JP4627381B2 - アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(以下、AA化PVAと略記する)の製造法に関し、更に詳しくは不溶解物や粗粒物の生成が抑制でき、かつ透明性に優れたAA化PVAの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、AA化PVAの製造方法としては、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、PVAと略記する)にジケテンを反応させる方法が行われており、例えば、▲1▼PVA粉末に液状ジケテンを反応、或いは液状ジケテンとジケテンに不活性でかつPVAの非溶媒を添加して反応させる方法(特開昭55−94904号公報)、▲2▼PVAとジケテンガスを反応させる方法(特開昭55−137107号公報)、▲3▼PVAに吸蔵しうる有機酸を吸着させてジケテンを反応させる方法(特開昭57−40508号公報)、▲4▼脂肪酸エステルの共存下でPVAとジケテンを反応させる方法(特開2000−63427号公報)が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の▲1▼の方法では、ジケテンの反応性が不均一なためか得られたAA化PVAが着色したり、不溶解物が生成される恐れがあり、▲2▼の方法においても製造条件等により不溶解物が生成される恐れがあるので、細心の工程管理が必要とされるものであった。
又、▲3▼の方法においてはケン化度が85モル%以下のPVAの場合に不溶解物が生成される恐れがあり、更に▲4▼の方法では良好なAA化PVAが得られるものの、着色についてはまだ改善の余地が残るものであり、又、アセト酢酸エステル基含有量(AA化度と略記することがある)の高いAA化PVAを得るに当たっては、水溶液にしたときの不溶解物の発生や透明度の低下等の問題が残るものであった。
【0004】
従って、原料PVAのケン化度に関係なく、不溶解物の生成が抑制でき、かつ着色のない、透明性に優れ、高AA化度のAA化PVAの製造に有効なAA化PVAの製造方法が望まれるところである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者はかかる現況に鑑みて鋭意検討した結果、PVAとジケテンを反応させてAA化PVAを製造するにあたり、有機酸及び酸無水物の共存下でPVAとジケテンを反応させるAA化PVAの製造方法を採用することにより、原料PVAのケン化度に関係なく、水溶液の着色や不溶解物の抑制ができ、透明性に優れたAA化PVAが得られ、かつ粗粒やブロック物の発生も抑制でき、良好な形状の生成物が得られることを見出し本発明を完成した。
本発明では、特に高AA化度のAA化PVAを得るのにも有効な製造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
本発明の原料として用いられるPVAとしては、特に限定されないが、一般的にはポリ酢酸ビニルの低級アルコール溶液をアルカリ等のケン化触媒によってケン化して得られたPVA、又はその誘導体、更には酢酸ビニルと共重合性を有する単量体と酢酸ビニルとの共重合体のケン化物等を挙げることができる。
【0007】
該単量体としては、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテル等のポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン等が挙げられる。
【0008】
又、本発明の原料となるPVAのケン化度は特に限定されないが、5〜100モル%、更には65〜99.5モル%が好ましく、又、平均重合度は50〜6000、更には100〜4000が好ましい。
【0009】
更に該PVAの形状としては、特に限定されないが、ジケテンの均一吸着、吸収による反応の均一化及びジケテンとの反応率の向上等を考慮すれば、粉末状、なかんずく粒径分布が狭く、かつ多孔性であるものが好ましく、その粒度としては50〜450メッシュが好ましく、更には80〜320メッシュのものが好ましい。
【0010】
又、該PVAは製造工程中のアルコール類及び水分を数%含むことがあるが、これらの成分中にはジケテンと反応して、ジケテンを消費し、ジケテンの反応率を低下せしめるので、反応に供する際には、加熱、減圧操作を行う等して可及的に減少せしめてから使用することが望ましい。
【0011】
又、本発明においては、上記の如く粉末状のPVAを原料PVAとすることができるが、製造工程の簡略化の点を考慮すれば、原料PVAの製造時のケン化工程後の溶剤(メタノール、メタノール、イソプロパノール等)を含有したスラリー状のPVAを有機酸及び酸無水物で置換して原料PVAとして用いることが好ましい。
【0012】
