JP4612121B1 - 電球形ランプ及び照明装置 - Google Patents

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Abstract

筐体の軽量化・取り扱い性に優れた電球形ランプを提供する。LED電球(1)は、LEDが実装されてなるLEDモジュール(3)と、両端に開口を有する筒状のケース(7)と、ケース(7)の一端に内接して開口を塞ぐと共にLEDモジュール(3)を表面に搭載する搭載部材(5)と、ケース(7)の他端側に設けられた口金部(91)と、ケース(7)内に収納された点灯回路(11)とを備え、ケース(7)は、厚みが200μm以上500μm以下であり、一端から他端にかけての少なくとも一部の領域の厚みが一端側から他端側に移るに従って薄くなっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光素子を用いた電球代替可能な電球形ランプ及び照明装置に関する。
近年、省エネルギ化を図り地球温暖化を防止すべく、照明分野においても従来の白熱電球などに比べて高いエネルギ効率を実現できるLED(Light Emitting Diode)を用いた照明装置が研究開発されている。
例えば、既存の白熱電球では、数十(lm/W)であったエネルギ効率が、LEDを光源として用いると(LEDを用いて、電球代替目的とした電球形ランプを、以下、「LED電球」とする。)、100(lm/W)以上の高効率が実現可能である。
特許文献1及び2などにおいて、従来の白熱電球に置き換わるLED電球が提案されている。この特許文献1に記載されているLED電球は、複数のLEDが実装された基板を、LEDを点灯(発光)させるための点灯回路を内部に備える筐体の端面(表面)に搭載し、当該LEDをドーム状のグローブで覆う構成を有している。
このLED電球は、従来の白熱電球に近い外観形状を有し、また、給電端子としてのE型口金を具備しているので、従来の白熱電球を装着していた照明器具にも装着することができる。
特開2006−313718号公報 特開2009−4130号公報
しかしながら、上記LED電球では、筐体が金属製でその体積が大きいために、その重量が白熱電球よりも重くなっている。このため、LED電球を白熱電球用の照明器具に装着した場合に、照明器具にとってLED電球を保持するための負荷が増大してしまうという安全上の課題がある。
つまり、白熱電球用の照明器具は、当該白熱電球の重量を基本に強度設計されており、このような既存の照明器具に白熱電球よりも重いLED電球を装着すると、この照明器具を構成する部材に予想以上の応力が作用して破損等が生じるおそれがある。
また、軽量化を行うには、筐体の厚み等を薄くすれば上記安全上の課題は解決するが、筐体の厚みを薄くしすぎると、筐体が変形し易くなり、LED電球の照明器具への装着時に筐体が変形したり、組立時や部品搬送時の取り扱い性が悪くなったりするという新たな課題が生じる。
本発明は、上記課題を解決しようとなされたものであって、筐体の軽量化を図りつつ、照明器具への装着時の筐体の変形を防ぎ、組立時の取り扱い性を向上させることができる電球形ランプ及び照明装置を提供することを目的とする。
本発明に係る電球形ランプは、発光素子が実装されてなる発光モジュールと、両端に開口を有する筒状の筐体と、前記筐体の一端に内接して開口を塞ぐと共に前記発光モジュールを表面に搭載する搭載部材と、前記筐体の他端側に設けられた口金と、前記筐体内に収納され且つ前記口金を介して給電を受けて前記発光素子を発光させる回路とを備え、前記筐体は、厚みが200μm以上500μm以下であり、前記一端から前記他端にかけての少なくとも一部の領域の厚みが前記一端側から前記他端側に移るに従って薄くなっていることを特徴としている。
上記構成によれば、筐体の厚みを200(μm)以上500(μm)以下としているため筐体の軽量化を図ることができ、さらに、筐体の変形を防止できる。特に、筐体の一端部で開口の潰れを防止できる厚みであれば、筐体の中心軸方向の中央部分での剛性が十分となるため、当該剛性の十分な部分を一端側部分よりもさらに薄くすることで、剛性を確保しつつ、より一層軽量化を図ることができる。
また、前記筐体は、前記一端から前記他端までの間に当該筐体の中心軸側に近づくように屈曲する屈曲部を有することを特徴とし、或いは、前記領域は、前記一端から前記屈曲部までの間にあることを特徴としている。
一方、前記搭載部材の外周面と前記筐体の前記一端側の内周面とが、前記筐体の中心軸に対して同じ角度で傾斜していることを特徴とし、或いは、前記領域において前記一端側の厚みは300μm以上500μm以下であり、前記他端側の厚みは250μm以上350μm以下であることを特徴としている。さらに、前記筐体の外面がアルマイト処理されていることを特徴としている。
本発明に係る照明装置は、電球形ランプと、当該電球形ランプを着脱自在に装着する照明器具とを備え、前記電球形ランプが上記の電球形ランプであることを特徴としている。
第1の実施の形態に係る電球形ランプの縦断面図である。 図1のX−X線における断面を矢印方向から見た図である。 LEDモジュールの断面図である。 回路ホルダの基板の装着を説明するための断面図である。 ケースの厚みを説明するための図である。 ケースの放熱性を説明するための図である。 第1の実施の形態に係るLED電球の組み立て方法を説明する図である。 搭載部材の厚みと伝熱性との関係を説明する図であり、(a)は試験に用いた搭載部材の説明図であり、(b)は試験の測定結果である。 搭載部材とケースとの接触面積と搭載部材とLEDモジュールとの接触面積の比によるLED温度の影響を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係るLED電球の概略構成を示す縦断面図である。 ケースの各部寸法を説明するための図である。 ケースの変形例1,2を示す図であり、(a)は変形例1に係るケースの形状を示し、(b)は変形例2に係るケースの形状を示す。 ケースの変形例3を示す図である。 ケースの変形例4を示す図である。 LED素子の実装方法の変形例を示す図である。 ホルダの変形例を示す図である。 搭載部材の変形例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る照明装置を説明する図である。
以下、本発明の一例である実施の形態に係る電球形ランプ及び照明装置についてそれぞれ図面を参照しながら説明する。
<第1の実施の形態>
1.構成
図1は、第1の実施の形態に係る電球形ランプの縦断面図である。図2は、図1のX−X線における断面を矢印方向から見た図である。
電球形ランプ(以下、「LED電球」という。)1は、図1に示すように、複数のLED(本発明の「発光素子」に相当する。)を光源として備えるLEDモジュール(本発明の「発光モジュール」に相当する。)3と、当該LEDモジュール3を搭載する搭載部材5と、前記搭載部材5を一端に備えるケース(本発明の「筐体」に相当する。)7と、LEDモジュール3を覆うグローブ9と、前記LEDを点灯(発光)させる点灯回路(本発明の「回路」に相当する。)11と、前記点灯回路11を内部に格納し且つ前記ケース7内に配された回路ホルダ13と、前記ケース7の他端に設けられた口金部材15とを備える。
(1)LEDモジュール3
図3は、LEDモジュールの断面図である。
LEDモジュール3は、基板17と、当該基板17の主面に実装された複数のLED19と、LED19を被覆する封止体21とを備える。なお、LED19の数、接続方法(直列接続、並列接続)等は、LED電球1として要求される発光光束等により適宜決定される。また、基板17のLED19を実装している主面を、「LED実装面」ともいう。
基板17は、基板本体23と、この基板本体23に設けられた配線パターン25とを備える。基板本体23は、例えば、絶縁性材料からなり、この主面に配線パターン25が形成されている。
配線パターン25は、複数のLED19を直列・並列等の所定の接続方法で接続するための接続部25aと、点灯回路11に接続する給電路(リード線)と接続する端子部25bとを有する。
LED19は、半導体発光素子であって所定の光色を発する素子である。また、封止体21は、LED19が外気に触れないようにLED19を封止する機能を有する他、LED19から発せられた光のうち、その一部又は全部の波長を所定の波長へと変換する機能も有する。
封止体21は、例えば、透光性材料と、LED19から発せられた光の波長を所定の波長へと変換する変換材料とからなる。
(2)搭載部材5
搭載部材5は、LEDモジュール3を搭載すると共に、後述の筒状をしたケース7の一端に内接して一端側の開口を塞いでいる。つまり、搭載部材5は、図1及び図2に示すように、板状をし、平面視(LED電球1の中心軸の延伸する方向から見た場合である。)において外周形状がケース7の一端側の開口の平面視形状の内周形状と略一致し、ケース7の一端に内嵌されることでケース7の一端側の開口を塞ぐ、
搭載部材5のケース7の外部側(図1では、上側である。)に位置する面(この面を表面とする。)にLEDモジュール3が装着されている。ここでは、ケース7がその横断面形状が円環状をした筒状(所謂、円筒状である。)であるため、搭載部材5は円盤状をしている。
搭載部材5は、LEDモジュール搭載用の凹部27を表側に、軽量化用の凹部29を裏側に、そして、後述する回路ホルダ13を搭載部材5に連結するための連結部材75である雄ネジが螺合するための雌ネジ部31を中央部に、それぞれ有している。
なお、雌ネジ部31は、搭載部材5を貫通しても良いし、貫通しなくても良い。しない場合は、当該雌ネジ部は搭載部材の裏面の略中央に設けられる。
搭載用の凹部27は、LEDモジュール3の平面視形状と略同じ平面視形状をし、この凹部27にLEDモジュール3が、凹部27の底面とLEDモジュール3の基板17とが面接触する状態で、装着される。なお、LEDモジュール3の装着方法として、例えば、固定ビスにより直接固定する方法や、板ばね等により取着力を加える方法や、接着剤を用いる方法等がある。なお、この凹部27によりLEDモジュール3の位置決めが容易且つ正確に行える。
搭載部材5は、その厚み方向に貫通する貫通孔33を備え、点灯回路11からの給電路35が当該貫通孔33を通って基板17の端子部25bに電気的に接続される。なお、貫通孔33は少なくとも1個あれば良く、この場合は2つの給電路(35)が1つの貫通孔(33)を通り、また、貫通孔33,33が2個あれば、2つの給電路35,35は、別々に貫通孔33,33を通ることとなる。
搭載部材5は、外周部分に表側から裏側に広がる段差部を全周に亘って有している。具体的には、外径の小さい小径部37と、小径部37の外径より大きい大径部39とから段部が構成され、大径部39の外周面39aがケース7の内周面7aに当接している。
