JP4626340B2 - 強化繊維基材の製造方法および該基材を用いた複合材料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、表面品位や、力学特性の品質安定性に優れる(バラツキの小さい)複合材料を生産性良く得られる強化繊維基材の製造方法およびその強化繊維基材を用いた複合材料の製造方法に関する。
強化繊維を用いた複合材料(以下、FRPと記す)は、優れた力学的特性、軽量化等の要求特性を満たすことから主に航空・宇宙、スポーツ用途に用いられてきた。これらFRPの生産性に優れる成形法としては、例えば、レジン・トランスファー・モールディング(RTM)が挙げられる。かかるRTMでは、マトリックス樹脂が含浸されていない、ドライな強化繊維基材を成形型の中に配置して、液状のマトリックス樹脂を強制的に注入することにより強化繊維中にマトリックス樹脂を含浸させてFRPを成形する。
ところが、このRTMは、一般的にはFRPの生産性には優れるが、用いる強化繊維基材(ドライな強化繊維織物等)の開口率が高いと力学特性が低くなるだけでなく、得られるFRPの表面品位が劣る問題があった。上記問題に対し、特許文献1には扁平状の炭素繊維糸を用いる記載があり、特許文献2には織機のメールにて幅を狭くしないヘルドを使用する記載があり、特許文献3には熱可塑性エマルジョンを塗布した補強繊維を用いた織物の記載があり、特許文献4には所望のピッチに拡幅した糸条を配列した多軸ステッチ基材に関する記載がある。
しかしながら、かかる強化繊維基材は、その製造にあたって強化繊維の糸幅、すなわち基材におけるカバーファクターを大きくした状態、強化繊維同士のギャップ(隙間)を小さくした状態で均一に制御するのが困難で、その品質が不安定であった。ここで、カバーファクターが不均一ということは、強化繊維糸条の横の空隙が存在したり、しなかったりすることを意味する。つまり、強化繊維が空隙が存在する領域としない領域との間で、マトリックス樹脂の含浸速度が異なることによるボイド形成の問題や、相対的に蛇行、屈曲を誘発し、その真直性を局所的に阻害する問題を引き起こしていた。これにより強化繊維の特性を十分発現できずに、FRPの力学特性(特に圧縮強度)を損なうのである。これは、単純に強化繊維を所望の糸幅まで一気に拡幅しただけで、糸幅を安定して制御する思想がないことに起因している。
つまり、従来提案によると、特に圧縮強度や表面品位に優れる複合材料が生産性よく得られ、品質安定性にも優れる強化繊維基材の製造方法は確立されておらず、これら要求を満たす技術の実現が望まれていた。
特開平6−136632号公報(第2頁、請求項1) 特開2001−303384号公報(第4頁、段落0027〜0037) 特開2001−226850号公報(第2頁、請求項10) 国際公開第WO01/63033号パンフレット(請求項14〜27)
本発明は、表面品位や、力学特性(特に圧縮強度)の品質安定性に優れる複合材料を生産性良く得られる強化繊維基材の製造方法およびその強化繊維基材を用いる複合材料の製造方法を提供する。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。
すなわち、本発明の強化繊維基材の製造方法(請求項1)は、少なくとも一方向に平行に配列した強化繊維糸条から構成される強化繊維基材を製造する方法であって、次の(A)〜(D)の工程を経ることを特徴とするものである。
(A)元糸幅Woの強化繊維糸条を引き出す引出工程
(B)糸条幅を、元糸幅Woの100%を超え500%未満の拡幅幅Wsに拡幅する拡幅工程
(C)糸条幅を、前記拡幅幅Wsの97%以下、かつ、元糸幅Woの100〜300%の目標幅Wtに狭める狭幅工程
(D)前記(C)の狭幅工程の後、糸条幅を、目標幅Wtの103%以上、かつ、元糸幅Woの250%以下の再拡幅Wssに再拡幅する再拡幅工程
あるいは、本発明の強化繊維基材の製造方法(請求項2)は、少なくとも一方向に平行に配列した強化繊維糸条から構成される強化繊維基材を製造する方法であって、次の(A)〜(C)の工程を経るとともに、該(C)の狭幅工程と同時またはそれ以降に、次の(E)の固定工程を含むことを特徴とするものである。
(A)元糸幅Woの強化繊維糸条を引き出す引出工程
(B)糸条幅を、元糸幅Woの100%を超え500%未満の拡幅幅Wsに拡幅する拡幅工程
(C)糸条幅を、前記拡幅幅Wsの97%以下、かつ、元糸幅Woの100〜300%の目標幅Wtに狭める狭幅工程
(E)強化繊維基材100重量%に対して0.1〜20重量%の樹脂材料を付着させて、強化繊維糸条の幅を固定する固定工程
あるいは、本発明の強化繊維基材の製造方法(請求項3)は、少なくとも一方向に平行に配列した強化繊維糸条から構成される強化繊維基材を製造する方法であって、次の(A)〜(C)の工程を経るものであるとともに、(B)の拡幅工程が、糸条を40℃〜150℃の範囲に加熱されかつ接触角度が10°以上となるロールを通過させて行うものであり、かつ、隣り合う強化繊維糸条が異なるロールを通過するものであることを特徴とするものである。
(A)元糸幅Woの強化繊維糸条を引き出す引出工程
(B)糸条幅を、元糸幅Woの100%を超え500%未満の拡幅幅Wsに拡幅する拡幅工程
(C)糸条幅を、前記拡幅幅Wsの97%以下、かつ、元糸幅Woの100〜300%の目標幅Wtに狭める狭幅工程
また、本発明の複合材料の製造方法(請求項19)は、少なくとも前記した本発明の強化繊維基材の製造方法で製造した強化繊維基材を用いる複合材料の製造方法であって、次の(F)〜(H)の工程を経ることを特徴とするものである。
(F)強化繊維基材を成形型に配置してキャビティを形成するセット工程
(G)マトリックス樹脂を、キャビティ内に注入して強化繊維基材にマトリックス樹脂を含浸させる注入工程
(H)マトリックス樹脂を固化させて複合材料とする固化工程
本発明の製造方法によれば、糸条幅を正確かつ安定して制御することができるため、強化繊維糸条の糸条幅の変動率CVやカバーファクターや糸条同士の隙間(ギャップ)を所望の範囲内に均一に制御でき、強化繊維糸条の蛇行、屈曲が抑制され、その真直性に優れる強化繊維基材を得ることができる。
このことにより、表面品位や力学特性の品質安定性に優れる(バラツキが小さい)複合材料を生産性良く得られる強化繊維基材および複合材料を提供することができる。
本発明の強化繊維基材の製造方法は、少なくとも次の(A)、(B)および(C)の工程を経る。そして、さらに、より高く本発明の所期の効果を発現させるために、(C)の狭幅工程の後に、次の(D)の再拡幅工程を含むものである(請求項1)あるいは、少なくとも(A)、(B)および(C)の工程を経るとともに、(C)の狭幅工程と、同時またはそれ以降に、次の(E)の固定工程を含むものである(請求項2)あるいは、少なくとも(A)、(B)および(C)の工程を経るとともに、(B)の拡幅工程が、糸条を40℃〜150℃の範囲に加熱されかつ接触角度が10°以上となるロールを通過させて行うものであり、かつ、隣り合う強化繊維糸条が異なるロールを通過するものである(請求項3)
(A)元糸幅Woの強化繊維糸条を引き出す引出工程
(B)糸条幅を、元糸幅Woの100%を超え500%未満の拡幅幅Wsに拡幅する拡幅工程
(C)糸条幅を、拡幅幅Wsの97%以下、かつ、元糸幅Woの100〜300%の目標幅Wtに狭める狭幅工程
(D)糸条幅を、目標幅Wtの103%以上、かつ、元糸幅Woの250%以下の再拡幅Wssに再拡幅する再拡幅工程
(E)強化繊維基材100重量%に対して0.1〜20重量%の樹脂材料を付着させて、強化繊維糸条の幅を固定する固定工程