本発明は、上記の如きPVAを有機酸及び酸無水物の共存下でジケテンと反応させることを最大の特徴とするもので、具体的にその反応方法について述べる。
【0013】
まず、かかる方法に用いられる有機酸としては、特に限定されず、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸等が挙げられるが、中でも酢酸が最も有利である。
又、酸無水物としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸等を挙げることができ、好適には無水酢酸が用いられる。
【0014】
本発明においては、上記の如くPVAとジケテンの反応時に、かかる有機酸及び酸無水物が共存していればよく、かかる有機酸及び酸無水物は予めPVAに添加しておいて、その後にジケテンを反応させてもよく、或いはPVAとジケテンの反応と同時に有機酸及び酸無水物を供給してもよく、更には有機酸及び酸無水物を予めジケテンに添加しておいて、その後にPVAを反応させてもよく、又、有機酸、酸無水物を別々にPVA或いはジケテンに添加しておいてもよく、特に制限はないが、ジケテンを均一に分散させる点で、有機酸及び酸無水物を予めPVAに添加しておく方法が好ましく、かかる方法について、更に詳述するが、これに限定されるものではない。
【0015】
まず、PVAに有機酸及び酸無水物を含有させるのであるが、かかる含有方法については特に限定されず、PVAと有機酸及び酸無水物を混合撹拌すればよいが、粉末状の時は該PVAに予め0.1〜1.0重量%程度の酢酸ナトリウムを含有させておくことも好ましく、又、ケン化後の溶剤含有PVAを用いる時はPVA100重量部に対して該溶剤の含有量を50〜500重量部程度に調整したものを用いることが好ましい。
【0016】
有機酸の含有量は、PVA100重量部に対して0.1〜50重量部であることが好ましく、より好ましくは1〜40重量部、特に好ましくは2〜30重量部である。かかる含有量が0.1重量部未満では不均一なAA化反応が起こり、逆に50重量部を越えると生産性が低下して好ましくない。
又、酸無水物の含有量は、PVA100重量部に対して1〜500重量部であることが好ましく、より好ましくは10〜200重量部、特に好ましくは20〜200重量部である。かかる含有量が1重量部未満では添加効果が得られず、逆に500重量部を越えてもそれ以上の添加効果が望めず好ましくない。
【0017】
次いで、有機酸及び酸無水物が含有されたPVAは、ジケテンと反応させられるのであるが、かかるジケテンはガス状あるいは液状のいずれの状態でも反応に供することができ、特に制限はない。
【0018】
このときの反応条件としては、液状ジケテンを用いる場合には、好ましくは不活性ガス(窒素ガス等)雰囲気下で、噴霧等の手段によって均一に溶解、吸着、吸収せしめて、温度20〜120℃に加温し、撹拌あるいは流動化を継続する。
【0019】
又、ジケテンガスを用いる場合には、接触温度を30〜250℃、更には50〜200℃とすることが好ましく、ガス状のジケテンがPVAとの接触時に液化しない温度でジケテン分圧条件下に接触させることが好ましいが、ジケテンガスの一部が液滴となることは、なんら支障はない。
接触時間は、接触温度に応じて調整(温度が低い場合は時間を長く、温度が高い場合は時間を短く)すればよく、通常は1分〜6時間の範囲から適宜選択する。
【0020】
更に、ジケテンガスを供給する場合には、他の不活性ガスと混合して用いてもよく、又、PVAにジケテンガスを吸収させてから昇温しても良いし、あるいは該PVAを加熱しながら、加熱した後に該ガスを接触させても良い。
【0021】
反応時の触媒としては、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、第一アミン、第二アミン、第三アミン等の塩基性化合物が有効であり、該触媒の量は、PVAに対して0.1〜3.0重量%程度、特には0.1〜1.0重量%程度が好ましい。
又、PVAは、通常酢酸ナトリウムを含んでいるので、触媒を添加しなくてもよい場合が多く、触媒量が多すぎるとジケテンの副反応が起こりやすくなって好ましくない。
【0022】
反応を実施する際の反応装置としては、加温可能で撹拌機の付いた装置であれば充分で、例えば、ニーダー、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、その他各種ブレンダー、撹拌乾燥装置を挙げることができる。
【0023】
かくして、不溶解物や粗粒物が生成せず、着色や不溶解物の発生が抑制された透明性に優れたAA化PVAが得られ、特に高AA化度のAA化PVAを良好に得ることができる。
【0024】
