JP4639146B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動油圧ポンプにより運転者の操舵をアシストするパワーステアリング装置に関する。
従来、特許文献1に開示されるようなパワーステアリング装置においては、パワーシリンダと、このパワーシリンダに接続された双方向ポンプと、この双方向ポンプを正・逆回転駆動する電動機を備え、パワーシリンダの左右の圧力室に油圧を供給することにより、操舵アシスト力を得ている。また、操舵応答性を向上させるため、装置内の液圧を常に所定圧以上に保持するチェック弁が設けられている。これにより、双方向ポンプによりパワーシリンダへ液圧が供給されると、所定圧以上に保持された液圧はすぐにアシスト圧に達し、アシストを開始可能としている。
特開2004−306721号公報
しかしながら、通常の油圧パワーステアリングにおいて、切り戻し時に残圧が全てリザーバタンクに戻されるのに対し、切り戻し時の残圧のリザーバタンクへの減圧は、上記切り込み応答を確保するためのチェック弁で制限されるため、基本的に反対側のシリンダへポンプを介して戻すしかない。例えば右側への切り込み状態から切り戻し状態に遷移した場合、上昇した右側シリンダの液圧の低下が遅れ、残圧となり、ハンドルの戻り及び切り戻しから切り返しに遷移する時の切り返し応答が悪いという問題が発生する。
本発明は、上記課題に着目してなされたもので、操舵方向が切り換えされたとしても、運転者に違和感を与えることなく操舵アシストを達成可能なパワーステアリング装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明のパワーステアリング装置では、操舵輪に連結された操舵機構の操舵力を補助する油圧パワーシリンダと、前記油圧パワーシリンダの第1,第2圧力室に対しそれぞれ第1,第2通路を介して油圧を供給する一対の吐出口を備えた双方向ポンプと、前記双方向ポンプに接続され、この双方向ポンプを正・逆回転させる電動モータと、前記操舵輪を転舵制御するステアリングホイールの操舵負荷を検出または推定する操舵負荷検出手段と、前記操舵負荷に基づき、前記電動モータに所望の油圧を発生させるために前記電動モータに対して駆動信号を出力する電動モータ制御手段と、前記電動モータの回転方向を検出する電動モータ回転方向検出手段と、前記操舵負荷の方向と前記電動モータ回転方向と不一致であるとき、前記電動モータの駆動トルクよりも前記第1,第2圧力室間の圧力差により前記電動モータに作用する反力が大きい状態である連れ回り状態と判定する連れ回り判定手段と、前記連れ回り判定手段が前記連れ回り状態であると判定したときは、前記駆動信号を連れ回り側に補正する補正手段と、を備えたことを特徴とする。
操舵力の方向と電動モータ回転方向の不一致、即ち、電動モータ駆動トルクより左右シリンダ圧力差によるモータに作用する反力がそれを上回る場合、モータは連れ回りする。このとき、運転者はハンドルを切り戻している、もしくは、操舵力を落としている状態であると判断できるため、左右シリンダの圧力差を素早く落としてやる必要があるが、電動モータ駆動トルクは、圧力差を抜くための減圧を妨げる方向に作用しているため、減圧応答が遅れてしまい、結果、ハンドルの切り戻し応答や、切り返し時のアシスト力の応答を悪化させてしまう。そこで、電動モータ駆動力を、連れ回り方向に補正することで、圧力差を素早く落とすことができ、ハンドルの戻り応答や、切り返しでの操舵応答性を改善できる。
以下、本発明のパワーステアリング装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
図1は本発明の実施例1におけるパワーステアリング装置の全体構成を表すシステム図である。まず、構成について説明すると、1はステアリングホイール、2はステアリングシャフト、3はラック&ピニオン機構、5は運転者の操舵力をアシストするパワーステアリング機構、6は電動モータ6aにより駆動する外接ギア型の双方向ポンプ、7は操舵輪、8は運転者にステアリング系に故障が発生したことを報知するウォーニングランプ、10はコントロールユニット(特許請求の範囲に記載の電動モータ制御手段に相当)である。電動モータ6aはブラシレスモータであり、電動モータ回転角を検出する三つのホール素子からなる電動モータ回転数センサ6bが設けられている。
パワーステアリング機構5の油圧源である双方向ポンプ6は、パワーシリンダ5a(特許請求の範囲に記載の油圧パワーシリンダに相当)の第1シリンダ室51(特許請求の範囲に記載の第1圧力室に相当)及び第2シリンダ室52(特許請求の範囲に記載の第2圧力室に相当)を連通する油圧管61(特許請求の範囲に記載の第1,第2通路に相当)上に設けられている。運転者がステアリングホイール1を操作すると、操作方向に応じて電動モータ6aの回転方向が切り換えられ、第1シリンダ室51と第2シリンダ室52との間の油を給排することで運転者の操舵力をアシストする。具体的には、図中ステアリングホイール1を右に操舵すると、第2シリンダ室52から第1シリンダ室51に油圧が供給される方向に電動モータ6aが駆動することでラック軸54と一体に移動するピストン53を第2シリンダ室52側にアシストする。
