JP4633724B2 - 電気機械フィルタ - Google Patents

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機械フィルタに係り、特に微小な振動子を備える電気機械フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
無線端末のさらなる小型化を図るため、無線部の占有面積を大きく占めるフィルタなどの受動素子の小型化が望まれている。このため電気的共振を用いた従来のフィルタに代わり、機械的共振を利用した電気機械フィルタが提案されている。
従来の電気共振を用いたフィルタのサイズは共振周波数の電気長に依存するため、サイズを激的に小さくすることには限界がある。一方、機械的共振を用いたフィルタのサイズは、共振する振動子の質量とバネ定数に依存するためフィルタサイズを小さくすることが可能となる。例えば、1GHz帯で機械的に共振する共振子のサイズは、形状、共振モードにも依るが、数ミクロン以下の大きさにすることが可能である。
【0003】
また振動子が振動する際の空気との摩擦による運動エネルギーのロスを真空状態にすることで低減すれば、Q値を従来の電気的共振を用いたフィルタと同等かそれ以上にする効果がある。
従来の微小振動子を用いた電気機械フィルタとして、例えば、非特許文献1の例が知られている。
【0004】
この非特許文献1の電気機械フィルタは、2つの微小な両持ち梁と、2つの両持ち梁と僅かなギャップを介して直下に配置された高周波信号を入出力するための線路で構成されている。2つの両持ち梁は微小な梁で結合されており機械的に2つの両持ち梁は結合された状態になっている。この入力線路に高周波信号を入力すると、1つ目の振動子は、高周波信号自身が有する静電力により、励振される。このとき、両持ち梁の固有振動数と高周波信号の周波数が一致すれば、両持ち梁は基板垂直方向に強く励振され振動を始める。両持ち梁は固有振動数で振動しているため、静電容量、すなわちインピーダンスが変化するため、直流電位を印加すれば、インピーダンス変化に応じて電流が流れる。このように振動子の固有振動数と高周波信号が一致した場合のみ、高周波信号を出力するので、所望の信号のみを選択することができる。
【0005】
また、微小な構造体を適用した発振器も提案されている(非特許文献2)。微小な構造体としては、マルチウオールのカーボンナノチューブを用い、信号を入力するための電極と、両端を開放した外郭のカーボンナノチューブと、内郭のカーボンナノチューブとで構成されている。外郭と内郭のカーボンナノチューブ間に摩擦力が働かないことから、一旦、内郭のカーボンナノチューブが振動すれば、その運動エネルギーとファンデルワールスのポテンシャルとの間でエネルギーのやりとりがなされ、単振動を行うというものである。振動する方向は、カーボンナノチューブの長手方向に振動する。
【非特許文献1】
High Q Microelctromechanical Filters,Frank D.Bannon,IEEE Jounal of solid-state circuit,Vol.35,No4,April 2000
【非特許文献2】
Multiwalled Carbon Nanotubes as Gigaherz Oscillators,Quanshui,Physcal Letters Vol/88,Number4,28 January 2002
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、振動子は、一般的に縦振動、横振動、ねじり振動などの幾つかの共振モードをもつため、所望の周波数以外でも振動子が励振されれば振動する。上記例では振動子の横振動モードの1次モードを利用しているが、当然、縦振動モードの固有振動数と一致する信号が入力された場合、振動子は縦振動するため、フィルタから縦振動モードの固有振動数と一致した振動数をもつ高周波信号が出力される。よって所望の信号以外の信号もフィルタから出力されてしまうという問題がある。
【0007】
例えば図16に示すように1GHz帯で固有振動数を有する三角柱の共振子を例に説明する。ここでは、共振子の材質をシリコンとし、長さを1μm、幅を0.566μm、厚みを0.4μmとしたとき、この共振子に生じるモードを表1に示す。このときヤング率を169GPa、密度を2.5kg/m3としている。
【0008】
【表1】
Figure 0004633724
【0009】
