JP4617086B2 - 難燃性フィルム及びそれを用いた住宅用内装材、電気製品又は印刷用フィルム - Google Patents

難燃性フィルム及びそれを用いた住宅用内装材、電気製品又は印刷用フィルム Download PDF

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Description

本発明は、難燃性フィルムに関し、さらに詳しくは、基材フィルムが持つ機械的強度などの物性の低下や透明性、外観を著しく損ねることなく、且つ環境負荷を低減し、難燃性を付与するための難燃性フィルムに関するものである。
本明細書において、配合を示す「比」、「部」、「%」などは特に断わらない限り質量基準であり、「/」印は一体的に積層されていることを示す。また、「CVD」は「化学気相成長法」、及び「PET」は「ポリエチレンテレフタレート」の略語、機能的表現、通称、又は業界用語である。
(背景技術)近年、社会の安全意識の向上や、高層ビル、高速鉄道などの高度な社会基盤の構築によって、材料分野もより多様な安全性が求められるようになってきた。例えば、高層ビルの室内の壁紙や、鉄道車両内の広告用の用途に用いる印刷用シートも難燃性が要求されてきた。難燃性は難燃剤を熱可塑性樹脂などに混入するが、通常用いられるハロゲン系の難燃剤では、シートへの成形加工時や成形品の焼却時に臭化水素、塩化水素などのハロゲン系ガスが発生し機器の腐食や人体への影響が指摘されており、さらにダイオキシンの発生という環境汚染の問題もある。
難燃性フィルムは、基材フィルムが持つ機械的強度などの物性の低下や透明性、外観を著しく損ねることなく、難燃性が付与され、かつ、上記環境上の問題の少ない特性が求められている。
(先行技術)従来、このような難燃性のシートや難燃性フィルムは、ハロゲン系、リン系、無機系の難燃剤を熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂に溶融混練し、溶融押出成形方法にてシート状に成形されることにより製造されるか、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂に上記難燃剤を添加したものを基材シートの上に設けているものが知られている(例えば、特許文献1〜4参照。)。しかしながら、ハロゲン系難燃剤は、シートへの成形加工時や成形品の焼却時に臭化水素、塩化水素などのハロゲン系ガスが発生し機器の腐食や人体への影響が指摘されており、さらにダイオキシンの発生という環境汚染の問題もある。このため、ハロゲン系難燃剤の代替として、リン系、無機系の難燃剤が使用されているが、リン系の難燃剤も焼却時に環境汚染物質が発生する疑いがあり、無機系の難燃剤はハロゲン系、リン系の難燃剤よりも極端に多く添加しなければ性能が得られず、難燃性のシートとした時の機械的性質の低下や透明性、外観を著しく損ねるなどの新たな問題点がある。
また、基材フィルムの一方の面へ無機膜を設けて難燃性とした壁紙や印刷物用シートが知られている(例えば、特許文献5参照。)。しかしながら、無機膜としては酸化物、弗化物、金属などの単体の無機酸化物膜、及び金属酸化物ゾル(所謂、ゾルゲル法)が開示されるのみで、外面からの着火、延焼遅延、延焼防止について、さらに、斯かるシートをその気体透過性に着目し、難燃性向上へ応用することについては、記載も示唆もされていない。
特開昭48−90348号公報 特開昭52−47891号公報 特開昭47−195142号公報 特開昭62−32955号公報 特開2003−33986号公報
そこで、本発明はこのような問題点を解消するためになされたものである。その目的は、基材フィルムにバリア性のある真空薄膜層を設けることで、フィルムの基本性能を維持したまま、環境への負荷の少なく、任意のフィルムに難燃性を付与できる難燃性フィルムを提供することである。
上記の課題を解決するために、
請求項1の発明に係わる難燃性フィルムは、直接又は他の層を介して、基材フィルムの少なくとも一方の面に、無機物層を有する難燃性フィルムにおいて、前記無機物層がバリア性を有する酸化窒化炭化アルミニウム層、又は酸化窒化炭化チタン層のいずれかであり、前記酸化窒化炭化アルミニウム層を構成する酸化窒化炭化アルミニウムが、一般式AlOxNyCzにおいて、x=0.1〜1.4、y=0.1〜0.9、z=0.1〜2.0の範囲の組成であり、前記酸化窒化炭化チタン層を構成する酸化窒化炭化チタンが、一般式TiOxNyCzにおいて、x=1.0〜1.8、y=0.5〜1.0、z=0.3〜1.5の範囲の組成であるように、したものである。
請求項2の発明に係わる難燃性フィルムは、上記無機物層の厚さが5〜500nmであるように、したものである。
請求項3の発明に係わる難燃性フィルムは、請求項1〜2のいずれかに記載の難燃性フィルムにおいて、JIS−K7129に準拠する透湿度が10g/mday以下、及び/又はJIS−K7126に準拠する酸素透過度10cm/mday以下であるように、したものである。
請求項4の発明に係わる難燃性フィルムは、請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性フィルムにおいて、UL94規格VTM−0の難燃性を有するように、したものである。
請求項5の発明に係わる難燃性の住宅用内装材、電気製品又は印刷用フィルムは、請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性フィルムを用いたように、したものである。
(発明のポイント)本発明者らは、鋭意研究を進め、基材フィルムの表面を窒化炭化珪素層、窒化炭化アルミニウム層、窒化炭化チタン層、酸化窒化炭化アルミニウム層、又は酸化窒化炭化チタン層で覆うことで、高温時において内層の基材フィルムや熱接着層が次第に加熱されて可燃ガスを発生するが、
(1)窒化炭化珪素層、窒化炭化アルミニウム層、窒化炭化チタン層、酸化窒化炭化アルミニウム層、又は酸化窒化炭化チタン層が外部からの熱及び酸素の侵入を遮蔽する障壁(バリア)となって、その発生時間を遅らせる、
(2)侵入酸素による基材フィルムの分解を抑制させる、さらに、優れた難燃性のために、必要に応じて積層されている他の層へ難燃剤を含有させる場合でも、その含有量を減ずることができる。基材フィルムの基本性能を維持したまま、環境への負荷の少なく環境適性に優れ、任意のフィルムに難燃性を付与できる難燃性を有している難燃性フィルムが得られる。また、本発明で用いた無機物膜は薬品処理により、膜剥離させることができ、特に、本発明で用いた炭素を含有する無機物は、熱アルカリ(例えば、60℃の1Nの水酸化ナトリウム水溶液)にて剥離が可能であり、焼却処理ではなく、基材フィルムのリサイクル及びリユースも可能となる。
