JP4641657B2 - 樹脂製洗面ボールの取り付け方法 - Google Patents
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Description
本発明は樹脂製洗面ボールの取り付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、表面材と基材からなる天板に開口部を設け、洗面ボールを取り付ける方法として、アンダーシンク法と称せられる方法が知られている。
【0003】
この方法による構造は、図3に示されるように、天板10の開口部の下方にコーキング材7を介して洗面ボール5′の外周縁6′を密着させ取り付けプレート11とボルト12からなる取り付け金具により固定されている。かような構造では、天板の開口部の上方に洗面ボールの外周縁を密着させるいわゆるオーバーシンク法に比べ、水分が自然に落ち、滞ることがないため外周縁の付近の水密性が充分保たれる、また、汚れの堆積がなくカビが発生しにくいといった長所がある。
【0004】
しかしながら、アンダーシンク法の多くは図3に示されるように、天板の開口部より洗面ボールの開口部の方が大きい形状とされるのが一般的である。これは洗面ボールの取り付け作業を容易にするためのもので、天板の開口部と洗面ボールの開口部を一寸たがわぬ寸法にすることは極めて困難である。これはかなり精度良く開口されたとしても取り付けが非常に厄介で隙間を生じたり、段差を生じるためである。
【0005】
また、天板の開口部より内側に洗面ボールの外周縁があるとそこに段差が生じ汚れが堆積し、水分も滞留してしまうことから、どうしても洗面ボールの内面側に天板の開口部周縁が幾分出っ張った構造にせざるをえない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アンダーシンク法に基づく構造では、洗面ボールの周囲は清掃が行き届き清潔であるが、天板の開口部の裏側は汚れが堆積しやすく、また、掃除が行いにくいものとなっていた。更に、施工作業的にも固定金具で取り付けるのに手間がかかり、コスト高の要因になるばかりか技術的にも熟練度を要するものとなっていた。
【0008】
本発明はかかる事情に鑑み検討されたもので、下記工程に基づく樹脂製洗面ボール5の取り付け方法である。
(A)表面材1と基材2からなる天板10の裏面に樹脂製洗面ボール5の外周縁6形状に対応し該外周縁6が挿入できる程度の溝21及び該溝21より外方に離れた位置にも溝22を形成し、突起部3を形成する工程、(B)該突起部3を基点として該突起部3の内側と外側を歪ませ段差を設ける工程、(C)該溝21の底部に接着剤8を塗布し、該樹脂製洗面ボール5の外周縁6を挿入し、接着する工程、(D)該樹脂製洗面ボール5の外周縁6と該突起部3との間、及び該基材2と該突起部3との間に樹脂を充填する工程、(E)該樹脂9が硬化した後、該樹脂製洗面ボール5の内側の中島をカットし、仕上げる工程。以下、本発明について図面に基づいて詳細に説明する。
【0009】
図1は本発明の樹脂製洗面ボール5の取り付け構造を示す断面図である。樹脂製洗面ボール5は、接着剤8を介して、天板の表面材1の下に段差なく、かつ開口部周縁に凹みを設けて取り付けられ、外周縁6が挿入され基材2と表面材1に囲まれた空間には樹脂9が充填され、樹脂製洗面ボール5の脱落を防ぐものとなっている。
【0010】
図2は本発明の樹脂製洗面ボール5の取り付け方法を模式的に示した模式断面図である。先ず、天板10を用意する(図2(a))。天板10は表面材1と基材2とを接着加工したもので、表面材1としては、メタクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの樹脂を注型成形した注型品や、不飽和ポリエステル樹脂を用いてフィルム成形して得られるポリエステル樹脂化粧板、塩化ビニ−ル樹脂シ−トを用いた塩化ビニ−ル樹脂化粧板、木質薄板を用いた天然木化粧板、メラミン樹脂やジアリルフタレ−ト樹脂などの熱硬化性樹脂を用いたメラミン樹脂化粧板、ジアリルフタレ−ト樹脂化粧板などの化粧板が適用できるが、望ましくは、耐汚染性、耐摩耗性に優れ、傷がつきにくい注型品や、メラミン樹脂化粧板やジアリルフタレ−ト樹脂化粧板などの熱硬化性樹脂化粧板が好ましい。
