JP4628527B2 - Dcモータ - Google Patents

Dcモータ Download PDF

Info

Publication number
JP4628527B2
JP4628527B2 JP2000238925A JP2000238925A JP4628527B2 JP 4628527 B2 JP4628527 B2 JP 4628527B2 JP 2000238925 A JP2000238925 A JP 2000238925A JP 2000238925 A JP2000238925 A JP 2000238925A JP 4628527 B2 JP4628527 B2 JP 4628527B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic pole
sensor
pole part
magnet
main magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000238925A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002058186A (ja
Inventor
昌亨 高田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Ecology Systems Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Ecology Systems Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Ecology Systems Co Ltd filed Critical Panasonic Ecology Systems Co Ltd
Priority to JP2000238925A priority Critical patent/JP4628527B2/ja
Publication of JP2002058186A publication Critical patent/JP2002058186A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4628527B2 publication Critical patent/JP4628527B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Brushless Motors (AREA)
  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)
  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主にルームエアコンや給湯機や換気扇などの送風ファン駆動源として用いられる小型電動機の一種であるDCモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、この種のDCモータは、小型化、低コスト化、部品点数・加工工数の削減、設備・金型投資の抑制を実現した上での高品質、高出力および高効率化が強く要求されている。DCモータの高出力および高効率化には、固定子は磁気飽和限界までスロット面積を拡げるとともに、高密度実装巻線により実現し、また、回転子は磁束密度の高い磁石を使用することにより対処されている。さらに、最近では多極化することによって高効率化を実現している。
【0003】
磁石は形状面からはリング型磁石とセグメント型磁石に区分され、セグメント型磁石の方が磁束密度は高い。また、磁性粉体を金型内で成型するときに磁場をかけて配向するか、磁場をかけないで配向しないかによって、異方性磁石、等方性磁石に区分され、磁場をかけて得られる異方性磁石には、磁場配向によってラジアル異方性磁石と極異方性磁石と軸方向異方性に区分され、極異方性磁石はラジアル異方性磁石よりも20%程度磁束密度が高く、着磁波形は正弦波となるので、低振動化、高出力および高効率化には極異方性磁石が用いられるようになってきた。
【0004】
従来、この種のDCモータの一例として図8および図9に示されるものが知られていた。以下、その構成について図8および図9を参照しながら説明する。
【0005】
