JP4631335B2 - プレス成形用金型の形状決定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プレス成形用金型の形状決定方法関する。
プレス成形とは、金属や樹脂等の被成形材を二つ以上のプレス成形用金型(以下、単に金型とも称す)で挟圧することで、所望の形状に加工する方法であるが、被成形材は、プレス成形後に金型から取り出すと、弾性変形(スプリングバック)し、所望の形状とは異なってしまう場合がある。
そのため、この弾性変形分を補償するようなプレス成形用金型で被成形材をプレス成形しようというアイデアが以前からあった。
しかしながら、プレス成形後の被成形材の弾性変形分を補償するためには、実際にある形状の金型で、被成形材をプレス成形後、それが所望の形状と異なっていれば、金型の形状を加工して修正する、という一連のプロセスを、人手により何回か繰り返して試行錯誤する必要があり、多大な時間と労力を要する。
この問題を解決しようと、例えば特許文献1に示すような、プレス成形用金型の形状を、コンピュータで3次元有限要素法による計算を行なって決定しようとする方法が検討される等している。
ここで、弾性変形分を補償するようなプレス成形用金型の形状決定方法について、特許文献1のような従来からある一般的な処理の流れの一例を、図6および図7を適宜参照して説明する。なお、図6はその従来からある一般的な処理の流れの一例を示すフローチャートである。また、図7は、そのような従来からある一般的な処理の流れに従った場合の、被成形材、それに金型の形状が、どのように予測、仮設定、修正されるのか、の流れを順を追って模式的に示したものである。
この、従来からある一般的な処理では、図6に示すように、まず、初期金型形状がコンピュータ上で仮設定される(ステップS1)。ここで、初期金型形状は、例えば被成形材を図7(a)のようなハット形に加工したい場合、そのような被成形材のプレス成形後の所望の形状が、上下金型間にそっくり形成されるよう、図7(b)のように仮設定される。
次いで、その仮設定した初期金型形状でプレス成形し、金型から離脱後の被成形材の形状を、3次元有限要素法による計算を行なって被成形材全体にわたり予測して求める(ステップS8)。すなわち、プレス成形後の被成形材の形状として、例えば図7(c)のようにスプリングバックが生じているものが図7(d)のごとく計算で予測して求められる。
そして、このプレス成形後の被成形材の形状と、所望の形状との違いを何らかの指標について、何らかの方法で、計算により予測して求める。このような誤差の求め方としては種々考えられるが、例えば、各コーナー部分を代表部分として取り、例えば図7(b)の例のように、所望の形状について、3次元位置(X1,Y1,Z1),(X2,Y2,Z2)、第一の角度Θ、第二の角度Ψ等を目標値として設定して表しておき、プレス成形後の被成形材の形状として計算で予測して求めた結果と比較する、という方法が考えられる。なお、この例では、被成形材を金型で挟圧する方向(図7(b)に符号VLで示す線の延びる方向)を基準に、それに対してなす角度として、第一の角度Θ、第二の角度Ψを設定した(以下、他の例において同じ)。
一方、スプリングバックが生じているプレス成形後の被成形材では、3次元位置(X1,Y1,Z1),(X2,Y2,Z2)、第一の角度Θ、第二の角度Ψにそれぞれ対応する部分が、図7(c)の例のように、3次元位置(x1,y1,z1),(x2,y2,z2)、第一の角度θ、第二の角度ψ等の予測値になっている。このため、(X1,Y1,Z1),(X2,Y2,Z2)と(x1,y1,z1),(x2,y2,z2)、Θとθ、Ψとψを比較し、それぞれ成分や値の差を取る、あるいは比を取る等して目標値に対する予測値の誤差を求め、それらの誤差が全て許容値未満か否かを判定する(ステップS9)。
得られた誤差が許容値以上であれば(ステップS9での「No」)、その誤差を許容値未満とするべく金型形状をコンピュータ上で修正し(ステップS10)、処理をステップS8に戻す。このような一連の計算(図6に符号Rで示すループによる)を、例えば図7(d)にメッシュを示すような、3次元有限要素法による計算を行なって、これを誤差が許容値未満になるまで何度も繰り返す。なお、図7(d)は、3次元有限要素法による計算で登場する、被成形材を仮想的に要素に分割したときの分割のメッシュを示している。
