JP4625683B2 - 新規アゾ色素化合物 - Google Patents

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Description

本発明は、木綿、毛、若しくは合成繊維などの織物繊維、革、紙、プラスチック、または毛皮などの染色用、食品用、染毛剤用、インク用、インクジェットプリント用、レーザープリント用、コピー用、感熱転写方式画像形成用、光記録材料用、有機EL用発光材料用、レーザー用、有機半導体用、太陽電池用、蛍光プローブ用、非線形光学材料用、固体撮像管他各種フィルター用、及びカラー液晶などのディスプレイ用に使用されるアゾ色素として有用な化合物に関するものである。
アゾ色素は、その高い染色性、熱や光及び洗濯に対する堅牢性、及び低い製造コストなど優れた性質を数多く有している為、古くから、木綿、毛、若しくは合成繊維などの織物繊維、革、紙、プラスチック、または毛皮などの染色用、食品用として広く使用されてきた。今日ではこれらの伝統的な用途に加え、ペイント顔料用、インク用、インクジェットプリント用、レーザープリント用、コピー用、感熱転写方式画像形成用、光記録材料用、有機EL用発光材料用、レーザー用、有機半導体用、太陽電池用、蛍光プローブ用、非線形光学材料用、固体撮像管他各種フィルター用、及びカラー液晶などのディスプレイ用、染毛剤用などに応用されており、最も幅広い範囲で使用される色素骨格である。非特許文献1にその具体的な応用例が広く記載されている。
しかし、アゾ色素は、生体内で還元的に代謝されると芳香族アミン化合物を生成することが知られており、近年、その安全性に対する懸念が指摘されている(例えば、非特許文献2参照。)。そのため、生体内での影響の点も考慮し、還元され難いアゾ色素の開発が求められている。
また最近、環内にアゾ基を有する新規ヘテロ環化合物1,10−ヘテロジ置換ベンゾ[c]シノリン誘導体の合成が報告されているが、環形成反応のメカニズムおよび構造化学的な議論を中心とするものであった。(例えば、非特許文献3参照。)
K. Hunger編、Indastrial Dyes、Chemistry, Properties, Applications、Wiley−VCH発行、2003年発行 R.K.Lynn他著、Toxicol. Appl. Pharmacol.、56巻、248頁、1980年発行 V. Benin他著、J. Org. Chem.、65巻、6388頁、2000年発行
本発明の目的は、上記のような問題点を解消するため、還元条件下で安定で、生体内での影響を改善したアゾ色素として有用な化合物及びアゾ色素を提供することにある。
本発明者らは、還元され難いアゾ色素骨格の開発を鋭意検討し、アゾ基を環状構造の一部として芳香族性を持たせることで、還元条件で安定なアゾ色素を開発することに成功し、以下の一般式(I)で表される化合物により上記の課題を解決することができることを見出した。本発明はこの知見に基づきなされるに至ったものである。すなわち、本発明は、
(1)
下記一般式(I)で表される化合物。
Figure 0004625683
式中、Z1及びZ2は芳香環を形成するのに必要な原子群を表わし、V1及びV2は、Z1及びZ2によって形成される芳香環上の置換基を表わす。rは1〜4を表わす。sは1〜4を表わす。置換基V1及びV2は次に示すW1もしくはW2で表される置換基を表す。但し、V1の少なくとも1つがW1で表される置換基である場合には、V2の少なくとも1つはW2で表される置換基を表し、 V1の少なくとも1つがW2で表される置換基である場合には、V2の少なくとも1つはW1で表される置換基を表す。M1は対イオンを表し、m1は電荷を中和するのに必要な数を表す。W1はヒドロキシ基、1〜3級アミノ基、アシルアミノ基、又はスルホンアミド基を表す。W2はニトロ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキル若しくはアリールスルホニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、スルホ基、カルボキシル基、ヘテロ環オキシ基、アンモニオ基、又はアルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、又はアリールもしくはヘテロ環アゾ基を表す。また、Z1及びZ2によって形成される芳香環上には、さらにV1又は及びV2以外の置換基を有していても良い。
(2)
上記一般式(I)で表される化合物が下記一般式(II)で表されることを特徴とする(1)記載の化合物。
Figure 0004625683
式中、Z2は芳香環を形成するのに必要な原子群を表わし、V1及びV2は置換基を表わす。rは1〜4を表わす。sは1〜4を表わす。置換基V1及びV2は次に示すW1もしくはW2で表される置換基を表す。但し、V1の少なくとも1つがW1で表される置換基である場合には、V2の少なくとも1つはW2で表される置換基を表し、 V1の少なくとも1つがW2で表される置換基である場合には、V2の少なくとも1つはW1で表される置換基を表す。M1は対イオンを表し、m1は電荷を中和するのに必要な数を表す。W1はヒドロキシ基、1〜3級アミノ基、アシルアミノ基、又はスルホンアミド基を表す。W2はニトロ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキル若しくはアリールスルホニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、スルホ基、カルボキシル基、ヘテロ環オキシ基、アンモニオ基、又はアルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、又はアリールもしくはヘテロ環アゾ基を表す。また、一般式(II)で表わされる化合物はさらに、V1及びV2以外の置換基を有していても良い。
(3)
上記一般式(I)または(II)で表される化合物が下記一般式(III)で表されることを特徴とする(1)または(2)記載の化合物。
Figure 0004625683