油圧管61には、第1シリンダ室51と第2シリンダ室52とを、双方向ポンプ6を介すことなく連通するバイパス回路62が設けられている。このバイパス回路62上には、コントロールユニット10からの指令信号に基づいて作動する電子制御式のフェールセーフバルブ4が設けられている。
このフェールセーフバルブ4は、コントロールユニット10からの指令信号により電圧が供給されると閉じた状態となり、電圧の供給がない状態では開いた状態となるノーマルオープン弁を用いている。これにより、ステアリング系に何らかの異常が発生し、電源の供給をシャットダウンした場合であっても、第1シリンダ室51と第2シリンダ室52を連通状態とすることが可能となり、アシストトルク無しの通常の操舵を確保することができる。
また、ステアリングシャフト2には、運転者の操舵トルクを検出するトルクセンサ12が設けられている。
コントロールユニット10には、トルクセンサ12からの操舵トルク信号、イグニッションスイッチ13からのIGN信号、エンジン回転数センサ14からのエンジン回転数信号、車速センサ15からの車速信号、電動モータ回転数センサ6bからの電動モータ回転信号が入力される。これら入力された信号に基づいて、双方向ポンプ6の電動モータ6a、フェールセーフバルブ4及びウォーニングランプ8へ指令信号を出力する。
図2はコントロールユニット10内の構成を表すブロック図である。電源回路ウォッチドッグタイマ101は、電源11からの電圧信号、及びイグニッションスイッチ13からのIGN信号が入力され、メインマイコン107と信号を送受信する。
エンジン回転数処理回路102は、エンジン回転数センサ14からのエンジン回転数信号をメインマイコン107へ出力する。トルクセンサ処理回路103は、トルクセンサ12(特許請求の範囲に記載の操舵負荷検出手段に相当)からのトルク信号をメインマイコン107に出力すると共に、サブマイコン108へ出力する。車速信号処理回路104は、車速センサ15からの車速信号をメインマイコン107へ出力する。診断回路105は、コネクタ16を介して入力される診断信号をメインマイコンに出力する。CAN通信回路106は、車両系CANによって送信される信号をメインマイコン107に出力する。
サブマイコン108は、メインマイコン107を監視する。メインマイコン107にフェールが発生したときは、フェールセーフリレー109,フェールセーフバルブ駆動回路116及びウォーニングランプ駆動回路117へ制御信号を出力可能に構成されている。
フェールセーフリレー109は、何らかのフェールが発生したときは、電動モータ駆動用の電源供給を遮断する。EEPROM110は、制御に必要な各種データを格納すると共に、データを更新可能な構成となっている。フェールセーフリレー診断入力回路111は、フェールセーフリレー109の作動診断信号をメインマイコン107へ出力する。電動モータ駆動回路112は、メインマイコン107からの指令信号に基づいて電動モータ6aへ電圧を供給する。電流モニタ回路113は、電動モータ6aの電流値を検出し、メインマイコン107へ出力する。電動モータ端子電圧回路114は、電動モータ6aの端子電圧をメインマイコン107へ出力する。
電動モータ回転信号処理回路115は、電動モータ6aの回転数をメインマイコン107へ出力する。フェールセーフバルブ駆動回路116は、メインマイコン107もしくはサブマイコン108からの指令信号に基づいて、フェールセーフバルブ4に対し駆動信号を出力する。ウォーニングランプ駆動回路117は、メインマイコン107もしくはサブマイコン108からの指令信号に基づいて、ウォーニングランプ8に対し指令信号を出力する。
図3は実施例1におけるポンプユニットの構成を表す概略図である。まず構成について説明すると、油圧管61a,61b,61c,61dは、各シリンダ室51と双方向ポンプ6を接続する。バイパス油路62a,62a',62b,62b'は、油圧管61b,61cを連通する。リザーバタンク202a,202b,205は双方向ポンプ6へ油を供給すると共に、ドレンされた油を貯留する。尚、説明の都合上、複数のリザーバタンクがあるように示したが、リザーバタンクは1つ設ければよい。チェック弁201a,201bは、双方向ポンプ6により油圧が発生したときは閉じ、負圧が生じたときは開放する。
リターンチェック弁203の詳細については後述する。チェック弁204(特許請求の範囲に記載のチェック弁に相当)は、ドレンされた油をリザーバタンク205に供給する、ドレン油路63は、リターンチェック弁203とリザーバタンク205とチェック弁204を介して接続する。
ここで、リターンチェック弁203について説明する。リターンチェック弁203は、第1リターンチェック弁203a(特許請求の範囲に記載の第1バイパス弁に相当)と、第2リターンチェック弁204a(特許請求の範囲に記載の第2バイパス弁に相当)と、スプールバルブ210と、スプールバルブ210を中央に付勢するリターンスプリング206a,206bから構成されている。
