JP4636778B2 - 13および15個の炭素原子を有するアルコール混合物および表面活性物質を製造するためのその使用 - Google Patents
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Description
本発明は、主に13個および15個の炭素原子を有するアルコールを含むアルコール混合物、その製法、これらのアルコール混合物を官能化する方法、このように得られた官能化されたアルコール混合物ならびにその使用に関する。
【0002】
8個〜20個の炭素原子を有する脂肪族アルコールは、非イオン性またはアニオン性界面活性剤を製造するために使用できることは公知である。このために、アルコールは、例えば、アルコキシル化またはグリコシド化を行うことにより相応して官能化される。得られたアルコキシレートは、直接に非イオン性表面活性物質として使用されるか、または別の官能化、例えば、硫酸化またはリン酸化によりアニオン性表面活性物質に変換させることもできる。これらの界面活性剤の適用技術特性、例えば、湿潤性、起泡性、脱脂性、生分解能等は、特に使用されるアルコールの鎖長と親水性炭化水素基の分枝度により決定される。効果的な界面活性剤を得るための後処理に極めて適切なアルコールは、界面活性剤アルコールと称される。
【0003】
Kosswig/Stache, "Die Tenside", Carl Hanser Verlag, Muenchen, Wein, 1993、第2.2および2.3章には、相応する脂肪族アルコールアルコキシレートを得る脂肪族アルコールとアルキレンオキシドとの反応ならびに硫酸化およびリン酸化が記載されている。
【0004】
界面活性剤アルコールは、天然原料からまたは合成による方法、例えば、天然脂肪酸の水素化によるか、または少数の炭素原子を有する出発材料からの構成物によっても得られる。トリエチルアルミニウムの存在での組成物反応により、線状第一アルコール、いわゆる“チーグラーアルコール”が得られる。同様に重要な方法、SHOP法(Shell higher olefine process)により、エテンから出発し、後処理して界面活性剤を得るために適切な炭素数を有するオレフィンフラクションが得られる。この場合に、相応するアルコールへのオレフィンの官能化は、例えば、ドロホルミル化および水素化により行われる。ヒドロホルミル化法および適切な触媒の概要は、Beller et al. Journal of Molecular Catalysis A 104(1995)、17〜85ページに記載されている。ここでは、線状オレフィンを使用することにより、通常の直鎖および分枝鎖の第一アルコールの混合物が生じている。
【0005】
これらの一般的な界面活性剤アルコールは、その適用技術特性は、特に生分解能において更に改善の余地がある。
【0006】
WO-A 98/23556には、分枝第一アルコールの組成物およびそれらのスルフェート、アルコキシレート、アルコキシスルフェートおよびカルボキシレートが記載されており、これは良好な冷水洗浄特性および良好な生分解能を有していると主張されている。前記組成物は、8〜36個の炭素原子を有するアルコールを有し、かつこれらは、分子あたり0.7〜3.0の範囲内の平均分枝度を有し、その際、分枝はメチル分枝およびエチル分枝を含む。しかし、これらのアルコール組成物は、その適用技術特性に関して更に改善の余地がある。
【0007】
本発明は、界面活性剤アルコール混合物として使用するために適切な新規アルコール混合物を提供することに課題の根底を成す。これらの混合物を基礎とするアニオン性および/または非イオン性界面活性剤は、良好な適用技術特性、例えば、良好な生分解能、低い起泡性または出来るだけ低い濃度範囲に及ぶゲル範囲を有するべきである。さらに、本発明は、これらのアルコール混合物の製法を提供することに課題の根底を成す。
【0008】
意外にも前記の課題は、主に13個および15個の炭素原子を有するアルコールを含有し、その際、アルコールの少なくとも87質量%は、線状アルコールまたは2−アルキル−分枝アルコールから選択されるアルコール混合物により解決されることが見出された。
【0009】
本発明の対象は、主に13個および15個の炭素原子を有するアルコールを含有し、その際、全アルコール含量に対して、アルコールの少なくとも87質量%は、線状アルコール、2−メチル−分枝アルコールおよび2−エチル−分枝アルコールから選択されるアルコール混合物である。
【0010】
本発明の範囲内において、アルコール混合物とは、少なくとも2種、有利には少なくとも3種の異なるアルコールを有する混合物であると解釈される。
【0011】
本発明の範囲内において、主に13個および15個の炭素原子を有するアルコールを含有するアルコール混合物とは、C13およびC15アルコールの合計から成る割合が、有利には少なくとも95質量%、特に少なくとも98質量%である混合物であると解釈される。
【0012】
本発明のアルコール混合物は、第一アルコールの混合物であるのが有利である。
【0013】
線状アルコール40〜60質量%、特に有利には45〜55質量%を含有するアルコール混合物が有利である。さらに、2−メチル分枝アルコール30〜40質量%、特に有利には33〜37質量%を含有する混合物が特に有利である。さらに有利には、2−メチル−分枝アルコール30〜40質量%、特に有利には33〜37質量%を含有する混合物を挙げることができる。さらに、2−エチル−分枝アルコール2〜7質量%、特に有利には4〜5.5質量%を含有するアルコール混合物が有利である。
【0014】
本発明のアルコール混合物は、前記のアルコールとは異なる他のアルコール、例えば、C(2)原子で長鎖の分枝を有するアルコール、C(2)原子以外の原子で分枝を有するアルコール、または1個以上の分枝点を有するアルコールを有することもできる。以下にこれらは、“高い分枝のアルコール”という用語にまとめられる。
【0015】
13個の炭素原子を有するアルコール対15個の炭素原子を有するアルコールの割合が、90:10〜50:50質量%、有利には70:30〜60:40質量%の範囲内であるアルコール混合物が有利である。
【0016】
本発明によるアルコール混合物の組成物の決定は、当業者に公知の一般的な方法、例えば、ガスクロマトグラフィーにより行うこともできる。適切なガスクロマトグラフィー分析法には、適切なカラムにおけるアルコール混合物の分離、等温的または温度プログラム、適切な検出器、例えば、水素炎イオン化検出器、熱伝導率検出器または電子捕獲検出器を用いるシグナルの検出、個々の化合物へのシグナルの帰属、例えば、相応する純粋なアルコールの滞留時間との比較により(場合により内部標準物質を添加した後)、および混合物中の個々のアルコールの質量比を算出するためのシグナル面積を積分することが含まれる。
【0017】
本発明のアルコール混合物は、多くとも0.65、有利には多くとも0.5の平均分枝度を有するのが有利である。
【0018】
分枝度は、アルコール1分子中のメチル基の数−1として定義される。平均分枝度は、試験体中の分枝度の統計的平均である。分子中のメチル基の平均数は、1H NMR分光分析法により容易に決定できる。このために、メチルプロトンに相応するシグナル面積を3で割り、かつ2で割ることによりCH2OH基のメチレンプロトンのシグナル面積のバランスをとる。平均分枝度の測定は、ガスクロマトグラフィーにより計算されたアルコール混合物の組成物から計算的に行われる。
【0019】
本発明によるアルコール混合物は、有利な方法で表面活性混合物を製造するための官能化に適切である。これは、通常、先行技術で公知のアルコール混合物よりも改善された適用技術特性、例えば、改善された生分解性、低い起泡性または改善されたゲル挙動を有する。
【0020】
本発明のもう1つの対象は、前記のように、
a)主に12個および14個の炭素原子を有するオレフィンを含有し、かつ線状α−オレフィンおよびこれとは異なるオレフィン5〜20質量%の含量を有するモノオレフィン混合物を製造し、かつ
b)モノオレフィン混合物を、ロジウム触媒の存在で一酸化炭素および水素と反応させることによりヒドロホルミル化し、かつ水素化することによる
アルコール混合物の製法を提供することである。
【0021】
工程a)
本発明による方法において、大工業的に生産されるモノオレフィン混合物を使用するのが有利である。
【0022】
これには、例えば、アルキルアルミニウム触媒の存在で目的とするエテンオリゴマー化により得られるチーグラーオレフィンが含まれる。
【0023】
さらに種々の触媒系の存在でエテンをオリゴマー化することにより得られるオレフィン、例えば、アルキルアルミニウムクロリド/四塩化チタン触媒の存在で得られ、かつニッケル−ホスフィン錯体触媒の存在でShell Higher Olefin Process(SHOP)により得られるオレフィンも含まれる。さらに工業的に入手可能な適切なオレフィン混合物は、相応する鉱油フラクション、例えば、いわゆる石油フラクションまたはディーゼル油フラクションのパラフィン脱水素の際に得られる。パラフィンを、オレフィン中のn−パラフィンに変換するために、主に3種の方法が使用される:
−熱分解クラッキング(スチームクラッキング)
−接触的脱水素および
−塩素化および脱塩素による化学的脱水素
この場合に、熱分解は主にα−オレフィンに変換するのに対して、他の変法は、一般的に内部二重結合を有するオレフィンを有するオレフィン混合物を生じる。さらに適切なオレフィン混合物は、複分解反応もしくはテロマー化反応の際に得られるオレフィンである。これには、例えば、フィリップス−トリオレフィン法(Philipps-Triolefin Process)、エチレンオリゴマー化を含むSHOP変法、二重結合の異性化および引き続くメタセシス(エテネオライシス:etheneolysis)からのオレフィンが含まれる。オレフィンを製造するために適切な方法は、シクロオレフィンの開環エテネオライシスによるα,ω−ジオレフィンの製造、ポリアルケンにするシクロオレフィンのメタセシス重合、それに引き続くエテノリシス等である。エテネオライシスの場合には、一般的には高い濃度のn−α−オレフィンが得られる。
【0024】
工業的に入手可能な12個の炭素原子を有するオレフィンと14個の炭素原子を有するオレフィンから成るオレフィンのモノオレフィン混合物は、C12〜C14−オレフィンとも称される。12個の炭素原子を有するオレフィン対14個の炭素原子を有する割合が、90:10〜50:50質量%、有利には70:30〜60:40質量%の範囲内である混合物が有利である。特にオレフィンの混合物の割合が約2:1の範囲内であるC12〜C14−オレフィンを使用するのが有利である。
【0025】
本発明の方法は、通常は線状α−オレフィンだけではなく、内部二重結合を有するオレフィンおよび分枝オレフィンを含有する工業的に入手可能なモノオレフィン混合物から成るアルコール混合物を有利に製造するために適切である。従って、本発明の方法は、オレフィンが有用な生成物に変換されない先行技術の方法に対して経済的な利点をもたらす。適切な工業的モノオレフィン混合物は、通常はα−オレフィンとは異なるオレフィン15質量%までを有する。これには、内部二重結合を有するオレフィンの他に、式(−C(Ra)=CH2)(式中、Raはアルキル基、有利にはC1〜C6−アルキル、特にメチルまたはエチルを表す)の基を有するビニリデン分枝オレフィンが含まれる。このタイプのビニリデン分枝オレフィン異性体は、例えば、低分子量のオレフィン断片の二量化の際、またはチーグラー法におけるエテンのオリゴマー化の際に、より高次なn−1−オレフィンの組込により得られる。
【0026】
本発明による方法では、全オレフィン含量に対して、線状α−オレフィン85〜95質量%、線状内部オレフィン1〜5質量%、ビニリデン分枝オレフィン5〜10質量%、ならびに場合によりこれとは異なる他のオレフィン異性体5質量%までを有するモノオレフィン混合物が使用される。前記の他のオレフィン異性体には、例えば、1個以上の分枝点を有する異性体および長鎖ビニリデン分枝を有する異性体が含まれる。