式中、V1及びV2は置換基を表わす。rは1〜4を表わす。置換基V1及びV2は次に示すW1もしくはW2で表される置換基を表す。但し、V1の少なくとも1つがW1で表される置換基である場合には、V2はW2で表される置換基のみを表し、 V1の少なくとも1つがW2で表される置換基である場合には、V2はW1で表される置換基のみを表す。M1は対イオンを表し、m1は電荷を中和するのに必要な数を表す。W1はヒドロキシ基、1〜3級アミノ基、アシルアミノ基、又はスルホンアミド基を表す。W2はニトロ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキル若しくはアリールスルホニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、スルホ基、カルボキシル基、ヘテロ環オキシ基、アンモニオ基、又はアルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、又はアリールもしくはヘテロ環アゾ基を表す。また、一般式(III)で表わされる化合物はさらに、V1及びV2以外の置換基を有していても良い。
(4)
上記一般式(I)または(II)で表される化合物が下記一般式(IV)で表されることを特徴とする(1)または(2)記載の化合物。
Figure 0004625683
式中、V1及びV2は置換基を表わす。rは1〜4を表わす。sは1〜4を表わす。置換基V1及びV2は次に示すW1もしくはW2で表される置換基を表す。但し、V1の少なくとも1つがW1で表される置換基である場合には、V2の少なくとも1つはW2で表される置換基のみを表し、 V1の少なくとも1つがW2で表される置換基である場合には、V2の少なくとも1つはW1で表される置換基を表す。M1は対イオンを表し、m1は電荷を中和するのに必要な数を表す。W1はヒドロキシ基、1〜3級アミノ基、アシルアミノ基、又はスルホンアミド基を表す。W2はニトロ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキル若しくはアリールスルホニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、スルホ基、カルボキシル基、ヘテロ環オキシ基、アンモニオ基、又はアルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、又はアリールもしくはヘテロ環アゾ基を表す。また、一般式(IV)で表わされる化合物はさらに、V1及びV2以外の置換基を有していても良い。
(5)
前記(1)〜(4)のいずれか1項記載の化合物からなるアゾ色素。
本発明の新規な化合物は、還元条件に対して安定で、生体内での影響を改善し、高い染色性、着色性及び堅牢性を示し、さらには低い製造コストを実現するものである。この化合物はアゾ色素としてその効果を奏する。
以下に本発明の一般式(I)で表される化合物について詳細に説明する。
本発明において、特定の部分を「基」と称した場合には、当該部分はそれ自体が置換されていなくても、一種以上の(可能な最多数までの)置換基で置換されていても良いことを意味する。例えば、「アルキル基」とは置換または無置換のアルキル基を意味する。また、本発明における化合物に使用できる置換基は、置換の有無にかかわらず、どのような置換基でも良い。
このような置換基をWとすると、Wで示される置換基としては、いかなるものでも良く、特に制限は無いが、例えば、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、複素環基(ヘテロ環基と言っても良い)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールもしくはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(−B(OH)2)、ホスファト基(−OPO(OH)2)、スルファト基(−OSO3H)、その他の公知の置換基、が例として挙げられる。
更に詳しくは、Wは、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2−エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)はこのような概念のアルキル基を表すが、さらにアルケニル基、アルキニル基も含むこととする。]、アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。それらは、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)を包含するものである。]、
アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、複素環基(好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族の複素環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、ベンゼン環等と縮合していてもよく、更に好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族の複素環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル、なお、1−メチル−2−ピリジニオ、1−メチル−2−キノリニオのようなカチオン性の複素環基でも良い。)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、
アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、
カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアミノ基、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ)、アンモニオ基(好ましくはアンモニオ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキル、アリール、ヘテロ環が置換したアンモニオ基、例えば、トリメチルアンモニオ、トリエチルアンモニオ、ジフェニルメチルアンモニオ)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)、メルカプト基、
アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールチオ、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、スルホ基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、
アルキルもしくはアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4〜30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2−ピリジルカルボニル、2−フリルカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、
カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、アリールもしくはヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、ホスフォ基、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)、ヒドラジノ基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のヒドラジノ基、例えば、トリメチルヒドラジノ)、ウレイド基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のウレイド基、例えばN,N−ジメチルウレイド)、を表わす。
また、2つのWが共同して環(芳香族、又は非芳香族の炭化水素環、又は複素環。これらは、さらに組み合わされて多環縮合環を形成することができる。例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、フェナジン環、が挙げられる。)を形成することもできる。
上記の置換基Wの中で、水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の基で置換されていても良い。そのような置換基の例としては、−CONHSO2−基(スルホニルカルバモイル基、カルボニルスルファモイル基)、−CONHCO−基(カルボニルカルバモイル基)、−SO2NHSO2−基(スルフォニルスルファモイル基)、が挙げられる。より具体的には、アルキルカルボニルアミノスルホニル基(例えば、アセチルアミノスルホニル)、アリールカルボニルアミノスルホニル基(例えば、ベンゾイルアミノスルホニル基)、アルキルスルホニルアミノカルボニル基(例えば、メチルスルホニルアミノカルボニル)、アリールスルホニルアミノカルボニル基(例えば、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル)が挙げられる。
本発明の一般式(I)で表される化合物について説明する。
、及びZによって形成される芳香環とは芳香族炭素環、または芳香族ヘテロ環を意味する。Z、及びZによって形成される芳香族炭素環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン、フェナントレン、及び以下に説明する芳香族ヘテロ環が縮環したベンゼン環などが挙げられる。Z、及びZによって形成される芳香族ヘテロ環としては5、6、7、または8員の芳香族ヘテロ環などが挙げられる。Z、及びZによって形成される芳香族ヘテロ環として好ましくは、5、又は6員の含窒素ヘテロ環である。5、又は6員の含窒素ヘテロ環とは、如何なる5、又は6員の含窒素ヘテロ環でもよく、また、更にベンゼン環や他のヘテロ環が縮環して多環複素環構造をとっていても良い。
、及びZによって形成される芳香族ヘテロ環に含まれるヘテロ原子として好ましくは、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、テルル原子、リン原子、ケイ素原子、及びホウ素原子であり、さらに好ましくは、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、及びセレン原子であり、特に好ましくは、窒素原子、硫黄原子、及び酸素原子であり、最も好ましくは窒素原子、及び硫黄原子である。
これらの芳香族複素環として好ましいものは具体的には、フラン環、ピロール環、チオフェン環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、ピラン環、ジオキサン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、チアジアジン環、オキサジアジン環、オキサトリアゾール環、チアトリアゾール環、インドリジン環、及び、これらにベンゾ縮環したベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ベンゾオキサジアゾール環、ピラノン環、ピリリウム環、トリアジン環、テトラジン環、インドール環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、キノキサリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、フェナントロリン環、アクリジン環、及び、プリン、プテリジン等が挙げられる。
これらの複素環には、いかなる置換基が置換していても縮環していても良く、置換基としては前述のWが挙げられる。また、複素環に含まれる3級窒素原子が置換されて4級窒素となっても良い。なお、複素環の別の互変異性構造を書くことができるどのような場合も、化学的に等価である。
は置換基を表わし、Zにより形成される芳香環に置換していることが好ましい。rは置換基Vの数を表わし、好ましくは1〜4の数であり、より好ましくは1〜3の数であり、1〜2が特に好ましい。Vは置換基を表わし、Zにより形成される芳香環に置換していることが好ましい。sは置換基Vの数を表わし、好ましくは1〜4の数であり、より好ましくは1〜3の数であり、1〜2が特に好ましい。
、Vの少なくとも一方で置換していることが好ましく、V、Vの両方で置換していることがより好ましい。
置換基V1、及びV2は次に示すW1もしくはW2で表される置換基を表す。但し、V1の少なくとも1つがW1で表される置換基である場合には、V2の少なくとも1つはW2で表される置換基を表し、 V1の少なくとも1つがW2で表される置換基である場合には、V2の少なくとも1つはW1で表される置換基を表す。