第1リターンチェック弁203aには、油圧管61a,61bとの接続ポートを有する第1油圧室207aと、ドレン油路63とバイパス油路62a'との接続ポートを有する第1ピストン室208aが設けられている。同様に、第2リターンチェック弁203bには、油圧管61c,61dとの接続ポートを有する第2油圧室207b、ドレン油路63とバイパス油路62b'との接続ポートを有する第2ピストン室208bが設けられている。
スプールバルブ210には、リターンスプリング206aによる付勢力と、第1油圧室207aの油圧と、第1ピストン室208aの油圧により図中右側の付勢力が作用する。一方、反対側(図中左側)の付勢力として、リターンスプリング207aによる付勢力と、第2油圧室207bの油圧と、第2ピストン室208bの油圧が作用する。これによりスプールバルブ210の位置が決定される。
スプールバルブ210には、リターンスプリング206aによる付勢力と、第1油圧室207aの油圧と、第1ピストン室208aの油圧により図中右側の付勢力が作用する。一方、反対側(図中左側)の付勢力として、リターンスプリング207aによる付勢力と、第2油圧室207bの油圧と、第2ピストン室208bの油圧が作用する。これによりスプールバルブ210の位置が決定される。
図4は通常のトルクアシスト制御時における油の流れを表す図、図5はリターンチェック弁の動きを表す動作説明図である。尚、図4中、太実線は高油圧を示し、太点線は低油圧を示す。
(中立位置からの操舵時)
第1シリンダ室51の油圧と第2シリンダ室52の油圧が共に釣り合った位置からの操舵時について説明する。操舵開始時において、第1シリンダ室51の油圧と第2シリンダ室52の油圧は釣り合った状態である。運転者の操舵により、ラック軸54を図中右側にアシストするときは、双方向ポンプ6を駆動し、第2シリンダ室52へ油圧を供給する。すると、油圧管61c及び油圧管61dが高油圧となる。
この高油圧は、バイパス油路62b及び62d'にも供給され、第2ピストン室208bが高油圧となる。このとき、フェールセーフバルブ4は閉じられているため、図5(b)に示すように、第1ピストン室208aと第2ピストン室208b、及び第1油圧室207aと第2油圧室207bに差圧が生じ、スプールバルブ210を図5中左側に移動する。これにより、バイパス油路62a'とドレン油路63が連通され、第1シリンダ室51は大気解放された低油圧となる。この差圧を用いてトルクアシスト操舵を実行する。
[コントロールユニットの制御構成]
メインマイコン107には、トルクセンサ処理回路103からのトルク信号、電源回路ウォッチドックタイマ101(イグニッションスイッチ13及び電源11の信号に相当)からのイグニッション信号、車速信号処理回路104からの車速信号、電動モータ回転信号処理回路115からの電動モータ回転信号等が入力される。メインマイコン107内には、各信号に基づいて電動モータ6aの目標電動モータトルクT* を演算する目標電動モータトルク演算部70が設けられている。この目標電動モータトルクT* に対応した電流指令値が電動モータ駆動回路112に対して出力される。
図6は目標電動モータトルク演算部70の構成を表す制御ブロック図である。目標電動モータトルク演算部70は、操舵トルク,車速及び電動モータ回転数に基づいて第1目標電動モータトルクT1* を算出する第1目標電動モータトルク算出部71と、操舵トルクと電動モータ回転数(電動モータ回転方向)に基づいて、電動モータ6aが連れ回り状態かどうかを判断する連れ回り判断部72(特許請求の範囲に記載の連れ回り判定手段に相当)と、電動モータ回転数に基づいて補正トルクThosを算出する補正トルク算出部73(特許請求の範囲に記載の補正手段に相当)と連れ回り判断部72の信号に基づいて、補正量0と補正トルク算出部73の算出結果とを切り換える切換部74と、第1目標電動モータトルクT1*と補正トルクThos(もしくは0)とを加算する加算部75から構成されている。
第1目標電動モータトルク算出部71では、操舵トルクが大きいほどアシスト力を大きくし、また、車速が低いほどアシスト力が大きくなるように演算される。更に、操舵トルクの変化率が大きいときは、電動モータ自身の回転数増大に伴うイナーシャトルクを考慮して、例えば、電動モータ回転数を小さくするときは、電動モータ回転数が小さくなる方向のトルクを大きくし、また、電動モータ回転数を大きくするときは、電動モータ回転数が大きくなる方向のトルクを大きくする。
連れ回り判断部72では、操舵トルクの方向と電動モータ回転数の方向が不一致かどうかを判断し、不一致のときは電動モータ6aに対し、操舵トルクと同じ方向に駆動トルクを出力しているにもかかわらず、液圧差によって電動モータ6aが操舵トルクと逆向きに回転させられている状態、すなわち、連れ回り状態かどうかを判断する。連れ回り状態と判断したときは、切換部74を補正トルク側に切り換え、連れ回り状態でないと判断したときは、切換部74を0側に切り換える。
補正トルク算出部73では、トルクセンサ12により検出されたトルク信号、及び電動モータ回転数センサ6bにより検出された電動モータ回転数から、電動モータ回転方向を検出すると共に、補正トルクを算出する。
加算部75では、第1目標電動モータトルクT1* と補正トルクThosを加算し、最終的な目標電動モータトルクT* として電流指令値を算出するブロックに出力する。
図7は目標電動モータトルク演算部70の制御内容を表すフローチャートである。