(3)発生した可燃ガスが窒化炭化珪素層、窒化炭化アルミニウム層、窒化炭化チタン層、酸化窒化炭化アルミニウム層、又は酸化窒化炭化チタン層で遮蔽され外部へ揮散しにくく、発火及び分解による可燃ガスの発生を抑制する作用を見出し、本発明に至った。
このため、発火、着火、燃焼及び延焼を著しく遅延させ、仮に発火して焼け焦げ状態となっても、窒化炭化珪素層、窒化炭化アルミニウム層、窒化炭化チタン層、酸化窒化炭化アルミニウム層、又は酸化窒化炭化チタン層は部分的でも外部との接触を遮断し、酸素の供給を減じ、延焼を防止する。さらに、優れた難燃性のために、必要に応じて積層されている他の層へ難燃剤を含有させる場合でも、その含有量を減ずることができる。基材フィルムの基本性能を維持したまま、環境への負荷の少なく環境適性に優れ、任意のフィルムに難燃性を付与できる難燃性を有している難燃性フィルムが得られる。
請求項1の本発明によれば、燃焼、及びその拡大を著しく遅延させ、焼け焦げ状態となっても、部分的には外部との接触を遮断し、酸素の供給を減じ、延焼防止できる難燃性フィルムが提供される。
請求項2の本発明によれば難燃性に優れる難燃性フィルムが提供される。
請求項3の本発明によれば、連続生産で生産性が高く、低コストで、かつ透湿度及び/又は酸素透過度が低く、可燃ガスの発生を抑制する難燃性に優れる難燃性フィルムが提供される。
請求項4の本発明によれば、UL規格の「薄肉材料の垂直燃焼試験」に準拠する難燃性評価がVTM−0に相当し、信頼性に優れる難燃性フィルムが提供される。
請求項5の本発明によれば、廃棄焼却時にも塩素、ダイオキシンなどの有害物質を排出しない、難燃性の住宅用内装材、電気製品又は印刷用フィルムが提供される。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1は、本発明の1実施例を示す難燃性フィルムの断面図である。
図2は、本発明で好適に使用できるCVD装置の説明図である。
(物の発明)本発明の難燃性フィルム10は、基材フィルム11と、基材フィルム11の一方の面に無機物層25を必須に有し、他方の面にも必要に応じて設けてもよく、両面にあればより効果的な難燃性を発現できる。該無機物層25は、無機酸化物層、無機窒化物層又は無機酸化窒化物層の膜層からなり、好ましくは、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化チタン、酸化窒化珪素、酸化窒化アルミニウム、又は酸化窒化チタンのいずれかである。また、炭素を含有させた無機酸化物層、無機窒化物層又は無機酸化窒化物層の膜層も好適で、本明細書では無機酸化炭化物層、無機窒化炭化物層又は無機酸化窒化炭化物層と呼称する。
(基材フィルム)次に、本発明に用いる材料について、説明する。
まず。基材フィルム11としては、機械的強度に優れ、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、屈曲性、電気絶縁性等があれば、用途に応じて種々の材料が適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体などのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610などのポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂などのスチレン系樹脂、セロファン、セルローストリアセテート、セルロースダイアセテート、ニトロセルロースなどのセルロース系フィルム、ポリカーボネート、環状ポリオレフィンなどの非晶質ポリオレフィン樹脂(APO)、ポリビニールアルコール(PVA)樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)などのポリビニルアルコール系樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、ポリサルフォン(PS)樹脂、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリビニルブチラート(PVB)樹脂、ポリアリレート(PAR)樹脂、ポリ樹脂、などが適用できる。
該基材フィルム11は、これら樹脂を主成分とする共重合樹脂、または、混合体(アロイでを含む)、若しくは複数層からなる積層体であっても良い。また、延伸フィルムでも、未延伸フィルムでも良いが、強度を向上させる目的で一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムが好ましい。該基材フィルム11は、通常機械的強度、耐熱性、絶縁性、コスト等の面から、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリアルキレンテレフタレートが好適に使用でき、ポリエチレンテレフタレートが最適である。 樹脂フィルムは、必要に応じて、充填剤、可塑剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。充填剤としては、シリカ、炭酸カルシウムなどの耐湿顔料が適用できる。帯電防止剤としては、非イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤などや、ポリアミドやアクリル酸誘導体などが適用できる。 該基材フィルム11の厚さは特に限定されないが、通常は1μm〜1mm程度、好ましくは5μm〜500μm程度、10μm〜200μmが好適である。
(基材フィルムの表面処理)基材フィルム11の一方の面へ無機物層25を設けるが、基材フィルム11の無機物層25を設ける面には、後述する無機酸化物、無機窒化物又は無機酸化窒化物膜との密接着性等を向上させるために、必要に応じて、予め、所望の表面処理層(易接着処理ともいう)、又はプラズマなどによる清浄化処理を行ってもよい。
(表面処理)該表面処理層としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理、その他等の前処理を任意に施し、例えば、コロナ処理層、オゾン処理層、プラズマ処理層、酸化処理層、その他等を形成して設けることができる。また、プライマーコート剤層、アンダーコート剤層、アンカーコート剤層、接着剤層、あるいは、蒸着アンカーコート剤層等を任意に形成して、表面処理層とすることもできる。