本発明において、上記強化繊維基材とは、詳細は後述するが、少なくとも一方向に平行に配列した強化繊維糸条から構成される布帛等を意味する。
その元糸幅Woとは、後述の(A)引出工程にて、強化繊維糸条が巻かれているボビン上やビーム上の引き出す前の糸条幅であって、強化繊維基材の全幅方向にわたり均等間隔に選択した50本の平均値を意味する。
また、糸条幅とは、強化繊維糸条が三次元的な糸道を通過する場合があるため、その箇所での強化繊維糸条の長手方向の垂直方向に最も広くなっている幅を、強化繊維基材の全幅方向にわたり均等間隔に選択した50本測定した平均値を意味する。
一般的に、強化繊維糸条は特定用途の専用のものを用意することはまれであり、既に市販されているものを用途毎に使いこなすのが一般的である。本発明は、元糸幅Woよりも目標幅Wtが同じまたはそれ以上の強化繊維基材を製造する場合において、元糸幅Woの強化繊維糸条(たて糸、よこ糸、挿入糸であってもよい)の糸条幅を、元糸幅Woの100%を超え500%未満の拡幅幅Wsに拡幅し、しかる後にWsの97%以下、かつ、元糸幅Woの100〜300%である目標幅Wtにすることにより、本発明の課題を解決できることを見いだしたものである。つまり、元糸幅Woを拡幅幅Wsに制御せずに、直接に目標幅Wtに糸条幅を制御すると、目標幅Wtに正確に制御できないだけでなく、その安定性にも劣り、本発明の課題を解決できない。かかる(B)の拡幅工程および(C)の狭幅工程を経て目標幅Wtにすることにより、目標幅Wtに正確かつ安定して制御することができる。このことにより、後述の強化繊維糸条の糸条幅の変動率CV、および、強化繊維基材のカバーファクターが所望の範囲内に均一に制御でき、強化繊維糸条の蛇行・屈曲が抑制できる強化繊維基材を得ることができるのである。このようにして得られた強化繊維基材を用いた複合材料は、表面品位や力学特性の品質安定性に優れる特徴を有する。また、特に、注入成形を行う場合には、含浸性のバラツキを抑制する予想外の効果をも発現する。
図1は、本発明の製造工程の流れを説明する概略工程図である。各工程について、以下に詳細に説明する。
(A)引出工程(図1中1)
元糸幅Woの強化繊維糸条を、例えばクリールスタンドに掛けられているボビンから直接引き出したり、部分整経されたビーム等から引き出す等の方法により引き出す。強化繊維基材の幅は通常0.1m〜2.54mであるので、織物におけるたて糸や、後述の多軸シートにおけるたて糸(0°方向)およびよこ糸(0°以外の方向)においては多数の強化繊維糸条を用いるのが一般的である。織物におけるよこ糸においては1本で用いるのが一般的である。
一般的に、強化繊維糸条は、所定のワインド数でトラバースさせながら巻き取られている。特に、強化繊維糸条が扁平状になっていると、トラバースさせながらボビンに巻き取った場合にトラバース反転箇所において、扁平糸を幅方向に屈曲させることになる。つまり、屈曲の内角に近いフィラメントを緩んだ状態で、屈曲の外角に近いフィラメントは緊張状態で巻き取られ、その状態で仮セットされている。このような強化繊維糸条のボビンを解舒した場合、扁平状の糸条は、ねじれやすくいため仮撚や細糸を誘発する場合が多い。かかる観点から、強化繊維糸条として扁平状のものを用いる場合、強化繊維糸条を巻回しているボビンにコンタクトローラに接触させつつ、強化繊維糸条を実質的に一定速度で解舒して引き出すのが好ましい。かかる態様にすることにより、強化繊維糸条に仮撚や細糸の混入を最小限に抑えることができるのである。かかる態様は、たて糸にもよこ糸にも用いることができるが、特によこ糸に用いるとその効果を最大限に発現する。
(B)拡幅工程(図1中2)
糸条幅を、元糸幅Woの100%を超え500%未満の拡幅幅Wsに拡幅する。より好ましいWsは、Woの110〜300%、更に好ましくはWoの120〜200%である。かかるWsが、Woの100%以下であると、本工程および後述の(C)の狭幅工程が意味をなさない。一方、Wsの500%以上であると、後述の(C)の狭幅工程にて正確にWtに制御できないだけでなく、強化繊維糸条から毛羽が発生しやすく、製造に困難をきたす場合がある。
糸条幅をWsに拡幅する拡幅工程(B)を行う手段としては、強化繊維糸条に適した方法を適宜選択することができ、気体もしくは流体を吹き付ける区域、気体もしくは流体を吸引する区域、ロール(振動ロール、揺動ロール、張力変動ロール(例えば卵型断面ロールや、ロールの軸が直線でないもの)、擦過ロール(自由回転しない固定ロール)、加圧ロール、加熱ロール、それらの組み合わせ等)部の通過、液中での振動(超音波等)付与、加圧、それらの組み合わせ等が挙げられる。中でも好ましいものとして、糸条厚み方向に気体を吹き付ける区域を通過させる方法や、糸条厚み方向に気体を吸引する区域を通過させる方法があり、さらに、より好ましい方法として、接触角度が10°以上となるロール(特に加熱・擦過ロール)を通過させる方法がより効果的であり優れている。ロールを加熱する場合には、強化繊維糸条に予め付与しているサイジング剤を十分に軟化させる温度に加熱しておくことが拡幅に重要であり、40〜150℃の範囲に加熱することが重要である。かかる観点から、後述の強化繊維糸条のサイジング剤の付着量は、0.2〜2重量%の範囲が好ましい。より好ましくは0.5〜1.5重量%の範囲である。
そして更に、接触角度が10°以上(好ましくは30〜180°、更に好ましくは45〜90°)となるロールにおいては、隣り合う強化繊維糸条を異なるロールを通過させる方法(請求項3)を採用するのが重要である。この場合は隣り合う強化繊維糸条が異なるロールを通過すると最大限にその効果を発現するからであり、隣り合う強化繊維糸条が同一のロールを通過すると、隣り合う強化繊維糸条が拡幅の障害になり、Wo以上の幅には拡幅できないためである。また、これに加圧ロール(ニップロール等)を組み合わせると効果的である。かかる方法は、特に織物におけるたて糸もしくは多軸シートにおけるたて糸およびよこ糸に関するものである。一方、特に織物におけるよこ糸は、一糸条毎に打ち込んで布帛形成するのが一般的であるので、かかる態様による効果が発現しにくいため、気体もしくは流体を糸条の厚み方向に貫通する方向に吹き付ける領域を通過させる方法や、気体もしくは流体を糸条の厚み方向に貫通する方向に吸引する領域を通過させる方法が特に効果的である。
この他にも、強化繊維糸条をWoより小さい寸法を有する箇所を通過させない、すなわち、通過する箇所の寸法をWo以上にすることが挙げられる。
(C)狭幅工程(図1中3)
糸条幅を、拡幅幅Wsの97%以下、かつ、元糸幅Woの100〜300%の目標幅Wtに狭める。より好ましいWtは、Wsの95%以下、かつ、Woの110〜200%、更に好ましくはWsの90%以下、かつ、Woの115〜180%である。かかるWtが、Wsの97%以下またはWoの100%未満であると、本工程の意味が希薄となり、本発明の効果を得ることがむずかしい。一方、300%を超えると糸条幅を狭めた後の糸条幅の変動が発生して正確にWtに制御できない。
糸条幅をWtに狭幅する手段としては、規制ガイドの通過や、液体を付与して乾燥するときの表面張力、基材を引き取る張力を利用した狭幅化、強化繊維糸条同士の隙間での経編形成もしくはニードルの上下運動、それらの組み合わせ等が挙げられるが、好ましいものとして、規制ガイドに強化繊維糸条を通過させる方法が挙げられる。かかる規制ガイドは、少なくとも1つ通過させればよいが、より精度よく規制幅にするには、複数の規制ガイドを通過させるのがよい。複数の規制ガイドを通過させる場合には、目標幅Wtを大きく超える規制ガイド、目標幅Wtを僅かに超える規制ガイドとを併用するのが効果的である。