ステップ201では、第1目標電動モータトルクT1* を演算する。
ステップ202では、電動モータ回転方向を検出する。尚、電動モータ回転方向は、電動モータ回転信号処理回路115からの電動モータ回転信号に基づいて判断する。
ステップ203では、電動モータ回転方向がトルク方向と一致しているかどうかを判断し、一致していない場合は、ステップ204へ進む。一方、一致しているときは補正が必要ないと判断してステップ208へ進む。
ステップ204では、補正トルクThosを下記式より算出する。
Tdmhos=Motrev×Dmg×Gtmp
Thos=Tdmhos
Motrev:電動モータ回転数
Dmg:動フリクション係数
Gtmp:温度補正係数
である。尚、動フリクション係数は、双方向ポンプ6と各シリンダ室51,52との間のフリクションを予め計算や実験等により設定された値である。また、温度補正係数は、図8に示すマップに設定された値であり、温度の上昇に伴って粘性抵抗が減少する分、小さな温度補正係数となるように設定されている。
ステップ205では、電動モータ回転方向が右方向か左方向かを判断し、左方向のときはステップ206へ進み、補正トルクとして補正トルク計算値を設定する。一方、右方向のときはステップ207へ進み、補正トルクとして補正トルク計算値にマイナスを掛けた値を設定する。
ステップ209では、第1目標電動モータトルクT1* と補正トルクThosを加算し、最終的な目標電動モータトルクT* を演算する。
上記制御処理による作用効果について図9のタイムチャートに基づいて説明する。尚、図9中、実線が補正処理無しの第1シリンダ室51(右シリンダ圧)を表し、太い実線が補正処理無しの第2シリンダ室52(左シリンダ圧)を表し、一点鎖線が補正処理有りの第1シリンダ室51(右シリンダ圧)を表し、太い一点鎖線が補正処理有りの第2シリンダ室52(左シリンダ圧)を表す。
〔補正処理無しの場合〕
まず、補正処理を備えていない従来技術の場合の作用について説明する。
時刻t1において、運転者がステアリングホイール1を右側に操舵すると、操舵トルクが右側に上昇する。これに伴い、操舵トルクに応じた目標電動モータトルクが演算され、電動モータ6aに対し目標電動モータトルクT* に応じた電流指令値が出力され、第1シリンダ室51の圧力が上昇する。
時刻t2において、運転者が右側への操舵トルクを弱め始めると、小さな操舵トルクに応じたアシスト力を付与する。すなわち、第1シリンダ室51の圧力を低下させるために、電動モータ6aに対しアシスト時とは逆向きの目標電動モータトルクが一時的に設定される。尚、この逆向きの目標電動モータトルクはあくまで電動モータ回転数を低下させるべく、電動モータ6aのイナーシャトルクを吸収するものであり、電動モータ回転方向を反転させるものではない。
このとき、時刻t2'において、第1シリンダ室51の液圧が第2シリンダ室52の液圧よりも高いことから、双方向ポンプ6に大きな差圧が作用し、双方向ポンプ6が第1シリンダ室51から第2シリンダ室52側へ作動油が流れる方向に連れ回ることとなる。
ここで、運転者は操舵トルクを小さくしたときは、ステアリングホイール1を切り返す状態であり、この切り返し時に第1シリンダ室51の油圧が素早く低下できないと、操舵輪7から入力されるセルフアライニングトルク等が打ち消されてしまい、運転者に路面からのフィードバック情報を伝達できず、違和感を与え得ることとなる。尚、詳細については後述する。
時刻t3において、運転者が右側への操舵トルクを弱めた後、左側へ操舵トルクを付与すると、操舵トルクが左側に上昇する。これに伴い、操舵トルクに応じた目標電動モータトルクが演算され、電動モータ6aに対し目標電動モータトルクに応じた電流指令値が出力される。これにより、第2シリンダ室52に作動油を供給しようとする。しかしながら、時刻t3においては、未だ第1シリンダ室51の作動油圧が低下しきっておらず、やや遅れて第1シリンダ室51の作動油圧の低下が終了し、第2シリンダ室52の作動油圧が上昇を開始する。
ここで、時刻t3における操舵系の力の釣り合い関係について説明する。一般に、操舵系は、運転者がステアリングホイール1に入力する操舵トルクと、各種フリクションと、パワーステアリング機構5によるアシスト力と、操舵輪7と路面との間に発生する路面反力による運動方程式が成り立っている。ここで、操舵輪7と路面との間には、タイヤスリップ角(もしくは操舵輪7の捩れ力)の発生に伴うセルフアライニングトルクが発生する。
通常、運転者はセルフアライニングトルク等の路面フィードバック情報をステアリングホイール1から感じ取り、走行状況に応じた操舵を行っている。このとき、上述したような右側アシスト状態から左側アシスト状態へ移行する際に、右側の第1シリンダ室51の液圧の低下が妨げられると、操舵輪7に発生するセルフアライニングトルクは、第1シリンダ室51の液圧により打ち消されてしまい、運転者に十分な路面フィードバック情報を与えることができない虞がある。
すなわち、ステアリングホイール1の切り返し時において、アシストを行っていた側のシリンダ室内の油圧を素早く低下できなければ、運転者に適正な路面フィードバック情報を提供することができず、操舵フィーリングの悪化を招く虞がある。