これにより、計算が収束して、上記の誤差が許容値未満になれば(ステップS9での「Yes」)、例えば図7(e)に示すような、そのときの金型形状を、所望の形状に被成形材をプレス成形できる金型形状として最終的に決定して(ステップS11)、処理を終了する。このようにして決定した金型によってプレス成形すれば、例えば図7(f)に示すように、図7(a)同様のハット形、すなわち、所望の形状に被成形材をプレス成形することが可能となる。
特開2003−157299号公報
しかしながら、発明者が検討を重ねた結果、上記のように、3次元有限要素法による計算を、誤差が許容値未満になるまで何度も繰り返し行なうのは、非常に時間がかかる、ということがわかった。
本発明の課題は、これを克服し、従来に比べ、短時間でプレス成形用金型の形状を決定できる方法を提供することにある。
すなわち、第一の本発明は、プレス成形用金型の形状を決定するに際して用いられてコンピュータを用いて構築されたプレス成形用金型の形状決定方法であって、前記コンピュータは、プレス成形用金型の仮想断面内でのスプリングバック量を予測する第一および第二の予測手段を備え、前記第一の予測手段は、予め仮設定された初期金型形状にて一つ以上選択された仮想断面の入力を受け付けるステップと、その入力された仮想断面で2次元計算を行なってプレス成形後の被成形材の当該仮想断面内でのスプリングバック量を予測するステップとを含み前記第二の予測手段は、前記第一の予測手段での予測に基づく仮想断面内でのスプリングバック量を補償するよう仮設定された仮金型形状の入力を受け付けるステップと、その入力された仮金型形状3次元有限要素法による計算を行なってプレス成形後の前記被成形材のスプリングバック量を予測するステップと、当該予測されたスプリングバック量を補償するよう前記仮金型形状を修正するステップとを含むことを特徴とする。
また、第二の本発明は、前記2次元計算は、2次元有限要素法によることを特徴とする
本発明によれば、従来に比べ、短時間でプレス成形用金型の形状決定を行うことができる。
以下、本発明の一つの実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1ないし図3は、本発明の一つの実施の形態を説明する図である。
本実施の形態は、図1に示すように、PC(パーソナルコンピュータ)100を用い、本発明に係るプレス成形用金型の形状決定方法により、プレス成形用金型の形状を決定する場合についてのものである。
PC100の内部機能の構成を図1を参照しながら説明する。
PC100は、制御プログラムに基づいて演算およびシステム全体を制御するCPU30と、CPU30の制御プログラム等を格納するROM32と、ROM32等から読み出したデータやCPU30の演算結果を一時的に格納するRAM34と、外部装置に対してデータの入出力を媒介するインターフェース(I/F)38等で構成されており、これらは、データを転送するための信号線であるバス39で相互にデータ授受可能に接続されている。
I/F38には、外部装置として、各種データの操作者による入力が可能な操作パネル40、入力データや計算結果等を記憶する記憶装置42、入力データや計算結果の表示を行うディスプレー44等が接続されている。
CPU30は、ROM32に格納されているプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、図2のフローチャートに内容を示す本実施の形態のプレス成形用金型の形状決定のための一連の処理を実行できるしくみになっている。なお、以下説明するその処理の内容について、先述した従来からある一般的な処理と同じものは、理解を容易にするために、同一の符号を附して説明する。
図2は、本実施の形態のプレス成形用金型の形状決定のための一連の処理の内容を示すフローチャートである。
この一連の処理は、実行されると、同図に示すように、まず、ステップS1に移行する。
ステップS1では、初期金型形状が仮設定される。この初期金型形状としては、例えば、3次元CAD等によって設計された被成形材の所望の形状に関するデータにより、例えばその被成形材のある代表部分の寸法や角度についても仮設定することができる。
次いで、ステップS2に移行して、初期金型形状の代表的な仮想断面を選択する。この代表的な仮想断面としては、プレス成形中の被成形材の流動が、経験上、計算の上で、その面を横切って起こらないような仮想断面を選択するのが好ましい。また、この仮想断面は、後出の図4(a)のように被成形材の断面形状が長手方向(断面の法線方向)に一様な場合には1箇所、図4(b)、(c)のように長手方向に変化する場合には代表的な複数の箇所を選択するのが好ましい。
