JP4638091B2 - 鋼管端部の加工装置及び加工方法 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の長さに切断された鋼管の端部を切削加工する加工装置および加工方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般に，成型，熱処理等を施され所定の長さに切断されたシ―ムレス鋼管や溶接鋼管等（以後パイプとする）は端部を溶接用に開先取りあるいは平面切削加工して製品とされる。更に、他の加工として端部にネジ加工用の下加工を行う場合もあり、これらの加工を鋼管端部に行なうときは、高精度の真円度と外形との同芯度を出してパイプをクランプで固定することが要求される。
【０００３】
鋼管の端部を開先取り又は平面切削加工する装置（フェーサー）およびクランプ装置の要部を図３と図４に示す。図３において、１は端部を加工されるパイプ、２はフェーサーで、パイプ１の端部を加工する切削部を有する。７は切削部の回転面盤で、先端にバイト９を取り付けた刃物台８が設けてある。１２はパイプ１を保持するクランプ装置で、クランプ装置１２の部分はパイプ１を位置決めするストッパ１０とパイプ１を４方向から加圧保持するクランプからなる。
【０００４】
クランプ装置１２は、図４に示すように基準側のクランプ３、５とこれらのクランプと対向してパイプ１を加圧保持する加圧側のクランプ４、６およびこれらのクランプを支持するフレーム１１から構成されている。基準側のクランプ３、５は位置決め用のウォームジャッキ３Ｊ、５Ｊ、加圧側からの圧力を受ける油圧シリンダ３Ｓ、５Ｓおよびパイプ１に当接するクランプピース３Ｐ、５Ｐからなる。
【０００５】
加圧側のクランプ４、６はパイプ１を加圧する油圧シリンダ４Ｓ、６Ｓとパイプ１に当接するクランプピース４Ｐ、６Ｐからなっている。
パイプ１が搬送されてくると、パイプ端部１ａをストッパ１０に当接させて位置決め後、ストッパ１０を退避させ、クランプ装置で４方向から加圧してパイプ１を挟持する。
【０００６】
次に図５によりクランプ装置１２の作動を説明する。加工すべきパイプ１がストッパ１０により位置決めされると、クランプ装置１２は次のようにパイプ１をクランプする。予めパイプ１の直径から基準側のクランプ３、５の基準位置を、また、パイプ１の直径と肉厚からパイプ１が変形しないように加圧する最適のクランプ力を演算する。
【０００７】
その演算された位置情報に基づき基準側のクランプ３、５は、それぞれのシリンダ３Ｓおよび５Ｓを一定ストローク伸ばした時にクランプピース３Ｐおよび５Ｐが所定の位置になるようにウォームジャッキ３Ｊと５Ｊを伸ばして所定の位置までクランプピース３Ｐおよび５Ｐを移動させる。
【０００８】
また、加圧側のクランプ４および６のシリンダ４Ｓおよび６Ｓ用の油圧力は、上記の演算で得られたパイプのクランプ圧力指令に基づき設定される。基準側のクランプ３および５のシリンダ３Ｓおよび５Ｓを加圧してクランプピース３Ｐおよび５Ｐを所定の位置に設定した後、加圧側のクランプ４および６のシリンダ４Ｓおよび６Ｓを作動させ、パイプ１をクランプする。
パイプ１のクランプが終了すると切削部の回転面盤７をパイプ１の端部１ａ近傍まで前進させ，回転面盤７を回転させて刃物台８に取り付けたバイト９でパイプ１の端部１ａを加工する。
【０００９】
上記のクランプ装置１２によってパイプ１を固定してパイプ１の端部１ａを加工するのであるが、その場合、次のような問題が生じる。すなわち、クランプの加圧力はパイプ１が変形しない適正な加圧力に演算して設定されているが、この加圧力により基準側のクランプ３とクランプ５が弾性変形してクランプされたパイプ１の中心が回転面盤７の中心よりずれる。この芯ずれ、すなわちクランプ装置の変形量は実測によると、油圧１１０ｋｇｆ／ｃｍ2 で加圧したとき合計変形量は０．８ｍｍ（油圧シリンダ系＝０．１ｍｍ、ウォームジャッキ系＝０．３ｍｍ、フレームの全体変形＝０．２ｍｍ、その他接合部＝０．２ｍｍ）にも達し、開先加工の同芯度が低下する。