図に示すように、固定子54は、6つのスロットを有する固定子鉄心51を一体成形あるいは軸方向からの挟み込みによるインシュレータ52にて絶縁し、電機子巻線53を直接巻装して構成され、磁石回転子55は、シャフト56を圧入した回転子鉄心57に4枚のフェライト異方性セグメント磁石58を貼り付け、フェライト異方性セグメント磁石58の軸方向長さは固定子鉄心51の軸方向長さ以上に構成され、59は磁石回転子55の磁極位置を検出するための位置検出素子であるホールIC60および電機子巻線53への通電を制御する駆動IC61を搭載したプリント基板であり、ホールIC60はフェライト異方性セグメント磁石58の漏れ磁束を検出する構成であった。しかし、このような6スロット4極のDCモータでは、極端な高効率化はできないため、固定子鉄心51のスロット数を6スロットから9スロットあるいは12スロットにし、磁石回転子55の極数を4極から8極にすることによって、高効率化する構成が提案されてきている。しかしながら、磁石回転子55の極数を4極から8極に増やすことによって、磁石回転子55の加工工数は2倍になってしまうため、コスト高となるので、リング型磁石である極異方性磁石、特に樹脂磁石において金型内にサマリウムコバルト磁石などを埋め込んで、成形時に極配向させる極異方性樹脂磁石の採用が低コスト化をねらって増えてきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来のDCモータによれば、プリント基板59を電動機内部に内蔵し、ホールIC60を用いて磁石回転子55の磁極位置を検出する場合、磁石58の軸方向長さの少なくともプリント基板59側は固定子鉄心51に巻装された電機子巻線53の軸方向長さ以上とする必要がある。しかしながら、この方法では固定子鉄心51の軸方向中心と磁石58の軸方向中心がずれるので、磁気中心がずれ、固定子鉄心51と磁石58との磁力において軸方向にアンバランスを生じて、軸方向の振動が大きくなるという課題があった。
【0007】
また、磁石58の軸方向長さをプリント基板59の反対側へも同様に長くすれば、磁石58と固定子鉄心51の磁気中心のずれは無くなるが、DCモータの軸方向長さが長くなりすぎ、薄型化できないという課題があった。
【0008】
また、磁石58の軸方向長さが固定子鉄心51に軸方向長さよりも異常に長くなった場合、固定子鉄心51が磁気飽和を生じるので、誘起電圧位相がセンサ信号よりも進むとともに、誘起電圧波形のピークが凹状に歪むため、通電位相が遅れ、消費電力が異常に上昇し、出力が低下し、トルクリップルおよびトルク変化率が大きくなり、回転方向の振動が大きくなるという課題があった。
【0009】
また、環状の回転子鉄心の外周部にリング状の第1永久磁石を接着固定し、回転子鉄心の端面にセンサ用の第2永久磁石を接着固定したDCモータ(特開平10−322999号公報参照)の構成が開示されているが、その目的は電気絶縁体が干渉しない自由な位置に磁気センサーを配置することであり、この構成のDCモータでは、回転子鉄心への永久磁石の接着固定を2回行う必要があり、品質の安定した接着固定を行うには、高温炉を使用して約1時間程度を要するため、加工工数の増大および設備投資が増大するという課題があった。そして、特に第2永久磁石の接着固定の位置については、少量の位置ずれでも重量アンバランスを生じたり、センサ信号の変化間隔が均等にならないという課題があった。さらに、第2永久磁石を接着する接着面は平坦面であるとともに、磁極面に対する垂直度の精度を高くしなければならないという課題があった。
【0010】
また、金型内にサマリウムコバルト磁石などを埋め込んで、成形時に極配向させる極異方性樹脂磁石の構成とした場合は、均一な磁場配向や特性を維持するためには、コールドスラグが磁石本体に混ざって成形されないように、スプールランナーが必要となる。そして、成形後の樹脂磁石のゲート側と反ゲート側の特性を同等にするためには、成形時の射出圧力を下げるとともに、流動性、射出スピードを大幅に上げる必要があり、そのためにはスプールランナーの断面積および容積を大きくする必要がある。また、成形後の型開き時にスプールランナーが破損し、金型内に残らないようにするためにも、スプールランナーの断面積および容積を大きくする必要がある。その結果、大量のスプールランナーが生じることになる。そして、このスプールランナーをすべて粉砕再生したときには、磁気特性が劣化し、効率の低下、減磁耐力の大幅劣化、機械的強度の大幅劣化が生じるという課題があった。逆に粉砕再生する量を制限したときには、コストアップや産業廃棄物として処理するなど環境に対して悪影響を与える可能性を有しているという課題があった。
【0011】
また、極配向された主磁極部と磁石回転子の磁極位置を検知するためのセンサ用磁極部を一体的に成形することも考えられるが、樹脂磁石は流動性が低い上、ガスの発生量も多いので、複雑な形状になれば、ショートショットになったり、ガス溜まりが生じるなど高品質を保つことができないという課題があった。
【0012】
さらに、主磁極部とセンサ用磁極部を一体的に成形する構成において、磁束量を上げるには、厚肉成形となるため、ひけやクラックなどが発生する可能性を有するので、高品質を保つことができないという課題があった。
