JP4622504B2 - 極端紫外線露光用マスクブランク及びマスク並びにパターン転写方法 - Google Patents

極端紫外線露光用マスクブランク及びマスク並びにパターン転写方法 Download PDF

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本発明は、半導体製造プロセス中の、波長10〜15nm程度のいわゆるEUV(Extreme Ultra Violet=極端紫外線)露光を用いたフォトリソグラフィ工程で使用される、極端紫外線露光用マスク(以下、EUVマスク)、及びそのマスクを作製するためのブランク、並びにそのマスクを用いたパターン転写方法に関するものである。
半導体集積回路の微細化技術は常に進歩しており、微細化のためのフォトリソグラフィ技術に使用される光の波長は次第に短くなってきている。光源としては、現状、これまで使用されて来たKrFエキシマレーザ(波長248nm)からArFエキシマレーザ(波長193nm)に切り替わりつつあり、さらにその次にはF2エキシマレーザ(波長157nm)の使用が提案され、開発が行われている。
しかしながら、F2エキシマレーザをもってしても、将来的な50nm以下の線幅を有するデバイスを作製するためのリソグラフィ技術として適用するには、露光機やレジストの課題もあり、容易ではない。このため、エキシマレーザ光より波長が一桁以上短い(10〜15nm)極端紫外線を用いた、EUVリソグラフィの研究開発が進められている。
EUV露光では、上述のように波長が短いため、物質の屈折率がほとんど真空の値に近く、材料間の光吸収の差も小さい。このため、EUV領域では従来の透過型の屈折光学系が組めず、反射光学系となり、従ってマスクも反射型マスクとなる。これまで開発されてきた一般的なEUVマスクは、Siウェハーやガラス基板上に、例えばMoとSiからなる2層膜を40対ほど積層した多層膜および多層膜を保護するキャッピング層を高反射領域とし、その上に低反射領域として吸収膜および緩衝膜のパターンを形成した構造であった。緩衝膜は、吸収膜のパターニングや欠陥修正の際に、キャッピング層や多層膜へのダメージを軽減する役割を果たす。
ところで、EUVリソグラフィ技術においても、位相シフトマスク法による高解像度化が可能であり、最近、反射型位相シフトマスクの構造がいくつか提案されている(特許文献1)。位相シフトマスクについては、IBMのLevensonらによって提唱され、公知となっている(特許文献2や、原理では特許文献3に記載されている)。位相シフトマスクでは、マスクパターンの透過部を、隣接する透過部とは異なる物質若しくは形状とすることにより、それらを透過した光に180度の位相差を与えている。従って両透過部の間の領域では、180度位相の異なる透過回折光同士が打ち消し合い、光強度が極めて小さくなって、マスクコントラストが向上し、結果的に転写時の焦点深度が拡大するとともに転写精度が向上する。尚、位相差は原理上180度が最良であるが、実質175〜185度程度であれば解像度向上効果は得られる。
図1は、EUVリソグラフィ技術に用いられるAlternative型位相シフトマスクの構造を例示したものである。本例は、Alternative型位相シフトマスクの一種であるLevenson型位相シフトマスクを示している。
ガラス基板5上にMoとSiからなる2層膜を40ペアほど積層した第1の多層膜1−(1)と第1の保護膜2−(1)が形成され、さらに中間膜3を介しMoとSiからなる2層膜を複数ペア積層した第2の多層膜1−(2)と第2の保護膜2−(2)が、中間膜とともにパターン状に形成されている。中間膜は、主に第2の保護膜と第2の多層膜のエッチングストッパー膜(ESL)として利用され、第2の多層膜のエッチング後、エッチングされる。以上がAlternative型位相シフトマスクの基本構造であるが、特にLevenson型
においてはパターン化された第2の多層膜1−(2)と第2の保護膜2−(2)の部分(以下適宜第2の多層膜部と呼ぶ)の端に、さらにパターン化された吸収膜4が載っている。吸収膜4がないAlternative型位相シフトマスクは通称クロムレス型と呼ばれることもある。