そしてここでは、700MHzから2.26GHzまでに6個のモードがある。これらの周波数帯は無線通信システムで比較的よく使用される周波数帯であるため、仮に1.12GHzを所望の信号帯域とした場合、他の5個のモードの共振周波数は、本来抑制するべき周波数帯であるにもかかわらず、5個のモードと一致する信号が入力されれば振動子は励振されてしまう。これによりフィルタからは不要な信号を抑制することなく出力されるという課題が生じる。
【0010】
また従来例では40MHz帯で共振させているが、従来例の構造をそのままスケーリングして、GHz帯に適用しようとすれば、振動子のサイズを1μm程度、入出力線路と振動子のギャップを数10nm程度にする必要がある。このような振動子と線路間の微小なギャップを精度よく安定に実現することは困難であるという課題がある。
【0011】
本発明は前記実情に鑑みてなされたものであり、振動子が所望の振動モードのみで励振されるように、振動モードを規定することのできる電気機械フィルタ、つまり所望の振動モード以外の振動モードを抑制するフィルタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の電気機械フィルタは、信号を入力するための第1部材と、前記第1部材を囲むように、前記第1部材から所定間隔を隔てて配置され、前記第1部材から入力した信号による静電力で励振される第2部材と、前記第2部材から所定の間隔を隔てて、前記第2部材を囲むように配置され、第2部材の振動を検出するための第3部材とを備え、前記第2部材は、前記第1部材と前記第3部材から引力を受けることにより径方向の振動が抑制され、軸方向の少なくとも一端が固定されることにより軸方向の振動が抑制され、回転方向のみの振動が生起され易くなるように構成されており、前記第1乃至第3部材は導電体を含み、前記第2および第3部材は周方向で誘電率の異なる部分を有し、前記第2部材と前記第3部材との相対的位置変化により、前記第2部材と前記第3部材との間の静電容量が変化しうるように形成され、前記第2部材と第3部材の間の静電容量の変化によって信号伝達を行なうように構成されたことを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、第1部材に所定の周波数の信号が入力された場合のみ、第2部材は強く励振され振動するため、第2部材と第3部材の静電容量が変化する。このとき第2部材もしくは第3部材に直流電位を印加しておけば、第2部材の固有振動数で静電容量が変化し、インピーダンスが変化するため、この静電容量の変化に相当する量の電流が第3部材から出力される。すなわち第2部材の固有振動数と一致する高周波信号のみを選択的に出力することができる。
この構成において所定の間隔とは相互に静電力によってひきつけられ得る程度の間隔とする。
【0014】
また本発明の電気機械フィルタは、上記構成において、前記第2部材が、1方向を除く全ての方向の振動を抑制し得る程度に強く拘束すること、すなわち第3の部材との間で大きな静電容量を得るようにしてもよい。
【0015】
この構成によれば、第2部材の振動モードの規定が容易となることから、第2部材は1方向のみの振動が起こり、他のモードの振動を抑制することができる。このため所望の信号のみを出力することができる。
【0016】
本発明の電気機械フィルタは、上記構成において、前記第1部材、第2部材、第3部材にカーボンナノチューブやカーボンナノホーン、フラーレンを含む自己組織化作用で形成された部材を用いるようにしてもよい
【0017】
この構成によれば、第1部材と第2部材の間隔、第2部材と第3部材の間隔はそれぞれ、自己組織化によって生成されるため、微細化に際しても、所定の間隔で安定して、生成することができる。
さらに第1部材と第2部材の間および第2部材と第3部材の間には、ファンデルワールス力が強く働くため、第2部材は常に両側から強い引力を受け拘束されている。このため第2部材の径方向で振動するモードを抑制することができる。
【0018】
本発明の電気機械フィルタは、第2部材の振動モードとしてねじり振動を用いる構成をとるものを含む。
【0019】
この構成によれば、第2部材は径方向の振動を強く抑制されているため、ねじり振動のみが励振され易くなる。第2部材がねじれることで、第2部材に形成された電極と第3部材に形成された電極間に生じる静電容量を変化するため、第2部材の振動を検出することができる。またねじり方向には第2部材の振動は拘束されていないので、フィルタのQ値を高くすることができる。
【0020】
本発明の電気機械フィルタは、上記構成において、前記第2部材の径方向の振動を抑制する力がファンデルワールス力であるものを含む。
本発明の電気機械フィルタは、上記構成において、前記第1部材乃至第3部材のうち少なくとも第2部材は、自己組織化により形成される物質により構成され、前記所定の間隔は少なくとも前記第1部材による自己組織化によって形成される微小ギャップであるものを含む。