【0027】
意外にも、工業的に入手可能なモノオレフィン混合物を使用した場合でも、本発明の方法は界面活性剤アルコール混合物として使用した場合に有利な適用技術特性を有するアルコール混合物を生じる。
【0028】
b)工程
工程b)でのホルミル化は、線状α−オレフィンだけではなく、本質的に使用されたモノオレフィン混合物中の全てのオレフィンがヒドロホルミル化される条件下で行われる。
【0029】
本発明によれば、工程b)でのヒドロホルミル化のためにロジウム触媒が使用される。使用されるロジウム触媒は、ロジウム/トリアリールホスフィン触媒、例えば、ロジウム/トリフェニルホスフィン触媒、または類似した立体特性または電子特性を有するリガンドを基礎とする触媒、例えば、トリアリールホスフィンではないのが有利である。このような触媒は、通常はn−1−オレフィンもしくはオレフィン混合物のn−1−オレフィン部分を変換させるためだけに適切である。
【0030】
工程b)でのヒドロホルミル化のために、当業者に一般的に公知のロジウムの塩または錯体から誘導され、例えば、一般にヒドロホルミル化反応において使用されるようなロジウム触媒が使用される。この場合、反応条件下で、触媒に線状α−オレフィンのヒドロホルミル化および内部二重結合を有するオレフィンおよび/または分枝オレフィンのヒドロホルミル化の両方を触媒することができるようにするリガンドを使用するのが有利である。工程b)で使用される触媒は、カルボニル基、カルボキシレート基、水素化物基、スルフェート基またはニトレート基または窒素含有および/またはリン含有基を有する錯体形成可能な化合物(但し、リン含有基は、リン原子への単結合中に多くとも1個のアリール基だけを有する)から選択される少なくとも1個のリガンドを有するのが有利である。
【0031】
適切なロジウム触媒またはロジウム触媒前駆体は、ロジウム塩(II)およびロジウム(III)塩、例えば塩化ロジウム(III)、硝酸ロジウム(III)、硫酸ロジウム(III)、カリウム−硫酸ロジウム(III)(ロジウムみょうばん)、カルボン酸ロジウム(II)、またはカルボン酸ロジウム(III)、有利には酢酸ロジウム(II)または酢酸ロジウム(III)、ロジウム(II)エチルヘキサノエートおよびロジウム(III)エチルヘキサノエート、酸化ロジウム(III)、ロジウム(III)酸の塩およびトリスアンモニウムヘキサクロロロジウム酸塩(III)である。
【0032】
さらに、一般式RhXmL1L2(L3)n(式中、Xは、ハロゲン化物、有利には、塩化物または臭化物、アルキルカルボキシレートまたはアリールカルボキシレート、アセチルアセトネート、アリールスルホネートまたはアルキルスルホネート、特にフェニルスルホネートおよびトルエンスルホネート、水素化物またはジフェニルトリアジンアニオンであり、L1、L2、L3は、相互に独立にCO、オレフィン、シクロオレフィン、有利にはシクロオクタジエン(COD)を表す)のロジウム錯体が適切である。Xは、水素化物、塩化物、臭化物、アセテート、トシレート、アセチルアセトネートまたはジフェニルトリアジンアニオン、特に水素化物、塩化物またはアセテートであるのが有利である。
【0033】
第一の有利な実施態様によれば、本発明による方法は、少なくとも1個の非架橋ホスファシクロヘキサン−および/またはホスファシクロヘキセン構成成分を有する化合物をリガンドとして有するロジウム触媒を使用する。
【0034】
触媒は、有利にはリガンドとして一般式IおよびII
【0035】
【化5】
【0036】
[式中、
Rは、水素、C1〜100−アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C7〜20−アラルキル、C7〜20−アルカリール、C6〜12−アリール、ヘタリール、W’COO-M+、W’SO3 -M+、W’PO3 2 -M+ 2、W’NR’3 +X-、W’OR’、W’NR’2、W’COOR’、W’SR’、W’(CHR’CH2O)xR’、W’(CH2NR’)xR’、W’(CH2CH2NR’)xR’、W’((CH2)4O)xR’またはW’COR’であり、
この場合、式II中の基Rは、基Wの代わりにまたは付加的に基Wと一緒になって、環式または芳香族基の成分であってよく、かつヘテロ原子により中断されていてよい1〜20個の炭素原子を有する架橋を形成することができ、
式II中の基Rは、基Wの代わりにまたは付加的に基Wと一緒になって、少なくとも21個の炭素原子を有するポリオキシアルキレンまたはポリアルキレンイミン−架橋を表すことができ、
R1〜R10は、相互に独立に水素、C1〜20−アルキル、C7〜20−アラルキル、C7〜20−アルカリール、C6〜12−アリールであり、その際、1個以上の炭素原子は、ヘテロ原子で置換されていてよく、W’COO-M+、W’SO3 -M+、W’PO3 2 -M+ 2、W’NR’3 +X-、W’OR’、W’NR’2、W’COOR’、W’SR’、W’(CHR’CH2O)xR’、W’(CH2NR’)xR’、W’(CH2CH2NR’)xR’、W’((CH2)4O)xR’、W’ハロゲン、W’NO2、W’COR’またはW’CNであり、
その際、基RおよびR1〜R10中、1個以上の水素原子はフッ素により置換されていてもよく、
WとW’は、相互に独立に、単結合であるか、または環式または芳香族基の成分であってもよく、かつヘテロ原子により中断されていてもよい1〜20個の炭素原子を有する架橋であり、
その際、Wは、少なくとも21個の炭素原子を有するポリアルキレン架橋またはポリアルキレンイミン架橋を表してもよく、
R’は、水素、C1〜20−アルキル、カルボニルアルキル、シクロアルキルまたはアリールであり、
M+は、カチオン当量であり、
X−は、アニオン当量であり、
その際、2個のジェミナルな基R1〜R10は、オキソ基を形成することができ、かつ基RおよびR1〜R10の1個以上は、付加的に配位可能な3価のリン原子団または窒素原子団を有することができ、
その際、それぞれ2個のビシナルな基は、結合して脂肪族または芳香族縮合環になることができ、
その際、2個のビシナルな基R1〜R10は、化学結合であってよく、
その際、一般式IIの化合物中には、2個以上の架橋Wが存在していてもよく、その際、架橋Wに結合していないホスファシクロヘキサン環の原子は、R1〜R10で記載したように置換されていてもよく、
この場合、式Iの化合物中、基RまたはR1〜R10および式IIの化合物中、基RまたはR1〜R10または2つの基Rは一緒にまたは基Wは、500〜50000の範囲内の数平均分子量を有するポリマー基を表すことができ、モノオレフィン、ジオレフィン、ビニル芳香族、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸およびジカルボン酸とC1〜C30−アルカノールとのエステル、N−ビニルアミド、N−ビニルラクタム、開環下に重合可能な複素環式化合物およびこれらの混合物から選択されるモノマーから誘導される繰返し単位から構成される。]のホスファシクロヘキサン少なくとも1種を有する。
【0037】
本発明による範囲内において、‘アルキル’という用語は、直鎖および分枝アルキル基である。この場合に直鎖または分枝C1〜C100−アルキル基、有利にはC1〜C20−アルキル基、かつ特に有利にはC1〜C10−アルキル基および殊に有利にはC1〜C4−アルキル基である。アルキル基の例は、特にメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、2−ブチル、sec.−ブチル、tert.-ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、2−ヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1−エチル−2−メチルプロピル、n−ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、2−エチルペンチル、1−プロピルブチル、オクチル、ノニル、デシルである。
【0038】
置換アルキル基は、有利には1、2、3、4または5個、特に1、2または3個の置換基を有する。これらは、例えば、シクロアルキル、アリール、ヘタリール、ハロゲン、NE1E2、(NE1E2E3)+、カルボキシル、カルボキシレート、-SO3Hおよびスルホネートから選択される。
【0039】
シクロアルキル基は、有利にはC5〜C7−シクロアルキル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルである。
【0040】
ヘテロシクロアルキル基は、有利にはC5〜C7−ヘテロシクロアルキル基である。
【0041】
ヘテロシクロアルキル基は、1、2、3または4個の場合により置換されたヘテロ原子を有するのが有利である。これには、例えば、ピロリドン、テトラヒドロフラン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、ピペリジン、ピペラジンおよびモルホリンが含まれる。
【0042】
ヘテロシクロアルキル基のシクロアルキル基が置換されている場合には、これは、有利にはアルキル、アルコキシまたはハロゲンから選択される1、2、3、4または5個の、特に1、2または3個の置換基を有する。
【0043】
アリールは、有利にはフェニル、トリル、キシリル、メシチル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、ナフタセニルおよび特に、フェニル、ナフチルまたはキシリルを表す。
【0044】
置換アリール基は、有利にはアルキル、アルコキシ、カルボキシル、カルボキシレート、トリフルオロメチル、-SO3H、スルホネート、NE1E2、アルキレン−NE1E2、ニトロ、シアノまたはハロゲンから選択される1、2、3、4または5個の、特に1、2または3個の置換基を有する。
【0045】
ヘタリールは、有利にはピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、インドリル、カルバゾリル、ピリジル、キノリニル、アクリジニル、ピリダジニル、ピリミジニルまたはピラジニルを表す。
【0046】
置換ヘタリール基は、有利にはアルキル、アルコキシ、カルボキシル、カルボキシレート、-SO3H、スルホネート、NE1E2、アルキレン−NE1E2、トリフルオロメチルまたはハロゲンから選択される1、2または3個の置換基を有する。
【0047】
前記のアルキル、シクロアルキル、およびアリール基は、相応して、アルコキシ、シクロアルコキシおよびアリールオキシ基にも当てはまる。
【0048】
E1、E2およびE3は、有利には独立に水素、アルキルおよびシクロアルキルから選択される。基NE1E2は、有利にはN,N−ジメチル、N,N−ジエチル、N,N−ジプロピル、N,N−ジイソプロピル、N,N−ジ−n−ブチル、N,N−ジ−tert−ブチル、N,N−ジシクロヘキシル、およびN,N−ジフェニルを表す。
【0049】
ヘテロ原子は、有利には、酸素原子、硫黄原子、2回置換されたケイ素−または1回置換された窒素原子を表し、その際、置換基は、相互に独立に水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘタリール、アルコキシ、シクロアルコキシまたはアリールオキシを表す。
【0050】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素、有利にはフッ素、塩素および臭素を表す。
【0051】
カルボキシレートおよびスルホネートは、本発明の範囲内で有利にはカルボン酸官能基もしくはスルホン酸官能基の誘導体、特にメタルカルボキシレートまたは−スルホネート、カルボン酸−またはスルホン酸エステル官能基またはカルボン酸−またはスルホン酸アミド官能基を表す。これには、例えば、C1〜C4−アルカノール、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec.−ブタノールおよびtert−ブタノールとのエステルが含まれる。