上記の前処理のコート剤層としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂あるいはその共重合体ないし変性樹脂、セルロース系樹脂、その他等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を使用することができる。
(無機物層)無機物層25は、無機酸化物層、無機窒化物層又は無機酸化窒化物層の膜層からなり、好ましくは、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化チタン、酸化窒化珪素、酸化窒化アルミニウム、又は酸化窒化チタンのいずれかである。また、炭素を含有させた無機酸化物層、無機窒化物層又は無機酸化窒化物層の膜層も好適で、本明細書では無機酸化炭化物層、無機窒化炭化物層又は無機酸化窒化炭化物層と呼称する。
即ち、無機物としては、無機酸化物(MOx)、無機窒化物(MNy)、無機酸化炭化物(MOxCz)、無機窒化炭化物(MNyCz)、無機酸化窒化物(MOxNy)、無機酸化窒化炭化物(MOxNyCz)で、好ましいMは、Si、Al、Tiである。
(無機物層の形成)次に、無機物層25について説明する、該無機物層25の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、化学気相成長法、物理気相成長法、又はゾルゲル法などがあるが、本発明では、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、化学気相成長(CVDという)法、又は物理気相成長(PVDという)法などの真空成膜法を適用することが好ましく、特に好ましくは、プラズマCVD法である。
真空成膜法によれば、緻密で隙間の少ない可撓性に富む連続層とすることができるので、透湿度及び/又は酸素透過度が低く、可燃ガスの発生を抑制する難燃性に優れ、また、連続生産で生産性が高く、低コストとできる。
本発明での無機物層25は、単独あるいは複数を併用して、無機物層25の1層からなる単層膜あるいは2層以上からなる多層膜または複合膜を形成してもよい。また、無機物層25を両面に設ける場合には、一方の面へ形成した後に、他方の面に同様に形成すればよい。
(化学気相成長法CVD)真空蒸着法、スパッタリング法、又はPVD法などの真空成膜法は、同業者では公知であり、本発明の好ましい化学気相成長法、イオンプレーティング法による無機物層25について、更に説明する。該化学気相成長法による無機物膜としては、例えば、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法、触媒化学気相成長法(Cat−CVD)等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等適用できる。具体的には、基材フィルム11の一方の面に、有機珪素化合物等の蒸着用モノマーガスを原料とし、キャリヤーガスとして、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを使用し、更に、酸素供給ガスとして、酸素ガス等を使用し、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化チタン、酸化窒化珪素、酸化窒化アルミニウム、又は酸化窒化チタンなどの無機酸化物、無機窒化物又は無機酸化窒化物膜が形成可能で、さらに、低温プラズマ発生装置等を利用する低温プラズマ化学気相成長法を用いて、上記の無機物層に炭素を含有してなる無機酸化炭化物、無機窒化炭化物又は無機酸化窒化炭化物膜を形成することができる。
また、上記の炭素を含有しない無機物に関しては、イオンプレーティング法にて作製が可能である。この製法で作製した非炭素含有無機物もCVD法と同等に、十分な可撓性及び密着性を持つことができ、好適に用いることが出来る。
低温プラズマ発生装置としては、例えば、高周波プラズマ、パルス波プラズマ、マイクロ波プラズマ等の発生装置を使用することができ、高活性の安定したプラズマを得るためには、高周波プラズマ方式による発生装置を使用することが好ましい。
図2は、本発明で好適に使用できるCVD装置の説明図である。
該低温プラズマ化学気相成長法(プラズマCVDという)による無機物25膜の形成法について、好適に使用できるその一例を説明する。プラズマCVD装置200としては、真空容器210、ガス供給部、真空ポンプ、電源、及び図示しない制御装置からなり、真空容器210は、給紙部211、成膜部213、及び巻取部215からなっている。成膜部213は、成膜する無機酸化物に応じて、例えばa室221、b室223、c室225などの複数の部屋からなる。真空容器210内の給紙部211に配置された巻き出しロールから基材フィルム11を繰り出し、ガイドロールを介して所定の速度で冷却、電極ドラム231周面上に搬送する。ガス供給部は、ガス供給装置及び原料揮発供給装置等から、酸素ガス、不活性ガス、有機珪素化合物等のモノマーガス、その他等を供給し、それらの単独又は混合ガス組成物を調整しなから真空容器210内へ導入する。
図2では3種のガスを用いる例を示し、原料供給ノズル251、253、255を通して真空容器210内にガス組成物を導入する。上記冷却、電極ドラム221周面上に搬送された基材フィルム11へ、グロー放電プラズマによって発生させたプラズマを照射して、酸化珪素等の無機酸化物、無機窒化物又は無機酸化窒化物膜を製膜化(形成)する。その際に、冷却、電極ドラム221と、a室電極251、b室電極253、及びc室電極255には、真空容器210の外に配置されている電源から所定の電力が印加されており、また、冷却、電極ドラム221の近傍には、マグネットなどを配置してプラズマの発生を促進してもよい。次いで、上記で無機酸化物、無機窒化物又は無機酸化窒化物膜を形成した基材フィルム11は、ガイドロールを介して巻き取って、プラズマCVD法による無機酸化物、無機窒化物又は無機酸化窒化物膜を形成できる。
また、無機酸化物、無機窒化物又は無機酸化窒化物膜としては、無機酸化物、無機窒化物又は無機酸化窒化物膜の1層だけではなく、2層あるいはそれ以上を積層した多層膜の状態でもよい。
また、使用する材料も1種または2種以上の混合物で使用し、また、異種の材質で混合した無機物膜を構成することもできる。使用する材料を選択することで、無機酸化物層、無機窒化物層、無機酸化窒化物層、無機酸化炭化物層、無機窒化炭化物層又は無機酸化窒化炭化物層などの無機物層25を形成することができる。