〔補正処理有りの場合〕
次に、本実施例1の補正処理を備えた場合の作用について説明する。
時刻t1において、運転者がステアリングホイール1を右側に操舵すると、操舵トルクが右側に上昇する。これに伴い、操舵トルクに応じた目標電動モータトルクが演算され、電動モータ6aに対し目標電動モータトルクに応じた電流指令値が出力され、第1シリンダ室51の圧力が上昇する。
時刻t2において、運転者が右側への操舵トルクを弱め始めると、小さな操舵トルクに応じたアシスト力を付与する。すなわち、第1シリンダ室51の圧力を低下させるために、電動モータ6aに対しアシスト時とは逆向きの目標電動モータトルクが一時的に設定される。尚、この逆向きの目標電動モータトルクはあくまで電動モータ回転数を低下させるべく、電動モータ6aのイナーシャトルクを吸収するものであり、電動モータ回転方向を反転させるものではない。
このとき、時刻t2'において、第1シリンダ室51の液圧が第2シリンダ室52の液圧よりも高いことから、双方向ポンプ6に大きな差圧が作用し、双方向ポンプ6が第1シリンダ室51から第2シリンダ室52側へ作動油が流れる方向に連れ回ることとなり、操舵トルクの方向と電動モータ回転方向とが不一致となる。このとき、第1シリンダ室51内の液圧を適正値に低下させるべく、補正トルクTdmhosが計算され、目標電動モータトルクに減算(もしくは加算)される。この補正トルクは、電動モータ回転方向に系のフリクションを想定した補正量である。尚、補正トルク付与開始時は漸増補正し、補正トルク付与終了時は漸減補正することで、急激な電動モータの駆動力変化を回避することが望ましい。
尚、系とは、第1シリンダ室51と、第2シリンダ室52と、各シリンダ室を接続する配管である油路61,62と、双方向ポンプ6とからなる油流通経路を表し、系のフリクションとは、電動モータ回転数に対する油の流れやすさを表す。このフリクションを考慮して補正することで、第1シリンダ室51の油圧を素早く低下させ、セルフアライニングトルクに係る情報を運転者に伝達することができる。
時刻t3において、運転者が右側への操舵トルクを弱めた後、左側へ操舵トルクを付与すると、操舵トルクが左側に上昇する。これに伴い、操舵トルクに応じた目標電動モータトルクT* が演算され、電動モータ6aに対し目標電動モータトルクT* に応じた電流指令値が出力される。これにより、第2シリンダ室52に作動油を供給しようとする。このとき、既に第1シリンダ室51の作動油圧が低下し、時刻t3からすぐに第2シリンダ室52の作動油圧が上昇を開始する。
よって、操舵方向の切り換え時等に、シリンダ室内の油圧によってセルフアライニングトルクを打ち消すことがなく、運転者に十分な路面フィードバック情報を与えることができる。
(ロータリーバルブを用いたパワーステアリング装置との対比)
ここで、エンジンにより駆動されるポンプを油圧源とし、この油圧源から供給される油圧をロータリーバルブで切り換える既存のパワーステアリング装置との対比に基づいて説明する。一般に、トーションバーの捩れに応じて油路を切り換えるロータリーバルブを備えた従来のパワーステアリング装置にあっては、操舵方向が切り換えられ、アシストしていた側のシリンダ室から他方のシリンダ室に油圧供給が開始されると、アシストしていた側のシリンダ室はドレン回路と接続されることになる。よって、比較的素早く油圧を低下させることができるため、セルフアライニングトルクの情報を運転者にフィードバックすることが可能となっていた。
これに対し、実施例1のように、第1シリンダ室51と第2シリンダ室52とが双方向ポンプ6を介して密封され、シリンダ室の油圧をドレン回路と接続することなく、双方向ポンプ6の給排によってアシスト力を制御するシステム(以下、実施例1のシステムと記載する)の場合、下記に示す問題がある。すなわち、アシストしていた側のシリンダ室の油圧低下が不十分な場合、これからアシストする側のシリンダ室の油圧も立ち上がらず、ステアリングホイール1に作用させた操舵トルクと操舵輪7との関係が崩れる虞があり、運転者にとっては違和感を与えることになる。特に上述したセルフアライニングトルクのフィードバック情報が欠損した場合には、違和感が生じる。
(従来技術と実施例1との対比)
そこで、出願人は実施例1のシステムにおいて、操舵方向が切り換えられたときには、アシストしていた側のシリンダ室をドレン回路と接続する、もしくは、他方のシリンダ室と接続するフェールセーフ弁を別途搭載したシステムを提案している(従来技術に相当)。このシステムは、操舵トルクの変化率に基づいて、運転者の切り返しを検出し、切り返しを検出したときは、一時的にフェールセーフ弁を開くことで、シリンダ室の油圧を低下させるものである。
従来技術では、基本的にフェールセーフ弁を流用してON・OFF制御を実行している。このフェールセーフ弁は、本来フェール時に左右のシリンダ室を連通させ、運転者の操舵力のみで操舵可能にすることを目的としたものであり、安価な弁を用いている。その場合、一気に両シリンダ室を連通させてしまうと、油圧の高い方から低い方へ一気に油圧が作用し、油撃の発生や急激なトルク変動を招く虞がある。また、この問題を回避するために比例制御弁等を搭載すると、きめ細やかな減圧制御等を行わなければならず、システム全体のコストアップを招く虞がある。