W1はヒドロキシ基、1〜3級アミノ基、アシルアミノ基、又はスルホンアミド基(スルホニルアミノ基)を表す。具体的には、プロトンが解離若しくは非解離のヒドロキシ基、NH2基、炭素数1〜60のアルキル若しくはアリールアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノ、オクチルアミノ、ドデシルアミノ、ベンジルアミノ、フェニルアミノ、ナフチルアミノ)、炭素数1〜60のジアルキル若しくはジアリールアミノ基(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジオクチルアミノ、ジドデシルアミノ、ジベンジルアミノ、N−ブチル−N−エチルアミノ、N−メチル−N−エチルアミノ、N−メチル−N−ベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジナフチルアミノ、N−(4−トリル)−N−フェニルアミノ)、炭素数6〜60のN−アルキル−N−アリールアミノ基(例えば、N−メチル−N−フェニルアミノ)、炭素数2〜10のアシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、n−ブタンアミド、オクタノイルアミノ、ベンゾイルアミノ、ニコチンアミド)、炭素数1〜60のスルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、4−ブタンスルホンアミド、8−オクタンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド、ペンタフルオロベンゼンスルホンアミド、クロロベンゼンスルホンアミド)が挙げられる。尚、これらは更に置換基W等の置換基を有していても良い。
W1として好ましくは、プロトンが解離若しくは非解離のヒドロキシ基、NH2基、炭素数1〜20のアルキル若しくはアリールアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノ、オクチルアミノ、ドデシルアミノ、ベンジルアミノ、フェニルアミノ、ナフチルアミノ)、炭素数1〜20のジアルキル若しくはジアリールアミノ基(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジオクチルアミノ、ジドデシルアミノ、ジベンジルアミノ、N−ブチル−N−エチルアミノ、N−メチル−N−エチルアミノ、N−メチル−N−ベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジナフチルアミノ、N−(4−トリル)−N−フェニルアミノ)、炭素数6〜20のN−アルキル−N−アリールアミノ基(例えば、N−メチル−N−フェニルアミノ)、炭素数2〜10のアシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、n−ブタンアミド、オクタノイルアミノ、ベンゾイルアミノ、ニコチンアミド)、炭素数1〜20のスルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、4−ブタンスルホンアミド、8−オクタンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド、ペンタフルオロベンゼンスルホンアミド、クロロベンゼンスルホンアミド)が挙げられる。
W1として更に好ましくはプロトンが解離若しくは非解離のヒドロキシ基、NH2基、炭素数1〜18の置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数2〜18の置換若しくは無置換のジアルキル若しくはジアリールアミノ基、炭素数2〜18の置換若しくは無置換のアシルアミノ基、炭素数1〜18の置換若しくは無置換のスルホンアミド基が挙げられ、更に好ましくは、プロトンが解離若しくは非解離のヒドロキシ基、NH2基、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノ、オクチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジ(2−ヒドロキシエチル)アミノ、ジオクチルアミノ、ジドデシルアミノ、ジベンジルアミノ、N−ブチル−N−エチルアミノ、N−メチル−N−エチルアミノ、N−メチル−N−ベンジルアミノ、アセチルアミノ、n−ブタンアミド、ニコチンアミド、メタンスルホンアミド、4−ブタンスルホンアミド、8−オクタンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド、ペンタフルオロベンゼンスルホンアミド、クロロベンゼンスルホンアミドが挙げられる。
W1として特に好ましくはプロトンが解離若しくは非解離のヒドロキシ基、ジメチルアミノ基、メタンスルホンアミド、4−ブタンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド、ペンタフルオロベンゼンスルホンアミド基が挙げられる。
W2はニトロ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキル若しくはアリールスルホニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、カルボキシル基、ヘテロ環オキシ基、アンモニオ基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、スルホ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールもしくはヘテロ環アゾ基を表す。具体的には、ニトロ基、シアノ基、アルケニル基(炭素数2〜10。例えば、ビニル、アリル、オレイル)、アリール基(炭素数6〜20。例えば、フェニル、p−トリル、ナフチル)、アシル基(炭素数1〜20。例えば、アセチル、ベンゾイル、ブタノイル、4−クロロベンゾイル)、スルホニル基(炭素数1〜20。例えば、メタンスルホニル、ブタンスルホニル、トルエンスルホニル)、アルキルもしくはアリールスルフィニル基(炭素数1〜20。例えば、メチルスルホキシド、フェニルスルホキシド、4−クロロフェニルスルホキシド、4−ニトロフェニルスルホキシド)、カルバモイル基(炭素数1〜10。例えば、N,N−ジメチルカルバモイル)、スルファモイル基(炭素数0〜10。例えば、N,N−ジメチルスルファモイル)、スルホ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(炭素数2〜20。例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(炭素数6〜20。例えば、フェニルオキシカルボニル、p−トリルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル、p−クロロフェニルオキシカルボニル)、複素環基(炭素数0〜20。好ましくは、環構成のヘテロ原子として窒素原子、酸素原子、イオウ原子から選択されるものであって、ヘテロ原子以外に炭素原子をも環構成原子として含むものがさらに好ましく、環員数3〜8、より好ましくは5〜6であり、例えば、前述のWで示した基)、尚、上記は更に置換基W等の置換基を有していても良い。
