JP4616971B2 - 1−アザビシクロアルカン化合物およびその医薬用途 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中枢神経系の疾患に有用な医薬を提供するための新規1−アザビシクロアルカン化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ニコチン受容体は、数多くのサブタイプが存在することが知られており、現在までに、少なくとも11個のサブタイプ(α2−9およびβ2−4)が同定されている(総説:Trends in Pharmacological Sciences, 12:34-40, 1991; Progress in Neurobiology, 53:199-237,1997)。ニコチン受容体は、これらのサブタイプの5量体として存在し、イオンチャンネルを形成し、カルシウムイオン等を細胞内に取り入れることが知られている。脳内には、主に2種類のサブタイプ(α4β2とα7)が存在することが知られているが、α4β2ニコチン受容体は、α4サブユニットおよびβ2サブユニットのヘテロオリゴマーとして、α7ニコチン受容体は、α7サブユニットのホモオリゴマーとして形成されている。また、これらのサブタイプ(α4β2ニコチン受容体およびα7ニコチン受容体)は、脳内の幅広い部位(大脳皮質、海馬など)に分布している。
中枢神経系におけるニコチン受容体(α4β2ニコチン受容体およびα7ニコチン受容体)は、神経の発生・分化、学習および記憶の形成、報酬といった種々の生理的機能に関与していることが知られている(総説:Brain Research Reviews, 26:198-216, 1998; Trends in Neurosciences, 22:555-561, 1999; Molecular Neurobiology, 20:1-16, 1999)。前シナプスに存在するニコチン受容体は、いろいろな神経伝達物質(アセチルコリン、ドーパミン、グルタミン酸など)の放出において重要な役割を果たしていることが知られている(総説:Trends in Pharmacological Sciences, 20:92-98, 1997; Annual Reviews of Neuroscience 22:443-485, 1999; Molecular Neurobiology, 20:1-16, 1999)。また、後シナプスに存在するニコチン受容体は、コリン系神経伝達において重要な役割を果たしていることが知られている(総説:Trends in Pharmacological Sciences, 22:555-561, 1999; Molecular Neurobiology, 20:1-16, 1999)。
【0003】
一方、アセチルコリン系は中枢神経系の主要な神経伝達物質の一つであり、大脳皮質や海馬の神経活動の調節に重要な役割を果たしていることが知られており、各種の中枢性疾患の病態に関与している可能性が指摘されている。例えば、アルツハイマー病患者の剖検脳の大脳皮質や海馬では、アセチルコリン系の中でもニコチン受容体(α4β2ニコチン受容体およびα7ニコチン受容体)の受容体の減少が報告されている(Journal of Neurochemistry, 46:288-293, 1986; Alzheimer's Disease Reviews, 3:20-27, 1998; Alzheimer's Disease Reviews, 3:28-34, 1998)。さらに、アルツハイマー病患者のリンパ球におけるα7ニコチン受容体のmRNAの量が、正常者のリンパ球のα7ニコチン受容体のmRNAの量と比較して有意に増加していることが報告されている(Alzheimer's Research, 3:29-36,1997)。また、アルツハイマー病患者の海馬におけるα7ニコチン受容体のmRNAの量が、正常者の海馬のα7ニコチン受容体のmRNAの量と比較して有意に増加していることが報告されている(Molecular Brain Research, 66:94-103, 1999)。この報告において、他のサブタイプ(α3およびα4)のmRNAの量は、正常者の脳とアルツハイマー病の患者脳の間に、差は認められなかったことより、α7ニコチン受容体がアルツハイマー病の病態において重要な役割を果たしていることが示唆される。
ラット大脳皮質の初代培養系を用いた試験において、アミロイドβペプチドによる神経毒性をニコチンがα7ニコチン受容体を介して神経保護作用を示すことが報告されている(Annuals of Neurology, 42:159-163, 1997)。アミロイドβペプチドによる神経毒性の機序の一つとして、ラジカル反応による酸化ストレス説があり、ニコチン受容体の刺激が、細胞内の酸化ストレスを調節している可能性が示唆されている。したがって、α7ニコチン受容体がアルツハイマー病の病因、あるいは治療薬としての作用部位に関わっている可能性が高いと考えられる。
【0004】
他方、精神***病患者とα7ニコチン受容体との関連が注目されている(総説:Harvard Reviews of Psychiatry, 2:179-192, 1994; Schizophrenia Bulletin, 22:431-445, 1996; Schizophrenia Bulletin, 24:189-202, 1998; Trends in Neurosciences, 22:555-561, 1999)。また精神***病患者の剖検脳(海馬や前頭皮質など)のα7ニコチン受容体数が減少していることが報告されている(Schizophrenia Bulletin, 22:431-445, 1996; Schizophrenia Bulletin, 24:189-202, 1998; NeuroReport, 10:1779-1782, 1999)。また、精神***病患者で観察されるsensory gatingの異常が、ニコチンの投与によって改善すること、さらにこの現象にα7ニコチン受容体が関与していることが報告されている。したがって、α7ニコチン受容体が精神***病の病因に関わっている可能性が高いと考えられる。
ところで、精神***病の病態のメカニズムは、現在のところ明らかではないが、興奮性アミノ酸の一つであるグルタミン酸の神経伝達系が低下している仮説が幅広く提唱されている(総説:Harvard Reviews of Psychiatry, 3:241-253, 1996; American Journal of Psychiatry, 148:1301-1308, 1991; Archives of General Psychiatry, 52:998-1007, 1995)。α7ニコチン受容体の作動薬は、前シナプスからのグルタミン酸を放出することにより、低下しているグルタミン酸の神経伝達系を活性化し、精神***病患者で見られる症状(陽性症状、陰性症状、認知機能障害など)を改善すると思われる。このように、α7ニコチン受容体が精神***病の治療薬の作用部位に関わっている可能性が高いと考えられる。
【0005】
さらに、喫煙の依存に関与していると考えられている報酬系にも、α7ニコチン受容体が存在していることより、α7ニコチン受容体の作動薬は喫煙の抑制にも関与する可能性がある(Trends in Neurosciences, 22:555-561, 1999; NeuroReport, 10:697-702, 1999; Neurosciences, 85:1005-1009, 1998)。これらのことよりα7ニコチン受容体作動薬またはα7ニコチン受容体部分作動薬は、アルツハイマー病、認知機能障害、注意欠陥多動性障害、不安、うつ病、精神***病、てんかん、痛み、トウレット症候群、パーキンソン氏病、ハンチントン病などの治療薬または予防薬として有用であり、α4β2ニコチン受容体作動薬である化合物と比較して利点を有していると考えられる。従って、α7ニコチン受容体に選択的な作動薬または部分作動薬が望ましい。また、本薬剤は神経保護作用を有しているので、コリン性神経伝達が異常をきたしている神経変性疾患の治療あるいは予防としても有用である。さらに、喫煙の抑制を促すのに使用できる。
【0006】
先行するα7ニコチン受容体部分作動薬としては3−[(2,4−ジメトシキ)ベンジリデン]アナバセイン(開発コードGTS-21:WO94/05288)、α7ニコチン受容体作動薬としてはスピロ[1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3,5'−オキサゾリジン−2'−オン](開発コードAR-R 17779:WO96/06098)が知られているが、いずれもα7受容体への親和性が弱い、脳内移行性が低いなどの問題点を有することが知られている。