本発明の電気機械フィルタは、上記構成において、前記自己組織化により形成される物質はカーボンナノチューブであるものを含む。
本発明の電気機械フィルタは、前記第2部材および第3部材の物性値または形状が一様でない構成をとるようにしてもよい
この構成によれば、第2部材と第3部材間に形成されている静電容量は、相対的に第2部材もしくはかつ第3部材が変位すれば変化する。このため、第2部材がねじり振動を励振され、ねじれれば、第2部材と第3部材間の静電容量が変化するため、第2部材の振動を検出することができる。
【0021】
本発明の電気機械フィルタは、上記構成において、前記第2部材および第3部材は、導電性領域および絶縁性領域を有するものを含む。
本発明の電気機械フィルタは、前記第2部材および第3部材は、形状の不均一な領域を含むようにしてもよい。
この構成によれば、第2部材と第3部材間に形成されている静電容量は、第2部材と第3部材とが相対的に変位すれば変化する。
本発明の電気機械フィルタは、上記構成において、前記第2部材および第3部材は、スリットまたはホールが形成された領域を有するものを含む。
すなわちこの前記形状の不均一な領域はスリットまたはホールが形成された領域であってもよい。
本発明の電気機械フィルタは、前記第2部材および第3部材が、格子欠陥または形状加工により形成された、ホール、スリットなどを具備したものであってもよい。
【0022】
また本発明の電気機械フィルタは、第2部材の変位がゼロの場合、静電容量が最小となり、第2部材の変位が最大の時に静電容量が最大となるような、第2部材および第3部材の形状としたものであってもよい
この構成によれば、第2部材が変位すれば、第2部材と第3部材間の静電容量が変化することができるので、第2部材の振動を検出でき、所望の周波数の信号のみ出力することができる。
【0023】
また本発明の電気機械フィルタは、前記第1部材が、信号線路となる導電性の柱状体からなり、前記第2部材が、円筒状体からなり、前記第1部材を囲むように、前記第1部材から所定間隔を隔てて配置されており、前記第3部材が、円筒状体からなり、前記第2部材から所定の間隔を隔てて、前記第2部材を囲むように配置され、前記第1乃至第3部材の相対的位置変化により、静電容量が変化しうるように形成されたものを含む。
【0024】
また本発明の電気機械フィルタは、前記第1乃至第3部材が、順次、長さが短くなっており、前記第1乃至第3部材は両端で支持されたものを含む。
【0026】
また本発明の電気機械フィルタは、前記第2部材および第3部材は、それぞれスリットを有し、相対的位置変化により静電容量が変化するように形成されたものを含む。
【0027】
また本発明の電気機械フィルタは、前記第2部材および第3部材は、導電性領域と絶縁性領域とがそれぞれ混在するように構成されたものを含む。
【0028】
また本発明の電気機械フィルタは、第2部材および第3部材は、絶縁性の筒状体で構成され、前記筒状体の表面に、相対向するように導電性パターンを形成してなるものを含む。
【0029】
以上説明したように、本発明によれば、振動子の振動モードについて、所定の振動モードのQ値を損なうことなく、所定の振動モード以外の振動モードを抑制するため、所望の周波数のみを選択的に出力するフィルタを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明は、機械共振現象を適用したフィルタにおいて、振動子の所定の振動モードを除く全ての振動モードを抑制することで、所望のモードのみを励振させ、所定の信号のみを選択的に出力するようにしたものである。
【0033】
特に、本実施の形態では図1(a)および(b)に示すように第1部材1を囲むように配設される第2部材2と、さらにこの第2部材2をかこむように配設される第3部材3をカーボンナノチューブやカーボンナノホーン、フラーレンを含む自己組織化により形成された物質により構成される殻状の部材で覆う微小な構造体を用いている。第2部材2は第1部材1および第3部材3によりファンデルワールス力により強く引っ張られているため、第2部材2は、回転方向以外の振動を強く抑制される。
【0034】
また第2部材2および第3部材3は、それぞれ部材の長手方向に沿って部材を貫通するスリットS2,S3を有する導電体で構成されており、第2の部材2と第3の部材3間に静電容量をもつように形成されている。第1部材1に高周波信号が入力した場合、高周波信号自身が有する静電力で第2部材2を励振させる。
【0035】
