JP4611637B2 - ジカルボン酸ジエステル殺菌組成物と、その利用法 - Google Patents

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Description

本発明は、ジカルボン酸ジエステル殺菌組成物と、そのジカルボン酸ジエステル組成物の利用法に関する。このジカルボン酸ジエステル組成物は、一般に、一般式:
Figure 0004611637
(式中nは4〜8であり、R1とR2は、互いに独立に、C1〜C4アルキルである)のジカルボン酸ジエステルを含んでいる。このジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、さまざまな表面(例えば食品産業、飲料産業、医薬品産業で使用される施設、容器、設備)に存在する微生物の数を約-70℃〜約100℃の温度において減らすことができる。
殺菌効率と作用速度が改善された殺菌剤が以前から必要とされている。そのような殺菌剤に対する具体的な条件は、目的とする用途(例えば殺菌剤、消毒剤、減菌剤、無菌包装処理など)と、適用される公衆衛生の条件によって異なる。多数の殺菌剤(例えばヨードフォア、過酸、次亜塩素酸塩、二酸化塩素、オゾンなど)が、広いスペクトルの殺菌特性を有する。しかしこれらの殺菌剤は、細菌の胞子、真菌の胞子、真菌に対する活性が十分でないことがある。
そうなるのは、特に、例えば設備や包装の腐食を最少にするため、表面を十分にゆすぐため、残留する殺菌剤を無視できる程度にするため、殺菌剤からの脱ガスを最少にするため、空気中の化学物質のレベルを最少にするためなどの理由で殺菌剤の使用量を低レベルにすることが要求される条件下においてである。表面に存在する細菌の胞子や真菌の活性集団を殺す、あるいは不活性化する、あるいは減らすことは特に難しい。これは、胞子または真菌が、食品、食品接触部位、商品、病院施設、獣医施設、外科手術器具、病院用または外科用のシーツ類または下着類などの表面に存在している場合に特に厄介である。ケトミウム・フニコラというカビや、胞子形成微生物であるバチルス属の細菌を制御することは、食品を包装するとき、特に食品や飲料を低温または高温で無菌充填するときに特に重要である可能性がある。
細菌の胞子、真菌、抵抗力のあるそれ以外の細菌(特にバチルス属の細菌)に対してより強力でより迅速な活性を有する殺菌剤があれば、現在一般に使用されている殺菌剤では十分に対処できない公衆衛生のニーズを実質的に満たすことができよう。
本発明は、ジカルボン酸ジエステル殺菌組成物と、そのジカルボン酸ジエステル組成物の利用法に関する。一般に、ジカルボン酸ジエステル組成物は、一般式:
Figure 0004611637
(ただしnは4〜8であり、R1とR2は、互いに独立に、C1〜C4アルキルである)のジカルボン酸ジエステルを含んでいる。このジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、さまざまな表面(例えば食品産業、飲料産業、医薬産業で使用される施設、容器、装置)に存在する微生物の集団を約-70℃〜約100℃の温度において減らすことができる。
本発明により、1つの特徴として、微生物に対してジカルボン酸ジエステル殺菌組成物を付着させる操作を含む殺菌処理法が提供される。ジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、希釈溶媒(例えば水)とジカルボン酸ジエステルのほか、必要に応じて共溶媒、界面活性剤、殺菌剤のいずれかを含むことができる。本発明の別の特徴によれば、微生物に対し、殺菌剤をさらに含むジカルボン酸ジエステル殺菌組成物を付着させる操作を含む殺菌処理法が提供される。好ましい一実施態様では、殺菌剤として、過酸化物(例えば過酸化水素)を伴うか又は伴わないペルオキシカルボン酸(例えばペルオキシ酢酸、ペルオキシオクタン酸、ペルオキシギ酸)、またはペルオキシカルボン酸;過酸化物(例えば過酸化水素);ハロゲン含有化合物(例えば次亜塩素酸(またはその塩)、二酸化塩素、次亜臭素酸(またはその塩))、またはハロゲン間化合物(例えば一塩化ヨウ素、二塩化ヨウ素、四塩化ヨウ素、塩化臭素、一臭化ヨウ素、二臭化ヨウ素)が挙げられる。
本発明のさらに別の特徴によると、希釈剤、ジカルボン酸ジエステル、殺菌剤のほか、必要に応じて共溶媒または界面活性剤を含むジカルボン酸ジエステル殺菌組成物が提供される。
本発明のジカルボン酸ジエステル組成物は、60℃にて10秒以内に細菌の数またはセレウス菌の胞子の数を一桁以上減らせることが好ましい。好ましい1つの特徴によると、本発明の方法と組成物によって従来よりも広い殺菌作用スペクトルが提供され、1種類以上の生物(例えばケトミウム・フニコラというカビ)を60℃にて10秒以内に一桁以上減らすことができる。より好ましい1つの特徴によると、本発明の方法と組成物により、ケトミウム・フニコラ、枯草菌、セレウス菌を60℃にて10秒以内に一桁以上減らすことができる。
本発明のさらに別の特徴により、殺菌濃縮物と、この濃縮物を水と混合するための指示書が提供される。この濃縮物は、ジカルボン酸ジエステルを含んでおり、さらに、必要に応じて共溶媒または界面活性剤を含むほか、必要に応じて殺菌剤を含んでおり、ジカルボン酸ジエステルの量と、任意である殺菌剤の量は、この組成物が細菌の数、セレウス菌の胞子の数、および/またはケトミウム・フニコラというカビの数を60℃にて10秒以内に一桁以上減らすのに十分な量にする。
本発明の方法と組成物は、無菌包装、医薬品の包装、定置洗浄(CIP)システム、取り外し洗浄(COP)システムにおいて、あるいは病院の消毒剤、獣医施設の消毒剤、殺胞子剤、減菌剤として特に役に立つ。
定義
この明細書では、“微生物”という用語は、細胞構造を持たない生物または単細胞生物のすべて(コロニーになるものも含む)を意味する。微生物にはあらゆる原核生物が含まれる。微生物には、細菌(シアノバクテリアとマイコバクテリア)、地衣類、ミクロ菌、原生動物、ビリノ、ウイロイド、ウイルス、藻類が含まれる。この明細書では、“病原菌”という用語は、微生物の同意語である。
この明細書では、“物体”という用語は、五感によって直接的および/または間接的に認識することができ、殺菌剤または殺菌組成物を用いて処理する必要がある何らかの物質的なものを意味する。物体には、表面(例えば硬い表面(ガラス、セラミック、金属、天然または合成の石、木、ポリマー))、エラストマーまたはプラスチック、織布と不織布、食品処理表面、ヘルスケア表面、医薬品表面などが含まれる。物体には、食品(とその表面);水塊または流水、ガス塊またはガス流(例えば空気流);病院や諸産業分野で使用される表面や物品も含まれる。
この明細書では、“食品”という用語は、殺菌剤または殺菌組成物を用いて処理する必要があり、さらに処理することにより、あるいはさらに処理することなく食べられるあらゆる食用物質を意味する。食品には、肉(例えば赤肉、豚肉)、魚介類、家禽類、果実、野菜、卵、有精卵、卵製品、調理済み食品、コムギ、種子、根、塊茎、葉、茎、球茎、花、芽、調味料、ミルク、乳製品(例えばヨーグルト、チーズ)、茶、水、あるいはこれらの組み合わせが含まれる。“製造する”という用語は、一般に、調理しない状態で、あるいは下処理した状態で、あるいは低温殺菌した状態で、しばしば包装せずに売られており、ときに生で食べることができる果実、野菜、植物、植物由来物質などの食品(例えばダイズ製品、茶、ヨーグルト、ジュース)に関して用いる。
この明細書では、“植物製品”という用語は、殺菌剤または殺菌組成物を用いて処理する必要のある、あらゆる植物物質または植物由来物質を意味する。植物製品には、種子、ナッツ、堅果の仁、切り花、温室で育てた植物や作物、温室に保管されている植物や作物、鉢植え植物などが含まれる。
この明細書では、“肉製品”という用語は、動物のあらゆる形態の肉を意味し、具体的には、胴体、筋肉、脂肪、臓器、皮膚、骨、体液や、動物を構成する同様の他の要素が挙げられる。
この明細書では、“家禽類”という用語は、肉や卵を得るために飼育、狩猟、家畜化したあらゆる鳥のあらゆる形態を意味する。具体的には、ニワトリ、シチメンチョウ、ダチョウ、シャモ、雛バト、ホロホロチョウ、キジ、ウズラ、アヒル、ガチョウ、エミューなどと、これらの鳥の卵が挙げられる。
この明細書では、“食品加工表面”という用語は、食品を処理、調理、保管する活動の一部として利用され、殺菌剤または殺菌組成物を用いて処理する必要がある道具、包装、容器、ラップまたはフィルムまたはカバー、機械、設備、構造物、建造物などの表面を意味する。
この明細書では、“医薬品表面”という用語は、医薬品の処理、調理、保管活動の一部として利用され、殺菌剤または殺菌組成物を用いて処理する必要がある道具、包装、容器、ラップまたはフィルムまたはカバー、機械、設備、構造物、建造物などの表面を意味する。この明細書では、“空気流”という用語に、殺菌剤または殺菌組成物を用いて処理する必要がある食品腐敗防止空気循環システムや医薬品循環システムが含まれる。空気流には、病院、外科手術室、病室、出産室、霊安室、臨床診断室において一般に使用される空気流も含まれる。
この明細書では、“水”という用語は、殺菌剤または殺菌組成物を用いて処理する必要のある、食品処理の水、または食品移動用の水、医薬品処理に用いる水を意味する。
この明細書では、“ヘルスケア表面”という用語は、ヘルスケア活動の一部として使用され、殺菌剤または殺菌組成物を用いて処理する必要がある器具、装置、カート、ケージ、家具、構造物、建造物などの表面を意味する。
この明細書では、“道具”という用語は、殺菌剤または殺菌組成物を用いて処理する必要があるさまざまな医学用または歯科用の道具または装置を意味する。
この明細書では、重量パーセント(重量%)、重量による割合、重量による%などは、ある物質の濃度を意味し、その物質の重量を組成物の全重量で割って100を掛けた値である。
この明細書では、“活性な”という用語は、ペルオキシカルボン酸または別のペルオキシ含有化合物に適用するときには、組成物中に含まれていて適切な分析方法(例えば滴定法、クロマトグラフィ法、分光法、酸化-還元プローブ法、電流測定法、または同様の過酸検出法)によって検出可能なペルオキシカルボン酸またはペルオキシ化合物の重量%を意味する。
この明細書では、本発明の組成物に含まれる成分または本発明の方法で使用される成分の量を修飾する“約”という用語は、例えば、実際に濃縮物または使用溶液を作るときに利用する典型的な測定方法や液体取り扱い手続きにおいて起こる可能性のある数値の変動;あるいは、これらの手続きにおける不注意が原因のミスによって起こる可能性のある数値の変動;あるいは、組成物を製造するとき、または方法を実施するときに利用する方法、供給源、成分の純度が異なることによって起こる可能性のある数値の変動を意味する。“約”という用語には、特定の最初の混合物から得られる組成物にとっての平衡条件がいろいろと異なることによる量の違いも含まれる。“約”という用語のあるなしにかかわらず、請求項には同等な量がすべて含まれるものとする。
細菌の“殺傷”活性と“抑制”活性の違いと、効率の大きさについての定義と、この効率を測定するための公式実験室プロトコルは、殺菌剤と殺菌組成物の妥当さを理解する上で考慮すべき事柄である。殺菌組成物は、微生物の細胞に2通りの方法でダメージを与えることができる。第1は、致死的で不可逆的な作用であり、その結果として微生物の細胞が完全に破壊されたり無能になったりする。細胞に対する第2のタイプのダメージは可逆的なものであり、生物から薬剤と取り去ると再び増殖できるようになる。前者は殺菌性と呼ばれ、後者は細菌発育抑制と呼ばれる。殺菌剤と消毒剤は、定義により、抗細菌活性または殺菌活性を有する薬剤である。逆に、保存剤は、一般に抑制剤または細菌発育抑制組成物である。
この特許出願の目的を達成するには、微生物の数が少なくとも約0.3〜1桁減少したときに微生物を減らすのに成功したことになる。この特許出願では、この程度の減少は、処理を行なう際の許容可能な最低レベルである。
微生物数が少しでも減るということは付加的な利点であり、保護レベルがより高くなる。例えば『消毒剤の殺菌・浄化作用』(公式分析化学者協会の公式分析法、960.09節と該当セクション、第15版、1990年(EPAガイドライン91-2))に記載されているように、殺菌剤は、いくつかのテスト生物に対して99.999%(5桁)の減少を室温(25±2℃)にて30秒以内に実現できねばならない。
この明細書では、“減菌剤”という用語は、無生物の表面に存在するあらゆる形態の生命(例えば細菌、ウイルス、真菌、胞子)を破壊することのできる物理的または化学的な薬剤または方法を意味する。1つの方法が、『A.O.A.C. 消毒剤の殺胞子活性』(公式分析化学者協会の公式分析法、966.04節と該当セクション、第15版、1990年(EPAガイドライン91-2))に記載されている。
この明細書では、“殺菌組成物”という用語は、上記の『消毒剤の殺菌・浄化作用』の手続きを利用して、バチルス属の細菌または胞子の数を60℃にて10秒以内に90%(一桁)以上減らす能力を有する組成物を意味する。この手続きでは、セレウス菌または枯草菌を用いることが好ましい。
本発明の殺菌組成物は、このような菌の数を60℃にて10秒以内に99%(2桁)以上減少させることも好ましい。より好ましいのは、99.99%(4桁)以上減少させることであり、非常に好ましいのは99.999%(5桁)以上減少させることである。本発明の殺菌組成物は、別の1種類以上の生物(例えばケトミウム・フニコラというカビ)の数も99%(2桁)以上減少させることが好ましい。より好ましいのは、そのような生物の数を60℃にて10秒以内に99.99%(4桁)以上減少させることであり、非常に好ましいのは99.999%(5桁)以上減少させることである。殺菌組成物の活性に関する最も広い意味での定義は、現在通用している政府の規制のいくつかとは異なっているため、本発明で“殺菌”という用語を用いるとき、その意味が殺菌活性に関する政府の特定の基準と一致することは想定していない。
この明細書では、“殺胞子剤”という用語は、セレウス菌または枯草菌の胞子の数を60℃にて10秒以内に90%(1桁)以上減らす能力を有する物理的または化学的な薬剤または方法を意味する。本発明の殺胞子剤は、そのような菌の数を60℃にて10秒以内に99%(2桁)以上減少させることが好ましい。より好ましいのは、そのような集団を60℃にて10秒以内に99.99%(4桁)以上減少させることであり、非常に好ましいのは99.999%(5桁)以上減少させることである。
この明細書では、“殺菌剤”という用語は、細菌性汚染物の数を公衆衛生の条件に照らして安全なレベルまで減らす薬剤を意味する。本発明で使用する殺菌剤は、上記の『消毒剤の殺菌・浄化作用』の手続きを利用して少なくとも99.999%(5桁)減らせることが好ましい。
この明細書では、“消毒剤”という用語は、『A.O.A.C. 使用希釈液』(公式分析化学者協会の公式分析法、955.14節と該当セクション、第15版、1990年(EPAガイドライン91-2))に記載されている手続きを利用して、知られているたいていの病原性微生物を含むすべての植物性細胞を殺す薬剤を意味する。
この明細書では、“保存剤”という用語は、フレイバー、におい、色彩、肌理、外観、栄養価、安全性の低下を遅延または阻止することにより、食品または非食品の有効期間を延ばす薬剤を意味する。保存剤は、微生物の細胞に致死的で不可逆的な作用を及ぼしてその細胞を部分的または完全に破壊または無能化する必要はない。