W2として好ましくは、ニトロ基、シアノ基、アリール基(炭素数6〜20。例えば、フェニル、p−トリル、ナフチル)、アシル基(炭素数1〜20。例えば、アセチル、ベンゾイル、ブタノイル、4−クロロベンゾイル)、スルホニル基(炭素数1〜20。例えば、メタンスルホニル、ブタンスルホニル、トルエンスルホニル)、アルキルもしくはアリールスルフィニル基(炭素数1〜20。例えば、メチルスルホキシド、フェニルスルホキシド、4−クロロフェニルスルホキシド、4−ニトロフェニルスルホキシド)、カルバモイル基(炭素数1〜10。例えば、N,N−ジメチルカルバモイル)、スルファモイル基(炭素数0〜10。例えば、N,N−ジメチルスルファモイル)、アルコキシカルボニル基(炭素数2〜20。例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(炭素数6〜20。例えば、フェニルオキシカルボニル、p−トリルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル、p−クロロフェニルオキシカルボニル)である。
W2として更に好ましくはニトロ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基(炭素数2〜20。例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(炭素数6〜20。例えば、フェニルオキシカルボニル、p−トリルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル、p−クロロフェニルオキシカルボニル)、アルキル若しくはアリールスルホニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アシル基を表す。
W2として特に好ましくはシアノ基、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、フェニルオキシカルボニル、p−トリルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル、p−クロロフェニルオキシカルボニル、メチルスルホニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アシル基である。
Z1、及びZ2によって形成される芳香環上には、 さらにV1及びV2以外の置換基を有していても良い。これらの置換基としては前述のWで表される置換基などが挙げられる。
は電荷を中和するために必要な陽イオン又は陰イオンを表す。陰イオンは無機陰イオンあるいは有機陰イオンのいずれであってもよく、ハロゲン陰イオン(例えばフッ素イオン、塩素イオン、ヨウ素イオン)、置換アリ−ルスルホン酸イオン(例えばp−トルエンスルホン酸イオン、p−クロルベンゼンスルホン酸イオン)、アリ−ルジスルホン酸イオン(例えば1,3−ベンゼンスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオン)、アルキル硫酸イオン(例えばメチル硫酸イオン)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオンが挙げられる。さらに、イオン性ポリマーを用いても良い。また、CO2 、SO3 は、対イオンとして水素イオンを持つときはCO2H、SO3Hと表記することも可能である。典型的な陽イオンとしては水素イオン(H)、アルカリ金属イオン(例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン)、アルカリ土類金属イオン(例えばカルシウムイオン)などの無機陽イオン、アンモニウムイオン(例えば、アンモニウムイオン、テトラアルキルアンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、エチルピリジニウムイオン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムイオン)などの有機イオンが挙げられる。
は電荷を中和するために必要な数を表す。m1は、中和を必要としないときは0でよく、0〜10の数が好ましい。
次に、本発明の一般式(II)、(III)又は(IV)で表される化合物について説明する。
前記一般式(II)、(III)又は(IV)中、Z2、V1、V2、M1、及びm1は一般式(I)中で使用したものと同義である。
本発明の一般式(I)、(II)、(III)又は(IV)で表わされる化合物は、アゾ色素として好ましく用いることができる。
一般式(I)、(II)、(III)および(IV)中の、分子内アゾ結合は、アミノ基を有するビ(ヘテロ)アリール化合物を分子内アゾカップリングする方法(例えば、V. Benin他著、J. Org. Chem.、2000年発行の65巻、6388頁の記載に準じて形成する方法)、ビ(ヘテロ)アリール化合物上のアミノ基と含窒素化合物を反応させて形成する方法(例えば、酸の存在下で亜硝酸塩と反応させて形成する方法)などにより形成することができる。前記アミノ基を有するビ(ヘテロ)アリール化合物の製造方法は、置換基V1及びV2を有する目的の化合物の構造に応じて定めることができる。
前記置換基V1及びV2は、どの反応過程で導入してもよいが、前記分子内アゾカップリングを行う前に導入することが好ましい。反応過程の初期または途中で導入する場合は、V1、V2を適宜に保護・脱保護することにより目的の構造を有する化合物を得ることができる。
次に、発明を実施するための最良の形態の説明で詳細に述べた本発明の化合物のうち、特に好ましい具体例を示す。もちろん、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、構造式中のMe、Etはそれぞれ、メチル基、エチル基を表わす。
Figure 0004625683
Figure 0004625683
Figure 0004625683
なお、本発明の化合物が分子内に不斉炭素を複数個有する場合、同一構造に対して複数の立体異性体が存在するが、本明細書では可能性のある全ての立体異性体を示しており、本発明においては複数の立体異性のうち1つだけを使用することも、あるいはそのうちの数種を混合物として使用することもできる。
本発明の化合物は、木綿、毛、若しくは合成繊維などの織物繊維、革、紙、プラスチック、または毛皮などの染色用、食品用、染毛剤用、インク用、インクジェットプリント用、レーザープリント用、コピー用、感熱転写方式画像形成用、光記録材料用、有機EL用発光材料用、レーザー用、有機半導体用、太陽電池用、蛍光プローブ用、非線形光学材料用、固体撮像管他各種フィルター用、及びカラー液晶などのディスプレイ用に使用される色素として好適に用いることができる。