このとき第2部材2のねじり振動の固有振動数と一致した場合、第2部材2は大きく励振される。第2部材2と第3部材3間はスリットを有しており、周方向に沿って一様でないため、第2部材2が振動によってねじれれば、第2部材2と第3部材3間に形成される静電容量が変化する。この静電容量が、第2部材の固有振動数による振動で変化するため、第2部材2もしくは第3部材3に直流電位を印加すれば、第3部材3から固有振動数と一致した高周波信号が出力される。
このため所定の周波数の信号のみ選択的に出力することができる。
一般に機械振動子の共振周波数fは、構造体の長さl、弾性率E、密度ρとすると下記の(式1)と表記される。
f=1/l√(E/ρ) (1)
【0036】
以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0037】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1におけるフィルタの構成を示す図であり、3層カーボンナノチューブを用いた電気機械フィルタの構成を示す概略構成図および断面図である。
【0038】
本実施の形態の電気機械フィルタ100は、図1に示すように、第1部材1、第2部材2および第3部材3で構成され、それぞれカーボンナノチューブの内殻、中間殻、外殻で形成されている。なおこれら第1部材1、第2部材2、第3部材3はそれぞれ自己組織化により形成されている。また第1部材1、第2部材2、第3部材3は両端を基板(図示せず)などに固定接続され、拘束されており、カーボンナノチューブの長手方向の振動(以下縦振動)を抑制されている。また第1部材1は入力線路、第2部材2は直流電源、第3部材3は出力線路にそれぞれ接続されている。ただし直流電源を第3部材3に接続しても良い。
【0039】
カーボンナノチューブの各殻間のギャップは微小であるため、強いファンデルワールス力が働いており、互いに引っ張りあっている。このため、第2部材2は内側から第1部材に引っ張られ、外側から第3部材3に引っ張られているため、カーボンナノチューブ径方向に振動(以下横振動)しにくい構成になっている。
また、第2部材2は少なくとも1端を固定されているため、カーボンナノチューブ長手方向への変位はほとんどない。両端を固定し、長手方向への変位を完全に固定してもよいがいずれにしても、非特許文献2のように長手方向へは振動されることはない。
【0040】
また、各部材は互いに接触することなく、空間を隔てて保持されているため、回転方向の運動を阻害する力は働いておらず摩擦力は極めて微小となる。このため第2部材2はねじれ振動モードでは容易に励振されるが、横振動は強く抑制することができる。
ねじり方向の振動を検出するため、第2部材2と第3部材3は一様なカーボンナノチューブで構成するのではなく、第2部材と第3部材の相対的位置変化を検出するために、一部を絶縁体としたカーボンナノチューブあるいは格子欠陥、人工的に形成したスリット、ホールを形成したカーボンナノチューブを用いて形成する。
【0041】
図1では説明を簡略化するために、第2部材2と第3部材3にはスリットを4本配設しているが、実際はさらに多数本のスリットを配設してもよい。またスリットではなくホールでもよく、第2部材と第3部材との相対的位置変化により重なりあう面積が変化するように構成されていればよい。
次に、振動の検出方法を説明する。図2はフィルタ100の断面図を示している。説明上、第2部材、第3部材は電極の一部のみを図示している。第2部材2は第1部材1に入力した信号の静電力で励振され、ねじり振動モードが励振されると、第2部材2はねじり方向に変位する。図2(a)を最小変位状態、図2(b)を最大変位状態とすると、最小変位状態と最大変位状態では第2部材2と第3部材3との重なり合う面積が変化するため静電容量が変化する。この静電容量の変化から第2部材2のねじり振動を検出することができる。
【0042】
このように、第2部材2がねじりモードの固有振動数で振動するため、第2部材2と第3部材3間に形成される静電容量が変化する。直流電位を第2部材もしくは第3部材3に印加すれば、この変化によって第3部材3から固有振動の周波数に対応した静電容量変化に応じて電流が出力される。
【0043】
すなわち第2部材2のねじりモードの固有振動数と一致する信号が第1部材1に入力された場合のみ、第2の部材2は励振されるため、第3部材3から信号が出力される。このとき他のモードは励振されない。
【0044】
図1のように第2部材の形状が円筒形状の場合、ねじりモードの固有振動数fは式1で示される。ここでlは第2部材の長さ、Gは横弾性係数、ρは第2部材の密度をそれぞれ示す。ここで注目すべきは固有振動数fは第2部材2の材料定数と長さで決定される。