【0013】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、振動が大きくなるなどの特性劣化効率低下を生じることなく、コストおよび加工工数を低減でき、品質を高く保つとともに、環境に悪影響を与えない。さらには、電子部品を実装したプリント基板を内蔵しても、薄型化・小型化・軽量化・低消費電力化・高品質化できる環境共生型のDCモータを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明のDCモータは上記目的を達成するために、磁石回転子は樹脂磁石よりなる環状の主磁極部と、この主磁極部の外径よりも小さい外径で略環状の樹脂磁石よりなるセンサ用磁極部から構成され、このセンサ用磁極部を構成する樹脂磁石は、軸方向に貫通する複数の貫通穴を有し、この貫通穴は、主磁極部側を小径部とした段付き貫通穴またはすり鉢状貫通穴とし、
前記主磁極部は保持部を介してシャフトに固定され、前記保持部は、軸方向に突出し、センサ用磁極部を固定する突部を備え、この突部を前記貫通穴に嵌合し、前記突部の先端部を前記貫通穴の大径部側にできる空間部内に潰して前記センサ用磁極部を固定したDCモータの構成としたものである。
【0015】
本発明によれば、主磁極部の磁石ボリュームを削減できるとともに、固定子鉄心の磁気中心と主磁極部の磁気中心を合わすことができ、また、高温炉などを使用する接着が不要となり、磁石回転子を製造する加工工数,加工費および投資費用が低減でき、重量アンバランスやセンサ信号の不均一を抑制でき、形状が複雑にならないことから、品質を高く保つことができるので、低コスト化、低振動化、高性能化、小型化、高品質化したDCモータが得られる。
また、主磁極部に対するセンサ用磁極部の正確な位置合わせが一層容易にできるとともに、保持部を形成する材料ボリュームを削減でき、高温炉などを使用する接着が不要となり、磁石回転子を製造する加工工数,加工費および投資費用が低減でき、重量アンバランスやセンサ信号の不均一を抑制でき、潰した先端部が軸方向に突出しないことから、軸方向長さをより一層短くできるので、低コスト化,高品質化,高性能化,一層の小型化を実現したDCモータが得られる。
【0016】
また他の手段は、センサ用磁極部を構成する樹脂磁石の磁性粉体微粒子の磁化容易軸を軸方向に異方化した磁石回転子の構成としたものである。
【0017】
本発明によれば、センサ用磁極部の軸方向長さを短くできるので、磁石ボリュームを削減でき、低コスト化、小型化したDCモータが得られる。
【0018】
また他の手段は、突部は主磁極部の磁極位置に対応して設けられ、センサ用磁極部は主磁極部と同極数の着磁が成形時にされるとともに、貫通穴を磁極位置に対応させて設けた磁石回転子の構成としたものである。
【0019】
本発明によれば、電動機組み立て工程においてセンサ用磁極部を着磁する工程が不要となるので、より低コストのDCモータが得られる。
【0020】
また他の手段は、センサ用磁極部を構成する樹脂磁石は主磁極部を構成する樹脂磁石と同一材料とした磁石回転子の構成としたものである。
【0021】
本発明によれば、センサ用磁極部はモータ運転時に圧力等の力がかからないので、主磁極部の成形時に生じたスプールランナーを粉砕した廃材100%にてセンサ用磁極部を成形できるため、産業廃棄物の発生を抑制できる環境共生型で、より一層低コスト化したDCモータが得られる。
【0024】
また他の手段は、保持部の突部のうち少なくとも先端部を薄肉とした磁石回転子の構成としたものである。
【0025】
本発明によれば、保持部を形成する材料ボリュームを削減でき、高温炉などを使用する接着が不要となり、先端部が容易に潰れることから、センサ用磁極部の固定に要する加工時間が大幅に短縮できるため、磁石回転子を製造する加工工数,加工費および投資費用が低減でき、重量アンバランスやセンサ信号の不均一を抑制できるので、一層の低コスト化,高品質化,高性能化,小型化したDCモータが得られる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明は、磁石回転子は樹脂磁石よりなる環状の主磁極部と、この主磁極部の外径よりも小さい外径で略環状の樹脂磁石よりなるセンサ用磁極部から構成され、このセンサ用磁極部を構成する樹脂磁石は、軸方向に貫通する複数の貫通穴を有し、この貫通穴は、主磁極部側を小径部とした段付き貫通穴またはすり鉢状貫通穴とし、前記主磁極部は保持部を介してシャフトに固定され、前記保持部は、軸方向に突出し、センサ用磁極部を固定する突部を備え、この突部を前記貫通穴に嵌合し、前記突部の先端部を前記貫通穴の大径部側にできる空間部内に潰して前記センサ用磁極部を固定したDCモータの構成としたものであり、適正な鎖交磁束を確保した上で主磁極部を形成する磁石の軸方向長さを短くするなど、保持部を含む磁石ボリュームを減少でき、固定子鉄心の磁気中心と回転トルクを発生する主磁極部の磁気中心とが一致し、磁気飽和が抑制され、鎖交磁束が正弦波になるとともに、高温炉などを使用する接着が不要になり、形状が複雑にならないことから、ガス溜まりやヒケ、クラックの発生が抑制されるという作用を有する。また、主磁極部に対するセンサ用磁極部の正確な位置合わせが一層容易になるとともに、潰した先端部が軸方向に突出しないので、磁石回転子の軸方向長さが短くなるという作用を有する。