本発明で得られるAA化PVAのAA化度は特に限定されることなく、各種用途に応じて適宜調整することができるが、被覆剤関係、疎水性樹脂ブレンド関係等の用途で有用な高AA化度のAA化PVAを得るに当たっても、着色のない、透明性に優れたAA化PVAを得ることができる。
かかるアセト酢酸エステル基含有量(AA化度)については、特に限定されないが0.1〜30モル%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜20モル%、特に好ましくは1〜15モル%、更に好ましくは5〜15モル%である。
【0025】
上記の如き本発明の方法で得られたAA化PVAは、有機酸及び酸無水物を反応時に共存させているので、不溶解物や粗粒物を殆ど含有することなく、容易に得ることができ、特に高ケン化度(80モル%以上)のAA化PVAにおいても良好なAA化PVAを得ることができる。
得られたAA化PVAは下記の如き各種用途に使用され得る。
【0026】
・成形物関係:繊維、フィルム、シート、パイプ、チューブ、防漏膜、暫定皮膜、ケミカルレース用、水溶性繊維、等
・接着剤関係:木材、紙、アルミ箔、プラスチック等の接着剤、粘着剤、再湿剤、不織布用バインダー、石膏ボードや繊維板等の各種建材用バインダー、各種粉体造粒用バインダー、セメントやモルタル用添加剤、ホットメルト型接着剤、感圧接着剤、アニオン性塗料の固着剤、等
・被覆剤関係:紙のクリアーコーティング剤、紙の顔料コーティング剤、紙の内添サイズ剤、繊維製品用ザイズ剤、経糸糊剤、繊維加工剤、皮革仕上げ剤、塗料、防曇剤、金属腐食防止剤、亜鉛メッキ用光沢剤、帯電防止剤、導電剤、暫定塗料、等
【0027】
・疎水性樹脂用ブレンド剤関係:疎水性樹脂の帯電防止剤、及び親水性付与剤、複合繊維、フィルムその他成形物用添加剤、等
・懸濁分散安定剤関係:塗料、墨汁、水性カラー、接着剤等の顔料分散安定剤、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、(メタ)アクリレート、酢酸ビニル等の各種ビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤、等
・乳化分散安定剤関係:各種アクリルモノマー、エチレン性不飽和化合物、ブタジエン性化合物の乳化重合用乳化剤、ポリオレフィン、ポリエステル樹脂等疎水性樹脂、エポキシ樹脂、パラフィン、ビチューメン等の後乳化剤、等
・増粘剤関係:各種水溶液やエマルジョンの増粘剤、等
・凝集剤関係:水中懸濁物及び溶存物の凝集剤、パルプ、スラリーの濾水性改善、等
・交換樹脂等関係:イオン交換樹脂、キレート交換樹脂、イオン交換膜、等
・その他:土壌改良剤、感光剤、感光性レジスト樹脂、等
【0028】
【実施例】
以下、本発明について実施例を挙げて更に詳しく説明する。
尚、例中に断りのない限り、「%」、「部」とあるのは、重量基準を示す。
【0029】
実施例1
まず、酢酸ナトリウムを0.5%含有するPVA粉末(ケン化度99モル%、重合度1000、粒度7メッシュ以下、揮発分2.5%)100部をニーダーに仕込み、撹拌しながら、酢酸20部及び無水酢酸80部を添加して60℃に昇温後、更に60℃で3時間撹拌を行ってから、ジケテン30部を1時間かけて添加して、更に60℃で1時間反応させて、アセト酢酸エステル基含有量10.9モル%のAA化PVAを得た。
得られたAA化PVAをメタノールで十分に洗浄した後、50℃で18時間乾燥させて、乾燥AA化PVAを得て、以下の要領で評価を行った。
【0030】
(不溶解分)
三角フラスコ中のイオン交換水200mlに上記の乾燥AA化PVA約20g(Sg)を十分に分散させた後、80℃で1時間撹拌し、次いで20℃の水槽に三角フラスコを移して1時間撹拌してAA化PVAを溶解させた。そして、予め秤量してある44μmの金網(Ag)で濾過する。更に80〜90℃の温水2lで三角フラスコ内の不溶解分を完全に金網上に移して洗浄した後、105℃の電気定温乾燥器で2時間乾燥を行い、その重量(Bg)を測定して、下記の式(1)より、不溶解分(%)を求めた。
[(B−A)/S]×100 ・・・ (1)
【0031】
(透明度)
乾燥AA化PVAを105℃の電気定温乾燥器で2時間乾燥を行い、そこから4gのAA化PVAを採取して、三角フラスコ中でイオン交換水96gに十分に分散させた後、80℃で1時間撹拌し、次いで20℃の水槽に三角フラスコを移して1時間撹拌してAA化PVAを溶解させた。得られたAA化PVAの溶液を25℃にて、430nmにおける光透過率(%)を測定した。
【0032】
(粗粒子量)
乾燥AA化PVA100gを標準網ふるい2800μm(7メッシュ)上に入れ、電動式水平振動機(200回/分、振巾50mm)に乗せて、30分振動後、該ふるい上のAA化PVAの重量(g)を測定した。
【0033】
(着色度)
