JP4626092B2

JP4626092B2 - Steel for plastic molds

Info

Publication number: JP4626092B2
Application number: JP2001166947A
Authority: JP
Inventors: 俊介中濱; 剛井坂; 則夫本庄; 博司山下
Original assignee: Daido Steel Co Ltd
Current assignee: Daido Steel Co Ltd
Priority date: 2001-06-01
Filing date: 2001-06-01
Publication date: 2011-02-02
Anticipated expiration: 2021-06-01
Also published as: JP2002363690A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチック成形金型用鋼、詳細には鏡面性に優れたプラスチック成形金型用鋼に関する。
【０００２】
【従来の技術】
プラスチックの成形に用いる金型は、通常鋼を機械加工または放電加工によって製造されているので、プラスチック成形金型用鋼には、機械加工における被削性が優れていると共に、放電加工後の表面の平滑性が優れていることが要求されている。更に補修、設計変更、組み立てなどにおいて溶接される場合があるため、溶接性も優れていることが要求されている。また金型表面の形状が成形したプラスチック製品の表面に現れるので、硬さ、耐力、靱性などの金型に必要な一般的な性質が優れているほか、鏡面性を低下するピンホール、微細なピット及び凹凸が少ないことが要求されている。
【０００３】
従来、プラスチック金型用鋼として、Ｃ：０．１０〜０．２５％、Ｓｉ：０．０５〜０．８０％、Ｍｎ：０．５０〜２．００％、Ｐ：０．０３０％以下、Ｃｒ：０．５０〜２．５０％、Ｍｏ：０．０５〜１．００％、Ｖ：０．０１〜０．１０％、Ａｌ：０．００５〜０．０８０％、Ｔｉ：０．００５〜０．１０％、Ｂ：０．０００５〜０．００３０％、Ｎ：０．００６０％以下、及びＯ：０．００５０％以下を含むと共に、Ｓ：０．０４〜０．０７％、Ｚｒ：０．０５〜０．１５％、Ｃａ：０．００１〜０．０５％、及びＰｂ：０．１０〜０．３０％よりなる群から選ばれる少なくとも１種の被削性向上元素を含むプラスチック金型用プリハード鋼が知られている（特開昭６２─１４９８１１号公報）。
【０００４】
また、本出願人が開発したＣ：０．０５〜０．２５％、Ｓｉ：０．２０〜０．４０％、Ｍｎ：０．２５〜２．０％、ｓ−Ａｌ：０．０１０〜０．０３０％、Ｏ：０．００２０％以下を含有し、さらに必要に応じてＣｒ：０．１〜３．０％、Ｍｏ：０．５〜１．０％、Ｖ：０．０５〜０．６％の１種または２種以上を含有し、また必要に応じてＳ：０．００１〜０．１０％、Ｐｂ：０．０３〜０．２％、Ｃａ：０．０００５〜０．０１０％、Ｚｒ：０．００３〜０．２％及びＢｉ：０．０１〜０．２０％の１種または２種以上を含有し、残部がＦｅ及び不可避的不純物からなることを特徴とするプラスチック成形金型用鋼が知られている（特開平１１─１５８５７９号公報）。
【０００５】
しかし、上記特開昭６２─１４９８１１号公報に記載されているプラスチック成形プリハード金型用鋼は、Ａｌを多く含有しているため、Ａｌ₂Ｏ₃系の介在物の量が多いので、これらが研磨する際に脱落してピンホールや微細なピットの原因となり、またこのクラスターが硬いために凹凸の原因となり、鏡面性がそれほど良くないという問題があった。また、上記特開平１１─１５８５７９号公報に記載されているプラスチック成形金型用鋼も、介在物が凝集したクラスタの数が上記公報のものより少ないが、大きいため、これらが研磨する際に脱落してピンホールや微細なピットの原因となり、またこのクラスターが硬いために凹凸の原因となり、鏡面性がそれほど良くないという問題があった。