸はガスタービンへの単位時間当たり入熱量を示している。負荷遮断までは当該ガスタービン2に設定された定格入熱量HIrat.で運転されており、負荷遮断後はガスタービンの失火限界まで低下しない範囲の入熱量で運転される。
図2(c)中の一点鎖線の曲線C1は、前述した理想の閉弁曲線B1(図2(b))に沿って閉弁したとき、ガスタービンへの入熱量が減少する様を示している。これは、負荷遮断が生じたとき、ガスタービン回転数が許容最大値Rmax.(図2(e))を超えないために必要なガスタービン入熱量の減少曲線である。これを理想曲線C1と呼ぶ。一方、実線で示す曲線C2は、急速な閉弁ができない制御弁9の閉弁に伴う現実の入熱量の減少曲線である。
図2(d)中の一点鎖線の曲線D2は、前述した図2(c)中の現実の入熱量の減少曲線C2と同じものを示しているため、説明を省略する。一方、実線の曲線D1は、図2(b)中の現実の閉弁曲線B2に沿って制御弁9を閉弁するとともに、減熱用ガス供給装置5から燃料ガスへ減熱用ガスを供給ことにより、ガスタービン2への入熱量を急速に低下させた場合の曲線である。これが本実施形態における制御の一例を示す曲線である。
曲線D1を見ると、制御弁9の閉弁のみによる入熱量低下曲線D2に比べると、低下速度が大きいほか、入熱量の最低値も低くなっている(d1点からd2点までアンダーシュートしている)。これは、図2(c)における理想の入熱量低下曲線C1と一致させるべく減熱用ガス供給の制御ゲインを設定した場合に生じるものである。このアンダーシュートは、ガスタービン回転数の上昇抑制効果を向上させる。もちろん、この場合、当該ガスタービン2の失火を防止するために設定されている必要最小入熱量(失火限界)HImin.を下回らないようにされている。以上から、曲線C1と曲線C2とに囲まれたハッチング部分が減熱用ガスの供給によって低下させられる入熱量であることが解る。
図2(e)は、図2(c)および図2(d)で示す入熱量コントロール下でのガスタービン回転数の変化が示されている。横軸は上記図2(c)および図2(d)と対応するように時間を示している。縦軸はガスタービン回転数を、定格負荷運転時の定格回転数Rrat.を100%とした回転数の割合を百分率で示している。
図中の曲線E2は、負荷遮断後のガスタービン回転数が効果的に抑制されずに許容最大回転数(定格回転数の110%の値)Rmax.を超える場合を示している。これは、図2(b)の曲線B2を参照しつつ説明したように、口径やゲイン設定等に起因して制御弁9が急速な閉弁ができないことにより、ガスタービン入熱量が適切に減少されない場合(図2(c)の曲線C2および図2(d)の曲線D2)に生じる。一方、曲線E1は、図2(d)中に示される減熱用ガスの供給を組み合わせることにより、曲線D1に沿ってガスタービン2への入熱量を急速に低下させ、回転数上昇の適切な抑制がなされた場合を示している。この場合はガスタービン回転数は許容最大回転数Rmax.を超えていない。
以上、図2(a)から図2(e)に示したごとく、負荷遮断によってガスタービン2の負荷が図2(a)中の100%であるA1点から0%であるA2点までステップ状に低下したとき、本実施形態におけるシステム制御装置10は、ガスタービン2の回転数の急上昇を抑えるために制御弁9の必要最小開度ODmin.まで閉弁させる(図2(b)の曲線B2)とともに、減熱用ガス供給装置5から燃料ガスへ減熱用ガスを供給する。そうすると、ガスタービン2への入熱量は急速に減少する(図2(d)の曲線D1)。その結果、負荷から解列されて急速に回転数が上昇し始めたガスタービンは、入熱量が低減された結果の制動効果により許容最大回転数Rmax.を超えることが防止され、定格回転数Rrat.近傍まで減速される(図2(e)の曲線E1)。
システム制御装置10がガスタービン2の負荷が急落したことを検知する手段としては、たとえば、従来公知のパワーロードアンバランス検知という手法を用いることができる。もちろん、かかる方法には限定されない。可能であれば、ガスタービンの回転数信号、燃料圧縮機の出口圧力信号、負荷遮断器からの遮断信号等から負荷急落を検知するようにしてもよい。