上記の乾燥AA化PVA27gをイオン交換水153mlに三角フラスコ中で十分に分散させた後、80℃で1時間撹拌し、次いで20℃の水槽に三角フラスコを移して1時間撹拌してAA化PVAを溶解させた。該AA化PVA水溶液を比色管に20ml入れ試験液とし、白色タイル板上で試験液と標準液とを比べて、着色度を評価した。
ここで、標準液は、塩化白金酸カリウム1.25g、塩化コバルト1.00g、塩酸100mlを1000mlメスフラスコ中で1000mlとなるように希釈溶解した溶液(a)を、更に50mlメスフラスコにメスピペットで計り取り50mlになるように希釈した液のことであり、着色度は、かかる標準液が上記試験液と同程度の着色となるまでの、メスピペットで計り取った溶液(a)の量を10倍した数値で評価した。
【0034】
(ジケテン効率)
下式の通り、ジケテンの仕込み量(モル%)に対するAA化PVAのアセト酢酸エステル基含有量(モル%)の割合(%)より評価した。
【0035】
実施例2
実施例1において、酢酸を50部に変更した以外は同様に行い、アセト酢酸エステル基含有量10.6モル%のAA化PVAを得た。
得られたAA化PVAをメタノールで十分に洗浄した後、50℃で18時間乾燥させて、乾燥AA化PVAを得て、実施例1と同様の評価を行った。
【0036】
実施例3
実施例1において、酢酸を30部、無水酢酸を0.5部に変更した以外は同様に行い、アセト酢酸エステル基含有量9.4モル%のAA化PVAを得た。
得られたAA化PVAをメタノールで十分に洗浄した後、50℃で18時間乾燥させて、乾燥AA化PVAを得て、実施例1と同様の評価を行った。
【0037】
実施例4
まず、酢酸ナトリウムを0.3%含有するPVA粉末(ケン化度80モル%、重合度2100、粒度7メッシュ以下、揮発分3.0%)100部をニーダーに仕込み、撹拌しながら、酢酸5部及び無水酢酸80部を添加して60℃に昇温後、更に60℃で3時間撹拌を行ってから、ジケテン15部を1時間かけて添加して、更に60℃で1時間反応させて、アセト酢酸エステル基含有量6.3モル%のAA化PVAを得た。
得られたAA化PVAをメタノールで十分に洗浄した後、50℃で18時間乾燥させて、乾燥AA化PVAを得て、実施例1と同様の評価を行った。
【0038】
比較例1
実施例1において、無水酢酸を添加せず、酢酸を30部、ジケテン40部に変えた以外は同様に行って、アセト酢酸エステル基含有量9.8モル%のAA化PVAを得て、実施例1と同様に評価を行った。
【0039】
比較例2
実施例4において、酢酸20部及び無水酢酸80部を、酢酸メチル200部及び無水酢酸80部に変えた以外は同様に行って、アセト酢酸エステル基含有量6.2モル%のAA化PVAを得て、同様に評価を行った。
実施例及び比較例の評価結果を表1に示す。
【0040】
【0041】
【発明の効果】
本発明のAA化PVAの製造方法においては、有機酸及び酸無水物の共存下でPVAとジケテンを反応させているため、ジケテン効率が良く、原料PVAのケン化度に関係なく、着色のない、透明性に優れたAA化PVAが得られ、かつ不溶解物の生成が抑制でき、粗粒物、ブロック物の発生も抑制でき、良好な形状の生成物が得られるものであり、又、特に高AA化度のAA化PVAの製造においても有効な方法となり、得られたAA化PVAは前記の如き各種用途に大変有用である。
Claims (4)
- ポリビニルアルコール系樹脂とジケテンを反応させてアセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂を製造するにあたり、有機酸及び酸無水物の共存下でポリビニルアルコール系樹脂とジケテンを反応させることを特徴とするアセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂の製造方法。
- 有機酸の共存量が、ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部であることを特徴とする請求項1記載のアセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂の製造方法。
- 酸無水物の共存量が、ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して1〜500重量部であることを特徴とする請求項1又は2記載のアセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂の製造方法。
- アセト酢酸エステル基含有量が0.1〜30モル%であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のアセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂の製造方法。
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