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、基準側クランプと加圧側クランプからなるクランプ装置により固定された鋼管の端部を切削刃物を回転させて加工するようにした従来の鋼管端部の加工装置において見られた問題点を解消し、加工される鋼管の中心を切削刃物の回転中心と一致させて、開先加工の同芯度を向上させることができる鋼管端部の加工装置及び鋼管端部の加工方法を提供することを課題としている。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決しうる鋼管端部の加工装置として、基準側クランプと加圧側クランプからなるクランプ装置により固定された鋼管の端部を切削刃物を回転させて加工する鋼管端部の加工装置において、前記鋼管の直径から前記基準側クランプの基準位置を演算する手段と、前記鋼管の直径と肉厚から前記加圧側クランプのクランプ力を演算する手段と、算出された同クランプ力から前記基準側クランプの基準位置のずれ量を演算し前記基準位置を補正する補正手段を設けた鋼管端部の加工装置を提供する。
【００１２】
本発明の鋼管端部の加工装置によれば、加工すべき鋼管の直径や肉厚に応じて変化されるクランプ力によって基準側クランプの基準位置がずれても、補正手段により基準側クランプの基準位置のずれ量が補正され、加工される鋼管の中心を切削刃物の回転中心と一致させることができ、開先加工の同芯度を向上させることができる。
【００１３】
また、本発明は、前記課題を解決する鋼管端部の加工方法として、基準側クランプと加圧側クランプからなるクランプ装置により固定された鋼管の端部を切削刃物を回転させて加工する鋼管端部の加工方法において，前記鋼管の直径から前記基準側クランプの基準位置を演算し、鋼管の直径と肉厚から前記加圧側クランプのクランプ力を演算し、同クランプ力から前記基準側クランプの基準位置のずれ量を演算して前記基準位置を補正して前記基準側クランプの位置を設定し、前記加圧側クランプを前記クランプ力で加圧して鋼管をクランプし、鋼管の端部を加工することからなる鋼管端部の加工方法を提供する。
【００１４】
本発明の鋼管端部の加工方法によれば、加工すべき鋼管の直径や肉厚に応じて変化されるクランプ力によって基準側クランプの基準位置がずれても、そのずれ量が演算されて前記基準位置を補正して前記基準側クランプの位置が設定されるので、加工される鋼管の中心を切削刃物の回転中心と一致させることができ、開先加工の同芯度が向上する。
【００１５】
【発明の実施の形態】
以下、図３、図４に示す機構の装置に本発明を適用した場合の実施の形態を図１、図２を用いて具体的に説明する。
図１に示すように、端部を加工すべきパイプ１（シームレス鋼管）の直径から基準側のクランプ３と５の基準位置を、また、パイプ１の直径と肉厚からパイプ１が変形しないように加圧する最適のクランプ力を予め演算する。
その演算された最適クランプ力から予め求めた図２に示すようなグラフあるいは経験式により基準側のクランプ３と５の基準位置補正値すなわち芯ずれ量を演算し、同補正値で上記の基準位置を補正する。
【００１６】
続いて補正された位置情報に基づき基準側のクランプ３および５は、それぞれのシリンダ３Ｓおよび５Ｓを一定ストローク伸ばした時にクランプピース３Ｐおよび５Ｐが所定の位置になるようにウォームジャッキ３Ｊおよび５Ｊを伸ばして所定の位置までクランプピース３Ｐおよび５Ｐを移動させる。
【００１７】
また、加圧側のクランプ４および６のシリンダ４Ｓおよび６Ｓ用の油圧力は、上記の演算で得られたパイプ１のクランプ圧力指令に基づき設定される。基準側のクランプ３および５のシリンダ３Ｓおよび５Ｓを加圧してクランプピース３Ｐおよび５Ｐを所定の位置に設定した後、加圧側のクランプ４および６のシリンダ４Ｓおよび６Ｓを作動させ、パイプ１をクランプする。
【００１８】
図１に示したクランプの基準位置補正手段を設けたことにより、パイプ１の直径や肉厚に応じて加圧側のクランプ力を変化させてもパイプの中心と回転面盤の中心を一致させることが可能になり、開先加工の同芯度が向上される。
なお、上記の説明はシームレス鋼管について行ったが、溶接鋼管についても本発明を適用することは可能であり、同様の効果が得られる。
【００１９】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明は、基準側クランプと加圧側クランプからなるクランプ装置により固定された鋼管の端部を切削刃物を回転させて加工する鋼管端部の加工装置において、前記鋼管の直径から前記基準側クランプの基準位置を演算する手段と、前記鋼管の直径と肉厚から前記加圧側クランプのクランプ力を演算する手段と、算出された同クランプ力から前記基準側クランプの基準位置のずれ量を演算し前記基準位置を補正する補正手段を設けた鋼管端部の加工装置を提供する。