【0011】
基材2としては、溝の形成が容易なもの、例えば合板、パ−ティクルボ−ド、MDF(中密度繊維板)、集成材、あるいは、これらを複合化したものなどが適用でき、いずれも公知のもので差し支えない。表面材との接着は、公知の接着剤、例えば水性ビニールウレタン系の接着剤、ウレタン系の接着剤、酢酸ビニール系の接着剤、ユリア系の接着剤、エポキシ系の接着剤、合成ゴム系の接着剤を用いて貼り合わせればよい。
【0012】
次に、天板10の基材2側に樹脂製洗面ボール5の外周縁6が挿入できる程度の溝21をNC加工機にて切削し、更にこの溝21から外側に幾分離れた位置にも溝22を切削し、突起部3を形成する(図2(b))。
【0013】
次いで、突起部3の外側と内側とに段差ができるように周辺が細くなった敷板4を周辺が突起部3の付近にくるように置き、突起部3を基点として荷重を加え、歪ませる。(図2(c))。溝21の幅は樹脂製洗面ボール5の外周縁6が溝21に挿入された時、基材2及び突起部3との間に多少の空間が残る程度にしておけば外周縁6を樹脂9で埋め尽くすことができ強固に一体となり都合が良い。
【0014】
突起部3の外側と内側とに段差ができるように歪ませた後は、溝21の底部に樹脂製洗面ボール5の外周縁6を接着するための接着剤8、例えばウレタン系の接着剤、エポキシ系の接着剤などを塗布し(図2(d))、樹脂製洗面ボール5を固定する(図2(e))。
【0015】
しかる後に、突起部3と外周縁6と表面材1に囲まれた空間及び溝22にウレタン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂などの常温硬化型で高固形分液状の熱硬化性樹脂を注入し(図2(f))、樹脂を硬化させれば基材2と強固に一体となり、樹脂製洗面ボール5の脱落を防止できる。
【0016】
前述の樹脂は作業性、密着性、硬化後の強度などの点から熱硬化性樹脂の中でもとりわけウレタン樹脂やエポキシ樹脂が望ましく、更にガラス繊維や炭素繊維などの無機繊維、ビニロン繊維、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維などの合成繊維からなるチップ状または糸状の繊維類を補強材として添加すれば耐衝撃強度が向上し好ましい。また、必要に応じて硬化剤、充填剤、溶剤、着色剤などが適宜添加される。
【0017】
次いで、樹脂9が硬化した後に中島をNC加工機で切削除去した後、切削面を仕上げると、天板と樹脂製洗面ボール5がシームレスに一体となる(図2(g))。仕上げの方法は、不要な樹脂や表面材をトリーミングし、種々の粗さのサンドペーパー、スチールタワシあるいはコンパウンドワックス等を適宜組み合わせてその表面を研摩し、切削加工によって生じるナイフマークや地肌の荒れなどを修正し、表面が滑らかで美観を呈する面に仕上げる。
【0018】
前述の突起部3は歪ませる際の基点となり樹脂製洗面ボール5の外周縁6を挿入する時位置決めを容易にするばかりではなく、外周縁6の裏側に回り込む樹脂を堰止める機能を有し、溝22側へ樹脂が流出するのを防止できる。すなわち、歪ませることにより突起部3が基材2より高さh分だけ***し、その分、外周縁6の裏側に回り込む樹脂が増え洗面ボール5と強固に一体となる。更に、歪みは突起部3にて吸収されるため開口部の表面材1と外周縁6との木口面Sにクラックが生じたり破損することがない。
【0019】
【実施例】
樹脂製洗面ボールと天板の接着
外周縁の幅が14mmのアクリル製の洗面ボールと、厚み1.0mmのメラミン樹脂化粧板を厚み18mmの合板に合成ゴム系の接着剤を用いて貼り合せた天板を用意した。
取り付け
合板側に、洗面ボールの外周縁形状に対応し、幅が20mmの溝をメラミン樹脂化粧板が残るように切削した。更にこの溝から外側に離れた位置にも幅20mmの溝を切削し、突起部を形成した。
次いで、周辺が細くなった敷板を、突起部に該敷板の周辺が当接するように置き圧力を加えて、突起部より内側の部分と外側の部分に段差を設けた。