【0052】
ポリブタジエンとは、本発明の範囲内では常にそれらの部分的または完全に水素化された生成物であると解釈される。
【0053】
ポリオキシアルキレンは、有利には、
【0054】
【化6】
【0055】
(その際、x1、x2およびx3は、相互に独立に0〜240、有利には0〜100の整数である。)から選択される繰り返し単位を有する化合物である。x1、x2およびx3の合計は、1〜240、有利には2〜100の整数である。2個または3個の異なる繰り返し単位を有するポリオキシアルキレンは、任意の順序である。すなわち、ランダムに分布し、交互にまたはブロックの形の繰り返し単位であることができる。予めポリオキシアルキレンで記載した事は同様にポリアルキレンイミンにも当てはまるが、その際、酸素原子は、それぞれ基NRi(Riは、水素またはC1〜4−アルキルである)により置換される。
【0056】
M+は、カチオン当量を表す。すなわち、1価のカチオンであるか、または1価の正の電荷に相当する多価のカチオンの割合である。M+は、有利にはアルカリ金属カチオン、例えば、Li+、Na+またはK+、またはアルカリ土類金属カチオン、NH4+、またはアミンのプロトン化または四級化により得ることができる第四アンモニウム化合物である。アルカリ金属カチオンは、特にナトリウムイオンまたはカリウムイオンであるのが有利である。
【0057】
X−は、アニオン当量、すなわち1価のアニオンであるか、または1価の負の電荷に相当する多価のアニオンの割合である。X−は、有利にはカルボネート、カルボキシレートまたはハロゲン化物、特に有利にはCl−またはBr-である。
【0058】
xの値は、1〜240の整数、有利には1〜100の整数、特に有利には1〜50、とりわけ3〜40である。
【0059】
基Rが置換C1〜100−アルキル基である場合には、これらは、例えばR1〜R10に記載された基により1回置換または複数回置換されていてもよい。
【0060】
基R中に含有される炭素原子の1個以上は、ヘテロ原子により置換されていてもよい。
【0061】
基Rは、有利にはフェニル基またはC1〜12−アルキル基から選択され、その際、これらは、線状、分枝状または環状アルキル基であってよく、鎖中にヘテロ原子として酸素原子を、例えば、末端でアルキル化されていてもよいアルキレンオキシド単位の形、特にエチレンオキシド単位の形で含有していてもよい。
【0062】
基Rは、有利にはC2〜14−アルキル基、特にプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシルまたはドデシルを表すのが有利である。
【0063】
さらに有利な基Rは、C5〜8−シクロアルキル基、特にシクロヘキシルである。
【0064】
基Rはさらに、ポリオキシアルキレン基またはポリアルキレンイミン基を表すのが有利である。適切なポリオキシアルキレンは、例えば、ホルムアルデヒド(ポリオキシメチレン)、環状エーテル、例えば、テトラヒドロフラン、アルキル基中に2〜4個の炭素原子を有するアルキレンオキシドおよびこれらの組合せから誘導される。適切なアルキレンオキシドは、例えば、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、エピクロロヒドリン、1,2−および2,3−ブチレンオキシドである。適切なポリアルキレンイミンは、例えば、式
【0065】
【化7】
【0066】
(式中、Rαは、水素またはアルキルを表す)
のアジリジン(アルキレンイミン)から誘導される。ポリオキシアルキレン基またはポリアルキレンイミン基の数平均分子量は、有利には約400〜50000、特に有利には800〜20000、殊に有利には2000〜10000の範囲内である。置換基が複数の基Rを有する場合には、これらは同一または異なっていてもよい。
【0067】
式IおよびIIの構造は、R1〜R10から選択される2個のジェミナルな基が=Oである場合には、ホスファシクロヘキサンノンであることができる。この場合に、式R5とR6は、二重結合の酸素原子を表すのが有利である。
【0068】
式IおよびIIのホスファシクロヘキサン中、基R1〜R10中の少なくとも2個または3個または4個は、水素ではないのが有利である。基Rおよび基R1〜R10中の少なくとも1個、2個または3個は、脂肪族、芳香族または複素環式であってよい環状構造を含むのが有利である。式Iの化合物中、環状構造は、例えば、2、4および6位に存在する。この構造は、例えば1、2および6位にも存在することができる。
【0069】
基R1〜R10は、有利には水素およびRで記載された基、特に、C1〜12−アルキル基、C7〜13−アラルキル基、C7〜13−アルカリール基および/またはC6〜12−アリール基を表すのが有利である。アルキル基は、環状構造を含むこともできる。アラルキル基のアリール基、アルカリール基およびアリール基は、ベンゼンまたはナフタレンから誘導されるのが有利である。従って、基(R1〜R10)は、フェニル基またはナフチル基であることができる。この場合、アルカリール基は、特にメチル基またはエチル基である1個、2個または3個のアルキル置換基を有するのが有利である。
【0070】
Rおよび/またはR1〜R10がアルキル基およびアリール基である場合には、これらは、フッ素化または過フルオロ化されていてもよい。有利なフッ素化アルキル基は、トリフルオロメチルである。
【0071】
本発明の適切な実施態様において、式IまたはII中のうち少なくとも1個の基RまたはR1〜R10は、極性(親水性)基であり、通常は水溶性の触媒が生じる。W’COO−M+、W’SO3 −M+、W’PO3 2 -M+ 2、W’NR’3 +X-、W’OR’、W’NR’2、W’COOR’、W’SR’、W’(CHR’CH2O)R’x、W’(CH2NR’)xR’、W’(CH2CH2NR’)xR’またはW’((CH2)4O)xR’(式中、W’、M+、X−、xおよびR’は上記の意味である)から選択される極性基が有利である。
【0072】
置換基RおよびR1〜R10の少なくとも1個は、付加的に配位可能な二座または多座のリガンドを生じる三価のリン原子団または三価の窒素原子団を有することができる。ホスファン基、ホスフィナイト基、ホスホニット基およびホスファイト基ならびにη5−ホスホリル錯体またはホスファベンゼン原子団が特に有利である。
【0073】
基R1〜R10は、有利には他のヘテロ原子を有さない炭化水素基である。
【0074】
有利な1実施態様において、架橋WおよびW’は、単結合であるかまたは環状または芳香族基の構成成分であってもよい1〜6個の炭素原子を有する架橋である。これらは、単結合でも低級アルキレン基、例えば、C1〜10−アルキレンであってもよい。
【0075】
式IIの化合物中、2個の基Rは一緒になっておよび/または基Rは、環状または芳香族基の構成成分であってよく、かつ/またはヘテロ原子により中断されていてもよい1〜20個の炭素原子を有する架橋であることができる。第一の有利な実施態様において、架橋基は、C1〜10−アルキレン鎖である。場合により、架橋アルキレン鎖は、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよび/またはヘタリールで置換されており、かつこれらは、場合により上記の置換基1個、2個または3個有することができる。架橋アルキレン鎖は、アルキレン鎖中の炭素原子の数に応じて、1個、2個、3個または4個の二重結合を有し、かつ/または場合により置換された隣り合わない1〜10個、例えば、1個、2個または3個のヘテロ原子により中断され、かつ/またはシクロアルキル、アリールまたはヘタリールで1回、2回または3回縮合することができる。有利には、C1〜15−アルキレン鎖であるのが有利であり、特に有利にはC1〜10−アルキレン鎖、例えば、C6−またはC3−アルキレン鎖であるのが有利である。
【0076】
式IIの化合物中、2つの基Rが一緒におよび/または基Wがアリール縮合されたアルキレン架橋である場合には、縮合されたアリーレンは、ベンゼンまたはナフタレンであるのが有利である。
【0077】
縮合されたベンゼン環は、有利には非置換であるか、またはさらに、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、SO3H、スルホネート、NE1E2、アルキレン−NE1E2、トリフルオロメチル、ニトロ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アシルおよびシアノから選択される1個、2個または3個の、特に1個または2個の置換基を有するのが有利である。縮合されたナフタレンは、有利には非置換であるか、または非縮合環中および/または縮合環中に、それぞれ1個、2個または3個、特に1個または2個の予め縮合ベンゼン環で記載された置換基を有する。
【0078】
架橋基は、非置換C2〜6−アルキレン架橋であるのが有利である。
【0079】
2つの基Rが一緒におよび/または基Wがさらに、20個まで、特に10個までの場合により置換された隣り合わないヘテロ原子により中断されたC2〜20−アルキレン架橋であるのが有利である。これは、O、S、NRαまたはSiRβRγ(この場合、基Rα、RβまたはRγは、相互に独立にアルキル、シクロアルキルまたはアリールである)から選択されるのが有利である。オリゴマーポリオキシアルキレンまたはポリアルキレンイミン架橋であるのが有利である。これは、例えば、予め記載された繰返し単位を有する。
【0080】
もう1つの実施態様により、式II中の化合物中、2つの基Rが一緒におよび/または基Wが、少なくとも21個の炭素原子を有する高分子量のポリオキシアルキレン−またはポリアルキレンイミン架橋を形成することができる。ポリオキシアルキレン−またはポリアルキレンイミン基の数平均分子量は、約400〜50000、特に有利には800〜20000、殊に有利には1000〜10000の範囲内にあるのが有利である。ポリエチレンオキシド、エチレンオキシドと1,2−プロピレンオキシドから成るコポリマー(アルキレンオキシドは任意の順序で、交換されているかまたはブロックの形に構成されていてよい)ならびにポリエチレンイミンであるのが特に有利である。
【0081】
適切な実施態様により、式Iの化合物中、基RまたはR1〜R10のうち1個、および式IIの化合物中、基RまたはR1〜R8のうち1個、または2つの基Rが一緒になって、または基Wは、これらの基に関して前記のものとは異なる、約500〜50000の範囲内の数平均分子量を有する種々のポリマー基である。これらのポリマー基の繰り返し単位は、モノ−およびジオレフィン、ビニル芳香族、α,β−エチレン性不飽和モノ−およびジカルボン酸とC1〜C30−アルカノールとのエステル、N−ビニルアミド、N−ビニルラクタム、開環下に重合可能な複素環式化合物およびこれらの混合物から選択されるモノマーから形式的に誘導される。
【0082】
ポリマー基は、800〜20000、特に有利には2000〜10000の範囲内の数平均分子量を有するのが有利である。
【0083】
モノマーとして有利なモノオレフィンは、C2〜C8−モノオレフィン、例えば、エテン、プロペン、n−ブテン、イソブテンおよび芳香族置換モノオレフィン、例えば、1,1ージフェニルエチレン、1,2−ジフェニルエチレンおよび前記のモノオレフィンの混合物である。モノマーとして有利なジオレフィンは、共役ジエン、例えば、ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチルブタジエン、ピペリレン(1,3−ペンタジエン)およびこれらの混合物である。α,β−エチレン性不飽和モノカルボンまたはジカルボン酸のエステルは、有利には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸またはクロトン酸のエステルから選択される。C1〜C20−アルカノールとのエステルが有利である。これらには、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどが含まれる。モノマーとして適切なビニル芳香族は、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−クロロスチレン、ビニルトルエンおよびこれらの混合物である。適切なn−ビニルアミドは、例えば、n−ビニルホルムアミド、n−ビニルアセトアミド、n−ビニルプロピオンアミドおよびこれらの混合物である。適切なn−ビニルラクタムは、例えば、n−ビニルピロリドン、n−ビニルピペリドン、n−ビニルカプロラクタムおよびこれらの混合物である。開環重合に適切なモノマーは、例えば、環状エーテル、例えば、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシド、環状アミン、環状スルフィド(エチレンスルフィド、チエタン)、ラクトンおよびラクタムである。ε−カプロラクトンおよびε−カプロラクタムが有利である。