ジカルボン酸ジエステル殺菌組成物
本発明は、ジカルボン酸ジエステルを含む殺菌組成物に関する。第1の溶媒が主要な部分を占め、ジカルボン酸ジエステルがより少ない割合を占めている。ジカルボン酸ジエステルは一般に不溶性であり、第1の溶媒にわずかにしか溶けない。第1の溶媒が希釈溶媒を含むこと、あるいは第1の溶媒が希釈溶媒であることが好ましい。好ましいジカルボン酸ジエステルとしては、アジピン酸ジメチル、アジピン酸メチルエチル、ピメリン酸ジメチル、ピメリン酸メチルエチル、スベリン酸ジメチル、スベリン酸メチルエチル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸メチルエチル、アジピン酸ジエチル、ピメリン酸ジエチル、スベリン酸ジエチル、セバシン酸ジエチル、ならびにこれらの混合物が挙げられる。好ましい希釈溶媒としては水が挙げられる。ジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、殺菌剤、安定化剤、湿潤剤、キレート剤、緩衝剤、共溶媒、ヒドロトロープ剤、界面活性剤、あるいはこれらの混合物も含むことができる。
一般に、本発明の殺菌組成物は、ジカルボン酸ジエステルに加えて1種類以上の殺菌剤を含んでいる。殺菌剤は、第1の溶媒またはジカルボン酸ジエステルに溶けやすいものを選択することができる。本発明では要求されていないが、殺菌剤は、希釈溶媒よりもジカルボン酸ジエステルに溶けやすいことが好ましい。殺菌剤は、希釈溶媒よりもジカルボン酸ジエステルに溶けやすい、あるいは分散しやすい、あるいは混合しやすいことが好ましい。本発明に限られることではないが、例えば液体組成物中で帯電していない状態にすることのできる殺菌剤、あるいは7個以上の炭素原子を有する殺菌剤は、希釈溶媒よりもジカルボン酸ジエステルに溶けやすいと考えられている。3個以上の炭素原子を有する殺菌剤は、一般に、希釈剤よりもジカルボン酸ジエステルに部分的に溶ける。
好ましい殺菌剤としては、酸化剤と考えられる殺菌剤(例えばハロゲン含有化合物、過酸化物、ペルオキシカルボン酸など)が挙げられる。好ましい殺菌剤としては、有機酸性化剤と考えられる殺菌剤(例えば脂肪族カルボン酸や芳香族カルボン酸)が挙げられる。好ましいこのような殺菌剤について以下に詳しく説明する。
好ましい一実施態様では、ジカルボン酸ジエステル組成物が、食品(例えば無菌食品または無菌飲料)パッケージの表面、医薬品パッケージの表面、ヘルスケア表面、ヘルスケア環境に存在する1種類以上の微生物の数を減らす。
例えば本発明による好ましいジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、食品、飲料、医薬品、あるいはそのパッケージまたは容器に付着している1種類以上の病原性または汚染性の胞子形成細菌または胞子形成真菌を殺すのに有効である。このような真菌または細菌としては、チゴサッカロミセス・バイリイ、セレウス菌、枯草菌や、ケトミウム属のカビ(例えばケトミウム・フニコラ、アルトリニウム)、同様の属;酵母、他のカビなどが挙げられる。本発明の組成物と方法は、グラム陽性菌(例えばリステリア菌)、グラム陰性菌(例えば大腸菌)、マイコバクテリア(例えば結核を引き起こす細菌)、酵母、カビ、細菌の胞子、ウイルスなど、多彩な微生物に対する活性を有する。本発明の組成物と方法は、上記のように、黄色ブドウ球菌や緑膿菌など、多彩なヒト病原菌に対する活性を有する。本発明の組成物と方法は、食品、飲料、医薬品の処理表面または処理設備に存在する多彩な微生物を殺すことができる。
別の例として、本発明による好ましいジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、食品によって媒介される1種類以上の食品関連病原性細菌(例えばネズミチフス菌、サルモネラ・ジャヴィアナ、カンピロバクター・ジェジュニ、リステリア菌、大腸菌O157:H7)、酵母、カビなどを殺すのに有効である。本発明の組成物と方法は、上記のように、多彩なヒト病原菌に対する活性を有する。本発明の組成物と方法は、食品処理表面、食品の表面、食品の洗浄水または処理水に存在する多彩な微生物を殺すことができる。
好ましい組成物としては、濃縮組成物と使用組成物が挙げられる。ジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、濃縮物として製造および/または供給することができ、そのままで使用されるか、あるいは追加の(すなわち別の)希釈溶媒で希釈して使用される。ジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、上記の濃縮物から、あるいは個々の原材料から使用溶液を作って使用することになろう。使用組成物は、例えば使用時に、個々の成分から、あるいは濃縮混合物から作ることができる。ジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、例えばそのままで使用すること、あるいは希釈溶媒または希釈ガスと混合して使用することができる。水は好ましい希釈溶媒である。好ましい希釈ガスとしては、二酸化炭素、窒素、酸素、空気、あるいはこれらの混合物が挙げられる。一般に、殺菌濃縮組成物は、溶媒、ガス、蒸気(例えば水蒸気)を用いて希釈し、殺菌使用組成物にする。好ましい一実施態様では、食品、飲料、医薬品の洗浄または処理に用いる水の中に、あるいは飲料、医薬品の製造に用いる容器または設備の洗浄または処理に用いる水の中に、あるいは食品、飲料、医薬品を入れる容器に満たす水の中に濃縮組成物を希釈する。
本発明による好ましい方法には、特に濃縮物または個々の成分を水に添加して使用組成物を作るとき、何らかの形で混合する操作が含まれる。混合操作は、独立したステップとして、あるいは使用組成物を物体に付着させる操作の一部として発生する可能性がある。好ましい混合方法および/または付着方法としては、撹拌、濡らし、浸漬、フラッディング、吸引、ポンピング、スプレー、噴霧、環状の噴霧またはスプレー、超音波処理などが挙げられる。好ましい方法としては、溶液を何らかの形で撹拌、スプレー、噴霧、再循環させる水システム、あるいは別の混合法が挙げられる。
ジカルボン酸ジエステル殺菌組成物のいくつかの実施態様における成分の範囲
代表的なジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、ジカルボン酸ジエステルを約0.001重量%〜約95重量%と、希釈溶媒を約5重量%〜約99.999重量%と、必要に応じて殺菌剤を約0.001重量%〜約65重量%含んでいる。好ましいジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、ジカルボン酸ジエステルを約0.01重量%〜約60重量%と、希釈溶媒を約50重量%〜約99.8重量%と、必要に応じて殺菌剤を約0.01重量%〜約25重量%含んでいる。好ましいジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、ジカルボン酸ジエステルを約0.1重量%〜約15重量%と、希釈溶媒を約60重量%〜約99.5重量%と、必要に応じて殺菌剤を約0.1重量%〜約15重量%含んでいる。これらの組成物は、1種類以上の安定化剤、触媒、緩衝剤、酸性物質なども含むことができる。これらの組成物は、上記の量または範囲から“約”を除いた量または範囲を含むことができる。
好ましい濃縮ジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、ジカルボン酸ジエステルを約10重量%〜約50重量%と、希釈溶媒を約10重量%〜約80重量%と、必要に応じて殺菌剤を約2.5重量%〜約25重量%含んでいる。この濃縮組成物は、1種類以上の安定化剤、触媒、緩衝剤、酸性物質なども含むことができる。この濃縮組成物は、上記の量または範囲から“約”を除いた量または範囲を含むことができる。
一般に、ジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、使用するため、ジカルボン酸ジエステルを約0.001重量%〜約20重量%と、希釈溶媒を約80重量%〜約99.999重量%と、必要に応じて殺菌剤を約0.001重量%〜約10重量%含んでいる。好ましいジカルボン酸ジエステル殺菌使用組成物は、ジカルボン酸ジエステルを約0.01重量%〜約10重量%と、希釈溶媒を約85重量%〜約99.8重量%と、必要に応じて殺菌剤を約0.01重量%〜約5重量%含んでいる。好ましいジカルボン酸ジエステル殺菌使用組成物は、ジカルボン酸ジエステルを約0.1重量%〜約5重量%と、希釈溶媒を約93重量%〜約99.9重量%と、必要に応じて殺菌剤を約0.08重量%〜約2.5重量%含んでいる。この使用組成物は、1種類以上の安定化剤、触媒、緩衝剤、酸性物質なども含むことができる。この使用組成物は、上記の量または範囲から“約”を除いた量または範囲を含むことができる。
代表的なジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、ジカルボン酸ジエステルを約0.1重量%〜約60重量%と、希釈溶媒を約10重量%〜約99.999重量%と、必要に応じて殺菌剤を約0.0025重量%〜約30重量%含むことができる。好ましいジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、ジカルボン酸ジエステルを約0.1重量%〜約20重量%と、希釈溶媒を約30重量%〜約99.99重量%と、必要に応じて殺菌剤を約0.007重量%〜約3重量%含むことができる。好ましいジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、ジカルボン酸ジエステルを約0.25重量%〜約15重量%と、希釈溶媒を約90重量%〜約99重量%と、必要に応じて殺菌剤を約0.01重量%〜約6重量%含むことができる。好ましいジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、ジカルボン酸ジエステルを約0.5重量%〜約6重量%と、希釈溶媒を約95重量%〜約99重量%と、必要に応じて殺菌剤を約0.025重量%〜約3重量%含むことができる。
代表的なジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、ジカルボン酸ジエステルを約0.1重量%〜約60重量%含むことができる。この量は、約0.3重量%〜約20重量%であることが好ましく、約0.5重量%〜約15重量%であることがより好ましく、約1重量%〜約6重量%であることがさらに好ましい。好ましいジカルボン酸ジエステルとしては、スベリン酸ジメチルが挙げられる。代表的なジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、希釈溶媒を約10重量%〜約99.999重量%含むことができる。この量は、約30重量%〜約99.99重量%であることが好ましく、約90重量%〜約99重量%であることがより好ましく、約95重量%〜約99重量%であることがさらに好ましい。好ましい希釈溶媒は水である。代表的なジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、殺菌剤を約0.0025重量%〜約30重量%含むことができる。この量は、約0.007重量%〜約3重量%であることが好ましく、約0.01重量%〜約6重量%であることがより好ましく、約0.025重量%〜約3重量%であることがさらに好ましい。好ましい殺菌剤としては、ハロゲン含有殺菌剤、カルボン酸、ペルオキシカルボン酸などが挙げられる。
ジカルボン酸ジエステル殺菌組成物のいくつかの実施態様では、成分の範囲が以下の表に記載したようになっている。
Figure 0004611637
ペルオキシカルボン酸を含むジカルボン酸ジエステル組成物のいくつかの実施態様における範囲
好ましいジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、ジカルボン酸ジエステルを約0.01重量%〜約95重量%と、水を約5重量%〜約99.999重量%と、ペルオキシカルボン酸を約0.01重量%〜約35重量%含むことができる。このような好ましい組成物は、過酸化水素を0.01重量%〜約75重量%と、必要に応じて安定化剤または触媒を約0.00001重量%〜約5重量%、および/または界面活性剤を約0.001重量%〜約10重量%、および/または緩衝剤を約0.001重量%〜約10重量%含むこともできる。好ましいジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、ジカルボン酸ジエステルを約0.1重量%〜約90重量%と、水を約10重量%〜約99.9重量%と、ペルオキシカルボン酸を約0.05重量%〜約15重量%含んでいる。このような好ましい組成物は、過酸化水素を0.03重量%〜約65重量%と、必要に応じて安定化剤または触媒を約0.01重量%〜約3重量%、および/または界面活性剤を約0.01重量%〜約5重量%、および/または緩衝剤を約0.01重量%〜約5重量%含むこともできる。好ましいジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、ジカルボン酸ジエステルを約0.2重量%〜約65重量%と、水を約35重量%〜約99.2重量%と、ペルオキシカルボン酸を約0.08重量%〜約11重量%含んでいる。このような好ましい組成物は、過酸化水素を0.05重量%〜約55重量%と、必要に応じて安定化剤または触媒を約0.1重量%〜約2重量%、および/または界面活性剤を約0.1重量%〜約2重量%、および/または緩衝剤を約0.1重量%〜約2重量%含むこともできる。これらの組成物は、上記の量または範囲から“約”を除いた量または範囲を含むことができる。
好ましい濃縮ジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、ジカルボン酸ジエステルを約10重量%〜約50重量%と、水を約10重量%〜約80重量%と、ペルオキシカルボン酸を約2.5重量%〜約11重量%含んでいる。このような好ましい濃縮組成物は、安定化剤または触媒を約1重量%〜約2重量%、および/または界面活性剤を約1重量%〜約2重量%、および/または緩衝剤を約1重量%〜約2重量%含むこともできる。この濃縮組成物は、上記の量または範囲から“約”を除いた量または範囲を含むことができる。