また、WO97/30998号には、α7nAChR(α7ニコチンアセチルコリン受容体)のアゴニストであるカルバミン酸のアザビシクロエステル化合物が開示されているが、この化合物の受容体に対する親和性は強いものではない。
さらに、本件化合物の構造類似として、ムスカリン様受容体に親和性を有する1−アザシクロアルカン化合物(特開平4−226981号)、カルシウムチャンネル拮抗薬としてのアザビシクロ化合物(特表平7−503463号公報)、スクワレンシンセターゼ阻害剤としてのキヌクリジン誘導体(特表平8−500098号および特表平8−504803号)、3−(2−オキソ−2−フェニルエチル)キヌクリジンおよび3−(2−フェニルエチル)キヌクリジン(Khim.Geterotsikl. Soedin. 1983年,第3巻,381−385頁(Chemical Abstract, 100:22563w))などが知られている。しかしながら、これらはいずれもα7ニコチン受容体作動薬を目的としたものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は強力なα7ニコチン受容体作動作用もしくはα7ニコチン受容体部分作動作用を有し、アルツハイマー病、認知機能障害、注意欠陥多動性障害、不安、うつ病、精神***病、てんかん、痛み、トウレット症候群、パーキンソン氏病、ハンチントン病などの治療薬または予防薬、コリン性神経伝達が異常をきたしている神経変性疾患の治療薬あるいは予防薬、さらには禁煙薬として有用な新規化合物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討を行った結果、下記一般式(I)により表される1−アザビシクロアルカン化合物、その光学活性体またはその医薬上許容しうる塩が、α7ニコチン受容体に対して選択的かつ強力な親和性を有すること、特に選択的かつ強力なα7ニコチン受容体作動作用、あるいはα7ニコチン受容体部分作動作用を有することを見出した。したがって、本発明化合物はアルツハイマー病、認知機能障害、注意欠陥多動性障害、不安、うつ病、精神***病、てんかん、痛み、トウレット症候群、パーキンソン氏病、ハンチントン病などの治療薬または予防薬、コリン性神経伝達が異常をきたしている神経変性疾患の治療薬あるいは予防薬、さらには禁煙薬として有用となりうる。
本発明は以下の通りである。
1.一般式(I)
【0009】
【化10】
Figure 0004616971
【0010】
(式中、Xは存在しないか、またはO、SまたはNHを示す。
YはCH2またはC=Oを示す。
mは1または2を示す。
nは0または1〜3の整数を示す。
Arは置換基を有していてもよい二環式芳香族複素環、または置換基を有していてもよいナフチル基を示す。)
により表される1−アザビシクロアルカン化合物、その光学異性体またはその医薬上許容しうる塩。
2. 二環式芳香族複素環がベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾチアゾールまたはベンゾイミダゾールである前記1記載の1−アザビシクロアルカン化合物、その光学異性体またはその医薬上許容しうる塩。
【0011】
3. 以下の化合物から選ばれる前記1記載の1−アザビシクロアルカン化合物、その光学異性体またはその医薬上許容しうる塩。
(1)3−((ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)メトキシ)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン
(2)(R)−3−((ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)メトキシ)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン
(3)(S)−3−((ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)メトキシ)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン
(4)3−((ベンゾ[b]チオフェン−3−イル)メトキシ)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン
(5)3−((2−ナフチル)メトキシ)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン
(6)3−((1−ナフチル)メトキシ)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン
(7)3−(2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)エチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン
(8)(+)−3−(2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)エチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン
(9)(−)−3−(2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)エチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン
(10)3−(2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−オキソエチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン
(11)(+)−3−(2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−オキソエチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン
(12)(−)−3−(2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−オキソエチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン
(13)3−(2−(ベンゾチアゾール−2−イル)−2−オキソエチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン
(14)3−(2−(1−メチルベンゾイミダゾール−2−イル)−2−オキソエチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン
(15)3−(2−(ベンゾ[b]フラン−2−イル)−2−オキソエチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン
(16)3−((ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン
(17)3−((ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)カルボニル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン
(18)3−(3−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)プロピル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン
(19)3−(3−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−3−オキソプロピル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン
【0012】
4. 一般式(I)の1−アザビシクロアルカン化合物、その光学異性体またはその医薬上許容しうる塩からなるα7ニコチン受容体のリガンド。
5. 一般式(I)の1−アザビシクロアルカン化合物、その光学異性体またはその医薬上許容しうる塩からなるα7ニコチン受容体作動薬またはα7ニコチン受容体部分作動薬。
6. 一般式(I)の1−アザビシクロアルカン化合物、その光学異性体またはその医薬上許容しうる塩からなる認知障害改善薬。
