JP4617602B2 - 破壊靭性および耐硫化物応力腐食割れ性に優れた低合金高強度鋼およびこの鋼からなる鋼管の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、マイルドなサワー環境での破壊靭性および耐硫化物応力腐食割れ性に優れ、降伏強度が758MPa以上861MPa以下の高強度を有する油井あるいはガス井用シームレス鋼管等用低合金高強度鋼およびこの鋼からなる鋼管の製造方法、特に、連続鋳造による丸ビレット圧延工程を経ることなく、直接マンネスマン穿孔し、その後、マンドレルミル、プラグミル等の圧延機により製管する、破壊靭性および耐硫化物応力腐食割れ性に優れた低合金高強度鋼およびこの鋼からなる鋼管の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エネルギー事情の逼迫に伴い、これまで開発されていない深層部でかつ硫化水素を含む油井およびガス井も開発の対象となり、このようなサワー環境に使用する油井管として、高強度と硫化物応力腐食割れに対する高い抵抗を備えたシームレス鋼管の製造が強く望まれていた。
【0003】
油井管として使用される鋼管は、通常の焼入れ焼戻しの熱処理が施されているが、硫化物応力腐食割れ防止のためには、ロックウェルCスケールで22以下に規制することが有効とされていた。
【0004】
しかし、この硬度の規制に従うと降伏強度は700MPa程度となり、それ以上の高強度と硫化物応力腐食割れに対する高い抵抗を備えたシームレス鋼管の製造は困難であった。
【0005】
このため、特開昭59−232220号公報や特開平6−172859号公報には、特定の化学成分を含む鋼をシームレス鋼管圧延後、焼入れ処理を2回以上施す方法が開示され、特開昭59−119324号公報には、焼入れ処理前の昇温速度を著しく大とする方法が開示されている。
【0006】
これらの耐硫化物応力腐食割れ性の評価方法としては、NACE TM0177に定められているように、極端に加速された環境で単軸引張試験を行なう方法が用いられおり、当時は一般的な方法であった。即ち、この評価方法は、5%NaCl+0.5%CH3COOH水溶液(pH:2.7)に、硫化水素ガスを飽和させた環境で材料に応力を720時間負荷し、硫化物応力腐食割れの発生の有無を調べるものである。
【0007】
しかし、マイルドなサワー環境である実環境を模擬するにはpHが低すぎて実環境における材料のパフォーマンスをうまく評価しているのか疑問がある。なお、マイルドなサワー環境とは、pHが4以上、H2S分圧が0.1atm以下の環境をいう。また、単軸引張試験では、設計応力は求められるが、実際のパイブのパフォーマンスを評価することは難しい。このため、このような環境下での材料の破壊靭性を評価することが重要である。
【0008】
従って、この発明の目的は、マイルドなサワー環境での破壊靭性および耐硫化物応力腐食割れ性に優れ、降伏強度が758MPa以上861MPa以下の高強度を有する油井あるいはガス井用シームレス鋼管等用の低合金高強度鋼およびこの鋼からなる鋼管の製造方法、特に、連続鋳造による丸ビレット圧延工程を経ることなく、直接マンネスマン穿孔し、その後、マンドレルミル、プラグミル等の圧延機により製管する、破壊靭性および耐硫化物応力腐食割れ性に優れた低合金高強度鋼およびこの鋼からなる鋼管の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するため、まず、マイルドなサワー環境である実環境における材料のパフォーマンスを評価する実験室的方法を種々検討した。その結果、pH:4程度で0.1atm以下の硫化水素を含む環境における破壊靱性値および耐硫化物応力腐食割れ性で評価することが妥当であるという結論に至った。更に、低合金鋼の化学成分や硬度が上記環境の破壊靱性値および耐硫化物応力腐食割れ性に与える影響を種々検討し、Si、Mnを低減することによりマイルドなサワー環境において良好な破壊靱性値および耐硫化物応力腐食割れ性が得られるといった知見を得た。この発明は、この知見に基づきなされたものであり、下記を特徴とするものである。
【0010】
請求項1記載の発明は、C:0.15〜0.4%、Si:0.1〜0.3%、Mn:0.1〜0.27%、P:0.011〜0.015%、S:0.005%以下、Cr:0.5〜l.5%、Mo:0.l〜1.0%、B:0.0005〜0.003%、Al:0.01〜0.1%、Nb:0.01〜0.05%、N:0.003〜0.01%を含有し、更に、Ti:0.01〜0.03%、および、V:0.01〜0.03%(以上、mass%)、残部:Feおよび不可避的不純物を有することに特徴を有するものである。
【0011】
請求項2記載の発明は、C:0.15〜0.4%、Si:0.1〜0.3%、Mn:0.1〜0.27%、P:0.011〜0.015%、S:0.005%以下、Cr:0.5〜l.5%、Mo:0.l〜1.0%、B:0.0005〜0.003%、Al:0.01〜0.1%、Nb:0.01〜0.05%、N:0.003〜0.01%を含有し、更に、Ti:0.01〜0.03%、および、V:0.01〜0.03%(以上、mass%)、残部:Feおよび不可避的不純物を有する成分組成で、しかも、径が340mm以下のビレットを連続鋳造法により鋳造し、その後、圧延工程を経ることなく、マンネスマン穿孔を行なって素管を調製し、そして、前記素管を焼入れした後、Ac1変態点以下の温度で焼戻し、強度上限が861MPaの強度を有することに特徴を有するものである。
【0012】
請求項3記載の発明は、C:0.15〜0.4%、Si:0.1〜0.3%、Mn:0.1〜0.27%、P:0.011〜0.015%、S:0.005%以下、Cr:0.5〜l.5%、Mo:0.l〜1.0%、B:0.0005〜0.003%、Al:0.01〜0.1%、Nb:0.01〜0.05%、N:0.003〜0.01%を含有し、更に、Ti:0.01〜0.03%、および、V:0.01〜0.03%(以上、mass%)、残部:Feおよび不可避的不純物を有する成分組成で、しかも、径が340mm以下のビレットを連続鋳造法により鋳造し、その後、圧延工程を経ることなく、マンネスマン穿孔を行なって素管を調製し、次いで、前記素管を焼入れした後、Ac3変態点からAc3変態点プラス100℃の範囲内の温度に加熱し、次いで、再度焼入れし、そして、Ac1変態点以下の温度で焼戻し、上限が861MPaの強度を有することに特徴を有するものである。
【0013】
請求項4記載の発明は、C:0.15〜0.4%、Si:0.1〜0.3%、Mn:0.1〜0.27%、P:0.011〜0.015%、S:0.005%以下、Cr:0.5〜l.5%、Mo:0.l〜1.0%、B:0.0005〜0.003%、Al:0.01〜0.1%、Nb:0.01〜0.05%、N:0.003〜0.01%を含有し、更に、Ti:0.01〜0.03%、および、V:0.01〜0.03%(以上、mass%)、残部:Feおよび不可避的不純物を有する成分組成で、しかも、径が340mm以下のビレットを連続鋳造法により鋳造し、その後、圧延工程を経ることなく、マンネスマン穿孔を行なって素管を調製し、次いで、前記素管を焼入れした後、Ac1変態点以下の温度で焼戻し、再度Ac3変態点からAc3変態点プラス100℃の範囲内の温度に加熱し、次いで、前記加熱温度範囲から焼入れし、そして、Ac1変態点以下の温度で焼戻し、上限が861MPaの強度を有することに特徴を有するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
この発明における成分組成の限定理由について説明する。
【0015】
C:0.15〜0.4mass%
Cは、低合金鋼の強度を確保する作用の他、焼入れ性や焼戻し抵抗を向上させるための必須な元素として、その含有量の上限を0.15mass%とした。0.4mass%を超えると焼入れ時に冷却速度が早いと割れが生じる。従って、C含有量は、0.15〜0.4mass%の範囲内とした。
【0016】
Si:0.l〜0.3mass%
Siは、脱酸剤としての作用の他、鋼材の強度を向上させる作用があるので、0.1mass%以上の添加を必要とするが、0.3mass%を超えると、マイルドなサワー環境における破壊靭性や耐硫化物応力腐食割れ性、靱性、粒界強度に悪影響を与える。従って、Si含有量は、0.l〜0.3mass%の範囲内とした。
【0017】
Mn:0.1〜0.27mass%
Mnは、硫化物としてイオウを固定するが、0.1mass%未満だと圧延割れが生じる可能性が高いので、0.1%以上の添加を必要とする。一方、0.3mass%を超えると、マイルドなサワー環境における破壊靭性や耐硫化物応力腐食割れ性に悪影響を与えるので、上限を0.27mass%とした。
【0018】
P:0.011〜0.015mass%
Pは、粒界強度を低下させる有害な元素であり、特に、その含有量が0.015mass%を超えると、耐硫化物応力腐食割れ性に悪影響を与えるので、0.015mass%以下とした。
【0019】
S:0.005mass%以下
Sは、鋼中の不可避な不純物であり、多量に含むと硫化物を形成し、割れの起点になるので、0.005mass%以下とした。
【0020】
Cr:0.5〜1.5mass%
Crは、焼入れ性の向上に著しく効果を示す元素で、鋼の強度も増加させる作用があるが、0.5mass%未満ではその効果が期待できず、1.5mass%以上では、破壊靭性や耐硫化物応力腐食割れ性に悪影響を与える。従って、Cr含有量は、0.5〜1.5mass%の範囲内とした。
【0021】
Mo:0.1〜1.0mass%
Moは、鋼の焼戻し低抗を高める元素であり、0.1mass%未満ではその効果が小さく、1.0mass%以上では鋼が脆化したり、靱性の劣化が生じる。従って、Mo含有量は、0.1〜1.0mass%の範囲内とした。
【0022】
B:0.0005〜0.003mass%
Bは、鋼の焼入れ性を向上させる元素であり、0.0005mass%以上でその効果があらわれる。一方、0.003mass%を超えて多量に添加しても効果が飽和するばかりか、熱間加工時に割れが生じる。従って、B含有量は、0.0005〜0.003mass%の範囲内とした。
【0023】
Al:0.01〜0.1mass%
Alは、鋼の脱酸剤として有効な元素であり、Tiとならんで鋼中のNと結合し、窒化物を形成し、Bの作用を顕著化させる。特に、その効果は、0.01mass%以上で著しい。一方、0.1mass%を超えると酸化物を増加させ、耐硫化物応力腐食割れ性に悪影響を与える。従って、Al含有量は、0.01〜0.1mass%の範囲内とした。
【0024】
N:0.003〜0.01mass%
Nは、TiおよびAlと窒化物を形成し、特に、TiNは、鋼の粒成長を抑制し、微細化する作用がある。従って、添加したTiを結晶粒微細化に有効に作用するTiNとして鋼中に析出させるためには、化学量論的考慮から、0.003mass%以上とする。0.01mass%を超えて含有させると、B添加の効果を減少させ、充分な焼入れ性を得ることができなくなる。従って、N含有量は、0.003〜0.01mass%の範囲内とした。
【0025】
Nb:0.01〜0.05mass%、V:0.01〜0.03mass%
Nbは、圧延中の再結晶粒を細かくする効果を有するため、より微細な結晶粒を所望する場合、添加する元素であるが、0.01mass%未満では十分でなく、0.05mass%を超えてもその効果が飽和するばかりか、靭性の低下を招く。従って、Nbの含有量は、0.01〜0.05mass%の範囲内とした。Vは、Nbと同様に、圧延中の再結晶粒を細かくする効果を有するため、より微細な結晶粒を所望する場合、添加する元素であるが、0.01mass%未満では十分でなく、0.05mass%を超えてもその効果が飽和するばかりか、靭性の低下を招く。従って、Vの含有量は、0.01〜0.03mass%の範囲内とした。
【0026】
Ti:0.01〜0.03mass%
Tiは、Alと同様にNをTiNとして固定し、Bの焼入れ性向上を図り、且つ、連続鋳造法で鋳造されたビレット中では微細に分散析出するため、ビレット加熱時の結晶粒の粗大化を抑制する効果がある。しかし、その含有量が0.01mass%未満では、所望の効果を得ることができず、一方、0.03mass%を超えて含有させると、TiNの凝集粗大化によって結晶粒成長の抑制に効果がないばかりか靭性の劣化を招く。従って、Ti含有量は、0.01、0.03mass%とした。
【0027】
ビレット径を340mm以下に限定したのは、以下の理由による。
【0028】
ビレットを連続鋳造する場合、その中心部の性状は、冷却速度によって支配される。ビレット径が大きくなり過ぎると、冷却速度が低下し、偏析や中心部の収縮が生じ易く、内面の欠陥を誘発する。本発明等の検討によれば、連続鋳造時におけるビレット径が340mm以下であれば、マンネスマン穿孔を行なっても欠陥の発生が抑制されることが明らかになった。従って、この発明においては、ビレット径を340mm以下に限定した。