【0084】
前記のモノマーは、個々に、それぞれのモノマークラスから成る混合物の形で、ならびに混合物として使用することができる。
【0085】
基として挙げられたポリマーの製造は、一般的に当業者に公知の重合法により行われる。重合すべきモノマーに応じて、これには、カチオンおよびアニオン性開環重合を含めてラジカル重合、カチオン重合およびアニオン重合が含まれる。
【0086】
ポリマー基の製造を、例えば、以下に記載の本発明によるホスファシクロヘキサンを製造するための反応変法によりアニオン重合により行う場合には、モノマーとして有利なアクセプター活性エチレン性不飽和化合物およびエテンが使用される。
【0087】
式Iの化合物中、基RまたはR1〜R10のうち1個、および式IIの化合物中、基RまたはR1〜R8のうち1個、または2つの基Rが一緒になって、または基Wがポリマー基である場合には、ポリオレフィン基(ポリアルケン基)であるのが有利である。これらのポリオレフィンは、ポリマーが組み込まれたモノマーから誘導される繰り返し単位を有し、これはC2〜C6−アルケン、例えばエテン、プロペン、n−ブテン、イソブテン、2個の二重結合を有するオレフィン、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタンジエンおよびこれらの混合物から選択される。共役ジエンを組込むポリオレフィンは、主に1,2および1,4重合生成物を含有することができるか、または任意の割合で1,2および1,4の混合形を含有することができる。共役ジエンの重合の際に、1,2および1,4の割合を調整する方法は当業者に公知である。これには、例えばアニオン重合の場合には、ドナー溶剤、例えば、エーテル、例えば、THFまたはアミンの添加が含まれる。共役ジエンの1,2付加生成物の繰返し単位を有するポリオレフィンは、エチレン性不飽和の側基を有する。1,4付加生成物の繰返し単位を有するポリオレフィンは、主鎖中にエチレン性不飽和基を有する。これらは、場合により部分的または完全に水素化されることもできる。しかし、エチレン性不飽和側鎖を有するポリオレフィン基を有するホスファシクロヘキサンをヒドロホルミル化のための遷移金属錯体中のリガンドとして使用することもできる。この場合に、ヒドロホルミル化条件下で、通常は、アルコール基中のエチレン性不飽和側鎖の少なくとも部分的な反応が行われる。すなわち、極性側鎖を有するリガンドが生じる。
【0088】
式Iの化合物中、基RまたはR1〜R10のうち1個、および式IIの化合物中、基RまたはR1〜R8のうち1個、または2つの基Rが一緒になって、または基Wがポリオレフィン基である場合には、ポリエチレン基またはポリブチレン基であるのが有利である。
【0089】
構造II中、架橋Wに結合していないホスファシクロヘキサン環の位置は、さらに基RもしくはR1〜R10を有することができる。
【0090】
基R’は、水素またはC1〜6−アルキル、例えば、メチル基またはエチル基であるのが有利である。置換基が1個以上の基R’を有する場合には、これらは同じまたは異なる意味を有することができる。
【0091】
有利には、4位のC=Oおよび2位および/または6位のC(CH3)2を除いて、ホスファシクロヘキサンの環炭素原子では、水素とは異なる置換基が最大で1個存在する。例えば、2位および6位、2位、4位および6位、2位、3位、5位および6位に置換基が存在することができる。特に、2位および6位中の置換基、特にアリールが特に有利である。
【0092】
一般式III
【0093】
【化8】
【0094】
[式中、
R11〜R19は、相互に独立に水素、C1〜20−アルキル、C7〜20−アラルキル、C7〜20−アルカリール、C6〜12−アリールであり、その際、1個以上の炭素原子は、ヘテロ原子で置換されていてよく、W’COO-M+、W’SO3 -M+、W’PO3 2-M+ 2、W’NR’3 +X-、W’OR’、W’NR’2、W’COOR’、W’SR’、W’(CHR’CH2O)xR’、W’(CH2NR’)xR’、W’(CH2CH2NR’)xR’であり、
その際、それぞれ2個のビシナルな基R11〜R15および/またはR17およびR18および/またはR16およびR17および/またはR16およびR19および/またはR18およびR10は、結合して環になっていてよく、
W’は、環式または芳香族基の成分であってもよい単結合または1〜20個の炭素原子を有する架橋であり、
R’は、水素またはC1〜6−アルキルであり、
M+は、カチオンであり、
X−は、アニオンであり、
xは、1〜240の数であり、
この場合、基R11〜R19の1個以上は、配位可能な三価のリン原子団または窒素原子団を有することができ、
この場合、R18は、−W’−CR 20 =CR 21 R22(ここで、R20、R21、R22は、R11〜R19で記載したものである)であることができる]
の化合物から選択されるホスファシクロヘキサンを含むリガンドを使用するのが有利である。
【0095】
リガンドとして、次の式I.a〜I.gおよびII.a
【0096】
【化9】
【0097】
[式中、
Rは、C1〜20−アルキル、シクロアルキル、C6〜12−アリール、W’(CHR’CH2O)xR’、W’((CH2)4O)xR’であるか、または500〜50000の範囲内の数平均分子量を有するエチレンおよび/またはブタジエンから構成されるポリマー基を表し、
この場合、W’は単結合またはC1〜4−アルキレンを表し、かつ
R’は、水素またはC1〜20−アルキルを表し、
xは、1〜240の数を表し、
R23、R23’、R24、R24’、R25、R25’、R26、R26’、R28、R28’、R29、R29’、R30およびR31は、相互に独立に、水素、アルキル、アルコキシ、カルボキシル、カルボキシレート、トリフルオロメチル、−SO3H、スルホネート、NE1E2またはアルキレン−NE1E2であり、その際、E1とE2は、相互に独立に水素、アルキルまたはシクロアルキルを表し、
R27は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキルを表し、
R32、R33、R34、R35、R36、R37およびR38は、相互に独立にアルキルまたはシクロアルキルを表し、
R’’は、水素またはフェニルを表し、
A1およびA2は、これらが結合している隣接したホスファシクロヘキサンの炭素原子と一緒に、それぞれ1個または2個の他の環を有する縮合環系を表し、
Wは、ヘテロ原子により中断されていてもよい1〜20個の炭素原子を有する架橋を表す]
の化合物から選択されるホスファシクロヘキサンを使用するのが特に有利である。
【0098】
式I.a〜I.fおよびII.aの化合物中、基R23、R23’、R24、R24’、R25、R25’、R26、R26’、R28、R28’、R29、R29’、R30およびR31は、相互に独立に水素、C1〜4−アルキル、有利には、メチル、エチル、イソプロピル、tert.-ブチル、C1〜4−アルコキシ、有利にはメトキシを表す。
【0099】
R27は、アラルキル、特にベンジルを表すのが有利である。
【0100】
R32、R33およびR34は、相互に独立にC1〜4−アルキル、特に有利にはtert.-ブチルを表すのが有利である。
【0101】
R35、R36、R37およびR38は、相互に独立にC1〜4−アルキル、特にメチルを表すのが有利である。
【0102】
縮合環系A1およびA2の環は、5−員環から7−員環であるのが有利である。特に、ベンゼン、ナフタレンおよびこれらの部分水素化生成物または過水素化生成物から誘導される環系が有利である。縮合環は、有利には、非置換であるか、または環あたりアルキル、アルコキシ、ハロゲン、SO3H、スルホネート、NE1E2、アルキレン−NE1E2、トリフルオロメチル、ニトロ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アシルおよびシアノから選択される置換基1、2または3個、特に1個または2個を有するのが有利である。
【0103】
式II.a中、基WはC1〜10−アルキレン基、例えば、C2〜8−アルキレン基を表すのが有利である。基Wは、さらに10個までの隣り合わない酸素原子により中断されていてもよい1〜20個の炭素原子を有する架橋を表すのが有利である。この場合に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフランおよびこれらの任意の組合せから誘導される繰り返し単位を有する低分子量のポリオキシアルキレン基であるのが有利である。基Wは、さらに21個以上の炭素原子を有するポリオキシアルキレン基を有することができる。
【0104】
R23、R24、R25、R26、R27、R28およびR29が水素を表す式I.aの化合物が有利である。さらに、R25、R26、R27が水素であり、R23、R24、R28およびR29がC1〜4−アルキル、特に有利にはメチルを表す式I.aの化合物が有利である。さらにR23およびR28がC1〜4−アルキル、特に有利にはメチルであり、かつR24、R25、R26、R2 7およびR29が水素を表す式I.aの化合物が有利である。式I.aの化合物のホスファシクロヘキサン環の2位および6位中のフェニル基は、それぞれ2位にアルキル基または2位および4位に2個のアルキル基を有するのが有利である。式I.a(例えば、I.b〜I.fおよびII.a)の化合物中、基RはC1〜14−アルキル、例えば、プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、n−オクチル、2ーエチルヘキシル、ドデシルならびにシクロヘキシル、メトキシエトキシエチルまたはポリマー基、例えば、ポリエチレン基またはポリブチレン基を表すのが有利である。
【0105】
式I.bの化合物中、基R23、R24、R25、R26、R28、R29、R30およびR31が、水素およびC1〜4−アルキル、特に有利には水素から選択されるのが有利である。
【0106】
式I.cの化合物中、基R32、R33およびR34は、tert.−ブチルであるのが特に有利である。
【0107】
式I.eの化合物は、1,2,7,8−ジベンゾ−3,4,5,6−テトラヒドロ−9−ホスファアントラセン骨格を表すのが特に有利である。
【0108】
式I.fの化合物中、基R23、R24、R25、R26、R28およびR29が、水素およびC1〜4−アルキル、特に有利にはメチルから選択されるのが特に有利である。式I.fのホスファシクロヘキサノンのフェニル基は、水素とは異なる置換基1個を2位に、水素とは異なる置換基2個を2位および4位に、または水素とは異なる置換基3個を2位、4位および6位に有するのが有利である。
【0109】
基R35、R36、R37およびR38が、C1〜4−アルキル、特にメチルを表す式I.gの化合物が特に有利である。
【0110】
式II.aの化合物の特に有利な置換基は、予め式I.1の化合物で記載したものが該当する。架橋基Wは、有利にはC1〜10−アルキレン基、例えば、C2〜8−アルキレン基を表す。
【0111】