次いで、ステップS3に移行して、その各仮想断面の中から、まず一つの仮想断面を選択して2次元有限要素法(2次元計算)による計算を行なってプレス成形後(金型から離脱後)の被成形材の形状を被成形材全体にわたり予測して求める。
そして、このプレス成形後の被成形材の当該仮想断面内でのスプリングバック量を、プレス成形後の被成形材の当該仮想断面内でのある代表部分の寸法や角度について求め、さらに、ステップS4に移行して、それらについて、所望の形状のものとの誤差を求める。このような、被成形材の代表部分の寸法や角度として、どこを取るかについては、後出の図3の例の他にも種々考えられるが、これらの誤差のうち一つでも許容値以上であれば(No)として、ステップS5に移行し、全ての誤差が許容値未満であれば(Yes)として、ステップS6に移行する。
次いで、ステップS5では、プレス成形後の被成形材の形状と、所望の形状との、当該仮想断面内でのある代表部分の寸法や角度について得られた誤差を許容値未満とするべく金型形状をコンピュータ上で修正し、処理をステップS3に戻す。このような一連の計算(図2に符号Sで示すループによる)が、まず、以上のように実行される。
そして、ステップS6では、全仮想断面について以上のような計算が行なわれたか否かが判断されて、未計算の仮想断面がある場合(No)には処理をステップS2に戻すが、未計算の仮想断面がない場合には(Yes)、ステップS7に移行する。
ステップS7では、ステップS6で(Yes)となったときの金型形状を仮金型形状として仮設定することになる。すなわち、上記2次元有限要素法を用いた計算により仮金型形状を仮設定し、ステップS8に移行する。
ステップS8では、2次元計算により得られた仮金型形状で、3次元有限要素法による計算を行なって、プレス成形後(金型から離脱後)の被成形材の形状を被成形材全体にわたり予測して求める。そして、このプレス成形後の被成形材のスプリングバック量を、プレス成形後の被成形材の代表部分の寸法や角度について求め、さらに、ステップS9に移行する。
ステップS9では、このプレス成形後の被成形材の形状と、所望の形状との誤差を、ある代表部分の寸法や角度について求める。すなわち、このような、被成形材の代表部分の寸法や角度として、どこを取るかについては、後出の図3の例の他にも種々考えられるが、これらの誤差のうち一つでも許容値以上であれば(No)として、ステップS10に移行し、全ての誤差が許容値未満であれば(Yes)として、ステップS11に移行する。
ステップS10では、それらの誤差を許容値未満とするべく金型形状をコンピュータ上で修正し、処理をステップS8に戻す。
そして、ステップS11では、そのときの金型形状を、所望の形状に被成形材をプレス成形できる金型形状として最終的に決定して、処理を終了する。
次に、以上説明したプレス成形用金型の形状決定のための一連の処理の流れに従った場合の、被成形材、それに金型の形状が、どのように予測、仮設定、修正されるのか、の流れについて、図3を参照しつつ説明する。
本発明のプレス成形用金型の形状決定方法では、上述したように、まず、PC100上で初期金型形状が仮設定される(ステップS1)。この初期金型形状は、先述の従来からある一般的な処理の流れに従った場合と同様に、被成形材の形状を、例えば図3(a)のようなハット形にプレス成形する場合には、所望の形状を初期金型形状として仮設定してよい。
そして、初期金型形状の代表的な仮想断面を選択する(ステップS2)。このとき、仮想断面は、例えばハット形にプレス成形する場合には、例えば図3(a)に符号Jで示すように、一つ代表させればよい。
次いで、この仮想断面内で、図3(b)にメッシュを示すような、2次元有限要素法による計算を行なう。これにより、被成形材の当該仮想断面内でのプレス成形後の被成形材の形状として、例えば図3(c)のようにスプリングバックが生じているものが計算で予測して求められる(ステップS3)。
次いで、プレス成形後の被成形材の形状と、所望の形状との誤差を求め、許容値と比較する(ステップS4)。このような誤差の求め方としては種々考えられるが、例えば、製品の機能上重要な部分を代表部分として取り、例えば図3(a)の例のように、所望の形状について、幅寸法D、第一の角度Θ、第二の角度Ψ等を目標値として設定しておき、プレス成形後(金型から離脱後)の被成形材の形状として計算で予測して求めた結果と比較する。なお、この例では、被成形材を金型で挟圧する方向(図3(a)に符号VLで示す線の延びる方向)を基準に、それに対してなす角度として、第一の角度Θ、第二の角度Ψを設定している(以下、他の例において同じ)。なお、同図に示す二点P1,P2間の距離である幅寸法Dとしては、例えばスポット溶接されるべき位置同士の間隔等を設定すれば、製品の機能上重要な部分の寸法精度が確保できるかを知る上で好ましい。