多層膜の上方から照射されたEUV光は、第1の多層膜と第1の保護膜の部分(以下適宜第1の多層膜部と呼ぶ)による反射R1と、第2の多層膜部による反射R2によりウェハー上で照射される。このとき、両反射による光は、位相差が180度で強度がほぼ等しくなる様に設計され、その結果両反射光が重なり合うパターンの周辺では、反射光が打ち消し合い、ウェハー上では感光されず、微細なパターンが転写される。この位相差の設計は、例えば第1の多層膜の表面からみた第2の多層膜の表面との距離(段差)から両反射の光路差を求め、これがほぼ180度の位相差になる様にするものであった(特許文献1)。そしてこれを基にして、中間層の厚みを上記Mo、Siの2層膜厚の整数倍とし、設計値に合うように求めていた。しかしながら、この手法では中間膜の材料や、中間層や下層による反射を無視しているため、正確な値が求められなかったり、反射光の強度についての精度が不明のものであった。また中間層が過度に厚くなりその結果第1の多層膜の表面からの、第2の多層膜の段差が大きくなり、いわゆる射影効果が起こり実用的なマスクでなくなった。EUV光はマスクに対して垂直方向に対し微小な角度(通常6度程度)で傾いた方向から露光される。このため多層膜(図1の第2の多層膜部)の角部の下では影が生じる。EUVマスクパターンはこの多層膜が厚くなると、この射影効果により転写線幅精度等が劣化し、実用できなくなる。
以下に公知の文献を示す。
特開平11−305417号公報 特開昭58−173744号公報 特公昭62−50811号公報
本発明は、かかる問題に対する対策を提供するものであり、第1の多層膜部と第2の多層膜部からの反射光による位相差と強度が保護膜や中間膜の光学特性に応じ精度良く決められ、射影効果を抑えた極端紫外線露光用マスクブランク及びマスク並びにパターン転写方法を提供することを課題とする。
本願発明は係る課題に鑑みなされたもので、請求項1の発明は、基板上に、露光光の高反射部となる異種の材料からなる2層膜を複数積層した第1の多層膜と第1の保護膜が形成され、その上に別の高反射部となる異種の材料からなる2層膜を複数積層した第2の多層膜と第2の保護膜、及び第1の保護膜と第2の多層膜の間に形成された中間膜よりなるパターンが形成された極端紫外線露光用マスクにおいて、
第2の多層膜と第2の保護膜からの反射光は、第2の多層膜と第2の保護膜による反射と中間膜による反射と第1の多層膜と第1の保護膜による反射とが干渉し合成された光であって、
中間膜の厚さに対する第1の多層膜と第1の保護膜の反射率及び第2の多層膜と第2の保護膜の反射率との特性と、
中間膜の厚さに対する第1の多層膜と第1の保護膜による反射光と第2の多層膜と第2の保護膜による反射光との間の位相差との特性とから、
中間膜の厚さが、前記反射率が略等しくなり、前記位相差が175乃至185度となる厚さであり、
前記第2の多層膜が、SiとMoからなる2層膜を1単位とし、15単位以下で積層して形成されることを特徴とする極端紫外線露光用マスクとしたものである。
本願の請求項2の発明は、前記第2の多層膜が、SiとMoからなる2層膜を1単位とし12単位乃至15単位積層して形成され、第1の保護膜および第2の保護膜の消衰係数が0.002以下であり、中間膜の消衰係数が0.04以下であることを特徴とする請求項1に記載の極端紫外線露光用マスクとしたものである。
本願の請求項3の発明は、前記第2の多層膜が、SiとMoからなる2層膜を1単位とし13単位乃至15単位積層して形成され、第1の保護膜および第2の保護膜の消衰係数が0.02以下であり、中間膜の消衰係数が0.03以下であることを特徴とする請求項1に記載の極端紫外線露光用マスクとしたものである。
本願の請求項4の発明は、前記第2の多層膜が、SiとMoからなる2層膜を1単位とし8単位乃至15単位積層して形成され、第2の保護膜の膜厚が第1の保護膜の膜厚よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の極端紫外線露光用マスクとしたものである。
本願の請求項5の発明は、前記第2の多層膜が、SiとMoからなる2層膜を1単位とし6単位乃至15単位積層して形成され、第2の保護膜の消衰係数が第1の保護膜の消衰係数よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の極端紫外線露光用マスクとしたものである。