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のプラスチック成形金型用鋼と同等の金型に必要な一般的な性質を有すると共に、従来のものよりピンホール、微細なピット及び凹凸が少ない鏡面性に優れたプラスチック成形金型用鋼を提供することを課題としている。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明者らは、プラスチック成形金型用鋼の鏡面性を低下する介在物の形態、形状等について鋭意研究していたところ、従来のプラスチック成形金型用鋼の介在物は、Al₂O₃-MgO （スピネル）系介在物が数珠状に凝集したクラスター状であること、このクラスター状介在物は長さが１５０μｍ以上になることもあること、このように長いものは研磨の際に落下し、ピンホールや微細なピットを生成すること、Al₂O₃-MgO 系介在物は硬いため、研磨の際周囲より研磨されないため、研磨面に凹凸を生成しやすいこと、Ｃａを添加すると介在物がＣａＯ−Ａｌ₂Ｏ₃系の介在物となり、この介在物は凝集しても大きなクラスターにならないため、研磨する際に落下し難いこと、ＣａＯ−Ａｌ₂Ｏ₃系の介在物は、Ａｌ₂Ｏ₃−ＭｇＯ系介在物より柔らかく研磨の際周囲と同様に研磨されやすいため、研磨面に凹凸が生成し難いこと等の知見を得た。
本発明は、これらの知見に基づいて発明をされたものである。
【０００８】
すなわち、本発明のプラスチック成形金型用鋼においては、Ｃ：０．１０〜０．３０％、Ｓｉ：０．０５〜１．５０％、Ｍｎ：０．９０〜２．００％、Ｐ：０．０３０％以下、Ｓ：０．０１０％以下、Ｃｕ：０．２５％以下、Ｎｉ：０．２５％以下、Ｃｒ：１．００〜２．５０％、Ｍｏ：０．２０〜０．６０％、Ｖ：０．０５〜０．２０％、Ｂ：０．００２０％以下、S-Ａｌ：０．０３５％以下、Ｏ：０．００３０％以下、Ｎ：０．０２００％以下並びにＣａ：０．０００５〜０．００５０％を含有し、残部がＦｅ及び不可避的不純物からなる成分組成を有し、Ａｌ系介在物を主としてＣａＯ−ＡｌＯ₃からなるものとし、かつこの介在物が凝集したクラスターの長手方向の長さを１５０μｍ以下にしたことである。
【０００９】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のプラスチック成形金型用鋼について詳細に説明する。
先ず、本発明のプラスチック成形金型用鋼のＡｌ系介在物を特定した理由を説明する。本発明において、Ａｌ系介在物を主としてＣａＯ−Ａｌ₂Ｏ₃系介在物にするのは、ＣａＯ−Ａｌ₂Ｏ₃系介在物は分散され易く、凝集して大きなクラスターにならないため、研磨する際に落下し難いので、鏡面性を低下するピンホールや微細なピットを生成し難くなるからであり、またＣａＯ−Ａｌ₂Ｏ₃系介在物は柔らかいため、研磨の際周囲と同様に研磨されるので、研磨面に鏡面性を低下する凹凸を生成し難くなるからである。
また、本発明において、ＣａＯ−Ａｌ₂Ｏ₃系介在物が凝集したクラスター状の介在物の長手方向の長さを１５０μｍ以下にするのは、長くなると研磨する際に落下して鏡面性を低下するピンホールや微細なピットを生成するが、その長さが１５０μｍ以下、好ましくは１１０μｍ以下になれば、ピンホールや微細なピットになり難くいからである。
【００１０】
次に、本発明のプラスチック成形金型用鋼の成分組成を特定した理由を説明する。Ｃ：０．１０〜０．３０％
Ｃは、硬さを高くするので、そのために含有させる元素である。必要な硬さ（２８５ＨＢ程度）を得るためには０．１０％以上、好ましくは０．１３％以上含有させる必要があるが、その量が多くなると溶接が困難になると共に、硬さが高くなり過ぎて被削性を低下させるので、０．３０％以下、好ましくは０．２４％以下にする。
【００１１】
Ｓｉ：０．０５〜１．５０％
