JP4620546B2 - 低レベル放射性廃棄物の処理方法及びその処理プラント - Google Patents

低レベル放射性廃棄物の処理方法及びその処理プラント Download PDF

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Description

本発明は、有機ポリマー系の低レベル放射性廃棄物を超臨界水反応により分解気化・液状化させ、これらに含まれる放射性水素(3H)及び放射性炭素(14C)を回収する処理方法並びに処理装置(プラント)に関する。
放射性水素や放射性炭素を処理する方法として、化学物質に化学吸着、固定させる方法が提案されている。それらの一つとして、超臨界水を用いて、有機物を処理する方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、32Oおよび14CO2を含有する可燃性ガスは、苛性溶液により14CO2を吸収して14C塩を生成させそして乾燥剤の使用によりガス状32Oを凝縮および(または)除去することにより処理される。液体32Oおよび14C塩を含有するスラリー溶液は固化剤の添加により固化されると記載されている。
特許文献2には、放射性炭素を含有する有機物および低級アルコールをともに酸化分解することにより放射性炭素をCO2ガスとして分離し、分離されたCO2ガスを水酸化バリウムと接触させ炭酸バリウムとして固定すると記載されている。
特許文献3には、CO2を水酸化ナトリウム水溶液に吸収させてNa2CO3として回収することを特徴とする放射性炭素の同時分離方法が記載されている。
また、特許文献4には、液状又はスラッジ状の放射性廃棄物からC−14(14C)を分離、収集し、容器内で固化する放射性廃棄物の処理方法が記載されている。
なお、本発明の特許性に影響を与えるものではないが、超臨界水を用いた有機物の処理方法に関する技術として、特許文献5がある。特許文献5には、硝酸塩に由来する酸化剤を含有する超臨界水又は亜臨界水を使用して、緩和の条件で、パラジクロロベンゼンやPCBのような難分解性で有害な有機物を無害な物質に酸化できる技術が記載されている。
特開平6−222196号公報 特公平7−52238号公報 特許第2971803号公報 特許第3058705号公報 特開2005−66318号公報
本発明者は、先に、共同発明者とともに、特願2004−267357号(先願1)及び特願2004−267350号(先願2)において下記構成の超臨界水を利用した、いわゆる酸化ルテニウム触媒法およびいわゆる硝酸塩酸化法を利用した低レベル放射性廃棄物の処理方法を提案した。
先願1:「有機ポリマー系の低レベル放射性廃棄物を酸化ルテニウムの存在下で超臨界水反応させることで、前記低レベル放射性廃棄物を分解気化・液状化させ、該低レベル放射性廃棄物に含まれている放射性核種のうち少なくともテクネチウム、ニッケル及びストロンチウムのいずれか1種以上の不溶化物を生成させて固相移行(分離)させることを特徴とする低レベル放射性廃棄物の処理方法。」
先願2:「有機ポリマー系の低レベル放射性廃棄物を窒素オキソ酸アルカリ塩及び/又は窒素オキソ酸アルカリ土類塩の少なくとも1種以上の存在下で超臨界水反応させることで、前記低レベル放射性廃棄物を分解気化・液状化させ、該低レベル放射性廃棄物に含まれている放射性核種の不溶化物を生成させて固相移行(分離)させることを特徴とする低レベル放射性廃棄物の処理方法。」
そして、有機ポリマー系の低レベル放射性廃棄物を上記酸化ルテニウム触媒法及び硝酸ナトリウム酸化法により減容化した場合、低レベル放射性廃棄物に付着している放射性核種(放射性同位体)である放射性水素(3H)及び放射性炭素(14C)は、生成する水蒸気(H2O)や二酸化炭素(CO2)等の気体性化合物に含まれて、放射性気体として大気中等の系外に放出されるおそれがある。
このため、放射性気体の系外への放出を防止するためにチャコールフィルタにより、該放射性気体を捕獲して回収することが考えられる。しかし、チャコールフィルタも放射性廃棄物となり、これを何らかの手法で減容化処理する場合、やはり、3Hや14Cの半減期(3H:12.3年、14C:5.73×103年)の長い放射性核種が水蒸気や二酸化炭素などの気体性化合物に含まれて、放射性気体(放射性化合物)として大気中等の系外に放出されるおそれがある。
本発明の目的は、有機ポリマー系の低レベル放射性廃棄物を、超臨界水反応を用いて有機ポリマー系の低レベル放射性廃棄物に含まれる放射性核種(放射性同位体)を回収するに際して、3Hや14Cの放射性核種も、効率良く分離し、固体として回収でき、それらの放射性核種を含む気体化合物としての系外放出を阻止できる有機ポリマー系の低レベル放射性廃棄物の処理方法を提供することにある。
上記課題(目的)を解決するため、本発明者は、鋭意開発に努力をした結果、下記各構成の有機ポリマー系の低レベル放射性廃棄物の処理方法を想到した。
1)有機ポリマー系の低レベル放射性廃棄物を、1)酸化ルテニウム(IV)触媒の存在下で超臨界水反応させること(以下「酸化ルテニウム触媒法」という。)で、及び/又は、2)窒素オキソ酸アルカリと窒素オキソ酸アルカリ土類塩との少なくとも1種以上の存在下で超臨界水反応させること(以下「硝酸塩酸化法」という。)で、有機ポリマー系の低レベル放射性廃棄物を分解気化・液状化させる低レベル放射性廃棄物の処理方法において、前記分解気化により生成する3及び 14 を含む放射性気体を、アルカリ金属の又はアルカリ土類金属のハロゲン化塩を出発物質とする炭酸塩合成反応における、前記ハロゲン化塩に対する反応物質として直接的に又は変換して間接的に使用し、該炭酸塩合成反応の反応生成物である炭酸塩、ハロゲン化アンモニウム(NH4X)のいずれか一以上の態様で前記3及び/又は14Cを回収することを特徴とする。
ここで、炭酸塩には、「正塩、炭酸水素塩(酸性塩)及び炭酸水酸化物塩(塩基性塩)を含む」が含まれる(「化学辞典」東京化学同人、1994参照)。