図10,11はフェールセーフバルブのON・OFF制御を表すタイムチャートである。従来技術では、図10に示す問題点があった。
問題点(1) 操舵トルクの変化率に基づいて切り返しを判断しているため、操舵トルクのわずかな変化で切り返しと判断してしまうなど、不安定である。
問題点(2) フェールセーフ弁の開弁圧が抵抗となり、素早く低下させることができない虞がある。
また、従来技術では、図11に示す問題点があった。
問題点(3) フェールセーフ弁の応答遅れが発生した場合、フェールセーフ弁の開弁指令から実際に減圧が始まるまでの応答遅れが発生し、違和感になりやすい。
問題点(4) シリンダ圧が低下し、他方のシリンダ室へ油圧を供給するべく電動モータ6aが駆動すると、フェールセーフ弁が開いていることでシリンダ室に負荷が発生せず、電動モータ回転数が一気に上昇する虞がある。
問題点(5) このような状態が繰り返されると、操舵トルクがこの変動に応じて変化してしまい、制御ハンチングを引き起こす虞がある。
これに対し、実施例1では、電動モータ回転方向と操舵トルクの両方で連れ回りを判断することで、安定した切り返し判断ができる(問題点(1)の解消)。また、双方向ポンプ6を駆動する電動モータ6aの目標電動モータトルクT* を補正することで、フェールセーフ弁自体の問題点(2),問題点(3),問題点(4),問題点(5)を全て解消することが可能となり、応答遅れや制御ハンチングを引き起こすことなく、良好な操舵フィーリングを提供することができる。
次に、実施例2について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。図12は実施例2の目標電動モータトルク演算部70の構成を表す制御ブロック図である。実施例1では、補正トルクTdmhosの算出を系のフリクション分を補償することを目的に電動モータ回転数に基づいて補正トルクを算出した。これに対し、実施例2では、実施例1に加え、系のイナーシャ分を補償することを目的に操舵トルクの変化率に基づいて補整トルクを算出する点が異なる。
すなわち、ステップ202では、補正トルクThosを下記式より算出する。
Thos=Tdmhos+Tlmhos
ただし、
Tdmhos=Motrev×Dmg×Gtmp
Tlmhos=(d(TTrq)/dt)×lmg
Motrev:電動モータ回転数
Dmg:動フリクション係数
Gtmp:温度補正係数
d(TTrq)/dt:操舵トルク微分値
lmg:系のイナーシャ特性係数
である。尚、系のイナーシャ特性係数とは、双方向ポンプ6と各シリンダ室51,52との間のイナーシャ特性であり、予め実験等により求めてもよいし、シミュレーション等で求めてもよい。
すなわち、操舵トルクが変化すると、その変化に伴って操舵系が運動する。運転者は、通常、ステアリングホイール1に作用させた操舵トルクと操舵輪7との関係に基づいて操舵している。そこで、操舵トルクが変化したときには、この変化によって系に発生する運動に応じたイナーシャ分を補償することで、イナーシャ分による遅れを抑制することとした。
上記制御処理による作用効果について図13のタイムチャートに基づいて説明する。尚、図13中、実線が補正処理無しの関係を表し、点線が実施例1の関係を表し、一点鎖線が実施例2の関係を表す。
時刻t21において、運転者がステアリングホイール1を右側に操舵すると、操舵トルクが右側に上昇する。これに伴い、操舵トルクに応じた目標電動モータトルクが演算され、電動モータ6aに対し目標電動モータトルクに応じた電流指令値が出力され、第1シリンダ室51の圧力が上昇する。
時刻t22において、運転者が右側への操舵トルクを弱め始めると、小さな操舵トルク(略中立状態)に応じたアシスト力を付与する必要がある。よって、第1シリンダ室51の圧力を低下させるために、電動モータ6aに対しアシスト時とは逆向きの目標電動モータトルクが設定される。
運転者が右側への操舵トルクを弱め始めると、小さな操舵トルクに応じたアシスト力を付与する。すなわち、第1シリンダ室51の圧力を低下させるために、電動モータ6aに対しアシスト時とは逆向きの目標電動モータトルクが一時的に設定される。尚、この逆向きの目標電動モータトルクはあくまで電動モータ回転数を低下させるべく、電動モータ6aのイナーシャトルクを吸収するものであり、電動モータ回転方向を反転させるものではない。
このとき、第1シリンダ室51の液圧が第2シリンダ室52の液圧よりも高いことから、双方向ポンプ6に大きな差圧が作用し、双方向ポンプ6が第1シリンダ室51から第2シリンダ室52側へ作動油が流れる方向に連れ回ることとなり、操舵トルクの方向と電動モータ回転方向とが不一致となる。このとき、第1シリンダ室51内の液圧を適正値に低下させるべく、補正トルクTdmhosとTlmhosが計算され、目標電動モータトルクに減算(もしくは加算)される。
この補正トルクは、電動モータ回転方向に系のフリクションと系のイナーシャを想定した補正トルクを演算する。すなわち、操舵トルクの変化率が大きいときは大きな補正トルクが加算され、操舵トルクの変化率が小さいときは小さな補正トルクが加算される。これにより、実施例1に比べて、更に第1シリンダ室51の油圧低下の過渡応答を向上することができる。操舵トルクの変化率が大きい場合、系の運動が早くなるため、操舵トルクの変化率に応じて補正トルクを増加するものである。