【００２０】
本発明の鋼管端部の加工装置によれば、加工すべき鋼管の直径や肉厚に応じて変化されるクランプ力によって基準側クランプの基準位置がずれても、その補正手段により基準側クランプの基準位置のずれ量を補正して、加工される鋼管の中心を切削刃物の回転中心と一致させ、開先加工の同芯度を向上させ良好な開先加工が可能な鋼管端部の加工装置が提供される。
【００２１】
また、本発明は、基準側クランプと加圧側クランプからなるクランプ装置により固定された鋼管の端部を切削刃物を回転させて加工する鋼管端部の加工方法において，前記鋼管の直径から前記基準側クランプの基準位置を演算し、鋼管の直径と肉厚から前記加圧側クランプのクランプ力を演算し、同クランプ力から前記基準側クランプの基準位置のずれ量を演算して前記基準位置を補正して前記基準側クランプの位置を設定し、前記加圧側クランプを前記クランプ力で加圧して鋼管をクランプし、鋼管の端部を加工することからなる鋼管端部の加工方法を提供する。
【００２２】
本発明の鋼管端部の加工方法によれば、加工すべき鋼管の直径や肉厚に応じて変化されるクランプ力によって基準側クランプの基準位置がずれても、そのずれ量が演算されて前記基準位置が補正されて前記基準側クランプの位置が設定されるので、加工される鋼管の中心を切削刃物の回転中心と一致させることができ、開先加工の同芯度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の一形態による鋼管端部の加工装置におけるクランプ装置の制御を示す図。
【図２】クランプ圧力と基準クランプの補正値との関係を示す線図。
【図３】鋼管の端部を開先取りあるいは平面切削加工する装置（フェーサー）の側面図。
【図４】図３のフェーサーに設置されたクランプ装置を示す正面図。
【図５】図４に示されたクランプ装置の従来の制御を示す図。
【符号の説明】
１ パイプ
１ａ パイプ端部
２ フェーサー
３ 基準側クランプ
３Ｐ 基準側クランプのクランプピース
３Ｊ 基準側クランプのウォームジャッキ
３Ｓ 基準側クランプのシリンダ
４ 加圧側クランプ
４Ｐ 加圧側クランプのクランプピース
４Ｓ 加圧側クランプのシリンダ
５ 基準側クランプ
５Ｐ 基準側クランプのクランプピース
５Ｊ 基準側クランプのウォームジャッキ
５Ｓ 基準側クランプのシリンダ
６ 加圧側クランプ
６Ｐ 加圧側クランプのクランプピース
６Ｓ 加圧側クランプのシリンダ
７ 回転面盤
８ 刃物台
９ バイト
１０ ストッパ
１１ フレーム
１２ クランプ装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の長さに切断された鋼管の端部を切削加工する加工装置および加工方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般に，成型，熱処理等を施され所定の長さに切断されたシ―ムレス鋼管や溶接鋼管等（以後パイプとする）は端部を溶接用に開先取りあるいは平面切削加工して製品とされる。更に、他の加工として端部にネジ加工用の下加工を行う場合もあり、これらの加工を鋼管端部に行なうときは、高精度の真円度と外形との同芯度を出してパイプをクランプで固定することが要求される。
【０００３】
鋼管の端部を開先取り又は平面切削加工する装置（フェーサー）およびクランプ装置の要部を図３と図４に示す。図３において、１は端部を加工されるパイプ、２はフェーサーで、パイプ１の端部を加工する切削部を有する。７は切削部の回転面盤で、先端にバイト９を取り付けた刃物台８が設けてある。１２はパイプ１を保持するクランプ装置で、クランプ装置１２の部分はパイプ１を位置決めするストッパ１０とパイプ１を４方向から加圧保持するクランプからなる。
【０００４】
クランプ装置１２は、図４に示すように基準側のクランプ３、５とこれらのクランプと対向してパイプ１を加圧保持する加圧側のクランプ４、６およびこれらのクランプを支持するフレーム１１から構成されている。基準側のクランプ３、５は位置決め用のウォームジャッキ３Ｊ、５Ｊ、加圧側からの圧力を受ける油圧シリンダ３Ｓ、５Ｓおよびパイプ１に当接するクランプピース３Ｐ、５Ｐからなる。
【０００５】
加圧側のクランプ４、６はパイプ１を加圧する油圧シリンダ４Ｓ、６Ｓとパイプ１に当接するクランプピース４Ｐ、６Ｐからなっている。