かかる規制ガイドとしては、櫛型、溝型、鍔型等のものが挙げられ、特に織機においては、綜絖または筬を規制ガイドとして用いることができ、好ましい態様といえる(特に、たて糸に対して)。よこ糸については、溝付ロールや、垂直ローラおよび水平ローラを組み合わせたガイドローラ群などを用いて狭めるのが好ましい。
以上の(A)、(B)および(C)工程を経る本発明の製造方法によれば、目標幅Wtに正確かつ安定して制御することができる。また、このことにより、後述の糸条幅の変動率CVやカバーファクターや糸条同士の隙間(ギャップ)も所望の範囲内に均一に制御できるのである。このようにして得られた強化繊維基材による複合材料は、力学特性の品質安定性(バラツキの小さい)、表面品位に優れるという効果を奏する。
(D)再拡幅工程(図1中4)
本発明の製造方法(請求項1)は、次に説明する再拡幅工程(D)を、(C)の狭幅工程の後に経ることにより、より優れた効果を得るものである。すなわち、ここでの再拡幅工程は、糸条幅を、目標幅Wtの103%以上、かつ、元糸幅Woの250%以下の再拡幅Wssに再拡幅する。より好ましいWssは、Wtの105%以上、かつ、Woの105〜180%、更に好ましくはWtの110%以上、かつ、Woの110〜150%である。かかるWssが、Wtの103%未満またはWoの100%未満であると、本工程で拡幅にする意味が希薄となり、本発明の効果が小さくなる。一方、250%を超えると、強化繊維糸条から毛羽が発生しやすく、製造に困難をきたす場合がある。
糸条幅をWtに拡幅する手段としては、(B)の拡幅工程で例示した方法が挙げられる。その中でも、糸条を、気体で吸引する区域、加熱ロール区域のいずれか一つを通過させて行うものであることが好ましい。本再拡幅工程では、(B)の拡幅工程では使用できなかった手段、例えばニードルなどを強化繊維基材を貫通させて強化繊維糸条を開繊する手段(以下、ステッチ手段と略称する)なども採用することができる。なぜなら、本発明において(B)の拡幅工程の後には(C)の狭幅工程が必須であるため、強化繊維糸条の糸幅が変化しないように固定することはできないためである。本再拡幅工程以降においては、いつでも強化繊維糸条の糸幅が変化しないように固定することができるため、手段の選択幅は格段に広くなる。なお、かかるステッチ手段において、ステッチ糸は編成させても、タフティングの如く編成させずに配置するだけでも、ステッチ後にステッチ糸を取り除いても、ステッチ糸を挿入せずに単にニードリングしてもよいが、後述する(E)の固定工程の役割も果たすことができるように、ステッチ糸を編成させておくのが好ましい。
再拡幅する手段の中でも、加圧することや、ステッチ手段で強化繊維糸条を拡幅することが好ましい。具体的に加圧することとは、ロールにて連続加圧すること、または、圧子(例えば、平板など)にて間欠加圧する方法が挙げられる。
(E)固定工程(図1中5)
本発明の製造方法(請求項2)は、(C)の狭幅工程と、同時またはそれ以降に、次に説明する固定工程(E)をさらに経ることにより、より優れた効果を得るものである。すなわち、ここでの固定工程(E)は、樹脂材料を付着させて、強化繊維糸条の幅を固定する。かかる樹脂材料は、強化繊維基材100重量%に対して付着量が0.1〜20重量%であるようにすることが重要である。0.1重量%未満では強化繊維基材を取扱う際の基材の形態安定性に劣る。20重量%を超えると複合材料を得る際にマトリックス樹脂の含浸を妨げる場合がある。更には、得られる複合材料の力学特性を阻害する場合がある。
かかる樹脂材料は、強化繊維基材の表面(片面、両面のいずれでもよい)に付着させてもよいし、強化繊維基材の全面にわたって被覆して付着させてもよい。更に、強化繊維基材を貫通して配置されていてもよい。なお、本発明でいう付着とは、樹脂材料と強化繊維基材とが一体化していることを指す。具体的には、接着していてもよいし、ばらばらにならないように交絡や編組などによって強化繊維基材と樹脂材料とが結束しており、微視的には強化繊維糸条と樹脂材料とは接着していない状態などでもよい。
強化繊維基材の表面に樹脂材料を付着させる場合、好ましい手段としては、例えば、次の(d1)、(d2)の方法が挙げられる。
(d1)固体状の樹脂材料を塗布または貼り合わせた後、樹脂材料を溶融させて、強化繊維糸条に付着させる。この場合、樹脂材料として不織布、織物、編物、繊維、粒子等を用いることができる。樹脂材料として、不織布を用いると、樹脂材料の量を簡易に制御することができるため好ましい。一方、粒子を用いると、微視的に均一な分散が可能になるため好ましい。粒子の塗布装置としては、帯電スプレー、流動床、接触ロール(キスロール、ドットロール等)、非接触ロール(掻き落としロール等)等を使用することができる。図2は、(d1)の方法で粒子状の樹脂材料を二方向性織物に付着させた、本発明の製造方法で製造された強化繊維基材の一実施態様の平面図である。強化繊維糸条であるたて糸22とよこ糸23とから構成されている強化繊維基材21の上には、樹脂材料24が不連続に点状に分散している。
(d2)溶融している樹脂材料を塗布して強化繊維糸条に付着させる。この場合、例えばメルトブロー法やスパンボンド法を用いると、強化繊維基材の表面に直接かつ同時に、不織布を形成、付着させることができ、効率的な工程とすることができる。
(d1)、(d2)の方法の場合、樹脂材料は強化繊維基材100重量%に対して2〜20重量%であるのが好ましい。かかる方法により樹脂材料を強化繊維基材の表面に付着させると、強化繊維糸条の幅を固定して基材の形態安定性を発現するだけでなく、樹脂材料が複合材料の基材層間のクラックストッパーになることにより、衝撃を受けたときに層間の損傷を抑制でき、耐衝撃特性(特に、Compression After Impact、以下、CAIと略称する)に優れるという効果を発現する。更に、樹脂材料は、それ自体がスペーサーとなってマトリックス樹脂を含浸する際の流路を形成し、特に注入成形に供した際に含浸が容易になるだけでなく、含浸する速度も速くなり複合材料の生産性にも優れるといった予想外の効果をも発現する。
一方、強化繊維基材の全面にわたって樹脂材料を被覆して付着させる場合、好ましい手段としては、例えば、次の(d3)の方法が挙げられる。
(d3)溶媒中に溶解または分散した樹脂材料を塗布した後に脱溶媒して強化繊維糸条に付着させる。この場合、樹脂材料が高濃度に溶解または分散した液体を用いると、脱溶媒が容易かつ安価にできるため好ましい。高濃度化のために、力学特性に悪影響を及ぼさない範囲で、乳化剤等を用いることができる。また、塗布装置としては、インクジェットやスクリーン等の印刷装置、スプレー、接触ロール(キスロール、タッチロール等)等を使用することができる。なお、ここでいう溶媒とは、無機溶媒、有機溶媒、水等の樹脂材料を溶解または分散できる液体の総称名である。
この場合、樹脂材料は強化繊維基材100重量%に対して0.5〜5重量%であるのが好ましい。かかる方法により樹脂材料を強化繊維基材の全面にわたって被覆して付着させると、より少ない樹脂材料の量で強化繊維糸条の幅を固定して基材のより高い形態安定性を得ることができる。
この他にも、樹脂材料を強化繊維基材を貫通して配置する好ましい手段としては、例えば、前述のステッチ手段が挙げられる。該ステッチ手段を用いると、基材の厚み方向に貫通孔が形成されるため、樹脂の含浸性が極めて優れるという予想外の効果を発現する。該ステッチ手段においては、後述のステッチ糸や結節糸などが上記樹脂材料に相当する。
