JP4626897B2 - 入力装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペンなどの入力手段を用いて押圧することにより、位置入力を行う入力装置に係り、より詳細には、フィルムに形成された膜状電極と表示装置の電極との間に形成されるコンデンサの容量成分に基づいて、押圧位置を検出する入力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
LCD等を用いた表示装置に設けられる位置入力装置には、抵抗薄膜式のタッチパネルが使用されている。しかし、図7に断面形状を示すように、抵抗薄膜式のタッチパネル91は、一対の電極92,93の間に空気層94を含んだ構造となっている。また、タッチパネル91は、表示装置2の表面との間に空気層95を含んで、表示装置2に取り付けられることになる。その結果、外部からの光96は、タッチパネル91の表面、電極92と空気層94との境界、空気層94と電極93との境界、タッチパネル91の裏面、および表示装置2の表面のそれぞれにおいて反射される(反射光を符号97により示す)。つまり、光の透過率が悪くなる。そのため、表示装置2の視認性が悪化するという問題を生じる。
【0003】
このような問題を解決するため、タッチパネル91を不要とする従来技術が、特開昭63−175883号として提案されている。すなわち、この技術では、押圧力やスポット光によって、静電容量あるいは静電容量が接続された抵抗が変化する入力素子を、表示素子の内部あるいは近傍に配置している。そして、この入力素子が接続されたバスラインを、インピーダンス変化を検出する検出素子に導いている。従って、押圧あるいはスポット光を照射した場合、押圧された位置、あるいはスポット光が照射された位置が、検出素子によって検出されることになる(これを第1の従来技術とする)。
【0004】
また、空気層を設けることなく、位置検出を可能にする従来技術が、特開平2−135317号として提案されている。すなわち、この技術では、そのツイスト方向が、表示パネルの液晶のツイスト方向と逆である液晶を封入した補償パネルを設けている。また、この補償パネルと表示パネルとを重ねると共に、重ねたパネルの両側に偏光板を設けている。そして、補償パネルの電極に走査パルスを印加すると共に、他方の電極の電圧波形を検出する入力制御部を備えることによって、補償パネルの入力位置の検出を行っている(これを第2の従来技術とする)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記技術を用いた場合では、以下に示す問題を生じていた。すなわち、第1の従来技術において、入力位置を検出ことができるようにするには、表示装置を、マトリクスの各ドット毎に表示素子が設けられたアクティブマトリクス方式の装置とする必要がある。このため、行方向電極と桁方向電極とを用いて表示を行う単純マトリクス方式の表示装置には適用できなくなっていた。
【0006】
また、第2の従来技術は、補償パネルが必要となっている。一方、補償パネルは構造が複雑なパネルであるため、入力装置の価格が上昇するという問題を招くことになる。
【0007】
また、第1の従来技術および第2の従来技術は、入力手段を用いて押圧したときには、LCDパネルをも押圧する構成となっている。そのため、押圧された箇所近傍のLCDパネルの表示が乱れるという現象が生じる。その結果、入力手段を用いて入力するときには、表示が見づらいものに変化するという問題を生じていた。
【0008】
本発明は上記課題を解決するため創案されたものであって、その目的は、表示装置の表面に設けられたフィルムに、表示装置の電極と対となることによってコンデンサを形成する膜状電極を形成し、このコンデンサの容量に基づいて入力位置を検出することにより、視認性の低下を招くことなく構成を簡単化し、コストを低減することのできる入力装置を提供することにある。
【0009】
また、上記目的に加え、境界における反射光を減少させることによって、視認性をより向上させることのできる入力装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明に係る入力装置は、ペンなどの入力手段を用いて押圧することにより、位置入力を行う入力装置において、行方向電極と桁方向電極とを有する表示装置と、前記表示装置の表面に設けられた透明なフィルムと、前記フィルムに形成され、前記行方向電極と対となることによってコンデンサを形成すると共に前記桁方向電極と対となることによってコンデンサを形成する膜状電極と、前記入力手段により押圧された位置を検出する位置検出部とを備え、前記位置検出部は、前記フィルムが押圧されたとき、前記膜状電極と前記行方向電極および前記桁方向電極との間隔が減少して、押圧された位置におけるコンデンサの容量が増加することにより、押圧された位置を検出することを特徴とする。