なお、無機物層25の組成について、例えば、光電子分光光度計、X線光電子分光装置(Xray Photoelectron Spectroscopy、XPS)、二次イオン質量分析装置(Secondary Ion Mass Spectroscopy、SIMS)等の表面分析装置を用い、深さ方向にイオンエッチングする等して分析する方法を利用して、酸化珪素膜の元素分析を行うことより、上記のような構成比や物性を確認することができる。
(無機酸化物)該無機酸化物膜としては、基本的に金属の酸化物を蒸着した薄膜であれば使用可能であり、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の金属の酸化物の無機酸化物膜を使用することができ、好ましくは、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)等の金属の酸化物である。無機酸化物膜は、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、マグネシウム酸化物等のように金属酸化物として呼ぶことができ、その表記は、例えば、SiOx、AlOx、MgOx等のようにMOx(ただし、式中、Mは、金属元素を表し、Xの値は、金属元素によってそれぞれ範囲がことなる。)で表される。また、上記のxの値の範囲としては、ケイ素(Si)は、0.1〜2、アルミニウム(Al)は、0.1〜1.5、マグネシウム(Mg)は、0.1〜1、カルシウム(Ca)は、0.1〜1、カリウム(K)は、0.1〜0.5、スズ(Sn)は、0.1〜2、ナトリウム(Na)は、0.1〜0.5、ホウ素(B)は、0.1〜1、5、チタン(Ti)は、0.1〜2、鉛(Pb)は、0.1〜1、ジルコニウム(Zr)は0.1〜2、イットリウム(Y)は、0.1〜1.5の範囲の値をとることができる。なお、上記式において、x=0の場合は完全な金属であり、透明ではなく使用することができない、また、xの範囲の上限は完全に酸化した値である。好ましい本発明の金属酸化物としては、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)の酸化物が好ましく、xの値としては、例えばケイ素(Si)であれば1.0〜2.0が、アルミニウム(Al)であれば0.5〜1.5が、チタン(Ti)であれば1.3〜2.0の範囲のものを使用することができる。
また、本発明において、無機物膜の膜厚としては、膜厚膜の膜厚としては、使用する金属、または金属の酸化物の種類等によって異なるが、例えば、1〜1000nm程度、好ましくは5〜500nm程度、さらに好ましくは20〜200nmの範囲内ある。この範囲以上では、その膜にクラック等が発生し易く、また、この範囲未満では、難燃性の効果を奏することが困難になる。
酸化珪素などの無機酸化物膜の膜厚は、無機酸化物膜の堆積速度を大きくすること、すなわち、モノマーガスと酸素ガス量を多くする方法や基材の走行速度を遅くする方法等によって行うことができ、適宜選択すればよい。その膜厚は、例えば、株式会社理学製の蛍光X線分析装置(機種名、RIX2000型)を用いてファンダメンタルパラメーター法、JOBIN YVON社製のエリプソメーターUVISELTM(商品名)などで測定することができる。
(酸化アルミニウム)酸化アルミニウムの無機酸化物膜の形成は、酸化アルミニウム、若しくは金属アルミニウムを酸素ガス中で、成膜(形成又は化学反応)し、その反応生成物が、基材フィルムの一方の面に密接着し、緻密な、柔軟性等に富む薄膜を形成するものであり、通常、一般式AlOx(ただし、xは0.5〜1.5の数を表す)で表される酸化アルミを主体とする連続状の薄膜である
(酸化チタン)酸化チタンの無機酸化物膜の形成は、酸化チタン、若しくは金属チタンを酸素ガス中で、製膜(形成or化学反応)し、その反応生成物が、基材フィルムの一方の面に密接着し、緻密な、柔軟性等に富む薄膜を形成するものであり、通常、一般式TiOx(ただし、xは1.3〜2.0の数を表す)で表される酸化チタンを主体とする連続状の薄膜である。
(無機窒化物)該無機窒化物膜としては、基本的に金属の窒化物を蒸着した薄膜であれば使用可能であり、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の金属の窒化物の無機窒化物膜を使用することができ、好ましくは、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)等の金属の窒化物である。無機窒化物膜は、ケイ素窒化物、アルミニウム窒化物、チタン窒化物等のように金属窒化物として呼ぶことができ、その表記は、例えば、SiNy、AlNy、TiNy等のようにMNy(ただし、式中、Mは、金属元素を表し、yの値は、金属元素によってそれぞれ範囲がことなる。)で表される。また、上記のyの値の範囲としては、ケイ素(Si)はy=0.1〜1.3、アルミニウム(Al)はy=0.1〜1.1、チタン(Ti)はy=0.1〜1.3、すず(Sn)はy=0.1〜1.3の範囲の値をとることができる。なお、上記式において、y=0の場合は完全な金属であり、透明ではなく使用することができない、また、y=の範囲の上限は完全に窒化した値である。好ましい本発明の金属窒化物としては、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)の酸化物が好ましく、y=の値としては、例えばケイ素(Si)であればy=0.5〜1.3、アルミニウム(Al)であればy=0.3〜1.0、チタン(Ti)であればy=0.5〜1.3、スズ(Sn)であればy=0.5〜1.3、の範囲のものを使用することができる。但し、着色した膜であっても、3〜15nmであれば透明性を保持できるために、用いられることがある。
(無機酸化窒化物膜)該無機酸化窒化物膜としては、基本的に金属の酸化窒化物を蒸着した薄膜であれば使用可能であり、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の金属の酸化窒化物の無機酸化窒化物膜を使用することができ、好ましくは、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)等の金属の酸化窒化物である。無機酸化窒化物膜は、ケイ素酸化窒化物、アルミニウム酸化窒化物、チタン酸化窒化物等のように金属酸化窒化物として呼ぶことができ、その表記は、例えば、SiOxNy、AlOxNy、TiOxNy等のようにMOxNy(ただし、式中、Mは、金属元素を表し、X及びyの値は、金属元素によってそれぞれ範囲がことなる。)で表される。