パイプ１が搬送されてくると、パイプ端部１ａをストッパ１０に当接させて位置決め後、ストッパ１０を退避させ、クランプ装置で４方向から加圧してパイプ１を挟持する。
【０００６】
次に図５によりクランプ装置１２の作動を説明する。加工すべきパイプ１がストッパ１０により位置決めされると、クランプ装置１２は次のようにパイプ１をクランプする。予めパイプ１の直径から基準側のクランプ３、５の基準位置を、また、パイプ１の直径と肉厚からパイプ１が変形しないように加圧する最適のクランプ力を演算する。
【０００７】
その演算された位置情報に基づき基準側のクランプ３、５は、それぞれのシリンダ３Ｓおよび５Ｓを一定ストローク伸ばした時にクランプピース３Ｐおよび５Ｐが所定の位置になるようにウォームジャッキ３Ｊと５Ｊを伸ばして所定の位置までクランプピース３Ｐおよび５Ｐを移動させる。
【０００８】
また、加圧側のクランプ４および６のシリンダ４Ｓおよび６Ｓ用の油圧力は、上記の演算で得られたパイプのクランプ圧力指令に基づき設定される。基準側のクランプ３および５のシリンダ３Ｓおよび５Ｓを加圧してクランプピース３Ｐおよび５Ｐを所定の位置に設定した後、加圧側のクランプ４および６のシリンダ４Ｓおよび６Ｓを作動させ、パイプ１をクランプする。
パイプ１のクランプが終了すると切削部の回転面盤７をパイプ１の端部１ａ近傍まで前進させ，回転面盤７を回転させて刃物台８に取り付けたバイト９でパイプ１の端部１ａを加工する。
【０００９】
上記のクランプ装置１２によってパイプ１を固定してパイプ１の端部１ａを加工するのであるが、その場合、次のような問題が生じる。すなわち、クランプの加圧力はパイプ１が変形しない適正な加圧力に演算して設定されているが、この加圧力により基準側のクランプ３とクランプ５が弾性変形してクランプされたパイプ１の中心が回転面盤７の中心よりずれる。この芯ずれ、すなわちクランプ装置の変形量は実測によると、油圧１１０ｋｇｆ／ｃｍ2 で加圧したとき合計変形量は０．８ｍｍ（油圧シリンダ系＝０．１ｍｍ、ウォームジャッキ系＝０．３ｍｍ、フレームの全体変形＝０．２ｍｍ、その他接合部＝０．２ｍｍ）にも達し、開先加工の同芯度が低下する。
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、基準側クランプと加圧側クランプからなるクランプ装置により固定された鋼管の端部を切削刃物を回転させて加工するようにした従来の鋼管端部の加工装置において見られた問題点を解消し、加工される鋼管の中心を切削刃物の回転中心と一致させて、開先加工の同芯度を向上させることができる鋼管端部の加工装置及び鋼管端部の加工方法を提供することを課題としている。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決しうる鋼管端部の加工装置として、基準側クランプと加圧側クランプからなるクランプ装置により固定された鋼管の端部を切削刃物を回転させて加工する鋼管端部の加工装置において、前記鋼管の直径から前記基準側クランプの基準位置を演算する手段と、前記鋼管の直径と肉厚から前記加圧側クランプのクランプ力を演算する手段と、算出された同クランプ力から前記基準側クランプの基準位置のずれ量を演算し前記基準位置を補正する補正手段を設けた鋼管端部の加工装置を提供する。
【００１２】
本発明の鋼管端部の加工装置によれば、加工すべき鋼管の直径や肉厚に応じて変化されるクランプ力によって基準側クランプの基準位置がずれても、補正手段により基準側クランプの基準位置のずれ量が補正され、加工される鋼管の中心を切削刃物の回転中心と一致させることができ、開先加工の同芯度を向上させることができる。
【００１３】
また、本発明は、前記課題を解決する鋼管端部の加工方法として、基準側クランプと加圧側クランプからなるクランプ装置により固定された鋼管の端部を切削刃物を回転させて加工する鋼管端部の加工方法において，前記鋼管の直径から前記基準側クランプの基準位置を演算し、鋼管の直径と肉厚から前記加圧側クランプのクランプ力を演算し、同クランプ力から前記基準側クランプの基準位置のずれ量を演算して前記基準位置を補正して前記基準側クランプの位置を設定し、前記加圧側クランプを前記クランプ力で加圧して鋼管をクランプし、鋼管の端部を加工することからなる鋼管端部の加工方法を提供する。
【００１４】