そして、ハロゲン化アルカリ金属塩を出発物質(反応物質)とする場合には、主として下記のような炭酸水素アルカリ塩合成反応となると考えられる。
M(I)X+NH3+CO2+H2O→M(I)HCO3+NH4
(但し、M(I):アルカリ金属、X:ハロゲン)
また、ハロゲン化アルカリ土類金属塩を出発物質(反応物質)とする場合には、主として下記のような炭酸水素アルカリ土類塩合成反応となると考えられる。
M(II)X2+2NH3+2CO2+2H2O→M(II)(HCO32+2NH4
(但し、M(II):アルカリ土類金属、X:ハロゲン)
なお、上記各炭酸塩合成反応は、反応条件によっては、炭酸水素塩を経て正炭酸塩が副生したり直接正炭酸塩が生成したりすることも考えられる。
2)上記1)の構成において、さらに、炭酸塩合成反応で生成した炭酸塩を、前記超臨界水反応による液状化生成物の不溶化物生成剤として循環使用することができる。
3)上記2)の構成において、炭酸塩の熱分解生成物であるCO2及び/又はH2Oを前記炭酸塩合成反応に循環使用することができる。
4)上記1)〜3)の各構成において、前記炭酸塩合成反応で生成したハロゲン化アンモニウム(NH4X)にアルカリ金属の又はアルカリ土類金属の水酸化物を加えて、生成するハロゲン化塩、NH3及びH2Oの一部又は全部を炭酸塩合成反応に循環使用することができる。
ハロゲン化アンモニウム(NH4X)と各水酸化物との間に発生する反応式は、主として下記のようなものと考えられる。
M(I)OH+NH4X→M(I)X+NH3+H2
M(II)(OH)2+2NH4X→M(II)X2+2NH3+2H2
5)上記1)の構成において、前記酸化ルテニウム触媒法で発生するH2はN2と反応させるアンモニア合成反応(3H2+N2)でNH3に変換して前記炭酸塩合成反応の反応物質として使用することができる。
6)上記1)又は5)の構成において、前記酸化ルテニウム触媒法で発生するCH4はメタン改質反応(水シフト反応を含む。)でCO2に変換して、前記炭酸塩合成反応の反応物質として使用することができる。
7)上記6)の構成において、メタン改質反応(水シフト反応を含む。)で生成するH2をN2と反応させる前記アンモニア合成反応に使用することができる。
8)上記1)の構成において、上記硝酸塩酸化法で発生するN2を前記アンモニア合成反応に使用することができる。
9)上記1)〜4)の各構成の処理方法において、前記硝酸塩酸化法で発生するハロゲン化塩を前記炭酸塩合成反応に使用することができる。
10)前記1)の構成に係る処理方法に対応する処理プラントは、「有機ポリマー系の低レベル放射性廃棄物を酸化ルテニウム酸化法及び硝酸塩酸化法の少なくとも一方の超臨界水反応により分解気化・液状化させて処理する処理プラントであって、
超臨界水反応装置、不溶化分離装置、気体分離装置、及びアルカリ金属の又はアルカリ土類金属のハロゲン化塩を出発物質とする炭酸塩合成装置を少なくとも備え、
前記不溶化分離装置は、前記超臨界水反応で発生した液状化物を液体輸送可能に前記超臨界水反応装置と接続され、該液状化物に不溶化剤を添加して固液分離可能な機能を備え、
前記気体分離装置は、前記超臨界水反応で発生する3H及び14Cを含む放射性気体を気体輸送可能に前記超臨界水反応装置と接続され、該放射性気体の各成分に分離する機能を備え、
前記炭酸塩合成装置は、反応物質入口が、前記気体分離装置の炭酸塩合成反応の反応物質対応成分出口と接続され、また、反応物質対応成分以外の成分出口は反応物質変換手段を介して接続されている」構成となる。
11)前記2)の構成に係る処理方法に対応する処理プラントは、上記10)の構成において、「炭酸塩合成装置の反応生成物出口が、前記不溶化物分離装置における不溶化物生成剤供給系と接続されている」構成となる。
12)前記5)及び6)の構成に係る処理方法に対応する処理プラントは、上記10)の構成において、「超臨界水反応装置として酸化ルテニウム触媒法の超臨界水反応容器を含み、
さらに、該超臨界水反応容器に接続された気体分離装置のCH4出口及びH2出口とそれぞれ接続されるメタン改質装置及びアンモニア合成装置を備え、
また、前記メタン改質装置から発生するH2を気体輸送可能に前記アンモニア合成装置と接続され、前記気体分離装置から発生するCO2を気体輸送可能に前記炭酸塩合成装置と接続され、
前記アンモニア合成装置はさらに前記炭酸水素アルカリ塩合成装置と接続されている」構成となる。
13)前記5)及び8)の構成に対応する処理プラントは、上記12)の構成の処理プラントにおいて、「前記超臨界水反応装置として、前記酸化ルテニウム触媒法の超臨界水反応容器とともに、硝酸塩酸化法の超臨界水反応容器(以下、「第二超臨界水反応容器」という。)を含み、
さらに、該第二超臨界水反応容器に接続される第二気体分離装置を備え、
該第二気体分離装置のN2出口が前記アンモニア合成装置の反応物質入口と接続され、
前記第二気体分離装置のCO2出口及びH2O出口が前記炭酸塩合成装置の反応物質入口と接続されている」構成となる。
14)前記1)及び8)の構成に対応する処理プラントは、上記10)の構成において、「超臨界水反応装置として硝酸塩酸化法の超臨界水反応容器を含み、
さらに、該超臨界水反応容器に接続された気体分離装置のN2出口と接続されるアンモニア合成装置を備え、
前記アンモニア合成装置の反応生成物出口は前記炭酸塩合成装置の反応物質入口と接続されている、」構成となる。
以下、本発明の実施形態について、説明をする。以下の説明で「配合部数」を示す「部」は、特に断らない限り「質量部」を意味する。
有機ポリマー系の低レベル放射性廃棄物(以下単に「放射性廃棄物」という。)の処理方法は、基本的には、1)酸化ルテニウム(IV)触媒の存在下で超臨界水反応させること(
以下、本項で「酸化ルテニウム触媒法」ということがある。)で、及び/又は、2)窒素オキソ酸アルカリと窒素オキソ酸アルカリ土類塩の少なくとも1種以上の存在下で超臨界水反応させる(硝酸塩酸化法)ことで、有機ポリマー系の低レベル放射性廃棄物を分解気化・液状化させた際に発生する処理物(気化・液状化物)中に含まれる放射性同位体(核種)を回収する方法である。