7. 一般式(I)の1−アザビシクロアルカン化合物、その光学異性体またはその医薬上許容しうる塩からなる抗痴呆薬。
8. 一般式(I)の1−アザビシクロアルカン化合物、その光学異性体またはその医薬上許容しうる塩からなる精神***病治療薬。
9. 一般式(I)の1−アザビシクロアルカン化合物、その光学異性体またはその医薬上許容しうる塩からなる精神***病の陰性症状改善薬。
10. 一般式(I)の1−アザビシクロアルカン化合物、その光学異性体またはその医薬上許容しうる塩からなる注意欠陥多動性障害治療薬。
11. 一般式(I)の1−アザビシクロアルカン化合物、その光学異性体またはその医薬上許容しうる塩からなるアルツハイマー病治療薬。
【0013】
【発明の実施の形態】
上記一般式(I)における各基の具体例は次の通りである。
Arにおける二環式芳香族複素環とは芳香族複素環とベンゼン環もしくは同一または異なった芳香族複素環同士がお互いの環の一部を共有し縮合した構造を示し、ベンゾキサゾール、ベンゾチアゾール、1,2−ベンズイソキサゾール、1,2−ベンズイソチアゾール、インドール、1−ベンゾフラン、1−ベンゾチオフェン、キノリン,イソキノリン,キナゾリンなどが挙げられる。またArは、その環上の任意の炭素原子からYと結合することができる。
【0014】
二環式芳香族複素環の置換基としては、
(1)フッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれるハロゲン、
(2)メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第3級ブチルなどから選ばれる炭素数1〜4のアルキル、
(3)メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、第3級ブトキシなどから選ばれる炭素数1〜4のアルキルと酸素原子とから構成されるアルコキシ、
(4)フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチルなどの炭素数1〜4のハロアルキル、
(5)ヒドロキシ、
(6)アミノ、
(7)ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N−メチル−N−エチルアミノ、ピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル等から選ばれる炭素数1〜4のアルキルを各々が独立に有し、アルキル部分は環を形成してもよいジアルキルアミノ、(8)ニトロ、
(9)シアノ、
(10)ホルミル、アセチル、プロピオニル、2−メチルプロピオニル、ブチリルなどから選ばれる炭素数1〜4のアルキルとカルボニルから構成されるアシル、
(11)カルボン酸、
(12)メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、第3級ブトキシカルボニルなどから選ばれる炭素数1〜4のアルコキシとカルボニルから構成されるエステル、(13)カルバモイル、
(14)モノアルキルアミノまたはジアルキルアミノとカルボニルから構成されるN−アルキルカルバモイルまたはN,N−ジアルキルカルバモイル、
(15)アシル(前記と同義)とアミノから構成されるアシルアミノまたはジアシルアミノ、
(16)チオール、
(17)メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオなどから選ばれる炭素数1〜4のアルキルと硫黄原子とから構成されるアルキルチオ、
(18)エステルとアミノから構成されるアルコキシカルボニルアミノ、
(19)スルファモイル、
(20)モノアルキルアミノまたはジアルキルアミノとスルホンから構成されるN−アルキルスルファモイルまたはN,N−ジアルキルスルファモイル、
などが挙げられ、Arの任意の炭素原子に1個以上、好ましくは1〜3個置換されていてもよい。またAr上の隣接した炭素原子上に上記に示した同一または異なった置換基が存在する場合,隣接した置換基同士で新たに環を形成していてもよい。
【0015】
一般式(I)に含まれる好ましい化合物は以下の通りである。番号は実施例番号を示す。
(1)3−((ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)メトキシ)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン、
(2)(R)−3−((ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)メトキシ)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン、
(3)(S)−3−((ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)メトキシ)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン、
(5)3−((2−ナフチル)メトキシ)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン、
(7)3−(2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)エチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン、
(8)(+)−3−(2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)エチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン、
(9)(−)−3−(2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)エチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン、
(10)3−(2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−オキソエチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン、
(11)(+)−3−(2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−オキソエチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン、
(12)(−)−3−(2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−オキソエチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン、
(13)3−(2−(ベンゾチアゾール−2−イル)−2−オキソエチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン、
(15)3−(2−(ベンゾ[b]フラン−2−イル)−2−オキソエチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン。
【0016】
一般式(I)の化合物およびその医薬上許容しうる塩としては無機酸(塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸など)または有機酸(酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、マレイン酸、フマル酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、アスコルビン酸など)との酸付加塩が挙げられる。また、化合物の結晶化を目的としてシュウ酸塩とすることもできる。
一般式(I)の化合物および水和物あるいはその医薬上許容しうる塩は水和物あるいは溶媒和物の形で存在することもあるので、これらの水和物(1/2水和物、1/3水和物、1水和物、3/2水和物、2水和物、3水和物など)、溶媒和物もまた本発明に包含される。また一般式(I)の化合物が不斉原子を有する場合には少なくとも2種類の光学異性体が存在する。これらの光学異性体およびそのラセミ体は本発明に包含される。
【0017】
一般式(I)に含まれる本発明化合物は次の方法によって合成することができる。反応式において、各記号の定義は特に示さない限り、前記と同義である。