【0011】
すなわち、外部からの入射光は、フィルムの表面、フィルムと空気層との境界、および表示装置の表面の3箇所によって反射されるに過ぎない。また、フィルムを押圧したときには、押圧箇所において、桁方向電極および行方向電極のそれぞれと膜状電極との間に形成されるコンデンサの容量が変化する。従って、押圧箇所は、位置検出部によって検出される。つまり、膜状電極が形成されたフィルムにより、入力位置が検出される。
【0012】
また、上記構成に加え、前記フィルムは、厚み方向に弾性復元力を有すると共に光の屈折率が前記表示装置の表面材質の光の屈折率に近似した材質によって形成され、かつ、前記膜状電極が形成されていない側の面が前記表示装置の表面に密着する形で設けられている。
【0013】
すなわち、外部からの入射光は、膜状電極の表面、およびフィルムと表示装置の表面との境界、の2箇所によって反射されるに過ぎない。また、フィルムの光の屈折率は、表示装置の表面材質の光の屈折率に近似している。そのため、フィルムと表示装置の表面との境界の反射率は極めて小さくなる。また、フィルムは、厚み方向に弾性復元力を有している。そのため、膜状電極を押圧したときには、膜状電極が押圧方向に変形する。従って、押圧箇所において、桁方向電極および行方向電極のそれぞれと膜状電極との間に形成されるコンデンサの容量が変化する。
【0014】
また、上記構成に加え、前記フィルムは、光の屈折率が前記表示装置の表面材質の光の屈折率に近似した材質によって形成され、前記表示装置の表面と前記フィルムとの間に、光の屈折率が前記表示装置の表面材質の光の屈折率に近似した透明な液体または透明なゲル状物質が充填されている。
【0015】
すなわち、外部からの入射光は、フィルムの表面、膜状電極と液体(またはゲル状物質)との境界、表示装置の表面の3箇所によって反射されるに過ぎない。また、フィルム、および液体(またはゲル状物質)の光の屈折率は、表示装置の表面材質の光の屈折率に近似している。従って、フィルムと液体(またはゲル状物質)との境界、および表示装置の表面の反射率は極めて小さくなる。また、フィルムを押圧したときには、液体(またはゲル状物質)が、押圧力に対応して移動する。その結果、押圧箇所において膜状電極が、押圧方向に変形する。従って、押圧箇所において、桁方向電極および行方向電極のそれぞれと膜状電極との間に形成されるコンデンサの容量が変化する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0017】
図1は、本発明に係る入力装置の第1の実施形態を示す断面図、図2は、位置検出部の電気的構成を示すブロック線図である。なお、以下においては、説明を簡明とするため、表示装置における行方向電極の数を9本とし、桁方向電極を11本としている。
【0018】
図において、表示装置2は、単純マトリクス型の液晶表示装置となっている。そのため、行方向電極Y(行方向電極Y1〜Y9うちの1つの行方向電極)が形成されたガラス基板201と、桁方向電極X1〜X11が形成されたガラス基板202とを備えている。また、ガラス基板201とガラス基板202との間には、液晶203が充填されている。
【0019】
フィルム3には、一方の面の全体に、引出部401が形成された透明な膜状電極4が形成されている。また、フィルム3は、膜状電極4が表示装置2と対向するように、表示装置2の周囲に沿って設けられたスペーサ501,501を介し設けられている。なお、表示装置2の表面204と膜状電極4との間は、空気層502となっている。
【0020】
フィルム3と表示装置2との関係は、上記した関係となっている。また、フィルム3の光の屈折率、およびガラス基板201の光の屈折率は、共に、約1.5であり、膜状電極4の光の屈折率は、約1.9となっている。また、空気の光の屈折率は1である。
【0021】
そのため、外部からの入射光19は、フィルム3の表面(反射光を符号191により示す)、膜状電極4と空気層502との境界(反射光を符号192により示す)、および表示装置2の表面(反射光を符号193により示す)の3箇所によって反射されるに過ぎない(膜状電極4とフィルム3との境界における反射を無視する)。従って、入射光19が表示装置2に達する率が増加するので、視認性が向上することになる。