ケース7の内周面7aと小径部37との間に形成される隙間にはグローブ9の開口側の端部9aが挿入され、この挿入状態のグローブ9の開口側の端部9aを例えば、接着剤41等を利用して固着している。
大径部39の外周面39aは、小径部37側の端(図1において上端である。)から小径部37と反対側の端(図1において下端である。)へと移るに従って外周径が徐々に小さくなる傾斜を有し、この傾斜角度、後述のケース7の内周面7aの傾斜角度と一致している。
(3)ケース7
ケース7は、図1に示すように、両端に開口を有する筒状をし、一端に上記の搭載部材5が取着され、他端に口金部材15が設けられ、内部の空間には回路ホルダ13を収納する。なお、回路ホルダ13内には点灯回路11が保持(格納)されている。
ここでのケース7は、筒壁45と、筒壁45の他端に設けられた底壁47とを有し、前記底壁47の中央部分(筒部の中心軸を含む。)に開口(貫通孔)49が設けられている。なお、筒状のケース7の開口のうち、開口径の大きな開口を「大開口」いい、開口径の小さな開口を小開口49という。
筒壁45は、筒壁45の中心軸に沿って大開口側の端から底壁47へ移るに従って外径・内径が小さくなる傾斜筒部51a,51bを有している。傾斜筒部51a,51bは、互いに区別して説明する必要がない場合は、単に「51」として表す。
本第1の実施の形態では、大開口に近い傾斜筒部51aは、底壁47に近い傾斜筒部51bよりも、中心軸に対する傾斜角度が小さくなっている。
また、LED19が点灯した際に発生した熱は、LEDモジュール3の基板17から搭載部材5へと、搭載部材5からさらにケース7へと伝わり、ケース7に伝わった熱が当該ケース7から外気へと主に放出される。このため、ケース7は、LED19が点灯した際に発生した熱を外気中に放熱する放熱機能を有し、ヒートシンクとも言え、搭載部材5は、LEDモジュール3の熱をケース7に伝える伝熱機能を有し、熱伝導部材とも言える。なお、ケース7の外面は、後述するが、アルマイト処理されており、放熱特性を向上させている。
搭載部材5のケース7への装着は、例えば、搭載部材5をケース7の大開口側である一端から押入することで行われる。搭載部材5の位置決めは、ケース7の内周面7aと搭載部材5の外周面39aとの傾斜角度を一致させることで行われる。
なお、搭載部材5のケース7からの脱落を防止するために、ケース7における搭載部材5と当接する部位又は搭載部材5の大開口側の端よりも大開口側の部位(つまり、搭載部材5の上端縁よりも上方であって上端縁近傍の部位である。)に内部(ケース7の中心軸側である。)へと突出する突起が形成されている。なお、この突起は、ケース7の外周面の該当部位を例えば外側からポンチ打ちすることで行われる。
(4)回路ホルダ13
回路ホルダ13は、ケース7の内部に配される本体部55と、当該本体部55からケース7の小開口49を介してケース7の外部へと突出する筒状の突出筒部57とを備える。
本体部55は、ケース7の小開口49を通過できない大きさであり、突出筒部57をケース7の小開口49から突出させたときに、ケース7の底壁47の内面と当接する当接部59を有する。
回路ホルダ13は、一部がケース7の小開口49を介してケース7の外部に突出し、残部がケース7の内部に配される筒体61と、筒体61におけるケース7の内部に配されている側の開口61aを塞ぐ蓋体63とからなる。
つまり、回路ホルダ13の本体部55は、筒体61と蓋体63とから構成される回路ホルダ13のうち、ケース7の内部に配されている部分であり、回路ホルダ13の突出筒部57は、筒体61のうち、ケース7の小開口49を介してケース7の外部に突出している部分である。なお、突出筒部57の外周面には口金部材15が装着されるため、突出筒部57の外周の一部又は全部が雄ネジ部57aとなっている。
蓋体63は、筒部65と蓋部67とを有する有底筒状をし、その筒部65が筒体61の大径側の端部内に挿入される構造をしている(言うまでもなく、筒体が蓋体内に挿入される構造であっても良い。)。
蓋体63は、図4に示すように、筒体61の大径側の端部に形成されている複数(本例では2個である。)の係合孔69に係合する係合爪71を複数(本例では2個である。)筒部65に有し、筒部65が筒体61に挿入された際に係合爪71が係合孔69に係合することで、筒体61に着脱自在に装着される。なお、係合爪及び係合孔は互いに係合できれば良く、上記説明とは逆に、係合孔が筒部に、係合爪が筒体にそれぞれ形成されていても良い。
筒体61の係合孔69は、蓋体63の係合爪71が嵌る部分より大きく構成されている。具体的には、図4に示すように、筒体61の係合孔69は、蓋体63の筒部65の筒体61への挿入方向(筒体61の中心軸方向である。)に長く(所謂、長孔である。)、その形状は、例えば、長方形状をしている。これにより、蓋体63は、筒体61に対して蓋体63の筒体61への挿入方向に移動自在に取着されることとなる。
蓋体63は、その中央に搭載部材5側に突出する有底筒状の突出部73を有し、当該突出部73の底部77に貫通孔を有している。突出部73の先端が平坦となっており、蓋体63が搭載部材5に連結されたときに搭載部材5の裏面に当接するようになっている。
突出部73の内部には、回路ホルダ13と搭載部材5とを連結する連結部材75である雄ネジが挿入され、この際、当該雄ネジの頭部(の首)が突出部73の底部77に当接し、これにより連結部材75の突出部73内への挿入が規制される。
回路ホルダ13のケース7への装着は、詳細は後述するが、回路ホルダ13の当接部59と口金部材15とでケース7の底壁47を挟み込むことで行われる。
回路ホルダ13の当接部59と突出筒部57とを除く部分(の外面)とケース7の内周面7aとの間、そして、回路ホルダ13における蓋体63の突出部73を除く部分(の外面)と搭載部材5の裏面との間には隙間があり、当該隙間に空気層が存在する。
このため、LED電球1に点灯によりケース7の温度が上昇しても、ケース7と回路ホルダ13との間には空気層があるため、回路ホルダ13の温度上昇が抑制され、内部の点灯回路11の温度が過度に上昇するようなことを防ぐことができる。
また、ケース7に大きな負荷(例えば、ケース7が凹むような圧縮負荷である。)が作用した場合、ケース7の厚みが200(μm)以上500(μm)以下であるためケース7が変形・破損するおそれがあるが、点灯回路11はケース7内に空気層(隙間)を介して存在する回路ホルダ13に格納されているため、ケース7が破損したとしても点灯回路11の破損を防ぐことができる。
(5)点灯回路11
点灯回路11は、口金部材15を介して供給される商業用電力を利用してLED19を点灯させる。点灯回路11は、基板81に実装されている複数の電子部品83,85等から構成され、例えば、整流・平滑回路、DC/DCコンバータ等から構成されている。なお、複数の電子部品の符号は、便宜上「83」と「85」で表している。
基板81は、その一の主面に上記電子部品83,85を実装し、電子部品83,85が回路ホルダ13の突出筒部57側に位置する状態で、回路ホルダ13の内部に保持されている。なお、基板81の他の主面には、LEDモジュール3と接続された給電路35が取着されている。
図4は、回路ホルダの基板の装着を説明するための断面図である。
なお、図4では、基板の装着を説明するために、便宜上基板81だけを仮想線で示す。
点灯回路11を構成する電子部品83,85等を実装する基板81が、蓋体63に形成されている複数の規制腕87と複数の係止爪89とからなるクランプ機構により保持される。
規制腕87と係止爪89は、ここではそれぞれ4個あり、蓋体63の周方向に交互に等間隔をおいて蓋部67から口金部材15側へと延出するように形成されている。
規制腕68は、その先端が鉤状をしており、基板81の蓋部67側の面と周面とに当接し、係止爪89は基板81の口金部材15側の主面に当接(係合)する。これにより、基板81が、回路ホルダ13内の所定位置に固定され保持される。
なお、基板81は、回路ホルダ13を構成している筒体61と蓋体63とから独立した状態、つまり、筒体61と蓋体63とに直接接触していない状態で保持されているため、例えば、回路ホルダ13と搭載部材5とが連結部材75で連結されることで当接したとしても、基板81へと伝わる点灯時のLED19の熱を抑制することができる。
(6)グローブ9
グローブ9は、例えばドーム状をし、LEDモジュール3を被覆する状態で設けられている。ここでは、グローブ9の開口側の端部9aが、ケース7の内周面7aと搭載部材5の小径部37(の外周面)との間に挿入された状態で、ケース7と小径部37との間に配された接着剤41により、グローブ9がケース7側に固着されている。なお、接着剤41は、搭載部材5とケース7とも固着している。
(7)口金部材15
口金部材15は、照明器具のソケットに取着され、このソケットから給電を受けるためのもので、ここでは、エジソン式の口金部(本発明の「口金」に相当する。)91と、当該口金部91の開口側の端部に装着され且つ回路ホルダ13の突出筒部57の外周に装着される外嵌部93とを有している。
外嵌部93は、環状をし、その内径は、突出筒部57の外径に対応している。外嵌部93は、突出筒部57に装着(外嵌)されたときに、ケース7の底壁47の外面に当接するケース当接部分95と、突出筒部57に当接するホルダ当接部分97とを有する。
口金部91は、ネジ部分のシェル部98と先端部のアイレット部99とを有し、シェル部98が回路ホルダ13の突出筒部57の外周に形成された雄ネジ部57aと螺合する。なお、図1では、点灯回路11と口金部91とを電気的に接続する接続線の図示は省略している。
2.実施例
第1の実施の形態に係るLED電球1は、例えば、60Wタイプや40Wタイプの白熱電球として実施することができる。なお、白熱電球60Wタイプに相当するLED電球を「60W相当品」といい、同様に、白熱電球40Wタイプに相当するLED電球を「40W相当品」という。
(1)LEDモジュール3
基板17は、基板本体23として、例えば、樹脂材料やセラミック材料を利用することができるが、熱伝導率の高い材料が好ましい。基板本体23の厚みは1(mm)である。
また、基板本体23は平面視で正方状をし、その一辺が、40W相当品では21(mm)、60W相当品では26(mm)である。このため、基板17と搭載部材5との接触面積S2は、それぞれ441(mm)、676(mm)となる。
白熱電球代替を目的とする場合、LED19として、例えば青色光を出射するGaN系が用いられ、透光性材料として、例えばシリコーン樹脂等が利用され、変換材料として、例えばYAG蛍光体((Y,Gd)Al12:Ce3+)、珪酸塩蛍光体((Sr,Ba)SiO4:Eu2+)、窒化物蛍光体((Ca,Sr,Ba)AlSiN:Eu2+)、酸窒化物蛍光体(BaSi12:Eu2+)、等が利用される。これにより、LEDモジュール3から白色光が出射される。
LED19は、マトリックス状や、多重の円状・多角状、十字状等に配されるように基板17に実装されている。LED19の個数は、対象とする白熱電球の輝度等に合わせて適宜決定される。例えば、60W相当品の場合は96個のLED19が24直列×4並列で実装され、40W相当品の場合は48個のLED19が24直列×2並列で実装される。
(2)搭載部材5
搭載部材5は、熱伝導性の高い材料が利用され、例えば、アルミニウムが利用され、LEDモジュール3を搭載する部分の厚みの方が3(mm)であり、ケース7の大径部39においてはその厚みが3(mm)である。大径部39の外径は、40W相当品では37(mm)、60W相当品では52(mm)である。このため、搭載部材5とケース7との接触面積S1はそれぞれ349(mm)、490(mm)である。
なお、搭載部材5とケース7との接触面積をS1、LEDモジュール3の基板17と搭載部材5との接触面積をS2としたときに、接触面積の比S1/S2が、40W相当品は0.79、60W相当品は0.72である。
この接触面積の比S1/S2が0.5以上、1.0以下の範囲内にあるのが好ましい。これにより、後述するが、軽量且つ良好な放熱性を得ることができる。
(3)ケース7
ケース7は、熱放射性の高い材料、例えば、アルミニウムが利用され、その厚みは、0.3(mm)以上0.35(mm)以下である。
ケース7は、対象とする白熱電球のタイプによって寸法が異なる。
図5は、ケースの寸法を示す図である。
ケース7は、筒状をし、上述のように第1の傾斜筒部51a、第2の傾斜筒部51b及び底壁47を有し、第1の傾斜筒部51aと第2の傾斜筒部51bとの間には第1の屈曲部51cがあり、第1の傾斜筒部51aと底壁47との間には第2の屈曲部51dがある。
ケース7の各寸法は、図5の(b)に示すとおりである。
また、40W相当品での大開口側の端から距離x離れた位置での厚みtは、図5の(c)に示すとおり、サンプル1では距離xが5(mm)から25(mm)までの領域(本発明の「領域」である。)が、サンプル2では距離xが5(mm)から20(mm)までの領域(本発明の「領域」である。)が、それぞれケース7の一端(図5の(a)では上端である。)側から他端側に移るに従って意図的に薄くしている。
特に、製造から完成後の取り扱いの保持等により力の加わりやすい大開口側端部部分のケース7の厚みを厚くし、変形し難くするとともに、小開口側端部に向けて薄くすることで軽量化をはかることができる。
最も薄くなる部分は、大開口部と第1の屈曲部51cの中間点よりも第1の屈曲部51c側であり、大開口部端から20(mm)以上25(mm)以下の範囲の位置である。(比率で表すと、全長に対して、0.57以上0.71以下の範囲の位置である。)
屈曲部51c,51dは梁の効果を有していることから、屈曲部51c,51d側に最薄部を近づけることにより、薄くなることにより変形しやすくなることを抑制することができる。このように、屈曲部51c,51dを最薄部としないことにより、ケース7に屈曲部51c,51dを形成、加工する際の破損を防止することができる。
ケース7の表面にはアルマイト加工により、10(μm)のアルマイト層が施されている。アルマイト処理をしても、膜厚が薄いために、ケース7の体積、重量に与える影響がほとんどない。本実施例のように小型、軽量化のために厚みを薄くしたケースを用いても、高い放熱性を実現することができる。このように両者を組合わせることにより、高放熱と小型化・軽量化という相反する両特性を実現しえるものである。
また、本実施例のようにケース7の材料にアルミニウムを用いる場合、表面を陽極酸化することによりアルマイト層を形成することができるので、塗料等の別材料を塗装することによる課題、例えば剥離等も生じることがなく、且つ、工程も簡素化できる。
(4)回路ホルダ13
回路ホルダ13は、軽量化のため比重の低い材料が利用され、例えば、合成樹脂(具体的には、ポリブチレンテレフタレート(PBT)である。)が利用されている。
蓋体の厚みは0.8(mm)、筒体の厚みは0.8(mm)である。
回路ホルダ13とケース7との間の隙間は、ケース7の中心軸方向の中央部分で約0.5(mm)となっている。このため、例えば、ケース7の中央部分が何らかの原因で圧縮負荷(凹入させるような負荷である。)が作用したとしても、ケース7の変形部分がその変形の途中で回路ホルダ13に当接し、それ以上変形するのを防止することができる。そして、この変形が弾性変形であれば圧縮負荷がなくなると元の状態に戻ることとなる。
なお、回路ホルダ13とケース7の間に隙間を設けない構成としても良い。
ケース7の内側を絶縁部材で表面処理することにより、回路ホルダ13を用いず点灯回路11との絶縁を確保しえる。回路ホルダ13を用いない場合は、更に小型化、軽量化しえる。
(5)口金部91
口金部91は、従来の白熱電球における口金と同様のタイプである。具体的には、60W相当品の場合はE26口金であり、40W相当品の場合はE17口金である。
3.ケースについて
(1)厚み
ケース7の大開口側の付近(図5の(c)では距離xが0(mm)から5mm程度までの範囲(第1の領域とする。)である。)における厚みは、大開口付近での潰れ等の変形を防ぐことができる程度の剛性を有する厚みであれば良い。なお、このような変形がしない程度の厚みは、ケース7の材料としてアルミニウムを利用した場合、200(μm)以上500(μm)以下の範囲である。
ケース材料としてかかる薄い材料を用いることにより、ケース7の外形と相似形状の内部空間、すなわち回路収納空間を確保することが可能となる。すなわち回路空間に合わせて必要最小限の大きさでケース外形とすることができるので、小型化、軽量化に適している。
一方、ケース7の厚みは、図5の(c)に示すように、大開口側の端側から第1の屈曲部51cに移るに従って薄くなっている。
この大開口側の端から第1の屈曲部51cまでの範囲(第2の領域であり、第1の傾斜筒部51aである。)における厚みは、LED電球1を照明器具側に装着する際、つまり、LED電球1の口金部91を照明器具のソケット側に回転させながら装着する際に、使用者がケース7の第1の傾斜筒部51a(ケース7の中心軸方向の中央部分でもある。)を把持することが多い。
このため、第1の傾斜筒部51aでは使用者が当該部分を把持しても変形(凹入)しない程度の剛性を有する厚みであれば良い。なお、変形しない程度の厚みは、ケースの材料としてアルミニウムを利用した場合、250(μm)以上350(μm)以下の範囲であり、上記第1の領域での厚みより薄くなっている。
これにより、LED電球1としての組立て時や、ケース7としての部品の搬送時に、ケース7の大開口側の端部が変形するようなことが少なくなり、取り扱い性を向上させることができる。
本実施例においては、屈曲部51c、51dを2箇所に設けているが、傾斜筒部51a、51bの一部にも屈曲部を設けて更に多段化しても良い。これによってより変形し難くできる。
また、ケース7の大開口側の端部の内周面7aと搭載部材5の大径部39の外周面39aとの傾斜角度を一致させ、ケース7と搭載部材5との装着に、搭載部材5をケース7に押入させている。この場合、例えば、搭載部材5の外周径やケース7の内周径にバラツキがあった場合でも、ケース7の厚みが上記範囲であれば、搭載部材5をケース7内に押入(場合によっては圧入)させたときに、ケース7の大開口側部分が変形して、搭載部材5の外周面39aとケース7の内周面7aとを確実当接させることができる。これにより、ケース7と搭載部材5との結合力を高めることができると共に、搭載部材5側の熱をケース7側に効率良く且つ確実に伝えることができる。
また、第2の傾斜筒部51bは、第1の屈曲部51cと第2の屈曲部51dとの間に位置し、また、底壁47は第2の屈曲部51dからケース7の中心軸に向かって延伸するため、第2の領域に比べて剛性が高くなり、この部分での変形を防止することができる。
(2)放熱性
本第1の実施の形態では、ケース7の外面にアルマイト処理を施している。以下、アルマイト処理の有無と放熱性との関係について説明する。
図6は放熱性に対するアルマイト処理の影響を示す図であり、(a)は40W相当品の場合であり、(b)は60W相当品の場合である。
なお、放熱性の影響は、LED電球1を所望の光束となるように点灯させたときのLED19のジャンクション温度(図中「Tj」で示す。)で評価し、アルマイト層の厚みは5(μm)である。
まず、40W相当品の場合について説明する。
同図の(a)に示すように、ケース7の外面にアルマイト処理を行っていない場合は、ケース7の放射率は、0.05でLED19のジャンクション温度は116(℃)である。
一方、ケース7の外面に白アルマイト処理を行った場合は、ケース7の放射率は、0.8とアルマイト処理をしていない場合に比べて16倍になっており、また、LED19のジャンクション温度は98.5(℃)とアルマイト処理をしていない場合に比べて17.5(℃)も温度が下がっている。なお、放熱率とは黒体の放射率を1とした時の放射率である。
また、ケース7の外面に黒アルマイト処理を行った場合は、ケース7の放射率は、0.95とアルマイト処理をしていない場合に比べて19倍になっており、また、LED19のジャンクション温度(Tj)は95(℃)とアルマイト処理をしていない場合に比べて21(℃)も温度が下がっている。さらに、白アルマイト処理を行った場合に対しても放熱性は向上している。
放熱特性を考慮すると黒アルマイト処理の方が好ましく、表面での可視光の吸収を考慮すると可視光の反射率が高い白アルマイト処理が好ましい。取り付ける照明器具等により使い分けることも可能である。
次に、60W相当品の場合について説明する。なお。アルマイト処理の有無による放射率は40W相当品の場合と同じであるため、以下、ジャンクション温度について説明する。
同図の(b)に示すように、ケース7の外面にアルマイト処理を行っていない場合はLED19のジャンクション温度は101(℃)である。
一方、ケース7の外面に白アルマイト処理を行った場合は、LED19のジャンクション温度は82(℃)とアルマイト処理をしていない場合に比べて19(℃)も温度が下がり、黒アルマイト処理を行った場合は、LED19のジャンクション温度は78(℃)とアルマイト処理をしていない場合に比べて23(℃)も温度が下がっている。なお、60W相当品においても、白アルマイト処理を行った場合に対しても放熱性は向上している。
なお、40W相当品の方がケース7の包絡体積が60W相当品に比べて小さいため、放熱しにくいため、投入電力の少ない40W相当品の方のジャンクション温度が高くなっていると考える。
このように、ケース7の外面にアルマイト処理を行うことで、ケース7の放熱特性を向上させることができる。なお、これにより、ケース7の厚みを薄くしても、高い放熱性を維持できることとなる。
4.組立
図7は、第1の実施の形態に係るLED電球の組み立て方法を説明する図である。
まず、LEDモジュール3を搭載した搭載部材5と回路ホルダ13の蓋体63とを連結部材75で連結させ、その後、回路ホルダ13の蓋体63に点灯回路11の基板81を装着し、その後、蓋体63に筒体61を装着する。これにより、同図の(a)に示すように、搭載部材5と回路ホルダ13との組立て(連結)が完了する。
次に、(a)に示すように、回路ホルダ13の突出筒部57をケース7の内部から小開口49を介して外部へと張り出させながら、搭載部材5をケース7の大開口側の端部に押入する。そして、搭載部材5のケース7からの脱落を防止するために、ケース7における搭載部材5の上端(ケース7の大開口側の端である。)に相当する部位を、ポンチ等で凹入させて突起を設ける。
この際、ケース7は、材料にアルミニウムを利用し、その厚みが、一端側では300(μm)以上500(μm)以下、中央部分では250(μm)以上350(μm)以下としているので、組立時にケース7が変形するようなことを少なくできる。
また、ケース7の大開口側の端部の内周面7aと、搭載部材5の大径部39の外周面39aとが同じ傾斜角となっているため、搭載部材5を少しケース7内に凹入するだけで、ケース7と搭載部材5とを当接させることができる。この際、加工上のバラツキ等により両者に隙間が存在するような場合でも、搭載部材5の圧入によりケース7が変形して最終的にケース7と搭載部材5とを確実に当接させることができ、安定した結合強度が得られる。
そして、給電路35の一端をLEDモジュール3にと電気的に接続し、突出筒部57に口金部材15を被せ、その状態で突出筒部57の外周のネジ部57aに沿って口金部材15を回転させる。これにより、口金部材15が、ネジ部57aと螺合すると共にケース7の底壁47に近づき、さらに口金部材15を回転させて、回路ホルダ13の当接部59と口金部材15の外嵌部93(ケース当接部分95)とでケース7の底壁47を挟持させて、回路ホルダ13及び搭載部材5のケース7への装着が完了する。
次に、同図の(c)に示すように、グローブ9の開口側の端部9aをケース7と搭載部材5との間に挿入した状態で、接着剤(41)でこれらを固着し、LED電球1の組立てが完了する。
このように、ケース7と回路ホルダ13と口金部材15との組み立てに、回路ホルダ13と口金部材15との螺合により両者が近づくのを利用して、ケース7の底壁47を挟持する構造を採用しているので、これらの結合(組立)に、例えば、接着剤等が不要となり、効率的且つ安価に組み立てできる。
また、ケース7の大開口側の端部の内周面7aと、搭載部材5の大径部39の外周面39aとが同じ傾斜角となっている。このため、搭載部材5を少しケース7内に凹入するだけで、ケース7と搭載部材5とを確実に当接させることができ、搭載部材5から熱を効率良くケース7側に伝えることが可能となる。
このとき、ケース7の大開口側の端部の内径、搭載部材5の大径部39の外径、搭載部材5の厚み等にバラツキがあり、搭載部材5のケース7に対する位置が変化した(所謂、加工上のバラツキ等である。)としても、回路ホルダ13の蓋体63が、筒体61に対して中心軸方向(この方向は、ケース7の中心軸方向でもあり、さらに、搭載部材5のケース7への挿入方向でもある。)に移動可能に装着されているため、上記のバラツキを許容することができる。
さらに、回路ホルダ13はケース7に取着され、さらに、搭載部材5が回路ホルダ13に連結されているので、結果的に、搭載部材5は、ケース7に固定されたことになり、搭載部材5のケース7からの脱落を未然に防止することができる。
5.その他
(1)伝熱性
第1の実施の形態に係るLED電球1では、LEDモジュール3が点灯(発光)したときに、LEDモジュール3に発生した熱は、当該LEDモジュール3から搭載部材5へと伝わり、さらに、搭載部材5からケース7へと伝わる。
ここで、搭載部材の厚みと伝熱性との関係について説明する。
具体的には、搭載部材とケースとの接触面積及びLEDモジュールと搭載部材との接触面積を一定にして、搭載部材におけるLEDモジュールの搭載面における厚みの異なるLED電球を製作して(図8(a)参照。)、投入電力を変化させたときのLEDのジャンクション温度を測定した。
図8は、搭載部材の厚みと伝熱性との関係を説明する図であり、(a)は試験に用いた搭載部材の説明図であり、(b)は試験の測定結果である。
試験に用いた搭載部材は、外径(同図の(a)の「c」である。)が直径38(mm)の円盤状をし、その材質はアルミニウムである。また、試験に用いたケースは、搭載部材が組み込まれる部分の内径が38(mm)、外径が40(mm)、その厚みが1(mm)、包絡体積が約42(cc)であり、その材質はアルミニウムである。なお、ケースにはアルマイト処理を施していない。
搭載部材は、同図の(a)に示すように、搭載部材におけるLEDモジュールの搭載面における厚みbが、1(mm)、3(mm)、6(mm)の3種類が利用され、ケースの中心軸方向における搭載部材とケースとの接触長さaが4(mm)で一定であり、ケースと搭載部材との接触面積が480(mm)、LEDモジュールと搭載部材との接触面積が440(mm)である。
また、LEDモジュール(正確には基板である。)のサイズは、一辺が21(mm)の正方状で、基板の厚みが1(mm)である。
上記構成のLED電球を点灯させたときのLEDのジャンクション温度は、図8の(b)に示すように、搭載部材5の厚みbに関係なく、すべての搭載部材5の厚みで、投入電力の増加に伴って増加する傾向にあるのが分かる。なお、試験に用いたLED電球で想定されている実投入電力範囲は、4(W)以上8(W)以下である。
さらに、同じ投入電力で比較すると、搭載部材5の厚みの違いによるLEDのジャンクション温度の差がほとんど無いことが分かる。
以上のことから、搭載部材5の厚みは、LED電球としての軽量化を図る観点からは、なるべく薄い方が好ましい(厚みについては後述する。)。
したがって、搭載部材5の厚みは、LEDモジュール3を搭載でき、さらに、当該搭載部材5をケース7に組立てる際に圧入(押入)方式を採用する場合に、その圧入負荷に耐えられる機械的特性を有していれば良い。
(2)放熱性と軽量性
第1の実施の形態に係るLED電球1では、LEDモジュール3が点灯(発光)したときに、LEDモジュール3に発生した熱は、当該LEDモジュール3から搭載部材5へと伝わり、さらに、搭載部材5からケース7へと伝わり、ケース7から外気へと放熱される。
LEDモジュール3で発生した熱のケース7からの放熱特性を考慮した場合、搭載部材5とケース7との接触面積をS1、LEDモジュール3と搭載部材5との接触面積をS2とした場合に、両接触面積の比S1/S2が0.5以上であるのが好ましい。
図9は、搭載部材とケースとの接触面積と、搭載部材とLEDモジュールとの接触面積の比によるLED温度の影響を示す図である。
試験では、所定の投入電力(2種類)でLED電球を点灯させた際のLEDモジュールのLEDのジャンクション温度を測定して評価している。
なお、試験に利用したLED電球は、接触面積の比S1/S2が、0.1、0.5、1.1、2.2の4種類で、投入電力を6(W)及び4(W)としている。
図9では、投入電力が6(W)で点灯させた場合、4(W)で点灯させた場合とも、投入電力に関係なく、接触面積の比S1/S2が大きくなるに従って、LEDのジャンクション温度が低くなっているのが分かる。
また、接触面積の比S1/S2が0.5より小の場合は接触面積の比S1/S2の変化に対する降温幅が大きく、比S1/S2が0.5以上の場合は、接触面積の比S1/S2が大きくなっても、さほどジャンクション温度は低下しないことが分かる。
さらに、接触面積の比S1/S2が1.0以上になると、接触面積の比S1/S2が大きくなっても、ほとんどジャンクション温度が低下しないことが分かる。特に、LEDのジャンクション温度は、接触面積の比S1/S2が大きくなるとほとんど温度が低下せず、接触面積の比S1/S2が1.0では、接触面積の比S1/S2が2.2の場合のLEDのジャンクション温度との差が1(℃)以内となり、ほとんど温度差がない。
特に、接触面積の比S1/S2が2.5以上で温度変化がほとんどなくなり、3.0より大の場合は、LEDにジャンクション温度低下は見られないと考えられる。
以上のことから、放熱特性は、接触面積の比S1/S2が0.5以上であることが好ましく、さらには、1.0以上であることがより好ましいといえる。
ここで、接触面積の比S1/S2を大きく(例えば、1.0以上)するには、搭載部材とケースとの接触面積S1を大きくするか、発光モジュールと搭載部材との接触面積S2を小さくする必要がある。
接触面積S2については、実装するLEDの大きさ・数等により発光モジュール(基板)の小型化が困難であるため、接触面積の比S1/S2を大きくするには搭載部材とケースとの接触面積S1を大きくするのが比較的容易である。
しかしながら、ケースの大きさは予め定まっているので、接触面積S1を大きくするには、載置部材におけるケースとの接触面積を大きくする必要があり、結果的に載置部材の重量化を招くこととなる。
以上のことから、放熱性と軽量性の両面を考慮すると、接触面積の比S1/S2を0.5以上1.0以下とするのが好ましい。
なお、複数のLEDモジュールを搭載する場合、接触面積S2はLEDモジュールと搭載部材の接触面積の総和とすることができる。
(3)搭載部材とケース
第1の実施の形態では、搭載部材5とケース7との厚みの関係について特に説明しなかったが、搭載部材5におけるLEDモジュール3を搭載する領域部分の厚みの方が、ケース7の厚みよりも厚いことが好ましい。これは、搭載部材5におけるLEDモジュール3を搭載する領域部分の機能とケース7の機能との相違により生じる。
つまり、搭載部材5におけるLEDモジュール3を搭載する領域部分は、LEDモジュール3からの熱を一時的にでも蓄熱する必要があり、蓄熱と熱伝導との両機能(役割)が必要となる。これに対し、ケース7は、LED19で発生した熱が搭載部材5からケース7へ伝えられた後は、ケース7から外気へと放熱されるため、蓄熱機能は必要でない。
従って、ケースの厚みを厚くする必要はないのに対し、蓄熱の役割が必要となる搭載部材におけるLEDモジュールを搭載する領域部分の部分は、ケース7よりも厚くする方が好ましいのである。換言すると、ケース7の厚みを搭載部材5よりも薄くでき、ケース7について軽量化を図ることができる。
なお、搭載部材5におけるLEDモジュール3(正確には基板17である。)と接触している部分の厚みは、LEDモジュール3の基板17の厚みに対し、1倍以上3倍以下の範囲内にあることが好ましい。これは、LED電球1の全長が定められている場合、搭載部材5におけるLEDモジュール3と接触している部分が基板17の厚みに対し3倍よりも厚いと、点灯回路(回路ホルダ13)11と搭載部材5との間に十分な隙間を設けることが不可能となり、点灯回路11を構成する電子部品83等への熱による悪影響が生じる可能性が高くなる。一方、搭載部材5におけるLEDモジュール3と接触している部分が1倍よりも薄いと、LEDモジュール3を搭載するための機械的特性が不足するからである。
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態では、ケースにアルマイト処理を施してケースの輻射率を向上させることにより、放熱特性を維持しつつケースの薄肉化を計っている。
図10は、本発明の第2の実施の形態に係るLED電球201の概略構成を示す縦断面図である。
LED電球201は、筒状をしたケース203、ケース203の長手方向一方の端部に取り付けられたLEDモジュール205、ケース203の他方の端部に取り付けられた口金部材207、およびケース203内に収納された点灯回路209を主な構成として有する。
ケース203は、前記一方の端部から他方の端部側に向かって径が小さくなる第1テーパ部203aと、第1テーパ部203aから延出され第1テーパ部203aより大きなテーパ角をもって径が小さくなる第2テーパ部203bと、第2テーパ部203bの端部から内側に折り返された形の底部(折返し部)203cとを有する。第1テーパ部203aと第2テーパ部203bの横断面は円形をしている。また、底部203cは円環状をしている。ケース203は、後述するように、LEDモジュール205からの熱を放散させる放熱部材(ヒートシンク)として機能させるため、熱伝導性の良い材料、例えばアルミニウムを基材として形成されている。なお、LED電球201全体の軽量化を図るため、ケース203は薄肉の筒状にしているのであるが、その厚みなどの詳細については後述する。
LEDモジュール205は、載置部材(取付部材)211を介して、ケース203に載置され(取り付けられ)ている。載置部材211は、アルミニウムなどの良熱伝導性材料からなる。載置部材211は、その材料特性により、後述するように、LEDモジュール205からの熱をケース203へ熱を伝導する熱伝導部材としても機能する。
LEDモジュール205は、方形(本例では、正方形)の基板213を有し、基板213には、LEDが複数個実装されている。これらのLEDは、基板213の配線パターン(不図示)によって直列に接続されている。直列接続されたLEDの内、高電位側末端のLEDのアノード電極(不図示)と配線パターンの一方の端子部(25b、図3参照。)とが電気的に接続されており、低電位側末端のLEDのカソード電極(不図示)と他方の端子部(25b、図3参照。)とが電気的に接続されていて、両端子部から給電することによりLEDが発光する。なお、端子部には、給電路215の一端が半田付けされ、これら給電路215を介して、点灯回路209からの電力が給電される。
LEDには、例えば、青色発光するGaN系のものを用いることができる。なお、LEDモジュール205を構成するLEDの個数は1個でも構わない。また、複数個用いる場合であっても、上記の例のように、全てを直列に接続するのに限らず、所定個数ずつを直列に接続したもの同士を並列に接続する、もしくは、所定個数ずつを並列に接続したもの同士を直列に接続する、いわゆる直並列接続することとしても構わない。
LEDは、封止体217で封止されている。封止体217は、LEDからの光を透過させる透光性材料と、LEDからの光を所定の波長に変換する必要がある場合には変換材料とから構成される。透光性材料として樹脂が用いられ、当該樹脂には、例えば、シリコーン樹脂を用いることができる。また変換材料として、例えば、YAG蛍光体((Y,Gd)Al12:Ce3+)、珪酸塩蛍光体((Sr,Ba)SiO4:Eu2+)、窒化物蛍光体((Ca,Sr,Ba)AlSiN:Eu2+)、酸窒化物蛍光体(BaSi12:Eu2+)の粉末を用いることができる。これにより、LEDモジュール205から白色光が出射される。
載置部材211は全体的に略円板状をしている。載置部材211は、アルミニウムなどの良熱伝導性材料からなる。載置部材211は、点灯中に発生するLEDモジュール205からの熱をケース203へ熱を伝導する熱伝導部材としても機能する。
載置部材211の片方の主面中央には基板213に合わせて方形の凹部219が形成されている。LEDモジュール205は、基板213が凹部219に嵌め込まれ、基板213の裏面を凹部219底面に密着させて、固定されている。固定方法は、接着剤による。あるいは、基板213の適当な位置に貫通孔を開設し、当該貫通孔を介して、載置部材211にねじ止めすることにより固定することとしても構わない。
載置部材211には、給電路215が挿通される挿通孔221が開設されている。
載置部材211の周縁は、前記主面から後退した段差部223に形成されている。ここで、段差部223内側の段差部223以外の部分を、円板部225と言う。段差部223の外周面211aは、ケース203の第1テーパ部203aの内周面のテーパ角と略合致するテーパ角を有するテーパ面(円錐面の一部に相当)に形成されている。このテーパ面(前記外周面)が第1テーパ部203aの内周面に密着する形で、載置部材211は、ケース203に固定されている。固定は、ケース203の端部内周面、円板部225の外周面および段差部223上面で創設された円形溝227に充填された接着剤229によりなされている。
また、円形溝227には、LEDモジュール205を覆いドーム状をしたグローブ231の開口端部が挿入されている。グローブ231は、接着剤229によりケース203および載置部材211に固定されている。
載置部材211の円板部225の中心には、雌ねじ233が形成されている。雌ねじ233は、点灯回路209を保持する蓋体235を載置部材211に固定するのに用いられる。
蓋体235は、円形底部237と円形底部237周縁から垂直に立ち上がった周壁部239とからなる円形皿状をしている。円形底部237の中心には、円形底部237の一部がその厚み方向に膨出したボス部241が形成されていて、ボス部241の底部には、貫通孔243が開設されている。
蓋体235は、雄ねじ部が貫通孔243に挿通され、当該雄ねじ部が雌ねじ233と螺合した連結部材(小ねじ)245によって、載置部材211に固定されている。
点灯回路209は、基板247と基板247に実装された複数個の電子部品とからなる。点灯回路209は、基板247が蓋体235に固定されて、蓋体235に保持されている。
蓋体235による点灯回路209の保持構造について、後の図15の説明で行わる構造と同じである。
蓋体235は、軽量化のため比重の小さい材料、例えば合成樹脂で形成するのが好ましい。本例では、ポリブチレンテレフタレート(PBT)が用いられている。
蓋体235には、点灯回路209を覆うと共に、口金部材207が連結される筒体249が取り付けられている。なお、蓋体235と筒体249とで本発明の「回路格納部材」が構成される。また、筒体249も、蓋体235と同じ理由で同様の材料が好ましく、本例では、ポリブチレンテレフタレート(PBT)が用いられている。
筒体249は、大きく分けて、点灯回路209を覆う点灯回路カバー部251と点灯回路カバー部251から延出され点灯回路カバー部251よりも径の小さい突出筒部(口金取付部)253とからなる。
なお、筒体249の蓋体235への取付態様については、図4の説明で行わる態様と同じである
次に、筒体249のケース203への固定態様、および筒体249の突出筒部253への口金部材207の取付態様について説明する。
筒体249をケース203に固定するのには、ツバ付きブッシュ257が用いられる。ツバ付きブッシュ257の内径は、ツバ付きブッシュ257を突出筒部253の外周にガタツクことなく、かつスムーズに嵌め込める大きさである。突出筒部253に嵌め込まれたツバ付きブッシュ257は、筒体249における点灯回路カバー部251と突出筒部253を連結している肩部260とそのツバ部259とで、ケース203の底部203cを挟持した状態で、突出筒部253に取り付けられる。なお、突出筒部253とツバ付きブッシュ257には、それぞれ、後述する第1給電線271が挿通される挿通孔261が開設されているが、挿通孔261が連通するようにツバ付きブッシュ257が突出筒部253に対して位置決めされている。
口金部材207は、JIS(日本工業規格)に規定する、例えば、E型口金の規格に適合するものであり、一般白熱電球用のソケット(不図示)に装着して使用される。具体的には、白熱電球の60W相当品とする場合はE26口金とし、白熱電球の40W相当品とする場合はE17口金とする。
口金部材207は、筒状胴部とも称されるシェル部265と円形皿状をしたアイレット部267とを有する。シェル部265とアイレット部267とは、ガラス材料からなる絶縁体部269を介して一体となっている。
突出筒部253の外周面には雄ねじ加工が施されており、当該雄ねじにシェル部265が螺合されて、口金部材207が突出筒部253に取り付けられている。
取り付けられた状態で、シェル部265の一端部部分とツバ付きブッシュ257の一端部部分が重なっている。すなわち、ツバ付きブッシュ257の一端部部分は、それ以外の部分よりも薄肉になっていて、段差が形成されている。この薄肉部分にシェル部265の一端部部分が嵌め込まれている。そして、シェル部265を上記雄ねじに締め付けることにより、シェル部265の一端部がツバ付きブッシュ257の段差部を押圧するため、ケース203の底部203cがツバ部259と肩部260とで確実に挟持される。
シェル部265を上記雄ねじに締め付けた状態で、シェル部265の上記一端部部分がツバ付きブッシュ257にかしめられている。このかしめは、ポンチなどでシェル部265の一端部部分の数箇所を、ツバ付きブッシュ257に向かって窪ますことによってなされる。
そして、点灯回路209へ給電するための第1給電線271が、挿通孔261を介して、外部へ導出されており、導出端部が半田付けにより、シェル部265に接合され、電気的に接続されている。
アイレット部267は、中央部に開設された貫通孔268を有している。点灯回路209へ給電するための第2給電線273の導線部がこの貫通孔268から外部へ導出され、アイレット部267の外面に半田付けにより接合されている。
上記した構成からなるLED電球201を、照明器具のソケット(不図示)に装着して点灯させると、LEDモジュール205の白色光は、グローブ231を通過して外部へと出射される。LEDモジュール205で発生する熱は、熱伝導部材でもある載置部材211を介して、放熱部材でもあるケース203に伝導される。ケース203に伝導した熱は、周囲の雰囲気に放散され、これにより、LEDモジュール205の過熱が防止される。
ところで、上述したように、LED電球201全体の軽量化のため、ケース203は薄肉の筒状に形成している。これは、白熱電球の代替品としての位置づけから、もともと比較的軽い白熱電球の重さを前提に設計された照明器具への装着をも前提としているためである。
この場合、筐体を薄くすればするほど、軽量化に寄与するのであるが、今度は、ケースの剛性が低下して変形しやすくなる。そのため、製造工程において、運搬や組立ての際の取り扱い性が低下し、生産性に悪影響が出てしまう。
そこで、本願の発明者は、軽量化を図りつつ製造工程における取り扱い性を可能な限り損ねることのないケースとするため、その厚みの適正化を図っている。
以下、ケースの厚み等について、具体的な実施例に基づいて説明する。なお、ケースその他の構成部品の各部寸法等は、白熱電球の40W相当品とする場合と60W相当品とする場合とで異なるため、その各々の場合について記載する。
<LEDモジュール205>
(a)40W相当品
基板213は、厚みが1(mm)で、21(mm)角である。
LED(不図示)は48個用いられ、これらが24直列2並列で接続されている。
(b)60W相当品
基板213は、厚みが1(mm)で、26(mm)角である。
LED(不図示)は96個用いられ、これらが24直列4並列で接続されている。
<載置部材211>
(a)40W相当品
円板部225、段差部223共に厚みは、3(mm)である。段差部223の外径は37(mm)である。
(b)60W相当品
円板部225、段差部223共に厚みは、3(mm)である。段差部223の外径は52(mm)である。
<ケース203>
ケース203の各部寸法は、図11(a)、図11(b)に示す。図11(a)にアルファベットで示している寸法の実際の値を図11(b)に記している。なお、ここで記すのは、ケース203をアルミニウムで形成した場合における寸法である。
ケース203の厚みは一様ではなく部位によって異なるのであるが、当該厚みは以下の観点から定められる。ここで、図11(a)において、第1テーパ部203a(第2テーパ部203b)の中心軸をXとし、第1テーパ部203aの大径側端部(図11(a)において上端)から中心軸Xと平行に測った距離を「y」で表す。また、距離yにおけるケース203の厚みを「t」で表すこととする。
先ず、全体的にケース203の厚みは、軽量化のため、500(μm)以下とすることが好ましい。
次に、y=0(mm)〜5(mm)の間、すなわち、第1テーパ部203aの大径側端部部分は、径方向の外力に対して最も変形し易い部位であるため、問題となるような変形が生じない程度の剛性を確保する必要がある。当該剛性を得るのに必要な厚みは、300(μm)以上である。
上記大径側端部部分において300(μm)以上の厚みを確保すれば、さらなる軽量化のため、y=5(mm)を超える領域においては、厚みをyが大きくなるに従って漸減させても構わない。但し、厚みは、200(μm)未満にならないようにする必要がある(換言すると、最薄部でも200(μm)以上にする必要があると言うことになる)。これは、LED電球201の照明器具のソケットへの装着は、通常、第1テーパ部203aを手で把持してなされるため、当該把持力に耐えて変形しないような剛性を確保するためである。
また、第1テーパ部203aと第2テーパ部203bとの境界部分は、テーパ角の違いゆえ「く」字状に屈曲している。当該屈曲部分は、いわゆるアーチ効果によって、径方向の外力に対する剛性が高くなっている。よって、剛性の面から、当該屈曲部分を最も薄くできるとも考えられる。しかしながら、当該ケース203が深絞り加工によって作製される場合、当該屈曲部を薄くしすぎると、当該加工の際に素材(アルミニウム板)が破れるなどして歩留まりが極端に低下する。
そこで、上記のように大径側端部部分から、yが大きくなるに従って厚みを漸減させた場合の最薄部は、上記屈曲部頂部の手前になるようにするのが好ましい。そして、上記歩留まりの観点からは、第2テーパ部203bを含む屈曲部の厚みは、250(μm)以上が好ましい。
以上をまとめると、ケース203の厚みは、軽量化の観点と剛性確保の観点から500(μm)以下200(μm)以上とすることが好ましい。この場合に、さらなる軽量化のため、大径側端部部分(y=0(mm)〜5(mm))よりも屈曲部側の少なくとも一部において大径側端部部分から遠ざかるにつれて厚みが漸減する領域を設けるのが好ましい。
また、前記大径側端部部分(y=0(mm)〜5(mm))の厚みは、剛性の観点から300(μm)以上(500(μm)以下)とすることが好ましい。
上記の観点に基づいて作製したケース203の一例について、その厚みを図11(c)に示す。なお、図11(c)に示すのは、いずれも40W相当品のLED電球用のケースである。
図11(c)には記載していないが、y=0(mm)〜y=5(mm)に至る間の厚みは、サンプル1では、0.335(mm)以上(0.350(mm)以下)であり、サンプル2では、0.340(mm)以上(0.350以下)であって、いずれも300(μm)以上が確保されている。
そして、サンプル1ではy=5(mm)〜y=25(mm)の領域、サンプル2ではy=5(mm)〜y=20(mm)の領域において、yが大きくなるにしたがって、すなわち、ケース203の第1テーパ部203aの大径側端部である一端部から他端部(底部203c)方向に向かって、厚みを漸減させている。
第1テーパ部203aにおける最薄部は、大径側端部と小径側端部(屈曲部頂部)との間の中間点よりも小径側端部(屈曲部頂部)側に在り、y=20(mm)〜y=25(mm)の範囲内に在る。これをy=0を基準位置とするケース203の全長L1に対する比で表すと、0.52〜0.65の範囲である。
なお、サンプル1、サンプル2共に、全体に渡ってケースの厚みは、0.3(mm)以上0.35(mm)以下の範囲にあった。
<ケース203の表面処理>
以上の通り、本第3の実施の形態では、LEDモジュール205で発生する熱を、熱伝導部材として機能する載置部材211を介して、ケース203に伝達し、これを放熱部材として用いることにより効果的に放散させることとしている。
ところが、軽量・小型化を重視するといった観点から、ケース203を薄肉の筒状に形成している関係上、厚肉の筒状とした場合と比較して熱容量が低下し、ケース203の温度が上昇しやすくなるため、その放熱性を改善する必要がある。放熱性を改善するためには、アルミニウムで形成されているケースの表面全体に例えばアルマイト処理を施すことが考えられる。
しかしながら、単に放熱性を改善した場合、ケース203に伝達された熱はケース203内の点灯回路209収納空間にも多くの熱が放散されることとなる。その結果、点灯回路209を構成する電子部品が過熱状態となってしまう。
そこで、本願の発明者等は、放熱性を改善すると共に、その内部(点灯回路の収納空間)に可能な限り熱のこもりにくいケースとすべく、外周面のみにアルマイト処理を施したものとした。すなわち、ケースをアルミニウムからなる内層と当該内層の外周面に形成されたアルマイト皮膜(陽極酸化皮膜)からなる外層の2層構造とした。
アルマイト処理を施さない内面の放射率が0.05であるのに対し、例えば、白アルマイト処理を施してなる外面(白アルマイト皮膜の表面)の放射率は0.8となり、放射率に一桁オーダの差が生じる。
ケースに伝わった熱の一部は放射の形で放熱されるのであるが、上記したように内面よりも外面の放射率を高くして、その差を設けることにより、外面からの熱の放射が促進される一方、内面からの熱の放射が抑制されることとなる。その分、ケース203内に熱がこもりにくくなる。なお、白アルマイト皮膜に限らず、黒アルマイト皮膜(放射率:0.95)としても構わない。
また、ケース203(第1テーパ部203a、第2テーパ部203b)の内面の放射率を下げることにより、外面との放射率の差を拡大し、もって、さらに、外面からの熱の放射を促進し、内面からの熱の放射を抑制することとしても構わない。具体的には、アルミニウム基材の内周面に銀(放射率:0.02)の皮膜を形成する。すなわち、ケース203(第1テーパ部203a、第2テーパ部203b)を、アルミニウムで形成された中間層と、当該中間層の外周面に形成されたアルマイト皮膜からなる外層と、前記中間層の内周面に形成された銀皮膜からなる内層の3層構造とするのである。銀皮膜は、めっきあるいは蒸着によってアルミニウム基材の内周面に被着することができる。
さらに、外層はアルマイト皮膜に限らず、以下の材料からなる層で構成しても構わない。
(a)カーボングラファイト(放射率:0.7〜0.9)
(b)セラミック(放射率:0.8〜0.95)
(c)炭化珪素(放射率:0.9)
(d)布(放射率:0.95)
(e)ゴム(放射率:0.9〜0.95)
(f)合成樹脂(放射率:0.9〜0.95)
(g)酸化鉄(放射率:0.5〜0.9)
(h)酸化チタン(放射率:0.6〜0.8)
(i)木材(放射率:0.9〜0.95)
(j)黒色塗料(放射率:1.0)
要は、ケース203の第1テーパ部203a、第2テーパ部203bにおいて、内面よりも外面の放射率が高くなるよう、その厚み方向に積層された層構造とすればよいのである。また、当該層構造は、上記した2層構造、3層構造に限らす、4層以上の構造としても構わない。いずれの場合であっても、(最)外層の表面の放射率が(最)内層の表面の放射率よりも高くなるようにすれば良いのである。
放射率の値では、LEDモジュールからの熱がケース内部へ放出されるのを可能な限り抑制し、ケース外部への放熱効果を高めるために、ケース(第1および第2テーパ筒部)の外面の放射率を0.5以上とし、内面の放射率を0.5未満とする。なお、外面の放射率は好ましくは0.7以上、より好ましくは0.9以上で、内面の放射率は好ましくは0.3以下、より好ましくは0.1以下である。
また、上記(a)〜(j)の内、例えば、LED電球を照明器具に取り付けた状態で、ケース203(第1テーパ部203a、第2テーパ部203b)が照明器具内に入り込んで外部から視認されない場合などには、放射率を最も高くできる黒色塗料をアルミニウム基材の外周面に塗布し、外層を黒色塗装層で構成することが好ましい。
<筒体249>
筒体249の点灯回路カバー部251は、ケース203の不測の変形から点灯回路209を保護する役割を有しているのであるが、点灯回路カバー部251の存在により点灯回路209から発生する熱が点灯回路209の周囲に滞留する傾向が強まる。
このため、点灯回路カバー部251内の熱を放射により点灯回路カバー部251外方へより多く放熱するため、点灯回路カバー部251の外周面に黒色塗装を施し、放射率改善材として黒色塗料皮膜275を形成している。なお、図9において、見やすくするため、黒色塗料皮膜275の厚みを誇張して描いている。
黒色塗料皮膜275を形成しない点灯回路カバー部251(ポリブチレンテレフタレート)の内面の放射率が0.9であるのに対し、黒色塗料皮膜275の表面の放射率は1.0になる。
これにより、黒色塗料皮膜275を形成しない場合と比較して、黒色塗料皮膜275を形成した場合は、点灯回路カバー部251内の熱がより速やかに点灯回路カバー部251外へと放出されることとなる。その結果、点灯回路カバー部251内の温度を下げる効果が得られる。