時刻t23において、運転者が右側への操舵トルクを弱めた後、左側へ操舵トルクを付与すると、操舵トルクが左側に上昇する。これに伴い、操舵トルクに応じた目標電動モータトルクが演算され、電動モータ6aに対し目標電動モータトルクに応じた電流指令値が出力される。これにより、第2シリンダ室52に作動油を供給しようとする。このとき、既に第1シリンダ室51の作動油圧が低下し、時刻t23からすぐに第2シリンダ室52の作動油圧が上昇を開始する。
よって、操舵方向の切り換え時等の過渡応答を向上することが可能となり、シリンダ室内の油圧によってセルフアライニングトルクを打ち消すことがなく、運転者に十分な路面フィードバック情報を与えることができる。
次に、実施例3について説明する。基本的な構成は実施例2と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。図14は実施例3の目標電動モータトルク演算部70の制御構成を表す制御ブロック図である。実施例2では、補正トルクThosを算出する際、系のフリクションとイナーシャの両方を考慮した値(TdmhosとTlmhos)を用いた。これに対し、実施例3では、この補正トルクThosに車速感応ゲインGvspを作用させた点が異なる。
すなわち、ステップ202では、補正トルクThosを下記式より算出する。
Thos=(Tdmhos+Tlmhos)×Gvsp
ただし、
Tdmhos=Motrev×Dmg×Gtmp
Tlmhos=(d(TTrq)/dt)×lmg
Motrev:電動モータ回転数
Dmg:動フリクション係数
Gtmp:温度補正係数
d(TTrq)/dt:操舵トルク微分値
lmg:系のイナーシャ特性係数
Gvsp:車速感応ゲイン
である。
図15は車速感応ゲインを表すマップである。上述したように、操舵輪7に作用する反力(セルフアライニングトルク等)は、タイヤスリップ角との間に相関を持つ。タイヤスリップ角は、操舵角、横加速度、ヨーレイト、車速等と相関を持つ。車速感応ゲインは、高車速であれば、セルフアライニングトルクが小さくなるため、小さなゲインを設定し、低車速であれば、セルフアライニングトルクが大きくなるため、大きなゲインを設定する。このように、車速感応ゲインを設定することで、高車速領域では、運転者がステアリングホイール1を切り返したときであっても、急激に中立位置に戻ろうとする力を抑制することで、直進安定性を向上することができる。また、低車速領域では、よりセルフアライニングトルクを再現することで、操舵輪7に作用する反力を精度良く運転者にフィードバックすることが可能となり、更に操舵フィーリングを向上することができる。
尚、実施例3では、車速感応ゲインGvspをTdmhosとTlmhosとの和に対して作用させたが、フリクション補償用の車速感応ゲインと、イナーシャ補償用の車速感応ゲインを別々に設定してもよい。
上記実施例に基づく請求項以外の技術思想について下記に列挙する。
(1)請求項1または2に記載のパワーステアリング装置において、
前記電動モータはブラシレスモータであって、
前記電動モータ回転方向検出手段は、前記電動モータのステータの位置を検出する位置検出手段であることを特徴とするパワーステアリング装置。
ブラシレスモータの位置検出センサ(レゾルバ等)を電動モータ回転方向検出手段として用いることにより、特別にセンサ等を設ける必要が無い。
(2)請求項1または2に記載のパワーステアリング装置において、
前記電動モータ回転方向検出手段は、前記電動モータ制御手段の電動モータ駆動信号に基づいて前記電動モータの回転方向を検出することを特徴とするパワーステアリング装置。
電動モータ駆動信号に基づき電動モータの回転方向を検出することで、特別なセンサ等を設ける必要がない。
(3)請求項1または2に記載のパワーステアリング装置において、
前記電動モータ制御手段は、前記連れ回り判定手段が前記操舵負荷の方向と前記電動モータの回転方向とが不一致であると判定するとき、前記駆動信号を漸増補正することを特徴とするパワーステアリング装置。
駆動信号を漸増補正することにより、急激な電動モータの駆動力の変化が回避され、液圧の変化による操舵違和感を抑制することができる。
(4)請求項1または2に記載のパワーステアリング装置において、前記電動モータ制御手段は、前記連れ回り判定手段が前記操舵負荷の方向と前記電動モータの回転方向とが不一致の状態から一致の状態へと移行したと判断したときは、前記駆動信号を漸減補正することを特徴とするパワーステアリング装置。
操舵負荷の方向と電動モータの回転方向とが一致した状態へ移行した場合、駆動信号を徐々に低下させ、通常の駆動信号へ戻すことにより、急激な電動モータ駆動力の変化が回避され、液圧の変化による操舵違和感を抑制することができる。