ここで、(D)の再拡幅工程と(E)の固定工程とを同時に行う場合、糸条幅を制御する手段が、樹脂材料のガラス転移点Tg以上のロールにて連続加圧すること、または、圧子(例えば、平板など)にて間欠加圧することであるのが好ましい。かかる手段であると、後述の樹脂材料を用いた場合にも、糸条幅を本発明の範囲内に容易に制御することができる。
別の観点から、(D)の再拡幅工程と(E)の固定工程とを同時に行う場合、前述の通り、ステッチ手段であるのが好ましい。該ステッチ手段であると、効率的に強化繊維基材を得ながら、糸条幅を本発明の範囲内に容易に制御することができ、更に含浸性を高めることができる。なお、該ステッチ手段は(D)の再拡幅工程の役割を果たさず(E)の固定工程のみの役割を果たすために採用してもよい。
本発明において、糸幅を制御する強化繊維糸条は、強化繊維基材のたて糸として用いられても、よこ糸として用いられてもよい。強化繊維基材としては、たて糸およびよこ糸のいずれも制御され、いずれの方向にも本発明の課題を解決できるのが好ましい。なお、本発明におけるたて糸とは、強化繊維基材の長手方向(0°方向、たて方向)に平行に配列した強化繊維糸条を指し、よこ糸とは、それ以外の方向(例えば、90°方向、45°方向など)に平行に配列した強化繊維糸条を指す。
本発明にかかる強化繊維基材は、例えば、二次元の一方向性、二方向性、あるいはそれ以上の方向性を有する織物、三次元の多方向性織物、編物(例えば、経編もしくは緯編に強化繊維糸条を挿入したもの)、多軸挿入基材、一方向に引きそろえられた強化繊維シート(例えば、上記一方向性シートなど)を二方向以上に交差積層して一体化された多軸シート等が挙げられ、それらはステッチ糸、結節糸あるいは樹脂成分等により接合され複数のものが一体化しているものでもよい。
中でも、少なくとも強化繊維糸条をたて糸とし、補助繊維糸条をよこ糸とした一方向性織物(特に、たて補助糸を用いたノンクリンプ織物が好ましい)、または、少なくとも強化繊維糸条をたて糸とした一方向性シートであると、航空機の一次構造部材に要求されるレベルの非常に高い力学特性(特に圧縮強度)が達成しやすいために好ましい。この高い力学特性は、二方向性織物で発生するたて糸とよこ糸との交錯点での屈曲(クリンプ)が形成されないことに起因する。更に、少なくとも強化繊維糸条をたて糸挿入糸とし、補助繊維糸条が経編組織を形成して強化繊維糸条を結束した一方向性経編物であっても同様の効果が発現しやすい。
別の視点からは、強化繊維糸条を二方向または多方向に配向した基材であると、一方向性基材では複合材料を成形する際に2層以上を積層しなければならないところを1層の積層でよい点から、生産性良く(低コストに)複合材料を得ることができるため好ましい。また、強化繊維糸条をたて糸およびよこ糸とした二方向性織物であると、意匠性にも優れるため更に好ましい。
更に、別の視点からは、強化繊維糸条で形成したシートを多方向に積層した多軸シートであると、積層の手間がより一層省略できるため好ましい。また、多軸シートがステッチ糸にて一体化された基材であると、前述の通り極めて含浸性に優れる強化繊維基材を得ることができることから、早い含浸速度で樹脂が含浸でき更に高い生産性で複合材料を得ることができるため、とりわけ好ましい。
本発明によると、目標幅Wtが正確に規制されたものが得られる結果、強化繊維基材における糸条幅の変動率CV、カバーファクター、ギャップを正確かつ安定に制御して製造することができる。
本発明の製造方法により製造される強化繊維基材は、強化繊維基材における強化繊維糸条の糸条幅の変動率CVが0〜10%に制御されたものであるのが好ましい。より好ましくは0〜8%、更に好ましくは0〜6%である。10%を超えると、複合材料に成形する場合、強化繊維糸条が細い箇所と太い箇所との間でボイドを形成したり、強化繊維糸条の相対的に蛇行、屈曲を誘発して真直性を局所的に阻害したりする。ここで、強化繊維糸条幅とは、平面状にした強化繊維基材をその垂線方向から見た幅を指し、強化繊維基材の全幅方向にわたり均等間隔に選択した50本の平均値を用いた。また、糸幅の変動率は、強化繊維糸条の長手方向に25mm間隔で20箇所の糸条幅を測定し、それら標準偏差と平均値とを用いて、(変動率)=(標準偏差)×100/(平均値)にて算出した。
本発明の製造方法により製造される強化繊維基材は、カバーファクターが95%以上であるように制御されたものであるのが好ましい。より好ましくは97%以上、更に好ましくは99%以上である。95%未満であると、複合材料にした場合、表面にピット(樹脂の未充填部分)が発生して表面品位や力学特性(特に、環境耐久性や湿熱環境下の圧縮強度)の品質安定性に劣る場合がある。ここで、カバーファクターとは、平面状にした強化繊維基材をその垂線方向から見て、200mm×200mmの単位面積における基材中の強化繊維糸条(補助繊維糸条、たて補助繊維糸条、ステッチ糸等を除く)が存在する(カバーしている)閉口部分の百分率を指し、カバーファクター(%)=閉口部分の合計面積(mm2 )/400により算出され値を指す。本発明では、強化繊維基材の全幅方向に渡って均等間隔に4箇所測定した平均値で代表させた。かかる閉口部分は、CCDカメラやスキャナー等により光学的に取り込まれた画像を元に算出することができる。
特に、かかる多軸シートにおいては、シートが多方向に積層されるため上記カバーファクターは実質的に意味をなさない場合がある。例えば、4層以上を積層した場合、ほとんどの場合において約100%となってしまう。そこで、多軸シートにおいて、複合材料にした場合の品質安定性の指標としては、強化繊維基材における多方向に配置された各層において、2mmを超える強化繊維糸条同士の隙間(ギャップ)の頻度が挙げられる。かかるギャップの頻度(各層ごとの該値を全層で平均した値)は0.5個/m2 以下であるのが好ましい。0.5個/m2 を超えると、複合材料にした場合に表面にピット(樹脂の未充填部分)が発生して表面品位が劣る場合や、一方で樹脂リッチ層が形成されて力学特性(特に、環境耐久性や湿熱環境下での圧縮強度)の品質安定性に劣る場合があるので、用途によっては望ましくない。
本発明で使用される強化繊維糸条としては、例えば、炭素繊維、黒鉛繊維、ガラス繊維、有機繊維(アラミド、パラフェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリビニルアルコール、高強度ポリエチレン、ポリイミド等)、これらを2種類以上を併用したものを使用することができる。中でも炭素繊維は比強度・比弾性率に優れるので、航空機用途の強化繊維として好ましく用いられる。
かかる強化繊維糸条は、無撚でも有撚でも使用することができるが、力学特性(引張、圧縮等)の面からは実質的に無撚のものが好ましい。また、その繊度は300〜5,000texであるものが好ましい。より好ましくは600〜2,000texである。かかる範囲より小さいと、織物にする場合、交錯点が多すぎてクリンプだけでなくその数も大きくなり、力学特性に劣る場合がある。かかる範囲より大きいと、交錯点が少なすぎて強化繊維基材の形態安定性に劣る場合がある。
特に、かかる繊度の強化繊維糸条を用いる場合、本発明の効果を最大限に発現させる強化繊維糸条の目付は50〜350g/m2 、好ましくは140〜270g/m2 である。上記繊度の範囲の強化繊維糸条を用いて、かかる目付の範囲である強化繊維基材を得る場合、本発明の効果が一層高く発現される。これは、太繊度の炭素繊維糸条を用いて低目付の基材を得る場合は、用いる強化繊維糸条の糸条数が少なくなる(織密度が小さくなる)ため、カバーファクターが小さくなりやすい(強化繊維糸条間の隙間が大きくなりやすい)ことから理解できる。