合成法1
【0018】
【化11】
Figure 0004616971
【0019】
式(1)の化合物と式(2)の化合物(式中、Jは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフルオロメタンスルフォニルオキシ、p−トルエンスルフォニルオキシ、メタンスルフォニルオキシなどの有機合成化学上一般的に用いられる適当な脱離基を示す。)をナトリウムメトキシド,ナトリウムエトキシド,カリウムメトキシド,カリウムエトキシド,カリウム第3級ブトキシド,ナトリウム,カリウム,炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム,酢酸カリウム,水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム,ブチルリチウムなどの有機合成化学上一般的に用いられる適当な塩基の存在下,反応の進行を阻害しない適当な溶媒(ベンゼン,トルエン,キシレン,ジメチルフォルムアミド,ジメチルスルフォキシド,N−メチル−2−ピロリドン,またはこれらの混合溶媒など)中, 室温から溶媒の還流温度で0.1〜48時間反応させ,さらに希塩酸,希硫酸など有機合成化学上一般的に用いられる適当な酸を用いてホウ素を脱保護させることによって式(3)に示した化合物を得ることができる。
合成法2
【0020】
【化12】
Figure 0004616971
【0021】
式(4)の化合物とN,O−ジメチルヒドロキシルアミンを反応の進行を阻害しない適当な溶媒(ベンゼン,トルエン,キシレン,酢酸エチル,ジメチルフォルムアミド,ジメチルアセタミド,ジメチルスルフォキシド,N−メチル−2−ピロリドン,塩化メチレン,クロロホルム,二塩化エチレン,テトラヒドロフラン、ジオキサン,ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルまたはこれらの任意の混合溶媒など)中,反応の進行を阻害しない適当な塩基(トリエチルアミン,ピリジン、ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルエチルアミン,炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなど)の存在下,−78℃から溶媒の還流温度で適当な縮合剤(シアノリン酸ジエチル,ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(Bop試薬),1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(WSCI),1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCCD)など)を加えて0.1〜48時間反応させることによって式(5)に示した化合物を得ることができる。また式(5)の化合物は化合物(4)を反応の進行を阻害しない適当な溶媒(ベンゼン,トルエン,キシレン,酢酸エチル,ジメチルフォルムアミド,ジメチルアセタミド,ジメチルスルフォキシド,N−メチル−2−ピロリドン,塩化メチレン,クロロホルム,二塩化エチレン,またはこれらの任意の混合溶媒など)中,反応の進行を阻害しない適当な塩基(トリエチルアミン,ピリジン、ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルエチルアミン,炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなど)の存在下,−20℃〜10℃で適当な酸塩化物(塩化ピバロイル,クロロ炭酸イソブチル,クロロ炭酸エチルなど)を加えて生成した混合酸無水物にN,O−ジメチルヒドロキシルアミンを加えて0℃〜溶媒の還流温度で0.1〜48時間反応させることによっても得ることができる。さらには式(5)の化合物は化合物(4)に適当なハロゲン化剤(オキシ塩化リン、五塩化リン、塩化チオニル、三臭化リン、五臭化リン,臭化チオニルなど)もしくは1,1’−カルボニルビス−1H−イミダゾールなどを用いて反応性中間体を得,この反応性中間体とN,O−ジメチルヒドロキシルアミンを反応させることでも得ることができる.
【0022】
式(6)の化合物(式中,Mはリチウム,マグネシウムクロリド,マグネシウムブロミドなどの金属を表す)と式(5)の化合物を反応の進行を妨げない溶媒中(ジエチルエーテル,ジイソプロピルエーテル,テトラヒドロフラン,1,4−ジオキサン,またはこれらの混合溶媒など),−78℃〜溶媒の還流温度で0.1〜24時間反応させることで式(7)の化合物を得ることができる。式(7)の化合物をトリフルオロ酢酸中トリエチルシランを加えて0℃〜溶媒の還流温度で0.1〜24時間反応させることで式(8)の化合物を得ることができる。また式(8)の化合物は一旦式(7)の化合物を水素化ホウ素ナトリウム,水素化リチウムアルミニウム,水素化ジイソブチルアルミニウムなどの適当な還元剤をもちいてアルコール体を得,このアルコール体をアセトニトリルに溶解させ,ヨウ化ナトリウムおよびクロロトリメチルシランを加えて0℃〜溶媒の還流温度で0.1〜24時間反応させることでも得ることができる。
【0023】
このようにして得られる本発明化合物は再結晶法、カラムクロマト法などの常法により単離精製することができる。得られる生成物がラセミ体であるときは、たとえば光学活性な酸との塩の分別再結晶により、もしくは光学活性な担体を充填したカラムを通すことにより、所望の光学活性体に分割することができる。個々のジアステレオマーは分別結晶化、クロマトグラフィーなどの手段によって分離することができる。これらは光学活性な原料化合物などを用いることによっても得られる。また、立体異性体は再結晶法、カラムクロマト法などにより単離することができる。
【0024】
本発明の1−アザビシクロアルカン化合物、その光学異性体またはその医薬上許容しうる塩を医薬として用いる場合、本発明化合物を製剤上許容しうる担体(賦形剤、結合剤、崩壊剤、矯味剤、矯臭剤、乳化剤、希釈剤、溶解補助剤など)と混合して得られる医薬組成物あるいは製剤(錠剤、ピル剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、エマルジョン剤、エリキシル剤、懸濁剤、溶液剤、注射剤、点滴剤あるいは坐剤など)の形態で経口的または非経口的に投与することができる。医薬組成物は通常の方法にしたがって製剤化することができる。
本明細書において、非経口とは、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射あるいは点滴法などを含むものである。注射用調剤、たとえば無菌注射用水性懸濁物あるいは油性懸濁物は、適当な分散化剤または湿化剤および懸濁化剤を用いて当該分野で知られた方法で調製することができる。その無菌注射用調剤は、また、たとえば水溶液などの非毒性の非経口投与することのできる希釈剤あるいは溶剤中の無菌の注射のできる溶液または懸濁液であってもよい。使用することのできるベヒクルあるいは溶剤として許されるものとしては、水、リンゲル液、等張食塩液などがあげられる。さらに、通常溶剤または懸濁化溶媒として無菌の不揮発性油も用いることができる。このためには、いかなる不揮発性油も脂肪酸も使用でき、天然あるいは合成あるいは半合成の脂肪性油または脂肪酸、そして天然あるいは合成あるいは半合成のモノあるいはジあるいはトリグリセリド類も包含される。
【0025】
直腸投与用の坐剤は、その薬物と適当な非刺激性の補形剤、たとえば、ココアバターやポリエチレングリコール類といった常温では固体であるが、腸管の温度では液体で、直腸内で融解し、薬物を放出するものなどと混合して製造することができる。
経口投与用の固形投与剤型としては、粉剤、顆粒剤、錠剤、ピル剤、カプセル剤などの上記したものがあげられる。そのような剤型において、活性成分化合物は少なくとも一つの添加物、たとえばショ糖、乳糖、セルロース糖、マニトール、マルチトール、デキストラン、デンプン類、寒天、アルギネート類、キチン類、キトサン類、ペクチン類、トラガントガム類、アラビアゴム類、ゼラチン類、コラーゲン類、カゼイン、アルブミン、合成または半合成のポリマー類またはグリセリド類と混合することができる。そのような剤型物は、また、通常の如く、さらなる添加物を含むことができ、たとえば不活性希釈剤、マグネシウムステアレートなどの滑沢剤、パラベン類、ソルビン類などの保存剤、アスコルビン酸、α−トコフェロール、システインなどの抗酸化剤、崩壊剤、結合剤、増粘剤、緩衝剤、甘味付与剤、フレーバー付与剤、パーフューム剤などがあげられる。錠剤およびピル剤はさらにエンテリックコーティングされて製造されることもできる。経口投与用の液剤は、医薬として許容されるエマルジョン剤、シロップ剤、エリキシル剤、懸濁剤、溶液剤などがあげられ、それらは当該分野で普通用いられる不活性希釈剤、たとえば水を含んでいてもよい。
【0026】
一般式(I)の化合物、光学異性体またはその医薬上許容しうる塩は選択的かつ強力なα7ニコチン受容体作動作用もしくはα7ニコチン受容体部分作動作用を有し、アルツハイマー病、認知機能障害、注意欠陥多動性障害、不安、うつ病、精神***病、てんかん、痛み、トウレット症候群、パーキンソン氏病、ハンチントン病などの治療薬または予防薬、コリン性神経伝達が異常をきたしている神経変性疾患の治療薬あるいは予防薬、さらには禁煙薬として有効である。
投与量は年齢、体重、一般的健康状態、性別、食事、投与時間、投与方法、***速度、薬物の組合せ、患者のその時に治療を行っている病状の程度に応じ、それらあるいはその他の要因を考慮して決められる。本発明化合物、その光学異性体またはその医薬上許容しうる塩は、低毒性で安全に使用することができ、その1日の投与量は、患者の状態や体重、化合物の種類、投与経路などによって異なるが、たとえば非経口的には皮下、静脈内、筋肉内または直腸内に、約0.01〜50mg/人/日、好ましくは0.01〜20mg/人/日投与され、また経口的には約0.01〜150mg/人/日、好ましくは0.1〜100mg/人/日投与されることが望ましい。
また、α7ニコチン受容体に対し選択的かつ強力な親和性を有する本化合物は、α7ニコチン受容体のリガンドとして、脳内α7ニコチン受容体の標識用化合物などに有用である。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例、製剤処方例および実験例により詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
実施例1
【0028】
【化13】
Figure 0004616971
【0029】
1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オール−ボラン錯体0.5gをジメチルホルムアミド5mlに溶解し,氷冷下で水素化ナトリウム(60%)0.17gを加え,30分間攪拌した。反応液に2−クロロメチルベンゾ[b]チオフェン0.77gを加え,さらに1時間攪拌した。反応終了後,反応液を氷水にあけ,酢酸エチルで抽出し,硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を濃縮して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し,ヘキサン:酢酸エチル=9:1流出分を濃縮して3−((ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)メトキシ)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−ボラン錯体0.3gを得た。この化合物をアセトン10mlに溶解し,氷冷下で3規定塩酸を加えて室温で1時間攪拌した。反応終了後,溶媒を濃縮して得られた残渣に水を加えて酢酸エチルで抽出し,硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を濃縮して得られた残渣を酢酸エチルに溶解し,塩酸−エーテルを加えて析出した結晶を濾取し,3−((ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)メトキシ)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン塩酸塩・1/2水和物0.17gを得た。融点201−203℃
実施例2
【0030】
【化14】
Figure 0004616971
【0031】
(R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オール−ボラン錯体0.065gを用いて実施例1と同様に反応させ,(R)−3−((ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)メトキシ)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン塩酸塩0.021gを得た。融点211−212℃.[α]D=−52°(c=0.23,MeOH)
実施例3
【0032】
【化15】
Figure 0004616971
【0033】
(S)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オール−ボラン錯体0.37gを用いて実施例1と同様に反応させ,(S)−3−((ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)メトキシ)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン塩酸塩0.061gを得た。融点211−213℃.[α]D=+56°(c=0.25,MeOH)
実施例4
【0034】
【化16】
Figure 0004616971
【0035】
3−クロロメチルベンゾ[b]チオフェン0.77gを用いて実施例1と同様に反応させ,3−((ベンゾ[b]チオフェン−3−イル)メトキシ)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン塩酸塩・3/2水和物0.155gを得た。
融点153−156℃
実施例5
【0036】
【化17】
Figure 0004616971
【0037】
2−クロロメチルナフタレン0.74gを用いて実施例1と同様に反応させ,3−((2−ナフチル)メトキシ)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン塩酸塩・1水和物0.103gを得た。融点187−189℃
実施例6
【0038】
【化18】
Figure 0004616971
【0039】
1−クロロメチルナフタレン0.74gを用いて実施例1と同様に反応させ,3−((1−ナフチル)メトキシ)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン塩酸塩0.1gを得た。融点191−194℃
実施例7
【0040】
【化19】
Figure 0004616971
【0041】
3−(2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−オキソエチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン1.2gをトリフルオロ酢酸10mlに溶解し、トリエチルシラン1.7mlを加え、室温で5日間攪拌した。反応系を水30mlで希釈し、炭酸ナトリウムでアルカリ性にし,目的物をクロロホルムで3回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し,濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し,ヘキサン:酢酸エチル=7:3〜6:4流出分を濃縮した。残渣をアセトンに溶解させ,32%塩酸メタノールを加えて塩酸塩を調整し、溶媒を減圧下留去し,イソプロパノールを加えて析出した結晶を濾取し,3−(2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)エチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン塩酸塩・1/4水和物0.105gを得た。融点218−220℃
【0042】
実施例8
(+)−3−(2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−オキソエチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン0.28gをメタノール10mlに溶解し,氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム0.038gを加え室温で攪拌した。反応終了後,反応系に飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え、生成物をクロロホルムで2回抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し,アルコール体0.13gを得た。
ヨウ化ナトリウム0.4gをアセトニトリル5mlに溶解し,氷冷下でクロロトリメチルシラン0.34mlを加え、室温で30分間攪拌した。生じる黄色の懸濁液に室温で、アルコール体0.13gを加え、室温で30分間攪拌した。反応終了後,亜硫酸ソーダ水溶液を加え、ついで飽和炭酸ナトリウム水でアルカリ性にした。生成物をクロロホルムで2回抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去して得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し油状物を得た。油状物をイソプロパノールに溶解し、32%塩酸―メタノールを加え、生じた結晶を濾取して(+)−3−(2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)エチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン塩酸塩・1/4水和物0.060gを得た。融点248−250℃,[α]D=+41.2°(c=0.25,MeOH)
【0043】
実施例9
(−)−3−(2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−オキソエチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン0.31gを用いて実施例8と同様に反応させ,(−)−3−(2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)エチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン塩酸塩0.015gを得た。融点228−232℃,[α]D=−36.4°(c=0.25,MeOH)
実施例10
【0044】
【化20】
Figure 0004616971
【0045】
ベンゾ[b]チオフェン0.76gをテトラヒドロフラン10mlに溶解し、窒素雰囲気下−78℃で1.6規定n−ブチルリチウムのヘキサン溶液3.5mlを加え、10分間攪拌した。ここに、N−メチル−N−メトキシ−2−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−イル)アセタミド1.0gのテトラヒドロフラン溶液5mlを滴下し、−78℃で15分間、攪拌した。反応終了後,反応液に水を加えてクロロホルムで2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付しクロロホルム流出分を濃縮して油状物を得た。得られた油状物をイソプロピルアルコールに溶解し、32%塩酸−メタノールを加え、析出した結晶を濾取して3−(2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−オキソエチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン塩酸塩0.23gを得た。融点247−249℃
【0046】
実施例11
3−(2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−オキソエチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン2.9gの温エタノール溶液30mlに、L−リンゴ酸1.3gの温エタノール溶液20mlを加える。溶液を室温に戻し、析出する結晶を濾取した。得られた結晶3.5gをエタノール−水を用いて再結晶を3回行い,(+)−3−(2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−オキソエチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンのL−リンゴ酸塩を0.72g得た。得られたリンゴ酸塩に飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え、目的物をクロロホルムで2回抽出し,有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を濃縮して得られた結晶をメタノールに溶解し、塩酸−メタノールを加えて析出した結晶を濾取して(+)−3−(2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−オキソエチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン塩酸塩・1/5水和物0.28gを得た。融点226−227℃,[α]D=−36.2°(c=0.25,MeOH)
【0047】
実施例12
実施例11で生じた濾液を混合し,溶媒を減圧下留去して得られた残渣に飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を濃縮して得られた残渣1.15gの温エタノール溶液10mlに、D−リンゴ酸0.54gの温エタノール溶液5mlを加えて析出する結晶を濾取した。得られた結晶をエタノール−水を用いて3回再結晶を行い,−)−3−(2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−オキソエチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンのD−リンゴ酸塩を得た。得られたリンゴ酸塩に飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え、目的物をクロロホルムで2回抽出し,有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を濃縮して得られた結晶をメタノールに溶解し、塩酸−メタノールを加えて析出した結晶を濾取して(−)−3−(2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−オキソエチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン塩酸塩0.28gを得た。融点230−232℃,[α]D=−36.0°(c=0.25,MeOH)
実施例13
【0048】
【化21】
Figure 0004616971
【0049】
ベンゾチアゾール2.23g,N−メチル−N−メトキシ−2−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−イル)アセタミド1.0gを用いて実施例10と同様に反応を行い,3−(2−(ベンゾチアゾール−2−イル)−2−オキソエチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン塩酸塩0.24gを得た。融点274−275℃
実施例14
【0050】
【化22】
Figure 0004616971
【0051】
1−メチルベンゾイミダゾール2.2g,N−メチル−N−メトキシ−2−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−イル)アセタミド1.0gを用いて実施例10と同様に反応を行い,3−(2−(1−メチルベンゾイミダゾール−2−イル)−2−オキソエチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン3塩酸塩0.6gを得た。融点246−247℃
実施例15
【0052】
【化23】
Figure 0004616971
【0053】
ベンゾ[b]フラン1.95g,N−メチル−N−メトキシ−2−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−イル)アセタミド1.0gを用いて実施例10と同様に反応を行い,3−(2−(ベンゾ[b]フラン−2−イル)−2−オキソエチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン塩酸塩・1/5水和物0.6gを得た。融点288−290℃
実施例16
【0054】
【化24】
Figure 0004616971
【0055】
3−((ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)カルボニル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン1.0gを用いて実施例8と同様に反応させ,3−((ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン塩酸塩を得た。融点264−265℃
実施例17
【0056】
【化25】
Figure 0004616971
【0057】
ベンゾチオフェン5.4g,N−メチル−N−メトキシ−2−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−イル)カルボキサミド2.0gを用いて実施例10と同様に反応させ,3−((ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)カルボニル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン塩酸塩・1/5水和物1.0ggを得た。融点236−238℃
実施例18
【0058】
【化26】
Figure 0004616971
【0059】
3−(3−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−3−オキソプロピル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン1.0gを用いて実施例8と同様に反応させ,3−(3−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)プロピル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン塩酸塩・1/4水和物0.146gを得た。
融点176−178℃
実施例19
【0060】
【化27】
Figure 0004616971
【0061】
ベンゾチオフェン2.93g,N−メチル−N−メトキシ−3−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−イル)プロパンアミド1.65gを用いて実施例10と同様に反応させ,3−(3−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−3−オキソプロピル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン塩酸塩1/5水和物1.6gを得た。融点280−282℃
【0062】
製剤処方例1
実施例1の化合物0.5部、乳糖25部、結晶セルロース35部およびコーンスターチ3部とをよく混和したのち、コーンスターチ2部で製した結合剤とよく練合した。この練合物を16メッシュで篩過し、オーブン中50℃で乾燥後、24メッシュで篩過する。ここに得た練合粉体とコーンスターチ8部、結晶セルロース11部およびタルク9部とをよく混合したのち、圧搾打錠して1錠当たり有効成分0.5mg含有の錠剤を得る。
【0063】
製剤処方例2
実施例1の化合物1.0mgと塩化ナトリウム9.0mgを注射用水にて溶解し、濾過して発熱物質を除去し、濾液を無菌下にアンプルに移し、殺菌後、溶融密封することにより有効成分1.0mg含有注射剤を得る。
【0064】
一般式(I)の化合物の優れた薬理活性は以下に示す一連の試験によって証明される。
実験例1:α7ニコチン受容体に対する親和性([125I]αブンガロトキシン結合)
ラット海馬を15倍量の冷却した0.32Mのショ糖溶液でホモジナイズし、1,000Gで10分間(4℃)遠心分離する。上清を取り、20,000Gで20分間(4℃)遠心分離し、沈渣を冷却した蒸留水でホモジナイズし、8,000Gで20分間(4℃)遠心分離する。この上清を40,000Gで20分間(4℃)遠心分離した後、ペレットを再度、冷却した蒸留水でホモジナイズし、40,000Gで20分間(4℃)遠心分離する。最終沈査を冷凍庫(−80℃)に保管する。結合試験当日に、沈渣を冷却した緩衝液(118mM塩化ナトリウム水溶液,4.8mM塩化カリウム水溶液,2.5mM塩化カルシウム水溶液,1.2mM硫酸マグネシウム水溶液,20mM Na−HEPESバッファー,pH7.5)で懸濁し、海馬の膜標品を調製する。
既報(Briggs CA et al., Functional characterization of the novel neural nicotinic acetylcholine receptor ligand GTS-21 in vitro and in vivo. Pharmacolo. Biochem. Behav. 57(1/2): 231-241, 1997)の方法に従い、[125I]αブンガロトキシン(>7.4TBq/mmol,IM−109,アマシャム社)、海馬膜標品、緩衝液(118mM塩化ナトリウム水溶液,4.8mM塩化カリウム水溶液,2.5mM塩化カルシウム水溶液,1.2mM硫酸マグネシウム水溶液,20mM Na−HEPESバッファー,pH7.5)、試験化合物を37℃で3時間インキュベーションする。反応は、すばやくセルハーベスタ(ブランデール社)を用いて、ワットマンGF/Bフィルター(0.1%ウシ血清アルブミン含有の0.5%ポリエチレンイミン水溶液に最低3時間前処理する)上に吸引濾過し、冷却した緩衝液で3回洗浄する。フィルターに結合した放射能(125I)をガンマカウンターで測定する。また非特異的結合は、1μM αブンガロトキシン(和光純薬(株))、あるいは100μM(−)−ニコチン(Research Biochemicals Int., USA)の存在下で求める。特異的結合は、全結合の50−70%であった。
本試験の結果、本発明化合物と対照化合物のIC50値を以下に示す。化合物番号は実施例番号を示す。比較化合物は以下の化合物A、Bである。
比較化合物A:AR-R 17779(WO96/06098)
比較化合物B:3−ベンジルオキシ−1−アザビシクロ[2.2.2]
オクタン(特開平4−226981号の化合物2)
【0065】
【表1】
Figure 0004616971
【0066】
実験例2:α4β2ニコチン受容体に対する親和性([3H]Cytisine結合)
ラット大脳皮質を15倍量の冷却した0.32Mのショ糖溶液でホモジナイズし、1,000Gで10分間(4℃)遠心分離する。上清を取り、20,000Gで20分間(4℃)遠心分離し、沈渣を冷却した蒸留水でホモジナイズし、8,000Gで20分間(4℃)遠心分離する。この上清を40,000Gで20分間(4℃)遠心分離した後、ペレットを再度、冷却した蒸留水でホモジナイズし、40,000Gで20分間(4℃)遠心分離する。最終沈渣を冷凍庫(−80℃)に保管する。結合試験当日に、沈渣を冷却した緩衝液(120mM塩化ナトリウム水溶液,5mM塩化カリウム水溶液,2.5mM塩化カルシウム水溶液,1mM硫酸マグネシウム水溶液,50mMトリス−塩酸バッファー,pH7.4)で懸濁し、大脳皮質の膜標品を調製する。
【0067】
3H]Cytisine(555GBq−1.48TBq/mmol,NET-1054,NEN Life Science Products, USA)、大脳皮質膜標品、緩衝液(120mM塩化ナトリウム水溶液,5mM塩化カリウム水溶液,2.5mM塩化カルシウム水溶液,1mM硫酸マグネシウム水溶液,50mMトリス−塩酸バッファー,pH7.4)、試験化合物を4℃で75分間インキュベーションする。反応は、すばやくブランデール社セルハーベスタを用いて、ワットマンGF/Bフィルター(0.1%ウシ血清アルブミン含有の0.5%ポリエチレンイミン水溶液に最低3時間前処理する)上に吸引濾過し、冷却した緩衝液で3回洗浄する。フィルターをバイアル瓶に入れ、液体シンチレータを加えた後、フィルターに結合した放射能(トリチウム)を液体シンチレーションカウンターで測定する。液体シンチレータ−を加え、放射能(トリチウム)を液体シンチレーションカウンターで測定する。また非特異的結合は、10μM(−)−ニコチン(Research Biochemicals Int., USA)の存在下で求める。特異的結合は、全結合の80%以上であった。
本試験の結果、本発明化合物のIC50値は1000nM以上であり、α4β2ニコチン受容体に対する親和性は非常に弱かった。すなわち、本発明化合物はα7ニコチン受容体に選択的な親和性を有する化合物である。
【0068】
実験例3:α7ニコチン受容体に対するアゴニスト活性(PC12細胞における電気生理試験)
PC12細胞(大日本製薬株式会社より購入)を,collagenコートした35mm2培養皿に播種し,1〜3日培養した後,電気生理学的測定を行った.ニスタチン穿孔パッチクランプ法(Akaike N. and Harata N., Jap.J.Physiol.,44巻,433-473頁,1994年)により, PC12細胞を膜電位固定(VH=−70mV)した条件下で,外液瞬間交換法(Y−tube法,Murase et al., Brain Res. 525巻,84-91頁,1990年)により被験化合物液(細胞外液に溶解)を投与し,惹起される一過性内向き電流(α7受容体応答)の振幅を測定した.測定に用いた細胞外液およびピペット内液は,以下の組成である。
細胞外液:135mM塩化ナトリウム,2mM塩化カリウム,1mM塩化マグネシウム,5mM塩化カルシウム,10mMグルコース,12mM HEPESを加えてトリスバッファーでpH=7.4に調整した。
ピペット内液:150mM塩化セシウム,10mM HEPESを加えてトリスバッファーでpH=7.2に調整した溶液に,1/25量の1%ニスタチン・メタノール溶液を加えたものをピペット内液とした。
電流応答の解析は,ソフトウェア(pCLAMP software ver.6, Axon Instruments)により行い,α7ニコチン受容体を介する一過性内向き電流のピーク値を細胞ごとに計測した。対照薬との相対比較のため,同一細胞におけるα7ニコチン受容体全アゴニストであるコリン10mM応答の大きさを100%として,被験化合物応答の大きさを百分率で表した。その結果,図1のように化合物11はα7ニコチン受容体に対して部分アゴニスト活性を示した。
【0069】
【発明の効果】
一般式(I)の化合物、光学異性体またはその医薬上許容しうる塩は選択的かつ強力なα7ニコチン受容体作動作用もしくはα7ニコチン受容体部分作動作用を有し、アルツハイマー病、認知機能障害、注意欠陥多動性障害、不安、うつ病、精神***病、てんかん、痛み、トウレット症候群、パーキンソン氏病、ハンチントン病などの治療薬または予防薬、コリン性神経伝達が異常をきたしている神経変性疾患の治療薬あるいは予防薬、さらには禁煙薬として有効である。また、本発明化合物は経口吸収性、脳内移行性に優れ、中枢神経系医薬として良好な特性を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実験例3の結果を示す図である。

Claims (10)

  1. 一般式(I)
    Figure 0004616971
    (式中、Xは存在しないか、またはO、SまたはNHを示す。
    YはCHまたはC=Oを示す。
    nは0または1〜3の整数を示す。
    Arは以下の(1)〜(23)から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい、ベンゾ[b]チオフェン−2−イルを示す。
    (1)ハロゲン、(2)C1−4アルキル、(3)C1−4アルコキシ、(4)C1−4ハロアルキル、(5)ヒドロキシ、(6)アミノ、(7)C1−4アルキルを各々独立に有し、アルキル部分は環を形成してもよいジアルキルアミノ、(8)ニトロ、(9)シアノ、(10)C1−4アルキルカルボニル、(11)カルボン酸、(12)C1−4アルコキシカルボニル、(13)カルバモイル、(14)N−アルキルカルバモイル、(15)N,N−ジアルキルカルバモイル、(16)C1−4アルキルカルボニルアミノ、(17)ジ(C1−4アルキルカルボニル)アミノ、(18)チオール、(19)C1−4アルキルチオ、(20)アルコキシカルボニルアミノ、(21)スルファモイル、(22)N−アルキルスルファモイルおよび(23)N,N−ジアルキルスルファモイル。)
    により表される1−アザビシクロアルカン化合物、その光学異性体またはその医薬上許容しうる塩。
  2. 以下の化合物から選ばれる請求項1記載の1−アザビシクロアルカン化合物、その光学異性体またはその医薬上許容しうる塩。
    (1)3−((ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)メトキシ)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン
    (2)(R)−3−((ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)メトキシ)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン
    (3)(S)−3−((ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)メトキシ)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン
    (4)3−(2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)エチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン
    (5)(+)−3−(2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)エチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン
    (6)(−)−3−(2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)エチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン
    (7)3−(2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−オキソエチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン
    (8)(+)−3−(2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−オキソエチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン
    (9)(−)−3−(2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−オキソエチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ
    (10)3−((ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン
    11)3−((ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)カルボニル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン
    12)3−(3−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)プロピル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン
    13)3−(3−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−3−オキソプロピル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン
  3. 請求項1記載の1−アザビシクロアルカン化合物、その光学異性体またはその医薬上許容しうる塩からなるα7ニコチン受容体のリガンド。
  4. 請求項1記載の1−アザビシクロアルカン化合物、その光学異性体またはその医薬上許容しうる塩からなるα7ニコチン受容体作動薬またはα7ニコチン受容体部分作動薬。
  5. 知障害改善薬である請求項4記載のα7ニコチン受容体作動薬またはα7ニコチン受容体部分作動薬
  6. 痴呆薬である請求項4記載のα7ニコチン受容体作動薬またはα7ニコチン受容体部分作動薬
  7. 神***病治療薬である請求項4記載のα7ニコチン受容体作動薬またはα7ニコチン受容体部分作動薬
  8. 神***病の陰性症状改善薬である請求項4記載のα7ニコチン受容体作動薬またはα7ニコチン受容体部分作動薬
  9. 意欠陥多動性障害治療薬である請求項4記載のα7ニコチン受容体作動薬またはα7ニコチン受容体部分作動薬
  10. ルツハイマー病治療薬である請求項4記載のα7ニコチン受容体作動薬またはα7ニコチン受容体部分作動薬
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