すなわち、先願1・2における放射性廃棄物の処理方法において、気化・液状化物からさらに、放射性同位体である3H及び/又は14Cを固体として分離回収する。
本実施形態の処理方法は、前述の先願1・2における超臨界水反応させて分解気化・液状化物を得る工程までは一致する。以下に、先願1・2に係る明細書における[手段(構成の詳細な説明)]
の一部に適宜変更を加えて引用する。
(1) 1)酸化ルテニウム触媒の存在下で超臨界水反応をさせる場合は、PVC等のハロゲン系有機ポリマーを含むものにも適用可能であるが、ハロゲン系有機ポリマーを含まない非ハロゲン系有機ポリマーのみからなる放射性廃棄物に好適である。
ここで非ハロゲン系有機ポリマーとしては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)等の非極性、飽和ポリエステル(PET、PBT)、ポリアミド(PA)、アクリル樹脂(PMMA)、セルロースエステル(CA)等の極性の各樹脂系・繊維系ポリマー、さらには、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレンプロピレンゴム(EPM、EPDM)、クロロプレンゴム(CR)等の天然・合成ゴムを材料とする廃棄物を挙げることができる。
2)いわゆる硝酸塩酸化法の場合、ポリ塩化ビニル(PVC)等のハロゲン系有機ポリマーを含まないものにも適用可能であるが、ハロゲン系有機ポリマーを含むもの、特にハロゲン系有機ポリマーのみからなる放射性廃棄物に好適である。
ここでハロゲン系有機ポリマーとしては、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のハロゲン系樹脂(プラスチック)、クロロプレン(CR)、クロロスルフォン化ポリエチレン(CSM)、フッ素ゴム(FKM)等のハロゲン系ゴムを材料とする廃棄物を挙げることができる。
なお、通常、原子力発電所等では、非ハロゲン系有機ポリマーとハロゲン系有機ポリマーからなる各廃棄物は、当初から分別保管していることが多い。
(2)超臨界水反応とは、超臨界水(Tc:374.1℃、Pc:22.1MPa以上)で、反応させることをいう。超臨界水反応では、放射性廃棄物の可燃・難燃を問わず、短時間で完全に分解可能である。すなわち、有機物を酸化分解すると、難分解性であっても、有機物を構成する炭素は二酸化炭素に、水素は水に転換される。
特に、酸化ルテニウム(IV)触媒の存在下で行なう超臨界水反応、すなわち酸化ルテニウム触媒法では、放射性廃棄物の可燃・難燃を問わず、短時間で完全に分解可能であることを確認している。すなわち、有機物を酸化分解すると、難分解性であっても、有機物は分解されて、炭素からはCO2が、水素からはH2Oが生成する。
上記硝酸塩酸化法の反応条件は、放射性廃棄物の処理量、及び、窒素オキソ酸のアルカリ塩・アルカリ土類塩の添加量により異なるが、通常、温度673〜773K、圧力31〜53MPaで、反応時間5〜180min(良好な分解性が要求される場合は30min以上)とする。例えば、亜硝酸ナトリウムの場合、720K×43MPa×30minとする。
ここで、窒素オキソ酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩のうち、硝酸ナトリウム(NaNO3)が、生成酸素が多くて好ましいが、他の亜硝酸、次亜硝酸のアルカリ塩、アルカリ土類塩も使用可能である。硝酸ナトリウムとした場合、その廃棄物(難燃物)に対する質量混合比は、2〜5倍、望ましくは3〜5倍とする。
また、酸化ルテニウム触媒法の場合、放射性廃棄物の処理量、酸化ルテニウムの添加量により異なるが、通常、温度673〜773K、圧力31〜53MPaで、反応時間5〜180min(良好な分解性が要求される場合は30min以上)とする。
ここで、酸化ルテニウム(IV)(RuO2)の添加量は、低レベル放射性廃棄物100(質量)部に対して10〜50部、望ましくは30〜40部とする。酸化ルテニウム触媒法により放射性廃棄物中の放射性核種のうち、鉄、コバルト、ニッケルの大部分とストロンチウムの一部が、処理後に固体として分離回収可能となる。
(3)超臨界水反応により分解気化・液状化により生成した液状化物に含まれている放射性核種は、該液状化物に不溶化物生成剤を添加して、不溶化物を生成させて固相移行(分離)させる。ここで、液状化物とは、液体及び液体中に固形微粒子が分散しているものを含む概念である。また、分離の態様としては、通常、沈殿(沈降分離)により行うが、遠心分離、蒸発、晶析、濾過、固体抽出等任意である。
ここで、不溶化物生成剤とは、液状化物中の放射性核種と主として反応不溶化させるものであるが、凝集剤(フロック剤)のようなものも含む概念である。
不溶化物生成剤としては、1)不溶性水酸化物生成剤、2)不溶性炭酸塩生成剤、3)不溶性テトラフェニルホウ酸塩生成剤、及び4)ヨウ化銀(AgI)生成剤を挙げることができ、通常、全てを使用するが、望ましくは、1)不溶性水酸化物生成剤、さらに望ましくは2)不溶性炭酸塩生成剤を必須として、適宜組み合わせて選択可能である。
そして、後述の如く、上記3)、4)の添加工程は、液状化物を塩基(アルカリ)性にする必要があるため、不溶化物生成剤の添加により液状化物が塩基性となる1)及び2)の添加工程を先に行うことが望ましい。
上記1)の不溶性水酸化物(酸化物)生成剤は、通常、水溶性のアルカリ・アルカリ土類金属水酸化物となる群、すなわち、アルカリ・アルカリ土類金属水酸化物またはそれらの酸化物の群から選択する。通常、単独使用とするが、2種以上併用することも本発明の技術的範囲に属する。これらの内で、アルカリ金属水酸化物、特に、KOH、NaOHを好適に使用できる。それらの添加量は、不溶性水酸化物(酸化物)が生成(沈殿)可能な中性域から塩基性域になる量とする。したがって、超臨界水反応処理後の液状化物が不溶性水酸化物を生成可能な中性域以上であれば、当該不溶性水酸化物生成剤の添加は改めて行う必要はない。