好ましくは、ジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、使用するため、ジカルボン酸ジエステルを約0.001重量%〜約20重量%と、水を約80重量%〜約99.99重量%と、ペルオキシカルボン酸を約0.01重量%〜約10重量%含むことができる。このような好ましい使用組成物は、過酸化水素を0.003重量%〜約25重量%と、必要に応じて安定化剤または触媒を約0.001重量%〜約5重量%、および/または界面活性剤を約0.001重量%〜約10重量%、および/または緩衝剤を約0.001重量%〜約10重量%含むこともできる。好ましいジカルボン酸ジエステル殺菌使用組成物は、ジカルボン酸ジエステルを約0.1重量%〜約10重量%と、水を約85重量%〜約99.99重量%と、ペルオキシカルボン酸を約0.01重量%〜約5重量%含んでいる。このような好ましい使用組成物は、過酸化水素を0.03重量%〜約20重量%と、必要に応じて安定化剤または触媒を約0.001重量%〜約3重量%、および/または界面活性剤を約0.001重量%〜約5重量%、および/または緩衝剤を約0.001重量%〜約5重量%含むこともできる。好ましいジカルボン酸ジエステル殺菌使用組成物は、ジカルボン酸ジエステルを約0.1重量%〜約5重量%と、水を約93重量%〜約99.9重量%と、ペルオキシカルボン酸を約0.08重量%〜約2.5重量%含んでいる。このような好ましい使用組成物は、過酸化水素を0.08重量%〜約10重量%と、必要に応じて安定化剤または触媒を約0.01重量%〜約2重量%、および/または界面活性剤を約0.01重量%〜約2重量%、および/または緩衝剤を約0.01重量%〜約2重量%含むこともできる。この使用組成物は、上記の量または範囲から“約”を除いた量または範囲を含むことができる。
例えばジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、ジカルボン酸ジエステルを95重量%までと、活性ペルオキシカルボン酸を35重量%までと、過酸化水素を75重量%までと、水を99.99重量%までと、必要に応じて添加剤を含むことができる。ジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、ジカルボン酸ジエステルを65重量%までと、活性ペルオキシカルボン酸を15重量%までと、過酸化水素を45重量%までと、水を99.5重量%までと、必要に応じて添加剤を含むことが好ましい。ジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、ジカルボン酸ジエステルを45重量%までと、活性ペルオキシカルボン酸を10重量%までと、過酸化水素を15重量%までと、水を99重量%までと、必要に応じて添加剤を含むことが好ましい。これらの組成物は、上記の量または範囲から“約”を除いた量または範囲を含むことができる。
例えばジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、使用するため、ジカルボン酸ジエステルを20重量%までと、活性ペルオキシカルボン酸を10重量%までと、過酸化水素を60重量%までと、水を99.99重量%までと、必要に応じて添加剤を含むことができる。ジカルボン酸ジエステル殺菌使用組成物は、ジカルボン酸ジエステルを10重量%までと、活性ペルオキシカルボン酸を5重量%までと、過酸化水素を20重量%までと、水を99.5重量%までと、必要に応じて添加剤を含むことが好ましい。ジカルボン酸ジエステル殺菌使用組成物は、ジカルボン酸ジエステルを5重量%までと、活性ペルオキシカルボン酸を2.5重量%までと、過酸化水素を10重量%までと、水を99重量%までと、必要に応じて添加剤を含むことが好ましい。この使用組成物は、1種類以上の安定化剤、触媒、緩衝剤、酸性物質なども含むことができる。これらの組成物は、上記の量または範囲から“約”を除いた量または範囲を含むことができる。
例えばジカルボン酸ジエステル殺菌使用組成物は、ジカルボン酸ジエステルを約0.001重量%〜約95重量%含むことができる。この量は、約0.05重量%〜約5重量%であることが好ましく、約0.1重量%〜約3重量%であることがより好ましい。例えばジカルボン酸ジエステル殺菌使用組成物は、活性ペルオキシカルボン酸を約0.01重量%〜約35重量%含むことができる。この量は、約0.05重量%〜約5重量%であることが好ましく、約0.08重量%〜約2.5重量%であることがより好ましい。例えばジカルボン酸ジエステル殺菌使用組成物は、過酸化水素を約0.01重量%〜約25重量%含むことができる。この量は、約0.05重量%〜約5重量%であることが好ましく、約0.1重量%〜約3重量%であることがより好ましい。例えばジカルボン酸ジエステル殺菌使用組成物は、安定化剤を約0.001重量%〜約15重量%含むことができる。この量は、約0.01重量%〜約3重量%であることが好ましく、約0.1重量%〜約2重量%であることがより好ましい。例えばジカルボン酸ジエステル殺菌使用組成物は、緩衝剤を約0.001重量%〜約10重量%含むことができる。この量は、約0.01重量%〜約5重量%であることが好ましく、約0.1重量%〜約2重量%であることがより好ましい。例えばジカルボン酸ジエステル殺菌使用組成物は、水を約50重量%〜約99.999重量%含むことができる。この量は、約70重量%〜約99.8重量%であることが好ましく、約85重量%〜約99.5重量%であることがより好ましい。これらの組成物は、上記の量または範囲から“約”を除いた量または範囲を含むことができる。
カルボン酸を含むジカルボン酸ジエステル組成物のいくつかの実施態様における範囲
カルボン酸殺菌剤を使用した代表的なジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、ジカルボン酸ジエステルを約0.001重量%〜約99.9重量%と、希釈溶媒を約1重量%〜約99.999重量%と、カルボン酸殺菌剤を約0.001重量%〜約85重量%含むことができる。例えば好ましいジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、ジカルボン酸ジエステルを約0.1重量%〜約95重量%と、希釈溶媒を約5重量%〜約99.9重量%と、カルボン酸殺菌剤を約0.001重量%〜約25重量%含むことができる。例えばジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、ジカルボン酸ジエステルを約0.001重量%〜約15重量%と、水を約70重量%〜約99.9重量%と、カルボン酸を約0.01重量%〜約10重量%含むことができる。このような組成物は、必要に応じ、添加剤として酸性物質、緩衝剤、共溶媒、界面活性剤などを約30重量%まで含むことができる。これらの組成物は、上記の量または範囲から“約”を除いた量または範囲を含むことができる。
カルボン酸殺菌剤を使用した好ましい濃縮ジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、ジカルボン酸ジエステルを約10重量%〜約50重量%と、水を約10重量%〜約80重量%と、カルボン酸を約2.5重量%〜約25重量%含むことができる。このような濃縮組成物は、必要に応じ、添加剤として酸性物質、緩衝剤、共溶媒、界面活性剤などを約30重量%まで含むことができる。これらの組成物は、上記の量または範囲から“約”を除いた量または範囲を含むことができる。
カルボン酸殺菌剤を使用した代表的なジカルボン酸ジエステル殺菌使用組成物は、ジカルボン酸ジエステルを約0.001重量%〜約20重量%と、希釈溶媒を約80重量%〜約99.999重量%と、カルボン酸殺菌剤を約0.001重量%〜約10重量%含むことができる。例えば好ましいジカルボン酸ジエステル殺菌使用組成物は、ジカルボン酸ジエステルを約0.01重量%〜約10重量%と、希釈溶媒を約85重量%〜約99.99重量%と、カルボン酸殺菌剤を約0.01重量%〜約5重量%含むことができる。例えばジカルボン酸ジエステル殺菌使用組成物は、ジカルボン酸ジエステルを約0.1重量%〜約5重量%と、水を約93重量%〜約99.9重量%と、カルボン酸を約0.08重量%〜約2.5重量%含むことができる。このような組成物は、必要に応じ、添加剤として酸性物質、緩衝剤、共溶媒、界面活性剤などを約30重量%まで含むことができる。これらの組成物は、上記の量または範囲から“約”を除いた量または範囲を含むことができる。
ハロゲン含有殺菌剤を含むジカルボン酸ジエステル組成物のいくつかの実施態様における範囲
ハロゲン含有(例えばClO2、Cl2-OCl、HOCl、HOBr、-OBr、Br2、ICl、IBr、IBrxまたはIClxの塩(ただしxは1〜4)、Ixの塩(ただしxは2〜9))殺菌剤を使用した代表的なジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、ジカルボン酸ジエステルを約0.001重量%〜約99.9重量%と、希釈溶媒を約1重量%〜約99.999重量%と、ハロゲン含有殺菌剤を約0.001重量%〜約85重量%含むことができる。例えば好ましいジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、ジカルボン酸ジエステルを約0.1重量%〜約95重量%と、希釈溶媒を約5重量%〜約99.9重量%と、ハロゲン含有殺菌剤を約0.001重量%〜約25重量%含むことができる。例えばジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、ジカルボン酸ジエステルを約0.001重量%〜約15重量%と、水を約70重量%〜約99.9重量%と、ハロゲン含有殺菌剤を約0.01重量%〜約10重量%含むことができる。このような組成物は、必要に応じ、添加剤として酸性物質、緩衝剤、共溶媒、界面活性剤などを約30重量%まで含むことができる。これらの組成物は、上記の量または範囲から“約”を除いた量または範囲を含むことができる。
ハロゲン含有殺菌剤を使用した好ましい濃縮ジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、ジカルボン酸ジエステルを約10重量%〜約50重量%と、水を約10重量%〜約80重量%と、ハロゲン含有殺菌剤を約2.5重量%〜約25重量%含むことができる。このような濃縮組成物は、必要に応じ、添加剤として酸性物質、緩衝剤、共溶媒、界面活性剤などを約30重量%まで含むことができる。これらの濃縮組成物は、上記の量または範囲から“約”を除いた量または範囲を含むことができる。
ハロゲン含有殺菌剤を使用した代表的なジカルボン酸ジエステル殺菌使用組成物は、ジカルボン酸ジエステルを約0.001重量%〜約20重量%と、希釈溶媒を約80重量%〜約99.999重量%と、ハロゲン含有殺菌剤を約0.001重量%〜約10重量%含むことができる。例えば好ましいジカルボン酸ジエステル殺菌使用組成物は、ジカルボン酸ジエステルを約0.01重量%〜約10重量%と、希釈溶媒を約85重量%〜約99.99重量%と、ハロゲン含有殺菌剤を約0.01重量%〜約5重量%含むことができる。例えばジカルボン酸ジエステル殺菌使用組成物は、ジカルボン酸ジエステルを約0.1重量%〜約5重量%と、希釈溶媒を約92.5重量%〜約99.9重量%と、ハロゲン含有殺菌剤を約0.08重量%〜約2.5重量%含むことができる。このような使用組成物は、必要に応じ、添加剤として酸性物質、緩衝剤、共溶媒、界面活性剤などを約30重量%まで含むことができる。これらの使用組成物は、上記の量または範囲から“約”を除いた量または範囲を含むことができる。
希釈溶媒
さまざまな流体を希釈溶媒として使用することができる。具体的には、水(例えば液体の水、氷、流水);凝縮されたガスと、それ以外の準超臨界流体または超臨界流体(例えばCO2);ペルクロロエチレン;シリコーン油(例えばシロキサン)、ギアー油、トランスアクスル油、鉱油、植物油などの油;ダイズメチルなどのカルボン酸エステル;グリコール;有機酸;過酸化物;無機酸などが挙げられる。望むのであれば、複数の希釈溶媒の混合物を用いることができる。特に役に立つ油としては、食品グレードの油、食品由来の油、香料、芳香油が挙げられる。好ましいジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、希釈溶媒として、水、グリコール、CO2、有機酸、過酸化物、無機酸を含むことができる。好ましい希釈溶媒は、水、グリコール、有機酸であり、その中でも水が好ましい。
希釈溶媒は、水を含むこと、あるいは主として水からなること、あるいは水だけからなることが好ましい。水は液体形態または蒸気形態が可能であるが、液体形態であることが好ましい。この明細書では、今後、希釈溶媒として主として液体の形態になった水の使用について述べる。しかし望むのであれば、液体形態の水に他の適切な流体を添加したり、あるいは液体形態の水の代わりに他の適切な流体を用いたりできることが理解されよう。
代表的なジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、希釈溶媒を約5重量%〜約99.999重量%含むことができる。この量は、約50重量%〜約99.99重量%であることが好ましく、約75重量%〜約99.9重量%であることがさらに好ましく、約85重量%〜約99.5重量%であることがより好ましい。濃縮ジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、約10重量%〜約80重量%の希釈溶媒を含むことが好ましい。一般に、ジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、使用するため、希釈溶媒を約80重量%〜約99.999重量%含むことができる。この量は、約85重量%〜約99.99重量%であることが好ましく、約92.5重量%〜約99.9重量%であることがより好ましい。これらの組成物は、上記の量または範囲から“約”を除いた量または範囲を含むことができる。
ジカルボン酸ジエステル
この明細書では、ジカルボン酸ジエステルは、一般式:
Figure 0004611637
を有する分子を意味する。この一般式において、R1、R2、R3は、互いに独立に、さまざまな有機基(例えばアルキル、直鎖型の基、環式基、芳香族基、飽和した基)、または置換された有機基(例えば1個以上のヘテロ原子または有機基で置換された有機基)にすることができる。
好ましいジカルボン酸ジエステルとしては、一般式:
Figure 0004611637
のジカルボン酸ジエステルが挙げられる。ただしR1とR2は、互いに独立に、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基を表わし、nは0〜10である。アルキル基は、直鎖型でも分岐鎖型でもよいが、直鎖型が好ましい。nは4〜8であることが好ましく、R1とR2は、互いに独立に、C1〜C4アルキルであることが好ましい。
驚くべきことに、ある種のジカルボン酸ジエステルを含むジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、他のジカルボン酸ジエステルを含む組成物よりも大きな活性を示す。特に、2〜8個の炭素原子によって隔てられた2つのカルボキシル基を有するカルボン酸に由来するジカルボン酸ジエステルが、大きな殺菌活性を示す。好ましいジカルボン酸ジエステルは、3、4、5、6、8個のいずれかの炭素原子によって隔てられた2つのカルボキシル基を有するカルボン酸に由来するジカルボン酸ジエステルである。炭素原子の数は、4、5、6、8個のいずれかであることが好ましく、6個であることがより好ましい。このような好ましいジカルボン酸ジエステルとしては、アジピン酸ジエステル、グルタル酸ジエステル、ピメリン酸ジエステル、スベリン酸ジエステル、セバシン酸ジエステルが挙げられる。好ましいのは、アジピン酸ジエステル、ピメリン酸ジエステル、スベリン酸ジエステルのいずれかであり、より好ましいのはスベリン酸ジエステルまたはアジピン酸ジエステルである。