Ｓｉは、溶製時の脱酸剤であると共に焼入性を高めるので、それらのために含有させる元素である。それらの作用効果を得るためには０．０５％以上、好ましくは０．２５％以上含有させる必要があるが、多くなると靱性を低下させるので、１．５０％以下、好ましくは１．３５％以下にする。
【００１２】
Ｍｎ：０．９０〜２．０％
Ｍｎは、溶製時の脱酸剤であると共に焼入性を高めるので、それらのために含有させる元素である。それらの作用効果を得るためには０．９０％以上、好ましくは１．０５％以上含有させる必要があるが、多くなると靱性を低下させるので、２．０％以下、好ましくは１．６％以下にする。
【００１３】
Ｐ：０．０３０％以下
Ｐは、不純物であり、溶接性を低下させると共に、靱性及び疲労強度を低下させるので、０．０３０％以下、好ましくは０．００１５％以下にする。
【００１４】
Ｓ：０．０１００％以下
Ｓは、不純物であり、ＭｎＳとなって研磨時のピンホールの発生の原因となり、鏡面性を低下させるので、０．０１００％以下、好ましくは０．００５０％以下にする。
【００１５】
Ｃｕ：０．２５％以下、Ｎｉ：０．２５％以下
Ｃｕ及びＮｉは、本発明のプラスチック成形金型用鋼には必要な元素でなく、溶解原料から混入する不純物であり、また多くなると焼入性を高めて硬くなり過ぎて被削性を低下させるので、通常の不純物程度の０．２５％以下にする。
【００１６】
Ｃｒ：１．０〜２．５０％
Ｃｒは、焼入性を高めると共に６００℃以上における焼戻し軟化抵抗を高めるので、それらのために含有させる元素である。それらの作用効果を得るためには１．０％以上、好ましくは１．１％以上含有させる必要があるが、多くなると硬くなり過ぎて被削性を低下させるので、２．５０％以下、好ましくは２．４０％以下にする。
【００１７】
Ｍｏ：０．２０〜０．６０％
Ｍｏは、焼入性を高めると共に６００℃以上における焼戻し軟化抵抗を高めるので、それらのために含有させる元素である。それらの作用効果を得るためには０．２０％以上、好ましくは０．２６％以上含有させる必要があるが、多くなると硬くなり過ぎて被削性を低下させるので、０．６０％以下、好ましくは０．５５％以下にする。
【００１８】
Ｖ：０．０５〜０．２０％
Ｖは、結晶粒を微細化して靱性を向上させると共に焼戻し軟化抵抗を高めるので、それらのために含有させる元素である。それらの作用効果を得るためには０．０５％以上、好ましくは０．０７％以上含有させる必要があるが、多くなると被削性を低下させると共に靱性を低下させるので、０．２０％以下、好ましくは０．１８％以下にする。
【００１９】
Ｂ：０．００２０％以下
Ｂは、溶接感受性を高くするので、少ないほうが好ましいが、０．００２０％以下、好ましくは０．００１０％以下であれば影響が少ないので、０．００２０％以下、好ましくは０．００１０％以下にする。
【００２０】
ｓ−Ａｌ：０．０３５％以下
Ａｌは、溶製時の脱酸剤として含有させる元素であるが、酸化物となってAl₂O₃-MgO 系介在物を生成し、これが凝集して大きなクラスターを形成し、研磨の際に落下してピンホールや微細なピットを生成すると共に、Al₂O₃-MgO 系介在物は硬いために研磨の際周囲より研磨されないため、研磨面に凹凸を生成させるので、０．００３５％以下、好ましくは０．００２５％以下にする。
【００２１】
Ｏ：０．００３０％以下
Ｏは、不純物であり、Ａｌ等と化合してAl₂O₃-MgO 系介在物を生成し、これが凝集して大きなクラスターを形成し、研磨の際に落下してピンホールや微細なピットを生成すると共に、Al₂O₃-MgO 系介在物は硬いために研磨の際周囲より研磨されないため、研磨面に凹凸を生成させるので、０．００３０％以下、好ましくは０．００１５％以下にする。
【００２２】
Ｎ：０．０２００％以下
Ｎは、Ｃ，Ｃｒ，Ｍｏ，Ｖ等と結合して窒化物を形成して結晶粒を微細にするが、窒化物がピンホールの原因となり、また熱間加工性も劣化させるので、０．０２００％以下にする。