水酸化物として沈殿させることのできる放射性核種は、下記のようなものがある。これらの内には、半減期が長くて放射性廃棄物中の残存率の高い放射性鉄(Fe)、放射性ニッケル(Ni)、放射性コバルト(Co)、放射性クロム(Cr)、放射性ストロンチウム(Sr)、テクネチウム(Tc)が含まれており有効な固相移行(沈殿分離)法である。
なお、上記において、該超臨界水には、非放射性酸化鉄(III)(水酸化鉄を含む。)を添加することが望ましい。その添加量は、放射性コバルト等の放射性鉄族元素の含有量により異なるが、モル比で、850〜1000倍とする。水酸化鉄の固相を液状化物中に存在させることにより、放射性鉄族核種の固相移行割合が増大して、鉄族元素の分離効率が増大する。
放射性鉄(Fe)、放射性コバルト(Co)、放射性ニッケル(Ni)、放射性ベリリウム(Be)、放射性マグネシウム(Mg)、放射性ストロンチウム、放射性アルミニウム(Al)、放射性カルシウム(Ca)、放射性チタン(Ti)、放射性バナジウム(V)、放射性クロム(Cr)、放射性マンガン(Mn)、放射性銅(Cu)、放射性亜鉛(Zn)、放射性ガリウム(Ga)、放射性イットリウム(Y)、放射性ジルコニウム(Zr)、放射性ニオブ(Nb)、放射性ルテニウム(Ru)、テクネチウム(Tc)、放射性パラジウム(Pd)、放射性銀(Ag)、放射性カドミウム(Cd)、放射性インジウム(In)、放射性スズ(Sn)、放射性ランタン(La)、放射性セリウム(Ce)、放射性サマリウム(Sm)、放射性ユウロピウム(Eu)、放射性ガドリニウム(Gd)、放射性テルビウム(Tb)、放射性ジスプロシウム(Dy)、放射性エルビウム(Er)、放射性ツリウム(Tm)、放射性イッテルビウム(Yb)、放射性ルテチウム(Lu)、放射性ハフニウム(Hf)、放射性金(Au)、放射性水銀(Hg)、放射性鉛(Pb)、アクチニウム(Ac)、トリウム(Th)、ウラン(U)、プルトニウム(Pu)及びアメリシウム(Am)。
上記2)の不溶性炭酸塩生成剤としては、通常、アルカリ・アルカリ土類の水溶性炭酸塩(水素塩を含む。)の群から選択する。通常、単独使用とするが、2種以上併用することも本発明の技術的範囲に属する。これらのうちで、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムを好適に使用できる。それらの添加量は、放射性核種の含有量により異なるが、例えば、Na2CO3水溶液の場合、過剰量(モル比で10倍)を添加する。
ここで、炭酸塩として不溶化物を生成(沈殿)させることのできる放射性核種は、下記のようなものを挙げることができる。これらの内には、半減期が長くて放射性廃棄物中の残存率の高く、かつ、水酸化物としては、余り沈殿し難いストロンチウム(Sr)が含まれており、有効な放射性核種の固相移行(沈殿分離)法である。
放射性マグネシウム(Mg)、放射性カルシウム(Ca)、放射性マンガン(Mn)、放射性鉄(Fe)、放射性ニッケル(Ni)、放射性銅(Cu)、放射性亜鉛(Zn)、放射性ストロンチウム(Sr)、放射性イットリウム(Y)、放射性銀(Ag)、放射性カドミウム(Cd)、放射性バリウム(Ba)、放射性ランタン(La)、放射性サマリウム(Sm)、放射性ガドリニウム(Gd)、放射性ジスプロシウム(Dy)、放射性イッテルビウム(Yb)、放射性水銀(Hg)、放射性鉛(Pb)とウラン(U)。
上記3)の不溶性テトラフェニルホウ酸塩生成剤(以下「不溶性TPB塩生成剤」)としては、通常、テトラフェニルホウ酸ナトリウム(以下「TPB−Na」)を使用する。TPB−Naは、アルカリ金属を効果的に沈殿させる試薬であり、その添加量は、該試薬により沈殿する放射性核種(アルカリ金属)の含有量により異なるが、通常、過剰量(モル比で2倍)を添加する。
ここで、TPB塩として沈殿させることのできる放射性核種は、下記のようなものを挙げることができる。これらの内には、半減期が長く放射性金属として残存率の高く、かつ、上記水酸化物や炭酸塩としては沈降しないCsが含まれており、有効な沈殿剤である。
放射性カリウム(K)、放射性ルビジウム(Rb)、放射性セシウム(Cs)及び放射性タリウム(Tl)。
上記4)のハロゲン化銀生成剤は、通常、硝酸銀を使用する。それらの添加量は、溶出放射性金属の量により異なるが、例えば、AgNO3(1M/L)水溶液の場合、過剰量(モル比で2倍)を添加する。
ここで、ハロゲン化銀として沈殿させることのできる放射性核種は、下記のようなものを挙げることができる。これらの内には、放射性廃棄物中の残存率の高く、かつ、上記各不溶化物生成剤では不溶化させ難いヨウ素(I)が含まれており、有効な沈降剤である。
放射性ヨウ素(I)、放射性臭素(Br)、放射性フッ素(F)
(4)上記分解・気化において、生成する気体性化合物であるH2、H2O、CH4に放射性核種である3Hが、CO2やCH4に放射性核種である14Cが含まれている可能性がある。
なお、以下に示す反応式における生成物で下線を付したものは、通常、コンクリートやモルタル等で固化して埋設廃棄可能なものである。
すなわち、酸化ルテニウム触媒法においては、下記モデル反応式(a)に示す如く、前記の放射性核種(RI:Radioisotope)及び油状化物(Oil)とともに、気体化合物であるH2、H2O及びCH4の気体性化合物が生成する。
低レベル放射性廃棄物→H2+CO2+CH4RIOil (a)
また、硝酸ナトリウム酸化法においては、下記モデル反応式(b)に示す如く、前記の放射性核種(RI)及び油状化物(Oil)とともに、気体性化合物であるN2、CO2及びH2O、並びに固体化合物(無機塩)であるNaClが生成する。
低レベル放射性廃棄物→N2+CO2+H2O+NaCl+RIOil (b)
1)まず、酸化ルテニウム触媒法のみで放射性廃棄物を処理する場合について説明をする(図1参照)。
酸化ルテニウム触媒法では、反応式(a)に示す如く、3Hを含む気体化合物としてH2及びCH4が、14Cを含む気体化合物としてCO2及びCH4が生成する。
当該CO2を、NaCl及びNH3の水溶液中を通過させることにより、下記反応式(c)に示す液相反応が生じて、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)が生成し、さらには、該炭酸水素ナトリウムが加熱されて下記反応式(d)の如く炭酸ナトリウム(Na2CO3)が生成する。
NaCl+NH3+CO2+H2O→NaHCO 3 +NH4Cl (c)
2NaHCO3Na 2 CO 3 +H2O+CO2 (d)
なお、NaClの代わりにハロゲン化アルカリ土類金属塩であるCaCl2を用いた場合は、主として、下記反応式(c)´に示す液相反応により炭酸水素カルシウムが生成し、加熱されて下記反応式(d)´の如く炭酸カルシウムが生成するものと考えられる。
CaCl2+2NH3+2CO2+2H2
Ca(HCO 3 2 +2NH4Cl (c)´
Ca(HCO32CaCO 3 +H2O+CO2 (d)´
これらのNaHCO3及びNa2CO3(又はCa(HCO32及びCaCO3)を、前述の不溶性炭酸塩生成剤(アルカリ金属・アルカリ土類金属炭酸塩)として使用することにより、ストロンチウム等の放射性核種の沈殿剤として使用できる。結果的に、ストロンチウム等の放射性核種とともに、放射性核種である14C及び3Hの回収が同時に行なうことができる。当然、水溶液を濃縮して、コンクリートやモルタル等で固化後、埋設廃棄処分とすることもできるが、水蒸気を凝縮して、上記反応式(c)の反応系に戻す必要がある。
なお、上記反応式(c)で生成するNH4Clは、3Hを含んでいるおそれがあるため、NaOHを加えて、下記反応式(e)の如く、NaCl、NH3及びH2Oを生じさせ、それらを上記反応式(c)の炭酸水素ナトリウム合成反応に使用する。
NH4Cl+NaOH→NaCl+NH3+H2O (e)
なお、上記においてNaOHの代わりに、Ca(OH)2も使用可能であり、その場合は、下記反応式(e)´の如く、CaCl2、NH3及びH2Oを生じさせ、同様にしてそれらを上記反応式(c)´の炭酸水素カルシウム合成反応に使用する。
2NH4Cl+Ca(OH)2→CaCl2+2NH3+2H2O (e)´
さらに、CO2以外の気体性化合物であるH2やCH4にも放射性核種である3Hおよび14Cが含まれているおそれがある。
このため、H2はアンモニア合成(3H2+N2→2NH3)の原料(反応物質)として使用し、さらに合成したNH3を、前述の炭酸水素ナトリウム合成の反応物質とする。
また、CH4はメタン改質反応(CH4+H2O→CO+3H2)をさせ、さらにはCOを水シフト反応(CO+H2O→H2+CO2)をさせて、CO2は前述の炭酸水素ナトリウム合成反応の原料とする。また、それらの反応の生成物であるH2は、アンモニア合成の原料として使用し、同様に、前述の炭酸水素ナトリウム(又は炭酸水素カルシウム)の原料とする。
これらを、前述の不溶性炭酸塩生成剤(アルカリ金属・アルカリ土類金属炭酸塩)として使用することにより、ストロンチウム等の放射性核種の沈殿剤として使用できる。結果的に、ストロンチウム等の放射性核種とともに、放射性核種である14C及び3Hの回収が同時に行なうことができる。当然、水溶液を濃縮して、埋設廃棄処分とすることもできるが、水蒸気を凝縮して、上記(c)の反応系に戻すこともできる。
2)次に、硝酸ナトリウム酸化法のみで放射性廃棄物を処理する場合について説明をする。
硝酸ナトリウム酸化法では、3Hを含む気体化合物としてH2Oが、14Cを含む気体化合物としてCO2が前述の如く生成する。
当該CO2及びH2OをNaCl及びNH3の水溶液中を通過させることにより、前述と同様に、前記反応式(c)及び(d)に示す反応が生じて、該炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)及び炭酸ナトリウム(Na2CO3)を得ることができる。
なお、硝酸ナトリウム酸化法で発生するN2は、炭酸水素ナトリウム合成反応の原料であるアンモニアの合成反応(3H2+N2→2NH3)の原料とすれば、放射性廃棄物処理系外へ排出する必要はない。
また、同じくNaClは、炭酸水素ナトリウム合成反応の原料として直接的に使用できる。
前述の酸化ルテニウム触媒法の場合と同様、不溶性炭酸塩生成剤(アルカリ金属・アルカリ土類金属炭酸塩)として使用することにより、ストロンチウム等の放射性核種の沈殿剤として使用できる。結果的に、ストロンチウム等の放射性核種とともに、放射性核種である14C及び3Hの回収を同時に行うことができる。また、同様に、反応式(c)で副生するNH4ClはNaOHと反応式(d)に示す反応を生じさせて、NaCl、NH3及びH2Oとして炭酸水素ナトリウムの合成反応の反応物質(原料)として本放射性廃棄物の処理系内で循環使用することができる。すなわち、本放射性廃棄物処理系をクローズドシステム化することができる。
3)上記酸化ルテニウム触媒法及び硝酸ナトリウム酸化法の双方の超臨界水反応処理する場合は、図1に示す如く、夫々に生成する気体性化合物及び固体化合物(無機化合物)を、炭酸水素ナトリウム合成反応の原料(反応物質)として、直接的又は間接的(アンモニア合成反応やメタン改質・水和反応を経て)に使用でき、上記一方の超臨界水反応処理のみを採用する場合に比して、放射性廃棄物処理システムへの外部からの薬剤の補給が少なくて済む。
なお、上記反応式(c)におけるNaClの代わりに、KCl等のアルカリハロゲン塩を、同反応式(e)におけるNaOHの代わりに、KOH等のアルカリ水酸化物を使用してもよい。また、同反応式(c)´におけるCaCl2の代わりに、MgCl2等のアルカリ土類ハロゲン塩を、同反応式(e)´におけるCa(OH)2の代わりに、Mg(OH)2等のアルカリ土類水酸化物を使用してもよい。すなわち、本発明においては、反応が実質的に進行するならば、前記例示以外のアルカリ金属・アルカリ土類金属対応化合物の使用は、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