しかる後、突起部より内側の溝にエポキシ系の接着剤を塗布した後、アクリル製の洗面ボールの外周縁を挿入した。更に、外周縁の裏側と突起部との間にできた空間及び突起部より外側の溝にウレタン系の樹脂を注入した。
エポキシ系の接着剤、ウレタン系の樹脂が硬化した後、中島を切削除去し、切削面をサンドペーパーで仕上げると、天板とアクリル樹脂製の洗面ボールがシームレスに一体となった。
【0020】
【発明の効果】
本発明により、樹脂製洗面ボールの外周縁と天板とをシームレスに一体にすることが可能で、樹脂製洗面ボールの裏側に樹脂を注入することにより天板との接合が強固になる。また、洗面ボールの開口部周縁に凹みが設けられているため水はけがよく、水分が滞りにくく衛生的である。
【0021】
また、洗面ボールは樹脂製であるため天板との固定がウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を用いることで実施でき、固定金具を必要とせず作業が軽減されるのはもちろんのこと、熟練度を必要としない。
【0022】
更に、溝に注入する樹脂に着色剤を添加して、樹脂製洗面ボールと同じ色調にすれば見栄えもよく違和感のない仕上がりとなる。
【0023】
更にまた、実施例で示したように樹脂製洗面ボールの外周縁6形状に対応し外周縁6が挿入できる程度の溝を切削し更にこの溝より外方に離れた位置にも溝22を切削して突起部3が残るようにして、溝の内側と外側を互いに歪ませると、歪ませた分だけ突起部3が***し、外周縁6の裏側に樹脂の注入量を増やすことができ、洗面ボールとの結合が一層強固になる。
【0024】
加えて、歪みは突起部3にて吸収されるため開口部の表面材1と外周縁6との木口面Sにクラックが生じることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 樹脂製洗面ボールの取り付け構造を示す部分断面図。
【図2】 樹脂製洗面ボールの取り付け方法を示す模式部分断面図。
【図3】 従来の樹脂製洗面ボールの取り付け構造を示す部分断面図。
【符号の説明】
1 表面材
2 基材
3 突起部
4 敷板
5 樹脂製の洗面ボール
5′ 洗面ボール
6 外周縁
6′ 外周縁
7 コーキング材
8 接着剤
9 樹脂
10 天板
11 取り付けプレート
12 ボルト
21 溝
22 溝
S 木口面
Claims (1)
- 下記工程に基づくことを特徴とする樹脂製洗面ボール5の取り付け方法。
(A)表面材1と基材2からなる天板10の裏面に樹脂製洗面ボール5の外周縁6形状に対応し該外周縁6が挿入できる程度の溝21及び該溝21より外方に離れた位置にも溝22を形成し、突起部3を形成する工程、(B)該突起部3を基点として該突起部3の内側と外側を歪ませ段差を設ける工程、(C)該溝21の底部に接着剤8を塗布し、該樹脂製洗面ボール5の外周縁6を挿入し、接着する工程、(D)該樹脂製洗面ボール5の外周縁6と該突起部3との間、及び該基材2と該突起部3との間に樹脂を充填する工程、(E)該樹脂9が硬化した後、該樹脂製洗面ボール5の内側の中島をカットし、仕上げる工程。
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JP2001141751A JP4641657B2 (ja) | 2001-05-11 | 2001-05-11 | 樹脂製洗面ボールの取り付け方法 |
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JP2002330881A JP2002330881A (ja) | 2002-11-19 |
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2001
- 2001-05-11 JP JP2001141751A patent/JP4641657B2/ja not_active Expired - Fee Related
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