【0029】
【実施例】
次に、この発明を実施例により更に説明する。
【0030】
表1に示す化学成分を有する鋼を真空溶解炉を用いて溶製し、分塊圧延により板厚40mmの鋼板とした後、更に熱間圧延により板厚12mmの鋼板を調製した。そして、このようにして調製した鋼板に対して、降伏強度が750〜900MPaを目標に焼入れ、焼戻し熱処理(熱処理方法1)、焼き入れ、再度、焼き入れ焼き戻し(熱処理方法2)、焼き入れ焼き戻し、再度、焼き入れ焼き戻し(熱処理方法3)を行なった。
【0031】
焼き入れ熱処理は、920℃、焼き戻し熱処理は、680℃、再度の焼き入れ熱処理は、880℃、再度の焼き戻し熱処理は、680℃でそれぞれ行なった。但し、降伏強度が外れた鋼A(鋼種No.)−2(実施例No.)−2(熱処理方法No.)、B−2−3、C−2−2、D−2−3、E−2−1、E−2−2)の焼き戻し熱処理は、640℃で行なった。
【0032】
【表1】
【0033】
そして、各熱処理方法における降伏強度、耐SSC性および破壊靭性について調べ、総合評価を行なった。
【0034】
降伏強度は、758から861MPaの場合は、○印、それ以外は、×印とした。マイルドなサワー環境中での耐硫化物応力腐食割れ性(耐SSC性)の評価試験は、NACE TM0177−96 Method Aに準拠し、降伏強度90%の応力を負荷した試験片を常温にて0.07atmの硫化水素を飽和させた3.5%NaCl水溶液中(pH=4.0)に720時間さらし、未破断の場合を○印、破断の場合を×印とした。マイルドなサワー環境中での破壊靭性の評価試験は、NACE TM0177−96 Method Dの試験方法に準拠し、4本のDCB試験片を常温にて、0.07atmの硫化水素を飽和させた3.5%NaCl+CH3COOH水溶液中(pH:4.0)に14日漬けK1SSC値を測定し、平均値が37MPa・m0・5以上の場合を○印、それ以外を×印とした。これらの結果および総合評価を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】
表2から明らかなように、本発明法であるA−1−1、A−1−2、A−1−3、およびB−1−1、B−1−2、B−1−3は、何れも降伏強度、破壊靭性および耐硫化物応力腐食割れ性ともに合格であった。
【0037】
これに対して、比較法のA−2−2、B−2−3、C−1−1、C−2−2、D−1−1およびD−2−3は、何れも降伏強度が高すぎて、破壊靭性および耐硫化物応力腐食割れ性は、不合格であった。また、比較鋼C−1およびC−2は、何れもMn、Si含有量が多く、降伏強度が合格であっても(C−1の場合)、破壊靭性および耐硫化物応力腐食割れ性ともに不合格であった。比較鋼D−1とD−2は、何れもCr含有量が多く、降伏強度が合格であっても(D−1の場合)、破壊靭性および耐硫化物応力腐食割れ性ともに不合格であった。
【0038】
更に、表3に示す化学成分の鋼を転炉にて溶製し、連続鋳造機で径230mmのビレットとした後、プラグミルにより熱間で外径273mmの鋼管を調製し、焼入れ焼戻し(熱処理方法1)、および、焼入れ、再度、焼入れ焼戻し(熱処理方法2)を実施し、強度を調整した。そして、マイルドなサワー環境中での破壊靭性および耐硫化物応力腐食割れ性の評価試験を実施した。このときの評価試法は、上述の場合と同様であった。これらの試験結果を表4に示す。なお、表4において、試験結果の評価方法は、表2の場合と同様である。
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】
表4から明らかなように、本発明法であるE−1−1、E−1−2は、降伏強度、破壊靭性および耐硫化物応力腐食割れ性ともに合格であった。
【0042】
これに対して、比較法のE−2−1、E−2−2は、降伏強度が高すぎて、降伏強度、破壊靭性および耐硫化物応力腐食割れ性ともに不合格であった。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、マイルドなサワー環境において破壊靭性および耐硫化物応力腐食割れ性ともに優れ、降伏強度が758MPa以上、861MPa以下の高強度を有する油井あるいはガス井用シームレス鋼管等用低合金高強度鋼およびこの低合金高強度鋼からなる鋼管が得られるといった工業上有用な効果を有する。