【0027】
また、センサ用磁極部を構成する樹脂磁石の磁性粉体微粒子の磁化容易軸を軸方向に異方化した磁石回転子の構成としたものであり、センサ用磁極部の軸方向長さを短くできるという作用を有する。
【0028】
また、突部は主磁極部の磁極位置に対応して設けられ、センサ用磁極部は主磁極部と同極数の着磁が成形時にされるとともに、貫通穴を磁極位置に対応させて設けた磁石回転子の構成としたものであり、電動機組み立て工程においてセンサ用磁極部を着磁する工程が不要になるという作用を有する。
【0029】
また、センサ用磁極部を構成する樹脂磁石は主磁極部を構成する樹脂磁石と同一材料とした磁石回転子の構成としたものであり、主磁極部の成形時に生じたスプールランナーを粉砕して、廃材100%にてセンサ用磁極部を成形できるという作用を有する。
【0031】
また、保持部の突部のうち少なくとも先端部を薄肉とした磁石回転子の構成としたものであり、保持部の材料ボリュームが削減し、先端部が容易に潰すことが可能となり、センサ用磁極部の保持部への固定に要する時間が短くなるという作用を有する。
【0032】
以下、本発明の実施例について図1〜図7を参照しながら説明する。
【0033】
【実施例】
(実施例1)
図1〜図3に示すように、1は複数のスロットを有する固定子鉄心4に絶縁材にて形成されたインシュレータ2を介して電機子巻線3を巻装した固定子で、固定子1は熱硬化性樹脂16にてモールド成形されて外被を形成しており、17はブラケットで軸受け14を保持している。10はホールIC11、駆動IC12および電子部品13などを実装したプリント基板で、8は磁石回転子であり、極配向された主磁極部6と、保持部5と、軸方向異方性のセンサ用磁極部7とシャフト9から構成され、主磁極部6と保持部5は磁場配向用のサマリウムコバルト磁石を内蔵した成形金型にて樹脂磁石を射出成形して一体的に形成している。このとき、成形金型から取り出した主磁極部6は着磁状態である。18は保持部5の軸方向に略直立して一体的に設けられた複数の突部で、主磁極部の極間に相対する位置に設けられており、センサ用磁極部7を位置決め、保持する。そして、センサ用磁極部7は主磁極部6および保持部5と同一材料であり、主磁極部6および保持部5の成形時に生じたスプールランナーを粉砕した廃材100%を、主磁極部6と同極数の着磁が均等間隔にされたサマリウムコバルト磁石を内蔵した成形金型にて略環状に成形する。そして、センサ用磁極部7は主磁極部6と同極数とし、軸方向に磁場配向および着磁を磁極間隔が均等間隔になるよう施された状態であり、突部18に嵌合するための複数の貫通穴19を極間に設けている。また、センサ用磁極部7の固定は突部18に貫通穴19を嵌合させた後、突部18の先端部18aを超音波溶着または熱溶着または高周波溶着またはインパルス溶着などで潰して保持部5に固定される。また、センサ用磁極部7の外径から外側および主磁極部6の外径より内側の範囲に空間部15を設け、プリント基板10に駆動IC12などを実装するその配置は、ホールIC11はセンサ用磁極部7に対向した位置に、駆動IC12についてはプリント基板10に電気的に接続する接続脚12aの長さ(プリント基板10の端面からの高さ)が2mm以上のため、接続脚12aのプリント基板10への半田部12bが空間部15に位置するよう配置され、同様に電子部品13の中で高さが2mm以上あるツェナーダイオード、コンデンサなどの電子部品13aについても空間部15に位置するよう配置されている。
【0034】
このような本発明のDCモータによれば、主磁極部6を極異方性樹脂磁石で形成し、センサ用磁極部7を主磁極部6の外径よりも小さい樹脂磁石で形成し、主磁極部6とセンサ用磁極部7は軸方向に並んで位置した磁石回転子8の構成とすることによって、適正な鎖交磁束を確保した上で主磁極部6の軸方向長さを短くするなど磁石ボリュームを減少でき、固定子鉄心4の磁気中心と回転トルクを発生する主磁極部6の磁気中心とが一致するので、軸方向の振動の発生が抑制できる。また、磁気飽和が抑制され、鎖交磁束が正弦波になるため、常に誘起電圧位相に対して最適な通電位相で運転できるので、トルクリップル・トルク変化率の増大が抑制され、回転方向の振動の増大が抑制される。また、磁石ボリュームを減らすことができるため、コスト低減・小型化・軽量化ができ、低コスト・低振動・小型化・軽量化のDCモータが得られる。
【0035】