一方、スプリングバックが生じているプレス成形後の被成形材では、幅寸法D、第一の角度Θ、第二の角度Ψにそれぞれ対応する部分が、図3(c)の例のように、幅寸法d、第一の角度θ、第二の角度ψ等の予測値になっている。このため、Dとd、Θとθ、Ψとψを比較し、それぞれ差を取る、あるいは比を取る等して目標値に対する予測値の誤差を求め、それらの誤差が全て許容値未満か否かを判定して、一つでも許容値未満でなければ、許容値未満でないものについて、前述の誤差を許容値未満とするべく、二次元の仮想断面内での金型形状を、図3(d)の例のようにコンピュータ上で修正する。同図では、例えばハット形のフランジ部分に傾斜角度α,βをつけることで、スプリングバック後の被成形材は、同フランジ部が可及的に平坦になることを目標にするようすを示しているとともに、幅寸法d、第一の角度θ、第二の角度ψ等の各予測値がそれぞれ各目標値D,Θ,Ψに対してどれだけの差で表される誤差をもち、その差に各係数c,a,bを掛け算したc(d−D)、a(Θ−θ)、b(Ψ−ψ)の分だけ、所望の形状よりもスプリングバックした方向と逆方向に補償するべく、金型の形状を修正するようすを示している。なお、同図での符号HLは水平方向を示し、符号R2,R3で示される各基準点を通る水平方向の線に対して、同各基準点ならびに先述のP1,P2を通る各線がどれだけの角度をなすかの基準線となる。符号R1,R2,R3は、金型形状を修正するのに使う角度θ,ψを表すのに、何に対してなす角度をあてるかを決めるための基準線を引くために設けた基準点である。
そして、上述のように、c(d−D)、a(Θ−θ)、b(Ψ−ψ)だけ、所望の形状よりもスプリングバックした方向と逆方向に、金型側の各部の寸法や角度を修正した形状に金型形状を修正して(ステップS5)、前述の幅寸法d、第一の角度θ、第二の角度ψ等の各予測値の各目標値D、Θ、Ψに対する誤差が、許容値未満になるまで、以上述べた一連の計算が何度も繰り返される(図2に符号Sで示すループによる)。
この計算には、図3(b)に示したような、2次元有限要素法による計算がこれにあてられ、繰り返される。2次元計算であるので、収束するまでに、ほとんど時間はかからない。
そして、上記2次元有限要素法による計算結果に基づいて、図3(e)に示したような、3次元の仮金型形状を仮設定し(ステップS7)、その仮金型形状での被成形材のプレス成形後のスプリングバック量を3次元有限要素法による計算で予測して求める(ステップS8)。
ここで、図3(f)にメッシュを示すような、3次元有限要素法による計算を行なう。これにより、被成形材のプレス成形後の形状として、図3(f)のようにスプリングバックが生じているものが計算で予測して求められる。
次いで、プレス成形後の被成形材の形状と、所望の形状との誤差を求める(ステップS9)。
このような誤差の求め方としては種々考えられるが、例えば、上記2次元計算と同様に、製品の機能上重要な部分を代表部分として取り、例えば図3(a)の例のように、所望の形状について、幅寸法D、第一の角度Θ、第二の角度Ψ等を目標値として設定しておき、プレス成形後の被成形材の形状として計算で予測して求めた結果と比較する。
一方、スプリングバックが生じているプレス成形後の被成形材では、幅寸法D、第一の角度Θ、第二の角度Ψにそれぞれ対応する部分が、図3(f)の例のように、幅寸法d、第一の角度θ、第二の角度ψ等の予測値になっている。このため、Dとd、Θとθ、Ψとψを比較し、それぞれ差を取る、あるいは比を取る等して目標値に対する予測値の誤差を求め、それらの誤差が全て許容値未満か否かを判定する。なお、この例では、上記2次元計算と同じ部分の寸法や角度を3次元有限要素法でも計算して誤差が全て許容値未満か否かを判定する例を示したが、必ずしも同じ部分の寸法や角度について誤差が許容値未満か否かを判定する必要はなく、3次元有限要素法による計算では、別個の寸法や角度について判定してもよい。