本発明の鋼管端部の加工方法によれば、加工すべき鋼管の直径や肉厚に応じて変化されるクランプ力によって基準側クランプの基準位置がずれても、そのずれ量が演算されて前記基準位置を補正して前記基準側クランプの位置が設定されるので、加工される鋼管の中心を切削刃物の回転中心と一致させることができ、開先加工の同芯度が向上する。
【００１５】
【発明の実施の形態】
以下、図３、図４に示す機構の装置に本発明を適用した場合の実施の形態を図１、図２を用いて具体的に説明する。
図１に示すように、端部を加工すべきパイプ１（シームレス鋼管）の直径から基準側のクランプ３と５の基準位置を、また、パイプ１の直径と肉厚からパイプ１が変形しないように加圧する最適のクランプ力を予め演算する。
その演算された最適クランプ力から予め求めた図２に示すようなグラフあるいは経験式により基準側のクランプ３と５の基準位置補正値すなわち芯ずれ量を演算し、同補正値で上記の基準位置を補正する。
【００１６】
続いて補正された位置情報に基づき基準側のクランプ３および５は、それぞれのシリンダ３Ｓおよび５Ｓを一定ストローク伸ばした時にクランプピース３Ｐおよび５Ｐが所定の位置になるようにウォームジャッキ３Ｊおよび５Ｊを伸ばして所定の位置までクランプピース３Ｐおよび５Ｐを移動させる。
【００１７】
また、加圧側のクランプ４および６のシリンダ４Ｓおよび６Ｓ用の油圧力は、上記の演算で得られたパイプ１のクランプ圧力指令に基づき設定される。基準側のクランプ３および５のシリンダ３Ｓおよび５Ｓを加圧してクランプピース３Ｐおよび５Ｐを所定の位置に設定した後、加圧側のクランプ４および６のシリンダ４Ｓおよび６Ｓを作動させ、パイプ１をクランプする。
【００１８】
図１に示したクランプの基準位置補正手段を設けたことにより、パイプ１の直径や肉厚に応じて加圧側のクランプ力を変化させてもパイプの中心と回転面盤の中心を一致させることが可能になり、開先加工の同芯度が向上される。
なお、上記の説明はシームレス鋼管について行ったが、溶接鋼管についても本発明を適用することは可能であり、同様の効果が得られる。
【００１９】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明は、基準側クランプと加圧側クランプからなるクランプ装置により固定された鋼管の端部を切削刃物を回転させて加工する鋼管端部の加工装置において、前記鋼管の直径から前記基準側クランプの基準位置を演算する手段と、前記鋼管の直径と肉厚から前記加圧側クランプのクランプ力を演算する手段と、算出された同クランプ力から前記基準側クランプの基準位置のずれ量を演算し前記基準位置を補正する補正手段を設けた鋼管端部の加工装置を提供する。
【００２０】
本発明の鋼管端部の加工装置によれば、加工すべき鋼管の直径や肉厚に応じて変化されるクランプ力によって基準側クランプの基準位置がずれても、その補正手段により基準側クランプの基準位置のずれ量を補正して、加工される鋼管の中心を切削刃物の回転中心と一致させ、開先加工の同芯度を向上させ良好な開先加工が可能な鋼管端部の加工装置が提供される。
【００２１】
また、本発明は、基準側クランプと加圧側クランプからなるクランプ装置により固定された鋼管の端部を切削刃物を回転させて加工する鋼管端部の加工方法において，前記鋼管の直径から前記基準側クランプの基準位置を演算し、鋼管の直径と肉厚から前記加圧側クランプのクランプ力を演算し、同クランプ力から前記基準側クランプの基準位置のずれ量を演算して前記基準位置を補正して前記基準側クランプの位置を設定し、前記加圧側クランプを前記クランプ力で加圧して鋼管をクランプし、鋼管の端部を加工することからなる鋼管端部の加工方法を提供する。
【００２２】
本発明の鋼管端部の加工方法によれば、加工すべき鋼管の直径や肉厚に応じて変化されるクランプ力によって基準側クランプの基準位置がずれても、そのずれ量が演算されて前記基準位置が補正されて前記基準側クランプの位置が設定されるので、加工される鋼管の中心を切削刃物の回転中心と一致させることができ、開先加工の同芯度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の一形態による鋼管端部の加工装置におけるクランプ装置の制御を示す図。
【図２】クランプ圧力と基準クランプの補正値との関係を示す線図。
【図３】鋼管の端部を開先取りあるいは平面切削加工する装置（フェーサー）の側面図。
【図４】図３のフェーサーに設置されたクランプ装置を示す正面図。
【図５】図４に示されたクランプ装置の従来の制御を示す図。