また、保持部5の突部18にセンサ用磁極部7の貫通穴19を嵌合させ、突部18の先端部18aを潰してセンサ用磁極部7を固定して磁石回転子8を構成することによって、主磁極部6に対するセンサ用磁極部7の正確な位置合わせが容易になるうえ、主磁極部6の外径とセンサ用磁極部7の外径の平行度が均一になるとともに、高温炉などを使用する接着が不要となり、磁石回転子を製造する加工工数,加工費および投資費用が低減できるとともに、主磁極部6および保持部5の成形が厚肉成形にならないため、成形タクトが短くなり、生産能力が増大し、コスト低減ができるとともに、ヒケの発生の抑制、寸法精度の高精度化が可能となり、重量アンバランスやセンサ信号の不均一を抑制できるので、低コスト化・高品質化・高性能化したDCモータが得られる。
【0036】
また、センサ用磁極部7を軸方向に磁性粉体のフェライト微粒子の磁化容易軸が配向された軸方向異方性にすることによって、センサ用磁極部の軸方向長さが短くできる。また、センサ用磁極部を再着磁する場合の着磁電圧も下げることが可能となり、加工に要する電力が削減できるとともに、主磁極部におけるセンサ用磁極部近傍の磁束量の低下が抑制可能となるので、固定子鉄心に鎖交する磁束は正弦波状を乱すことなく、磁束量も増加する。したがって、低振動、より一層の低コスト・小型化・軽量化・低消費電力のDCモータが得られる。
【0037】
また、突部18を主磁極部6の磁極位置に対応した位置(実施例1では極間部)に設け、センサ用磁極部7を主磁極部6と同極数の着磁を施すとともに、貫通穴18の位置を磁極位置に対応した位置(実施例1では極間部)に設けて成形することによって、センサ用磁極部7を電動機組み立て工程で着磁する工程が不要となるので、着磁ヨークや着磁電源が不要になり、投資金額が抑制できるとともに、生産タクトが短くなり、生産能力が増大するため、より低コストのDCモータが得られる。
【0038】
また、センサ用磁極部7を主磁極部6および保持部5と同一材料とすることにより、センサ用磁極部7は主磁極部6および保持部5の成形時に生じたスプールランナーを粉砕した廃材100%にて形成することができるので、主磁極部6には必要以上のリターン材を混入しなくてもよいため、磁束量の低下や、機械的強度の劣化を防ぐことができるとともに、産業廃棄物の発生を抑制できる環境共生型で、より一層低コスト化したDCモータが得られる。
【0039】
また、図4(a)に示すように、突部18の先端部を凹状に薄肉で形成したり、図4(b)に示すように、突部18の先端部に肉ぬすみを設けたりした薄肉先端部18bとすることによって、樹脂磁石の材料を削減できるとともに、先端部18bを容易に潰すことが可能となり、加工時間が短縮されるので、生産タクトが短くなり、生産能力が増大し、コスト低減ができるため、より一層低コスト化したDCモータが得られる。
【0040】
また、図5(a)、(b)および図6に示すように、センサ用磁極部20の貫通穴を段付き貫通穴21aや、すり鉢状貫通穴21cとなるよう形成することによって、突部18への嵌合が容易になるので、加工時間が短縮され、生産タクトが短くなり、生産能力が増大し、コスト低減ができるため、より一層低コスト化したDCモータが得られる。
【0041】
さらに、図7に示すように、段付き貫通穴21aの小径側を主磁極部6側に位置させて突部18に嵌合し、突部18の先端部18aを段付き貫通穴21aの大径部空間21b内に潰してセンサ用磁極部20を固定することによって、磁石回転子8aの磁石部の軸方向長さが短くできるので、プリント基板10を磁石部に近付けることが可能となり、DCモータの軸方向長さをより一層短くできるため、熱硬化性樹脂16の減量などによる一層の軽量化、小型化、低コスト化したDCモータが得られる。
【0042】
また、2mm以上の高さを有する電子部品13aおよび駆動IC12の接続脚12aなどを電気的に接続する半田部12bをセンサ用磁極部7である樹脂磁石の外径から外側および主磁極部6である極異方性樹脂磁石の外径より内側の範囲にある空間部15に位置させる構成とすることによって、空間部15を有効に活用できるため、DCモータの軸方向長さが一層短くでき、熱硬化性樹脂16の量も削減できる。したがって、一層の小型化・軽量化・低コスト化したDCモータが得られる。
【0043】
なお、実施例1ではセンサ用磁極部7を軸方向に磁性粉体のフェライト微粒子の磁化容易軸が配向された軸方向異方性としたが、等方性としても良く、貫通穴19に突部18を嵌合し、突部の先端部18aを潰して構成することによる作用効果に差異は生じない。
【0044】
また、実施例1では極間部に突部18および貫通穴19を設けたが、磁極ピーク部に設けても良く、主磁極部の磁極とセンサ用磁極部の磁極の極性が物理的に同じになるよう磁極位置を規制できれば、その作用効果に差異を生じない。
【0045】
また、段付き貫通穴の大径部のみすり鉢状としてもよく、その作用効果に差異を生じない。
【0046】
【発明の効果】