本願の請求項6の発明は、前記第2の多層膜と第2の保護膜、及び第1の保護膜と第2の多層膜の間に形成された中間膜がパターニングされる前の段階である、請求項1〜5いずれか1項に記載の極端紫外線露光用マスクを作製するための極端紫外線露光用マスクブランクとしたものである。
本願の請求項7の発明は、請求項1〜5いずれか1項に記載の極端紫外線露光用マスクを露光装置に設置し、前記マスクを用いたリソグラフィ法による露光転写を行ない、パターン形成を行なうことを特徴とするパターン転写方法としたものである。
本発明は、以上のような構成をしており、第1の多層膜部と第2の多層膜部からの反射光による位相差と強度が保護膜や中間膜の材料に応じ精度良く決められ、射影効果を抑えた極端紫外線露光用マスクブランク及びマスクとすることができる。
更に、本発明のパターン転写方法は、試料基板上に形成されたレジストに対し、精度良いパターン露光が長期間可能となり、その結果、電子デバイス等のパターンの製造を、高い歩留まりで行う事が出来るパターン転写方法とすることができる。
以下本発明を実施するための形態について説明する。
本発明の極端紫外線露光用マスクブランク及びマスクは、より微細な線幅の転写解像を可能とするマスクブランク及びマスクであるために、Alternative型の位相シフトマスクとする。したがって、対象となる第1の多層膜部と第2の多層膜部からの反射光は、強度が等しく、位相差が180度となるよう設計される。このために、多層膜上の保護膜や、通常はエッチングストッパーとして利用される中間膜を、どのような光学特性の材料にするかを決定する。また、一般にその構成は図1(Levenson型)、または図1から吸収膜4除いた構成(クロムレス型)で示される。
図2は、EUVリソグラフィマスクに利用される材料の、EUV波長(13.5nm付近)での消衰係数β(縦軸)と屈折率1−δ(横軸)を示したものである。図から解るように、EUV波長での光学定数はほとんどすべての材料が
0.88<1−δ<0.995、 0.001<β<0.08 ・・・(1)
の範囲にある。また、
1−δ=0.88付近ではβ<0.01の材料はほとんど存在しない。 ・・・(2)
EUVマスクの多層膜は、通常SiとMoからなる2層膜を1ペアとして複数積層して形成される。1ペアでの膜厚は、一般的に
41.62(Si)+27.99(Mo)=69.61Å(合計) ・・・(3)
程度であるので、15ペアでは、69.61×15=1044.15Åとなる。EUV光はマスクに対して垂直方向に対し微小な角度(通常6度程度)で傾いた方向から露光される。このため多層膜(図1の第2の多層膜部)の角部の下では影が生じる。EUVマスクパターンは厚くなると、この射影効果により転写線幅精度等が劣化し、実用できなくなる。一般には図1において、第1の多層膜の表面からの第2の多層膜の段差は、1000Å程度が限界である。従って本構造のマスクでは概ね第2の多層膜のペア数Nは
N≦15 ・・・(4)である必要がある。
また、第2の多層膜部の反射光R2は、第2の多層膜と第2の保護膜による反射と中間膜による反射と第1の多層膜と第1の保護膜による反射とが干渉し合成された光である。したがって第2の多層膜部の反射光強度は、第2の多層膜のみからの反射光の強度とは異なる。第2の多層膜部の反射光は、中間膜を介在し、第1の多層膜部の反射の影響を受けるため、反射光の強度が変化する。したがって、第2の多層膜のペア数が異なることによって、中間膜及び第1の多層膜への透過光が変化し、したがって第1の多層膜からの反射が変化するので第2の多層膜部の反射光強度が変化する。とくにこの第1の多層膜部の反射光が第2の多層膜部の反射光に対しどのような位相を持つかによって、反射光強度が大きく変化し、それは第2の多層膜のペア数によって影響を受ける。
同様に、第2の多層膜部による反射光R2と第1層の多層膜部による反射光R1の位相差は、第2の多層膜部の反射光が、第1の多層膜部の反射光による干渉の影響を受けるので、第2の多層膜部と中間膜の厚さ(第1の多層膜部と第2の多層膜部の距離)のみで前記位相差を決定できない。