ここでカーボンナノチューブの横弾性係数を1Gpa、ρを1.33g/cc、lを200nmとすれば共振周波数は1.3GHzとなる。
【0045】
また振動子を微細にすると、振動子と入出力用電極の対向面積が小さくなるため、振動子と入出力間の静電容量が小さくなる。このため入出力のインピーダンスが大きくなり、他のデバイスとのインピーダンス整合が困難となる。
【0046】
静電容量を大きくするためには、電極間のギャップを小さくするか、対向する電極面積を大きくする方法があるが、本発明を用いれば、電極間のギャップを微小にかつ安定して形成することができる。ギャップのサイズは、3〜4×10-1nm(数オングストローム)から数十nm程度である。
【0047】
また、第1部材の径rを大きくとれば、第2部材と対向する面積は円周2πrで決まるため、静電容量を大きくすることができる。
【0048】
このように本実施の形態の構造を用いることにより、インピーダンスをより小さくすることが容易となる。
なお、フィルタ100では、外殻108を内殻106と芯体104と同様のカーボンナノチューブにより形成したがこれにかぎらず、自己組織力を有する他の物質を用いてもよい。
【0049】
また第2の部材は1つである必要はなく、フィルタの通過帯域を広くとるため、図1に示したような共振器を長手方向に複数連結させてもよい。
【0050】
図13および図14(a)および(b)に第2の部材を4段連結させた概略構成図を示す。本実施の形態では、同じ共振周波数をもつ4個の第2の部材32a、32b、32c、32dを長手方向に微小な結合部32sを用いて結合したものである。他部については前記実施の形態1と同様に形成されている。
【0051】
図15は、図1に示した共振器を長手方向に複数連結させたときの出力信号の一例を示す図である。
縦軸は通過損失、横軸は周波数であり、例えば9.600×108Hzを中心周波数とするブロードな帯域特性を得ることができた。
なお、共振器を複数連結する場合、同一周波数の共振器を複数連結してもよいが異なる周波数の共振器を連結してもよい。
【0052】
次に、本実施の形態の電気機械フィルタの製造方法を説明する。
【0053】
図3(a)、(b)乃至図8(a)、(b)は、本発明の電気機械フィルタにおける製造工程を段階的に説明するための断面図である。図3乃至図8の各図において(a)は上面図、(b)はA−A断面図である。
【0054】
先ず、図3(a)および(b)に示すように、基板302上に、熱酸化により絶縁膜303となる酸化シリコンを1μm程度の厚さで形成し、更にその上に1μm程度の厚さのスペーサ部304となる窒化シリコンをスパッタにより形成する。
【0055】
次に、図4(a)および(b)に示すように、窒化シリコン膜304上にフォトレジスト305を形成し、パターニングする。
【0056】
次いで、図5(a)および(b)に示すように、窒化シリコン304についてフォトレジスト305をマスクにしてドライエッチングし、スペーサ部304を形成する。その後フォトレジスト305をアッシングにより除去する。
そして、Fe、Co、Niなどといったカーボンナノチューブの成長における触媒となる金属材料307をスパッタにより数十nm程度堆積する。
また、直接カーボンナノチューブを生成しない場合は、線路パターンを形成するAu、Al、Cuなどの金属をスパッタする。
【0057】
本実施の形態では、カーボンナノチューブを後工程で実装する場合について説明するので、金属材料307は線路パターンを形成するものとする。図6(a)および(b)に示すようにレジスト308を塗布後、線路パターンをフォトリソグラフィで形成する。
【0058】
図7(a)および(b)に示すように、フォトレジストをマスクに金属材料307をエッチングし、第1乃至第3の線路311,312,313を形成する。
図8(a)および(b)に示すように予め作成しておいたカーボンナノチューブを線路パターン上に実装する。このとき第1部材1は線路パターン311と、第2部材2は線路パターン312と、第3部材3は線路パターン313と、それぞれ電気的に接続する。これら線路パターンと第1乃至第3部材との接続は半田ボール314などの導電性接着剤を介してなされる。
【0059】
またカーボンナノチューブは各線路間に架橋させて成長させてもよい。
カーボンナノチューブを形成する方法は既に多くの試みがなされており、例えば気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber )、ヘリウムガス中でのアーク放電法などが開示されている。