(5)次に、酸化ルテニウム触媒法で放射性廃棄物の処理を行なう場合における処理プラントの一例を、図2〜5に示す。
本実施形態の如く、酸化ルテニウム触媒法と硝酸塩酸化法とを併用することが、非ハロゲン系とハロゲン系を同時に処理することができる。
本発明を適用した酸化ルテニウム触媒法における超臨界水反応装置の流れ図(フローシート)の一例を図2に示す。
基本的に1)超臨界水処理前処理装置(単に「前処理装置」ということがある。)12、2)超臨界水反応装置(超臨界水反応容器)14、3)固液分離装置(不溶化分離装置)16、4)油水分離装置18及び5)排ガス処理装置19を備えている。
上記1)前処理装置12は、前記放射性廃棄物を粉砕するとともに酸化ルテニウム(IV)を混合する前処理可能とされている。前処理装置12に使用する粉砕装置(粉砕手段)としては、放射性廃棄物の空中飛散抑制及び分解効率の見地から、通常、1〜30mmの大きさに裁断可能な中間粉砕機を使用することが望ましい。粉砕時に酸化ルテニウムを同時混合して、超臨界水反応装置14に投入可能としてもよい。図3に前処理系(システム)の一例を示す。
上記超臨界水反応装置(反応容器)14は、酸化ルテニウム(IV)及び前処理された前記放射性廃棄物を導入して超臨界水反応可能とされている。すなわち、超臨界状態を形成可能な加熱手段と加圧手段とを備えている。そして、該反応装置14には、前処理装置12と、適当な輸送手段(スクリュー、ポンプ等)を介して前処理物(粉砕物)を定量供給可能に投入装置20とを備えた前処理系21が接続されるとともに、純水供給系22及び不溶化物生成剤供給系26が接続されている。なお、純水供給系22には純水予熱器28を備えている。
不溶化分離装置16は、超臨界水反応後の液状化物を、該液状化物に放射性核種を不溶化させる不溶化物生成剤を導入して放射性核種を反応不溶化して沈殿分離操作可能とされている。図4に不溶化分離装置のシステムの一例を示す。
上記油水分離装置18は、前記不溶化分離装置からの液相(沈殿残液)を導入して油水分離可能とされている。ここで油水分離装置は沈降分離装置や遠心分離装置等の慣用装置が使用可能である。そして、前記油水分離装置18より分離された水は、前記超臨界水反応装置へ循環供給させるための循環水供給装置(再利用水タンク)30及び給水予熱器32を経て超臨界水反応装置14に戻す。また油水分離装置18より分離された油分は、超臨界水反応に用いる燃料としたり又は廃棄処分したりする。図6に油水分離装置システムの一例を示す。
上記気体分離装置19は、超臨界水反応処理で発生したガス成分を導入して、H2、CO2及びCH4に分離可能とされている。ここで、分離は慣用の方法で行うことができ、水素分離膜などを使用することができる。
そして、H2はアンモニア合成装置30へ、CO2は炭酸水素ナトリウム合成装置32へ、CH4はメタン改質装置34へそれぞれ気体輸送される。そして、メタン改質装置34で生成するH2及びCO2は、上記同様に分離されて、それぞれ、アンモニア合成装置30及び炭酸水素ナトリウム合成装置32へ気体輸送される。
そして、上記炭酸水素ナトリウム合成装置で生成したNaHCO3およびNa2CO3は、それらの水溶液として、不溶化物生成剤供給系に循環使用する。
上記プラントを使用しての放射性廃棄物処理の概略は、上記ガス処理装置19を経る排ガス処理系23を除いて下記の如くである。
1)超臨界水反応装置(反応容器)14内に、非ハロゲン系有機ポリマーの低レベル放射性廃棄物を供給するとともに、酸化ルテニウム(IV)、非放射性水酸化鉄(酸化鉄)(III)を加えて超臨界水反応を実施する。常温まで降温後、有機ポリマー分解に由来する気体を排気筒より放出する。反応容器内に、非放射性水酸化鉄が酸化鉄となることで、放射性の鉄、コバルト、ニッケル、ストロンチウムの沈殿が形成し保持されるとともに、処理後の水溶液と有機ポリマー分解により生成する油分が保持される。
2)上記反応容器内容物(液状化物)を沈殿槽などで構成する不溶化分離装置(固液分離装置)に移送し、触媒である酸化ルテニウムを回収する。その後、不溶化物生成剤である炭酸ナトリウム又は炭酸水素ナトリウムの水溶液を添加することにより放射性ストロンチウムを沈殿させる。この操作により、放射性廃液は弱アルカリ性となる。弱アルカリ性となった放射性廃液にテトラフェニルホウ酸ナトリウム水溶液を添加することで放射性セシウムが沈殿し、硝酸銀水溶液を添加することで放射性ヨウ素が沈殿する。
3)放射性物質を沈殿させた後、不溶化分離装置(沈殿槽)16から液相を油水分離装置に移送し、油分と水溶液に分離する。
(7)次に、硝酸ナトリウム酸化法で放射性廃棄物の処理を行う場合における放射性廃棄物処理プラントの一例を、図6に示す
酸化ルテニウム触媒法と同様、基本的に1)前処理装置12A、2)超臨界水反応装置(超臨界水反応容器)14A、3)不溶化分離装置16、4)油水分離装置18A、及び5)気体分離装置19Aを備えている。
基本的には、排ガス処理系23Aにおいて異なる以外は、硝酸ナトリウム酸化法では、酸化ルテニウム触媒法におけるような不溶化分離装置16で分離した酸化ルテニウム触媒を前処理装置12へ戻す系がなく、代わり、再利用水タンクで硝酸ナトリウムなどを補給する点が相違するのみである。
排ガス処理系23Aにおいて、気体分離装置19Aは、超臨界水反応処理で生成したガス成分を導入して、CO2及びH2OとN2に分離可能とされている。ここで、分離は慣用の方法で行なう。例えば、ガス成分を、水酸化カルシウム水溶液に通すことにより、CO2はカルシウム塩として反応吸収させ、H2Oは凝縮吸収させ、N2は気体のまま通過させる。
そして、N2はアンモニア合成装置30へ、CO2は炭酸水素ナトリウム合成装置32へそれぞれ気体輸送される。そして、アンモニア合成装置で合成されたNH3は炭酸水素ナトリウム合成装置32へ気体輸送される。