また、上記のx及びyの値の範囲としては、ケイ素(Si)はx=1.0〜2.0、y=0.1〜1.3、アルミニウム(Al)はx=0.5〜1.0、y=0.1〜1.0、マグネシウム(Mg)はx=0.1〜1.0、y=0.1〜0.6、カルシウム(Ca)はx=0.1〜1.0、y=0.1〜0.5、カリウム(K)はx=0.1〜0.5、y=0.1〜0.2、スズ(Sn)はx=0.1〜2.0、y=0.1〜1.3、ナトリウム(Na)はx=0.1〜0.5、y=0.1〜0.2、ホウ素(B)はx=0.1〜1.0、y=0.1〜0.5、チタン(Ti)はx=0.1〜2.0、y=0.1〜1.3、鉛(Pb)はx=0.1〜1.0、y=0.1〜0.5、ジルコニウム(Zr)はx=0.1〜2.0、y=0.1〜1.0、イットリウム(Y)はx=0.1〜1.5、y=0.1〜1.0の範囲の値をとることができる。なお、上記式において、x=0の場合は完全な金属であり、透明ではなく使用することができない、好ましい本発明の金属窒化物としては、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、スズ(Sn)の酸化物が好ましく、x及びyの値としては、例えばケイ素(Si)であればx=1.0〜2.0、y=0.1〜1.3、アルミニウム(Al)であればx=0.5〜1.0、y=0.1〜1.0、チタン(Ti)であればx=1.0〜2.0、y=0.1〜1.3の範囲のものを使用することができる。但し、着色した膜であっても、3〜50nmであれば透明性を保持できるために、用いられることがある。
(無機酸化炭化物膜)該無機酸化炭化物膜としては、該無機酸化炭化物膜としては、基本的に金属の酸化炭化物を蒸着した薄膜であれば使用可能であり、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の金属の酸化炭化物の無機酸化炭化物膜を使用することができ、好ましくは、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)等の金属の酸化炭化物である。無機酸化炭化物膜は、ケイ素酸化炭化物、アルミニウム酸化炭化物、マグネシウム酸化炭化物等のように金属酸化炭化物として呼ぶことができ、その表記は、例えば、SiOxCz、AlOxCz、TiOxCz等のようにMOxCz(ただし、式中、Mは、金属元素を表し、x及びzの値は、金属元素によってそれぞれ範囲がことなる。)で表される。また、上記のx及びzの値の範囲としては、ケイ素(Si)はx=0.1〜1.95、z=0.1〜2.0、アルミニウム(Al)はx=0.1〜1.5、z=0.1〜2.0、マグネシウム(Mg)はx=0.1〜1.0、z=0.1〜1.5、カルシウム(Ca)はx=0.1〜1.0、z=0.1〜1.5、カリウム(K)はx=0.1〜0.5、z=0.1〜1.0、スズ(Sn)はx=0.1〜2.0、z=0.1〜2.0、ナトリウム(Na)はx=0.1〜0.5、z=0.1〜1.0、ホウ素(B)はx=0.1〜1.0、z=0.1〜1.5、チタン(Ti)はx=0.1〜2.0、z=0.1〜2.0、鉛(Pb)はx=0.1〜1.0、z=0.1〜2.0、ジルコニウム(Zr)はx=0.1〜2.0、z=0.1〜2.0、イットリウム(Y)はx=0.1〜1.5、z=0.1〜2.0の範囲の値をとることができる。なお、上記式において、x=0、z=0の場合は完全な金属であり、透明ではなく使用することができない、好ましい本発明の金属酸化炭化物としては、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)の酸化炭化物が好ましく、x及びzの値としては、例えばケイ素(Si)であればx=1.0〜1.95、z=0.1〜2.0、アルミニウム(Al)であればx=1.0〜1.5、z=0.1〜2.0、チタン(Ti)であればx=1.0〜2.0、z=0.1〜2.0、の範囲のものを使用することができる。
(一般式SiOxCz)好ましい炭素を含有する酸化珪素膜は、酸化珪素を主体としさらに、炭素元素を含有するものである。その一般式SiOxCzにおいて、炭素が少ない(z値が小さい)場合には基材フィルムとの密着性に欠け、炭素が多い(z値が大きい)場合には透湿度、酸素透過度が大きくなって難燃性が低下するので、一般式SiOxCzにおいて、x=0.1〜1.95、z=0.1〜2.0とすることが好ましい。
次に、酸化珪素等の炭素を含まない無機物膜を形成する有機珪素化合物等の蒸着用モノマーガスとしては、炭素を含有していると、薄膜中に残留してしまうので、例えば、モノシラン、ジシラン等の、炭素を含まずSi、H、O、Nの組合わた原料として使用することが、その取り扱い性、形成された連続膜の特性等から、特に、好ましい原料である。また、上記において、不活性ガスとしては、例えば、アルゴンガス、ヘリウムガス等を使用することができる。
次に、酸化炭化珪素等の炭素を含む無機物膜を形成する有機珪素化合物等の蒸着用モノマーガスとしては、例えば1.1.3.3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、テトラメトキシシラン(TMOS)、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、テトラエトキシシラン(TEOS)、ジメチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、トリメトキシシランなどを好ましく用いることができる他、テトラメチルジシロキサン、ノルマルメチルトリメトキシシランなどの公知のものを、1種又は2種以上を原料として使用することが、その取り扱い性、形成された連続膜の特性等から、特に、好ましい原料である。また、上記において、不活性ガスとしては、例えば、アルゴンガス、ヘリウムガス等を使用することができる。
(酸化珪素)本発明において、有機珪素化合物等の蒸着モノマーガスを使用して、真空成膜法で形成される酸化珪素の無機酸化物膜は、有機珪素化合物等の蒸着モノマーガスと酸素ガス等とが化学反応し、その反応生成物が、基材フィルムの一方の面に密接着し、緻密な、柔軟性等に富む薄膜を形成するものであり、通常、一般式SiOx(ただし、xは0.1〜2の数を表す)で表される酸化珪素を主体とする連続状の薄膜である。該酸化珪素の無機酸化物膜としては、透明性、難燃性等の点から、一般式SiOx(ただし、xは1.3〜2の数を表す。)で表される酸化珪素の無機酸化物膜を主体とする薄膜であることが好ましい。xの値は、蒸着モノマーガスと酸素ガスのモル比、プラズマのエネルギー等により変化するが、一般的に、xの値が小さくなれば膜自身は緻密になり酸素透過率は低下するが、膜自身が黄色性を帯び、透明性が悪くなる。