以上の実施例から明らかなように、本発明によれば、磁石回転子は樹脂磁石よりなる環状の主磁極部と、この主磁極部の外径よりも小さい外径で略環状の樹脂磁石よりなるセンサ用磁極部から構成され、このセンサ用磁極部を構成する樹脂磁石は複数の貫通穴を有し、主磁極部は保持部を介してシャフトに固定され、保持部はセンサ用磁極部を固定する突部を備え、この突部にセンサ用磁極部の貫通穴を嵌合し、突部の先端部を潰してセンサ用磁極部を固定したDCモータの構成とすることによって、適正な鎖交磁束を確保した上で主磁極部を形成する磁石の軸方向長さを短くするなど、保持部を含む磁石ボリュームを減少でき、固定子鉄心の磁気中心と回転トルクを発生する主磁極部の磁気中心とが一致し、磁気飽和が抑制され、鎖交磁束が正弦波になるとともに、高温炉などを使用する接着が不要になり、形状が複雑にならないことから、ガス溜まりやヒケ、クラックの発生が抑制され、アンバランス量も低減できるので、低コスト化、低振動化、高性能化、小型化、高品質化したDCモータが得られる。
【0047】
また、センサ用磁極部を構成する樹脂磁石の磁性粉体微粒子の磁化容易軸を軸方向に異方化した磁石回転子の構成により、センサ用磁極部の軸方向長さを短くできるので、磁石ボリュームを削減できるとともに、センサ用磁極部の着磁電圧を下げることができるので、主磁極部に逆磁界を生じることがなくなるため、鎖交磁束は正弦波を乱すことなく、磁束量も増加し、低コスト化、低振動化、高性能化、高品質化、小型化したDCモータが得られる。
【0048】
また、突部は主磁極部の磁極位置に対応して設けられ、センサ用磁極部は主磁極部と同極数の着磁が成形時にされるとともに、貫通穴を磁極位置に対応させて設けた磁石回転子の構成により、センサ用磁極部を電動機組み立て工程で着磁する工程が不要となるので、着磁ヨークや着磁電源が不要になり、投資金額が抑制できるとともに、生産タクトが短くなり、生産能力が増大するため、より低コストのDCモータが得られる。
【0049】
また、センサ用磁極部を構成する樹脂磁石は主磁極部を構成する樹脂磁石と同一材料とした磁石回転子の構成としたものであり、主磁極部の成形時に生じたスプールランナーを粉砕して、廃材100%にてセンサ用磁極部を成形できるので、主磁極部には必要以上のリターン材を混入しなくてもよいため、磁束量の低下や、機械的強度の劣化を防ぐことができるとともに、産業廃棄物の発生を抑制できる環境共生型で、より一層低コスト化、高品質化したDCモータが得られる。
【0050】
また、センサ用磁極部を構成する樹脂磁石に設けられた複数の貫通穴は段付き貫通穴またはすり鉢状貫通穴とし、この段付き貫通穴またはすり鉢状貫通穴の小径側を主磁極部側に位置させて突部に嵌合し、前記突部の先端部を前記段付き貫通穴または前記すり鉢状貫通穴の大径部空間内に潰して前記センサ用磁極部を固定した磁石回転子の構成により、主磁極部に対するセンサ用磁極部の正確な位置合わせが一層容易になるとともに、磁石回転子の軸方向長さが短くなるので、熱硬化性樹脂の減量などによる一層の軽量化、小型化、低コスト化したDCモータが得られる。
【0051】
また、保持部の突部のうち少なくとも先端部を薄肉とすることによって、保持部の材料ボリュームが削減し、先端部を潰すのが容易になることにより、センサ用磁極部の保持部への固定に要する時間が短くなるので、加工時間が短縮され、生産タクトが短くなり、生産能力が増大し、コスト低減ができるため、より一層低コスト化したDCモータが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1におけるDCモータの構造を示す縦断面図
【図2】同DCモータの磁石回転子におけるセンサ用磁極部を取り付ける前の斜視図
【図3】同DCモータのセンサ用磁極部の斜視図
【図4】(a)同DCモータの磁石回転子におけるセンサ用磁極部を取り付ける前の他の斜視図(b)同DCモータの磁石回転子におけるセンサ用磁極部を取り付ける前の他の斜視図
【図5】(a)同DCモータにおける他のセンサ用磁極部の斜視図(b)同DCモータにおける他のセンサ用磁極部の断面図
【図6】同DCモータにおける他のセンサ用磁極部の断面図
【図7】同DCモータにおける他の構造を示す縦断面図
【図8】従来のDCモータの構造を示す縦断面図
【図9】同DCモータの固定子、磁石回転子およびプリント基板を示す分解斜視図
【符号の説明】
1 固定子
2 インシュレータ
3 電機子巻線
4 固定子鉄心
5 保持部
6 主磁極部
7 センサ用磁極部
8 磁石回転子
9 シャフト
10 プリント基板
11 ホールIC
12 駆動IC
12a 接続脚
12b 半田部
13 電子部品
13a 2mm以上の高さを有する電子部品
14 軸受け
15 空間部
16 熱硬化性樹脂
17 ブラケット
18 突部
18a 先端部
18b 薄肉先端部
19 貫通穴
20 センサ用磁極部
21a 段付き貫通穴
21b 大径部空間
21c すり鉢状貫通穴