そして、上記炭酸水素ナトリウム合成装置で生成したNaHCO3及びNa2CO3は、それらの水溶液として、不溶化物生成剤供給系に循環使用する。
上記硝酸ナトリウム酸化法用のプラントを使用しての放射性廃棄物処理の好適な概略は、下記の如くである。
1)超臨界水反応装置(反応容器)内に、ハロゲン系有機ポリマーの低レベル放射性廃棄物、硝酸ナトリウム水溶液、非放射性水酸化鉄を加え超臨界水反応を実施する。この超臨界水反応により、放射性廃棄物中の放射性核種のうち、鉄族元素(Fe、Co、Ni)の大部分とストロンチウム(Sr)の一部が不溶化物となる。常温まで降温後、難燃物分解に由来する気体を排気筒より放出する。反応容器内に、非放射性水酸化鉄(III)が酸化鉄(III)となることで、放射性の鉄、コバルト、ニッケル、ストロンチウムの沈殿が形成し保持されるとともに、処理後の水溶液と有機ポリマー分解により生成する油分が保持される。
2)上記反応容器内容物(液状化物)を沈殿槽などで構成する不溶化分離装置(放射性廃液処理装置)に移送し、炭酸ナトリウム又は炭酸水素ナトリウムの水溶液を添加することにより放射性ストロンチウムを沈殿させる。この操作により、放射性廃液は弱アルカリ性となる。弱アルカリ性となった放射性廃液にテトラフェニルホウ酸ナトリウム水溶液を添加することで放射性セシウムが沈殿し、硝酸銀水溶液を添加することで放射性ヨウ素が沈殿する。
3)放射性物質(放射性核種)を不溶化分離させた後、沈殿槽からの液相を油水分離装置に移送し、油分(油相)と水(水相)に分離する。さらに、水を蒸発等で減容させることにより水中の塩化ナトリウムを沈殿させて回収してもよい。この塩化ナトリウムと難燃物分解により生成する気体から、放射性ストロンチウムの沈殿剤である炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムを合成することができ、これにより気体として放出される可能性のある放射性水素(トリチウム)と放射性炭素(炭素-14)も固体として回収可能である。
上記気体分離装置19は、超臨界水反応処理で生成したガス成分を導入して、H2、CO2及びCH4に分離可能とされている。ここで、分離は、慣用の方法で行なうことができ、前記の如く、CO2を反応吸収させて分離させることができる。
そして、H2はアンモニア合成装置30へ、CO2は炭酸水素ナトリウム合成装置32へ、CH4はメタン改質装置34へそれぞれ気体輸送される。そして、メタン改質装置34で生成するH2及びCO2は、上記同様に分離されて、それぞれ、アンモニア合成装置30及び炭酸水素ナトリウム合成装置32へ気体輸送される。
そして、上記炭酸水素ナトリウム合成装置で発生したNaHCO3およびNa2CO3は、それらの水溶液として、不溶化物生成剤供給系に循環使用する。
そして、上記を併用する場合は、図2と図6におけるアンモニア合成装置30、30Aと炭酸水素ナトリウム合成装置32、32Aを同一装置とすればよい。
そして、図7に酸化ルテニウム触媒法と硝酸ナトリウム酸化法とをそれぞれ反応容器マルチ型として併用する場合のシステムの一例を示す。酸化ルテニウム触媒法と硝酸塩酸化法とを併用することが、非ハロゲン系とハロゲン系とを同時処理する際の、処理効率及び薬剤及び水系のクローズ化がより容易となる。
なお、酸化ルテニウム触媒法を用いて難燃性の有機ポリマー系の低レベル放射性廃棄物を処理した場合において、生成する気体である放射性核種の3Hを含むH2に着目して、最終的に生成するNaHCO3の質量を計算すると下記の如くになる。
酸化ルテニウム触媒法における前述の反応式(a)低レベル放射性廃棄物→H2+CO2+CH4+RI+Oil から、物質量1molのH2が生成したと仮定する。
すると、アンモニア合成反応の反応式(3H2+N2→2NH3)から、物質量2/3molのNH3が生成し、さらに、前述の炭酸水素ナトリウム合成反応の反応式(c)NaCl+NH3+CO2+H2O→NaHCO3+NH4Cl から、最終的に物質量2/3molのNaHCO3が生成する。
また、本発明者は、150mgの有機ポリマー系の低レベル放射性廃棄物(難燃物)を酸化ルテニウム触媒法による超臨界水反応で分解させた場合、約100mLの該分解に由来する気体が発生することを確認し、該気体組成は、約5mL(5vol%)のH2を含有することを確認している。
そして、H2:5mLは、物質量換算すると、0.223mmol(5mL/22.4Lmol-1)となる。このため、5mLの水素から生成するNaHCO3(モル質量:84.01gmol-1)は、12.5mg(2/3×0.223mmol×84.01gmol-1)となる。
これらの結果から、150mgの有機ポリマー系の低レベル放射性廃棄物から発生するH2を利用して、その約1/12にも相当する質量のNaHCO3を合成して、不溶化物生成剤として、循環使用できることが分かる。
本発明において酸化ルテニウム触媒法と硝酸塩酸化法での反応生成物を用いて炭酸水素ナトリウム合成及びその副生物の循環使用における各反応式のモデル関係図である。 同じく酸化ルテニウム触媒法による超臨界水反応を用いた低レベル放射性廃棄物プラント(システム)の一例を示す概略流れ図である。 図2における前処理系のシステムの一例図である。 同じく不溶化分離装置のシステムの一例図である。 同じく油水分離装置のシステムの一例図である。 同じく硝酸塩酸化法による超臨界水反応を用いた低レベル放射性廃棄物プラント(システム)の一例を示す概略流れ図である。 酸化ルテニウム触媒法と硝酸塩酸化法とをそれぞれ反応容器マルチ型として併用した場合の処理装置システム図である。
符号の説明
12、12A・・・前処理装置
14、14A・・・超臨界水反応装置
16、16A・・・不溶化分離装置
18、18A・・・油水分離装置
19、19A・・・気体分離装置
22、22A・・・純水供給系
24、24A・・・水酸化鉄供給系
28、25A・・・純水予熱器