本発明による方法に適切な触媒系は、上記のリン含有リガンド以外の錯体形成剤を有することができる。このための例は、カルボニルまたはヒドリド基、窒素含有リガンド、例えば、アミン、アミドまたは窒素複素環、スルフェート、ニトレートまたはカルボキシレートである。本発明による方法において使用するために適切であるホスフィンリガンドを有さないロジウム触媒を、以下に“裸の”ロジウム触媒と称する。
【0112】
“裸の”ロジウム触媒およびオレインのヒドロホルミル化の際のその使用は、例えば、Chem. Ber. 102, 2238(1969), Tetrahedron Lett. 29, 3261(1968)およびHydrocarbon Process. 85-86ページ(1975)に見出すことができる。これらの分野に関連する特許出願もしくは特許、US 4,400,547、DE-A-3338340、DE-A-2604545およびWO 82/03856が存在する。
【0113】
本発明による使用のために特に適切であるのは、DE-A-19801437に記載されているロジウム触媒である。この場合、これらはリガンドとして誘導化され、主として水不溶性であり、かつ少なくとも10個の窒素原子を有する>1000ダルトンの平均分子量を有する錯形成可能なポリアミンを有するロジウム触媒である。
【0114】
特に、リガンドは1000ダルトン以上の平均分子量を有する誘導化ポリアミンである。最も有利な実施態様において、ポリアミンは、主に以下の式(IV)
【0115】
【化10】
【0116】
の単位から成るポリエチレンアミンである。
【0117】
式I中、m+nの合計は少なくとも10であり、かつm/m+nの比は、0.01〜1であり、Rは30個までの炭素原子を有する同じまたは異なるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルカルボニル基または500個までのアルキレンオキシ単位を有するヒドロキシアルキル(ポリ)オキシアルキレン基である。
【0118】
DE-A-19801437に開示されているロジウム錯体は、本発明の完全な成分であり、かつ参照して本願中に導入する。
【0119】
本発明により使用されるロジウム触媒の使用量は、一般的には約1〜150ppm、有利には1〜100ppmの範囲内である。反応温度は、一般的には室温から200℃、有利には50〜180℃、特に80〜150℃の範囲内である。反応は、約10〜1000バール、有利には20〜650バール、特に有利には80〜350バールの高圧で行うことができる。
【0120】
H2:COのモル量比は、一般的には約1:5〜5:1、有利には1:2〜2:1である。
【0121】
ヒドロホルミル化の際に生じるアルデヒドもしくはアルデヒド/アルコール混合物は、水素化の前に所望の場合に、なお当業者に公知の通常の方法により単離し、かつ場合により精製することができる。ヒドロホルミル化触媒を水素化する前に、反応混合物から除去するのが有利である。一般的には、場合により後処理した後に新たにヒドロホルミル化のために使用することができる。水素化のために、ヒドロホルミル化の際に得られた反応混合物を、水素化触媒の存在で水素と反応させる。
【0122】
適切な水素化触媒は、一般的には、活性および安定性を高めるために担体、例えば、活性炭、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、珪藻土など上に設置された遷移金属、例えば、Cu、Cr、Mo、W、Fe、Rh、Co、Ni、Pd、Pt、Ru等であるか、またはこれらの混合物であることができる。触媒活性を高めるために、Fe、Coおよび有利にはNiをラネーニッケルの形で、非常に大きな表面積を有するメタルスポンジとして使用することができる。工業的に構築された不均一触媒、例えば、アップフロー法またはダウンフロー法によりまたは懸濁液中で使用される担持触媒または非担持触媒上の活性材料を使用することもできる。圧力は、約5〜350バールの範囲内にあるのが有利である。水素を僅かなモル過剰で使用するのが有利である。
【0123】
アルデヒドをアルコールに還元するために他の方法を使用することもできる。これには、錯体水素化物、例えば、LiAlH4およびNaBH4を用いる還元、ブーヴォー・ブランによるエタノール中のナトリウムを用いる還元ならびに他の公知の方法が含まれる。
【0124】
本発明によるアルコール混合物は、記載された本発明による方法により有利な方法で得ることができる。大工業的に入手可能なC12〜14−モノオレフィン混合物を、本発明による方法によりロジウム触媒の存在でヒドロホルミル化し、続いて水素化する場合には、コバルト接触ヒドロホルミル化により製造されたC13〜15−アルコール混合物の異性体分布とは異なる異性体分布を有するC13〜15−アルコール混合物が得られる。その際に、本発明によるアルコール混合物は、加工後に有利な特性を有する表面活性化合物を生じる。これには、例えば、良好な生分解能、僅かな起泡性が含まれ、僅かな濃度範囲に広がるゲル範囲が含まれる。
【0125】
本発明のもう1つの対象は、官能化されたアルコール混合物の製法であり、その際、アルコール混合物に予め記載されたアルコキシル化、グリコシド化、硫酸化、リン酸化、アルコキシル化に続く硫酸化またはアルコキシル化に続くリン酸化を行う。
【0126】
本発明の対象は、
a)主に12個および14個の炭素原子を含有するオレフィンを含有し、かつ線状α−オレフィンおよびこれとは異なるオレフィン5〜20質量%の含量を有するモノオレフィン混合物を製造し、
b)ロジウム触媒の存在で一酸化酸素と水素を反応させることにより、モノオレフィン混合物をヒドロホルミル化し、続いて水素化し、
c)工程b)からのアルコール混合物に、アルコキシル化、グリコシド化、硫酸化、リン酸化、アルコキシル化に続いて硫酸化またはアルコキシル化に続いてリン酸化を行う、官能化されたアルコール混合物の製法である。
【0127】
アルコール混合物のアルコキシル化は、少なくとも1種のアルコキシドとの反応により行われる。一般式II
【0128】
【化11】
【0129】
[式中、Rbは、水素または直鎖状または分枝鎖のC1〜C16−アルキル基を表す]
の化合物から選択されるアルコキシドおよびこの混合物が有利である。
【0130】
式II中の基Rbは、直鎖状または分枝鎖のC1〜C8−アルキル基、特にC1〜C4−アルキ基であるのが有利である。
【0131】
エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ペンチレンオキシドおよびこれらの混合物から選択されるアルキレンオキシドが有利である。
【0132】
アルコール混合物と1種または複数のアルキレンオキシドとの反応は、一般的に当業者に公知の方法により、かつこのために一般的な装置中で行われる。
【0133】
官能化されたアルコール混合物のポリエーテル鎖の平均鎖長は、アルコール対アルキレンオキシドのモル量比により決定することができる。約1〜200、有利には1〜100、特に1〜50個のアルキレンオキシド単位を有するアルコキシル化されたアルコール混合物を製造するのが有利である。
【0134】
アルコール混合物は、所望の場合に、1個のアルキレンオキシドだけか、または2個以上の種々のアルキレンオキシドと反応させることができる。アルコール混合物と、2個以上のアルキレンオキシドから成る混合物と反応させる場合には、得られるアルコキシレートは、主にアルキレンオキシド単位をランダムに分布した形で含有する。アルキレンオキシドを別々に相互に使用する場合には、添加の順序に相応して、ブロックの組み込み重合されたアルキレンオキシド単位を含有する。
【0135】
アルコキシル化は、強塩基、例えば、アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物、ブレンステッド酸またはルイス酸、例えば、AlCl3、BF3等により触媒することができる。
【0136】
アルコキシル化は、有利には約80〜250℃、有利には約100〜220℃の範囲内の温度で行うことができる。圧力は、有利には周囲圧力と600バールの間である。所望の場合には、アルキレンオキシドは不活性ガス混合物を、例えば、5〜60%含有することができる。
【0137】
アルコキシル化により得られる官能化されたアルコール含有混合物は、非常に良好な表面活性を示し、かつ非イオン性界面活性剤として多くの適用分野において有利に使用することができる。
【0138】
本発明により製造されるアルコール混合物は、所望の場合に、アルキル化剤、例えば、塩化メチル、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、塩化ブチルおよびイソブテンと反応させて、末端基がアルキル化された界面活性剤にすることができる。
【0139】
アルコール混合物のグリコシド化は、本発明によるアルコール混合物とモノ、ジまたはポリサッカリドとを1回、2回または複数回反応させることにより行われる。反応は、当業者に公知の通常の方法により行われる。これには、一方では水の排除下での酸性触媒反応が含まれる。適切な酸は、例えば、鉱酸、例えば、HClおよびH2SO4である。ここで、通常は、ランダムな鎖長分布を有するオリゴ糖が得られる。オリゴマー化の平均度は、1〜3個のサッカリド基の場合に有利である。もう1つの有利な方法によれば、サッカリドをはじめに、低分子量のC1〜C8−アルカノール、例えば、エタノール、プロパノールまたはブタノールと反応させることによりアセタール化することができる。アセタール化は、有利には酸触媒作用により有利に行うことができる。この場合に生じる低分子量のアルコールを有するグリコシドを、引き続き本発明によるアルコール混合物と反応させて相応するグリコシドにすることができる。この反応は、一般的にはサッカリド水溶液中でも適切である。さらに適切な方法により、サッカリドをはじめにハロゲン化水素と反応することにより、相応するo−アセチルハロサッカリドに変換し、引き続き酸結合化合物の存在で本発明によるアルコール混合物と反応させてグリコシド化することができる。
【0140】
グリコシド化のためにモノサッカリドを使用することができる。特に、ヘキソース、例えば、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース等およびペントース、例えば、アラビノース、キシロース、リボース等を使用することができる。グルコースを使用するのが特に有利である。サッカリドは、個々にまたは混合物の形で使用することができる。サッカリド混合物が使用される場合には、一般的にはランダムに分布した糖鎖を有するグリコシドが得られる。アルコールヒドロキシル基でのサッカリドの多重付加反応の場合には、本発明によるアルコール混合物のポリグリコシドが生じる。ポリグリコシド化するために、複数のサッカリドを相互に使用するか、または混合物として使用することができ、その結果得られる官能化アルコール混合物は、サッカリドをブロックの形でまたはランダムに分布して組み込まれた形で含有する。反応条件、特に反応温度に応じて、フラノースまたはピラノース構造が生じる。
【0141】
グリコシド化のための適切な方法および反応条件は、例えば、Ullmanns Encyclopedia of Industrial Chemistry, 第5版, 第A25巻(1994)、792〜793ページおよびそこに引用された文献中に記載されている。
【0142】
グリコシド化により得られる官能化アルコール混合物は、非常に良好な表面活性を示し、かつ数多くの適用分野において、非イオン性界面活性剤として有利に使用することができる。
【0143】
予め記載されたアルコール混合物またはアルコキシル化アルコール混合物の硫酸化またはリン酸化は、硫酸または硫酸誘導体と反応させて酸性アルキルスルフェートもしくはアルキルエーテルスルフェートにするか、またはリン酸またはリン酸誘導体と反応させて酸性アルキルホスフェートもしくはアルキルエーテルホスフェートにすることにより行われる。
【0144】
アルコールを硫酸化するための適切な方法は、例えば、US 3,462,525、US 3,420,875またはUS 3,524,864に記載されているように当業者に公知であり、ここに参照して本願中に導入する。硫酸化のための適切な方法は、Ullmanns Encyclopedia of Industrial Chemistry, 第5版, 第A25巻(1994)、779〜783ページおよびそこに引用された文献中にも記載されている。