【0022】
また、フィルム3と表示装置2との間には空気層502がある。そのため、フィルム3を押圧したときにも、フィルム3が変形するに留まり、表示装置2の表面は押圧されない。そのため、表示装置2の表示に乱れが発生しない。
【0023】
また、膜状電極4と表示装置2とは上記関係にある。そのため、膜状電極4は、桁方向電極X1〜X11のそれぞれと対となることにより、コンデンサCx1〜Cx11を形成する。また、行方向電極Y1〜Y9のそれぞれと対となることにより、コンデンサCy1〜Cy9を形成する。
【0024】
位置検出部は、桁方向電極X1〜X11のそれぞれと膜状電極4との間に形成されるコンデンサCx1〜Cx11の容量と、行方向電極Y1〜Y9のそれぞれと膜状電極4との間に形成されるコンデンサCy1〜Cy9の容量とに基づいて、ペン等の入力手段によって押圧された位置を検出するためのブロックとなっている。
【0025】
そのため、位置検出部は、プロセッサ11、検出制御部12、シフトレジスタ13、走査パルス回路14、シフトレジスタ15、走査パルス回路16、およびパルス検出回路17の7つのブロックを備えている。
【0026】
詳細には、シフトレジスタ13は、桁方向電極X1の側から桁方向電極X11の側に向かって、桁方向電極X1〜X11を順次に駆動するためのパルスを生成するブロックとなっている。また、走査パルス回路14は、シフトレジスタ13から送出されるパルスに従って、桁方向電極X1〜X11を駆動するブロックとなっている。
【0027】
シフトレジスタ15は、行方向電極Y1の側から行方向電極Y9の側に向かって、行方向電極Y1〜Y9を順次に駆動するためのパルスを生成するブロックとなっている。また、走査パルス回路16は、シフトレジスタ15から送出されるパルスに従って、行方向電極Y1〜Y9を駆動するブロックとなっている。
【0028】
パルス検出回路17は、走査パルス回路14が桁方向電極X1〜X11のそれぞれを順次に駆動するとき、駆動を行うごとに、引出部401に現れる電圧のピーク値を検出するブロックとなっている。また、走査パルス回路16が行方向電極Y1〜Y9のそれぞれを順次に駆動するとき、駆動を行うごとに、引出部401に現れる電圧のピーク値を検出する。そして、検出したピーク値を検出制御部12に送出する。
【0029】
検出制御部12は、シフトレジスタ13を制御することによって、走査パルス回路14を介し、桁方向電極X1〜X11のそれぞれを、順次に駆動する制御を行う。また、この制御に対応して、パルス検出回路17から出力される11個のピーク値のうち、レベルが最大となるピーク値を検出する。そして、検出したピーク値に対応する桁方向電極(X1〜X11のうちの1つ)の位置が、入力の水平方向の位置であると判定する。
【0030】
また、検出制御部12は、シフトレジスタ15を制御することによって、走査パルス回路16を介し、行方向電極Y1〜Y9のそれぞれを、順次に駆動する制御を行う。また、この制御に対応して、パルス検出回路17から出力される9個のピーク値のうち、レベルが最大となるピーク値を検出する。そして、検出したピーク値に対応する行方向電極(Y1〜Y9のうちの1つ)の位置を、入力の垂直方向の位置であると判定する。
【0031】
プロセッサ11は、表示装置2を駆動するためのブロック(図示を省略)を制御することにより、表示装置2に文字や図柄等の表示を行う。また、検出制御部12に、入力位置の検出動作の開始の指示を与える。そして、この指示に対応して、検出制御部12から送出される水平位置と垂直位置とが、入力手段により入力された位置を示すデータであるとして、内部に取り込む。
【0032】
図3は、入力手段による押圧状態を示す断面図、図4は、桁方向電極X2〜X4に印加される駆動信号と、引出部401に現れる信号との関係を示す説明図である。なお、図3におけるコンデンサCy5は、行方向電極Y5と膜状電極4との間に形成される容量成分を示している。必要に応じてこれらの図を参照しつつ、第1の実施形態の動作を説明する。
【0033】
いま、フィルム3を押圧するペン(入力手段)7の押圧位置が、水平方向においては、桁方向電極X3に対応する位置であるとする。この場合、桁方向電極X1〜X11のそれぞれと膜状電極4との間に形成されるコンデンサCx1〜Cx11の容量のうち、コンデンサCx3の容量のみが増加する。従って、コンデンサCx3の容量が、その他のコンデンサCx1,Cx2,Cx4〜Cx11の容量より大きくなる。
【0034】