カーボンナノチューブの両端は第1部材1が最も長く、第2部材2、第3部材3と次第に短くなるように予め形成しておく。これは両端の各部材をレーザあるいは電子ビームなどで除去することで実現できる。また反応性のガスに接触して先端を選択的にエッチングする方法、カーボンナノチューブに先端に高電圧を印加し、コロナ放電を起こし、先端を破壊する方法、反応性の高い液体と接触して先端をエッチングする方法などもある。
【0060】
また第2部材2および第3部材の導電性3を非一様に(一様でないように)するために、ホール、スリットなどもレーザ、電子ビームなどで形成することもできる。
これも同様に反応性のガスに接触させたり、コロナ放電、反応性の高い液体と接触させることで、スリットもしくはホールなどを設けることにより、第2および第3部材の導電性を非一様に(一様でないように)することができる。
また、予め欠陥が生じているカーボンナノチューブを用いれば、ホールやスリットを設けることなく、第2部材および第3部材の導電性を非一様と(一様でないように)することができる。
【0061】
次にこの電気機械フィルタの動作について説明する。
この電気機械フィルタでは、第1部材に高周波信号が入力されない場合では、第2部材が励振されないため、第2部材はねじり振動をせず静止している。この状態を初期状態とする。
【0062】
いま、初期状態での第2部材と第3部材のホールが初期状態において、重ならないように形成すると、第2部材と第3部材は互いに対向した面では、相手の部材が存在しないので、静電容量は最小となる。次に図示した様に、説明のために抜き出した領域が一様にねじり振動により、図面上横方向に変化したとする。この場合、第2部材と第3部材のホールは重なり合うため、静電容量は最大となる。
【0063】
なお、固有振動数での励振のみを考慮した場合、初期状態は問題にはならない。しかしながら、初期状態が容量最大であった場合、励振はされないけれども入力した信号でインピーダンスは小さいため、不要な信号が伝達されることになる。そのため初期状態で容量が最小となるようにするのが望ましい。
初期状態の設定は以下のようにして行なわれる。
まず、第3部材と第2部材とを相対的に半ピッチ(容量が最小となるように)ねじり、その状態を保持したまま、第2、第3の部材を同時にレーザ、FIBなどでスリット、あるいはホールを形成し、形状加工を行なう。形状加工後、ねじりなどの外力をリリースし、元の状態に戻せば初期状態は容量最小となる。
あるいは、第2、第3の部材を固定する前に、容量値をモニタしながら相対的に変化させ、容量値が最小となったところで固定し、これを初期状態とする。
【0064】
このホールのピッチは第2部材2の想定する最大変位量に応じて決定してもよい。
【0065】
また、ホール径は第2部材、第3部材のファンデルワールス力を損なわないことが望ましい。またホールと部材の面積比は1対1の場合が、静電容量変化比が最大となるが、これはファンデルワールス力とのトレードオフとなるため、カーボンナノチューブのサイズに応じて最適化すればよい。
【0066】
本実施の形態によれば、容易に小型でかつ高精度の電機機械フィルタを形成することができる。
【0067】
なお、前記実施の形態ではカーボンナノチューブを用いて振動子を形成したが、CVD、スパッタリングなどの成膜、フォトリソグラフィ、エッチングを用いる通常の半導体プロセスを用いて形成しても良い。この場合は、成膜、フォトリソグラフィ、反応性イオンエッチングを用いたスルーホールの形成、スルーホールへのドープトポリシリコンの充填、熱酸化による外壁酸化、等の工程を経て、基板の主表面に垂直方向に振動子を形成していき、最後に両端の支持接続部を残して不要部をエッチング除去し、90度回転して使用するようにすれば、通例のMEMS技術の組み合せによっても形成可能である。
【0068】
(実施の形態2)
図9から図10を用いて、本発明の実施の形態2について説明する。
本実施の形態2は、フィルタの動作原理、製造方法など実施の形態1と同様な部分の説明は省略する。
図9(a)および(b)は実施の形態1で示した第2部材2および第3部材3を構成する円筒上の表面を、説明を容易にするために、便宜上平面に展開したものである。但しこの平面で展開した領域は必ずしも部材2、部材3の全面にわたって展開したものではなく、説明のため便宜上、一部の領域を抜き出したものである。
【0069】
第2部材2が31、第3部材3が32にそれぞれ対応する。第2部材31、第3部材32には、微小なホール35,36が形成されている。このホールは欠陥を制御して、作成してもよいし、レーザや電子ビームなどで加工してもよい。
【0070】