【0145】
本発明によるアルコール混合物を硫酸化するために、硫酸を使用する場合には、これらは75〜100質量%、特に85〜98質量%であるのが有利である。このタイプの硫酸は、濃硫酸またはおよび硫酸化バリウムの名称で入手可能である。
【0146】
所望の場合には、硫酸を用いる硫酸化のために溶剤または希釈剤を使用することができる。適切な溶剤は、例えば、水と共沸混合物を形成できる、例えば、トルエンのようなものである。
【0147】
硫酸化されたアルコール混合物を製造するために適切な実施態様において、アルコール混合物を反応容器に装入し、かつ硫酸化剤を連続的に混合しながら添加する。できるだけ完全なアルコール混合物のエステル化を達成するために、アルコール対硫酸化剤のモル量比は、有利には約1:1〜1:1.5、特に1:1〜1:1.2である。所望の場合に、例えば、非イオン性およびアニオン性表面活性化合物から成る混合物を製造する予定の場合には、アルコキシル化アルコール混合物の硫酸化の際に硫酸化剤を亜当量で使用することもできる。硫酸化は、有利には周囲温度〜80℃、特に40〜75℃の範囲内の温度で行われる。
【0148】
さらに適切な硫酸化剤は、例えば、三酸化硫黄、三酸化硫黄錯体、硫酸中の三酸化硫黄の溶液(oleum)、クロロスルホン酸、塩化スルフリル、アミドスルホン酸などである。三酸化硫黄を硫酸化剤として使用する場合には、反応を流下膜式蒸発缶中で、有利には向流で行うのが有利である。この場合に、反応を不連続的または連続的に行うことができる。
【0149】
硫酸化の際に生じる反応混合物の後処理は、当業者に公知の一般的な方法により行われる。これには、例えば、場合により使用された溶剤の中和、分離が含まれる。
【0150】
予め記載されたアルコール混合物およびアルコキシル化アルコール混合物のリン酸化は、一般的には硫酸化と同様に行われる。
【0151】
アルコールをリン酸化するための適切な方法は、例えば、Synthesis 1985, 449〜488ページに記載されているように当業者に一般的に公知であり、ここに参照して本願中に導入する。
【0152】
適切なリン酸化剤は、例えば、リン酸、ポリリン酸、五酸化リン、POCl3等である。POCl3を使用する場合には、残りの酸クロリド官能性はエステル化の後に加水分解される。
【0153】
硫酸化またはリン酸化により得られる官能化アルコール混合物およびそれらの塩は、非常に良好な表面活性を示し、かつアニオン性界面活性剤として多くの適用範囲において有利に使用することができる。
【0154】
本発明のもう1つの対象は、予め記載された方法により得られる官能化アルコール混合物およびそれらの塩である。
【0155】
本発明のもう1つの対象は、前記のような官能性アルコール混合物の界面活性剤としての使用、分散剤としての使用または分散剤中での使用、紙助剤としての使用または紙助剤中での使用、テキスタイル助剤としての使用またはテキスタイル助剤中での使用、レザー助剤としての使用またはレザー助剤中での使用、洗剤としての使用または洗剤中での使用、腐食防止剤としての使用または腐食防止剤中での使用、分散剤用の助剤としての使用または分散剤用の助剤中での使用、エンクラステーション阻害剤としての使用またはエンクラステーション阻害剤中での使用、ならびに金属加工工業用の製品、電気メッキ法用の製品、塗料、印刷インク、顔料調製物、植物保護調整物、水処理、またはプラスチック加工工業における使用である。
【0156】
特に、アリコキシレートは有利な特性を示す。本発明によるアルコールから入手可能なC13〜C15−アルコールアルコキシレートは、生分解能を測定した際に(OECD 301 Bにより)、比較可能なアルコキシレートよりも著しく速い60%CO2−形成の通過レベルを達成した。本発明による界面活性剤は、特に廃水に影響する適用分野、例えば、洗剤および硬質表面用クリーナー(hard surface cleaner)おいて使用されるため、これは決定的に有利である。
【0157】
さらに本発明のC13〜C15−アルコールアルコキシレートのゲル化挙動もまた意外であった。当業者にとっては、ゲル化範囲がアルコールの直線性に依存することが公知である。本発明の範囲内において、この直線性は、線状アルコールおよび2−メチルまたは2−エチル構造を有するものを含めて非分枝アルコールと低い程度の分枝を有するアルコールとの合計として定義されている。直線性が比較的に高い場合には、得られる界面活性剤は、際立ったゲル化挙動、すなわち水での希釈においてより広いゲル相を有する。しかし、水中における種々の濃度での本発明の界面活性剤のブルックフィールド粘度測定は、ゲル範囲が完全に無いか、もしくは著しく減少したゲル範囲を示している。
【0158】
これは、特に、固体洗剤および固体洗浄剤において利点をもたらし、この場合に、これらの洗剤および洗浄剤が粉末、顆粒、押出物または錠剤の形で存在するか否かには関係がない。これらの固体製品を水中に溶解することにより、移動すべきゲル相は著しく少なくなり、ひいては溶解がより急速に進行し、このことは、洗浄すべき製品において、十分な界面活性剤濃度の長い作用時間で、有利にはたらくことになる。これにより洗浄力は高められる。
【0159】
もう1つの意外な効果は、本発明によるC13〜C15−アルコールを基礎とする界面活性剤の僅かな起泡性である。一般的に、線状アルコールを基礎とする界面活性剤は、分枝アルコールを基礎とする界面活性剤よりも著しく起泡性であるということが当てはまる。本発明による界面活性剤では、この理論と矛盾する結果となる。
【0160】
僅かな起泡性は、同様に多くの洗剤および洗浄剤において有利である。従って、少量の抑泡剤、例えば、シリコーンまたはアルコールプロポキシレートを使用することができる。これは、特に固体および液体の洗剤の場合には重要である。他方で、この界面活性剤は、洗浄法において著しく起泡を低下させる理由で、例えば、スプレー洗浄法および高圧洗浄において幅広く使用することができる。
【0161】
洗剤において、本発明による界面活性剤、有利には非イオン性C13〜C15−アルコールアルコキシレートは、当業者に公知の一般的な添加剤を0.1〜40質量%、有利には0.5〜30質量%、最も有利には1〜20質量%の量で組合わせることができる。適切な添加剤の例には、次のものが含まれる:
−ビルダーおよび補助ビルダー、例えば、ポリホスフェート、ゼオライト、ポリカルボキシレート、ホスホネート、シトレート、錯体形成剤、
−イオン性界面活性剤、例えば、アルキルベンゼンスルホネート、α−オレフィンスルホネートおよび他のアルコールスルフェート/アルコールエーテルスルフェート、ならびに本発明によるC13〜C15−アルコールスルフェート/アルコールエーテルスルフェート、スルホスクシネート、
−他の非イオン性界面活性剤、例えば、アルキルアミノアルコキシレートおよびアルキルポリグリコシド、非晶質界面活性剤、例えば、アルキルアミノオキシド、ベタイン、ならびに本発明によるC13〜C15−アルキルポリグルコシド、−光学的光沢剤、
−変色防止剤、例えば、ポリビニルピロリドン、
−増量剤、例えば、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、
−防汚剤、例えば、ポリエーテル/ポリエステル、カルボキシメチルセルロース、
−エンクラステーション防止剤、例えば、ポリアクリレート、アクリル酸およびマレイン酸から成るコポリマー、
−漂白剤、例えば、過ホウ酸塩または過炭酸塩と、漂白活性剤、例えば、テトラアセチルエチレンジアミンと、漂白安定剤とから成る漂白系、
−芳香剤
−抑泡剤、例えば、シリコーン油、アルコールプロポキシレート(特に液体洗浄剤)
−酵素、例えば、アミロース、リパーゼ、プロテアーゼまたはカルボキシラーゼ、
−アルカリドナー、例えば、メタケイ酸塩五ナトリウムまたは炭酸ナトリウム。
【0162】
他の当業者に公知の成分が同様に存在することができる。
【0163】
通常の形の粉末状洗浄剤は、通常の形で約450g/lの平均嵩密度を有する。コンパクトまたは極めてコンパクトな洗浄剤は、>600g/lの嵩密度を有する。これらのの重要性は、常に増大する。
【0164】
液体洗浄剤は、溶剤、例えば、エタノール、イソプロパノール、プロピレン1,2−グリコールまたはブチレングリコールを含有していてもよい。
【0165】
ゲルタイプの洗浄剤は、増粘剤、例えば、多糖類および弱く架橋されたポリカルボキシレート(例えば、BF Goodrich 社製のCarbopol(R) grades)を含有することができる。
【0166】
錠剤形の洗浄剤は、他の添加剤を必要とする。これらの例は、錠剤助剤、例えば、モル質量>1000g/molを有するポリエチレングリコールまたはポリマー分散剤である。錠剤崩壊剤、例えば、セルロース誘導体、架橋ポリビニルピロリドン、架橋ポリアクリレートまたは酸、例えば、クエン酸、炭酸ナトリウムとの組合せも必要である。
【0167】
硬質表面用のクリーナー、例えば、酸性クリーナー、アルカリ性クリーナー、中性クリーナー、皿洗い機用、金属脱脂用、ガラスクリーナー用および床用クリーナーを一例として挙げるにとどめ、本発明の非イオン性C13〜C15−アルコールアルコキシレートを、以下に記載される添加剤0.01〜40質量%、有利には0.1〜20質量%の量と組み合わせて含有することもできる。
【0168】
−イオン性界面活性剤、例えば、本発明によるC13〜C15−アルコールスルフェート/アルコールエーテルスルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、α−オレフィンスルホネート、他のアルコールスルフェート/アルコールエーテルスルフェート、スルホスクシネート
−他の非イオン性界面活性剤、例えば、アルキルアミンアルコキシレートおよびアルキルポリグリコシドならびに本発明によるC13〜C15−アルキルポリグリコシド、
−非晶質界面活性剤、例えば、アルキルアミンオキシド、ベタイン
−ビルダー、例えば、ポリホスフェート、ポリカルボキシレート、ホスホネート、錯体形成剤
−分散剤、例えば、ナフタレンスルホン酸縮合物、ポリカルボキシレート
−pH−調整剤化合物、例えば、アルカリ、例えば、NaOH、KOHまたはペンタナトリウムメタシリケートまたは酸、塩酸、リン酸、アミド硫酸、クエン酸−酵素、例えば、リパーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、カルボキシラーゼ、
−芳香剤、
−染料、
−殺虫剤、例えば、イソチアゾリノン、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、
−漂白剤、例えば、過ホウ酸塩または過炭酸塩と、漂白活性剤、例えば、テトラアセチルエチレンジアミンと、漂白安定剤から成る漂白系、
−安定剤、例えば、クメンスルホネート、トルエンスルホネート、短鎖脂肪酸、アルキル/アリールホスフェート、
−溶剤、例えば、短鎖アルキルオリゴグリコール、アルコール、例えば、エタノールまたはプロパノール、芳香族溶剤、例えば、トルエンまたはキシレン、Nーアルキルピロリドン、アルキレンカーボネート、
−増粘剤、例えば、多糖類および弱く架橋されたポリカルボキシレート(例えば、BF Goodrich 社製のCarbopol(R) grades)。
【0169】
硬質表面用のこれらのクリーナーは、専ら水性の状態で存在するだけではなく、ミクロエマルション、エマルションまたは溶剤の形で存在する。
【0170】
固体の形で存在する場合には、付加的に上記のような増量剤を使用することができる。
【0171】
錠剤形クリーナーは、さらに添加剤が必要である。これは、例えば、錠剤助剤、例えば、モル質量>1000g/molを有するポリエチレングリコールまたはポリマー分散液である。錠剤崩壊剤、例えば、セルロース誘導体、架橋ポリビニルピロリドン、架橋ポリアクリレートまたは酸、例えば、クエン酸、炭酸ナトリウムから成る組合せも必要である。