特に、多軸シートにおいては、いくつの層を積層するかによって基材における強化繊維糸条の目付は大きく異なる。かかる観点から、多軸シートにおいては、各層の強化繊維糸条の目付が50〜350g/m2 であるのが好ましい。より好ましくは60〜150g/m2 、更に好ましくは70〜120g/m2 である。かかる目付の範囲を、前記繊度の範囲の強化繊維糸条を用いて製造する場合に本発明の効果が最大限に発現される。つまり、各層の強化繊維糸条の目付が350g/m2 を超えると、本発明の意義が希薄となる。また、樹脂を予め含浸させたプリプレグの作製が困難となる。一方、50g/m2 未満であると、複合材料において所望の強度を得ようとすると、あまりにも多数の層を積層する必要が出てくるため、生産性に劣る場合がある。
本発明の補助繊維糸条とは、用いる強化繊維糸条の繊度の15%以下のものを指す。より好ましくは5%未満、更に好ましくは1%未満の繊度のものである。補助繊維糸条の繊度は小さければ小さいほど、その存在に起因する影響を小さくできる。すなわち、強化繊維糸条が本質的に有する力学特性を発現することができるのである。なお、使用する補助繊維糸条の材質には特に制限はなく、強化繊維糸条と同じものを用いることができる。中でも無機繊維(特に、炭素繊維、ガラス繊維)であると、比強度・比弾性率に優れ、収縮による問題が小さいため好ましい。別の観点からは、合成繊維(特に、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂)であると、繊度を小さくできるため好ましい。
本発明で使用する樹脂材料は、強化繊維基材の形態安定性を向上させ、複合材料の力学特性を損なわない、または向上させるものであれば良く、特に限定されず、熱硬化性樹脂および/または熱可塑性樹脂を使用することができる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ、フェノール、ポリベンゾイミダゾール、シアネートエステル、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、ユリア、メラミン、ビスマレイミド等や、これらの共重合体、変性体および2種類以上ブレンドした樹脂等を使用することができる。さらに、エラストマーやゴム成分、硬化剤、硬化促進剤、触媒等を添加したものも使用することもできる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、フェノール(ノボラック型)、フェノキシ樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂等や、これらの共重合体、変性体および2種類以上ブレンドした樹脂も使用することができる。
本発明の課題を最大限に発現する樹脂材料の好ましい例としては、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを混合、好ましくは相溶化して、そのガラス転移点Tgを30〜100℃、より好ましくは50〜90℃にしたものが挙げられる。かかる樹脂材料は、強化繊維基材への接着が容易なだけではなく、後述のマトリックス樹脂としてエポキシ樹脂を用いた場合に著しく優れた力学特性の向上効果を発現する。かかるガラス転移点Tgの測定は、示差走査熱量計(DSC)を用いて絶乾状態のものを20℃/minの昇温速度にて測定した値を指す。本発明では、Perkin Elmer社製Pyris 1 DSCを用いた。
本発明の複合材料の製造方法は、プリプレグを用いたオートクレーブ成形、プレス成形、あるいはシートワインド成形などであってもよいが、更に好ましい態様として、次の(F)〜(H)の工程を経て成形することができる。
(F)セット工程
前記方法で製造した強化繊維基材を成形型に配置してキャビティを形成する。本工程で、成形型として雄型と雌型とを用いると、寸法精度に優れ、従来のオートクレーブ成形に比べて安価な複合材料を成形することができる。
一方、成形型として、雄型または雌型のいずれかとバッグ材とを用いると、成形型の費用を安くすることができ、より一層安価にすることができ、好ましい。かかるバッグ材としては、例えばフィルム、柔軟性を有するラバー材等が挙げられる。バッグ材は通常柔軟なものであるため、バッグ材側の面に剛性を付与するためのプレート等を併用することができる。かかるプレートの併用により、両面に成形型を用いた場合と同じレベルの寸法精度を達成することが可能となる。
なお、後者の場合、マトリックス樹脂に圧力を付加して注入できないため、キャビティ内にマトリックス樹脂の含浸を促進する樹脂拡散媒体を配置するのが好ましい。かかる樹脂拡散媒体とは、空間保持能が高く(表面に凹凸を有し)、マトリックス樹脂の流動抵抗が強化繊維基材の1/10以下の低い抵抗を有するものを指し、例えば、メッシュ、マット、不織布等が例として挙げられる。
(G)注入工程
マトリックス樹脂を、キャビティ内に注入して強化繊維基材にマトリックス樹脂を含浸させる。本工程において、真空ポンプ等で脱気して、キャビティ内を減圧状態に保ちながらマトリックス樹脂を注入すると、強化繊維基材へのマトリックス樹脂の含浸が容易となり、より品質の高い複合材料を短サイクルで成形することができ、成形コストをより低くすることができるため好ましい。
(H)固化工程
マトリックス樹脂を固化(硬化または重合)させて複合材料を得る。ここで、マトリックス樹脂を固化させる際、固化効率を上げるため加熱するのがよい。必要に応じて、更にマトリックス樹脂の固化を確実なものにするために、複合材料を再度加熱して更に固化する二次固化工程を経てもよい。
本発明で使用するマトリックス樹脂は、その成形性、力学特性の面から熱硬化性樹脂であるのが好ましく、樹脂材料で挙げた例のもの等が好ましく使用される。樹脂材料と異なる点は、注入成形に供する場合は、注入温度では液状である必要があることである。かかる特性を有する熱硬化性樹脂として、エポキシ、ビスマレイミド、フェノール、ビニルエステル、不飽和ポリエステル、シアネートエステルであるのが好ましい。これらの樹脂に、更にエラストマーやゴム成分、硬化剤、硬化促進剤、触媒等を添加したものも使用することができる。中でも、航空機の一次構造部材等で要求される非常に高い力学特性を達成するためには、エポキシ、ビスマレイミドまたはシアネートエステルが好ましく、とりわけエポキシが好ましい。
マトリックス樹脂と樹脂材料とは、その役割がそれぞれ異なることを考慮して異なるものを選択するのが好ましい。
すなわち、マトリックス樹脂は含浸性に優れる(注入温度で樹脂粘度が低く、ゲル化時間が長い)ものを、樹脂材料は強化繊維基材の形態安定性を向上するものを、それぞれ選択して使用するのが好ましい。もちろん、マトリックス樹脂、樹脂材料において、その一部に同一成分を使用することに何ら制限はなく、両者の相性の面からは好ましい形態といえる。
以下、実施例、比較例、参考例に基づいて、本発明について具体的に説明する。なお、以下の実施例のうち、実施例1、実施例4および実施例7は本発明の出願後の補正によって本発明に含まれなくなったものであるが、参考例として記載するものである。
実施例1(参考例1)
図3は、本発明の好ましい実施態様を説明する工程概略模式図で、織機31を用いて、強化繊維基材を製造している様子を示している。次に、詳細に各工程を説明する。
(A)引出工程:120本のたて糸32を平行かつ交互に配列し、1m幅になるように各ボビンから直接引き出した。強化繊維糸条のボビン上の糸条幅(元糸幅Wo)は、たて糸、よこ糸ともに5.8mmであった。