以上から、本願の極端紫外線露光用マスクは、基板上に、露光光の高反射部となる異種の材料からなる2層膜を複数積層した第1の多層膜と第1の保護膜が形成され、その上に別の高反射部となる異種の材料からなる2層膜を複数積層した第2の多層膜と第2の保護膜、及び第1の保護膜と第2の多層膜の間に形成された中間膜よりなるパターンが形成された構造であることを前提とする。そして本願の極端紫外線露光用マスクでは、第2の多層膜の反射光R2は、第2の多層膜部による反射と中間膜による反射と第1の多層膜部による反射とが干渉し合成された光であって、保護膜や中間膜の消衰係数に対する第1の多層膜部の反射率及び第2の多層膜部の位相差との特性と、保護膜や中間膜の消衰係数に対する第1の多層膜部による反射光と第2の多層膜部による反射光との間の反射率との特性とから、前記位相差が175乃至185度となるときに、第1の多層膜部の反射率と第2の多層膜部の反射率が略等しくなる構造となっている。
以下に、上記特性を評価した具体的な実施の形態例を示す。
第2の多層膜が(4)式で述べた上限であるペア数N=15で積層されており、保護膜(Caplayer)は保護膜1(1stCaplayer)、保護膜2(2ndCaplayer)ともにもっとも透明な材料であるSi(図2参照)であり、中間膜(エッチングストッパーESL)としてももっとも透明な領域の膜を使用したとき、中間膜(ESL)の厚さ(ESL thickness)に対するR1とR2の反射率(R)、およびこれらの位相差(Phase shift)を計算した結果を図3に示す。ここで保護膜Siの厚さは通常のEUVマスクで一般的な110Åとした。第1の多層膜部による反射率R1は、当然ながら中間膜(ESL)の膜厚によらず一定となる。R2は1−δ=0.88、β=0.01のときを実線、1−δ=0.995、β=0.001のときを破線で示している。(1)式、(2)式から分るように、1−δはほぼ全ての領域を網羅しているので、実際の透明領域中間膜の結果は実線と破線のどこかに来ることになる。このような条件の下で、位相差がほぼ180°となるときに、R1とR2がほぼ等しくなるかどうか、の判定結果を図3に○、×で示す。ここから分るように、中間膜(ESL)がほぼ37Åと103Åとしたときに、本願のEUV位相シフトマスクが得られる。
前記の条件は、ペア数Nは上限のN=15であり、中間膜としてもっとも透明な領域の膜を用いている。従って、R1に近いR2を得やすい有利な条件となっている。次に、ペア数Nの下限、また中間膜として透明でない(消衰係数βが大きい)材料を使える限界を示したのが図4(a)、(b)および図5である。図4はNを小さくした場合であるが、N=12では許容範囲にあるが、N=11ではもはやR1とほぼ等しいR2の反射率は得られなくなっている。図5は中間膜のβを大きくした場合であるが、β=0.04が限界となっている。
このように、保護膜が比較的透明な膜でおよそβ=0.002以下(Siはβ≒0.0018)のときは、第2の多層膜のペア数の好適範囲はN=12〜15であり、中間膜の消衰係数の好適範囲は0.04以下である。これらを請求項2の根拠とする。
保護膜は多層膜の上に成膜されるので、多層膜の反射率が落ちないよう、できるだけ透明な材料である必要がある。しかし、その他の必要特性も考慮して、β=0.02程度の膜までは、薄く使えば使うことができる。そこで、次に保護膜1、保護膜2の材料としてRu(β≒0.017)を用いた場合を示す。
まずペア数が上限のN=15のとき、中間膜(ESL)がもっとも透明な領域の膜のとき(図6)、ESL膜厚がほぼ50Åと115Åとすれば、位相差180°のときにほぼR1=R2となることができ、本願のEUV位相シフトマスクが得られる。
次に保護膜がSiの場合と同様に、Ruの場合においてもペア数Nの下限と、中間膜のβの上限を求めたのが、図7と図8である。
このように、保護膜が保護膜としては比較的非透明な膜で、およそβ=0.02以下のときは、第2の多層膜のペア数の好適範囲はN=13〜15であり、中間膜の消衰係数の好適範囲は0.03以下である。これらを請求項3の根拠とする。
以上に示したように、保護膜1、保護膜2として透明なSiを用い、中間膜としてももっとも透明な領域の膜を用いても多層膜2のペア数Nの下限はN=12であった。