【0172】
界面活性剤は、有利には他の化学工業的プロセス、例えば、一般的には金属加工工業、例えば次のものにおいて数多く使用できる。
【0173】
−冷却滑剤、
−急冷油
−液体油エマルション
−ポリッシングペースト
−離型剤
−引抜油
−酸洗い剤
−金属クリーナー
−金属乾燥剤。
【0174】
この場合に、界面活性剤は、特に高い熱安定性が重要であるこれらのプロセス中で有利に使用することができる。
【0175】
界面活性剤は、テキスタイルの製造および加工において使用することもできる。テキスタイルを製造および加工する際の界面活性剤の使用は、著しく多方面にわたり、主に以下の分野を対象とする。
【0176】
−繊維の前処理剤
−レーヨン繊維の製造
−紡績製造およびテキスタイル滑剤
−染料助剤
−仕上げ剤
−撥水剤
−印刷用助剤
−静電防止剤
−フロック剤および被覆剤。
【0177】
さらに、レザー工業、製紙工業、印刷工業、ガルバンおよび電気メッキ工業において界面活性剤を使用することができる。この場合に、重要な適用分野は、塗料、顔料および印刷インクである。これらの適用分野において界面活性剤を使用する場合には、水性系においても非水性系においても使用することもできる。非水性系の場合には、これは特に分散助剤、沈殿防止剤またはレベリング剤として使用される。さらに界面活性剤は、いわゆるハイソリッド系の製造を可能にし、その際に、これらは、乳化重合または乳化縮重合により製造されるポリマー分散剤ベースのバインダーを安定化するだけではなく、頻繁に使用された有機または無機顔料用の分散助剤としてもはたらく。この他に、前記界面活性剤は、これらの塗料の粘着性を改善する。
【0178】
前記界面活性剤は、水処理、例えば、廃水浄化にも使用できる。
【0179】
さらに界面活性剤は、植物保護調製物中で使用することもできる。
【0180】
化合物は、プラスチック製造およびプラスチック加工工業において界面活性剤または乳化剤として使用することもできる。プラスチック製造およびプラスチック加工における主な適用分野は、以下のもの
−ポリマー分散剤の製造
−粒状重合の製造
−フォームの製造
−表面活性離型剤の使用
−マイクロカプセルの製造
−充填剤とプラスチックとの間の粘着の改善
−特定の効果、例えば、起泡性、充填剤相容性または湿潤力を達成するためのポリマー分散剤用の添加剤
−非水性系用の乳化剤
−プラスチックの着色
−プラスチックへの帯電防止特性の付与
−接着剤である。
【0181】
本発明の方法を以下の実施例により詳述する。この場合に生分解性は、OECDガイドラインにより、特別なOECD 301 Bにおいて試験した。起泡性は、2g/lの濃度でDIN 53902 Sheet 1により試験した。数値は、DIN 標準中のV2値に相当して挙げられている。粘度は、LVTタイプのB型粘度計を用いて測定した。>10000mPasの粘度の場合には、ゲルが存在すると想定した。予め界面活性剤を水で希釈しておき、かつ溶液中に泡が見られないように注意した。
【0182】
実施例
例1 C12〜C14−オレフィン混合物のロジウム接触ヒドロホルミル化およびそれに続く水素化によるC13〜C15−アルコール混合物の製造
表1中に挙げられた組成物との工業的C12〜C14−α−オレフィン混合物を、連続的に運転するヒドロホルミル化ユニット中でヒドロホルミル化した。この場合に、オレフィン混合物および触媒溶液を、それぞれ1.6リットルの液体体積を有する2個の撹拌オートクレーブ反応器から成るカスケード中に導入し、そこで115℃の温度(1番目の反応器)および135℃の温度(2番目の反応器)で、反応器内容物約20mg/kgのロジウム濃度で、280バールでCO/H2 1:1の混合比の合成ガスと反応させた。触媒は、DE-A 19801437の例4に相応して製造され、その平均モル質量Mwが460000であり、かつ含有されたアミン基に対してラウリン酸約60モル%でアミド化されたポリエチレンイミンを含有しており、これにより触媒相および反応領域中で均一に溶解できるようになる。ポリマーリガンドからの窒素対ロジウムのモル比は、約100であった。反応器の放出物を圧放し、かつ残留ガスを分離した。液相を蒸発器中に導入し、170℃の温度および約10ミリバールの圧力で塔頂流を分離した。
【0183】
全体のオレフィンに対する転化率は、98.3%であり、選択性(アルデヒド+アルコール)は98%であり、パラフィンの選択性は1%であり、かつ所定の高沸点アルデヒド凝縮生成物中の選択性は1%であった。塔底流は、ロジウム触媒およびアミド化されたポリエチレンイミンおよび実質的にアルデヒドの高沸点凝縮生成物を含有しており、かつ触媒溶液として反応範囲に戻される。蒸発器からの塔頂流を、さらに事前の処理をせずに連続的に運転される水素化プラント中で水素化した。この場合に、不均一触媒(担持Cu触媒)を備えた管状反応器中、170℃、および水素圧280バールで、ダウンフロー法により水10質量%を添加することにより、この流を水素化した。放圧し、かつ水素を分離され次第、粗製放出物を分別蒸留した。炭化水素を廃棄した。C13〜C15−アルコールフラクションを全て合わせ、かつガスクロマトグラフィーにより内部標準および補正率を用いて、それらの組成物を決定した(表II)。
【0184】
【表1】
【0185】
例2(比較例)
C12〜C14−オレフィン混合物のコバルト接触ヒドロホルミル化およびそれに続く水素化によるC13〜C15−アルコール
表Iに示された組成物を有する例1からのC12〜C14−α−オレフィン混合物を例1に記載された方法でヒドロホルミル化した。例1とは異なり、ロジウム触媒およびポリエチレンイミンリガンドの代わりに、ヒドロホルミル化触媒として、他のリガンドを有さないジコバルトオクタカルボニルを、反応器内容物1000gに対してコバルト2gの量で使用した。例1と同様に、同じオレフィン供給物の場合に、98〜99%のオレフィン転化率が達成するために、140℃の反応器温度が両方の反応器中で必要であった。(アルデヒド+アルコール)の選択性は94%であり、パラフィンの選択性は3%であり、かつ高沸点アルデヒド縮合生成物を生じる選択性は3%であった。反応器を放圧した後、コバルトカルボニルが酸化されて酢酸コバルトを生じるまで、大気酸素を導入しながら放出物を酢酸水溶液で処理した。コバルト含有の水相を相分離器中で分離し、かつ例1に相応して有機相を水素化し、かつ蒸留した。C13〜C15−アルコール混合物の組成物は、表III中にまとめられている。
【0186】
【表2】
【0187】
例3〜6:オキソアルコールエトキシレートの製造
例3 エチレンオキシド7molを使用するC13〜C15−オキソアルコールエトキシレートの製造
C13〜C15−脂肪族アルコール416g(例1から)をNaOH1.5gと一緒に2リットル乾燥オートクレーブ中に充填した。このオートクレーブ内容物を150℃まで加熱し、圧力下でエチレンオキシド616gをオートクレーブ中に導入した。オートクレーブ中にエチレンオキシドの全体量が存在した後、オートクレーブを150℃で30分間保持した。冷却後、触媒を酢酸で中和した。
【0188】
得られた界面活性剤は、DIN 53917による10%濃度ブチルジグリコール溶液中の1%濃度中で測定して曇り点77℃を有した。濃度1g/リットルの場合の表面張力は、DIN 53914により測定して27.9mN/mであった。
【0189】
例4 エチレンオキシド11molを使用するC13〜C15−オキソアルコールエトキシレートの製造
C13〜C15−脂肪族アルコール312g(例1から)をNaOH1.5gと一緒に2リットル乾燥オートクレーブ中に充填した。このオートクレーブ内容物を150℃まで加熱し、圧力下でエチレンオキシド726gをオートクレーブ中に導入した。オートクレーブ中にエチレンオキシドの全体量が存在した後、オートクレーブを150℃で30分間保持した。冷却後、触媒を酢酸で中和した。
【0190】
得られた界面活性剤は、DIN 53917による1%濃度の水中で測定して曇り点85.8℃を有した。濃度1g/リットルの場合の表面張力は、DIN 53914により測定して32.4mN/mであった。
【0191】
例5(比較例) エチレンオキシド7molを使用するC13〜C15−オキソアルコールエトキシレートの製造
C13〜C15−脂肪族アルコール416g(例2から)をNaOH1.5gと一緒に2リットル乾燥オートクレーブ中に充填した。このオートクレーブ内容物を150℃まで加熱し、圧力下でエチレンオキシド616gを導入した。オートクレーブ中にエチレンオキシドの全体量が存在した後、オートクレーブを150℃で30分間保持した。冷却後、触媒を酢酸で中和した。
【0192】
得られた界面活性剤は、DIN 53917による10%濃度ブチルジグリコール溶液中の1%濃度で測定して曇り点76.7℃を有した。濃度1g/リットルの場合の表面張力は、DIN 53914により測定して28mN/mであった。
【0193】
例6(比較例) エチレンオキシド11molを使用するC13〜C15−オキソアルコールエトキシレートの製造
C13〜C15−脂肪族アルコール312g(例2から)をNaOH1.5gと一緒に2リットル乾燥オートクレーブ中に充填した。このオートクレーブ内容物を150℃まで加熱し、圧力下でエチレンオキシド726gを導入した。オートクレーブ中にエチレンオキシドの全体量が存在した後、オートクレーブを150℃で30分間保持した。冷却後、触媒を酢酸で中和した。
【0194】
得られた界面活性剤は、DIN 53917による1%濃度水中で測定して曇り点85.5℃を有した。濃度1g/リットルの場合の表面張力は、DIN 53914により測定して31.5mN/mであった。
【0195】
例3〜6中から得られたオキソアルコールエトキシレートにおいて、それぞれ生分解能、起泡性および粘度を、水含量に依存して測定した。結果は以下の表IV〜VIにまとめられている。図1および2は、水含量に依存した粘度を示す。
【0196】
【表3】
【0197】
例7 エチレンオキシド3molを使用するC13〜C15−オキソアルコールエトキシレートの製造
例1で製造されたアルコール624gをNaOH1.5gと一緒に2リットル乾燥オートクレーブ中に充填した。このオートクレーブ内容物を150℃まで加熱し、圧力下でエチレンオキシド396gをオートクレーブ中に導入した。オートクレーブ中にエチレンオキシドの全体量が存在した後、オートクレーブを150℃で30分間保持した。冷却後、触媒を酢酸で中和した。
【0198】
得られた界面活性剤は、DIN 53917による10%濃度ブチルジグリコール溶液中の1%濃度で測定して曇り点46.3℃を有した。濃度1g/リットルの場合の表面張力は、DIN 53914により測定して28.6mN/mであった。
【0199】
例8 アルキルホスフェートの製造
例1で製造されたアルコール312gを撹拌容器中で窒素下に60℃まで加熱し、かつポリリン酸125gとゆっくり混合し、その際、温度65℃を上回らないようにした。添加の終了に向けて、温度を70℃まで高め、かつ1時間この温度で撹拌した。濃度1g/リットルの場合の表面張力は、DIN 53914により測定して37.1mN/mであった。
【0200】
例9 アルキルエーテルホスフェートの製造
例7で製造されたC13〜C15−アルコールエトキシレート510gを窒素下に撹拌容器中で60℃まで加熱し、かつポリリン酸125gとゆっくり混合した。この場合に、温度65℃を上回らないようにした。添加の終了に向けて、温度を70℃まで高め、かつ1時間この温度で撹拌した。
【0201】
濃度1g/リットルの場合の表面張力は、DIN 53914により測定して36.1mN/mであった。
【0202】
例10 アルキルスルフェートの製造
例1で製造されたアルコール208gを撹拌容器中で、窒素下にクロロ硫酸132gとゆっくり混合した。この場合に、温度30℃を上回らないようにした。この混合物を水710ml中のNaOH 45gの溶液中に添加した。
【0203】
濃度1g/リットルの場合の表面張力は、DIN 53914により測定して31.8mN/mであった。