30、30A・・・再利用水タンク

Claims (14)

  1. 有機ポリマー系の低レベル放射性廃棄物を、1)酸化ルテニウム(IV)触媒の存在下で超臨界水反応させること(以下「酸化ルテニウム触媒法」という。)で、及び/又は、2)窒素オキソ酸アルカリと窒素オキソ酸アルカリ土類塩との少なくとも1種以上の存在下で超臨界水反応させること(以下「硝酸塩酸化法」という。)で、低レベル放射性廃棄物を分解気化・液状化させる低レベル放射性廃棄物の処理方法において、
    前記分解気化により生成する3及び 14 を含む放射性気体を、アルカリ金属の又はアルカリ土類金属のハロゲン化塩を出発物質とする炭酸塩合成反応における、前記ハロゲン化塩に対する反応物質として直接的に又は変換して間接的に使用し、
    該炭酸塩合成反応の反応生成物である炭酸塩、ハロゲン化アンモニウム(NH4X)のいずれか一以上の態様で前記3及び/又は14Cを回収することを特徴とする低レベル放射性廃棄物の処理方法。
  2. さらに、前記炭酸塩合成反応で生成した炭酸塩を前記超臨界水反応による液状化生成物の不溶化物生成剤として循環使用することを特徴とする請求項1記載の低レベル放射性廃棄物の処理方法。
  3. 前記炭酸塩の熱分解生成物であるCO2及び/又はH2Oを前記炭酸塩合成反応に循環使用することを特徴とする請求項2記載の低レベル放射性廃棄物の処理方法。
  4. 前記炭酸塩合成反応で生成したNH4Xにアルカリ金属の又はアルカリ土類金属の水酸化物を加えて、生成するハロゲン化塩、NH3及びH2Oの一部又は全部を前記炭酸塩合成反応に循環使用することを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の低レベル放射性廃棄物の処理方法。
  5. 前記酸化ルテニウム触媒法で発生するH2をN2と反応させるアンモニア合成反応でNH3に変換して前記炭酸塩合成反応の反応物質として使用することを特徴とする請求項1記載の低レベル放射性廃棄物の処理方法。
  6. 前記酸化ルテニウム触媒法で発生するCH4を、メタン改質反応(水シフト反応を含む。)でCO2に変換して、前記炭酸塩合成反応の反応物質として使用することを特徴とする請求項1又は5記載の低レベル放射性廃棄物の処理方法。
  7. 前記メタン改質反応(水シフト反応を含む。)で生成するH2をN2と反応させるアンモニア合成反応に使用することを特徴とする請求項6記載の低レベル放射性廃棄物の処理方法。
  8. 前記硝酸塩酸化法で発生するN2をアンモニア合成反応に使用することを特徴とする請求項1記載の低レベル放射性廃棄物の処理方法。
  9. 前記硝酸塩酸化法で発生するハロゲン化塩を前記炭酸塩合成反応に使用することを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の低レベル放射性廃棄物の処理方法。
  10. 有機ポリマー系の低レベル放射性廃棄物を酸化ルテニウム触媒法及び硝酸塩酸化法の少なくとも一方の超臨界水反応により分解気化・液状化させて処理する処理プラントであって、
    超臨界水反応装置、不溶化分離装置、気体分離装置、および、アルカリ金属の又はアルカリ土類金属のハロゲン化塩を出発物質とする炭酸塩合成装置を少なくとも備え、
    前記不溶化分離装置は、前記超臨界水反応で発生した液状化物を液体輸送可能に前記超臨界水反応装置と接続され、該液状化物に不溶化剤を添加して固液分離可能な機能を備え、
    前記気体分離装置は、前記超臨界水反応で発生する3H及び14Cを含む放射性気体を気体輸送可能に前記超臨界水反応装置と接続され、該放射性気体の各成分に分離する機能を備え、
    前記炭酸塩合成装置は、反応物質入口が、前記気体分離装置の、前記反応物質に対応する成分の成分出口と接続され、また、該成分出口以外の成分出口は反応物質変換手段を介して接続されている、
    ことを特徴とする低レベル放射性廃棄物の処理プラント。
  11. 前記炭酸塩合成装置の反応生成物出口が、前記不溶化分離装置における不溶化物生成剤供給系と接続されていることを特徴とする請求項10記載の低レベル放射性廃棄物の処理プラント。
  12. 前記超臨界水反応装置として酸化ルテニウム触媒法の超臨界水反応容器を含み、
    さらに、該超臨界水反応容器に接続された気体分離装置のCH4出口及びH2出口とそれぞれ接続されるメタン改質装置及びアンモニア合成装置を備え、
    また、前記メタン改質装置は、該メタン改質装置から発生するH2を気体輸送可能に前記アンモニア合成装置と接続され、前記気体分離装置から発生するCO2を気体輸送可能に炭酸塩合成装置と接続され、
    前記アンモニア合成装置は、さらに前記炭酸塩合成装置と接続されている、
    ことを特徴とする請求項10記載の低レベル放射性廃棄物の処理プラント。
  13. 前記超臨界水反応装置として、前記酸化ルテニウム触媒法の超臨界水反応容器とともに、硝酸塩酸化法の超臨界水反応容器(以下、「第二超臨界水反応容器」という。)を含み、
    さらに、該第二超臨界水反応容器に接続される第二気体分離装置を備え、
    該第二気体分離装置のN2出口が前記アンモニア合成装置の反応物質入口と接続され、
    前記第二気体分離装置のCO2出口及びH2O出口が前記炭酸塩合成装置の反応物質入口と接続されている、
    ことを特徴とする請求項12記載の低レベル放射性廃棄物の処理プラント。
  14. 前記超臨界水反応装置として硝酸塩酸化法の超臨界水反応容器を含み、
    さらに、該超臨界水反応容器に接続された気体分離装置のN2出口と接続されるアンモニア合成装置を備え、
    前記アンモニア合成装置の反応生成物出口は前記炭酸塩合成装置の反応物質入口と接続されている、
    ことを特徴とする請求項10記載の低レベル放射性廃棄物の処理プラント。
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