また、酸化珪素膜は、酸化珪素を主体とし、これに、更に、炭素、水素、珪素または酸素の1種類、または、その2種類以上の元素からなる化合物を少なくとも1種類を化学結合等により含有してもよい。例えば、C−H結合を有する化合物、Si−H結合を有する化合物、または、炭素単位がグラファイト状、ダイヤモンド状、フラーレン状等になっている場合、更に、原料の有機珪素化合物やそれらの誘導体を化学結合等によって含有する場合があるものである。具体例を挙げると、CH3部位を持つハイドロカーボン、SiH3シリル、SiH2シリレン等のハイドロシリカ、SiH2OHシラノール等の水酸基誘導体等を挙げることができる。上記以外でも、蒸着過程の条件等を変化させることにより、酸化珪素の無機酸化物膜中に含有される化合物の種類、量等を変化させることができる。
上記の化合物が、酸化珪素膜中に含有する含有量としては、0.1〜50%位、好ましくは、5〜20%位が望ましいものである。上記において、含有率が、0.1%未満であると、酸化珪素の無機酸化物膜の耐衝撃性、延展性、柔軟性等が不十分となり、曲げなどにより、擦り傷、クラック等が発生し易く、難燃性を安定して維持することが困難になり、また、50%を越えると、難燃性が低下して好ましくない。さらに、本発明においては、酸化珪素膜において、上記の化合物の含有量が、酸化珪素の無機酸化物膜の表面から深さ方向に向かって減少させることが好ましく、これにより、酸化珪素の無機酸化物膜の表面においては、上記の化合物等により耐衝撃性等を高められ、他方、基材フィルムとの界面においては、上記の化合物の含有量が少ないために、基材フィルムと酸化珪素膜との密接着性が強固なものとなるという利点を有するものである。
(無機窒化炭化物膜)該無機窒化炭化物膜としては、基本的に金属の窒化炭化物を蒸着した薄膜であれば使用可能であり、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の金属の窒化炭化物の無機窒化炭化物膜を使用することができ、好ましくは、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)等の金属の窒化炭化物である。無機窒化炭化物膜は、ケイ素窒化炭化物、アルミニウム窒化炭化物、チタン窒化炭化物等のように金属窒化炭化物として呼ぶことができ、その表記は、例えば、SiNyCz、AlNyCz、TiNyCz等のようにMNyCz(ただし、式中、Mは、金属元素を表し、y及びzの値は、金属元素によってそれぞれ範囲がことなる。)で表される。また、上記のy及びzの値の範囲としては、ケイ素(Si)はy=0.1〜1.3、z=0.1〜2.0、アルミニウム(Al)はy=0.1〜1.0、z=0.1〜1.5、マグネシウム(Mg)はy=0.1〜1.0、z=0.1〜1.5、カルシウム(Ca)はy=0.1〜1.0、z=0.1〜1.5、カリウム(K)はy=0.1〜0.3、z=0.1〜1.0、スズ(Sn)はy=0.1〜1.3、z=0.1〜2.0、ナトリウム(Na)はy=0.1〜0.3、z=0.1〜1.5、ホウ素(B)はy=0.1〜1.0、z=0.1〜1.5、チタン(Ti)はy=0.1〜1.3、z=0.1〜2.5、鉛(Pb)はy=0.1〜1.0、z=0.1〜1.5、ジルコニウム(Zr)はy=0.1〜1.3、z=0.1〜2.0、イットリウム(Y)はy=0.1〜1.0、z=0.1〜2.0の範囲の値をとることができる。なお、上記式において、x=0の場合は完全な金属であり、透明ではなく使用することができない、好ましい本発明の金属窒化炭化物としては、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)の窒化炭化物が好ましく、y及びzの値としては、例えばケイ素(Si)であればy=1.0〜1.4、z=0.1〜2.0、アルミニウム(Al)であればy=0.5〜1.0、z=0.1〜2.0、チタン(Ti)であればy=1.0〜1.3、z=0.1〜2.0、の範囲のものを使用することができる。但し、着色した膜であっても、3〜30nmであれば透明性を保持できるために、用いられることがある。
(無機酸化窒化炭化物膜)好ましい炭素含む無機酸化窒化物(無機酸化窒化炭化物)は、酸化窒化珪素や酸化窒化チタンを主体としさらに、炭素元素を含有するものである。その一般式MOxNyCzにおいて、炭素が少ない(z値が小さい)場合には基材フィルムとの密着性に欠け、炭素が多い(z値が大きい)場合には透湿度及び酸素透過度が大きくなって難燃性が低下する。M元素としては、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)などの金属を使用することができ、好ましくは、Si、Al、Tiである。但し、着色した膜であっても、3〜50nmであれば透明性を保持できるために、用いられることがある。
好ましい無機酸化窒化炭化物としては、例えば、一般式SiOxNyCzにおいて、x=0.1〜1.95、y=0.1〜1.2、z=0.1〜2.0とすることが好ましい。
また、一般式AlOxNyCzにおいて、x=0.1〜1.4、y=0.1〜0.9、z=0.1〜2.0の範囲の組成にすることにより、その酸化窒化アルミニウム薄膜の残留炭素成分の比率が低い薄膜となり、酸化窒化チタン薄膜の酸化による性能劣化を抑えることができ、透明性が高く、被CVD材(基材フィルム)との密着性に優れたものが得られる。
さらに、一般式TiOxNyCzにおいて、x=1.0〜1.8、y=0.5〜1.0、z=0.3〜1.5の範囲の組成にすることにより、その酸化窒化チタン薄膜の残留炭素成分の比率が低い薄膜となり、酸化窒化チタン薄膜の酸化による性能劣化を抑えることができ、透明性が高く、被CVD材(基材フィルム)との密着性に優れたものが得られる。該薄膜層を構成する材料には、四塩化チタンやテトライソプロポオキシドなどの有機チタン化合物が好適である。
x値がこの範囲未満ではTi−O結合が減少して膜応力が大きくなり、基材フィルムからの剥離や薄膜に欠けが生じて、バリア性が低下し、この範囲を超えると薄膜の酸化が進行して官能基が多く形成されるために、耐熱性や耐湿性に欠ける薄膜となって、難燃性が劣化する。
y値がこの範囲未満では膜密度が小さく緻密な膜ができないので、バリア性が低下し、この範囲を超えるとTi−N結合が増加して薄膜が硬質化するので、可とう性に欠けて外力によってバリア性が低下しやすく、難燃性が劣化する。
z値がこの範囲未満では基材フィルムとの界面での炭素含有成分が減少して、基材フィルムとの密着性が低下し、この範囲を超えると炭素含有成分が増加して、膜吸収により着色が発生する。