1〜2個の炭素原子を有するアルコールに由来するジカルボン酸ジエステルにおいて、特にジカルボン酸部分が4〜10個の炭素原子を有するとき、大きな殺菌活性を示す。好ましいジカルボン酸ジエステルは、1、2、3、4個いずれかの炭素原子を有するアルコールに由来するものである。炭素原子の数は1個または2個であることが好ましく、1個であることがより好ましい。このような好ましいジカルボン酸ジエステルとしては、アジピン酸ジエステル、グルタル酸ジエステル、コハク酸ジエステル、ピメリン酸ジエステル、スベリン酸ジエステル、セバシン酸ジエステルが挙げられる。エステルは、対称なものでもよいし、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、s-ブタノール、t-ブタノールの混合エステルでもよい。このうちで好ましいのはメタノール、エタノール、イソブタノールであり、より好ましいのはメタノールである。
特に、合計で5〜22個の炭素原子を有するジカルボン酸ジエステルが大きな殺菌活性を示す。好ましいジカルボン酸ジエステルは、6〜12個の炭素原子を有する。炭素原子の数は、8〜10個であることが好ましく、9個または10個であることがより好ましい。このような好ましいジカルボン酸ジエステルとしては、アジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸のメチルジエステルまたはエチルジエステル、あるいはこれらの混合物が挙げられる。好ましいのは、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸のエステル、あるいはこれらの混合物であり;より好ましいのは、ピメリン酸、スベリン酸のエステル、あるいはこれらの混合物である。
好ましいジカルボン酸アルキルジエステルとしては、マロン酸ジメチル、マロン酸メチルエチル、マロン酸メチルプロピル、マロン酸メチルブチル、コハク酸ジメチル、コハク酸メチルエチル、コハク酸メチルプロピル、コハク酸メチルブチル、グルタル酸ジメチル、グルタル酸メチルエチル、グルタル酸メチルプロピル、グルタル酸メチルブチル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸メチルエチル、アジピン酸メチルプロピル、アジピン酸メチルブチル、ピメリン酸ジメチル、ピメリン酸メチルエチル、ピメリン酸メチルプロピル、ピメリン酸メチルブチル、スベリン酸ジメチル、スベリン酸メチルエチル、スベリン酸メチルプロピル、スベリン酸メチルブチル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸メチルエチル、セバシン酸メチルプロピル、セバシン酸メチルブチル、マロン酸ジエチル、マロン酸エチルプロピル、マロン酸エチルブチル、コハク酸ジエチル、コハク酸エチルプロピル、コハク酸エチルブチル、グルタル酸ジエチル、グルタル酸エチルプロピル、グルタル酸エチルブチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸エチルプロピル、アジピン酸エチルブチル、ピメリン酸ジエチル、ピメリン酸エチルプロピル、ピメリン酸エチルブチル、スベリン酸ジエチル、スベリン酸エチルプロピル、スベリン酸エチルブチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸エチルプロピル、セバシン酸エチルブチル、マロン酸ジプロピル、マロン酸プロピルブチル、コハク酸ジプロピル、コハク酸プロピルブチル、グルタル酸ジプロピル、グルタル酸プロピルブチル、アジピン酸ジプロピル、アジピン酸プロピルブチル、ピメリン酸ジプロピル、ピメリン酸プロピルブチル、スベリン酸ジプロピル、スベリン酸プロピルブチル、セバシン酸ジプロピル、セバシン酸プロピルブチル、マロン酸ジブチル、コハク酸ジブチル、グルタル酸ジブチル、アジピン酸ジブチル、ピメリン酸ジブチル、スベリン酸ジブチル、セバシン酸ジブチルなどが挙げられる。これらのエステルにおいて、プロピルとしてはn-プロピル、イソ-プロピル、またはこれらの混合物が可能であり;ブチルとしてはn-ブチル、イソ-ブチル、t-ブチル、またはこれらの混合物が可能である。
より好ましいジカルボン酸アルキルジエステルとしては、アジピン酸ジメチル、アジピン酸メチルエチル、ピメリン酸ジメチル、ピメリン酸メチルエチル、スベリン酸ジメチル、スベリン酸メチルエチル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸メチルエチル、アジピン酸ジエチル、ピメリン酸ジエチル、スベリン酸ジエチル、セバシン酸ジエチルなどが挙げられる。
ジカルボン酸ジエステルのうち、例えばセバシン酸ジオクチル、セバシン酸ビス-[2-エチルヘキシル]、セバシン酸ジアミル、ピメリン酸ジメチル、スベリン酸ジメチルは、比較的純粋な形態のものが市販されている。これらのセバシン酸エステルが好ましい理由の1つは、安価なものが市販されていることにある。
代表的なジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、使用組成物または濃縮組成物として、あるいは使用時に個々の成分から混合される組成物として、ジカルボン酸ジエステルを約0.001重量%〜約85重量%含むことができる。ジカルボン酸ジエステルは、約0.05重量%〜約5重量%であることが好ましく、約0.1重量%〜約3重量%であることがさらに好ましい。代表的な濃縮ジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、ジカルボン酸ジエステルを約10重量%〜約50重量%含むことができる。一般に、ジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、使用するため、ジカルボン酸ジエステルを約0.001重量%〜約50重量%含むことができる。ジカルボン酸ジエステルは、約0.01重量%〜約10重量%であることが好ましく、約0.08重量%〜約5重量%であることがさらに好ましい。これらの組成物は、上記の量または範囲から“約”を除いた量または範囲を含むことができる。
殺菌剤
本発明の殺菌組成物は、殺菌剤を含んでいることが好ましい。適切な殺菌剤としては、微生物からの保護を望むレベルで実現するのに十分な量の、カルボン酸、二酸、三酸(例えばギ酸、酢酸、ブチル酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン産、サリチル酸、マンデル酸、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、EDTA、クエン酸)、カルボン酸エステル(例えば安息香酸p-ヒドロキシアルキル、ケイ皮酸アルキル)、スルホン酸(例えばドデシルベンゼンスルホン酸)、ヨード化合物または活性ハロゲン化合物(例えばハロゲン元素、ハロゲン酸化物、ヨウ素、ハロゲン間化合物、ポリハロゲン化物、次亜塩素酸塩、次亜塩素酸、次亜臭素酸塩、次亜臭素酸、クロロヒダントイン、ブロモヒダントイン、二酸化塩素、亜塩素酸ナトリウム)、活性酸素化合物(例えば過酸化水素、過炭酸塩、過ホウ酸塩、過硫酸塩、分離または平衡誘導または平衡分離されたペルオキシカルボン酸(例えばクロロ過安息香酸、ペルオキシ酢酸、ペルオキシヘプタン酸、ペルオキシオクタン酸、ペルオキシデカン酸、ペルオキシギ酸、ペルオキシクエン酸、ペルオキシグリコール酸、ペルオキシ乳酸、ペルオキシ安息香酸、二酸またはジエステルから誘導されたモノエステル過酸(例えばアジピン酸、コハク酸、グルタル酸、マロン酸、ならびにこれらの混合物))、有機過酸化物(例えば過酸化ベンゾイル、過酸化アルキルベンゾイル、オゾン、一重項酸素生成物質、これらの混合物)、フェノール誘導体(例えばo-フェニルフェノール、o-ベンジル-p-クロロフェノール、t-アミルフェノール、ヒドロキシ安息香酸C1〜C6アルキル)、第四級アンモニウム化合物(例えばアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ならびにこれらの混合物)、ならびにこれら殺菌剤の混合物が挙げられる。
好ましい殺菌剤としては、酸化剤と考えられる殺菌剤が挙げられる。好ましい酸化殺菌剤としては、ハロゲン含有化合物とペルオキシカルボン酸が挙げられる。好ましいハロゲン含有化合物としては、ハロゲン元素、ポリハロゲン化物、ハロゲン酸化物(例えばNaOCl、HOCl、HOBr、ClO2)などが挙げられる。好ましいハロゲン酸化物としては、次亜塩素酸(またはその塩)、二酸化塩素、次亜臭素酸(またはその塩)が挙げられる。好ましいハロゲン含有化合物としては、一塩化ヨウ素、二塩化ヨウ素、三塩化ヨウ素、四塩化ヨウ素、塩化臭素、一臭化ヨウ素、二臭化ヨウ素などのハロゲン間化合物も挙げられる。好ましいペルオキシカルボン酸としては、ペルオキシ酢酸、ペルオキシギ酸、ペルオキシオクタン酸、モノエステルペルオキシジカルボン酸などが挙げられる。
好ましい殺菌剤としては、有機酸性化剤と考えられる殺菌剤が挙げられる。好ましい有機酸性化剤としては、脂肪族カルボン酸と芳香族カルボン酸が挙げられる。好ましい脂肪族カルボン酸または芳香族カルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、安息香酸、サリチル酸、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
好ましいジカルボン酸ジエステル殺菌組成物としては、殺菌剤として、ペルオキシカルボン酸、脂肪酸、ヨードフォア、次亜臭素酸、次亜塩素酸、ハロゲン間化合物、次亜塩素酸塩、次亜臭素酸塩、過酸化物のいずれかまたは組み合わせを含んでいる。好ましい殺菌剤は、ペルオキシカルボン酸、脂肪酸、次亜塩素酸、過酸化物であり、より好ましいのはペルオキシカルボン酸または次亜塩素酸である。
殺菌剤は、カルボン酸ジエステルまたは希釈溶媒に溶かすか分散させることができる。あるいは殺菌剤は、第1の溶媒またはカルボン酸ジエステルにより溶けやすいものを選択することができる。殺菌剤を含む本発明のジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、一般に、殺菌剤だけを含む比較用の水溶液または分散液よりも殺菌効率が実質的に大きい。本発明に限られることではないが、これは、殺菌剤が溶媒の1つに優先的に分配されることによって生じている可能性があると考えられている。殺菌剤は、希釈溶媒よりもカルボン酸ジエステルに溶けやすい、あるいは希釈溶媒よりもカルボン酸ジエステルに優先的に溶解、分散、混合することが好ましい。本発明に限られることではないが、ジカルボン酸ジエステル組成物の中で帯電していない殺菌剤、あるいは2個の炭素原子を含む7個以上の原子を有する殺菌剤は、一部がジカルボン酸ジエステルに分配されると考えられている。
代表的なジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、殺菌剤を約0.001重量%〜約60重量%含むことができる。殺菌剤は、約0.01重量%〜約15重量%であることが好ましく、約0.08重量%〜約2.5重量%であることがさらに好ましい。代表的な濃縮ジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、殺菌剤を約2.5重量%〜約25重量%含むことができる。一般に、ジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、使用するため、殺菌剤を約0.001重量%〜約20重量%含むことができる。殺菌剤は、約0.01重量%〜約10重量%であることが好ましく、約0.08重量%〜約5重量%であることがさらに好ましい。好ましいジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、殺菌剤を約0.05、約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、約2.5、約2.6、約2.7、約2.8、約2.9、約3.0、約3.1、約3.2、約3.3、約3.4、約3.5、約3.6、約3.7、約3.8、約3.9、約4.0、約4.1、約4.2、約4.3、約4.4、約4.5、約4.6、約4.7、約4.8、約4.9、約5.0重量%含むことができる。これらの組成物は、上記の量または範囲から“約”を除いた量または範囲を含むことができる。
使用組成物中の反応性殺菌剤(例えばペルオキシ酸、過酸化水素、ハロゲン含有殺菌剤)のレベルは、その使用組成物の中に含まれている有機物質、あるいはその使用組成物に添加される有機物質の影響を受ける(一般には影響を受けて減少する)可能性がある。したがって使用組成物に含まれる各成分の量は、使用前または使用開始後早い段階の組成物に関するものであり、有機物質をその使用組成物に添加するにつれて減少するものと考えられる。
ペルオキシカルボン酸殺菌剤
本発明のジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、殺菌剤として、ペルオキシカルボン酸および/またはカルボン酸を含むことができる。一般に、カルボン酸は一般式R-COOH(ここでRは、脂肪族基、芳香族基、複素環基、エステル基(例えばアルキルエステル基)などの基を表わし、これらの基は、任意の数が可能であり、飽和していても不飽和でもよく、および/または置換されていても置換されていなくてもよい))を有する。Rは、炭素原子が1〜10個(非常に好ましいのは1〜8個)の小さなアルキル基であることが好ましい。
一般に役に立つカルボン酸は、1個または2個のカルボキシル基を有するカルボン酸である(ここでRは、長さがC2〜C12の第一級アルキル鎖またはアリール鎖である)。第一級アルキル鎖またはアリール鎖は、分子の炭素鎖のうちで最も長く、しかもカルボキシル官能基に直接結合しているものである。適切なカルボン酸の具体例としては、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、安息香酸、サリチル酸、ならびにこれらの混合物が挙げられる。鎖がより長いカルボン酸類似体(例えばヘキサン酸類似体、ヘプタン酸類似体、オクタン酸類似体、ノナン酸類似体、デカン酸類似体)もやはり殺菌剤になることができ、表面張力を低下させて疎水性表面を濡らすのを助ける。
一般にペルオキシカルボン酸(または過カルボン酸)は、一般式R(CO3H)n(ここでRは、アルキル、アリールアルキル、シクロアルキル、カルボキシアルキル、カルボキシエステルアルキル、芳香族、複素環のいずれかであり;nは1、2、3のいずれかであり、親となる酸の前にペルオキシを付けて呼ばれる)を有する。ペルオキシカルボン酸はカルボン酸ほど安定ではないが、一般に分子量が大きくなるほど安定性が大きくなる。ペルオキシカルボン酸の熱分解は、一般にフリーラジカル経路と非ラジカル経路によって、あるいは光分解またはラジカル誘導分解によって、あるいは金属イオンまたは金属錯体の作用によって進行させることができる。過カルボン酸は、酸を触媒とした過酸化水素とカルボン酸の直接的な平衡反応によって、あるいはアルデヒドの自己酸化によって、あるいは酸塩化物と水素化物から、あるいは無水カルボン酸を水素または過酸化ナトリウムと反応させることによって得られる。