いま、コンデンサCx1〜Cx11の全てが放電状態にあるとする。この状態において、桁方向電極X2にパルスP2が印加されると、このパルスP2によって、コンデンサCx2を介し、その他のコンデンサCx1、Cx3〜Cx11が充電される。
【0035】
また、コンデンサCx2を介して、その他のコンデンサCx1,Cx3〜Cx11に供給される電荷の総量は、コンデンサCx2の容量によって定まる。従って、引出部401に現れる電圧のピーク値V2は、コンデンサCx2の容量に対応した電圧となる。また、このピーク値V2は、パルス検出回路17によって検出される。そして、パルスP2が終了したときには、パルス検出回路17は、引出部401を接地し、コンデンサCx1〜Cx11の放電を行う。
【0036】
この状態において、桁方向電極X3にパルスP3が印加されると、このパルスP3によって、コンデンサCx3を介し、その他のコンデンサCx1,Cx2,Cx4〜Cx11が充電される。
【0037】
一方、コンデンサCx3の容量は、コンデンサCx2の容量より大きい。そのため、コンデンサCx3を介し、その他のコンデンサCx1,Cx2,Cx4〜Cx11に供給される電荷の総量は、コンデンサCx2を介した場合より多くなる。従って、引出部401に現れる電圧のピーク値V3は、コンデンサCx3の容量に対応した電圧となる。つまり、ピーク値V3は、ピーク値V2より高い電圧となる。そして、パルスP3が終了したときには、パルス検出回路17は、引出部401を接地し、コンデンサCx1〜Cx11の放電を行う。
【0038】
次いで、桁方向電極X4にパルスP4が印加されたとき、引出部401に現れるピーク値V4は、ピーク値V2と等しい電圧となる(ピーク値V3より低い電圧となる)。
【0039】
これらのピーク値V2〜V4は、検出制御部12に送出される。そのため、検出制御部12は、桁方向電極X3にパルスP3を印加したとき、パルス検出回路17から出力されるピーク値が最大となるため、水平方向における入力位置は、桁方向電極X3の位置であると判定する。そして後、検出制御部12は、桁方向電極X3を示すデータをプロセッサ11に送出する。
【0040】
上記した方法と同様の方法により、ピーク値が最大となる行方向電極(Y1〜Y9のうちの1つ)が得られる。いま、得られた行方向電極が、行方向電極Y5であるとすると、検出制御部12は、行方向電極Y5を示すデータをプロセッサ11に送出する。そのため、プロセッサ11は、桁方向電極X3と行方向電極Y5との交点Aが、ペン7による入力位置であると認識する。
【0041】
その結果、プロセッサ11は、表示装置2における交点Aの表示情報との関係から、ペン7による入力の指示を判定し、判定した指示に対応する処理を開始する。
【0042】
図5は、本発明に係る入力装置の第2の実施形態を示す断面図である(ただし、位置検出部の構成は、図2に示す構成と同一となっている)。
【0043】
図において、フィルム3Aには膜状電極4Aが形成されている。また、フィルム3Aは、厚み方向に弾性復元力を有すると共に、光の屈折率が、表示装置2の表面材質(ガラス基板201)の光の屈折率に近似した材質によって形成されている。また、フィルム3Aは、膜状電極4Aが形成されていない側の面が、表示装置2の表面204に密着する形で設けられている。
【0044】
フィルム3Aと表示装置2との関係は、上記した関係となっている。また、フィルム3Aの光の屈折率、およびガラス基板201の光の屈折率は、共に、約1.5であり、膜状電極4の光の屈折率は、約1.9となっている。
【0045】
そのため、外部からの入射光19は、膜状電極4Aの表面(反射光を符号194により示す)、フィルム3Aと表示装置2の表面204(反射光を符号195により示す)の2箇所によって反射されるに過ぎない(膜状電極4Aとフィルム3Aとの境界における反射を無視する)。
【0046】
一方、フィルム3Aの光の屈折率は、ガラス基板201の光の屈折率に近似した値となっている。そのため、フィルム3Aとガラス基板201との境界における反射光195の強度は極めて弱い。従って、入射光19が表示装置2に達する率は、第1の実施形態より大きくなるため、視認性は、第1の実施形態より向上することになる。
【0047】
また、膜状電極4Aと表示装置2とは上記した関係となっている。そのため、膜状電極4Aは、桁方向電極X1〜X11のそれぞれと対となることにより、コンデンサ(図2に示すCx1〜Cx11)を形成する。また、行方向電極Y(Y1〜Y9)のそれぞれと対となることにより、コンデンサ(図示に示すCy1〜Cy9)を形成する。
【0048】