(厚さ)一般式TiOxNyCzにおける、好ましい厚さとしては、5〜500nmである。この範囲未満ではTiOxNyCz層が存在しない場合とほぼ同一のバリア性であり、バリア性が向上せず、この範囲を超えると膜応力が大きくなって、薄膜に亀裂が生じるために、難燃性が向上しない。
本発明において、上記のような無機酸化物層、無機窒化物層、無機酸化窒化物層、無機酸化炭化物層、無機窒化炭化物層又は無機酸化窒化炭化物層などの無機物層25の膜厚としては、使用する金属、または金属の酸化物の種類等によって異なるが、例えば、1〜1000nm程度、好ましくは5〜500nm程度、さらに好ましくは20〜200nmの範囲内で任意に選択して形成することが望ましい。また、本発明においては、無機酸化物、無機窒化物又は無機酸化窒化物膜としては、使用する金属、または金属の酸化物としては、1種または2種以上の混合物で使用し、異種の材質で混合した無機酸化物層、無機窒化物層、無機酸化窒化物層、無機酸化炭化物層、無機窒化炭化物層又は無機酸化窒化炭化物層膜を構成することもできる。
(易接着処理)また、基材フィルム11の無機物層25と反対面へ、例えば、熱接着層などの1又は複数の層を設けてもよい。また、基材フィルム11の熱接着層を設ける面へ、必要に応じて、塗布に先立って塗布面へ、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマ層(アンカーコート、接着促進剤、易接着剤とも呼ばれる)塗布処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、アルカリ処理、などの易接着処理を行ってもよい。
(他の層の形成)他の層としては、ヒートシール層、保護層、防汚層、ハードコート層のような任意の層でよく、ロールコート、リバースロールコート、グラビアコート、バーコート、キスコート、ダイコート、コンマコート、などの公知のコ−ティング方式で塗布し乾燥して、形成すればよい。
(環境負荷)また、本発明で形成した無機薄膜層は、極めて薄いので焼却処理しても環境負荷は著しく少ない。
更に、基材と無機薄膜層を薬品処理で剥離することができ、例えば、SiOxCzは熱アルカリ液(例えば、1NのNaOH水溶液)、AlOxは無機酸(例えば、1Nの塩酸)にて容易に剥離できる。層を構成する材料を分離することにより、基材のリサイクル及びリユースが可能とできる。
また、請求項1〜6のいずれかに記載の難燃性フィルムを用いて、他の層を付与したり、他の部材と組合わせて、住宅用内装材、電気製品又は印刷用フィルムとして、好適に使用できる。住宅用内装材としては、木目調フィルム、壁紙、天井材、ボード類などがある。 また、電気製品としては、パソコン、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、炊飯器、オーディオ、給湯器、エアコン、携帯電話、PDA、液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマディスプレイ等が有り、実際に適用する部材には、プリント配線基板、フラットケーブル、ディスプレイ用光学部材(反射防止フィルム、カラーフィルタ、偏光板、位相差フィルム、拡散フィルム、ディスプレイ基板、PDP用光学フィルタ)、投影用スクリーン、筐体、仕切り、置台などがある。
さらに、又は印刷用フィルムとしては、車内広告、ポスター、カレンダー類などがある。
本発明の難燃性フィルムを用いた、住宅用内装材、電気製品又は印刷用フィルムは、侵入酸素による基材フィルムの分解を抑制させるので、難燃性に優れ、さらに、優れた難燃性のために、必要に応じて積層されている他の層へ難燃剤を含有させる場合でも、その含有量を減ずることができる。
また、廃棄焼却時にも塩素、ダイオキシンなどの有害物質を排出しないので、環境への負荷の少なく環境適性に優れる。
さらに、特に、本発明で用いた炭素を含有する無機物は、熱アルカリ(例えば、60℃の1Nの水酸化ナトリウム水溶液)にて剥離が可能であり、焼却処理ではなく、基材フィルムのリサイクル及びリユースも可能となる。
(変形形態)本発明は、次のように変形して実施することを含むものである。
本発明の難燃性フィルムは、直接又は他の層を介して、基材フィルムの少なくとも一方の面に、無機物層を設けるが、他の層を印刷層として、基材/印刷層/無機酸化物層、無機窒化物層又は無機酸化窒化物層の構成としてもよい。無機酸化物層、無機窒化物層、無機酸化窒化物層、無機酸化炭化物層、無機窒化炭化物層又は無機酸化窒化炭化物層は透明性が高く、溶剤を用いないため、印刷層上に設けることが容易で、印刷効果も高い。また、印刷層は任意に設けてもよく、印刷層/基材/無機酸化物層、無機窒化物層、無機酸化窒化物層、無機酸化炭化物層、無機窒化炭化物層又は無機酸化窒化炭化物層、基材/無機酸化物層、無機窒化物層、無機酸化窒化物層、無機酸化炭化物層、無機窒化炭化物層又は無機酸化窒化炭化物層/印刷層、などの構成がとれる。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。
[参考例1]
基材として厚さが25μmの東洋紡エステルE5000(東洋紡績社製、PETフィルム商品名)を用いて、膜厚20nmの酸化アルミニウム膜を真空蒸着法により形成して、参考例1の難燃性フィルムを得た。
[参考例2]
膜厚を3nmとする以外は、参考例1と同様にして、難燃性フィルムを得た。
[参考例3]
膜厚を520nmとする以外は、参考例1と同様にして、難燃性フィルムを得た。
[参考例4]
膜厚を20nmの酸化珪素とする以外は、参考例1と同様にして、難燃性フィルムを得た。
[参考例5]
基材として厚さが25μmの東洋紡エステルE5000(東洋紡績社製、PETフィルム商品名)を用いて、膜厚200nmの酸化珪素膜を真空蒸着法により形成して、難燃性フィルムを得た。
[参考例6]
基材として厚さが25μmの東洋紡エステルE5000(東洋紡績社製、PETフィルム商品名)を用いて、膜厚25nmのTiOx膜を真空蒸着法により形成して、難燃性フィルムを得た。
[参考例7]
基材として厚さが25μmの東洋紡エステルE5000(東洋紡績社製、PETフィルム商品名)を用いて、膜厚10nmのSiNy膜を、表に記載の条件によるプラズマCVD法で形成して、難燃性フィルムを得た。
[参考例8]
基材として厚さが25μmの東洋紡エステルE5000(東洋紡績社製、PETフィルム商品名)を用いて、膜厚10nmのAlNy膜を、表に記載の条件によるプラズマCVD法で形成して、難燃性フィルムを得た。
[参考例9]
基材として厚さが25μmの東洋紡エステルE5000(東洋紡績社製、PETフィルム商品名)を用いて、膜厚10nmのTiNy膜を、表に記載の条件によるプラズマCVD法で形成して、難燃性フィルムを得た。