実施例1におけるパワーステアリング装置のシステム構成図である。 実施例1におけるコントロールユニット内の構成を表すブロック図である。 実施例1におけるポンプユニットの構成を表す概略図である。 実施例1における通常のトルクアシスト制御時における油の流れを表す図である。 実施例1におけるリターンチェック弁の動きを表す動作説明図である。 実施例1における目標電動モータトルク演算部の構成を表す制御ブロック図である。 実施例1における目標電動モータトルク演算部の制御内容を表すフローチャートである。 実施例1における温度補正係数を示すマップである。 実施例1における補正処理無しの場合と、補正処理有りの場合を表すタイムチャートである。 従来技術における問題点を表すタイムチャートである。 従来技術における問題点を表すタイムチャートである。 実施例2における目標電動モータトルク演算部の構成を表す制御ブロック図である。 実施例2における補正処理有りの場合と、実施例1における補正処理有りの場合と、補正処理無しの場合を表すタイムチャートである。 実施例3における目標電動モータトルク演算部の構成を表す制御ブロック図である。 実施例3における車速感応ゲインを表すマップである。
符号の説明
1 ステアリングホイール
4 フェールセーフバルブ
5 パワーステアリング機構
5a パワーシリンダ(油圧パワーシリンダ)
6 双方向ポンプ
6a 電動モータ
6b 電動モータ回転数センサ
7 操舵輪
10 コントロールユニット
12 トルクセンサ
13 イグニッションスイッチ
14 エンジン回転数センサ
15 車速センサ
51 第1シリンダ室(第1圧力室)
52 第2シリンダ室(第2圧力室)
61 油路(第1通路,第2通路)
62 バイパス回路
63 ドレン油路
72 連れ回り判断部
73 補正トルク算出部
115 電動モータ回転信号処理回路
203a 第1リターンチェック弁(第1バイパス弁)
204 チェック弁
204a 第2リターンチェック弁(第2バイパス弁)
205 リザーバタンク

Claims (3)

  1. 操舵輪に連結された操舵機構の操舵力を補助する油圧パワーシリンダと、
    前記油圧パワーシリンダの第1,第2圧力室に対しそれぞれ第1,第2通路を介して油圧を供給する一対の吐出口を備えた双方向ポンプと、
    前記双方向ポンプに接続され、この双方向ポンプを正・逆回転させる電動モータと、
    前記操舵輪を転舵制御するステアリングホイールの操舵負荷を検出または推定する操舵負荷検出手段と、
    前記操舵負荷に基づき、前記電動モータに所望の油圧を発生させるために前記電動モータに対して駆動信号を出力する電動モータ制御手段と、
    前記電動モータの回転方向を検出する電動モータ回転方向検出手段と、
    前記操舵負荷の方向と前記電動モータ回転方向と不一致であるとき、前記電動モータの駆動トルクよりも前記第1,第2圧力室間の圧力差により前記電動モータに作用する反力が大きい状態である連れ回り状態と判定する連れ回り判定手段と、
    前記連れ回り判定手段が前記連れ回り状態であると判定したときは、前記駆動信号を連れ回り側に補正する補正手段と、
    を備えたことを特徴とするパワーステアリング装置。
  2. 請求項1に記載のパワーステアリング装置において、
    前記電動モータの回転数を検出する電動モータ回転数検出手段を設け、
    前記補正手段は、前記電動モータの回転数に所定の動フリクション係数を乗算した値に基づいて前記駆動信号の補正量を算出することを特徴とするパワーステアリング装置。
  3. 操舵輪に連結された操舵機構の操舵力を補助する油圧パワーシリンダと、
    前記油圧パワーシリンダの第1,第2圧力室に対しそれぞれ第1,第2通路を介して油圧を供給する一対の吐出口を備えた双方向ポンプと、
    前記双方向ポンプに接続され、この双方向ポンプを正・逆回転させる電動モータと、
    前記操舵輪を転舵制御するステアリングホイールの操舵負荷を検出または推定する操舵負荷検出手段と、
    前記操舵負荷に基づき、前記電動モータに所望の油圧を発生させるために前記電動モータに対して駆動信号を出力する電動モータ制御手段と、
    作動油を貯留するリザーバタンクと、
    前記双方向ポンプの液圧に基づき、前記第1圧力室と前記リザーバタンクとの連通、遮断を切り換える第1バイパス弁と、
    前記双方向ポンプの液圧に基づき、前記第2圧力室と前記リザーバタンクとの連通、遮断を切り換える第2バイパス弁と、
    前記第1バイパス弁及び前記第2バイパス弁と前記リザーバタンクとの間に設けられ、この第1バイパス弁及び第2バイパス弁側の圧力がこのリザーバタンク側の圧力よりも所定値以上高くなったとき、この第1バイパス弁及び第2バイパス弁側からこのリザーバタンク側への油の流れを許容するチェック弁と、
    前記電動モータの回転方向を検出する電動モータ回転方向検出手段と、
    前記操舵負荷の方向と前記電動モータ回転方向と不一致であるとき、前記電動モータの駆動トルクよりも前記第1,第2圧力室間の圧力差により前記電動モータに作用する反力が大きい状態である連れ回り状態と判定する連れ回り判定手段と、
    前記連れ回り判定手段が前記連れ回り状態であると判定したときは、前記駆動信号を連れ回り側に補正する補正手段と、
    を備えたことを特徴とするパワーステアリング装置。
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