以下に本発明の実施例を示す。但し、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
実施例1
例示化合物4の合成
Figure 0004625683
(A)化合物4−aの合成
窒素雰囲気下、フラスコに金属ナトリウム15.5g、1−メチル−2−ピロジリジノン(NMP)200ml及びジフェニルジスルフィド(PhSSPh)66.8gを入れ、外温200℃で30分加熱還流した。これに同温度で還流下、(3−メトキシフェニル)アセトニトリル75gを1−メチル−2−ピロジリジノン200mlに溶かした溶液を加え、さらに外温200℃で3時間加熱還流した。反応終了後、反応液を室温(r.t.)まで冷却し、ヘキサン200mlと0.5M水酸化ナトリウム水溶液400mlを加え攪拌後、分液ロートに移し、ヘキサン層を分離して除いた。得られた水層に3M塩酸水を加え、溶液を酸性にした後、酢酸エチルで抽出した。分液して酢酸エチル層を取り出し、これを1M塩酸水、次いで飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、化合物4−aを70.4g(収率100%)得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3)δ(ppm):3.73(2H, s) 6.16(1H, s) 6.80〜6.89(3H, m) 7.20〜7.30(1H, m)
(B)化合物4−bの合成
化合物4−a20g、ベンジルブロミド27g、及び炭酸カリウム25gをDMF100ml中で、外温60℃で3時間攪拌した。反応液を冷却後、酢酸エチル200mlと1M塩酸水200mlを加え攪拌し、有機層を分離し、有機層を1M塩酸水、次いで飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、化合物4−bを20.8g(収率62%)得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3)δ(ppm):3.70(2H, s) 5.08(2H, s) 6.88〜6.95(3H, m) 7.23〜7.45(6H, m)
(C)化合物4−cの合成
ナトリウムメトキシド18.5gとエタノール250mlを混合し、外温−30℃に冷却して攪拌した。これに、外温−30℃に冷却下、化合物4−b85gと亜硝酸イソアミル(i-amyl)48mlのエタノール150ml溶液をゆっくり滴下した。このとき内温を−25℃以下に保った。滴下終了後、外温−30℃で1時間攪拌した後、室温で1時間攪拌した。その後、反応液をロータリーエバポレーターで濃縮し、これにエーテル200mlを加え室温で攪拌した。濾取して得られた結晶に酢酸エチル200mlを加え室温で20分攪拌した。結晶を濾取し、酢酸エチルで洗浄後、乾燥することにより、化合物4−cを68g(収率65%)得た。
1H NMR (300MHz, DMSO−d6)δ(ppm):5.12(2H, s) 6.70〜6.78(1H, dd, J=9Hz, J=1.5Hz) 7.08〜7.23(2H, m) 7.28〜7.50(6H, m)
(D)化合物4−dの合成
化合物4−cを67g及びp−トルエンスルホニルクロリド48gをトルエン500ml中で3時間加熱還流した。反応液を冷却後、水300mlと酢酸エチル100mlを加え酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥、濃縮したのち、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、化合物4−dを43g(収率53%)得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3)δ(ppm):5.10(2H, s) 7.12〜7.18(1H, m) 7.35〜7.43(11H, m) 7.91〜7.95(2H, d, J=8Hz)
(E)化合物4−eの合成
化合物4−d11.6gをエタノール100mlに攪拌溶解し、これにチオグリコール酸エチル5.06gを加え、室温で攪拌混合した。これを外温0℃に冷却しながら攪拌下、トリエチルアミン5.4mlをゆっくり滴下した。滴下終了後、室温に昇温して更に1時間攪拌した。反応液に1M塩酸水と酢酸エチルを加え酢酸エチルで抽出、有機層を0.5M水酸化ナトリウム水溶液、1M塩酸水、及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウム乾燥、濃縮したのち、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、化合物4−eを7.7g(収率62%)得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3)δ(ppm):1.38〜1.42(3H, t, J=7Hz) 4.34〜4.39(2H, d, J=7Hz) 5.12(2H, s) ) 5.36(2H, s) 7.05〜7.09(1H, m) 7.30〜7.49(8H, m)
(F)化合物4−fの合成
化合物4−e7.7gをトリフルオロ酢酸(TFA)50ml中で10時間攪拌した。反応液に水と酢酸エチルを加え酢酸エチルで抽出、有機層を水、及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウム乾燥、濃縮したのち、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、化合物4−fを3.7g(収率64%)得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3)δ(ppm):1.37〜1.40(3H, t, J=7Hz) 4.34〜4.39(2H, d, J=7Hz) 5.1〜5.7(2H, broad) 6.90〜6.95(1H, d J=8Hz) 7.1〜7.3(3H, m) 7.35〜7.39(1H, t, J=8Hz)
(G)化合物4の合成
化合物4−f3.6g、DMF10ml、酢酸(AcOH)40ml、水5ml、及び濃塩酸(c.HCl)15mlを混合し、塩−氷水バスで内温0℃になるまで冷却攪拌する。内温0℃で攪拌下、亜硝酸ナトリウム1.4gを固体のまま、ゆっくり加えた。この温度でさらに1時間攪拌した後、反応液を水200mlにあけ、析出した結晶を濾取した。結晶をメタノール70mlに加え、トリエチルアミン3mlを加え攪拌することで溶解させ、ゴミとり濾過後、濾液に攪拌下酢酸7mlを加えたところ結晶が析出した。結晶を濾取し、メタノールでかけ洗いし、結晶を乾燥することにより、化合物4を1.0g(収率36%)得た。融点は251〜253℃であった。