そして、負荷の急落を検知した後にシステム制御装置10が制御弁9の閉弁動作と減熱用ガス供給装置5の動作とを制御する際、定格回転数Rrad.を目標値とし、実際のガスタービン回転数をフィードバックして制御することができる。加えて、その他のガスタービン運転状態量をフィードバックして制御してもよい。また、ガスタービンの定格負荷運転から負荷の急落後の事象をモデル化した減熱用ガス供給制御および制御弁の閉弁制御をシミュレーションすることもできる。そのシミュレーション結果から得られた負荷急落時の制御弁の開度並びにこの開度に対応する減熱用ガスの供給量および供給タイミング等に関するデータを制御装置10にプリセットする。そして、現実の負荷急落時にプリセットデータを選択して実行することができる。また、実操業運転を通じて得られる実データ(負荷遮断時のデータをも含む)をシミュレーションデータの一部または全部と置き換えて使用してもよい。すなわち、シミュレーション結果のプリセットデータを実運転データによって補正して使用してもよい。
このように、システム制御装置10には、上記制御に必要な演算処理を行うプログラムやプリセットデータが格納されており、運転中のデータや数値等を一時的に記憶しておくRAMや上記プログラムに沿った演算処理を行うCPUが装備されている。
システム制御装置10は、前述したようにガスタービン運転の全動作を制御する。すなわちシステム制御装置10は、起動(起動準備、パージング、点火、同期投入、コールドスタート、ウォームスタートを含む)、定格負荷運転、部分負荷運転、停止、クールダウン、負荷遮断等の各運転モードを所掌する。負荷遮断以外のモードは、ここではその説明を省略する。とくに負荷遮断モードでは、燃料流量制御弁9の作動制御および他の制御対象の制御に加えて、燃料ガスに減熱用ガスを混合することによって急速な入熱量低下を実現するのが本ガスタービン制御システムの特徴である。
負荷遮断が生じてシステム制御装置10の運転モードが負荷遮断モードになると、システム制御装置10から減熱用ガス供給装置5に対して減熱用ガスの必要供給流量および供給時間等が指示される。必要供給流量や供給時間はプリセットデータとして記憶されている。このとき、たとえば、減熱用ガス流量計17の計測結果をフィードバック信号として目標供給流量となるように流量制御弁18の開閉動作を制御してもよい。所定量の減熱用ガスを短時間で供給する必要があることを考えれば、減熱用ガス供給管16および流量制御弁18の口径を小さくして設置本数および設置個数を増やしてもよい。
つぎに、水素ガス供給装置6を説明する。水素ガスは燃焼速度が速く着火保炎性がよいため、ガスタービンへの入熱量が大幅に低下したときなどにも安定した燃焼の維持に貢献する。そこで、水素ガス供給装置6は、燃料ガス中に水素ガスを混合させることによってガスタービン2の燃焼器8における火炎を保持するために設置されている。したがって、この水素ガス供給装置6は、負荷急落時の入熱量低下によるガスタービン失火を防止するために有用である。水素ガス供給装置6は、水素ガス供給源19と、この水素ガス供給源19から混合器7に接続された水素ガス供給管20と、水素ガス供給管20に設置された水素ガス流量計21および流量制御弁22とを有している。水素ガスとして純水素でない高純度水素ガスを用いる場合には、水素ガス供給管20に水素濃度計(図示しない)を設置しておく。
システム制御装置10は、ガスタービン負荷の急落時にガスタービン2に供給される燃料ガスのカロリ値および流量を急速に低下させたときに以下のごとく水素ガス供給を制御する。すなわち、火炎保持のために予め定めた燃焼器8における燃料ガスの水素ガス必要含有率を維持するように、燃料ガス供給配管3の水素濃度計13の検出結果、低カロリガスに対する減熱用ガスの混合割合、燃料流量計14によって検出した燃料ガスの流量等から必要な水素ガスの供給量を算出する。そして、水素ガス流量計21を監視しつつ流量制御弁22の開閉作動を制御する。供給された水素ガスは混合器7によって低カロリガスと混合される。
図3には他のガスタービン発電設備31が示されている。この発電設備31では、比較的低圧の減熱用ガス供給源15および水素ガス供給源19が設置されているため、減熱用ガス供給装置5、水素ガス供給装置6および混合器7は燃料ガス供給配管3における燃料圧縮機4の上流側に設置されている。その他の構成は図1に示す発電設備1と同じであるため、同一構成部には同一の符号を付してその説明を省略する。このガスタービン発電設備31においても、そのシステム制御装置10は、負荷急落時に前述した図1の発電設備1におけると同じ制御を行う。
以上説明した実施形態では、使用する低カロリガスとして直接還元製鉄法によって発生する副生ガスを例示したが、これに限定されない。低カロリガスとしては、高炉ガス(BFG)、転炉ガス(LDG)、石炭層に含まれる石炭層ガス(Coal mine gas であり、CMGと表す)、溶融還元製鉄法によって発生する副生ガス、GTL(Gas-to-Liquid)プロセスにおいて発生するテイルガス(Tail gas)、オイルサンドからオイル精製プロセスに伴って発生する副生ガス、ゴミを熱分解することによって発生するガス、生ゴミを含む一般廃棄物がその埋め立て地において発酵、分解する過程で生じる可燃メタンガス(Landfill gas)、および、その他の類似の原料を化学反応させることに伴って発生する副生ガス等の低カロリガス等が含まれる。もちろん、上記ガスを単独はもとより、複数の異種ガスを混合したガスをも含む。また、低カロリガスに限らず、カロリ値が変動するようなガスをガスタービン用燃料として供給する設備にも適用することができる。
燃料ガスの特性により、とくにカロリ変動が著しい場合には、カロリ変動を抑制するバッファタンクや制御機構を採用したカロリ変動抑制装置を設け、負荷遮断時の制御効果を高めるようにしてもよい。
以上説明したガスタービン制御システムは、ガスタービン用燃料ガスが低カロリガスであるものを例にとっているが、これには限定されず、高カロリガスを燃料とするものであってもよい。高カロリガスを燃料とする場合は、一般的にガスタービン負荷の急落時においても燃料流量制御弁によるガスタービン入熱量制御は容易である。なぜなら、天然ガス、プロパン、ブタン等の炭化水素ガス、COG、COGと他の副生ガスとの混合ガス等の高カロリなガスを用いる場合は、燃料ガス配管や燃料流量制御弁の口径は低カロリガス用のそれより小さくすることができる。その結果閉弁ストロークが短くなって素早い応答が可能となる。それに加えてカロリ値を含むガス性状が安定しておれば燃料流量制御弁の制御ゲインを小さく設定する必要がない。また、燃料圧縮機を備える必要がないため、その分は回転体の慣性モーメントの増大がない。その結果、負荷急落時においても燃料流量制御弁を急速に必要最小開度まで閉弁することができる。しかし、高カロリガスを使用する場合でも稼働後のガスタービンに種々の機器が追加設置されることによって慣性モーメントが増大し、制御ゲインの再設定が必要になる場合がある。かかる場合でも、減熱用ガス供給装置を設置しておれば、これによるガスタービン入熱量の減少作用を働かせることにより、燃料流量制御弁を変更したり改造したりする必要なく、負荷遮断動作を容易且つ的確に補完することが可能になる。
本発明のガスタービン制御システムは、燃料ガスに減熱用ガスを混合することにより、燃料流量制御弁の絞り込みのみでは達成できない部分の入熱量減少を容易に実現する。かかるガスタービン制御システムは、ガスタービン発電設備に大きな設計変更を要すること無く適用することができる。
本発明のガスタービン制御システムの一実施形態を含んだガスタービン発電設備の一例を概略的に示す系統図である。 図2(a)はガスタービンの負荷遮断時の負荷の変化を示すグラフであり、図2(b)は負荷遮断に対応して制御される燃料流量制御弁の開度の変化を示すグラフであり、図2(c)はかかる燃料流量制御弁の開度の変化によるガスタービン入熱量の変化を示すグラフでありであり、図2(d)は上記燃料流量制御弁の開度の変化および減熱用ガスの供給によるガスタービン入熱量の変化を示すグラフであり、図2(e)はかかるガスタービン入熱量の変化によって生じるガスタービンの回転数変化を示すグラフである。 本発明のガスタービン制御システムの一実施形態を含んだガスタービン発電設備の他の例を概略的に示す系統図である。