これは第2部材および第3部材の表面の導電性を空間的に非一様と(一様でないように)なるようにするために設けるものである。仮に第2部材2またはかつ第3部材3が一様な導体で形成されていれば、第2部材2がねじれ、第2部材2と第3部材3の相対的位置が変化しても、第2部材2と第3部材3間に生じる静電容量は変化しない。このため、空間的に第2部材2と第3部材3の空間的な導電性を不均一にし、一様でなくすることで、第2部材2と第3部材3が相対的に変位すれば、静電容量が変化する。
【0071】
図10(a)、(b)に初期状態と最大変移状態を示す。初期状態では、ホールは重なり合っておらず、最大変移状態ではホールは全て重なりあっているため、静電容量は最大となっている。この静電容量の変化を出力電流として取り出すことにより、電気機械フィルタを形成することができる。
【0072】
このようにして微細な電気機械フィルタを形成することができる。
【0073】
(実施の形態3)
図11は、本発明の実施の形態3の電気機械フィルタである。
本実施の形態2と同様、フィルタの動作原理、製造方法など実施の形態1と同様であり、同様な部分の説明は省略する。
【0074】
図11は、本発明の実施の形態3の電気機械フィルタの断面概要図である。
本実施の形態では第1部材11のまわりに所定の間隔を隔ててこれを囲むように形成された円筒体からなる第2部材12とさらにこの第2部材の外側に所定の間隔を隔ててこれを囲むように形成された第3部材13が形成されている。そしてこれら第2および第3部材12,13はそれぞれ導電性領域12a、絶縁性領域12b、導電性領域13a、絶縁性領域13bで構成された点で上記実施の形態と異なるが他は同様に形成される。ここでそれぞれ第2および第3部材の導電性領域はそれぞれ電気的に接続されているものとする。
【0075】
この構成によれば、第1部材1に所定の周波数の信号が入力されたときに、第2部材が励振され、第2部材と第3部材の相対的な位置変化により、第2部材12と第3部材13との間の静電容量が変化する。ここで、第2部材12または第3部材13に直流電位を印加すれば、この静電容量の変化によって固有振動の周波数に応じた電流が出力される。この電流値から、第2部材12のねじり振動を検出することができる。
【0076】
(実施の形態4)
図12は、本発明の実施の形態4の電気機械フィルタである。
本実施の形態3と同様、フィルタの動作原理、製造方法など実施の形態1と同様であり、同様な部分の説明は省略する。
【0077】
図12は、本発明の実施の形態4の電気機械フィルタの断面概要図である。
本実施の形態では第2部材22および第3部材23が絶縁性材料で構成されており、これらの向かい合う面に、それぞれ導電性パターン22S,23Sを形成したことを特徴とするもので、他は前記実施の形態3と同様に形成される。ここでそれぞれ第2および第3部材の導電性パターンはそれぞれ電気的に接続されているものとする。
【0078】
本実施の形態では、結果として導電性部材にスリットが形成されているのと同様であり、導電性パターン22S,23Sの形状に起因して、第2部材と第3部材の相対的な位置変化により、第2部材22と第3部材23との間の静電容量が変化する。ここで、第2部材22または第3部材23の導電性パターン22S,23Sに直流電位を印加すれば、この静電容量の変化によって固有振動の周波数に応じた電流が出力される。この電流値から、第2部材22のねじり振動を検出することができる。
【0079】
なお前記実施の形態では振動子としてカーボンナノチューブを用いたが、これに限定されることなく適宜材料を選択し、MEMS技術により容易に形成可能である。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明に係る電気機械フィルタは、所定の振動モードのQ値を損なうことなく、所定の振動モード以外の振動モードを抑制するため、所望の周波数のみを選択的に出力するフィルタを実現することができ、微小な振動子を備える電気機械フィルタとして有用であって、高周波回路上での受動部品の小型化を実現し、大静電容量高速通信に向けた、使用帯域の高周波数化、及び端末の小型化に対応した次世代通信装置を実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る実施の形態1における多層カーボンナノチューブを用いたフィルタの構成を示す概略構成および断面を示す図
【図2】本発明の実施の形態1の変位状態を示す図
【図3】本発明に係る実施の形態1におけるフィルタの製造工程を段階的に説明する断面および上面図
【図4】本発明に係る実施の形態1におけるフィルタの製造工程を段階的に説明する断面および上面図
【図5】本発明に係る実施の形態1におけるフィルタの製造工程を段階的に説明する断面および上面図
【図6】本発明に係る実施の形態1におけるフィルタの製造工程を段階的に説明する断面および上面図