これ以上N数が少なくなると、位相差180°のときにR2<R1となってしまう。しか
し保護膜2の膜厚を保護膜1の膜厚よりも薄くすれば、N数を減らすことができる。これを検討したのが、図9、図10、図11、図12である。図9、図10、図11はもっとも透明な領域の中間膜(ESL)を用いた場合であるが、保護膜2の膜厚を保護膜1の膜厚よりも薄くすることによって、Si保護膜の場合はN=10ペアまで(図9)、Ru保護膜の場合はN=8ペアまで(図11)、本願のEUV位相シフトマスクは得られることが分る。また、図12はもっとも非透明な領域の中間膜(β=0.08)を用いた場合であるが、Siの保護膜を用い、N=15ペアとし、保護膜2の膜厚を保護膜1の膜厚よりも薄くすれば本願のEUV位相シフトマスクは得られる。これらを請求項4の根拠とする。
位相差180°のときにR2<R1となってしまう現象を避けるもうひとつの方法として、保護膜2を保護膜1よりも透明な(消衰係数の小さい)材料とすればよい。これを示したのが、図13、図14、図15、図16である。図13は保護膜1にはRu2Si3を使い、保護膜2としてはより透明なSiを用い、中間膜(ESL)としてはもっとも透明な領域の中間膜を用いると、N=10ペアであっても本願のEUV位相シフトマスクは得られることが分る。図14では保護膜1にはRuを使い、保護膜2としてはより透明なRu2Si3(β=0.0084)を用いている。中間膜(ESL)としてもっとも透明な領域の中間膜を用いると、N=10ペアであっても本願のEUV位相シフトマスクが得られることが分る。さらに、図15は保護膜1にはRuを使い、保護膜2としてはより透明なSiを用い、中間膜(ESL)としては同様にもっとも透明な領域の中間膜を用いると、N=6ペアであっても本願のEUV位相シフトマスクは得られる。また図16においては、中間膜としてはもっとも非透明な領域の中間膜(β=0.08)を用いているが、図13同様保護膜1にはRu2Si3を使い、保護膜2としてはSiを用い、さらに保護膜2の膜厚を保護膜1よりも薄くし、N=13ペアとすることによって本願のEUV位相シフトマスクを得ることができる。これらを請求項5の根拠とする。
本発明のEUVマスクブランクやマスクは、基本的には従来どおりのマスク作製プロセスに準拠して作製できる。図1は本発明のEUVマスクの例を断面で示した説明図である。すなわち、Siウェハーやガラス基板5上に、例えばMoとSiからなる第1の多層膜1−(1)と第1の保護膜2−(1)、およびSiO2などからなる中間膜3を、通常のマグネトロンスパッタリング法やイオンビームスパッタリング法などにより積層する。その上に同様にして第2の多層膜1−(2)と第2の保護膜2−(2)を形成し、本願の極端紫外線露光用マスクブランクとする。(Levenson型ブランクの場合はさらにその上に吸収膜4を形成する)。第2の多層膜部の上に電子線描画法によりレジストパターンを形成する。このレジストパターンをマスクとし、反応性イオンエッチングなどの方法により第2の多層膜部をパターニングする。このエッチングに際し、第1の多層膜部は中間膜のエッチング停止機能により保護されている。しかる後に、第1の多層膜部に損傷が起きないように注意しながら中間膜をウェットまたはドライプロセスにより剥離する。最後にレジストを除去し、本願の極端紫外線露光用マスクとする。(Levenson型マスクの場合は以上のプロセスの後かまたは前に吸収膜4をパターニングする工程を付け加える。)
本発明によるフォトマスクを用いたパターン転写方法は、例えば、先ず被加工層を表面に形成した基板上にフォトレジスト層を設けたのち、本発明によるフォトマスクを介して反射した極端紫外線を選択的に照射する。
次いで、現像工程において不必要な部分のフォトレジスト層を除去し、基板上にエッチングレジスト層のパターンを形成させたのち、このエッチングレジスト層のパターンをマスクとして被加工層をエッチング処理し、次いで、エッチングレジスト層のパターンを除去することにより、フォトマスクパターンに忠実なパターンを基板上に転写する方法である。