【0204】
例11 アルキルスルフェートの製造
例7で製造されたC13〜C15−アルコールエトキシレート510gを窒素下に撹拌容器中でクロロ硫酸198gとゆっくり混合した。この場合に、温度30℃を上回らないようにした。この混合物を水1500ml中のNaOH 67gの溶液中に添加した。
【0205】
濃度1g/リットルの場合の表面張力は、DIN 53914により測定して34.2mN/mであった。
【0206】
例12 C13〜C15−アルコールアルコキシレートの製造
例1で製造されたアルコール212gをKOH 0.2gと一緒に2リットル乾燥オートクレーブ中に充填した。このオートクレーブ内容物を130〜140℃まで加熱し、かつ圧力下にプロピレンオキシド290gをオートクレーブ中に導入した。オートクレーブ中にプロピレンオキシドの全体量が存在した後、オートクレーブを130〜140℃で120分間保持した。引き続き、110〜120℃でエチレンオキシド132gを圧力下にオートクレーブ中に導入し、これを60分間この温度で保持した。冷却後、触媒を酢酸で中和した。
【0207】
得られた界面活性剤は、DIN 53917による10%濃度ブチルジグリコール溶液中の1%濃度で測定して曇り点44℃を有した。濃度1g/リットルの場合の表面張力は、DIN 53914により測定して31.2mN/mであった。
【0208】
例13 C13〜C15−アルコールアルコキシレートの製造
例1で製造されたアルコール318gをKOH 0.3gと一緒に2リットル乾燥オートクレーブ中に充填した。このオートクレーブ内容物を110〜120℃まで加熱し、かつ圧力下にエチレンオキシド660gをオートクレーブ中に導入した。オートクレーブ中にプロピレンオキシドの全体量が存在した後、オートクレーブを110〜120℃で60分間保持した。引き続き、140〜150℃でブチレンオキシド200gを圧力下にオートクレーブ中に導入し、これを150分間この温度で保持した。冷却後、触媒を酢酸で中和した。
【0209】
得られた界面活性剤は、DIN 53917による1%濃度水中で測定して曇り点36℃を有した。濃度1g/リットルの場合の表面張力は、DIN 53914により測定して30.4mN/mであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、水含量に依存した粘度を示す図である。
【図2】 図2は、水含量に依存した粘度を示す図である。
Claims (12)
- 主に13個および15個の炭素原子を含有するアルコール混合物において、C13およびC15−アルコールの合計から成る割合は、少なくとも95質量%であり、かつ全アルコール含量に対して、少なくともアルコールの87質量%が、線状アルコール、2−メチル−分枝アルコールおよび2−エチル−分枝アルコールから選択され、かつ混合物は、線状アルコール40〜60質量%、2−メチル−分枝アルコール30〜40質量%および2−エチル−分枝アルコール2〜7質量%を含有する、アルコール混合物。
- 13個の炭素原子を有するアルコール対15個の炭素原子を有するアルコールの比が、90:10〜50:50質量%の範囲内、有利には70:30〜60:40質量%の範囲内である、請求項1に記載の混合物。
- a)主に12個および14個の炭素原子を有するオレフィンを含有し、かつ線状α−オレフィンおよびこれとは異なるオレフィン5〜20質量%の含量を有するモノオレフィン混合物を製造し、かつ
b)モノオレフィン混合物を、ロジウム触媒の存在で一酸化炭素および水素と反応させることによりヒドロホルミル化し、かつ水素化する、請求項1または2に記載のアルコール混合物の製法。 - モノオレフィン混合物は、全オレフィン含量に対して、線状α−オレフィン85〜95質量%、線状非末端オレフィン1〜5質量%、ビニリデン分枝オレフィン5〜10質量%および場合によりこれとは異なるその他のオレフィン異性体5質量%までを有する、請求項3に記載の方法。
- 工程b)で使用される触媒は、錯体形成可能なカルボニル基、カルボキシレート基、水素化物基、スルフェート基、ニトレート基、窒素含有基および/またはリン含有基を有する化合物から選択される少なくとも1種のリガンドを有し、その際、リン含有基は、リン原子への単結合中に、多くとも1個のアリール基を有する、請求項3または4記載の方法。
- 工程b)で使用される触媒は、リガンドとして一般式IおよびII
Rは、水素、C1〜100−アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C7〜20−アラルキル、C7〜20−アルカリール、C6〜12−アリール、ヘタリール、W’COO-M+、W’SO3 -M+、W’PO3 2 -M+ 2、W’NR’3 +X-、W’OR’、W’NR’2、W’COOR’、W’SR’、W’(CHR’CH2O)xR’、W’(CH2NR’)xR’、W’(CH2CH2NR’)xR’、W’((CH2)4O)xR’またはW’COR’を表し、
その際、式II中の基Rは、基Wの代わりにまたは付加的に基Wと一緒になって、環式または芳香族基の成分であってよく、かつヘテロ原子により中断されていてよい1〜20個の炭素原子を有する架橋を形成することができ、
式II中の基Rは、基Wの代わりにまたは付加的に基Wと一緒になって、少なくとも21個の炭素原子を有するポリオキシアルキレンまたはポリアルキレンイミン−架橋を表すことができ、
R1〜R10は、相互に独立に水素、C1〜20−アルキル、C7〜20−アラルキル、C7〜20−アルカリール、C6〜12−アリールを表し、その際、1個以上の炭素原子は、ヘテロ原子で置換されていてよく、W’COO-M+、W’SO3 -M+、W’PO3 2 -M+ 2、W’NR’3 +X-、W’OR’、W’NR’2、W’COOR’、W’SR’、W’(CHR’CH2O)xR’、W’(CH2NR’)xR’、W’(CH2CH2NR’)xR’、W’((CH2)4O)xR’、W’ハロゲン、W’NO2、W’COR’またはW’CNを表し、
その際、基RおよびR1〜R10中、1個以上の水素原子はフッ素により置換されていてもよく、
WとW’は、相互に独立に単結合であるかまたは環式または芳香族基の成分であってもよく、かつヘテロ原子により中断されていてもよい1〜20個の炭素原子を有する架橋を表し、
その際、Wは、少なくとも21個の炭素原子を有するポリオキシアルキレン架橋またはポリアルキレンイミン架橋を表していてもよく、
R’は、水素、C1〜20−アルキル、カルボニルアルキル、シクロアルキルまたはアリールを表し、
M+は、カチオン当量を表し、
X−は、アニオン当量を表し、
xは、1〜240の数を表し、
その際、2個のジェミナルな基R1〜R10は、オキソ基を形成することができ、かつ基RおよびR1〜R10の1個以上は、付加的に配位可能な三価のリン原子団または窒素原子団を有することができ、
その際、それぞれ2個のビシナルな基は、結合して脂肪族または芳香族縮合環になることができ、
その際、2個のビシナルな基R1〜R10は、化学結合であってよく、
その際、一般式IIの化合物中には、2個以上の架橋Wが存在していてもよく、その際、架橋Wに結合していないホスファシクロヘキサン環の原子は、R1〜R10で記載したように置換されていてもよく、
その際、式Iの化合物中、基RまたはR1〜R10のうちの1つおよび式IIの化合物中、基RまたはR1〜R8のうちの1つまたは2つの基Rは一緒にまたは基Wは、500〜50000の範囲内の数平均分子量を有するポリマー基を表すことができ、モノオレフィン、ジオレフィン、ビニル芳香族、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸およびジカルボン酸とC1〜C30−アルカノールとのエステル、N−ビニルアミド、N−ビニルラクタム、開環下に重合可能な複素環式化合物およびこれらの混合物から選択されるモノマーから誘導される繰返し単位から構成される。]
のホスファシクロヘキサン少なくとも1種を有する、請求項5に記載の方法。 - 一般式Iの化合物は、一般式III
R11〜R19は、相互に独立に水素、C1〜20−アルキル、C7〜20−アラルキル、C7〜20−アルカリール、C6〜12−アリールを表し、その際、1個以上の炭素原子は、ヘテロ原子で置換されていてよく、W’COO-M+、W’SO3 -M+、W’PO3 2-M+ 2、W’NR’3 +X-、W’OR’、W’NR’2、W’COOR’、W’SR’、W’(CHR’CH2O)xR’、W’(CH2NR’)xR’、W’(CH2CH2NR’)xR’を表し、
その際、それぞれ2個のビシナルな基R11〜R15および/またはR17およびR18および/またはR16およびR17および/またはR16およびR19および/またはR18およびR19は、結合して環になっていてよく、
W’は、単結合または環式または芳香族基の成分であってもよい1〜20個の炭素原子を有する架橋を表し、
R’は、水素またはC1〜6−アルキルを表し、
M+は、カチオンを表し、
X−は、アニオンを表し、
xは、1〜240の数を表し、
その際、基R11〜R19の1個以上は、付加的に配位可能な三価のリン原子団または窒素原子団を有することができ、
その際、R18は、−W’−CR 20 =CR 21 R22(ここで、R20、R21、R22は、R11〜R19で記載したものである)であることができる]
の化合物から選択される、請求項6に記載の方法。 - 式IおよびIIの化合物は、一般式
Rは、C1〜20−アルキル、シクロアルキル、C6〜12−アリール、W’(CHR’CH2O)xR’、W’((CH2)4O)xR’であるか、または500〜50000の範囲内の数平均分子量を有し、エチレンおよび/またはブタジエンから構成されるポリマー基を表し、
その際、W’は単結合またはC1〜4−アルキレンを表し、かつ
R’は、水素またはC1〜20−アルキルを表し、
xは、1〜240の数を表し、
R23、R23’、R24、R24’、R25、R25’、R26、R26’、R28、R28’、R29、R29’、R30およびR31は、相互に独立に、水素、アルキル、アルコキシ、カルボキシル、カルボキシレート、トリフルオロメチル、−SO3H、スルホネート、NE1E2またはアルキレン−NE1E2を表し、その際、E1とE2は、相互に独立に水素、アルキルまたはシクロアルキルを表し、
R27は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキルを表し、
R32、R33、R34、R35、R36、R37およびR38は、相互に独立にアルキルまたはシクロアルキルを表し、
R’’は、水素またはフェニルを表し、
A1およびA2は、これらが結合している隣接したホスファシクロヘキサンの炭素原子と一緒に、それぞれ1個または2個の他の環を有する縮合環系を表し、
Wは、ヘテロ原子により中断されていてもよい1〜20個の炭素原子を有する架橋を表す]
の化合物から選択される、請求項6に記載の方法。 - 請求項1または2に記載のアルコール混合物にアルコキシル化、グリコシド化、硫酸化、リン酸化、アルコキシル化に続いて硫酸化、またはアルコキシル化に続いてリン酸化を行う、官能化されたアルコール混合物の製法。
- 請求項10に記載の方法により得られる官能化されたアルコール混合物。
- 請求項11に記載の官能化されたアルコール混合物の、界面活性剤としての使用、分散剤としての使用または分散剤中での使用、紙助剤としての使用または紙助剤中での使用、テキスタイル助剤としての使用またはテキスタイル助剤中での使用、レザー助剤としての使用またはレザー助剤中での使用、洗剤としての使用または洗剤中での使用、腐食防止剤としての使用または腐食防止剤中での使用、分散剤用の助剤としての使用または分散剤用の助剤中での使用、エンクラステーション阻害剤としての使用またはエンクラステーション阻害剤中での使用、ならびに金属加工工業用の製品、電気メッキ法用の製品、塗料、印刷インク、顔料調製物、植物保護調整物、水処理およびプラスチック加工工業における使用。
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