本発明の組成物と方法で役に立つペルオキシカルボン酸としては、ペルオキシギ酸、ペルオキシ酢酸、ペルオキシプロピオン酸、ペルオキシブタン酸、ペルオキシペンタン酸、ペルオキシヘキサン酸、ペルオキシヘプタン酸、ペルオキシオクタン酸、ペルオキシノナン酸、ペルオキシデカン酸、ペルオキシウンデカン酸、ペルオキシドデカン酸、ペルオキシ乳酸、ペルオキシクエン酸、ペルオキシマレイン酸、ペルオキシアスコルビン酸、ペルオキシヒドロキシ酢酸(ペルオキシグリコール酸)、ペルオキシシュウ酸、ペルオキシマロン酸、ペルオキシコハク酸、ペルオキシグルタル酸、ペルオキシアジピン酸、ペルオキシピメリン酸、ペルオキシスベリン酸、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
カルボン酸塩部分を2個以上有するペルオキシ形態のカルボン酸は、ペルオキシカルボキシル部分として存在するカルボキシル部分を1個以上含むことができる。このようなペルオキシカルボン酸は、優れた殺菌作用を示すとともに、水性混合物中で安定であることがわかっている、好ましい一実施態様では、本発明の組成物において、いくつかの異なったペルオキシカルボン酸の組み合わせが用いられる。好ましい一実施態様では、殺菌組成物は、2個の炭素原子を有するペルオキシカルボン酸と、7〜12個の炭素原子を有する別のペルオキシカルボン酸を含んでいる。このような殺菌組成物は、ペルオキシ酢酸に加え、ペルオキシオクタン酸、またはペルオキシデカン酸、またはこれらの混合物を含んでいることが好ましい。
代表的なジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、C2〜C10ペルオキシカルボン酸を含んでいる。好ましいジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、ペルオキシ酢酸、ペルオキシヘプタン酸、ペルオキシオクタン酸、ペルオキシプロピオン酸、あるいはペルオキシカルボン酸としてのこれらの混合物を含んでいる。好ましいジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、ペルオキシ酢酸、ペルオキシヘプタン酸、ペルオキシオクタン酸、あるいはペルオキシカルボン酸としてのこれらの混合物を含んでいる。
使用組成物と濃縮組成物に含まれるペルオキシカルボン酸の量は、その組成物に溶かすか分散させることのできるペルオキシカルボン酸の最大量までが可能である。ペルオキシカルボン酸は、濃縮組成物中に約0.001〜約50重量%の濃度で存在していることが好ましい。この濃度は、0.05〜約25重量%であることがさらに好ましく、約0.08〜約15重量%であることがさらに好ましく、約0.1〜約10重量%であることがさらに好ましい。いくつかの好ましい実施態様では、ジカルボン酸ジエステル濃縮組成物は、ペルオキシカルボン酸をこのような範囲の下限に等しい量含んでいる。これらの組成物は、上記の量または範囲から“約”を除いた量または範囲を含むことができる。
使用組成物は、例えば濃縮物を希釈することによって、あるいは個々の成分を使用時に混合することによって得ることができる。一般に、上記濃縮組成物の使用溶液は、独立に、濃度が0.001〜約5重量%のペルオキシカルボン酸を含んでいる。なおペルオキシカルボン酸の濃度は、0.01〜約3重量%であることが好ましく、約0.1〜約2重量%であることがさらに好ましい。例えばジカルボン酸ジエステル殺菌組成物の使用組成物は、約0.001重量%〜約5重量%のペルオキシ酢酸を含むことができる。なおペルオキシ酢酸は、約0.01重量%〜約2.5重量%であることが好ましく、約0.1重量%〜約1.5重量%であることがさらに好ましい。例えばジカルボン酸ジエステル殺菌組成物の使用組成物は、約0.001重量%〜約5重量%のペルオキシ酢酸および/または0.0001〜約3重量%のペルオキシオクタン酸を含むことができる。なお、約0.01重量%〜約2.5重量%のペルオキシ酢酸および/または0.001〜約1重量%のペルオキシオクタン酸であることが好ましく、約0.03重量%〜約0.5重量%のペルオキシ酢酸および/またはペルオキシオクタン酸であることがさらに好ましい。これらの組成物は、上記の量または範囲から“約”を除いた量または範囲を含むことができる。
エステルペルオキシカルボン酸殺菌剤
この明細書では、エステルペルオキシカルボン酸とは、一般式:
Figure 0004611637
を有する分子を意味する。この一般式において、R2とR3は、互いに独立に、さまざまな有機基(例えばアルキル、直鎖型の基、環式の基、芳香族基、飽和した基)、または置換された有機基(例えば1個以上のヘテロ原子または有機基で置換された有機基)にすることができる。エステルペルオキシカルボン酸は、ペルオキシカルボン酸を製造するのに一般に用いられる方法(例えば対応するジカルボン酸モノエステルまたはジカルボン酸ジエステルを過酸化水素と反応させる方法)で製造することができる。この明細書に記載したジカルボン酸ジエステルに由来するエステルペルオキシカルボン酸、またはこの明細書に記載したジカルボン酸ジエステルに対応するエステルペルオキシカルボン酸が好ましい。
好ましいエステルペルオキシカルボン酸としては、一般式:
Figure 0004611637
を有することが好ましいアルキルエステルペルオキシカルボン酸が挙げられる。ここでR1とR2は、互いに独立に、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基を表わし、nは0〜10である。アルキル基としては、直鎖型または分岐鎖型が可能であるが、直鎖型が好ましい。好ましいエステルペルオキシカルボン酸は、上記の好ましいジカルボン酸ジエステルに対応するモノエステルペルオキシカルボン酸である。
使用組成物と濃縮組成物に含まれるエステルペルオキシカルボン酸の量は、その組成物に溶かすか分散させることのできるエステルペルオキシカルボン酸の最大量までが可能である。エステルペルオキシカルボン酸は、濃縮組成物中に約0.001〜約50重量%の濃度で存在していることが好ましい。この濃度は、0.05〜約25重量%であることがさらに好ましく、約0.08〜約15重量%であることがさらに好ましく、約0.1〜約10重量%であることがさらに好ましい。いくつかの好ましい実施態様では、ジカルボン酸ジエステル濃縮組成物は、エステルペルオキシカルボン酸をこのような範囲の下限に等しい量含んでいる。これらの組成物は、上記の量または範囲から“約”を除いた量または範囲を含むことができる。
使用組成物は、例えば濃縮物を希釈することによって、あるいは個々の成分を使用時に混合することによって得ることができる。一般に、上記濃縮組成物の使用溶液は、独立に、濃度が0.001〜約5重量%のエステルペルオキシカルボン酸またはアルキルエステルペルオキシカルボン酸を含んでいる。なおこの濃度は、0.01〜約3重量%であることが好ましく、約0.1〜約2重量%であることがさらに好ましい。
過酸化水素
本発明のジカルボン酸ジエステル組成物は、一般に、過酸化水素も含んでいる。過酸化水素を過カルボン酸と組み合わせると、微生物のある種の生体膜を除去すること、あるいは微生物に殺菌作用を及ぼすことができる。さらに、過酸化水素には発泡作用があり、過酸化水素を付着させたあらゆる表面を湿らせることができる。過酸化水素は、付着させると物理的な洗い流し作用を示すため、表面がさらにきれいになる。過酸化水素の別の利点は、使用して分解されたときに食品との適合性があることである。例えばペルオキシ酢酸、ペルオキシオクタン酸、過酸化水素を組み合わせると、分解されたときに酢酸、オクタン酸、水、酸素が発生する。これらはすべて、食品との適合性がある。
多数の酸化剤を用いてペルオキシカルボン酸を生成させることができる。適切な酸化剤としては、過酸化水素以外に、無機と有機の過酸化物(例えば過ホウ酸塩、過炭酸塩、過硫酸塩、過カルボン酸塩、オゾン)が挙げられる。一般には過酸化水素がいくつかの理由で好ましい。H2O2/ペルオキシカルボン酸殺菌剤を適用すると、残留物には水と酸性成分が含まれるだけである。これら生成物が食品処理装置(例えば浴やスプレー装置)の表面に堆積しても、その装置や、その装置の中に洗浄後に入れられる食品の取り扱いまたは処理に好ましくない影響を与えることはない。
代表的なジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、過酸化水素を約0.005重量%〜約75重量%含むことができる。過酸化水素は、約0.01重量%〜約25重量%であることが好ましく、約0.05重量%〜約10重量%であることがさらに好ましく、約0.1重量%〜約5重量%であることがさらに好ましい。ジカルボン酸ジエステル殺菌組成物の使用組成物は、過酸化水素を約0.001重量%〜約5重量%含むことができる。過酸化水素は、約0.01重量%〜約2.5重量%であることが好ましく、約0.1重量%〜約1.5重量%であることが非常に好ましい。
共溶媒
さまざまな共溶媒を使用することができる。一般に、共溶媒は、選択したジカルボン酸ジエステルの性質と、選択したジカルボン酸ジエステルの希釈溶媒に対する溶解度に基づいて選択する。希釈溶媒が水である組成物の場合には、共溶媒は、一般に、水に対する溶解度が選択した溶媒よりも大きいものにする。共溶媒は、引火点が高く(例えば約30℃超であり、約50℃超であることがさらに好ましく、約100℃超であることがさらに好ましい)、においが少なく、ヒトと動物に対する毒性が少ないことが好ましい。
好ましい共溶媒としては、2-(2-アミノエトキシ)エタノール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、酢酸アミル、アミルアルコール、ブタノール、3-ブトキシエチル-2-プロパノール、酢酸ブチル、プロピオン酸n-ブチル、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、ジエトキシエタノール、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールn-ブチルエーテル、ジイソブチルカルビノール、ジイソブチルケトン、ジメチルヘプタノール、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールt-ブチルエーテル、エタノール、酢酸エチル、2-エチルヘキサノール、プロピオン酸エチル、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、ヘキサノール、イソブタノール、酢酸イソブチル、イソブチルヘプチルケトン、イソホロン、イソプロパノール、酢酸イソプロピル、メタノール、メチルアミルアルコール、メチルn-アミルケトン、2-メチル-1-ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、1-ペンタノール、プロピオン酸n-ペンチル、1-プロパノール、酢酸n-プロピル 、プロピオン酸n-プロピル 、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールn-ブチルエーテルなどが挙げられる。共溶媒としてはエチレングリコールブチルエーテルとジプロピレングリコールn-ブチルエーテルが特に好ましい。望むのであれば、複数の共溶媒の混合物も使用することができる。
市販されている共溶媒(すべてユニオン・カーバイド社から入手できる)としては、ブトキシエチルPROPASOL(登録商標)、酢酸ブチルCARBITOL(登録商標)、ブチルCARBITOL(登録商標)、酢酸ブチルCELLOSOLVE(登録商標)、ブチルCELLOSOLVE(登録商標)、ブチルDIPROPASOL(登録商標)、ブチルPROPASOL(登録商標)、CARBITOL(登録商標)PM-600、CARBITOL(登録商標)低重力、CELLOSOLVE(登録商標)アセテート、CELLOSOLVE(登録商標)、エステルEEP(登録商標)、FILMER IBT(登録商標)、ヘキシルCARBITOL(登録商標)、ヘキシルCELLOSOLVE(登録商標)、メチルCARBITOL(登録商標)、酢酸メチルCELLOSOLVE(登録商標)、メチルCELLOSOLVE(登録商標)、メチルDIPROPASOL(登録商標)、酢酸メチルPROPASOL(登録商標)、メチルROPASOL(登録商標)、プロピルCARBITOL(登録商標)、プロピルCELLOSOLVE(登録商標)、プロピルDIPROPASOL(登録商標)、プロピルPROPASOL(登録商標)が挙げられる。
より好ましい共溶媒は、間接的または直接的な食品添加物または食品物質として適合性のあるものであろう。特に、連邦規制基準(CFR)、第21章:食品と薬品、170〜186条に記載されているものになろう(この部分は、参考としてこの明細書に組み込まれているものとする)。適合性のある共溶媒の具体例としては、グリセリン、ソルビトール、エタノール、プロピレングリコールなどが挙げられる。
代表的なジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、共溶媒を約45重量%まで含むことができる。この量は、約20重量%までであることが好ましく、約10重量%までであることがさらに好ましく、約5重量%までであることが非常に好ましい。ジカルボン酸ジエステル殺菌組成物の使用組成物は、一般に、共溶媒を約10重量%まで含んでいる。この量は、約5重量%までであることが好ましく、約3重量%までであることがさらに好ましい。これらの組成物は、上記の量または範囲から“約”を除いた量または範囲を含むことができる。好ましいジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、共溶媒として、グリセリン、エタノール、プロピレングリコール、ソルビトール、あるいはこれらの混合物などを含んでいる。好ましいジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、共溶媒として、プロピレングリコール、グリセリン、あるいはこれらの混合物を含んでいる。好ましいジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、共溶媒としてプロピレングリコールを含んでいる。
界面活性剤またはヒドロトロープ剤
さまざまな界面活性剤またはヒドロトロープ剤を使用することができる。一般に、どの界面活性剤を使用するかと、その界面活性剤の使用量は、選択したジカルボン酸ジエステルと他の添加物の性質(例えば希釈溶媒(通常は、水または高密度流体(例えば二酸化炭素))への溶解度)に基づいて選択する。界面活性剤は、不溶性堆積物を形成する傾向を持たないこと、そしてにおいが少なく毒性が小さいことが好ましい。望むのであれば、複数の界面活性剤の混合物も使用することができる。
適切な界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、アミンオキシドなどが挙げられる。好ましい界面活性剤としては、アニオン界面活性剤とアミンオキシドが挙げられる。使用可能な好ましい界面活性剤としては、アニオン界面活性剤(硫酸アルキル、スルホン酸アルカン)、直鎖型スルホン酸アルキルベンゼン、直鎖型スルホン酸アルキルナフタレン、スルホン酸第二級アルカン、硫酸アルキルエーテル、スルホン酸アルキルエーテル、リン酸アルキル、ホスホン酸アルキル、スルホコハク酸ジアルキルエステル、糖エステル(例えばソルビタンエステル)、アミンオキシド(モノアルキル、ジアルキル、トリアルキル)、C8〜C10アルキルグルコシドなどが挙げられる。