そして、得られた誤差のうち一つでも許容値以上であれば、その誤差を許容値未満とするべく金型形状をコンピュータ上で3次元的に修正する(ステップS10)。ここで、修正後の金型形状は、修正前に計算で予測して求めたプレス成形後の被成形材のスプリングバック量を、製品の機能上重要な代表部分の寸法や角度について求め、さらに、それらについて、所望の形状のものとの誤差を求め、その求めた誤差の分だけ丁度、所望の形状よりもスプリングバックした方向に対し逆方向に、それら寸法や角度を補償した仮想的な形状、またはその仮想的な形状と所望の形状との中間の形状とするのが好ましい。つまり、前述の例で言えば、所望の形状よりも、スプリングバックした方向に対し逆方向にc(d−D)、a(Θ−θ)、b(Ψ−ψ)の分だけ補償するに際し、0<c≦1、0<a≦1、0<b≦1、とするのが好ましい。
そして、それら代表部分の寸法や角度の各予測値の各目標値に対する誤差が、許容値未満になるまで、以上述べた一連の計算が何度も繰り返される(図2に符号Tで示すループによる)。この計算には、図3(f)に示したような3次元有限要素法による計算がこれにあてられ、繰り返される。そして、誤差が許容値未満になった時点で、図3(h)に示すような所望の形状に被成形材をプレス成形できる図3(g)に示すような金型形状を最終的に決定することができる(ステップS11)。
以上説明したように、本発明のプレス成形用金型の形状決定方法によれば、初期金型形状を仮設定し(ステップS1)、その初期金型形状にて一つ以上の仮想断面を選択し(ステップS2)、その仮想断面で2次元計算である2次元有限要素法による計算を行なってプレス成形後の被成形材の当該仮想断面内でのスプリングバック量を予測している(ステップS3)。次いで、その仮想断面内でのスプリングバック量を補償するよう仮金型形状を仮設定し(ステップS7)、その仮金型形状で3次元有限要素法による計算を行なって被成形材のプレス成形後のスプリングバック量を予測(ステップS8)している。
このように、本発明のプレス成形用金型の形状決定方法によれば、まず、2次元計算として2次元有限要素法による計算で予測して求めたプレス成形後の被成形材の仮想断面内でのスプリングバック量を補償するよう仮金型形状を仮設定し、その仮金型形状で3次元有限要素法による計算を行なってプレス成形後の被成形材のスプリングバック量を補償するようプレス成形用金型の形状を決定しようとしている。
すなわち、仮金型形状を設定する際の計算は2次元計算であるので、収束するまでに、ほとんど時間はかからず、容易に仮金型形状を仮設定することができる。さらに、その仮金型形状は、2次元計算による予備的なものであるとはいえ、スプリングバック量を補償するような形状である。したがって、それにひきつづき行なわる3次元有限要素法による計算は、予め前述の2次元計算により、所望の形状に被成形材をプレス成形できる最終的なプレス成形用金型の形状に相当近い形状を出発点とすることができるので、従来からある一般的な処理の流れに従って、最初から3次元有限要素法による計算を行なった場合に比べ、収束するまでに要する時間を大幅に短縮することができる。これにより、本発明のプレス成形用金型の形状決定方法によれば、従来に比べ、短時間でプレス成形用金型の形状を決定できる。
また、本発明のプレス成形用金型の形状決定方法で決定された形状の金型を用いて被成形材をプレス成形する方法(以下、「本発明の被成形材のプレス成形方法」という)で被成形材をプレス成形すれば、図3(h)に示すように、プレス成形後の被成形材を図3(a)に示した所望の形状に可及的に近づけることができるようになる。
なお、本発明のプレス成形用金型の形状決定方法、および被成形材のプレス成形方法は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、理解を容易にするために、被成形材を単純なハット形に成形する場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されず、長手方向に断面形状が変化するような複雑な形状に被成形材をプレス成形する場合等に適用すれば、より計算に要する時間を短縮する効果を発揮できる。
あるいは、図1中で制御プログラム等を格納するとして説明したROMは、例えばハードディスクその他の記憶媒体で代用してもよい。
また、例えば、上記実施の形態では、3次元有限要素法による計算において、製品の機能上重要な部分を代表部分として取り、図3(a)の例のように、所望の形状について、幅寸法D、第一の角度Θ、第二の角度Ψ等を目標値として設定しておき、プレス成形後の被成形材の形状として計算で予測して求めた結果と比較する例で説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、所望の形状の被成形材上に複数の点をランダムにコンピュータ上で仮設定し、これらの複数の点の間の距離を求めておき、プレス成形後の被成形材上のそれら複数の点の間の距離の差をそれぞれ二乗して合計した二乗和を最小にするようにする等してもよい。