Claims (5)

  1. 固定子鉄心に電機子巻線を巻装した固定子と、
    極異方性磁石を用いた磁石回転子と、
    ホールICなどの電子部品を実装したプリント基板を内蔵したDCモータであって、
    前記磁石回転子は樹脂磁石よりなる環状の主磁極部と、
    この主磁極部の外径よりも小さい外径で略環状の樹脂磁石よりなるセンサ用磁極部から構成され、
    このセンサ用磁極部を構成する樹脂磁石は、軸方向に貫通する複数の貫通穴を有し、
    この貫通穴は、主磁極部側を小径部とした段付き貫通穴またはすり鉢状貫通穴とし、
    前記主磁極部は保持部を介してシャフトに固定され、
    前記保持部は、軸方向に突出し、センサ用磁極部を固定する突部を備え、
    この突部を前記貫通穴に嵌合し、
    前記突部の先端部を前記貫通穴の大径部側にできる空間部内に潰して前記センサ用磁極部を固定したことを特徴とするDCモータ。
  2. センサ用磁極部を構成する樹脂磁石の磁性粉体微粒子の磁化容易軸は軸方向に異方化されたことを特徴とする請求項1記載のDCモータ。
  3. 突部は主磁極部の磁極位置に対応して設けられ、センサ用磁極部は主磁極部と同極数の着磁が成形時にされるとともに、貫通穴を磁極位置に対応させて設けたことを特徴とする請求項1または2記載のDCモータ。
  4. センサ用磁極部を構成する樹脂磁石は主磁極部を構成する樹脂磁石と同一材料としたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のDCモータ。
  5. 保持部の突部のうち少なくとも先端部は薄肉であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のDCモータ。
JP2000238925A 2000-08-07 2000-08-07 Dcモータ Expired - Fee Related JP4628527B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000238925A JP4628527B2 (ja) 2000-08-07 2000-08-07 Dcモータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000238925A JP4628527B2 (ja) 2000-08-07 2000-08-07 Dcモータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002058186A JP2002058186A (ja) 2002-02-22
JP4628527B2 true JP4628527B2 (ja) 2011-02-09