なお、点灯回路カバー部251を形成する材質とその外周面に設ける放射率改善材の組み合わせは上記のものに限らない。例えば、点灯回路カバー部251にアルミニウム(放射率:0.05)を用いた場合、その外周面に放射率改善材として不織布(放射率:0.9)を固着することとしても構わない。
要は、点灯回路カバー部251の内面の放射率よりも放射率を高くできる材料を点灯回路カバー部251の外周面に密着させ、点灯回路カバー部251外周面を覆えばよいのである。
<変形例>
以上、本発明を実施の形態等に基づいて説明したが、本発明の内容が、上記の実施の形態に示された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を実施することができる。
1.ケース(筐体)
(1)形状
実施の形態のケースは、傾斜面が略直線状の第1の傾斜筒部、第2の傾斜筒部及び底部を有する筒状をしていたが、本発明に係るケースは、外径の異なる開口を両端に有し、径の大きな開口側の端から径の小さな開口側の端に移るに従って外径が小さくなるような傾斜筒部(傾斜部)を少なくとも1つ有していれば良い。
図12は、ケースの変形例を示す図であり、(a)は変形例1に係るケースの形状を示し、(b)は変形例2に係るケースの形状を示す。
変形例1に係るケース301は、外径の異なる開口を両端に有する筒状をしている。ここでも、外径の大きな開口を大開口と、外径の小さな開口を小開口とそれぞれする。
大開口側の端から小開口側の端に移るに従って外径が小さくなる傾斜筒部303と、当該傾斜筒部303の小開口側の端から中心軸に向かって延出する底部305とを有する。
傾斜筒部303は、傾斜面が直線状(つまり、傾斜角度が一定である。)であり、当該傾斜筒部303の横断面形状が円環形状をしている。
傾斜筒部303と底部305との間には屈曲部307を有し、傾斜筒部303における厚みは、大開口側端との屈曲部307との間の中間領域が、大開口側端部よりも薄くなっている。この中間領域では使用者が手でケース301を把持して凹入(変形)しない程度の剛性を有している。中間領域とは、大開口側の端と屈曲部307との間の傾斜筒部303の部分である。最薄部は中間領域の屈曲部307に近い側になるようにすると、より効果的に強度・剛性を確保することができる。
変形例2に係るケース311は、変形例1と同様に、大開口と小開口とを有する筒状をし、傾斜筒部313と底部315とを有する。
傾斜筒部313は、傾斜面が曲線状(つまり、傾斜角が部位によって変化する。)に傾斜し、当該傾斜筒部313の横断面形状が円環形状をしている。傾斜筒部313の曲線は、大開口側の端から小開口側の端に移るに従って単純に外径が小さく形状である。
傾斜筒部313と底部315との間には屈曲部317を有し、傾斜筒部313における厚みについては、大開口側端部と屈曲部317との間の中間領域が大開口側端部よりも薄くなっている。
なお、ここでの変形例2では、傾斜筒部313は、中心軸に向かって凸状に湾曲しているが、逆に、中心軸と反対側に向かって凸状(中心軸方向に凹入する凹状である。)に湾曲しても良い。
図13は、ケースの変形例3を示す図である。
変形例3に係るケース321は、外径の異なる開口を両端に有する筒状をしている。ここでも、外径の大きな開口を大開口と、外径の小さな開口を小開口とそれぞれする。
大開口側の端から小開口側の端に移るに従って外径が小さくなる第1の傾斜筒部323と第2の傾斜筒部325とを有する。
第1の傾斜筒部323と第2の傾斜筒部325との間には屈曲部327を有し、第1の傾斜筒部323における厚みについては、大開口側端部と屈曲部327との間の中間領域が大開口側端部よりも薄くなっている。
変形例に係るケース321を利用する場合、同図に示すように、回路ホルダ329はその当接部331がケース321の第2の傾斜筒部325に当接するように構成されている。
なお、ここでの変形例3では、第1及び第2の傾斜筒部323,325は、その傾斜角が一定であったが、上記変形例2に示すように変化しても良く、傾斜筒部が、中心軸に向かって又は中心軸と直交する方向であって中心軸と反対側に向かって凸状に湾曲する形状であっても良い。
図14は、ケースの変形例4を示す図である。
実施の形態及び上記変形例1〜3では屈曲部を少なくとも1つ有していたが、屈曲部を有していなくても良い。以下、変形例4として説明する。
変形例4に係るケース341は、外径の異なる開口を両端に有する筒状をしている。ここでも、外径の大きな開口を大開口と、外径の小さな開口を小開口とそれぞれする。
ケース341は、大開口側の端から小開口側の端に移るに従って外径が小さくなる傾斜筒体343と、傾斜筒体343の小開口側に端部に設けられた補強部材345とを備える。
傾斜筒体343における厚みについては、大開口側端部と小開口端部との間の中間領域が、大開口側端部よりも薄くなっている。
補強部材345は、例えば、環状をし、その外周面が傾斜筒体343の小開口側端部の内面に当接している。補強部材345は、傾斜筒体343に対して、圧入したり、カシメたり等することで傾斜筒体343に固着されているこの場合、環状の補強部材345の開口がケース341の小開口となる。
ここでの補強部材345は、例えば、有邸筒状をし、傾斜筒体343の内面に当接する筒状の当接部347と、当接部347の一端から内方に延出する底部349とを有する。なお、当接部347は、傾斜筒体343の傾斜に対応して傾斜しているため(当接部347が傾斜筒体343の小開口よりも大きい。)、補強部材345を傾斜筒体343の大開口側から内部へと挿入して当該傾斜筒体343に固定(固着)すると、補強部材345の傾斜筒体343の小開口からの脱落を防止できる。
なお、本変形例では、補強部材345を傾斜筒体343の小開口側の端部に設けていたが、他の部位に設けても良い。他の部位としては、傾斜筒体343の厚みが最も薄くなる最薄部、あるいはその近傍がある。
さらに、本変形例では、1個の補強部材を設けていたが、複数個であっても良い。この場合、例えば、小開口側の端部や傾斜筒体343の最薄部(あるいはその近傍)等に設けるのが好ましい。
また、補強部材は、例えば、その一部が、口金部91のシェル部98(図1参照。)を固定する部材の一部とすることも可能である。さらに、傾斜筒体343の補強として、例えば、図13に示すように、回路ホルダ329の当接部331を傾斜筒体343の内周面に当接させることでも実施できる。
(2)材料
実施の形態では、ケース7の材料としてアルミニウムを利用したが、他の材料を用いることもできる。他の材料としては、スチール等の金属材料、セラミック材料、樹脂材料等がある。これらの材料をケース7の位置・部位に応じて適宜使い分けることもできる。ただし、LEDモジュールの発光時の熱に対する耐熱性が必要となる。
(3)アルマイト処理
実施の形態では、アルマイト処理について特に説明しなかったが、アルマイト層の厚みは、1(μm)以上50(μm)以下の範囲、好ましくは3(μm)以上30(μm)以下の範囲、より好ましくは5(μm)以上20(μm)以下の範囲が良い。
これは、アルマイト層を厚くすると傷に対して強くなるが精度ばらつきへの影響を考慮する必要が生じ、アルマイト層を薄くすると精度バラツキが小さくなるが傷に対して弱くなるからである。
また、アルマイト処理により放射率が改善するが、当該放射率は黒体を1としていることから、放射率は0.0以上、1.0以下の値となり、放熱性を考慮すると、1.0に近いことが好ましいが、少なくとも0.5以上、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.9以上である。
一般に放熱経路は熱伝導、対流、輻射によるものである。熱伝導は口金部材15(口金部91)を経由して照明器具に伝わるものが主となる。従って、ケース7の放射率が0.5以上と高くなれば、輻射による放熱も積極的に放熱に寄与しえる。
実施の形態に係るLED電球(電球形ランプ)1を取り付ける照明器具が密閉タイプの場合、対流による放熱が期待できないことがある。それを補うためには輻射による放熱の割合を高める必要があり、この場合放射率は0.7以上が好ましい。また、放射率が0.9以上あれば、実質黒体と同等の輻射による放熱特性を確保することができる。
(4)表面処置
ケース7の表面にアルマイト処理を行うことにより、放射率が向上することを説明したが、放射率の高い他の材料を、ケースに用いたり、ケースの表面に設けたり等することで、アルマイト処理と同等の効果を得ることができる。
他の材料としては、放射率が0.7以上0.9以下のカーボングラファイト、放射率が0.8以上0.95以下のセラミック、放射率が0.9の炭化珪素、放射率が0.95の布、放射率が0.9以上0.95以下のゴム、放射率が0.9以上0.95以下の樹脂、放射率が0.5以上0.9以下の酸化鉄、放射率が0.6以上0.8以下の酸化チタン等がある。
2.発光素子
実施の形態に係るLEDモジュール3に利用されていたLED19は、所謂LED素子であったが、他のタイプの部品であっても良い。
図15は、発光素子の変形例を示す図である。
LEDモジュールに実装される光源401は、例えば、基板403と、当該基板403の表面に実装されたLED(素子)19と、LED19から発せられた光を所定方向に反射させる反射部材405と、LED19を封止し且つLED19からの光の波長を変換させる波長変換部材407とを有し、基板403の裏面に前記LED19に電気的に接続された端子409が設けられた、所謂、表面実装部品(SMD:Surface Mount Device)であっても良い。
この構成により、基板403の裏面から外方へと張り出す端子411,413を搭載部材(5)側の基板の配線パタ−ンに半田等を用いて直接実装できる。
反射部材405は、同図に示すように、その中央部に貫通孔405aを有し、当該貫通孔405aを形成する面が反射面となっている。なお、貫通孔405aは、LED19から離れた主面(図15では上面である。)からLED19に近い主面(図12では下面である。)に移るに従って直径が小さくなる底細り状をしている。
波長変換部材407は、例えば、蛍光粒子が光透性材料(例えば、樹脂材料)に混入されてなり、反射部材405の貫通孔405aに充填されている。
なお、発光素子として、LED以外にLDも利用することができる。
3.回路ホルダ
(1)連結構造
実施の形態での回路ホルダ13は、蓋体63が筒体61に対して移動可能に装着して、搭載部材5をケース7に移動可能にしていたが、例えば、他の部材間で、搭載部材をケースに移動可能に固定しても良い。
他の部材間の例としては、搭載部材と回路ホルダとを、ケースの中心軸方向に移動可能に装着する場合がある。この場合、例えば、図1における連結部材75であるネジ部分を長くすることで実施できる。ただし、この構成では、搭載部材のケースへの挿入量が少ないときは、搭載部材と回路ホルダとは当接しないこととなる。