【００２３】
Ｃａ：０．０００５〜０．００５０％
Ｃａは、酸化物となってＡｌ系介在物と結合してＣａＯ−Ａｌ₂Ｏ₃系の介在物となるが、この介在物は凝集して大きなクラスターになり難いので、研磨する際に落下し難く、またＣａＯ−Ａｌ₂Ｏ₃系の介在物は、柔らかく研磨の際周囲と同様に研磨されるため、研磨面に凹凸が生成し難くなるので、これらのために含有させる元素である。これらの作用効果を得るには０．０００５％以上、好ましくは０．００１０％以上含有する必要があるが、多くなると介在物自身が粗大化してしまうので、その含有量を０．００５０％以下、好ましくは０．００４５％以下にする。
【００２４】
次に、本発明のプラスチック成形金型用鋼の製造方法について説明する。
本発明のプラスチック成形金型用鋼は、Ａｌ系介在物が主としてＣａＯ−ＡｌＯ₃であり、かつこの介在物が凝集したクラスター状の介在物の長手方向の長さが１５０μｍ以下にしたものであるが、一例として次のような方法によって製造することができる。
本発明のプラスチック成形金型用鋼は、まず溶解原料を通常のアーク炉溶解法で溶解し、Ａｌ合金を添加して脱酸し、溶鋼のみ取鍋精錬炉に移した後溶鋼を加熱してＣａＯ及びＣａＦ₂を投入してスラグとし、合金の成分組成を調整し、その後ＣａＳｉを投入することによって介在物をＣａＯ−ＡｌＯ₃として溶製し、鋳造等をして製造することができる。
【００２５】
以下、本発明の実施例を説明する。
【実施例】
下記表１に示す本発明の実施例及び比較例のプラスチック成形金型用鋼を通常のアーク炉溶解法で溶解し、Ａｌ合金を添加して脱酸し、溶鋼のみ取鍋精錬炉に移した後溶鋼を加熱してＣａＯ及びＣａＦ₂を投入してスラグとし、合金の成分組成を調整し、その後ＣａＳｉを投入して溶製を終了し、鋳造してインゴットにした。その後鍛造成形した後、焼入れ焼戻し処理を施して供試材とした。この供試材から試験片を切り出し、介在物の長手方向の最大長さを下記方法で測定すると共に、Ａｌ系化合物の形態をＥＰＭＡで分析した。介在物の長手方向の最大長さ：試験片を顕微鏡観察して１５ｍｍ×２０ｍｍの視野で介在物の長手方向の最大長さを測定し、４０視野の平均値として求めた。
【００２６】
【表１】

【００２７】
上記供試材から試験片を切り出し、鏡面加工をした後ブリネル硬さ試験機で硬さを測定し、また下記方法で鏡面加工面のピンホールの数及び大きさを測定した。その結果を下記表２に示す。
ピンホールの数及び大きさ：試験片の鏡面加工面を顕微鏡観察して１５ｍｍ×２０ｍｍの視野でピンホールの数及び大きさ（長手方向の径）を測定し、４０視野の平均値として求めた。
【００２８】
【表２】

【００２９】
表２の結果によると、本発明の実施例は、硬さが比較例のものと同程度であったが、鏡面加工面のピンホールの平均個数が４個と３個であり、また大きさの平均値が１３０μｍと１００μｍであった。
これに対して、Ａｌ系介在物の形態が本発明と異なり、またクラスターの最大長さが本発明の範囲外である比較例は、硬さが実施例と同程度であったが、鏡面加工面のピンホールの平均個数が１０〜１８個であり、また大きさの平均値が２４０〜２８０μｍであった。
【００３０】
【発明の効果】
本発明のプラスチック成形金型用鋼は、上記構成にしたことにより、従来のプラスチック成形金型用鋼と同等の金型に必要な一般的な性質を有すると共に、ピンホールや微細なピットが少なく、かつ研磨面の凹凸が少なくなるため、鏡面性が特に優れたものとなるという効果を奏する。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a steel for plastic molding dies, and more particularly to a steel for plastic molding dies having excellent specularity.
[0002]
[Prior art]
Molds used for plastic molding are usually manufactured by machining or electric discharge machining of steel. Therefore, plastic mold steel has excellent machinability in machining and the surface after electric discharge machining. Is required to have excellent smoothness. Furthermore, since welding may be performed in repair, design change, assembly, etc., it is required that the weldability is also excellent. In addition, since the shape of the mold surface appears on the surface of the molded plastic product, the general properties required for the mold, such as hardness, proof stress, and toughness, are excellent, as well as pinholes that reduce specularity, It is required that there are few pits and irregularities.
[0003]
Conventionally, as plastic mold steel, C: 0.10 to 0.25%, Si: 0.05 to 0.80%, Mn: 0.50 to 2.00%, P: 0.030% or less, Cr: 0.50-2.50%, Mo: 0.05-1.00%, V: 0.01-0.10%, Al: 0.005-0.080%, Ti: 0.005- 0.10%, B: 0.0005 to 0.0030%, N: 0.0060% or less, and O: 0.0050% or less, S: 0.04 to 0.07%, Zr: 0 Plastic mold containing at least one machinability improving element selected from the group consisting of 0.05 to 0.15%, Ca: 0.001 to 0.05%, and Pb: 0.10 to 0.30% Pre-hardened steel is known (Japanese Patent Laid-Open No. 62-149811).
[0004]
Moreover, C: 0.05-0.25% which this applicant developed, Si: 0.20-0.40%, Mn: 0.25-2.0%, s-Al: 0.010-0 0.030%, O: 0.0020% or less, and if necessary, Cr: 0.1-3.0%, Mo: 0.5-1.0%, V: 0.05-0. 1% or 2 or more of 6% is contained, and S: 0.001-0.10%, Pb: 0.03-0.2%, Ca: 0.0005-0.010% as necessary , Zr: 0.003 to 0.2% and Bi: 0.01 to 0.20%, or one or more of them, the balance being made of Fe and inevitable impurities A mold steel is known (Japanese Patent Laid-Open No. 11-158579).
[0005]
However, since the plastic molding pre-hard mold steel described in JP-A-62-149811 contains a large amount of Al, the amount of inclusions in the Al ₂ O ₃ system is large. When polishing, it dropped out, causing pinholes and fine pits, and because the cluster was hard, it caused unevenness, resulting in a problem that the specularity was not so good. Further, the steel for plastic molding die described in JP-A-11-158579 also has a smaller number of clusters in which inclusions are aggregated than that of the above-mentioned publication. As a result, pinholes and fine pits are caused, and since the clusters are hard, irregularities are caused and the specularity is not so good.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has the general properties necessary for a mold equivalent to that of a conventional plastic mold steel, and has excellent specularity with less pinholes, fine pits and irregularities than the conventional mold. The issue is to provide steel for molds.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems, the present inventors have intensively studied the form and shape of inclusions that lower the specularity of steel for plastic molding dies. The object is a cluster shape in which Al ₂ O ₃ -MgO (spinel) inclusions are aggregated in a bead shape, the cluster inclusions may be longer than 150 μm, and such a long one Falls during polishing to generate pinholes and fine pits, and Al ₂ O ₃ -MgO inclusions are hard and are not polished from the surroundings during polishing. , inclusions and adding Ca becomes CaO-Al ₂ O ₃ based inclusions, for the inclusions not be aggregated in large clusters, it is difficult to fall when polishing, CaO-Al ₂ O ₃ system The inclusion of Al ₂ O ₃ -It was softer than MgO-based inclusions, and it was easy to be polished similarly to the surroundings at the time of polishing.
The present invention has been made based on these findings.
[0008]
That is, in the plastic mold steel of the present invention, C: 0.10 to 0.30%, Si: 0.05 to 1.50%, Mn: 0.90 to 2.00%, P: 0 0.030% or less, S: 0.010% or less, Cu: 0.25% or less, Ni: 0.25% or less, Cr: 1.00-2.50%, Mo: 0.20-0.60% , V: 0.05-0.20%, B: 0.0020% or less, S-Al: 0.035% or less, O: 0.0030% or less, N: 0.0200% or less , and Ca: 0. The length of the cluster containing 0005 to 0.0050%, the remainder having a composition composed of Fe and inevitable impurities , the Al inclusions mainly consisting of CaO-AlO ₃ , and the inclusions agglomerated The length in the direction is set to 150 μm or less.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, the plastic mold steel according to the present invention will be described in detail.
First, the reason for specifying the Al inclusions in the steel for plastic molds of the present invention will be described . In the present invention, the Al inclusions are mainly CaO—Al ₂ O ₃ inclusions because the CaO—Al ₂ O ₃ inclusions are easily dispersed and do not aggregate into large clusters. This is because pinholes and fine pits that lower the specularity are difficult to generate, and CaO—Al ₂ O ₃ inclusions are soft and are polished in the same manner as the surroundings during polishing. This is because it becomes difficult to generate irregularities that lower the specularity on the polished surface.
In the present invention, the length in the longitudinal direction of the cluster-like inclusions in which CaO-Al ₂ O ₃ inclusions are aggregated is set to 150 μm or less. This is because pinholes and fine pits are generated, but if the length is 150 μm or less, preferably 110 μm or less, pinholes or fine pits are hardly formed.
[0010]
Next, the reason why the component composition of the steel for plastic molding of the present invention is specified will be described. C: 0.10 to 0.30%
C is an element to be contained for increasing the hardness. In order to obtain the required hardness (about 285 HB), it is necessary to contain 0.10% or more, preferably 0.13% or more, but if the amount increases, welding becomes difficult and the hardness increases. Therefore, the machinability is lowered, so the content is made 0.30% or less, preferably 0.24% or less.
[0011]
Si: 0.05 to 1.50%
Since Si is a deoxidizer at the time of melting and enhances hardenability, it is an element to be contained for them. In order to obtain these effects, it is necessary to contain 0.05% or more, preferably 0.25% or more, but if it increases, the toughness is reduced, so 1.50% or less, preferably 1.35% or less. To.
[0012]
Mn: 0.90 to 2.0%
Mn is a deoxidizer at the time of melting and enhances hardenability, and is therefore an element to be contained for them. In order to obtain these effects, it is necessary to contain 0.90% or more, preferably 1.05% or more, but if it increases, the toughness is lowered, so 2.0% or less, preferably 1.6% or less To.
[0013]
P: 0.030% or less P is an impurity, which lowers weldability and lowers toughness and fatigue strength, so is 0.030% or less, preferably 0.0015% or less.
[0014]
S: 0.0100% or less S is an impurity, which becomes MnS and causes pinholes at the time of polishing and decreases the specularity. Therefore, 0.0100% or less, preferably 0.0050% or less. To do.
[0015]
Cu: 0.25% or less, Ni: 0.25% or less Cu and Ni are not elements necessary for the plastic mold steel of the present invention, but are impurities mixed in from the melting raw material. In order to improve the penetration and become too hard to reduce the machinability, it is set to 0.25% or less of the usual impurity level.
[0016]
Cr: 1.0-2.50%
Cr increases the hardenability and increases the temper softening resistance at 600 ° C. or higher, so it is an element to be contained for them. In order to obtain these functions and effects, it is necessary to contain 1.0% or more, preferably 1.1% or more, but if it increases, it becomes too hard and lowers the machinability, so 2.50% or less, preferably Is 2.40% or less.
[0017]
Mo: 0.20 to 0.60%
Mo is an element to be included for increasing the hardenability and increasing the temper softening resistance at 600 ° C. or higher. In order to obtain these functions and effects, it is necessary to contain 0.20% or more, preferably 0.26% or more, but if it increases, it becomes too hard and lowers the machinability, so 0.60% or less, preferably Is 0.55% or less.
[0018]
V: 0.05-0.20%
V is an element to be contained for V because it refines crystal grains to improve toughness and enhances temper softening resistance. In order to obtain these functions and effects, it is necessary to contain 0.05% or more, preferably 0.07% or more, but if it increases, it reduces machinability and toughness, so 0.20% or less, Preferably it is 0.18% or less.
[0019]
B: 0.0020% or less Since B increases welding sensitivity, it is preferable that the content of B is small. However, 0.0020% or less, preferably 0.0010% or less is less affected, so 0.0020% or less, preferably Is 0.0010% or less.
[0020]
s-Al: 0.035% or less Al is an element to be contained as a deoxidizer at the time of melting, but becomes an oxide to produce Al ₂ O ₃ —MgO-based inclusions, which are aggregated and large It forms clusters and falls during polishing to generate pinholes and fine pits, and the Al ₂ O ₃ -MgO inclusions are hard and are not polished from the surroundings during polishing. Therefore, the content is made 0.0035% or less, preferably 0.0025% or less.
[0021]
O: 0.0030% or less O is an impurity and combines with Al or the like to form Al ₂ O ₃ —MgO type inclusions, which aggregate to form large clusters that fall during polishing. In addition to generating pinholes and fine pits, the Al ₂ O ₃ —MgO-based inclusions are hard and are not polished from the surroundings during polishing, so they generate irregularities on the polished surface, so 0.0030% or less, preferably 0.0015% or less.
[0022]
N: 0.0200% or less N combines with C, Cr, Mo, V, etc. to form nitrides and make the crystal grains finer, but nitrides cause pinholes and hot workability Is also deteriorated, so 0.0200% or less.
[0023]
Ca: 0.0005 to 0.0050%
Ca becomes an oxide and combines with Al inclusions to form CaO-Al ₂ O ₃ inclusions, but these inclusions are difficult to aggregate and form large clusters, so they drop when polishing. CaO—Al ₂ O ₃ inclusions are elements that are included for these purposes because they are soft and polished in the same manner as the surroundings during polishing, making it difficult to form irregularities on the polished surface. In order to obtain these functions and effects, it is necessary to contain 0.0005% or more, preferably 0.0010% or more. However, since the inclusion itself becomes coarse when it increases, the content is 0.0050% or less, Preferably it is 0.0045% or less.
[0024]
Next, the manufacturing method of the steel for plastic molds of this invention is demonstrated.
In the steel for plastic molding die of the present invention, the Al inclusions are mainly CaO-AlO ₃ and the length in the longitudinal direction of the cluster-like inclusions in which the inclusions are aggregated is 150 μm or less. However, it can be manufactured by the following method as an example.
In the steel for plastic molding of the present invention, first, the melting raw material is melted by a normal arc furnace melting method, Al alloy is added and deoxidized, and only the molten steel is transferred to a ladle refining furnace and then the molten steel is heated. CaO and CaF ₂ can be added to form slag, the alloy composition can be adjusted, and then CaSi can be added to melt inclusions as CaO—AlO ₃ , casting, and the like.
[0025]
Examples of the present invention will be described below.