本発明で使用される他の界面活性剤またはヒドロトロープ剤としては、n-オクタンスルホン酸塩(エコラブ社からNAS 8Dとして入手可能)、n-オクチルジメチルアミンオキシド、n-デシルジメチルアミンオキシド、ココアジメチルアミンオキシド、一般に入手できる芳香族スルホン酸塩(例えばスルホン酸アルキルベンゼン(具体的には、スルホン酸ドデシルベンゼン、スルホン酸クメン、スルホン酸キシレン)、スルホン酸ナフタレン)などが挙げられる。
最も好ましいアニオン界面活性剤とヒドロトロープ剤としては、スルホン酸C6〜C24アルキルベンゼン;スルホン酸C6〜C24オレフィン;スルホン酸C6〜C24パラフィン;スルホン酸クメン;スルホン酸キシレン;スルホン酸C6〜C24アルキルナフタレン;スルホン酸C6〜C24アルキルジフェニルエーテル、スルホン酸C6〜C24ジアルキルジフェニルエーテル、ジスルホン酸C6〜C24アルキルジフェニルエーテル、ジスルホン酸C6〜C24ジアルキルジフェニルエーテル、スルホコハク酸C4〜C24モノアルキル、スルホコハク酸C4〜C24ジアルキル;スルホン化または硫酸化された脂肪酸;硫酸C6〜C24アルコール(硫酸C6〜C12アルコールが好ましい);1〜約20個のエチレンオキシド基を有する硫酸C6〜C24アルコールエーテル;リン酸C4〜C24アルキルエステル、リン酸アリールエステル、リン酸アルカリールエステル、またはそのアルコキシル化された類似体でエチレンオキシド単位、プロピレンオキシド単位、ブチレンオキシド単位のいずれかを1〜約40個有するもの、またはこれらの混合物が挙げられる。
他の界面活性剤としては非イオン界面活性剤があり、例えば1〜約20個(好ましくは約9〜約20個)のエチレンオキシド基を有するC6〜C24アルコールエトキシレート(好ましくはC6〜C14アルコールエトキシレート);1〜約100個(好ましくは約12〜約20個)のエチレンオキシド基を有するC6〜C24アルキルフェノールエトキシレート(好ましくはC8〜C10アルコールエトキシレート);1〜約400個のエチレンオキシド基と2〜約100個のプロピレンオキシド基と約40個までのブチレンオキシド基を有するエチレンオキシド/プロピレンオキシド/ブチレンオキシド・コポリマー(ブロック・コポリマー、ヘテロ・コポリマー、ランダム混合コポリマーのいずれかである);1〜約20個(好ましくは約9〜約20個)のグリコシド基を有するC6〜C24アルキルポリグリコシド(好ましくはC6〜C20アルキルポリグリコシド); C6〜C24脂肪酸エステルエトキシレート、C6〜C24脂肪酸エステルプロポキシレート、C6〜C24脂肪酸エステルグリセリド;C6〜C24モノアルカノールアミド、C6〜C24ジアルカノールアミドなどが挙げられる。消泡剤として使用される特に有用な非イオン界面活性剤は、表面に平均して12モルのエチレンオキシドが縮合していて、末端が、平均で30モルのプロピレンオキシドを含む疎水性部分で覆われたノニルフェノールである。
より好ましい界面活性剤としては、食品グレードの界面活性剤、直鎖型アルキルベンゼンスルホン酸とその塩、プルロニック(登録商標)という商品名で売られているエチレンオキシド/プロピレンオキシド誘導体などが挙げられる。
好ましいカチオン界面活性剤としては、一般式:
Figure 0004611637
の第四級アンモニウム化合物が挙げられる。ここでR、R'、R"、R'"は、それぞれ、C1〜C24アルキル、アリール、アラルキルのいずれかであり、これらの基は、場合によってはヘテロ原子としてP、O、S、Nのいずれかを1個以上含んでおり、Xは、F、Cl、Br、I、硫酸アルキルのいずれかである。好ましい別のカチオン界面活性剤としては、エトキシル化された、および/またはプロポキシル化されたアルキルアミン、ジアミン、トリアミンが挙げられる。
好ましい両性界面活性剤としては、一般式:
Figure 0004611637
のアミンオキシド化合物が挙げられる。ただしR、R'、R"、R'"は、それぞれ、C1〜C24アルキル、アリール、アラルキルのいずれかであり、これらの基は、場合によってはヘテロ原子としてP、O、S、Nのいずれかを1個以上含んでいる。
好ましい別のクラスの両性界面活性剤としては、一般式:
Figure 0004611637
のベタイン化合物が挙げられる。ここでR、R'、R"、R'"は、それぞれ、C1〜C24アルキル、アリール、アラルキルのいずれかであり、これらの基は、場合によってはヘテロ原子としてP、O、S、Nのいずれかを1個以上含んでおり、nは約1〜約10である。
非常に好ましい界面活性剤は、間接的または直接的な食品添加物または食品物質として適合性のあるものであろう。特に、連邦規制基準(CFR)、第21章:食品と薬品、170〜186条に記載されているものになろう(この部分は、参考としてこの明細書に組み込まれているものとする)。
代表的なジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、界面活性剤および/またはヒドロトロープ剤を約45重量%まで含むことができる。この量は、約20重量%までであることが好ましく、約10重量%までであることがさらに好ましく、約5重量%までであることが非常に好ましい。ジカルボン酸ジエステル殺菌組成物の使用組成物は、一般に、界面活性剤とヒドロトロープ剤を約10重量%まで含んでいる。この量は、約5重量%までであることが好ましく、約3重量%までであることがさらに好ましい。
アジュバント
本発明のジカルボン酸ジエステル組成物、または本発明の方法で使用するジカルボン酸ジエステル組成物は、任意の数のアジュバントも含むことができる。この組成物は、添加可能な成分のうちで、特に、安定化剤、湿潤剤、ヒドロトロープ剤、増粘剤、発泡剤、キレート剤、ビルダー、pH調節剤、防腐添加剤、防さび添加剤インディケータのほか、香料、顔料、染料を含むことができる。このようなアジュバントは、ジカルボン酸ジエステル組成物とともにあらかじめ製剤化すること、あるいは系にジカルボン酸ジエステル組成物と同時に添加することが可能であり、ジカルボン酸ジエステル組成物の投与後に添加することさえできる。この組成物は、用途に応じ、本発明の活性を増大させることのできる公知の他の成分を任意の数だけ含むこともできる。
安定化剤
本発明のジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、安定化剤などの成分、特に過酸素化合物またはペルオキシカルボン酸を安定化させるのに適した成分を含むことができる。このような安定化剤は周知である。安定化剤としては、溶液中に存在していてあらゆる過酸素化合物の分解を促進する可能性のある金属イオン(特にほとんどの遷移金属イオン)を封鎖する有機キレート化合物などが挙げられる。代表的な錯化剤としては、有機アミノ-ポリリン酸錯化剤(酸または可溶塩の形態)、有機ヒドロキシ-ポリリン酸錯化剤(酸または可溶塩の形態)、カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、アミノカルボン酸などが挙げられる。
本発明において安定化剤として一般に役立つキレート剤または金属イオン封鎖剤としては、(酸の形態で表わした)ジピコリン酸、ピコリン酸、グルコン酸、キノリン酸などの酸または塩、アルキルジアミンポリ酢酸タイプのキレート剤(例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチルエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、エチレントリアミンペンタ酢酸)、アクリル酸タイプの安定化剤、ポリアクリル酸タイプの安定化剤、ホスホン酸やホスホン酸塩タイプのキレート剤などが挙げられる。好ましい金属イオン封鎖剤としては、ホスホン酸とホスホン酸塩(例えば、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸(CH3C(PO3H2)2OH)(HEDP);エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸(EDTMP);ジエチレントリアミンペンタキスメチレンホスホン酸(DTPMP);シクロヘキサン-1,2-テトラメチレンホスホン酸;アミノ[トリ(メチレンホスホン酸)];(エチレンジアミン[テトラメチレンホスホン酸]);2-ホスフェンブタン-1,2,4-トリカルボン酸)のほか;アルカリ金属の塩、アンモニウム塩、アルキロイルアミン塩(例えばモノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩)などが挙げられる。
安定化剤は、濃縮物中で一般に組成物の約0重量%〜約20重量%の濃度にして使用することができる。この濃度は、組成物の約0.1重量%〜約10重量%であることが好ましく、組成物の約0.2重量%〜約5重量%であることが非常に好ましい。使用溶液中では、安定化剤が組成物の0重量%〜約5重量%である。この濃度は、組成物の0重量%〜約2重量%であることが好ましく、組成物の0重量%〜0.5重量%であることが非常に好ましい。
アミノリン酸塩とアミノホスホン酸塩も組成物中のキレート剤として適している。具体的には、エチレンジアミン(ホスホン酸テトラメチレン)、リン酸ニトリロトリスメチレン、ジエチレントリアミン(ホスホン酸ペンタメチレン)などが挙げられる。これらのアミノホスホン酸塩は、一般に、炭素原子が7個以下のアルキル基またはアルカリ基を含んでいる。ホスホン酸には、低分子量のホスホノポリカルボン酸(例えば約2〜4個のカルボン酸部分と約1〜3個のホスホン酸基を有するもの)も含まれる。そのような酸としては、1-ホスホノ-1-メチルコハク酸、ホスホノコハク酸、2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸などが挙げられる。
食品に添加するための市販されているキレート剤としては、商品名DEQUEST(登録商標)として販売されているホスホン酸塩(例えば、モンサント・インダストリアル・ケミカルズ社(セントルイス、ミズーリ州)からDEQUEST(登録商標)2010として入手できる1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸;モンサント社からDEQUEST(登録商標)2000として入手できるアミノ(トリ(メチレンホスホン酸))(N[CH2PO3H2]3);モンサント社からDEQUEST(登録商標)2041として入手できるエチレンジアミン[テトラ(メチレンホスホン酸)]);モベイ・ケミカル社の無機化学品部門(ピッツバーグ、ペンシルヴェニア州)からベイヒビットAMとして入手できる2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸などが挙げられる。
上記のホスホン酸は、水溶性の酸塩(特に、ナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属の塩)の形態や;アンモニウム塩または炭素原子の数が2〜3個のアルキロイルアミン塩の形態(例えばモノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩)でも使用することができる。望むのであれば、個々のホスホン酸またはその酸塩の混合物も使用することができる。
本発明の濃縮物で役に立つキレート剤の濃度は、一般に、約10重量%までである。この濃度は、約2重量%までであることが好ましく、約0.5重量%までであることがさらに好ましい。使用溶液中には、キレート剤を一半に組成物の約5重量%まで含むことができる。この濃度は、組成物の約1重量%までであることが好ましく、組成物の約0.5重量%までであることが非常に好ましい。
緩衝剤
例えば殺菌溶液のpHを安定化させるため、組成物に緩衝剤を添加することができる。本発明のジカルボン酸ジエステル組成物は一般に強酸を含んでいないが、緩衝を目的とした緩衝用アジュバントとして、例えば弱い無機酸、有機酸、有機塩、無機塩は含むことができる。含まれていてもよいものとして、無機物をベースとした塩または弱い無機酸(例えば、リン酸塩(リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸一カルシウム、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム))、硫酸塩(例えば硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム)、硫酸水素塩、ケイ酸塩(例えばケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸マグネシウム)、ホウ酸塩(例えばホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸)、スルファミン酸;有機物をベースとした化合物(リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、酢酸、グリコール酸、グルタミン酸、ソルビン酸、安息香酸、アジピン酸、コハク酸、二酢酸塩または二量体、脂肪酸);これらの混合物が挙げられる。
さらに、水性製剤では、二酸化炭素と水の相互作用を通じた炭酸化酸性化が可能である。
pH調節や緩衝を目的として本発明に添加することのできる酸または塩としては、脂肪族カルボン酸、オレフィンカルボン酸またはその塩、芳香族カルボン酸またはその塩、無機酸またはその塩、ポリマーカルボン酸またはその塩、有機ホスホン酸またはその塩、有機リン酸またはその塩、有機スルホン酸またはその塩、有機硫酸またはその塩、有機ホウ酸またはその塩、アミン酸またはその塩、ならびにこれらの混合物などが挙げられる。本発明には、カルボン酸、ジ/トリ-カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、α-ヒドロキシカルボン酸、またはこれらの酸の塩、無水物、エステルが含まれることが非常に好ましい。具体例としては、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、酢酸、二酢酸塩、ブチル酸、オクタン酸、ヘプタン酸、ノナン酸、デカン酸、マロン酸、アジピン酸、コハク酸、サリチル酸、フマル酸、マレイン酸、アセト酢酸、オキサロ酢酸、ピルビン酸、α-ケトグルタル酸などが挙げられる。本発明では穏やかな酸を使用することが好ましい。
本発明において緩衝剤として使用される非常に好ましい酸/塩の組み合わせとしては、クエン酸/クエン酸塩、リン酸/リン酸塩、ホウ酸/ホウ酸塩、硫酸/硫酸水素塩、コハク酸/コハク酸塩、あるいはこれらの混合物、あるいはこれらの酸のうちの任意のものとこれらの塩のうちの任意のものの組み合わせが挙げられる。しかし酸または緩衝剤は、本発明のジカルボン酸ジエステル組成物にとっては必須ではない。
ジカルボン酸ジエステル殺菌組成物の調製
本発明のジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、市販されるときに希釈溶媒(例えば水)を含んでいてもよいし、使用するまでの任意の時点でその組成物に希釈溶媒を添加してもよい。本発明の濃縮物は、市販されるときに希釈溶媒をほとんど、あるいはまったく含んでいないことが好ましい。希釈した組成物を標的とする微生物に付着させたときにその希釈した組成物が望む殺菌特性を示すという条件が満たされる範囲であれば、希釈比はさまざまな値にすることができる。