なお、たて糸32として、強化繊維糸条であるポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維糸条(12,000フィラメント、繊度800tex、引張強度4,800MPa、引張弾性率240GPa、サイジング剤0.5重量%)を用いた。なお、後述のよこ糸33も同じものを用いた。かかるよこ糸を解舒する際には、ボビンにコンタクトローラに接触させつつ、実質的に一定速度で解舒して引き出した(図示せず)。
(B)拡幅工程:隣り合うたて糸32同士が異なる3本ロール39(3本のうち、2本目のロール38の接触角度が190°)を通過させるようにして、最大接触角を有するロール38上でニップロール41で加圧し、たて糸32を拡幅幅Wsの10mm(元糸幅Woの172%)に拡幅した。一方、よこ糸は、張力を実質的にかけない状態で大気を炭素繊維糸条の厚み方向に貫通する方向に吸引して(図示せず)、よこ糸33を拡幅幅Wsの11mm(元糸幅Woの190%)に拡幅した。
(C)狭幅工程:拡幅したたて糸32を、綜絖34a(メール34bの内寸が9mm)を通過させながら開閉口運動させ、形成された杼口にレピア36を用いて1.2本/cmの織密度でよこ糸33を打ち込み、たて糸とよこ糸とを交錯させた。次いで、筬35(糸条が通過する箇所(筬羽隙間)の内寸は8.2mm)を通過させることにより、たて糸32を目標幅Wtの7.9mm(拡幅幅Wsの79%、元糸幅Woの136%)に狭めて二方向性織物を形成した。なお、よこ糸33は、溝付ローラ(図示せず)を通過させて目標幅Wtの8mm(拡幅幅Wsの73%、元糸幅Woの138%)に狭めた。
得られた強化繊維基材における強化繊維糸条の目付は193g/m2 、たて糸32の糸条幅の変動率CVは7%、カバーファクターは99.7%であった。
実施例2
実施例1で得られた二方向性織物である強化繊維基材を、引き続き、次の(D)再拡幅工程で強化繊維糸条の幅を再拡幅した。
(D)再拡幅工程:基材の引き取り方向に前後運動する加圧ローラー37(80℃に加熱)にて、強化繊維基材を製織しながら加圧し、たて糸32を再拡幅幅Wssの8.2mm(目標幅Wtの104%、元糸幅Woの141%)に再拡幅していったん巻き取った。
得られた強化繊維基材におけるたて糸32の糸条幅の変動率CVは5%、カバーファクターは99.9%であった。
実施例3
実施例2で得られた二方向性織物である強化繊維基材に、次の(E)固定工程で樹脂材料を塗布、接着して、強化繊維糸条の幅を固定した。
(E)固定工程:粒子状である樹脂材料を、エンボスロールとドクターブレードにて計量しながら自然落下させ、振動ネットを介して均一分散させながら、片表面に7.5g/m2 (樹脂材料付着後の強化繊維基材100重量%に対して4重量%)を塗布した。その後、185℃にて遠赤外線ヒーターを通過させ、樹脂材料を強化繊維基材の片表面にのみ付着させた。
なお、粒子状の樹脂材料として、ポリエーテルスルホン樹脂60重量%とエポキシ樹脂組成物40重量%とを加熱下で混練して相溶させて得たペレットを冷凍粉砕したものを用いた。かかる粒子状の樹脂材料は、平均粒子径D50(レーザー回折・散乱法)115μm、ガラス転移点68℃であった。
得られた強化繊維基材は、樹脂材料によって形態安定性が格段に向上し、実施例1のものより取扱が容易で、強化繊維糸条は真直性に優れた。また、その糸条幅は長手方向および幅方向に安定しており、品質安定性に優れたものであった。
実施例4(参考例2)
(A)引出工程:150本のたて糸および150本のたて補助繊維糸条を平行かつ交互に配列し、1m幅になるように各ボビンから直接引き出した。なお、たて糸として実施例1で用いた炭素繊維糸条を、たて補助繊維糸条としてガラス繊維糸条(ECE225 1/0)を、よこ糸(補助繊維糸条)としてポリアミド繊維糸条(7フィラメント、繊度1.7tex)を用いた。
(B)拡幅工程:隣り合うたて糸同士が異なる3本ロール(実施例1で用いたもの39と同じ構成で、ニップロール41のないもの)を通過させるようにして、たて糸を拡幅幅Wsの8.9mm(元糸幅Woの153%)に拡幅した。
(C)狭幅工程:拡幅したたて糸は綜絖(メールの内寸が7.5mm)を通過させて開閉口運動させ、形成された杼口にレピアを用いて3本/cmの織密度でよこ糸を打ち込み、たて補助繊維糸条とよこ糸とを交錯させて、たて糸を一体に保持した(たて糸とよこ糸とは交錯させない)。次いで、筬(糸条が通過する箇所(筬羽隙間)の内寸は7mm)を通過させることにより、たて糸を目標幅Wtの6.2mm(拡幅幅の70%、元糸幅Woの107%)に狭めて一方向性ノンクリンプ織物を形成した。
得られた強化繊維基材における強化繊維糸条の目付は144g/m2 、たて糸32の糸条幅の変動率CVは6%、カバーファクターは95%であった。
実施例5
実施例4で得られた一方向性ノンクリンプ織物である強化繊維基材を、引き続き次の(D)再拡幅工程で強化繊維糸条の幅を再拡幅した。
(D)再拡幅工程:基材の引き取り方向に前後運動する加圧ローラー(80℃に加熱)にて、強化繊維基材を製織しながら加圧して、たて糸を再拡幅幅Wssの6.5mm(目標幅Wtの105%、元糸幅Woの112%)に再拡幅して巻き取った。
得られた強化繊維基材におけるたて糸の糸条幅の変動率CVは4%、カバーファクターは98%であった。
実施例6
実施例5で得られた一方向性ノンクリンプ織物である強化繊維基材に、次の(E)固定工程で樹脂材料を塗布、付着させて、強化繊維糸条の幅を固定した。
(E)固定工程:粒子状である樹脂材料を、エンボスロールとドクターブレードにて計量しながら自然落下させ、振動ネットを介して均一分散させながら、片表面に21g/m2 (樹脂材料付着後の強化繊維基材100重量%に対して13重量%)塗布した。その後、185℃にて遠赤外線ヒーターを通過させ、樹脂材料を強化繊維基材の片表面にのみ接着した。なお、粒子状の樹脂材料として、実施例3と同じものを用いた。
得られた強化繊維基材は、樹脂材料によって形態安定性が格段に向上し、実施例4のものより取扱が容易で、強化繊維糸条は真直性に優れた。また、その糸条幅は長手方向および幅方向に安定しており、品質安定性に優れたものであった。
実施例7(参考例3)
図4は、他の実施態様を説明する工程概略模式図で、多軸積層機42を用いて、多軸シートを製造している様子を示している。次に詳細に各工程を説明する。
(A)引出工程:180本のたて糸43を平行かつ交互に配列し、1.2m幅になるように各ボビンから直接引き出した。たて糸を解舒する際には、ボビンにコンタクトローラに接触させつつ、たて糸を実質的に一定速度で解舒して引き出した。一方、18本のよこ糸(たて糸に対して+45°方向および−45°方向にそれぞれ別の箇所a、bで積層する)(図示せず)を平行かつ交互に配列し、0.1m幅になるように各ボビンから直接引き出した。よこ糸を解舒する際には、たて糸と同様にボビンにコンタクトローラに接触させつつ、よこ糸を実質的に一定速度で解舒して引き出した。強化繊維糸条のボビン上の糸条幅(元糸幅Wo)はたて糸、よこ糸ともに5.8mmであった。なお、たて糸43およびよこ糸(図示せず)として、実施例1と同じものを用いた。
(B)拡幅工程:隣り合うたて糸43同士が異なる3本ロール45(3本のうち、2本目のロール44の接触角度が190°)を通過させるようにして、最大接触角を有するロール44上でニップロール46で加圧し、たて糸43を拡幅幅Wsの9mm(元糸幅Woの155%)に拡幅した。一方、よこ糸も同様によこ糸同士が異なるロール(接触角度が180°)(図示せず)を通過させるようにして、よこ糸を拡幅幅Wsの8.3mm(元糸幅Woの143%)に拡幅した。
(C)狭幅工程:拡幅したたて糸43を、櫛形ガイド47(糸条が通過する箇所である櫛隙間の内寸は7mm)を通過させることにより、たて糸43を目標幅Wtの6.7mm(拡幅幅Wsの74%、元糸幅Woの116%)に狭めて一方向性のたて糸シート48を形成した。一方、よこ糸も同様に櫛形ガイド(図示せず)を通過させることにより、よこ糸を目標幅Wtの6.7mm(拡幅幅Wsの81%、元糸幅Woの116%)に狭めて一方向性のよこ糸シート(図示せず)を形成した。
(E)固定工程:たて糸シートおよびよこ糸シートの積層体を引き取りながら、樹脂材料であるステッチ糸(ポリエステルのマルチフィラメント糸)を用いてステッチ装置cで鎖編ステッチすることにより、たて糸およびよこ糸の糸条幅を固定して巻き取った。
得られた多軸シートにおける各層の強化繊維糸条の目付は120g/m2 、たて糸およびよこ糸の糸条幅の変動率CVはそれぞれ6%、多軸シートにおける各層において、2mmを超える強化繊維糸条同士の隙間の頻度は0.2〜0.3個/m2 であった。ステッチ糸にて鎖編組織を形成したことによって形態安定性が格段に向上し、実施例1のものより取扱が容易で、かつ、3層に強化繊維糸条を配向した基材を形成することができた。
実施例8(一部は参考例)
実施例1〜3、6、7を経て製造された強化繊維基材を用いて、次の方法にて複合材料に成形した。なお、積層構成は、実施例1〜3は0°方向に12枚、実施例6は7枚、実施例7は4枚とした。実施例1、4、7を経て製造されているものは参考例である。
アルミ製成形型の表面に、強化繊維基材を積層した。その最表面にピールプライ(ポリエステル繊維の離型処理された織物)、樹脂拡散媒体(ポリプロピレン製メッシュ状シート)を順に配置し、更にその上に、アルミ製カウルプレートを配置した。積層された強化繊維基材が成形型と接した周囲には、エッジ・ブリーザー(ポリエステル繊維の不織布)を複数枚積層して張り巡らした。真空吸引口やエッジ・ブリーザーから最も近い樹脂拡散媒体までの距離が10mm以上離れるように、樹脂拡散媒体の平面視における最大外形が樹脂拡散媒体面の強化繊維基材の平面視における最大外形よりも10〜50mm程度小さくなるように配置した。全体をバッグ材(ナイロンフィルム)で覆い、バッグ材と成形型の周囲を、シール材で密閉してキャビティを形成した。樹脂注入口は、樹脂拡散媒体に接するように取り付け、シール材で密閉した。真空吸引口は、樹脂注入口から最も遠いエッジ・ブリーザー上に取り付け、同様にシールした。真空吸引口から吸引し、キャビティ内を真空吸引した。装置全体をマトリックス樹脂の注入温度(80℃)に昇温した。真空吸引を継続しながら、強化繊維基材が注入温度に達してから1時間保持した。その後、樹脂注入口のバルブを解放して、予め混合、脱泡を済ませて注入可能な状態で準備されていたマトリックス樹脂を樹脂拡散媒体から必要な量だけ注入した。含浸が完了したら、樹脂注入口のバルブを閉めて注入を中止した。真空吸引は、マトリックス樹脂がゲル化(注入開始から1.5時間)するまで継続した。その後、マトリックス樹脂の硬化温度(130℃)まで昇温し、2時間保持してマトリックス樹脂を硬化させた。なお、硬化温度に達した時点で、真空吸引口を閉めて吸引を中止し、バッグ材の中を真空状態に保つようにした。
その後、常温まで降温し、バッグ材、ピールプライおよび樹脂含浸媒体を除去し、改めてフリースタンドにて二次硬化を行い(180℃)複合材料を得た。なお、マトリックス樹脂として、エポキシ樹脂組成物(硬化剤としてポリアミン使用、80℃におけるE型粘度計による粘度:55mPa・s)を用いた。
得られた複合材料を検査したところ、何れもピンホールやボイドが見当たらず、外観品位に優れ良好な成形が行われたことが確認できた。
次に、複合材料からSACMA−SRM−1R−94に沿った試験片について圧縮強度の変動率CVを測定した。
比較例1
(B)拡幅工程にて3本ロールを通過させずに拡幅を行わない点、(糸条幅は5.2mm、元糸幅Woの90%)、(C)狭幅工程にてメールの内寸が4mmの綜絖を用いて狭幅化(元糸幅Woの69%)した点以外は、実施例1と同様にして二方向織物を得た。最終的な糸条幅は6.5mmであった。
得られた強化繊維基材は、強化繊維糸条の目付は193g/m2 、糸条幅の変動率CVは14%、カバーファクターは95%であり、強化繊維糸条の隙間は均一にならずに、品質安定性に劣ったものであった。
比較例2
比較例1を経て製造された強化繊維基材を用いた以外は実施例8と同様にして複合材料を成形、評価した。得られた複合材料を検査したところ、ボイドは見当らなかったが、目すきの部分で凹凸が大きく外観品位に劣った。
以上の結果を表1にまとめた。表1において、各項目での評価は4段階評価とし、「非常に優れている」を「◎」と、「優れている」を「○」と、「普通である」を「△」と、「劣る」を「×」とそれぞれ表記した。
Figure 0004626340
表1からわかるように、複合材料の力学特性に関し、本発明の実施例のものは非常に低い圧縮強度の変動率を示し、中でも実施例3、6のものが特に優れた特徴を有している。
一方、比較例1のものは、実施例よりも圧縮強度の変動率CVが大きく、バラツキが大きい。
強化繊維基材のマトリックス樹脂の含浸性、品質安定性および形態安定性については、実施例3、6のものが優れた特徴を有している。なお、実施例1のものは、樹脂材料を用いていないので、実施例2、3の以下の形態安定性であった。なお、実施例7のものはとりわけ含浸性に優れた。すなわち、本発明の最も好ましい態様の一つとしては、実施例3または6が挙げられる。
なお、本発明の上述した説明において、強化繊維基材における多方向に配置された各層における2mmを超える強化繊維糸条同士の隙間(ギャップ)の頻度(1m2 当たり存在個数)は、以下のようにして測定した値である。そして、かかる測定方法によって得られた層ごとの各値を、さらに全層で平均したものである。
まず、測定サンプルの最表層に存在する2mm幅を超えるギャップの個数をカウントする。具体的には、強化繊維糸条AとBとの隙間について、2mmを超える箇所が1箇所でもあればその隙間を1つとカウントする。かかるギャップの幅は、サンプルの平面方向についてノギスを用いて測定したものを用いる。測定する範囲は、サンプル端部の5cmを除いた任意の1m幅×1m長さ(1m2 )内とする。但し、サンプル幅が1.1m幅より狭い場合は、(サンプル端部の5cmを除いた幅)×(測定範囲が1m2 になるように決められる長さ)の範囲とする。かかる測定を3回繰り返して平均値をとり、その層のギャップの頻度とする。次いで、一体化手段、例えばステッチ糸の場合はステッチ糸を解き、溶融樹脂の場合は加熱して接着を解放し、測定サンプルの内層を露出させて前述の方法と同様にして各層についてカウントする。かかる測定で求められた各層のギャップの頻度を平均して、強化繊維基材におけるギャップの頻度とする。
本発明の方法で製造した強化繊維基材によれば、表面品位や、力学特性(特に、圧縮強度)の品質安定性に優れる複合材料を生産性良く得られる強化繊維基材および複合材料を提供できるものであり、本発明は、極めて有効に複合材料産業において利用され得るものである。
このような複合材料は、航空機、自動車、船舶等の輸送機器における一次構造部材、二次構造部材、外装部品、内装部品またはそれらの部品等に好適である。
本発明の強化繊維基材の製造方法における製造工程の流れを説明する概略工程図である。 本発明の強化繊維基材の製造方法にて製造された強化繊維基材の一実施態様の平面模式図である。 本発明の強化繊維基材の製造方法の好ましい実施態様の一例を説明する工程概略模式図である。 本発明の強化繊維基材の製造方法の好ましい実施態様の他の一例を説明する工程概略模式図である。
符号の説明
1:引出工程
2:拡幅工程
3:狭幅工程
4:再拡幅工程
5:固定工程
21:強化繊維基材
22、32、43:たて糸
23、33:よこ糸
24:樹脂材料