Alternative型位相シフトマスクの例を断面で示した説明図である。 各種材料のEUV波長(13.5nm付近)での屈折率および消衰係数を示した説明図である。 本発明のマスクの実施例1に係る反射率及び位相差の特性図である。 本発明のマスクの実施例1に係る反射率及び位相差の特性図である。 本発明のマスクの実施例1に係る反射率及び位相差の特性図である。 本発明のマスクの実施例2に係る反射率及び位相差の特性図である。 本発明のマスクの実施例2に係る反射率及び位相差の特性図である。 本発明のマスクの実施例2に係る反射率及び位相差の特性図である。 本発明のマスクの実施例3に係る反射率及び位相差の特性図である。 本発明のマスクの実施例3に係る反射率及び位相差の特性図である。 本発明のマスクの実施例3に係る反射率及び位相差の特性図である。 本発明のマスクの実施例3に係る反射率及び位相差の特性図である。 本発明のマスクの実施例4に係る反射率及び位相差の特性図である。 本発明のマスクの実施例4に係る反射率及び位相差の特性図である。 本発明のマスクの実施例4に係る反射率及び位相差の特性図である。 本発明のマスクの実施例4に係る反射率及び位相差の特性図である。
符号の説明
1−(1)・・・・第1の多層膜
2−(1)・・・・第1の保護膜
1−(2)・・・・第2の多層膜
2−(2)・・・・第2の保護膜
3・・・・中間膜
4・・・・吸収膜
5・・・・基板

Claims (7)

  1. 基板上に、露光光の高反射部となる異種の材料からなる2層膜を複数積層した第1の多層膜と第1の保護膜が形成され、その上に別の高反射部となる異種の材料からなる2層膜を複数積層した第2の多層膜と第2の保護膜、及び第1の保護膜と第2の多層膜の間に形成された中間膜よりなるパターンが形成された極端紫外線露光用マスクにおいて、
    第2の多層膜と第2の保護膜からの反射光は、第2の多層膜と第2の保護膜による反射と中間膜による反射と第1の多層膜と第1の保護膜による反射とが干渉し合成された光であって、
    中間膜の厚さに対する第1の多層膜と第1の保護膜の反射率及び第2の多層膜と第2の保護膜の反射率との特性と、
    中間膜の厚さに対する第1の多層膜と第1の保護膜による反射光と第2の多層膜と第2の保護膜による反射光との間の位相差との特性とから、
    中間膜の厚さが、前記反射率が略等しくなり、前記位相差が175乃至185度となる厚さであり、
    前記第2の多層膜が、SiとMoからなる2層膜を1単位とし、15単位以下で積層して形成されることを特徴とする極端紫外線露光用マスク。
  2. 前記第2の多層膜が、SiとMoからなる2層膜を1単位とし12単位乃至15単位積層して形成され、第1の保護膜および第2の保護膜の消衰係数が0.002以下であり、中間膜の消衰係数が0.04以下であることを特徴とする請求項1に記載の極端紫外線露光用マスク。
  3. 前記第2の多層膜が、SiとMoからなる2層膜を1単位とし13単位乃至15単位積層して形成され、第1の保護膜および第2の保護膜の消衰係数が0.02以下であり、中間膜の消衰係数が0.03以下であることを特徴とする請求項1に記載の極端紫外線露光用マスク。
  4. 前記第2の多層膜が、SiとMoからなる2層膜を1単位とし8単位乃至15単位積層して形成され、第2の保護膜の膜厚が第1の保護膜の膜厚よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の極端紫外線露光用マスク。
  5. 前記第2の多層膜が、SiとMoからなる2層膜を1単位とし6単位乃至15単位積層して形成され、第2の保護膜の消衰係数が第1の保護膜の消衰係数よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の極端紫外線露光用マスク。
  6. 前記第2の多層膜と第2の保護膜、及び第1の保護膜と第2の多層膜の間に形成された中間膜がパターニングされる前の段階である、請求項1〜5いずれか1項に記載の極端紫外線露光用マスクを作製するために用いられることを特徴とする極端紫外線露光用マスクブランク。
  7. 前記請求項1〜5いずれか1項に記載の極端紫外線露光用マスクを露光装置に設置し、前記マスクを用いたリソグラフィ法による露光転写を行ない、パターン形成を行なうことを特徴とするパターン転写方法。
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