あるいはまた、3次元有限要素法による計算を行なった結果、所望の形状のものとの誤差が大きかった、というような場合、3次元有限要素法による計算を繰り返さないで、再びステップS3の2次元計算に戻るようにしてもよい。
また、例えば、上記実施の形態では、2次元計算として、2次元有限要素法による計算を行なってプレス成形後の被成形材の仮想断面内でのスプリングバック量を求める例で説明したが、本発明はこれに限定されず、2次元計算は、例えば、初等解析による弾塑性引っ張り曲げ−曲げ戻し−除荷計算等を用いることもできる。
以下に、本発明のプレス成形用金型の形状決定方法による効果を、実施例にて検証する。
本発明のプレス成形用金型の形状決定方法(以下、「本発明の方法」という)と、従来からある3次元有限要素法による計算を行なって、これを誤差が許容値未満になるまで何度も繰り返す方法(以下、「従来の方法」という)との比較を、常温での引張強さが440MPaの高強度冷延鋼板について行った。なお、3次元有限要素法による計算には市販の有限要素法解析システムを使用した。
図4(a)〜(c)に示す3種類の被成形材の形状について、本発明の方法および従来の方法によりプレス成形用金型の形状決定をそれぞれ行なった。なお、3種類の被成形材の形状について、仮想断面は同図に示すJ〜Nのようにそれぞれ選択した。各仮想断面の形状についての各部の寸法がそれぞれどこを表すか図4(d)に示すとともに、それら寸法の具体的な値を表1に示す。ちなみにW3は図4(a)〜(c)に示すように長手方向の寸法を表す。
Figure 0004631335
図5は本発明の方法と従来の方法とでの計算完了までの総所要時間を比較して示すグラフである。
同図に示すように、本発明の方法は、従来の方法と比較して、形状1および形状2では飛躍的に短時間でプレス成形用金型の形状を決定できることが確認された。また、形状3では従来の方法では計算が収束せず発散して完了することができなかったが、本発明の方法では、問題なく完了することができた。
本発明の一つの実施の形態で用いるPC(パーソナルコンピュータ)の構成を示すブロック図である。 本発明の一つの実施の形態のプレス成形用金型の形状決定のための一連の処理の内容を示すフローチャートである。 本発明のプレス成形用金型の形状決定のための一連の処理の流れに従った場合の、被成形材、それに金型の形状が、どのように予測、仮設定、修正されるのか、の流れの一例を順を追って模式的に示す図である。 本発明の効果の検証のための実施例に用いた被成形材の形状を示す図である。 本発明の効果を示すグラフである。 プレス成形用金型の形状決定方法について従来からある一般的な処理の流れの一例を示すフローチャートである。 プレス成形用金型の形状決定方法について従来からある一般的な処理の流れに従った場合の、被成形材、それに金型の形状が、どのように予測、仮設定、修正されるのか、の流れの一例を順を追って模式的に示す図である。
符号の説明
30 CPU
32 ROM
34 RAM
38 I/F
39 バス
40 操作パネル
42 記憶装置
44 ディスプレー
100 PC(パーソナルコンピュータ)

Claims (2)

  1. プレス成形用金型の形状を決定するに際して用いられてコンピュータを用いて構築されたプレス成形用金型の形状決定方法であって、前記コンピュータは、プレス成形用金型の仮想断面内でのスプリングバック量を予測する第一および第二の予測手段を備え、
    前記第一の予測手段は、予め仮設定された初期金型形状にて一つ以上選択された仮想断面の入力を受け付けるステップと、その入力された仮想断面で2次元計算を行なってプレス成形後の被成形材の当該仮想断面内でのスプリングバック量を予測するステップとを含み
    前記第二の予測手段は、前記第一の予測手段での予測に基づく仮想断面内でのスプリングバック量を補償するよう仮設定された仮金型形状の入力を受け付けるステップと、その入力された仮金型形状3次元有限要素法による計算を行なってプレス成形後の前記被成形材のスプリングバック量を予測するステップと、当該予測されたスプリングバック量を補償するよう前記仮金型形状を修正するステップとを含むことを特徴とするプレス成形用金型の形状決定方法。
  2. 前記2次元計算は、2次元有限要素法によることを特徴とする請求項1に記載のプレス成形用金型の形状決定方法。
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