31:織機
34a:綜絖
34b:メール
35:筬
36:レピア
37:前後運動する加圧ロール
38、44:3本ロールの内で最大の接触角を有するロール
39、45:3本ロール
40:ダンサーロール
41、46:ニップロール
42:多軸積層機
47:櫛形ガイド
48:一方向性のたて糸シート
a:+45°方向のよこ糸積層箇所
b:−45°方向のよこ糸積層箇所
c:ステッチ装置

Claims (20)

  1. 少なくとも一方向に平行に配列した強化繊維糸条から構成される強化繊維基材を製造する方法であって、次の(A)〜(D)の工程を経ることを特徴とする強化繊維基材の製造方法。
    (A)元糸幅Woの強化繊維糸条を引き出す引出工程
    (B)糸条幅を、元糸幅Woの100%を超え500%未満の拡幅幅Wsに拡幅する拡幅工程
    (C)糸条幅を、前記拡幅幅Wsの97%以下、かつ、元糸幅Woの100〜300%の目標幅Wtに狭める狭幅工程
    (D)前記(C)の狭幅工程の後、糸条幅を、目標幅Wtの103%以上、かつ、元糸幅Woの250%以下の再拡幅Wssに再拡幅する再拡幅工程
  2. 少なくとも一方向に平行に配列した強化繊維糸条から構成される強化繊維基材を製造する方法であって、次の(A)〜(C)の工程を経るとともに、該(C)の狭幅工程と同時またはそれ以降に、次の(E)の固定工程を含むことを特徴とする強化繊維基材の製造方法。
    (A)元糸幅Woの強化繊維糸条を引き出す引出工程
    (B)糸条幅を、元糸幅Woの100%を超え500%未満の拡幅幅Wsに拡幅する拡幅工程
    (C)糸条幅を、前記拡幅幅Wsの97%以下、かつ、元糸幅Woの100〜300%の目標幅Wtに狭める狭幅工程
    (E)強化繊維基材100重量%に対して0.1〜20重量%の樹脂材料を付着させて、強化繊維糸条の幅を固定する固定工程
  3. 少なくとも一方向に平行に配列した強化繊維糸条から構成される強化繊維基材を製造する方法であって、次の(A)〜(C)の工程を経るものであるとともに、(B)の拡幅工程が、糸条を40℃〜150℃の範囲に加熱されかつ接触角度が10°以上となるロールを通過させて行うものであり、かつ、隣り合う強化繊維糸条が異なるロールを通過するものであることを特徴とする強化繊維基材の製造方法。
    (A)元糸幅Woの強化繊維糸条を引き出す引出工程
    (B)糸条幅を、元糸幅Woの100%を超え500%未満の拡幅幅Wsに拡幅する拡幅工程
    (C)糸条幅を、前記拡幅幅Wsの97%以下、かつ、元糸幅Woの100〜300%の目標幅Wtに狭める狭幅工程
  4. 前記(A)の引出工程が、強化繊維糸条を巻回しているボビンにコンタクトローラに接触させつつ、強化繊維糸条を実質的に一定速度で解舒して引き出すものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の強化繊維基材の製造方法。
  5. 前記(D)の再拡幅工程が、糸条を、気体を吹きつける区域、振動ロール、揺動ロール、加圧ロールのいずれか一つを通過させて行うものであることを特徴とする請求項1に記載の強化繊維基材の製造方法。
  6. 前記(D)の再拡幅工程が、糸条を、気体で吸引する区域、加熱ロール区域のいずれか一つを通過させて行うものであることを特徴とする請求項1に記載の強化繊維基材の製造方法。
  7. 前記(E)の固定工程が、糸条に固体状の樹脂材料を塗布または貼り合わせた後、樹脂材料を溶融させて、強化繊維基材100重量%に対して2〜20重量%の範囲内で該強化繊維糸条に該樹脂材料を付着させるものであることを特徴とする請求項2に記載の強化繊維基材の製造方法。
  8. 前記(E)の固定工程が、溶融している樹脂材料を塗布して、強化繊維基材100重量%に対して2〜20重量%の範囲内で強化繊維糸条に付着させるものであることを特徴とする請求項2に記載の強化繊維基材の製造方法。
  9. 前記(E)の固定工程が、溶媒中に溶解または分散した樹脂材料を塗布した後に脱溶媒して、強化繊維基材100重量%に対して0.5〜5重量%の範囲内で強化繊維糸条に付着させるものであることを特徴とする請求項2に記載の強化繊維基材の製造方法。
  10. 前記(E)の固定工程が、樹脂材料のガラス転移点Tg以上のロールにて連続加圧すること、または、圧子にて間欠加圧することを特徴とする請求項2に記載の強化繊維基材の製造方法。
  11. 前記強化繊維基材が、少なくとも強化繊維糸条をたて糸とし、補助繊維糸条をよこ糸とした一方向性織物であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の強化繊維基材の製造方法。
  12. 前記強化繊維基材が、前記強化繊維糸条の他に補助繊維糸条を含むものであり、少なくとも前記強化繊維糸条がたて糸挿入糸として用いられ、かつ、前記補助繊維糸条が経編組織を形成し、該経編組織が前記強化繊維糸条を結束して構成される一方向性経編物であることを特徴とする請求項1〜10に記載の強化繊維基材の製造方法。
  13. 前記強化繊維基材が、少なくとも前記繊維糸条をたて糸とした一方向性シートであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の強化繊維基材の製造方法。
  14. 前記強化繊維基材が、前記強化繊維糸条をたて糸およびよこ糸とした二方向性織物であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の強化繊維基材の製造方法。
  15. 前記強化繊維糸条の繊度が300〜5,000texであり、かつ、前記強化繊維基材における強化繊維糸条の目付が50〜350g/m2 であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の強化繊維基材の製造方法。
  16. 前記強化繊維基材が、前記強化繊維糸条で形成したシートを多方向に積層した多軸シートであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の強化繊維基材の製造方法。
  17. 前記多軸シートにおいて、前記強化繊維基材における多方向に配置された各層における2mmを超える強化繊維糸条同士の隙間個数を、全層で平均した個数が0.5個/m2 以下であることを特徴とする請求項16に記載の強化繊維基材の製造方法。
  18. 前記多軸シートにおいて、前記強化繊維糸条の繊度が300〜5,000texであり、かつ、前記強化繊維基材における多方向に配置された各層の強化繊維糸条の目付が50〜350g/m2 であることを特徴とする請求項16または17に記載の強化繊維基材の製造方法。
  19. 少なくとも請求項1〜18のいずれかに記載の方法で製造した強化繊維基材を用いる複合材料の製造方法であって、次の(F)〜(H)の工程を経ることを特徴とする複合材料の製造方法。
    (F)強化繊維基材を成形型に配置してキャビティを形成するセット工程
    (G)マトリックス樹脂を、キャビティ内に注入して強化繊維基材にマトリックス樹脂を含浸させる注入工程
    (H)マトリックス樹脂を固化させて複合材料とする固化工程
  20. 前記(F)のセット工程が、成形型として雄型または雌型のいずれかとバッグ材とを用い、かつ、キャビティ内に樹脂拡散媒体を配置するものであり、前記(G)注入工程が、キャビティ内を減圧状態に保ちながらマトリックス樹脂を注入するものであることを特徴とする請求項19に記載の複合材料の製造方法。
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