濃縮物に含まれる諸成分は、希釈した混合物の約0.01〜約99重量%を占めることができる。この値は、約0.1〜約50重量%であることが好ましく、約0.5〜約25重量%であることが非常に好ましい。希釈した殺菌組成物は、ジカルボン酸ジエステルを約0.01〜約50重量%含んでいることが好ましい。この値は、約0.1〜約10重量%であることがさらに好ましく、約0.5〜約5重量%であることが非常に好ましい。さらに付言すると、希釈した組成物は、ジカルボン酸ジエステルが希釈溶媒に溶ける限界に近い量のジカルボン酸ジエステルを含んでいることが好ましい。さらに、希釈した殺菌組成物は、水性であること、殺菌剤を含んでいること、透明であることが好ましい。
本発明の組成物は、この組成物と、本発明の方法を実施するための適切な指示書を含むキットの形態で販売することができる。指示書には、一般に、推奨する希釈比、用途、付着方法、安全性に関する警告が含まれることになろう。
ジカルボン酸ジエステル組成物の利用法
本発明のジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、家庭用または工業用のさまざまな用途で使用することができる。例えば表面または物体に存在する微生物またはウイルスの数、水塊または流水の中に存在する微生物またはウイルスの数を減らすのに使用する。この組成物は、さまざまな領域に適用することができる。例えば、台所、浴室、工場、病院、歯科医院、医薬品の工場または包装装置、食品の工場または包装装置などが挙げられる。この組成物は、形状が滑らかであったり、不規則であったり、多孔性であったりする硬い表面や柔らかい表面に適用することができる。適切な硬い表面としては、例えば建造物の表面(例えば床、壁、窓、流し、テーブル、カウンター、サイン類);食器類;表面が硬い医療用または手術用の器具または装置;表面が硬い包装などが挙げられる。このような硬い表面は、さまざまな材料から作ることができる。材料としては、例えばセラミック、金属、ガラス、木、硬いプラスチックなどがある。適切な柔らかい表面としては、例えば、紙;フィルタ媒体、病院用または外科用のシーツ類または下着類;表面が柔らかい医療用または手術用の器具または装置;表面が柔らかい包装などが挙げられる。このような柔らかい表面は、さまざまな材料から作ることができる。材料としては、例えば紙、繊維、織布、不織布、柔らかいプラスチック、エラストマーなどである。本発明の組成物は、食品や皮膚などの柔らかい表面にも適用することができる。
本発明のジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、減菌剤、殺菌剤、消毒剤、保存剤、脱臭剤、防腐剤、殺真菌剤、殺菌剤、殺胞子剤、殺ウイルス剤、洗浄剤、漂白剤、硬い表面のクリーナ、ハンドソープ、手術前または手術後の洗浄剤などの製品に含めることができる。
このジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、哺乳動物の皮膚処理(例えば乳頭ディップ)などのための獣医用製品、あるいは動物の囲い、檻、水飲み場、獣医の治療区域(例えば診察用テーブル、手術室)を殺菌または消毒するための製品でも使用することができる。
本発明のジカルボン酸ジエステル組成物は、病原性微生物(例えばヒト、動物などの病原体)の数を減らすのに使用できる。このジカルボン酸ジエステル組成物は、病原体(例えば真菌、カビ、細菌、胞子、ウイルス(具体的にはパルボウイルス、コクサッキーウイルス、ヘルペスウイルス)、黄色ブドウ球菌、大腸菌、連鎖球菌、レジオネラ菌、マイコバクテリア)などに対して活性を示すことができる。このような病原体は、さまざまな疾患や異常(例えばみずむし、毛髪状蹄病、乳腺炎または哺乳類の授乳疾患、結核など)を引き起こす可能性がある。本発明の組成物は、動物の皮膚やそれ以外の外部表面または粘性表面に存在する微生物の数を減らすことができる。さらに、本発明の組成物は、水、空気、表面物質によって運ばれることを通じて広がる病原性微生物を殺すことができる。この組成物は、動物の皮膚やそれ以外の外部表面または粘性表面、水、空気、表面に適用するだけでよい。
ジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、食品や植物種に使用してその表面に存在する微生物の数を減らすこと;あるいは、そのような食品や植物種を製造したり処理したりする場所で使用すること;あるいは、そのような場所の周囲で処理水を処理するのに使用することもできる。例えばこの組成物は、食品輸送ライン上で(例えばベルト・スプレーとして)使用すること;長靴や手を洗うための容器で使用すること;食品保管施設で使用すること;腐敗防止空気循環システムで使用すること;冷蔵・冷却設備で使用すること;飲料冷却・加熱装置、漂白装置、まな板、第3の流し、肉冷却装置、肉焼き装置で使用することが可能である。本発明の組成物は、樋、パイプ、カッター、スライス装置、漂白装置、減菌システム、洗浄装置などで使用される輸送水を生成させて処理するのに用いることができる。本発明の組成物を用いて処理できる具体的な食品としては、卵、肉、種子、葉、果実、野菜などが挙げられる。植物の表面を具体的に挙げると、収穫された状態または成長している状態の葉、根、種子、皮、殻、幹、茎、塊茎、球茎、果実などである。この組成物は、動物の死体を処理して病原性細菌と非病原性細菌の両方のレベルを低下させるのに使用することもできる。
本発明のジカルボン酸ジエステル組成物は、食品供給産業、食品処理産業、飲料産業、乳製品産業、醸造産業、医薬品産業における容器、処理施設、設備の洗浄または殺菌に役立つ。この殺菌組成物は、食品、飲料、医薬品の包装材料と包装装置、中でも低温または高温での無菌パッケージングの際に使用するのに特に適している。本発明の組成物を使用できる処理施設の具体例としては、ミルク加工施設、連続醸造システム、食品処理ライン(例えばポンピング可能な食品システム、飲料ライン)、医薬品充填ライン、錠剤製造装置、ビン詰め装置などが挙げられる。食品を提供するための食器類は、本発明の組成物で消毒することができる。例えばこの組成物を、食器類洗浄機、食器類、ビン洗浄機、ビン冷却器、加熱器、第3の流し洗浄機、切断区域(例えば水ナイフ、スライス装置、カッター、鋸)、卵洗浄機などの表面や内部で使用することもできる。処理可能な表面の具体例としては、パッケージング(例えば、段ボール、ビン、フィルム、樹脂);食器類(例えば、グラス、皿、道具類、鍋、フライパン);食器類洗浄機;露出している食品調理区域(例えば、流し、カウンター、テーブル、床、壁);タンク、大樽、製造ライン、ポンプ、ホースなどの処理設備(例えば、ミルク、チーズ、アイスクリームや、それ以外の乳製品を処理するための乳製品処理設備);輸送車などが挙げられる。容器としては、ガラス瓶、PVCまたはポリオレフィン・フィルム製の袋、缶、ポリエステル製、PENまたはPET製、さまざまなコポリマー製のさまざまな容量のボトル(100ml〜2リットルなど)、1ガロンの牛乳容器、アルミフォイルや紙でできたジュース容器または牛乳容器などが挙げられる。処理可能な他の食品、飲料、医薬品の包装材料に関する詳しい説明は、連邦規制基準、第21章:175〜178条に記載されている。
本発明の殺菌組成物は、他の工業設備の表面や内部、他の工業プロセスにおける流体(例えば、食品用、医薬品用、飲料用のヒーター、冷却塔、ボイラー、減菌水、リンス水、無菌包装洗浄水)などにおいて使用することもできる。この組成物は、プール、温泉、レクリエーション用水路、ウォータースライド、泉などにおける再生水に含まれる微生物やにおいを処理するのに使用することができる。
この組成物を含むフィルタは、空気または液体の中に存在する微生物の数を減らすことができる。このようなフィルタは、水や空気によって運ばれる病原体(例えばレジオネラ菌)を除去することができる。
本発明の殺菌組成物を用いて洗浄する他の硬い表面としては、定置洗浄(CIP)システム、取り外し洗浄(COP)システム、洗浄機の汚染除去装置、殺菌装置、洗濯機、限外濾過システム、ナノ濾過システム、室内空気フィルタなどが挙げられる。COPシステムとしては、容易にアクセスできるシステムが挙げられる。具体的には、洗浄タンク、浸漬容器、モップ用バケツ、保持タンク、雑巾洗浄容器、車の部品洗浄機、不連続なバッチ洗浄機やシステムなどである。
一般に、定置システムやそれ以外の表面を実際に洗浄する(すなわちその中に含まれている食用にならない不要な部分を除去する)には、温水とともに導入される洗剤などの別の材料が使用される。この洗浄ステップの終了後、本発明の殺菌組成物を、加熱していない周囲温度の水に溶けて使用濃度になっている溶液として、システム内に適用または導入することになろう。CIPでは、一般に、流速を1分間に約40〜約600リットルのオーダー、温度を周囲温度〜約70℃、接触時間を少なくとも約10秒(より好ましくは約30秒〜約120秒)にする。本発明の殺菌組成物は、冷たい水(例えば40°F/4℃)と湯(例えば140°F/60℃)の中で溶液の状態に留まることがわかった。通常は本発明による組成物の使用水溶液を加熱する必要はないが、状況によってはその使用水溶液の殺菌活性をより大きくするために加熱することが望ましい場合がある。この使用水溶液は、考えうる任意の温度で役に立つ。
実質的に固定された定置処理施設を殺菌する方法には以下のステップが含まれる。本発明の使用組成物を約4℃〜80℃の温度範囲にて処理施設に導入する。導入後、この使用溶液を、処理施設を殺菌する(すなわち望ましくない微生物を殺す)のに十分な時間にわたって容器内に保持する、あるいはシステム全体を循環させる。本発明の組成物で表面を殺菌した後、使用溶液を排出させる。この殺菌ステップが終了すると、必要に応じてシステムを他の物質(例えば飲料水)でゆすぐとよい。組成物は、処理施設を10分間以下の時間、循環させることが好ましい。
この組成物をもとにした使用溶液の中に食品処理設備を入れ、その設備を殺菌するのに十分な時間にわたって浸し、過剰な溶液をその設備からぬぐう、あるいは排出させることもできる。この組成物をもとにした使用溶液を食品処理表面にスプレーすることによって、あるいは食品処理表面を使用溶液で拭くことによって、その表面を殺菌するのに十分な時間にわたって湿った状態にした後、拭いたり、鉛直にして流したり、真空にしたりすることによって過剰な溶液を除去することもできる。
本発明の組成物は、硬い表面(例えば、規格化されたタイプの設備、道具類、食器類、ヘルスケアの設備または器具、ならびにこれ以外の硬い表面)を殺菌する際に使用することもできる。この組成物は、汚染された衣類または布の殺菌に使用することもできる。使用組成物は、約4℃〜60℃の使用温度にて、殺菌、消毒、減菌するのに有効な時間にわたり、上記の汚染された表面や物体のうちの任意のものと接触させる。例えば濃縮組成物を洗濯機の洗浄水またはゆすぎ水の中に投入し、汚染された布を殺菌するのに十分な時間にわたってその布と接触させることができる。次に、ゆすぎまたは遠心力によって布から過剰な溶液を除去するとよい。
本発明の殺菌組成物は、微生物に対して、あるいは汚れた表面または洗浄した表面に対してさまざまな方法を用いて付着させることができる。これらの方法は、物体、表面、水塊またはガス塊、流水またはガス流に本発明のジカルボン酸ジエステル組成物を接触させることによって効果を発揮することができる。接触には、組成物を付着させるための多数の方法のうちの任意の方法を利用することができる。例えば、組成物をスプレーすること、組成物の中に物体を浸したり、組成物を物体に十分にかけたりすること、物体を泡またはゲル状の組成物で処理すること、噴霧化、エーロゾル化、環状噴霧化すること、あるいはこれらを組み合わせることが可能である。
本発明によるジカルボン酸ジエステル組成物の濃縮物または使用溶液は、殺菌組成物または洗浄組成物を物体に付着させるための従来から知られている任意の方法または装置を利用して付着させること、あるいは接触させることができる。例えば、物体をジカルボン酸ジエステル組成物で、あるいはジカルボン酸ジエステル組成物から作られた使用組成物で拭くこと、物体にジカルボン酸ジエステル組成物を、あるいはジカルボン酸ジエステル組成物から作られた使用組成物をスプレーすること、物体をジカルボン酸ジエステル組成物に、あるいはジカルボン酸ジエステル組成物から作られた使用組成物に浸すことが可能である。ジカルボン酸ジエステル組成物を表面にスプレーすること、あるいはジカルボン酸ジエステル組成物で表面を拭くことができる。この組成物が表面上を流れるようにすること、あるいは表面をこの組成物に浸すこともできる。接触させるには、手または機械を用いることが可能である。
この組成物は、液体、ゲル、エーロゾル、ワックス、固体、粉末の形態にすることができる。蒸気状希釈溶媒、またはそれ以外のガス状希釈溶媒を使用する場合には、この組成物をガスの状態で適用できる形態にすることができる。
飲料、食品、医薬品の処理方法
本発明のジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、飲料、食品、医薬品(例えば、フルーツジュース、乳製品、麦芽飲料、ダイズをベースとした製品、ヨーグルト、ベビーフード、ビン詰めされた水製品、茶、咳止め、薬、ソフトドリンク)の製造に用いることができる。この組成物を用いると、このような飲料を製造するのに用いられるビン、ポンプ、製造ライン、タンク、混合設備の殺菌や消毒を行なうこと、殺胞子剤として作用させること、減菌することができる。さらに、このジカルボン酸ジエステル殺菌組成物を低温無菌充填操作で使用し、充填前に食品、飲料、医薬品の容器の内部を殺菌または減菌することもできる。このような操作では、スプレー、浸漬装置、充填装置を一般に用い、容器の内部に存在している微生物の数を減らすのに十分な時間にわたってその容器の内部をジカルボン酸ジエステル殺菌組成物と密に接触させる。次に、使用した量の殺菌組成物をこの容器から出す。容器が空になった後、一般に飲料水または減菌水で容器をゆすぎ、容器を再び空にする。しかしこのステップは、本発明では不要である。ゆすいだ後、容器に飲料、食品、医薬品を充填する。次にこの容器を封止し、あるいはこの容器にキャップをし、あるいはこの容器を閉じ、次いで包装して最終的に販売するために出荷する。封止した容器は、微生物をさらに殺すため、オートクレーブに入れること、あるいは減菌処理することが可能である。
食品、飲料、医薬品の製造において、ケトミウム属またはアルトリニウム属の真菌とバチルス属の胞子または細菌は、ビン詰めプロセス(特に低温無菌ビン詰めプロセス)における重要な問題である。本発明のジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、低温無菌ビン詰め法による飲料、食品、医薬品のビン詰めラインに存在するケトミウム属、アルトリニウム属、バチルス属の微生物の数を制御する、あるいは(5桁以上)実質的に減らすことを目的として使用することができる。
この方法では、金属缶、アルミニウム缶、スチール缶、ガラス瓶またはガラス容器、プラスチック(PET、PBT、PEN)製ボトルなどに低温無菌ビン詰め法を用いて充填することができる。この方法では、本発明のジカルボン酸ジエステル組成物を用いて飲料容器の内部を、炭酸飲料を充填する前に殺菌することができる。この場合の代表的な炭酸飲料としては、コーラ、果実飲料、ジンジャーエール、ルートビア、アイスティー(これは炭酸入りでなくてもよい)のほか、ソフトドリンクと考えられる他の一般的な飲料が挙げられる。本発明のジカルボン酸ジエステル組成物を用いると、タンク、製造ライン、ポンプの殺菌と、ソフトドリンクの製造と貯蔵に使用されるとともにその飲料のビン詰めや容器充填にも使用される他の設備の殺菌を両方とも行なうことができる。このジカルボン酸ジエステル殺菌組成物は、製造設備と飲料容器の表面に存在している細菌と真菌の両方を殺すのに有効である。
本発明は、ジカルボン酸ジエステル組成物が少なくとも約50ppmの濃度レベルであれば微生物を効果的に殺すことができる(例えば30秒間に1桁以上 減らす、特に5 桁以上減らすことができる)という驚くべき発見に基づいている。この濃度は、約500ppmであることが好ましく、約1500ppmであることが非常に好ましい。一般に、ジカルボン酸ジエステル組成物は、水を除くと0.01〜約50重量%存在することになろう。この量は、0.1〜約10重量%であることが好ましく、0.5〜約5重量%であることが非常に好ましい。
図面には、ジカルボン酸ジエステル組成物を用いたビンのスプレー/ビン詰め操作の実施態様の概略が示してある。ここには低温無菌操作も含まれる。この図には、飲料ボトルをジカルボン酸ジエステル組成物と接触させて殺菌することのできるプラント100が示してある。この図では、ボトル110を殺菌用トンネル102を通過させる。殺菌されたボトル110aは、次にゆすぎ用トンネル103を通過し、殺菌され、ゆすぎ終わったボトル110bとして現われる。
このプロセスにおいて、バルクのジカルボン酸ジエステル組成物を貯蔵タンク101に添加する。一般に、このジカルボン酸ジエステル組成物は、タンク101内で約22℃の温度に維持する。ジカルボン酸ジエステル組成物の使用濃度を適切な値にするため、濃縮ジカルボン酸ジエステル組成物とともに補給水105をタンク101に入れる。このジカルボン酸ジエステル使用組成物をヒーター108を通過させて温度を約45〜50℃にする。加熱されたジカルボン酸ジエステル使用組成物を殺菌用トンネル102の中でボトル110の内外のあらゆる表面にスプレーする。微生物の数を殺菌レベルに減らすためには、ジカルボン酸ジエステル組成物とボトル110が密に接触することが非常に重要である。
ジカルボン酸ジエステル使用組成物と接触させ、次いで過剰な組成物をボトルからすべて除去した後、殺菌されたボトル110aをゆすぎ用トンネル103を通過させて新鮮な水でゆすぐ。新鮮な水108は、新鮮な水を補給するタンクからスプレーゆすぎ用トンネル103に供給される。ゆすぎ用トンネル103からの過剰なスプレーは、排水路106に送られる。ゆすぎ用トンネル103の内部では、殺菌されたボトル110aが新鮮な水で完全にゆすがれる。飲料製品が高品質である状態を維持するためには、ボトル110aからジカルボン酸ジエステル組成物を完全に除去することが重要である。次に、ゆすいで殺菌したボトル110bをゆすぎ用トンネルから取り出す。
データンク101、殺菌用トンネル102、ゆすぎ用トンネル103はすべて、このシステムの構成要素から出る蒸気またはガスを除去するため、それぞれ濡れたスクラバーまたは排出口111a、111b、111cに通じている。スプレーされてボトル110aから流れ出た殺菌組成物は殺菌用トンネル102の底部に蓄積するため、リサイクル・ラインとヒーター107を通じてデイ・タンク101にリサイクルする。
デイ・タンクは、ジカルボン酸ジエステル組成物を0.01〜約50重量%(好ましくは0.1〜約10重量%、非常に好ましいのは約0.5〜約5重量%)含むことができるジカルボン酸ジエステル使用組成物を希釈し、保管し、供給するのに使用される。使用されるすべての処理設備は、処理設備からのガスが雰囲気に入るのを阻止するため、濡れたスクラバーに通じている必要がある。できるだけ少なくした製品の損失が繰り越されるのを減らすため、容器からジカルボン酸ジエステル組成物を排出させることが重要である。ボトルとジカルボン酸ジエステル組成物は、一般に約0℃よりも高い温度で接触させる。この温度は、25℃よりも高いことがより一般的であり、約40℃高いことがさらに一般的である。約40℃〜90℃の温度が用いられることがしばしばある。飲料容器の殺菌または減菌を約200ppm〜約10,000ppmという濃度のジカルボン酸ジエステル組成物を用いて行なうためには、40℃〜60℃で少なくとも5秒間、より好ましくは10秒間接触させる必要がある。なおジカルボン酸ジエステル組成物の濃度は、500ppm〜約5,000ppmであることがより好ましく、700ppm〜約2,500ppmであることが非常に好ましい。
殺菌または減菌の条件は、処理温度、処理回数、汚染状況、水の品質などによって大きく異なる。殺菌設備、デイ・タンク、殺菌用トンネル、ゆすぎ用トンネルは、ポリオレフィン構造プラスチック、保護膜を付けたステンレス鋼、腐食に強い製造材料のいずれかで製造することが好ましい。
16オンスのポリテレフタル酸エチレン(PETボトル)または他のポリマーでできた飲料容器に低温無菌充填を行なうとき、ジカルボン酸ジエステル組成物を用いる方法を採用する。ジカルボン酸ジエステル組成物は、使用濃度が約0.1〜約10重量%になるように希釈し、効果をもたらす約25℃〜約70℃(好ましくは約40℃〜約60℃)という高温に維持する。少なくとも5秒間、好ましくは10秒間にわたってボトルに対して殺菌組成物のスプレーまたはフラッディングを行なうと、ボトルと殺菌組成物の間の接触が確実になる。フラッディング終了後、ボトルから少なくとも2秒間にわたってすべての内容物を排出させ、さらに必要に応じ、38℃(100°F)にした約200mlの減菌水で5秒間にわたってゆすぐ。ボトルにゆすぎ水を入れる場合には、ボトルからゆすぎ用の減菌水を少なくとも2秒間にわたって排出させた後、すぐに液体飲料を充填する。ゆすぎ作業が終わってゆすぎ水を排出させた後には、通常、10ml未満、好ましくは3ml未満のゆすぎ水がボトルに残っている。
食品を接触させる方法
本発明の方法とシステムにより、ジカルボン酸ジエステル組成物を付着させるのに適した任意の方法または装置を用いて食品をジカルボン酸ジエステル組成物と接触させることができる。例えば本発明の方法とシステムを利用すると、食品とジカルボン酸ジエステル組成物の接触を、ジカルボン酸ジエステル組成物のスプレーによって、あるいはジカルボン酸ジエステル組成物の中に浸すことによって、あるいは泡またはゲル状のジカルボン酸ジエステル組成物で処理することによって実現できる。スプレー、泡、ゲルとの接触や、浸漬による接触は、殺菌剤を食品に付着させるために知られているさまざまな方法で実現することができる。それと同じ方法を採用して本発明のジカルボン酸ジエステル組成物を他の物体に付着させることもできる。
本発明の方法では、有意な殺菌効果を得るために組成物を食品に接触させるべき時間は非常に短い。接触時間は、使用組成物の濃度、使用組成物の付着方法、使用組成物の温度、食品表面の汚染物の量、食品表面の微生物の数、殺菌剤のタイプなどによって異なる可能性がある。接触時間は、少なくとも約5秒〜約15秒であることが好ましい。
食品を洗浄する好ましい方法では、ジカルボン酸ジエステル組成物を含む圧力スプレーを用いる。スプレー溶液を食品の表面に散布している間、食品の表面を機械的作用で動かすことができる。振動させる、こする、ブラシするなどが好ましい。振動は、食品を物理的にこすることによって、あるいは加圧したスプレー溶液の作用を通じて、あるいは超音波処理を通じて、あるいは他の方法によって実現することができる。振動によっておそらく溶液が微生物を含む裂け目または小さなコロニーによりよく入るようになるため、スプレー溶液が微生物を殺す効率が大きくなる。スプレー溶液は、効率を大きくするため、散布する前に約15〜20℃(好ましくは約20〜60℃)の温度に加熱することもできる。スプレー用ジカルボン酸ジエステル組成物は、微生物の数を適度に減らすのに十分な時間にわたって食品の表面に残したままにした後、ゆすぎ、排出させ、蒸発させて除去することができる。
スプレーによる組成物の散布は、スプレー・アプリケータを用いて手で実現すること、あるいは完全な接触を確実にするため、製造ラインに沿って移動する食品に複数のスプレー・ヘッドを用いて自動的にスプレーすることによって実現すること、あるいは他のスプレー装置を用いて実現することができる。好ましい1つの自動スプレー法は、スプレー・ブースを用いる方法である。スプレー・ブースがあると、スプレーされた組成物は実質的にブース内に限定される。製造ラインによって食品が入口からスプレー・ブースに移動する。ブースの中では、食品の外面全体にスプレーされる。ブース内で食品を組成物で完全に覆った後、食品から組成物を洗い流すと、食品をブースから取り出すことができる。スプレー・ブースには、本発明のジカルボン酸ジエステル組成物を付着させるのに使用できる蒸気ジェットを入れることができる。蒸気ジェットを冷却水と組み合わせて使用すると、食品表面の処理温度を65℃未満(好ましくは60℃未満)にすることができる。食品表面上のスプレーの温度は、その食品がスプレーの温度によって実質的に変化しない(調理されない)ようにするために重要である。スプレーのパターンは、有効なほぼあらゆるパターンが可能である。
食品を液体ジカルボン酸ジエステル組成物に浸すことは、多数ある公知の方法のうちの任意の方法で実現できる。例えば、食品を、ジカルボン酸ジエステル組成物を含むタンクまたは浴の中に入れることができる。別の方法として、ジカルボン酸ジエステル組成物の通路に食品を入れること、あるいはその通路内で食品を処理することができる。洗浄溶液を振動させることで、溶液の効果を大きくするとともに、溶液が食品に付着している微生物を減らす速度を大きくすることが好ましい。振動は、従来法で実現することができる。例えば、超音波処理、溶液内への空気の吹き込み、機械による方法(例えば液体ジェットによって駆動される濾過装置、へら、ブラシ、ポンプ)、あるいはこれらの方法の組み合わせがある。洗浄溶液を加熱することにより、その溶液が微生物を殺す効率を高めることができる。望む殺菌効果を得るのに十分な時間にわたって食品を浴または通路に浸した後、その浴または通路から食品を取り出し、ジカルボン酸ジエステル組成物を洗い流すこと、あるいは排出させること、あるいは蒸発させることができる。
本発明の別の実施態様では、泡状の組成物を用いて食品を処理することができる。泡は、使用時に泡状界面活性剤を洗浄溶液と混合することによって調製できる。泡状界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤が可能である。役に立つタイプの界面活性剤としては、アルコールエトキシレート、アルコールエトキシレートカルボキシレート、アミンオキシド、硫酸アルキル、硫酸アルキルエーテル、スルホン酸塩、第四級アンモニウム化合物、アルキルサルコシン、ベタイン、アルキルアミドなどが挙げられるが、これですべてではない。泡状界面活性剤は、一般に、使用時に洗浄溶液と混合する。使用溶液中の泡状界面活性剤のレベルは、約50ppm〜約2重量%である。使用時に圧縮空気を混合物の中に注入し、次いで泡付着装置(例えばタンク式泡形成装置または吸引式壁面固定泡形成装置)を用いて食品の表面に付着させることができる。
本発明の別の実施態様では、組成物を増粘したもの、あるいはゲル化したもので食品を処理することができる。洗浄溶液は、増粘した状態またはゲル化した状態だと、食品の表面により長時間留まっているため、殺菌効率が大きくなる。増粘した溶液またはゲル化した溶液は、鉛直な表面にも付着する。組成物または洗浄溶液は、既存の技術を利用して増粘した状態またはゲル化した状態にすることができる。例えば、キサンタンゴム、ポリマー増粘剤、セルロース増粘剤などが利用される。アミンオキシドやアニオン対イオンなどの棒状ミセル形成系も用いることができよう。増粘剤またはゲル形成剤は、濃縮組成物の中で使用すること、あるいは使用時に洗浄溶液と混合して使用することができる。増粘剤またはゲル形成剤の一般的なレベルは、約100ppm〜約10重量%である。
以下の実施例を参照すると、本発明をさらによく理解できよう。実施例は本発明の具体的な実施態様を示すことを目的としており、本発明の範囲を制限することは意図していない。
胞子を形成し、内毒素を産生する病原体であるセレウス菌とカビのケトミウム・フニコラに対し、『消毒剤の殺菌・浄化作用』(公式分析化学者協会の公式分析法、960.09節と該当セクション、第15版、1990年(EPAガイドライン91-2))に記載されている手続きを利用して組成物と対照を60℃にて10秒間接触させることにより、組成物と対照の殺菌活性を評価した。接触時間をこのように短くするというのは、非常に冒険的な試みであった。そのことは、対照に関して観察された減少桁数が小さいことからわかる。
これらのジカルボン酸ジエステル組成物では、カルボン酸に由来するエステルの一部とアルコールに由来する部分の両方に、鎖の長さがさまざまなジカルボン酸ジエステルが含まれていた。それぞれの場合に、ペルオキシカルボン酸としてエコラブ社のKX 6138を用いた。
以下の表には、組成物の成分と、2種類の微生物に関する減少桁数がリストにしてある。
Figure 0004611637
このデータは、最大の殺菌活性が、5〜8個の炭素原子をジカルボン酸部分に持ち、1〜2個の炭素原子をエステル部分に持つため、含まれる炭素原子の合計が6〜10個になるジカルボン酸ジエステルを含む組成物に由来することを示している。このようなジカルボン酸ジエステルのうち、6〜8個の炭素原子をジカルボン酸部分に持ち、1〜2個の炭素原子をエステル部分に持つため、含まれる炭素原子の合計が7〜10個になるジカルボン酸ジエステルが最大の活性を示した。最大の活性を示すエステルは、アジピン酸とスベリン酸のメチルエステルであった。
この明細書と添付の請求項では、特に断わらない限り、単数形に複数形も含まれることに注意されたい。したがって、例えば“1つの化合物”を含む組成物には、2種類以上の化合物の混合物も含まれる。また、“または”、“あるいは”という用語は、特に断わらない限り、一般に、“および/または”の意味で使用されていることにも注意されたい。
この明細書で引用したすべての出版物と特許出願は、本発明に関係する当業者のレベルを示している。
本発明を、特別なさまざまな実施態様と技術、好ましいさまざまな実施態様と技術を参照して説明してきた。しかし本発明の精神と範囲において多数の変形例や変更が可能であることを理解する必要がある。
炭酸飲料または非炭酸飲料を製造してビン詰めすることのできる飲料プラント(例えば低温無菌充填プラント)のダイヤグラムである。

Claims (3)

  1. 殺菌処理法であって、微生物に対し、希釈溶媒と、0.001〜0.5重量%のスベリン酸ジメチルと、殺菌剤とを含むスベリン酸ジメチル殺菌組成物を適用する操作を含み、
    上記殺菌剤が、ペルオキシカルボン酸を含む、
    ことを特徴とする方法。
  2. 上記ペルオキシカルボン酸として、ペルオキシ酢酸、ペルオキシギ酸、ペルオキシオクタン酸、エステルペルオキシカルボン酸、これらの塩またはこれらの混合物が含まれる、請求項1に記載の方法。
  3. 希釈溶媒と、0.001〜0.5重量%のスベリン酸ジメチルと、殺菌剤とを含み、
    上記殺菌剤が、ペルオキシカルボン酸を含む、
    ことを特徴とする殺菌組成物。
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