(2)ケースとの関係
実施の形態での回路ホルダ13は、ケース7の底壁47の内面に当接部59が当接していたが、他の部位でケースと接するようにしても良い。
図16は、ホルダの変形例を示す図である。
本変形例に係る回路ホルダ501は、熱伝達に影響しない程度に、本体部503の側面の一部が、ケース7の筒壁の一部と接している。これにより、ケース7の変形を防止する変形防止機構とすることができる。
回路ホルダ501は、実施の形態と同様に、本体部503と突出筒部505とを備え、本体部503の外周面に凸部分507を有している。当該凸部分507は、本体部503の外周面の全周に亘って帯状にあり、凸部分507の先端がケース7の内面の一部に接する又は近接する(ここでの近接は、ケースに対して凹むような負荷が作用したときに、その変形が目視では観察できない場合をいう。)ように構成されている。
凸部分507を設ける位置は、ケース7の筒壁45の厚みが最も薄くなる最薄部、あるいは最薄部の近傍が好ましい。
なお、本変形例では、帯状の凸部分507を一段設けていたが、回路ホルダ501への熱伝達に影響しない程度に、複数段設けても良い。さらに、凸部分507を帯状に設けているが、所定の間隔をおいて周方向に複数個設けても良いし、所定の間隔をおいて周方向に千鳥状に複数個設けても良い。
4.搭載部材
実施の形態における搭載部材5は、所定の厚みを有する円盤状をし、軽量化等のために凹部29を設けていたが、例えば、板部材を利用して構成することもできる。
図17は、搭載部材の変形例を示す図である。
搭載部材601は、板部材から構成されている。具体的には、搭載部材601におけるケースと接する部分を折り曲げ加工により形成することができる。搭載部材601を構成する板部材は、例えば、材料としてアルミニウムを利用した場合、その厚みを200(μm)以上500(μm)以下の範囲とすることで実施できる。なお、他の金属材料を利用することもできる。
このような構成により搭載部材601の加工性を確保した上で、搭載部材601の全体を薄くしても接触面積S1をより広くすることできる。また、搭載部材601の厚みを薄くすることにより、軽量化できるとともに、点灯回路11を収納するための回路収納空間の確保も容易になるので、より小型化・軽量化することができる。
なお、本例では、光源として表面実装部品401を利用し、この表面実装部品401が基板603を介して搭載部材601に搭載されている。
5.最後に
上記で説明したLED電球(例えば、第1の実施の形態に係るLED電球1である。)を光源とした照明装置の一例について説明する。
図18は、本発明の実施の形態に係る照明装置の一例を説明する図である。
照明装置751は、LED電球1と照明器具753とを備え、ここでの照明器具753は、所謂、ダウンライト用照明器具である。
照明器具753は、LED電球1と電気的に接続され且つLED電球1を保持するソケット755と、LED電球1から発せられた光を所定方向に反射させる反射板757と、図外の商用電源と接続される接続部759とを備える。
ここでの反射板757は、天井759の開口759aを介してソケット755側が天井759の裏側に位置するように天井759に取り付けられている。
なお、本発明に係る照明装置は、上記ダウンライト用に限定するものでないのは言うまでもない。
最後に、各実施の形態及び各変形例では、それぞれ個別に特徴部分について説明したが、各実施の形態及び各変形例での説明した構成を、他の実施の形態や他の変形例の構成と組み合わせても良い。
最後に、実施の形態及び各変形例では、それぞれ個別に特徴部分について説明したが、各実施の形態及び各変形例での説明した構成を、他の実施の形態や他の変形例の構成と組み合わせても良い。
本発明は、筐体の軽量化を図りつつ、装置装着時の筐体の変形を防ぎ、照明装置組立て時等の取り扱い性を向上させるのに利用できる。
1 LED電球(電球形ランプ)
3 LEDモジュール(発光モジュール)
5 搭載部材
7 ケース(筐体)
9 グローブ
11 点灯回路(回路)
13 回路ホルダ
15 口金部材
17 基板
19 LED(発光素子)
91 口金部(口金)

Claims (25)

  1. 発光素子が実装されてなる発光モジュールと、
    両端に開口を有する筒状の筐体と、
    前記筐体の一端に内接して開口を塞ぐと共に前記発光モジュールを表面に搭載する搭載部材と、
    前記筐体の他端側に設けられた口金と、
    前記筐体内に収納され且つ前記口金を介して給電を受けて前記発光素子を発光させる回路と
    を備え、
    前記搭載部材は熱伝導性の高い材料であり、
    前記筐体の外径及び内径は、前記搭載部材側より前記口金側が小さく、
    前記筐体は金属材料からなり、
    前記筐体は、厚みが200μm以上500μm以下であり、
    前記一端から前記他端にかけての少なくとも一部の領域の厚みが前記一端側から前記他端側に移るに従って薄くなっている
    ことを特徴とする電球形ランプ。
  2. 前記筐体は、前記一端から前記他端までの間に当該筐体の中心軸側に近づくように屈曲する屈曲部を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電球形ランプ。
  3. 前記領域は、前記一端から前記屈曲部までの間にある
    ことを特徴とする請求項2に記載の電球形ランプ。
  4. 前記搭載部材の外周面と前記筐体の前記一端側の内周面とが、前記筐体の中心軸に対して同じ角度で傾斜している
    ことを特徴とする請求項1項に記載の電球形ランプ。
  5. 前記領域において前記一端側の厚みは300μm以上500μm以下であり、前記他端側の厚みは250μm以上350μm以下である
    ことを特徴とする請求項1項に記載の電球形ランプ。
  6. 前記筐体はアルミニウムにより構成され、その外面がアルマイト処理されている
    ことを特徴とする請求項1項に記載の電球形ランプ。
  7. 前記筐体の厚みは、前記搭載部材側開口部と前記屈曲部との中間点よりも前記屈曲部側で最も薄くなる
    ことを特徴とする請求項3に記載の電球形ランプ。
  8. 前記筐体内の空間には前記回路が格納した回路ホルダーを有し、
    前記回路ホルダーは合成樹脂からなる
    ことを特徴とする請求項1項に記載の電球形ランプ。
  9. 前記回路ホルダーは、前記筐体内部に配される本体部と、前記本体部から前記筐体の前記口金側開口を介して前記筐体の外部へと突出する筒状の突出筒部とを備え、
    前記本体部は、筒体と当該筒体上部を塞ぐ蓋体とから構成され、
    前記筒体の外径及び内径は、前記蓋体側よりも前記突出筒部側が小さい
    ことを特徴とする請求項8に記載の電球形ランプ。
  10. 前記蓋体表面と前記搭載部材の裏面との間及び前記筒体外側面と前記筐体内側面の間に隙間を有する
    ことを特徴とする請求項9に記載の電球形ランプ。
  11. 前記筐体は、筒壁と当該筒壁の他端に設けられた底壁とを有し、
    前記底壁の中央部分に開口が設けられており、
    前記底壁に設けられた開口は、前記搭載部材側の開口よりも小さく、
    前記回路ホルダーは、前記回路ホルダーの前記突出筒部を前記筐体の前記底壁に設けた開口から突出させたときに前記底壁の内面と当接する当接部を有する
    ことを特徴とする請求項9に記載の電球形ランプ。
  12. 前記当接部が傾斜面である
    ことを特徴とする請求項11に記載の電球形ランプ。
  13. 前記突出筒部の外周面の一部又は全部が雄ネジ部となっており、前記口金が前記雄ネジ部に装着される
    ことを特徴とする請求項11に記載の電球形ランプ。
  14. 前記筐体には前記屈曲部を少なくとも2箇所有し、
    その一が前記底壁と前記筒壁の間にある
    ことを特徴とする請求項11に記載の電球形ランプ。
  15. 前記発光モジュールが前記モジュール側に開口するグローブで覆われている
    ことを特徴とする請求項1に記載の電球形ランプ。
  16. 前記搭載部材は外周部分に表側から裏側に広がる段差部を全周にわたって有しており、
    前記段差部下段の外径は前記段差部上段の外径より大きく、
    前記下段の外周側面が前記筐体の内周面に当接しており、
    前記筐体の内周面と前記段差部上段との間に形成される隙間に前記グローブの開口側端部が挿入され固定されている
    ことを特徴とする請求項15に記載の電球形ランプ。
  17. 前記搭載部材と前記蓋と体が連結されており、
    前記蓋体の側面には複数の係合爪を有し、
    前記筒体の前記蓋体側開口端部には、前記係合爪に対応する複数の係合孔を有し、
    前記係合孔は、前記筒体の中心軸方向に長い長孔であり、
    前記係合爪を前記係合孔に係合すると前記蓋体が前記中心軸方向に移動可能である
    ことを特徴とする請求項9に記載の電球形ランプ。
  18. 前記搭載部材と前記筐体がアルミニウムである
    ことを特徴とする請求項1に記載の電球形ランプ。
  19. 前記筐体側面は中心軸に向かって凸状に湾曲している
    ことを特徴とする請求項1に記載の電球形ランプ。
  20. 前記筐体の前記口金側開口部に、環状の補強部材を備え、
    前記補強部材の側面は前記筐体内面に当接している
    ことを特徴とする請求項1に記載の電球形ランプ。
  21. 前記発光モジュールは、基板と、当該基板の一方の主面に実装されたLEDと、当該LEDを封止する封止体とを備え、
    前記基板は絶縁性材料からなり、
    前記基板の一方の主面には、配線パターンを備え、
    前記配線パターンは、前記LEDを接続するための接続部と、前記回路に接続する端子部とを備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の電球形ランプ。
  22. 前記封止体は前記LEDから発せられた光の内、一部又は全部を波長変換する機能を有する
    ことを特徴とする請求項21に記載の電球形ランプ。
  23. 前記基板の他方の主面と前記搭載部材とが面接触する状態で装着されている
    ことを特徴とする請求項21に記載の電球形ランプ。
  24. 前記搭載部材の前記発光モジュールが装着される部分が凹部であって、前記凹部底面に前記発光モジュールが装着されている
    ことを特徴とする請求項23に記載の電球形ランプ。
  25. 電球形ランプと、当該電球形ランプを着脱自在に装着する照明器具とを備える照明装置において、
    前記電球形ランプが請求項1に記載の電球形ランプである
    ことを特徴とする照明装置。
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