【図7】本発明に係る実施の形態1におけるフィルタの製造工程を段階的に説明する断面および上面図
【図8】本発明に係る実施の形態1におけるフィルタの製造工程を段階的に説明する断面および上面図
【図9】本発明に係る実施の形態2におけるフィルタの表面状態を説明する上面図
【図10】本発明の実施の形態2の変位状態を示す図
【図11】本発明に係る実施の形態3におけるフィルタを示す断面図
【図12】本発明に係る実施の形態4におけるフィルタを示す断面図
【図13】本発明にかかる実施の形態1におけるフィルタを複数連結した電気フィルタの斜視図
【図14】本発明にかかる実施の形態1におけるフィルタを複数連結した例を示す電気フィルタの断面図
【図15】図13および図14に示した電気フィルタの出力特性の一例を示す図
【図16】従来例の電気機械フィルタの一例を示す図
【符号の説明】
【0031】
1:第1部材
2:第2部材
3:第3部材
100:カーボンナノチューブ

Claims (12)

  1. 信号を入力するための第1部材と、
    前記第1部材を囲むように、前記第1部材から所定間隔を隔てて配置され、前記第1部材から入力した信号による静電力で励振される第2部材と、
    前記第2部材から所定の間隔を隔てて、前記第2部材を囲むように配置され、第2部材の振動を検出するための第3部材とを備え、
    前記第2部材は、前記第1部材と前記第3部材から引力を受けることにより径方向の振動が抑制され、軸方向の少なくとも一端が固定されることにより軸方向の振動が抑制され、回転方向のみの振動が生起され易くなるように構成されており、
    前記第1乃至第3部材は導電体を含み、前記第2および第3部材は周方向で誘電率の異なる部分を有し、
    前記第2部材と前記第3部材との相対的位置変化により、前記第2部材と前記第3部材との間の静電容量が変化しうるように形成され、
    前記第2部材と第3部材の間の静電容量の変化によって信号伝達を行なうように構成された電気機械フィルタ。
  2. 請求項1に記載の電気機械フィルタであって、
    前記第2部材の振動モードはねじり振動モードである電気機械フィルタ。
  3. 請求項1に記載の電気機械フィルタであって、
    前記第2部材の径方向の振動を抑制する力がファンデルワールス力である電気機械フィルタ。
  4. 請求項1に記載の電気機械フィルタであって、
    前記第1部材乃至第3部材のうち少なくとも第2部材は、自己組織化により形成される物質により構成され、前記所定の間隔は少なくとも前記第1部材による自己組織化によって形成される微小ギャップである電気機械フィルタ。
  5. 請求項4に記載の電気機械フィルタであって、
    前記自己組織化により形成される物質はカーボンナノチューブである電気機械フィルタ。
  6. 請求項1に記載の電気機械フィルタであって、
    前記第2部材および第3部材は、導電性領域および絶縁性領域を有する電気機械フィルタ。
  7. 請求項1に記載の電気機械フィルタであって、
    前記第2部材および第3部材は、スリットまたはホールが形成された領域を有する電気機械フィルタ。
  8. 請求項1に記載の電気機械フィルタであって、
    前記第1部材は、信号線路となる導電性の柱状体からなり、
    前記第2部材は、円筒状体からなり、前記第1部材を囲むように、前記第1部材から所定間隔を隔てて配置されており、
    前記第3部材は、円筒状体からなり、前記第2部材から所定の間隔を隔てて、前記第2部材を囲むように配置され、
    前記第1乃至第3部材の相対的位置変化により、静電容量が変化しうるように形成された電気機械フィルタ。
  9. 請求項に記載の電気機械フィルタであって、
    前記第1乃至第3部材は、順次、長さが短くなっており、前記第1乃至第3部材は両端で支持されている電気機械フィルタ。
  10. 請求項に記載の電気機械フィルタであって、
    前記第2部材および第3部材は、それぞれスリットを有し、相対的位置変化により静電容量が変化するように形成された電気機械フィルタ。
  11. 請求項に記載の電気機械フィルタであって、
    前記第2部材および第3部材は、導電性領域と絶縁性領域とがそれぞれ混在するように構成された電気機械フィルタ。
  12. 請求項に記載の電気機械フィルタであって、
    前記第2部材および第3部材は、絶縁性の筒状体で構成され、前記筒状体の表面に、相対向するように導電性パターンを形成してなる電気機械フィルタ。
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