【Example】
The plastic molding die steels of the examples and comparative examples of the present invention shown in Table 1 below were melted by a normal arc furnace melting method, deoxidized by adding an Al alloy, and only the molten steel was transferred to a ladle refining furnace. After the molten steel was heated, CaO and CaF ₂ were added to form slag, the composition of the alloy was adjusted, and then CaSi was added to finish melting, and cast into an ingot. Then, after forging, quenching and tempering treatment was performed to obtain a test material. A test piece was cut out from the specimen, and the maximum length in the longitudinal direction of the inclusion was measured by the following method, and the form of the Al compound was analyzed by EPMA. Maximum length in the longitudinal direction of inclusions: The specimen was observed with a microscope, and the maximum length in the longitudinal direction of the inclusions was measured in a 15 mm × 20 mm field of view.
[0026]
[Table 1]

[0027]
A test piece was cut out from the sample material and mirror-finished, and then the hardness was measured with a Brinell hardness tester, and the number and size of pinholes on the mirror-finished surface were measured by the following method. The results are shown in Table 2 below.
Number and size of pinholes: The mirror-finished surface of the test piece was observed with a microscope, and the number and size (diameter in the longitudinal direction) of the pinholes were measured in a 15 mm × 20 mm field of view. .
[0028]
[Table 2]

[0029]
According to the results of Table 2, the examples of the present invention had the same hardness as that of the comparative example, but the average number of pinholes on the mirror-finished surface was 4 and 3, and the size The average value was 130 μm and 100 μm.
In contrast, the comparative example in which the form of the Al-based inclusions is different from that of the present invention and the maximum length of the cluster is outside the scope of the present invention was similar in hardness to the examples, but mirror finish The average number of pinholes on the surface was 10 to 18, and the average size was 240 to 280 μm.
[0030]
【The invention's effect】
The plastic mold steel according to the present invention has the above-described configuration, so that it has general properties necessary for a mold equivalent to a conventional plastic mold steel, and has few pinholes and fine pits. In addition, since the unevenness of the polished surface is reduced, the mirror surface property is particularly excellent.

Claims

重量％で（以下同じ）、Ｃ：０．１０〜０．３０％、Ｓｉ：０．０５〜１．５０％、Ｍｎ：０．９０〜２．００％、Ｐ：０．０３０％以下、Ｓ：０．０１０％以下、Ｃｕ：０．２５％以下、Ｎｉ：０．２５％以下、Ｃｒ：１．００〜２．５０％、Ｍｏ：０．２０〜０．６０％、Ｖ：０．０５〜０．２０％、Ｂ：０．００２０％以下、S-Ａｌ：０．０３５％以下、Ｏ：０．００３０％以下、Ｎ：０．０２００％以下並びにＣａ：０．０００５〜０．００５０％を含有し、残部がＦｅ及び不可避的不純物からなる成分組成を有し、Ａｌ系介在物が主としてＣａＯ−Ａｌ₂Ｏ₃からなり、かつこの介在物が凝集したクラスター状の介在物の長手方向の長さが１５０μｍ以下であることを特徴とするプラスチック成形金型用鋼。% By weight (hereinafter the same), C: 0.10 to 0.30%, Si: 0.05 to 1.50%, Mn: 0.90 to 2.00%, P: 0.030% or less, S : 0.010% or less, Cu: 0.25% or less, Ni: 0.25% or less, Cr: 1.00-2.50%, Mo: 0.20-0.60%, V: 0.05 ~ 0.20%, B: 0.0020% or less, S-Al: 0.035% or less, O: 0.0030% or less, N: 0.0200% or less , and Ca: 0.0005 to 0.0050% In which the balance is composed of Fe and inevitable impurities , the Al inclusions are mainly CaO—Al ₂ O ₃ , and the inclusions in the longitudinal direction of the clustered inclusions are aggregated. A plastic mold steel characterized by having a length of 150 μm or less.