【符号の説明】
１ パイプ
１ａ パイプ端部
２ フェーサー
３ 基準側クランプ
３Ｐ 基準側クランプのクランプピース
３Ｊ 基準側クランプのウォームジャッキ
３Ｓ 基準側クランプのシリンダ
４ 加圧側クランプ
４Ｐ 加圧側クランプのクランプピース
４Ｓ 加圧側クランプのシリンダ
５ 基準側クランプ
５Ｐ 基準側クランプのクランプピース
５Ｊ 基準側クランプのウォームジャッキ
５Ｓ 基準側クランプのシリンダ
６ 加圧側クランプ
６Ｐ 加圧側クランプのクランプピース
６Ｓ 加圧側クランプのシリンダ
７ 回転面盤
８ 刃物台
９ バイト
１０ ストッパ
１１ フレーム
１２ クランプ装置
Claims (2)
- 基準側クランプと加圧側クランプからなるクランプ装置により固定された鋼管の端部を切削刃物を回転させて加工する鋼管端部の加工装置において、前記鋼管の直径から前記基準側クランプの基準位置を演算する手段と、前記鋼管の直径と肉厚から前記加圧側クランプのクランプ力を演算する手段と、算出された同クランプ力から前記基準側クランプの基準位置のずれ量を演算し前記基準位置を補正する手段を設けたことを特徴とする鋼管端部の加工装置。
- 基準側クランプと加圧側クランプからなるクランプ装置により固定された鋼管の端部を切削刃物を回転させて加工する鋼管端部の加工方法において、前記鋼管の直径から前記基準側クランプの基準位置を演算し、鋼管の直径と肉厚から前記加圧側クランプのクランプ力を演算し、同クランプ力から前記基準側クランプの基準位置のずれ量を演算して前記基準位置を補正して前記基準側クランプの位置を設定し、前記加圧側クランプを前記クランプ力で加圧して鋼管をクランプし、鋼管の端部を加工することを特徴とする鋼管端部の加工方法。
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001237569A JP4638091B2 (ja) | 2001-08-06 | 2001-08-06 | 鋼管端部の加工装置及び加工方法 |
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003048101A JP2003048101A (ja) | 2003-02-18 |
| JP4638091B2 true JP4638091B2 (ja) | 2011-02-23 |
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001237569A Expired - Fee Related JP4638091B2 (ja) | 2001-08-06 | 2001-08-06 | 鋼管端部の加工装置及び加工方法 |
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|---|---|
| JP (1) | JP4638091B2 (ja) |
Citations (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0236050A (ja) * | 1988-07-26 | 1990-02-06 | Toshiba Mach Co Ltd | 変位補正方法およびその装置 |
| JPH07246512A (ja) * | 1994-03-08 | 1995-09-26 | Sumitomo Heavy Ind Ltd | 鋼管クランプ装置 |
-
2001
- 2001-08-06 JP JP2001237569A patent/JP4638091B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0236050A (ja) * | 1988-07-26 | 1990-02-06 | Toshiba Mach Co Ltd | 変位補正方法およびその装置 |
| JPH07246512A (ja) * | 1994-03-08 | 1995-09-26 | Sumitomo Heavy Ind Ltd | 鋼管クランプ装置 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2003048101A (ja) | 2003-02-18 |
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