Claims (4)
- C:0.15〜0.4%、
Si:0.1〜0.3%、
Mn:0.1〜0.27%、
P:0.011〜0.015%、
S:0.005%以下、
Cr:0.5〜l.5%、
Mo:0.l〜1.0%、
B:0.0005〜0.003%、
Al:0.01〜0.1%、
Nb:0.01〜0.05%、
N:0.003〜0.01%
を含有し、更に、
Ti:0.01〜0.03%、および、
V:0.01〜0.03%(以上、mass%)、
残部:Feおよび不可避的不純物
を有する破壊靭性および耐硫化物応力腐食割れ性に優れた低合金高強度鋼。 - C:0.15〜0.4%、
Si:0.1〜0.3%、
Mn:0.1〜0.27%、
P:0.011〜0.015%、
S:0.005%以下、
Cr:0.5〜l.5%、
Mo:0.l〜1.0%、
B:0.0005〜0.003%、
Al:0.01〜0.1%、
Nb:0.01〜0.05%、
N:0.003〜0.01%
を含有し、更に、
Ti:0.01〜0.03%、および、
V:0.01〜0.03%(以上、mass%)、
残部:Feおよび不可避的不純物
を有する成分組成で、しかも、径が340mm以下のビレットを連続鋳造法により鋳造し、その後、圧延工程を経ることなく、マンネスマン穿孔を行なって素管を調製し、そして、前記素管を焼入れした後、Ac1変態点以下の温度で焼戻すことを特徴とする、強度上限が861MPaの破壊靭性および耐硫化物応力腐食割れ性に優れた低合金高強度鋼管の製造方法。 - C:0.15〜0.4%、
Si:0.1〜0.3%、
Mn:0.1〜0.27%、
P:0.011〜0.015%、
S:0.005%以下、
Cr:0.5〜l.5%、
Mo:0.l〜1.0%、
B:0.0005〜0.003%、
Al:0.01〜0.1%、
Nb:0.01〜0.05%、
N:0.003〜0.01%
を含有し、更に、
Ti:0.01〜0.03%、および、
V:0.01〜0.03%(以上、mass%)、
残部:Feおよび不可避的不純物
を有する成分組成で、しかも、径が340mm以下のビレットを連続鋳造法により鋳造し、その後、圧延工程を経ることなく、マンネスマン穿孔を行なって素管を調製し、次いで、前記素管を焼入れした後、Ac3変態点からAc3変態点プラス100℃の範囲内の温度に加熱し、次いで、再度焼入れし、そして、Ac1変態点以下の温度で焼戻すことを特徴とする、強度上限が861MPaの破壊靭性および耐硫化物応力腐食割れ性に優れた低合金高強度鋼管の製造方法。 - C:0.15〜0.4%、
Si:0.1〜0.3%、
Mn:0.1〜0.27%、
P:0.011〜0.015%、
S:0.005%以下、
Cr:0.5〜l.5%、
Mo:0.l〜1.0%、
B:0.0005〜0.003%、
Al:0.01〜0.1%、
Nb:0.01〜0.05%、
N:0.003〜0.01%
を含有し、更に、
Ti:0.01〜0.03%、および、
V:0.01〜0.03%(以上、mass%)、
残部:Feおよび不可避的不純物
を有する成分組成で、しかも、径が340mm以下のビレットを連続鋳造法により鋳造し、その後、圧延工程を経ることなく、マンネスマン穿孔を行なって素管を調製し、次いで、前記素管を焼入れした後、Ac1変態点以下の温度で焼戻し、再度Ac3変態点からAc3変態点プラス100℃の範囲内の温度に加熱し、次いで、前記加熱温度範囲から焼入れし、そして、Ac1変態点以下の温度で焼戻すことを特徴とする、強度上限が861MPaの破壊靭性および耐硫化物応力腐食割れ性に優れた低合金高強度鋼管の製造方法。
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JPS6086208A (ja) * | 1983-10-14 | 1985-05-15 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 耐硫化物割れ性の優れた鋼の製造方法 |
JPS6086209A (ja) * | 1983-10-14 | 1985-05-15 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 耐硫化物割れ性の優れた鋼の製造方法 |
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