[参考例10]
基材として厚さが25μmの東洋紡エステルE5000(東洋紡績社製、PETフィルム商品名)を用いて、膜厚15nmのSiOxNy膜を、表に記載の条件によるプラズマCVD法で形成して、難燃性フィルムを得た。
[参考例11]
基材として厚さが25μmの東洋紡エステルE5000(東洋紡績社製、PETフィルム商品名)を用いて、膜厚15nmのAlOxNy膜を、表に記載の条件によるプラズマCVD法で形成して、難燃性フィルムを得た。
[参考例12]
基材として厚さが25μmの東洋紡エステルE5000(東洋紡績社製、PETフィルム商品名)を用いて、膜厚15nmのTiOxNy膜を、表に記載の条件によるプラズマCVD法で形成して、難燃性フィルムを得た。
[参考例13]
基材として厚さが25μmの東洋紡エステルE5000(東洋紡績社製、PETフィルム商品名)を用いて、膜厚15nmのSiNyCz膜を、表に記載の条件によるプラズマCVD法で形成して、難燃性フィルムを得た。
[参考例14]
基材として厚さが25μmの東洋紡エステルE5000(東洋紡績社製、PETフィルム商品名)を用いて、膜厚15nmのAlNyCz膜を、表に記載の条件によるプラズマCVD法で形成して、難燃性フィルムを得た。
[参考例15]
基材として厚さが25μmの東洋紡エステルE5000(東洋紡績社製、PETフィルム商品名)を用いて、膜厚15nmのTiNyCz膜を、表に記載の条件によるプラズマCVD法で形成して、難燃性フィルムを得た。
[参考例16]
基材として厚さが25μmの東洋紡エステルE5000(東洋紡績社製、PETフィルム商品名)を用いて、膜厚20nmのSiOxCz膜を、表に記載の条件によるプラズマCVD法で形成して、難燃性フィルムを得た。
[参考例17]
基材として厚さが25μmの東洋紡エステルE5000(東洋紡績社製、PETフィルム商品名)を用いて、膜厚20nmのAlOxCz膜を、表に記載の条件によるプラズマCVD法で形成して、難燃性フィルムを得た。
[参考例18]
基材として厚さが25μmの東洋紡エステルE5000(東洋紡績社製、PETフィルム商品名)を用いて、膜厚20nmのTiOxCz膜を、表に記載の条件によるプラズマCVD法で形成して、難燃性フィルムを得た。
[参考例19]
基材として厚さが25μmの東洋紡エステルE5000(東洋紡績社製、PETフィルム商品名)を用いて、膜厚15nmのSiOxNyCz膜を、表に記載の条件によるプラズマCVD法で形成して、難燃性フィルムを得た。
[実施例1]
基材として厚さが25μmの東洋紡エステルE5000(東洋紡績社製、PETフィルム商品名)を用いて、膜厚15nmのAlOxNyCz膜を、表に記載の条件によるプラズマCVD法で形成して、難燃性フィルムを得た。
[実施例2]
(実施例6)
基材として厚さが25μmの東洋紡エステルE5000(東洋紡績社製、PETフィル
ム商品名)を用いて、膜厚15nmのTiOxNyCz膜を、表に記載の条件によるプラ
ズマCVD法で形成して、難燃性フィルムを得た。
(比較例1)
基材として厚さが25μmの東洋紡エステルE5000(東洋紡績社製、PETフィルム商品名)をもちいて、金属酸化物層を設けない未蒸着フィルムを比較例1の難燃性フィルムとした。
(評価方法)評価は、燃焼性試験、酸素透過度、透湿度、ヘイズ、全光線透過率、引張破壊強さ、引張破壊伸び、引張弾性率で行った。
(1)燃焼性試験は、アンダーラボラトリーズ社発行のプラスチック材料の燃焼性試験規格UL94の垂直燃焼試験方法に準じ、UL94VTMランクを判定した。(2)酸素透過度はJIS−K7126に準拠し、(3)透湿度は、JIS−K7129に準拠し、(4)ヘイズはJIS−K7125に準拠し、(5)全光線透過率はJIS−K7125に準拠し、(6)引張破壊強さ、(7)引張破壊伸び、及び(8)引張弾性率はJIS−K7127に準拠し、縦方向のみを測定した。なお、金属酸化物膜厚は蛍光X線法で測定した。測定結果を「表1〜」に示す。
Figure 0004617086
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(測定結果)参考例1〜19および実施例1〜2では、比較例1の金属酸化物層を設けていないフィルムと比較して、いずれも、ヘイズ及び全光線透過率の光学特性、引張破壊強さ、引張破壊伸び及び引張弾性率の機械特性に劣化は認められず、難燃性はVTM−0〜1であった。比較例1の難燃性はVTM基準に達っしなかった。
本発明の1実施例を示す難燃性フィルムの断面図である。 本発明で好適に使用できるCVD装置の説明図である。
10:難燃性フィルム
11:基材フィルム
25:金属酸化物層
200:CVD装置
210:真空容器
211:給紙部
213:成膜部
215:巻取部
221:a室
223:b室
225:c室
231:電極ドラム
241、243、245:電極
251.253、255:ガス供給ノズル

Claims (5)

  1. 直接又は他の層を介して、基材フィルムの少なくとも一方の面に、無機物層を有する難燃性フィルムにおいて、前記無機物層がバリア性を有する酸化窒化炭化アルミニウム層、又は酸化窒化炭化チタン層のいずれかであり、
    前記酸化窒化炭化アルミニウム層を構成する酸化窒化炭化アルミニウムが、一般式AlOxNyCzにおいて、x=0.1〜1.4、y=0.1〜0.9、z=0.1〜2.0の範囲の組成であり、
    前記酸化窒化炭化チタン層を構成する酸化窒化炭化チタンが、一般式TiOxNyCzにおいて、x=1.0〜1.8、y=0.5〜1.0、z=0.3〜1.5の範囲の組成であることを特徴とする難燃性フィルム。
  2. 上記無機物層の厚さが5〜500nmであることを特徴とする請求項1に記載の難燃性フィルム。
  3. 請求項1〜2のいずれかに記載の難燃性フィルムにおいて、JIS−K7129に準拠する透湿度が10g/mday以下、及び/又はJIS−K7126に準拠する酸素透過度10cm/mday以下であることを特徴とする難燃性フィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性フィルムにおいて、UL94規格VTM−0の難燃性を有することを特徴とする難燃性フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性フィルムを用いたことを特徴とする難燃性の住宅用内装材、電気製品又は印刷用フィルム。
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