図1に、得られた化合物4の吸収スペクトルを示す。図1から明らかなように、化合物4のDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)にDBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン)を3滴添加した溶液中のλmax(吸収極大波長)は573.3nmであり、εmax(モル最大吸光係数)は1.46×104cm−1M−1であった。
NMRスペクトルは下記のとおりであった。
1H NMR (300MHz, DMSO−d6)δ(ppm):1.40〜1.45(3H, t, J=7Hz) 4.50〜4.57(2H, d, J=7Hz) 7.17(1H, s) 7.50〜7.56(1H, dd J=8Hz, J=1.5Hz) 7.83〜7.85(1H, d, J=1.5Hz) 8.58〜8.63(1H, d, J=8Hz)
実施例2
例示化合物31の合成
Figure 0004625683
(A)化合物31−aの合成
3L三つ口フラスコに4‐ブロモフタル酸モノナトリウム700g、ホルムアミド590g、濃硫酸89ml、及びジグライム360mlを入れ、内温130℃〜140℃で7時間加熱攪拌した。室温まで冷却後、DMF930ml、水460mlを入れ室温で2時間攪拌した。結晶を濾取し、イソプロピルアルコール1.5Lに加え30分加熱還流した後、室温で3時間攪拌した。結晶を濾過し、ヘキサンでかけ洗いした後、乾燥することで化合物31−aを563g(収率95%)得た。
(B)化合物31−cの合成
濃硫酸0.9Lを氷水バスで冷却しながら攪拌下、発煙硝酸(fum. HNO3)194mlを加えた。氷水バスで冷却攪拌1時間の後、化合物31−a215gを30分かけてゆっくり分割添加した。このとき内温は15℃以下に保った。添加終了後、室温で8時間攪拌した。反応液を氷水1Lに注ぐと結晶が析出した。攪拌後、結晶を濾取し、水でかけ洗いした。得られた化合物31−bの粗結晶を精製せずに別のフラスコに移し、DMF1Lを加え、室温で攪拌した。攪拌しながらこの懸濁液に25%アンモニア水200mLを加えた後、室温で3時間攪拌した。結晶を濾取し、イソプロピルアルコール1.5Lに加え30分加熱還流した後、室温で3時間攪拌した。結晶を濾過し、ヘキサンでかけ洗いした後、乾燥することで化合物31−cを131g(収率化合物31−aから48%)得た。
(C)化合物31−dの合成
化合物31−c150gをDMF300mlに溶解し氷水バスで冷却攪拌下、オキシ塩化リン200gを1時間かけて滴下した。滴下終了後さらに溶解し氷水バス冷却下で2時間攪拌した。反応液を水1.5Lにゆっくり注ぐと結晶が析出した。攪拌後、結晶を濾取した。この結晶を酢酸エチル500mlに溶解し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、酢酸溶液を濃縮した。得られたスラリーにヘキサン300mlを加え攪拌した後、一晩静置した。得られた結晶を濾取、乾燥することで、化合物31−dを89g(収率68%)得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3)δ(ppm):8.22(1H, s) 8.25(1H, s)
(D)化合物31−eの合成
還元鉄37.3gと酢酸200mlを室温で攪拌した。これに化合物31−d44.3gをゆっくり分割添加した。添加時内温は60℃以下に保った。添加終了後、室温で1時間攪拌した後、反応液を水1Lに注ぎ、室温で攪拌した。濾過してえられた結晶をDMF500mlに溶解し、セライト濾過した。得られた濾液を水に注ぎ、攪拌し、結晶を濾取した。結晶にアセトン1Lを加え、加熱攪拌されることにより完溶させた後、ゴミ取り濾過し、濾液を液量150ml程度になるまで濃縮した後、静置した。析出した結晶を濾取、乾燥することで、化合物31−eを25g(収率64%)得た。
1H NMR (300MHz, DMSO−d)δ(ppm):6.85〜6.94(2H, broad) 7.19(1H, s) 8.17(1H, s)
(E)化合物31−gの合成
窒素雰囲気下、化合物31−e2.2g、市販の化合物31−f2.2g、炭酸カリウム2.8g、酢酸パラジウム0.112g、トリ(o−トリル)フォスフィン0.304g、トルエン15ml、水5ml、及びIPA10mlを混合し、外温80℃で4時間加熱攪拌した。反応液に1M塩酸水と酢酸エチルを加え酢酸エチルで抽出、有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム乾燥、濃縮したのち、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで、化合物31−gを1.66g(収率71%)得た。
1H NMR (300MHz, DMSO−d)δ(ppm):6.3〜6.4(2H, broad) 6.78〜6.83(3H, m) 7.18(1H, s) 7.29〜7.33(1H, t, J=8Hz) 7.57(1H, s) 9.67(1H, s)
(F)化合物31の合成
化合物31−g6.0g、DMF30ml、AcOH120ml、水20ml、及びc.HCl30mlを混合し、塩−氷水バスで内温0℃になるまで冷却攪拌する。内温0℃で攪拌下、亜硝酸ナトリウム5.3gを固体のまま、ゆっくり加えた。この温度でさらに0.5時間攪拌した後、反応液を水500mlに注ぎ、析出した結晶を濾取した。結晶をメタノール70mlに加え、トリエチルアミン3mlを加え攪拌することで溶解させ、ゴミとり濾過後、濾液に攪拌下酢酸7mlを加えたところ結晶が析出した。結晶を濾取し、メタノールでかけ洗いし、結晶を乾燥することにより、化合物31を4.62g(収率74%)得た。融点は、300℃以上であった。
図2に、得られた化合物31の吸収スペクトルを示す。図2から明らかなように、化合物31のDMFにDBUを3滴添加した溶液中のλmaxは524.4nmであり、εmaxは1.89×104cm−1M−1であった。
MSスペクトルは下記のとおりであった。
MS(negative) m/z 245 (M−H)
実施例3
例示化合物33の合成
Figure 0004625683
(A)化合物33−aの合成