また、フィルム3Aは、厚み方向に弾性復元力を有している。従って、膜状電極4Aを押圧したときには、フィルム3Aの押圧箇所が厚み方向に圧縮される。そのため、押圧位置における膜状電極4Aと桁方向電極(X1〜X11のうちのいずれか)との間隔が減少し、間隔が減少した桁方向電極と膜状電極4Aとの間に形成されるコンデンサの容量が増加する。このことは、行方向電極Y1〜Y9との関係においても、同様となる。
【0049】
以上のことから、膜状電極4Aを押圧したときには、押圧位置が、プロセッサ11によって認識されることになる。
【0050】
また、膜状電極4Aを押圧したときには、この押圧力は、フィルム3Aの弾性復元力によって吸収され、表示装置2の表面にストレスを与えない。そのため、ペン7によって位置入力を行ったときでも、表示装置2の表示に乱れが発生しない。
【0051】
図6は、本発明に係る入力装置の第3の実施形態を示す断面図である(ただし、位置検出部の構成は、図2に示す構成と同一となっている)。
【0052】
図において、フィルム3Bには膜状電極4Bが形成されている。また、フィルム3Bは、光の屈折率が、表示装置2の表面材質(ガラス基板201)の光の屈折率に近似した材質によって形成されている。
【0053】
また、表示装置2の表面204とフィルム3Bとの間には、透明な液体8が充填される。また、この液体8には、その光の屈折率が、表示装置2の表面材質(ガラス基板201)の光の屈折率に近似する液体が使用されている。なお、液体8を充填する構成に代えて、光の屈折率が、ガラス基板201の光の屈折率に近似したゲル状物質(符号8に対応する)を用いて、膜状電極4Bをガラス基板201に接着した構成とすることが可能である。
【0054】
フィルム3Bと表示装置2との関係は、上記した関係となっている。また、フィルム3Bの光の屈折率、およびガラス基板201の光の屈折率は、共に、約1.5であり、膜状電極4の光の屈折率は、約1.9となっている。また、液体(またはゲル状物質)8の光の屈折率は、ガラス基板201の屈折率の1.5に近似した値となっている。
【0055】
そのため、外部からの入射光19は、フィルム3Bの表面(反射光を符号196により示す)、膜状電極4Bと液体8との境界(反射光を符号196により示す)、液体8と表示装置2との境界(表示装置2の表面204)(反射光を符号198により示す)の3箇所によって反射されるに過ぎない(フィルム3Bと膜状電極4Bとの境界の反射を無視する)。
【0056】
また、フィルム3Bの屈折率、および液体8の屈折率は、ガラス基板201の光の屈折率に近似している。そのため、反射光197,198の強度は極めて弱い。従って、入射光19が表示装置2に達する率は、第1の実施形態より大きくなるので、視認性は、第1の実施形態より向上することになる。
【0057】
また、膜状電極4Bと表示装置2とは上記関係にある。そのため、膜状電極4Bは、桁方向電極X1〜X11のそれぞれと対となることにより、コンデンサ(図2に示すCx1〜Cx11)を形成する。また、行方向電極Y(Y1〜Y9)のそれぞれと対となることにより、コンデンサ(図示に示すCy1〜Cy9)を形成する。
【0058】
また、膜状電極4Bと表示装置2との間には、任意に変形可能な液体8が充填されている。従って、フィルム3Bを押圧したときには、フィルム3Bは、押圧力に対応して変形する。そのため、押圧位置における膜状電極4Bと桁方向電極(X1〜X11のうちのいずれか)との間隔が減少し、間隔が減少した桁方向電極と膜状電極4Bとの間に形成されるコンデンサの容量が増加する。このことは、行方向電極Y1〜Y9との関係においても、同様となる。
【0059】
以上のことから、フィルム3Bを押圧したときには、押圧位置が、プロセッサ11によって認識されることになる。
【0060】
また、フィルム3Bを押圧したときでは、液体8が押圧力に対応して移動する(ゲル状物質とするときも同様となる)。そのため、押圧力は、表示装置2の表面を押圧しない。従って、ペン7によって位置入力を行ったときにも、表示装置2の表示に乱れが発生しない。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る入力装置は、行方向電極と桁方向電極とを有する表示装置と、表示装置の表面に設けられた透明なフィルムと、このフィルムに形成され、行方向電極と対となることによってコンデンサを形成すると共に桁方向電極と対となることによってコンデンサを形成する膜状電極と、入力手段により押圧された位置を検出する位置検出部とを備え、位置検出部は、フィルムが押圧されたとき、膜状電極と行方向電極および桁方向電極との間隔が減少して、押圧された位置におけるコンデンサの容量が増加することにより、押圧された位置を検出することを特徴とする。つまり、構造的には、膜状電極が形成されたフィルムを、表示装置に設けた構成となっている。また、外部からの入射光は、フィルムの表面、フィルムと空気層との境界、および表示装置の表面の3箇所によって反射されるに過ぎない。また、フィルムの押圧位置は、桁方向電極および行方向電極のそれぞれと膜状電極との間に形成されるコンデンサの容量の変化に基づいて検出される。そのため、視認性の低下を招くことなく、構成を簡単化することができる。