符号の説明
1・・・・ガスタービン発電設備
2・・・・ガスタービン
3・・・・燃料ガス供給配管
4・・・・燃料圧縮機
5・・・・減熱用ガス供給装置
6・・・・水素ガス供給装置
7・・・・混合器
8・・・・ガスタービンの燃焼器
9・・・・燃料流量制御弁
10・・・・システム制御装置
11・・・・空気圧縮機
12・・・・発電機
13・・・・水素濃度計
14・・・・燃料流量計
15・・・・減熱用ガス供給源
16・・・・減熱用ガス供給管
17・・・・減熱用ガス流量計
18・・・・流量制御弁
19・・・・水素ガス供給源
20・・・・水素ガス供給管
21・・・・水素ガス流量計
22・・・・流量制御弁
31・・・・ガスタービン発電設備
S・・・・直接還元鉄設備

Claims (7)

  1. ガスタービンの負荷急落時にガスタービンの回転数の上昇を抑制するガスタービン制御システムであって、
    ガスタービンに燃料ガスを供給する燃料ガス供給通路に配設された、燃料ガスの流量を調節するための燃料流量制御弁と、
    燃料ガス供給通路に減熱用ガスを供給するための減熱用ガス供給装置と、
    システム制御装置とを備えており、
    該システム制御装置が、ガスタービンの負荷急落を検知したときに、ガスタービンへの入熱量を低下させるために、燃料流量制御弁の開度制御に加えて、減熱用ガス供給装置による減熱用ガス供給作動を制御するように構成されてなるガスタービン制御システム。
  2. 上記システム制御装置が、運転中のガスタービンの負荷が所定値まで急速に低下したとき、燃料流量制御弁を予め定められた必要最小開度を下回らない開度まで閉弁させるとともに、ガスタービンの回転数が所定値を超えないために必要な減熱用ガスを減熱用ガス供給装置から供給させるように制御する請求項1記載のガスタービン制御システム。
  3. 上記システム制御装置が、検出されたガスタービンの回転数をフィードバック入力信号として、ガスタービンの回転数が所定値を超えないように、減熱用ガス供給装置からの減熱用ガスの供給量をフィードバック制御する請求項2記載のガスタービン制御システム。
  4. 上記システム制御装置において、運転中のガスタービンの負荷が所定値まで急速に低下する過程の事象がモデル化され、該モデルに沿ってなされた減熱用ガス供給制御および燃料流量制御弁の開度制御のシミュレーション結果が記憶されており、
    上記システム制御装置が、運転中のガスタービンの負荷が所定値まで急速に低下したとき、上記シミュレーション結果に基づいてプリセットされた制御モードを選択して実行するように構成されてなる請求項2記載のガスタービン制御システム。
  5. 上記燃料ガス供給通路に水素ガスを供給するための水素ガス供給装置と、燃料ガス中の水素濃度を検出するための水素濃度検出装置とをさらに備えており、
    上記システム制御装置が、水素濃度の検出結果に基づいて水素ガス供給装置による水素ガス供給作動を制御するように構成されてなる請求項1記載のガスタービン制御システム。
  6. ガスタービンの負荷急落時にガスタービンの回転数の上昇を抑制するためのガスタービンの制御方法であって、
    ガスタービンの負荷急落を検知したときに、
    ガスタービンに燃料ガスを供給する燃料ガス供給通路に配設された燃料流量制御弁の開度を制御することによって燃料ガスの流量を調節する燃料流量調節工程と、
    燃料ガス供給通路に減熱用ガスを供給する減熱用ガス供給工程とを含み、
    これらの工程を実行してガスタービンへの入熱量を低下させる、ガスタービンの制御方法。
  7. 運転中のガスタービンの負荷が所定値まで急速に低下したときに、
    上記燃料流量調節工程において、燃料流量制御弁を予め定められた必要最小開度を下回らない開度まで閉弁させて燃料流量を減少させるとともに、
    上記減熱用ガス供給工程において、ガスタービンの回転数が所定値を超えないために必要な減熱用ガスを燃料ガス供給通路に供給する請求項6記載のガスタービンの制御方法。
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