5−メチルレゾルシノール11gを塩化メチレン100mlに溶解し、氷水バスで冷却下、トリフルオロメタンスルホン酸無水物25g、2,6−ルチジン11.3ml、及びDMAP(4−ジメチルアミノピリジン)0.2gを順次添加し、室温で3時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルを加え酢酸エチルで抽出、有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム乾燥、濃縮したのち、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで、化合物33−aを3.15g(収率15%)得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3)δ(ppm):2.34(3H, s) 6.18(1H,s) 6.61(1H,s) 6.67(1H,s) 6.70(1H,s)
(B)化合物33−cの合成
窒素雰囲気下、市販の化合物33−b5.45g、ジクロロビストリフェニルフォスフィンパラジウム1.3g、ビスジフェニルホスフィノフェロセン(dppf)1.08g、酢酸カリウム5.75g、ジオキサン50ml、及び化合物33−a5.0gを混合し、外温80℃で3時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルを加え酢酸エチルで抽出、有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム乾燥、濃縮したのち、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで、化合物33−cを3.1g(収率68%)得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3)δ(ppm):1.34(12H, s) 2.30(3H, s) 4.88(1H,s) 6.79(1H,s) 7.08(1H,s) 7.25(1H,s)
(C)化合物33−dの合成
窒素雰囲気下、化合物33−c3.1g、化合物31−e2.94g、炭酸カリウム3.65g、酢酸パラジウム0.15g、トリ(o−トリル)フォスフィン0.4g、トルエン15ml、水5ml、及びイソプロピルアルコール10mlを混合し、外温80℃で3時間攪拌した。反応液に1M塩酸水と酢酸エチルを加え酢酸エチルで抽出、有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム乾燥、濃縮したのち、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで、化合物33−dを2.45g(収率74%)得た。
(D)化合物33の合成
化合物33−d2.4g、DMF15ml、 AcOH50ml、水7ml、及び濃HCl10mlを混合し、塩−氷水バスで内温0℃になるまで冷却攪拌する。内温0℃で攪拌下、亜硝酸ナトリウム1.46gを固体のまま、ゆっくり加えた。この温度でさらに0.5時間攪拌した後、反応液を水200mlにあけ、析出した結晶を濾取した。結晶をメタノール70mlに加え、トリエチルアミン3mlを加え攪拌することで溶解させ、ゴミとり濾過後、濾液に攪拌下酢酸7mlを加えたところ結晶が析出した。結晶を濾取し、メタノールでかけ洗いし、結晶を乾燥することにより、化合物33を1.7g(収率68%)得た。融点は、300℃以上であった。
図3に、得られた化合物33の吸収スペクトルを示す。図3から明らかなように、化合物33のDMFにDBUを3滴添加した溶液中のλmaxは525.9nmであり、εmaxは2.72×104cm−1M−1であった。
NMRスペクトルは下記のとおりであった。
1H NMR (300MHz, DMSO−d6)δ(ppm):2.96(3H, s) 2.96(3H, s) 7.42(1H,s) 7.85(1H,s) 9.27(1H,s) 2.53(1H,s) 11.0〜11.6(1H, broad)また、下記のプロトン同士にCOSY及びROESYによる相関が観測されたことより、生成物が化合物33'である可能性が否定され、化合物33であることを確認した。
Figure 0004625683
(試験例)
以下の方法で還元試験を行った。
本発明の例示化合物31、及び下記比較化合物A、B及びCをメタノール−水中、ハイドロサルファイトナトリウム5当量と室温48時間攪拌した。
Figure 0004625683
Figure 0004625683
Figure 0004625683
反応液をLC/MSで分析したところ、比較化合物Aの場合、比較化合物Aは95%以上消失し、還元生成物1、及び還元生成物2が生成していた。同様に比較化合物Bの場合も、比較化合物Bは95%以上消失し、還元生成物3、及び還元生成物4が生成していた。一方、例示化合物31の場合、全く同じ条件で例示化合物31は93%残存し、トータル7%生ずる分解生成物もアゾ基が還元されたものではなく、すべてシアノ基が加水分解されたものであった。また、比較化合物Cも同じ条件で100%残存していたが、この化合物は可視域に吸収を示さなかった。
Figure 0004625683
さらに、化学物質の変異原性評価の際に代謝酵素として通常使用されるS−9MIXに48時間以上曝した場合にも、比較化合物A、及びBは還元されるのに対し本発明の例示化合物31は還元されないことが確認できた。
以上の結果から、本発明の化合物が還元条件下において安定性が高いことが明らかである。
実施例1で製造された例示化合物4の吸収スペクトル(溶媒はN,N−ジメチルホルムアミド)である。 実施例2で製造された例示化合物31の吸収スペクトル(溶媒はN,N−ジメチルホルムアミド)である。 実施例3で製造された例示化合物33の吸収スペクトル(溶媒はN,N−ジメチルホルムアミド)である。

Claims (3)

  1. 記一般式(III)で表される化合物。
    Figure 0004625683
    式中、V1及びV2は置換基を表わす。rは1〜4を表わす。V 1 はヒドロキシ基を表す。V 2 はアルコキシカルボニル基を表す。M1は対イオンを表し、m1は電荷を中和するのに必要な数を表す
  2. 記一般式(IV)で表される化合物。
    Figure 0004625683
    式中、V1及びV2は置換基を表わす。rは1〜4を表わす。sは1〜4を表わす。V 1 はヒドロキシ基を表す。V 2 はシアノ基を表す。M1は対イオンを表し、m1は電荷を中和するのに必要な数を表す。また、一般式(IV)で表わされる化合物はさらに、V1及びV2以外の置換基としてアルキル基を有していても良い。
  3. 請求項1又は2記載の化合物からなるアゾ色素。
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