【0062】
また、前記フィルムは、厚み方向に弾性復元力を有すると共に光の屈折率が前記表示装置の表面材質の光の屈折率に近似した材質によって形成され、かつ、前記膜状電極が形成されていない側の面が前記表示装置の表面に密着する形で設けられている。従って、膜状電極を押圧したときには、膜状電極が押圧方向に変形し、桁方向電極および行方向電極のそれぞれと膜状電極との間に形成されるコンデンサの容量が変化する。従って、押圧位置の検出が可能である。また、外部からの入射光は、膜状電極の表面、フィルムと表示装置の表面との境界の2箇所によって反射されるに過ぎない。そのため、反射によって失われる光が減少するので、視認性をより向上させることができる。
【0063】
さらに、前記フィルムは、光の屈折率が前記表示装置の表面材質の光の屈折率に近似した材質によって形成され、前記表示装置の表面と前記フィルムとの間に、光の屈折率が前記表示装置の表面材質の光の屈折率に近似した透明な液体または透明なゲル状物質を充填している。従って、フィルムを押圧したときには、液体(またはゲル状物質)が、押圧力に対応して移動し、膜状電極が、押圧方向に変形するので、押圧箇所は、コンデンサの容量に基づいて検出できる。また、外部からの入射光は、フィルムの表面、膜状電極と液体(またはゲル状物質)との境界、表示装置の表面の3箇所によって反射されるに過ぎず、かつ、反射率は極めて小さくなるので、視認性をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る入力装置の第1の実施形態を示す断面図である。
【図2】位置検出部の電気的構成を示すブロック線図である。
【図3】入力手段による押圧状態を示す断面図である。
【図4】桁方向電極に印加される駆動信号と、膜状電極に現れる信号との関係を示す説明図である。
【図5】本発明に係る入力装置の第2の実施形態を示す断面図である。
【図6】本発明に係る入力装置の第3の実施形態を示す断面図である。
【図7】従来技術を示す断面図である。
【符号の説明】
2 表示装置
3,3A,3B フィルム
4,4A,4B 膜状電極
7 ペン(入力手段)
8 液体(またはゲル状物質)
19 入射光
191〜198 反射光
201,202 ガラス基板
502 空気層
Cx1〜Cx11 コンデンサ
Cy1〜Cy9 コンデンサ
X1〜X11 桁方向電極
Y1〜Y9 行方向電極
Claims (3)
- ペンなどの入力手段を用いて押圧することにより、位置入力を行う入力装置において、
行方向電極と桁方向電極とを有する表示装置と、
前記表示装置の表面に設けられた透明なフィルムと、
前記フィルムに形成され、前記行方向電極と対となることによってコンデンサを形成すると共に前記桁方向電極と対となることによってコンデンサを形成する膜状電極と、
前記入力手段により押圧された位置を検出する位置検出部とを備え、
前記位置検出部は、前記フィルムが押圧されたとき、前記膜状電極と前記行方向電極および前記桁方向電極との間隔が減少して、押圧された位置におけるコンデンサの容量が増加することにより、押圧された位置を検出すること
を特徴とする入力装置。 - 前記フィルムは、厚み方向に弾性復元力を有すると共に光の屈折率が前記表示装置の表面材質の光の屈折率に近似した材質によって形成され、かつ、前記膜状電極が形成されていない側の面が前記表示装置の表面に密着する形で設けられていることを特徴とする請求項1記載の入力装置。
- 前記フィルムは、光の屈折率が前記表示装置の表面材質の光の屈折率に近似した材質によって形成され、前記表示装置の表面と前記フィルムとの間に、光の屈折率が前記表示装置の表面材質の光の屈折率に近似した透明な液体または透明なゲル状物質が充填されていることを特徴とする請求項1記載の入力装置。
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