Family

ID=18730551

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000238925A Expired - Fee Related JP4628527B2 (ja) 2000-08-07 2000-08-07 Dcモータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4628527B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104411976A (zh) * 2012-06-19 2015-03-11 三菱电机株式会社 泵、泵的制造方法及制冷循环装置

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006123773A1 (ja) * 2005-05-19 2006-11-23 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. スピンドルモータおよびそれを用いたディスク駆動装置
JP4842893B2 (ja) * 2007-03-07 2011-12-21 アスモ株式会社 歯車機構及び減速機付モータ
JP5925329B2 (ja) * 2012-10-05 2016-05-25 三菱電機株式会社 電動機の回転子、電動機、ポンプ及び冷凍サイクル装置
CN104617731B (zh) * 2015-03-04 2016-11-23 余姚市爱优特电机有限公司 马达转子的感应磁环与转轴装配结构
KR102459101B1 (ko) * 2018-03-12 2022-10-26 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 전동기, 압축기, 송풍기, 및 냉동 공조 장치
CN108565993A (zh) * 2018-06-11 2018-09-21 成都银河磁体股份有限公司 一种磁体
JP2020031480A (ja) * 2018-08-22 2020-02-27 日立グローバルライフソリューションズ株式会社 電動送風機及びそれを搭載した電気掃除機
JP7440397B2 (ja) 2020-11-30 2024-02-28 株式会社ミツバ ブラシレスモータ

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0654504A (ja) * 1992-07-29 1994-02-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd 無刷子電動機の回転子
JPH0731115A (ja) * 1993-07-02 1995-01-31 Matsushita Electric Ind Co Ltd Dcブラシレスモータ
JPH11299207A (ja) * 1998-04-17 1999-10-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd ブラシレスモータ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104411976A (zh) * 2012-06-19 2015-03-11 三菱电机株式会社 泵、泵的制造方法及制冷循环装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002058186A (ja) 2002-02-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5500994A (en) Method of manufacturing a rotor
JP3146492B2 (ja) ブラシレスdcモータ
CA2164745C (en) Power-generating electric motor
US10491082B2 (en) Permanent-magnet electric motor
JP3672775B2 (ja) 無刷子電動機
JPH09294365A (ja) モータ構造
JP4628527B2 (ja) Dcモータ
JP2000333429A (ja) 無刷子電動機およびその製造方法
JP4782083B2 (ja) 電動機の回転子及び電動機及び空気調和機
US4237394A (en) Frequency generator and miniature motor provided with the same
JP4208683B2 (ja) 電動機の回転子及び電動機及び空気調和機
JP3236578B2 (ja) 無刷子電動機
US5866961A (en) Motor structure
JP2007028857A (ja) ブラシレスモータおよびそのロータ
US20100295401A1 (en) Motor and device using the same
JP3748037B2 (ja) ブラシレスモータ及び空気調和機
US20210028678A1 (en) Motor and brushless wiper motor
JP3083510B2 (ja) 無刷子電動機およびその製造方法と磁石回転子の製造方法
CN109980815A (zh) 内转子型的马达
KR200386970Y1 (ko) 브러시리스 직류모터
JPH0666287U (ja) ブラシレスモータのロータ装置
JP2591448Y2 (ja) ブラシレスモータのステータ装置
KR900003985B1 (ko) 인너로터 모터의 유철심형 전기자의 제조방법
KR100797911B1 (ko) 브러시리스 직류모터
JP3613565B2 (ja) ブラシレスdcモータ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070807

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20070912

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20091118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100521

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100525

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100726

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101012

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101110

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131119

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees