JP4612974B2 - ベンジルアミン誘導体の製造法 - Google Patents
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- ZGOAWTVDCSKYTE-UHFFFAOYSA-N COc1cc2ccc1OCc(cc1)cc(OC)c1OCc(cc1OC)ccc1OC2 Chemical compound COc1cc2ccc1OCc(cc1)cc(OC)c1OCc(cc1OC)ccc1OC2 ZGOAWTVDCSKYTE-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、抗腫瘍効果を有するステロイド誘導体の合成中間体として有用な、一般式(I)
【化6】
(式中、R1およびR2は同一または異なって、ヒドロキシ基または低級アルコキシ基を示し、R3およびR4はいずれか一方が水素原子を示し、他方が脂肪族もしくは芳香族の炭化水素残基を示すか、またはR3およびR4は同一または異なって脂肪族もしくは芳香族の炭化水素残基を示すか、あるいはR3およびR4は一緒になって、酸素原子が介在していてもよい低級アルキレン基を示す)
で表されるベンジルアミン誘導体(I)の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ベンジルアミン誘導体(I)の製造法としては、ベンズアルデヒド誘導体の還元的アミノメチル化反応が知られているが、この反応で用いられる還元剤には次のような問題点があり、工業的な製造法としては好ましくない。
すなわち、水素化ホウ素ナトリウムを用いる方法[J.Org.Chem.,28,3259(1963)]では、ベンジルアルコール誘導体が副生して目的物の収率が低下する。
また、シアン化水素化ホウ素ナトリウムを用いる方法[Synthesis,135(1975)]では、有毒なシアン化合物が副生する。
さらに、ボラン−ピリジンコンプレックスを用いる方法[J.C.S.Perkin trans,1,717(1984)]、およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを用いる方法[J.Org.Chem.,61,3849(1996)]も報告されているが、これらの方法で用いられる反応試剤はいずれも高価であり、工業的な規模での生産には適していない。
【0003】
また、アゾジカルボン酸ジエチルとトリフェニルホスフィンを用いる方法[J.Org.Chem.,62,3754(1997)]では、副生する1,2−ジカルボエトキシヒドラジンやトリフェニルホスフィンオキシドの除去が困難であり、工業的な製法としては好ましくない。
また、フェノール、o−ジフェノールあるいはその低級アルキルエーテルを酸性条件下にホルムアルデヒドおよびジアルキルアミンの混合物と接触させてベンジルアミン誘導体(I)を得る方法も知られているが(特公昭47−10372号公報)、この方法では、アミンの置換位置が異なった化合物が副生したり、ホルムアルデヒドを用いるため刺激臭が発生したりする不都合がある。
さらに、ベンジルアルコール誘導体(II)からベンジルハライド誘導体(III)を合成し、これに次いでシアン化ナトリウムを作用させてベンジルニトリル誘導体を得る方法[Org.Synth.,Coll.Vol.4,576(1963)]も知られているが、ベンジルハライド誘導体(III)からベンジルアミン誘導体(I)を直接得る方法は知られていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の発明者らは、抗腫瘍効果を有するステロイド誘導体の側鎖として有用なベンジルアミン誘導体(I)を、簡便に、安全に、安価に、しかも効率よく製造する方法を開発すべく鋭意研究を重ねた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
その結果、本発明者らは、ベンジルアルコール誘導体(II)をハロゲン化水素酸と反応させてベンジルハライド誘導体(III)とし、次いでこれに直接アミン化合物(IV)を反応させれば、意外なことに、目的とするベンジルアミン誘導体(I)を簡便に、安全に、安価に、しかも効率よく製造できることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0006】
【発明の実施の形態】
この発明の方法は、一般式(II)
【化7】
(式中、R1およびR2は同一または異なって、ヒドロキシ基または低級アルコキシ基を示す)
で表されるベンジルアルコール誘導体(II)をハロゲン化水素酸と反応させて、一般式(III)
【化8】
(式中、R1およびR2はそれぞれ前記と同じであり、Xはハロゲン原子を示す)で表されるベンジルハライド誘導体(III)とし、次いでこれに一般式(IV)
【化9】
(式中、R3およびR4は、いずれか一方が水素原子を示し、他方が脂肪族もしくは芳香族の炭化水素残基を示すか、またはR3およびR4は同一または異なって脂肪族もしくは芳香族の炭化水素残基を示すか、あるいはR3およびR4は一緒になって、酸素原子が介在していてもよい低級アルキレン基を示す)
で表されるアミン化合物を反応させて、一般式(I)
【化10】
(式中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ前記と同じである)
で表されるベンジルアミン誘導体(I)を得ることにより行われる。
【0007】
上記の一般式において、R1およびR2で示される低級アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどの、炭素数1〜6の、直鎖状または分枝鎖状のアルコキシ基が挙げられる。
Xで示されるハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられ、好ましいのは塩素である。
【0008】
R3およびR4で示される脂肪族の炭化水素残基には、炭素数1〜6の直鎖状または分枝鎖状の低級アルキル基、および炭素数3〜6の環状のシクロアルキル基が含まれる。そして、低級アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられる。また、シクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。
R3およびR4で示される芳香族の炭化水素残基には、フェニル、トリル、キシリル、ナフチルなどのアリール基が挙げられる。
これらの脂肪族炭化水素残基および芳香族炭化水素残基のうち、好ましいのは低級アルキル基であり、特に好ましいのはエチル基である。
R3およびR4が一緒になって表される低級アルキレン基としては、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレンなどが挙げられ、これらの低級アルキレン基には任意の位置に酸素原子が介在していてもよい。
R3およびR4が一緒になって、酸素原子が介在していてもよい上記のような低級アルキレン基を表す場合のアミン化合物としては、例えばアジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリンなどが挙げられる。
【0009】
本発明の製造法における第1工程は、ベンジルアルコール誘導体(II)をハロゲン化水素酸と反応させることにより行われる。
この反応は、通常、溶媒中でベンジルアルコール誘導体(II)に対してハロゲン化水素酸を1〜10当量、好ましくは2〜5当量作用させることにより行われる。ハロゲン化水素酸の使用量が1当量より少ないと反応が十分に進行せず、また10当量より多いと副生物が生成しやすくなり、好ましくない。
溶媒としては反応に悪影響を与えないものであれば特に限定されないが、具体的にはアセトン、メチルエチルケトン、クロロホルム、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、石油エーテル、ヘキサンなどが挙げられる。これらの溶媒のうち、アセトン中でベンジルハライド誘導体(III)が最も安定であるので、アセトンが特に好ましい。溶媒の使用量は特に限定されないが、通常、ベンジルアルコール誘導体(II)の重量に対して2〜20倍程度、好ましくは10〜15倍程度である。
反応温度は特に限定されないが、通常、−5〜45℃、好ましくは10〜30℃前後である。反応時間は1〜30分間程度であり、通常は3〜10分程度で反応が十分に進行する。
この反応で生成するベンジルハライド誘導体(III)は、単離・精製しないで次の反応に用いても、目的物の収率低下をもたらさない。
なお、この反応では、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの脱ハロゲン剤を用いてもよい。
【0010】
本発明の製造法では、上記のようにして得られたベンジルハライド誘導体(III)を次いでアミン化合物(IV)との反応に付す。
この反応は、通常、第1工程で出発物質として用いられたベンジルアルコール誘導体(II)に対して2〜6当量、好ましくは3〜5当量のアミン化合物(IV)を、上記で得られたベンジルハライド誘導体(III)に、溶媒中で作用させることにより行われる。この工程でアミン化合物(IV)をやや過剰量使用すると、副生するハロゲン化水素酸を捕捉できて好ましい。
この反応で用いられる溶媒としては、反応に悪影響を与えないものであれば特に限定されないが、上記の第1工程で用いられた溶媒をそのままこの第2工程の反応でも用いるのが好ましい。
反応温度は特に限定されないが、通常、−5〜55℃、好ましくは20〜35℃である。反応時間は1〜30分間程度であり、通常は5〜15分間程度で反応が十分に進行する。
【0011】
上記のようにして得られるベンジルアミン誘導体(I)は、常法により反応混合物から単離され、精製される。
このようにして得られるベンジルアミン誘導体(I)は、例えば国際公開公報WO99/33859号に記載のステロイド系抗腫瘍剤を製造するための合成中間体として有用である。
以下、ベンジルアミン誘導体(I)の製造法を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により制限されるものではない。
【0012】
【実施例】
実施例1
アセトン720mlにバニリルアルコール60g(0.39mol)を溶解し、この溶液に36%塩酸107ml(1.29mol)を2分間で滴下した。この混合物を室温で5分間撹拌した後、反応フラスコを氷浴に浸し、ジエチルアミン179ml(1.72mol)を14分間で滴下した。この混合物を室温で5分間撹拌した後、反応混合物にジクロロメタン600mlを加えた。有機層を分取し、水600mlで2回洗浄し、硫酸マグネシウム15gで乾燥した後、ろ過した。ろ液から溶媒を減圧下に留去して、4−ジエチルアミノメチル−2−メトキシフェノール63.3g(収率:77.7%)を油状物として得た。
EI−MS:209(M+)
1H−NMR(CDCl3,内部標準テトラメチルシラン,270MHz)δ:6.75−6.89(3H,m),2.84−3.88(3H,dd),3.45−3.48(2H,dd),2.46−2.55(4H,m),0.97−1.06(6H,m)
1H−NMR(DMSO−d6,内部標準テトラメチルシラン,270MHz)δ:8.74(1H,s),6.83(1H,s),6.67(2H,s),3.73(3H,s), 3.39(2H,s), 2.38−2.46(4H,q),0.92−0.98(6H,t)
IR(KBr板)cm-1:3000,2850,1620,1520,1480,1400,1290,1160,1130,1040,870,830,810,780,760,580
【0013】
実施例2
実施例1におけるアセトン720mlの代わりにメチルエチルケトン720mlを用い、実施例1と同様に処理して、4−ジエチルアミノメチル−2−メトキシフェノール(収率72.8%)を得た。
実施例3
実施例1におけるアセトン720mlの代わりに酢酸エチル720mlを用い、実施例1と同様に処理して、4−ジエチルアミノメチル−2−メトキシフェノール(収率71.3%)を得た。
実施例4
実施例1におけるアセトン720mlの代わりにアセトニトリル720mlを用い、実施例1と同様に処理して、4−ジエチルアミノメチル−2−メトキシフェノール(収率68.4%)を得た。
【0014】
実施例5
実施例1におけるアセトン720mlの代わりにクロロホルム720mlを用い、実施例1と同様に処理して、4−ジエチルアミノメチル−2−メトキシフェノール(収率66.2%)を得た。
実施例6
実施例1における36%塩酸107mlの代わりに48%臭化水素酸144mlを用い、実施例1と同様に処理して、4−ジエチルアミノメチル−2−メトキシフェノール(収率42.6%)を得た。
【0015】
実施例7
実施例1における36%塩酸107mlの代わりに57%ヨウ化水素酸288gを用い、実施例1と同様に処理して、4−ジエチルアミノメチル−2−メトキシフェノール(収率56.6%)を得た。
実施例8
実施例1におけるジエチルアミン179mlの代わりにt−ブチルアミン180mlを用い、実施例1と同様に処理して、4−(t−ブチルアミノメチル)−2−メトキシフェノール(収率:34.8%)を得た。
EI−MS:209(M+)
1H−NMR(CDCl3,内部標準テトラメチルシラン,270MHz)δ:6.78−6.85(3H,m),3.82(3H,s),3.65(2H,s),1.19(9H,s)
実施例9
実施例1におけるジエチルアミン179mlの代わりにジメチルアミン174mlを用い、実施例1と同様に処理して、4−ジメチルアミノメチル−2−メトキシフェノール(収率:57.6%)を得た。
EI−MS:181(M+)
1H−NMR(CDCl3,内部標準テトラメチルシラン,270MHz)δ:6.75−6.88(3H,m),3.85(3H,s),3.36(2H,s),2.24(6H,s)
【0016】
実施例10
実施例1におけるジエチルアミン179mlの代わりにピロリジン143mlを用い、実施例1と同様に処理して、4−(1−ピロリジニルメチル)−2−メトキシフェノール(収率:71.6%)を得た。
EI−MS:207(M+)
1H−NMR(CDCl3,内部標準テトラメチルシラン,270MHz)δ:6.78−6.89(3H,m),3.83(3H,s),3.55(2H,s),2.52(4H,m),1.79(4H,m)
実施例11
実施例1におけるジエチルアミン179mlの代わりにモルホリン149mlを用い、実施例1と同様に処理して、4−モルホリノメチル−2−メトキシフェノール(収率:74.5%)を得た。
EI−MS:223(M+)
1H−NMR(CDCl3,内部標準テトラメチルシラン,270MHz)δ:6.79−6.87(3H,m),3.89(3H,s),3.70−3.73(4H,m),3.42(2H,s),2.43−2.45(4H,m)
実施例12
実施例1におけるジエチルアミン179mlの代わりにアニリン156mlを用い、実施例1と同様に処理して、4−アニリノメチル−2−メトキシフェノール(収率:48.3%)を得た。
EI−MS:229(M+)
1H−NMR(CDCl3,内部標準テトラメチルシラン,270MHz)δ:6.63−7.25(8H,m),4.23(2H,s),3.86(3H,s),2.58(1H,s)
【0017】
実施例13
実施例1におけるジエチルアミン179mlの代わりにN−メチルアニリン186mlを用い、実施例1と同様に処理して、4−(N−メチル−N−フェニルアミノメチル)−2−メトキシフェノール(収率:74.5%)を得た。
EI−MS:243(M+)
1H−NMR(CDCl3,内部標準テトラメチルシラン,270MHz)δ:6.72−7.25(8H,m),5.52(1H,s),4.43(2H,s),3.82(3H,s),2.96(3H,s)
実施例14
実施例1におけるジエチルアミン179mlの代わりにジフェニルアミン288gを用い、実施例1と同様に処理して、4−ジフェニルアミノメチル−2−メトキシフェノール(収率:49.5%)を得た。
EI−MS:305(M+)
1H−NMR(CDCl3,内部標準テトラメチルシラン,270MHz)δ:6.81−7.26(13H,m),5.48(1H,s),4.92(2H,s),3.78(3H,s)
【0018】
比較例1
ジクロロメタン15mlにバニリルアルコール3g(19.5mmol)を懸濁し、この懸濁液に36%塩酸7.2ml(86.4mmol)を滴下した。この混合物を室温で15分間撹拌した。有機層を分取し、水10mlで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過した。ろ液から溶媒を減圧下に留去して、4−ヒドロキシ−3メトキシベンジルクロライド2.41g(収率:71.7%)を油状物として得た。
1H−NMR(CDCl3,内部標準テトラメチルシラン,270MHz)δ:6.87−6.89(3H,d),4.54(2H,s),3.89(3H,s)
上記で得られた4−ヒドロキシ−3メトキシベンジルクロライド1.3gをアセトン6mlに溶解し、これにジエチルアミン2mlおよび炭酸ナトリウム1.6gを混合した液を滴下し、室温で15分間反応させた。反応混合物を実施例1と同様に処理し、カラムクロマトグラフィーで精製して、4−ジエチルアミノメチル−2−メトキシフェノール0.13g(バニリルアルコールからの通算収率:6%)を油状物として得た。
【0019】
比較例2
36%塩酸1200ml(14.4mol)にバニリルアルコール60g(0.39mol)を加えた。この混合物を室温で20分間撹拌した後、これに水900mlおよびジクロロメタン700mlを加えた。水層を分取し、ジクロロメタン400mlで2回抽出し、抽出液を有機層と合わせた。これを水500mlで3回洗浄し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。ろ液から減圧下に溶媒を留去し、褐色の粉末60.3gを得た。この粉末45gをクロロホルムで洗浄して、次式で表される3量体化合物4.2gを淡黄色の粉末として得た。
【化11】
EI−MS:408(M+)
1H−NMR(DMSO−d6,内部標準テトラメチルシラン,270MHz)δ:6.82−6.84(9H,d),4.55−4.60(3H,dd), 3.72(9H,s), 3.33−3.38(3H,dd)
この比較例2では、ベンジルアルコールに対して、ハロゲン化剤としての36%塩酸を大過剰(37当量)使用したため、3量体が副生した。
【0020】
比較例3
J.Org.Chem.,28,3259(1963)に記載の方法に準じて、以下の反応を行った。
バニリン1g(6.57mmol)を1,2−ジクロロエタン10mlに溶解し、この溶液にジエチルアミン0.9ml(8.68mmol)を滴下した。この混合物を室温で10分間撹拌した後、水素化ホウ素ナトリウム0.4g(10.6mmol)を加え、室温で撹拌した。反応の途中で、水素化ホウ素ナトリウム0.7g(18.5mmol)およびジエチルアミン0.9ml(8.68mmol)を追加し、室温でさらに44時間撹拌した。反応液に水20mlを加え、ジクロロメタン10mlで抽出した。抽出液を水10mlで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。ろ液から減圧下に溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムで精製して、4−ジエチルアミノメチル−2−メトキシフェノール0.26g(収率:18.8%)を油状物として得た。
【0021】
比較例4
J.C.S.Perkin trans,1,717(1984)に記載の方法に準じて、以下の反応を行った。
バニリン3g(19.7mmol)をメタノール30mlに溶解し、この溶液にジエチルアミン2.7ml(25.6mmol)を滴下した。この混合物を室温で10分間撹拌した後、反応液を1℃まで冷却した。これにボラン−ピリジンコンプレックス3.2ml(31.5mmol)を加え、氷冷下で1時間、室温で25時間撹拌した。反応液にホルマリン水7.7mlおよび水10mlを加え、トルエン20mlで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を留去して、4−ジエチルアミノメチル−2−メトキシフェノール1.23g(収率:29.8%)を油状物として得た。
【0022】
比較例5
J.Org.Chem.,61,3849(1996)に記載の方法に準じて、以下の反応を行った。
バニリン5g(32.9mmol)を1,2−ジクロロエタン33mlに溶解し、この溶液にジエチルアミン4.4ml(42.4mmol)を滴下した。この混合物を室温で10分間撹拌した後、反応液を5℃まで冷却し、これにトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム11.2g(52.8mmol)を加えた。この混合物を2〜28℃で20時間撹拌した後、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液50mlを加え、酢酸エチル130mlで抽出した。抽出液を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液50mlおよび飽和食塩水30mlでそれぞれ洗浄し、硫酸マグネシウム7gで乾燥し、ろ過した。ろ液から減圧下に溶媒を留去し、濃縮残渣4.18gを得た。得られた残渣をシリカゲルカラムで精製して、4−ジエチルアミノメチル−2−メトキシフェノール2.07g(収率:30.1%)を油状物として得た。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、ベンジルアルコール誘導体(II)をハロゲン化水素酸と反応させてベンジルハライド誘導体(III)とし、次いでこれにアミン化合物(IV)を直接反応させることにより、目的とするベンジルアミン誘導体(I)を簡便に、安全に、安価に、しかも効率よく製造できる。
Claims (4)
- 一般式(II)
で表されるベンジルアルコール誘導体(II)をハロゲン化水素酸と反応させて、一般式(III)
で表されるアミン化合物を反応させて、一般式(I)
で表されるベンジルアミン誘導体(I)を得ることを特徴とするベンジルアミン誘導体の製造法。 - ハロゲン化水素酸が、塩酸、臭化水素酸またはヨウ化水素酸である請求項1または2に記載の製造法。
- 反応溶媒がアセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、アセトニトリルまたはクロロホルムである、請求項1〜3のいずれかに記載の製造法。
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